(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の送信体は、前記動力伝達ホースの長さ方向に、位置をずらして配置された複数条の螺旋状のパターンを設定し、このパターン上に間隔を置いて配置されている、請求項1または2に記載のコンクリートの締固め用バイブレータ装置。
振動体を有する本体と、一方の端部が前記本体に接続され、前記本体に動力を伝達する動力伝達ホースと、信号を送信する複数の送信体と、該複数の送信体から前記信号を受信する受信機と、を備え、前記複数の送信体は、前記動力伝達ホース上に、前記動力伝達ホースの長さ方向に間隔をおいて設けられる、コンクリートの締固め用バイブレータ装置を用いて、前記本体の位置を測定する、コンクリートの締固め用バイブレータの位置測定方法であって、
前記信号は、前記送信体ごとにそれぞれ異なるID情報であり、
前記複数の送信体のうち前記受信機に最も近い送信体から、前記受信機が前記信号を受信すること、
受信した前記ID情報を基に前記本体の位置を算出すること、
を含む、コンクリートの締固め用バイブレータの位置測定方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような従来のフレキシブル型バイブレータにおいては、コンクリート内に挿入されたバイブレータ本体の正確な位置を把握することが難しい。例えば壁などの施工において、どの高さをどの程度締固めたのかを、管理することが難しい。
バイブレータ本体の位置の把握に関しては、例えばホースの外側に一定間隔に、ビニールテープなどによって目印を付け、施工中に、ホースのコンクリートから露出している部分に付けられた目印を参照する方法が、行われている。また、ホースにスケールを添わせることも可能ではある。しかし、目印やスケールは施工中にコンクリートによって汚れるため、繰り返しての使用が難しく、特に、目印は剥離する可能性があるため、信頼性に欠ける。また、いずれの手法も、位置測定のための余計な手間が必要となり、現実的ではない。
【0006】
バイブレータ本体に何らかの信号を発信できる送信機を組み込み、当該送信機と作業者が保持する受信機との間で無線で信号を送受することによって位置を認識することも考えられる。しかし、締固め作業中には、送信機と受信機の間にはコンクリートや金属などが介在するため、これらの物質の影響で、信号の送受信の信頼性が低くなる可能性がある。
【0007】
締固めの程度に関しては、施工中に、締固めに要した時間を計測することも可能であるが、作業に手間を必要とする。
【0008】
したがって、バイブレータ本体の挿入位置の調整や、当該位置で十分に締固めが行われたか否かの判断は、現状においては作業員の勘と経験に依存しているため、締固めが不足したことに起因する施工不良などの問題が発生する可能性がある。
【0009】
また、例えばダム建設のような広大な場所にコンクリートの打設を行う場合においては特に、バイブレータ本体の深さ位置だけではなく、締固めを行った水平位置の管理も重要である。
現状においては、作業員あるいは現場監督間の、目視による確認と口頭による伝達によって、どの場所をどの程度締固めたのかを報告、管理しているが、報告や管理の人為的な誤りにより、締固めを行わなかった、あるいは十分に行われなかった場所が発生する可能性もある。
【0010】
更に、上記のいずれの場合においても、締固めを行った位置、程度を記録として残すのは困難であり、手間がかかる。仮に記録を残したとしても、後日記録を参照したり、様々な現場に関して何らかの統計を取ったりする場合に、その作業を容易に行うことは難しい。
【0011】
本発明の課題は、バイブレータ本体の位置を正確に測定することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、振動体を有する本体と、一方の端部が前記本体に接続され、前記本体に動力を伝達する動力伝達ホースとを備える、コンクリートの締固め用バイブレータ装置であって、信号を送信する複数の送信体と、該複数の送信体から前記信号を受信する受信機とを更に備え、前記複数の送信体は、前記動力伝達ホース上に、前記動力伝達ホースの長さ方向に間隔をおいて設けられる、コンクリートの締固め用バイブレータ装置を提供する。
このような構成によれば、動力伝達ホース上に、動力伝達ホースの長さ方向に間隔をおいて設けられた、送信体の各々が送信する信号を、受信機が受信して識別することができるため、受信した信号に基づいて、本体と送信体との距離、すなわち本体の受信機からの相対位置を正確に把握することができる。
