(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レシーバが、コンターのレベルに関する識別子を含む前記メッセージを前記タッチスクリーンデバイスから受信するように構成されている、請求項18に記載の装置。
【背景技術】
【0003】
フローサイトメータ及び走査サイトメータ等の粒子アナライザは、光散乱及び蛍光等の光学パラメータに基づいた粒子の特徴づけを可能にする解析ツールである。例えば、フローサイトメータでは、流体懸濁液中の分子、検体結合ビーズ、又は個々の細胞等の粒子が検出領域を通過し、ここで粒子が典型的には1つ以上のレーザ由来の励起光にさらされ、粒子の光散乱及び蛍光特性が測定される。粒子又はその成分は、典型的に蛍光色素で標識されて検出を促す。スペクトル的に区別できる蛍光色素を用いて異なる粒子又は成分を標識化することによって、多様の異なる粒子又は成分を同時に検出することができる。一部の実装例では、多様の光検出器、すなわち測定すべき各散乱パラメータ用のもの、及び検出すべき異なる色素用のものがアナライザに含められる。得られたデータは、光散乱パラメータ及び蛍光放射それぞれについて測定された信号を含む。
【0004】
サイトメータ(血球計算器)は測定データを記録する手段及びデータを解析する手段をさらに含むことができる。例えば、検出電子機器に接続されたコンピュータを用いてデータの保存及び解析を行なうことができる。例えば、各行は1つの粒子のデータに対応し、列は各測定パラメータに対応する表形式でデータを保存することができる。フローサイトメータからのデータを保存するための標準ファイル形式、例えば「FCS」ファイル形式の使用は、別々のプログラム及び/又は機械を用いるデータの解析を容易にする。最新の解析方法を用いて、可視化しやすくするためにデータは典型的に2次元(2D)プロットで表示されるが、他の方法を用いて多次元データを可視化することができる。
【0005】
フローサイトメータを用いて測定されるパラメータは、典型的に、前方散乱(FSC)と呼ばれる大部分が前方向に沿った粒子によって散乱される励起光と、側方散乱(SSC)と呼ばれる大部分が横方向の粒子によって散乱される励起光と、及びFL1、FL2等と呼ばれる、スペクトルの1つ以上のチャネル(振動範囲)の蛍光分子から、又は主に当該チャネル内で検出される蛍光色素によって放出される光とを含む。散乱パラメータ及び色素標識抗体で種々の細胞タンパク質を標識することから生じる蛍光放射によって、異なる細胞型を定義することができる。
【0006】
フローサイトメータも走査サイトメータも例えば、BD Biosciences (