また、送信体が送信する信号を受信機が受信することにより本体の位置の把握が可能となるため、汚れに影響されず繰り返しての使用も可能である。また、作業者が無意識のうちに位置の測定を行うことが可能となり、締固めの作業効率が悪化しない。
更に、送信体は動力伝達ホース上に設けられるため、作業者は受信機を動力伝達ホースに近づけることで本体の位置測定が可能となる。すなわち、送信体と受信機との間に多量のコンクリートや金属が介在しないため、正確で信頼性の高い動作が期待できる。
【0013】
前記複数の送信体は、前記動力伝達ホースの長さ方向に、螺旋状のパターンを設定し、このパターン上に間隔を置いて配置されてもよい。
このような構成によれば、送信体の効率的な配置が可能となり、装置を安価に製造することが可能となる。
【0014】
前記複数の送信体は、前記動力伝達ホースの長さ方向に、位置をずらして配置された複数条の螺旋状のパターンを設定し、このパターン上に間隔を置いて配置されてもよい。
このような構成によれば、送信体の効率的な配置を可能としながらも、動力伝達ホースの、送信体が配置されていない部位を少なくすることができるので、装置の安価な製造と、位置測定の信頼性向上を両立することが可能となる。
【0015】
前記受信機が、作業者用の手袋に設けられてもよい。
このような構成によれば、作業者は通常使用する装備を使用するだけで、無意識のうちに位置の測定を行うことが可能となり、作業効率が悪化しない。
【0016】
前記装置は、GPS受信部と、前記動力伝達ホースの他方の端部が接続された動力源とを更に備え、該動力源は電流モニタと送信回路を備え、前記電流モニタは前記動力源が駆動した時間を計測し、前記送信回路は前記時間を送信してもよい。
このような構成によれば、作業者の作業位置を特定できるため、広大な現場であっても、締固めを行った場所の水平位置の管理が容易にできる。
また、締固めに要した時間を正確に計測、閲覧できるため、作業員の誤りによる締固めの不足を防止することができる。
【0017】
また、本発明は、振動体を有する本体と、一方の端部が前記本体に接続され、前記本体に動力を伝達する動力伝達ホースと、信号を送信する複数の送信体と、該複数の送信体から前記信号を受信する受信機と、を備え、前記複数の送信体は、前記動力伝達ホース上に、前記動力伝達ホースの長さ方向に間隔をおいて設けられる、コンクリートの締固め用バイブレータ装置を用いて、前記本体の位置を測定する、コンクリートの締固め用バイブレータの位置測定方法であって、前記複数の送信体のうち前記受信機に最も近い送信体から、前記受信機が前記信号を受信することにより位置を検出すること、を含む、コンクリートの締固め用バイブレータの位置測定方法を提供する。
このような構成によれば、動力伝達ホース上に、動力伝達ホースの長さ方向に間隔をおいて設けられた、送信体の各々が送信する信号を、受信機が受信して識別することができるため、受信した信号に基づいて、本体と送信体との距離、すなわち本体の受信機からの相対位置を正確に把握することができる。
また、送信体が送信する信号を受信機が受信することにより本体の位置の把握が可能となるため、汚れに影響されず繰り返しての使用も可能である。また、作業者が無意識のうちに位置の測定を行うことが可能となり、締固めの作業効率が悪化しない。
更に、送信体は動力伝達ホース上に設けられるため、作業者は受信機を動力伝達ホースに近づけることで本体の位置測定が可能となる。すなわち、送信体と受信機との間に多量のコンクリートや金属が介在しないため、正確で信頼性の高い動作が期待できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、バイブレータ本体の位置を正確に測定することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態として示したコンクリートの締固め用バイブレータ装置1を示す。バイブレータ装置1は、本体2と、動力伝達ホース3と、図示しない動力源と、複数の送信体4、及び、受信機5を備える。
本体2は、振動体、すなわちバイブレータを有する。
動力伝達ホース3は、一方の端部が本体2に接続され、他方の端部は動力源に接続される。動力伝達ホース3は、動力源が生成する動力を、本体2に伝達する。
【0022】
図2は、動力伝達ホース3の断面図である。動力伝達ホース3は、ゴムなどの保護外皮10、及びフレキシブルシャフト11を備える。保護外皮10、及びフレキシブルシャフト11が双方ともフレキシブルな材質または構造となっているため、動力伝達ホース3は曲げやすく、したがって作業者は、本体2を任意の場所に容易に挿入、設置することが可能である。
【0023】
動力伝達ホース3は、保護外皮10とフレキシブルシャフト11の間に挟む形で、複数の送信体4を有する。送信体は、何らかの信号を送信する物であればどのようなものでも構わない。以下では、説明を簡単にするために、送信体4はパッシブ方式のRFIDタグ4であるものとする。
図2においては、動力伝達ホース3の、本体2からの同一の相対位置の、異なる半径方向に、複数のRFIDタグ4が配置された例である。
複数のRFIDタグ4の各々は、それぞれ異なる情報、例えばID情報を送信する。RFIDタグ4は、
図1に示されるように、動力伝達ホース3上に、動力伝達ホース3の長さ方向に間隔をおいて設けられる。
【0024】
RFIDタグ4は、動力伝達ホース3の長さ方向に、螺旋状のパターンを設定し、このパターン上に間隔を置いて配置されてもよい。螺旋状のパターンの、動力伝達ホース3の長さ方向軸に対する角度は、30°〜60°、特に45°が好ましい。後述のように、RFIDタグ4が送信するID情報を、作業者の手に装着される手袋に設けられた受信機5を用いて受信するが、作業者が動力伝達ホース3を把持して動力伝達ホース3を押し引きするときの、手と動力伝達ホース3とが成す角度が45°に近い角度であるためである。この角度は、30°〜60°に限られない。
【0025】
RFIDタグ4は、動力伝達ホース3の長さ方向に、位置をずらして配置された複数条の螺旋状のパターンを設定し、このパターン上に間隔を置いて配置されてもよい。この場合の配置例を
図3に示す。
図3においては、RFIDタグ4が、2条の螺旋状のパターンで配置されている。
【0026】
図1に示される受信機5は、アンテナ6、電子回路7、及び表示パネル8を有する。アンテナ6は、RFIDタグ4が送信するID情報を受信する。本実施形態における受信機5は手袋に設けられており、そのため、アンテナ6は曲げることが可能な構造を有している。
【0027】
図4は、受信機5による、RFIDタグ4からの信号の受信の様子を示す。作業者が、受信機5が設けられた手袋を手に装着した状態で、動力伝達ホース3を把持する。この時、受信機5のアンテナ6に最も近いRFIDタグ4のID情報が、アンテナ6により受信される。
【0028】
図5は、受信機5が3つのアンテナ6を備える変形例である。このようなアンテナの配置によれば、例えば動力伝達ホース3の、本体2からの同一の相対位置に、RFIDタグ4が一つしか配置されていない場合であっても、動力伝達ホース3の回転位置に依存せず、安定した受信精度を有することが可能となる。
【0029】
受信機5の電子回路7は、受信したID情報を基に、様々な信号処理を行う。例えば、各RFIDタグ4のID情報と、当該RFIDタグ4の本体2からの相対位置との対応関係を、内部に保持するように実現することができる。更に、作業者の身長もしくは作業時の手の位置などの、コンクリート表面からの受信機5の相対的な位置が認識できる情報を予め記録しておき、受信したID情報を有するRFIDタグ4の本体2からの相対位置と、コンクリート表面からの受信機5の相対的な位置から、コンクリート内の本体2の位置を算出するように構成されてもよい。
【0030】
図1に示される、受信機の表示パネル8は、電子回路7が算出した本体2の位置に関する情報などを表示する。
【0031】
次に、本実施形態に基づいて、バイブレータ装置1を使用して、本体2の位置を測定する手順について記載する。
【0032】
まず、作業者が、打設したコンクリート内に動力伝達ホース3を挿入し、この動力伝達ホース3を押し引きして、本体2を、締固めを行いたい場所に設置する。
本体2の設置後、適切な時間、当該場所の締固めを行う。
【0033】
締固め作業中には、作業者は動力伝達ホース3の一定箇所を把持したままである。作業者が手に装着した手袋に設けられる受信機5のアンテナ6が、同一のRFIDタグ4が送信したID情報を一定時間受信し続けた場合に、受信機5の電子回路7は、作業者が、当該RFIDタグ4に相当する位置において、締固め作業を実施していると判断する。
【0034】
受信機5の電子回路7は、受信したID情報を基に、当該ID情報を有するRFIDタグ4の本体2からの相対位置を算出する。
電子回路7は更に、上記算出した相対位置と、コンクリート表面からの受信機5の相対的な位置情報から、コンクリート内の本体2の位置を算出する。
【0035】
受信機5の表示パネル8は、電子回路7が算出した本体2の位置に関する情報などを表示する。
【0036】
上述したような構成のバイブレータ装置1によれば、動力伝達ホース3上に、動力伝達ホース3の長さ方向に間隔をおいて設けられた、RFIDタグ4の各々が送信するID情報を、受信機5が受信して識別することができるため、受信したID情報に基づいて、本体2とRFIDタグ4との距離、すなわち本体2の受信機5からの、深さなどの相対位置を正確に把握することができる。
また、RFIDタグ4が送信するID情報を受信機5が受信することにより本体2の位置の把握が可能となるため、汚れに影響されず繰り返しての使用も可能である。また、作業者が無意識のうちに位置の測定を行うことが可能となり、作業効率が悪化しない。
更に、RFIDタグ4は動力伝達ホース3上に設けられるため、作業者は受信機5をホースに近づけることで本体の位置測定が可能となる。すなわち、RFIDタグ4と受信機5との間に多量のコンクリートや金属が介在しないため、正確で信頼性の高い動作が期待できる。
【0037】
また、
図3に示されるようなパターンで、RFIDタグ4が配置されているため、送信体の効率的な配置を可能としながらも、動力伝達ホースの、送信体が配置されていない部位を少なくすることができるので、装置の安価な製造と、位置測定の信頼性向上を両立することが可能となる。
【0038】
また、受信機5は作業者の手袋に設けられているため、作業者は通常使用する装備を使用するだけで、無意識のうちに位置の測定を行うことが可能となり、作業効率が悪化しない。
【0039】
また、送信体としてはパッシブ方式のRFIDタグ4を使用したため、送信体への給電、充電が不要となり、装置を使い続けるに当たり、特にメンテナンスを必要としない。また、RFIDタグ4や、リーダーすなわちアンテナ6は、量産されたものであり安価なため、装置を安価に製造することができる。
【0040】
また、各RFIDタグ4は、それぞれ異なるID情報を送信するため、受信機5が誤ったRFIDタグ4を識別することによって、本体2の位置を誤って計算することを防止することができる。
【0041】
本実施形態においては、RFIDタグ4はパッシブ形式のものを使用したが、これに限られない。
RFIDタグ4としては、13.56MHzまたは135kHz以下の、電磁誘導方式のものを使用すると、RFIDタグ4の読取りの障害となる、動力伝達ホース3周辺に付着したモルタルや金属などの影響を低減できるので、好ましいが、これに限られない。
また、この場合、RFIDタグ4の間隔は、10〜20cmが好ましいが、これに限られず、アンテナ6の探知範囲に複数のRFIDタグ4が入ることがない限り、RFIDタグの規格、測定したい本体2の位置の測定粒度や、コストなどを基に、適切に選択してもよい。
【0042】
動力伝達ホース3内へのRFIDタグ4の埋め込みは、例えば、予めテープ状のものに一定間隔でRFIDタグ4を並べたものを作成し、これを保護外皮10取付前の、あるいは一旦取り付けられた保護外皮10を剥がしたフレキシブルシャフト11に貼り付けることで、簡単に実施することが可能である。
【0043】
本実施形態においては、受信機5は、作業者が装着する手袋に設けられていたが、これに限られず、作業時に装着する手袋とは別に、例えば棒状、または輪状の、受信機5を用意して、これを使用してもよい。
【0044】
次に、
図6を用いて、バイブレータ位置測定システムの実施形態を示す。
バイブレータ位置測定システム20は、バイブレータ装置21と、表示装置24を用いて、本体2の位置測定及び表示を行う。
【0045】
本実施形態におけるバイブレータ装置21は、上記の実施形態におけるバイブレータ装置1と異なり、表示パネルを有さず、その代わり、受信機22が、受信したID情報を更に送信する、送信回路26を備える。これに伴い、受信機22の電子回路27は、上記の実施形態における電子回路7と異なり、受信したID情報を信号処理せずに、送信回路26を介して、そのまま後述の表示装置24に送信する。
また、本実施形態におけるバイブレータ装置21は、上記の実施形態におけるバイブレータ装置1と異なり、GPS受信部28を更に備える。受信機22の電子回路27は、上記の実施形態における電子回路7と異なり、GPS受信部28が受信した作業者位置情報を、表示装置24に送信する。
更に、本実施形態におけるバイブレータ装置21は、上記の実施形態におけるバイブレータ装置1と異なり、動力源23が電流モニタ29と送信回路30を備えている。電流モニタ29は本体2が駆動される時間を測定し、送信回路30に送信する。送信回路30は、受信した時間情報を、表示装置24に送信する。
これらの差異以外においては、本実施形態におけるバイブレータ装置21は、上記の実施形態におけるバイブレータ装置1と同じ構成を有する。
【0046】
表示装置24は、受信部31、計算部32、及び、表示部33を備える。
表示装置24の受信部31は、バイブレータ装置21の受信機22の送信回路26から送信されたID情報と作業者位置情報、及び、バイブレータ装置21の動力源23の送信回路30から送信された時間情報を受信し、計算部32に送信する。
【0047】
計算部32は、受信部31から送信されたID情報、作業者位置情報、及び時間情報を受信する。
計算部32には、各RFIDタグ4のID情報と、当該RFIDタグ4の本体2からの相対位置との対応関係が、記録されている。
また、計算部32には、作業者の身長もしくは作業時の手の位置などの、コンクリート表面からの受信機22の相対的な位置が認識できる情報が、予め記録されている。
計算部32は、予め記録されている上記の情報を基に、受信したID情報を有するRFIDタグ4の本体2からの相対位置と、コンクリート表面からの受信機22の相対的な位置から、コンクリート内の本体2の位置、例えば深さを算出する。
計算部32は、受信部31から受信した作業者位置情報を基に、作業者の位置を特定する。
計算部32は、更に、受信部31から受信した時間情報を基に、締固めに要した時間を特定する。
計算部32は、特定された作業者の位置と、本体2の位置、及び時間を、表示部33に送信する。
【0048】
表示部33は、計算部32から受信した作業者の位置と、本体2の位置、及び時間を基に、締固め情報25を表示する。締固め情報25は、例えば
図6に示されるように、コンクリートの締固めが行われる区画の俯瞰図が、区画に区切られた形で表示され、各区画内は、当該区画内で締固め作業が行われた場合、その作業時間の程度によって濃淡が変わるように、着色される。
【0049】
次に、本実施形態に基づいて、バイブレータ位置測定システム20を使用して、本体2の位置を測定する手順について記載する。
【0050】
まず、作業者が、打設したコンクリート内に動力伝達ホース3を挿入し、この動力伝達ホース3を押し引きして、本体2を、締固めを行いたい場所に設置する。
本体2の設置後、適切な時間、当該場所の締固めを行う。
【0051】
受信機22のアンテナ6が、RFIDタグ4が送信したID情報を受信すると、受信機22の電子回路27は、送信回路26を介して、ID情報と、GPS受信部28が取得した作業者位置情報を、表示装置24に送信する。
また、動力源23の電流モニタ29が、本体2が駆動される時間を測定し、送信回路30を介して時間情報を、表示装置24に送信する。
【0052】
表示装置24の受信部31は、バイブレータ装置21の受信機22の送信回路26、及び電流源23の送信回路30から送信されたID情報、作業者位置情報、及び時間情報を受信し、計算部32に送信する。
【0053】
計算部32は、受信部31から送信されたID情報、作業者位置情報、及び時間情報を受信し、コンクリート内の本体2の位置、作業者位置情報、及び締固めに要した時間を計算する。
計算部32は、特定された作業者の位置と、本体2の位置、及び時間を、表示部33に送信する。
【0054】
表示部33は、計算部32から受信した作業者の位置と、本体2の位置、及び時間を基に、締固め情報25を表示する。
【0055】
上述したような構成のバイブレータ位置測定システム20によれば、前記の実施形態におけるバイブレータ装置1と同様に、本体2とRFIDタグ4との距離、すなわち本体2の受信機5からの、深さなどの相対位置を正確に把握することができる。
また、同様に、作業効率が悪化しない、正確な動作が期待できる、等の効果を奏することが可能となる。
【0056】
また、本体の位置計算、管理を容易に行うことが可能となる。
上記のように、表示部に、施工場所の地図と重ねて、締固め状況を表示することが可能となり、締固め作業が不足している場所の特定が容易となる。結果として、施工不良などの問題の発生を防ぐことができる。
また、作業結果を電子的に記録として保存することが可能であり、施工状況を容易に確認することができる。このため、施工後のメンテナンスも容易となり、例えば、施工後に不具合が発覚した場合などの原因追及などが迅速に行える。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であればこれから様々な変形及び均等な実施の形態が可能であることが理解できるであろう。
【0058】
よって、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲で定義される本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形や改良形態も本発明に含まれる。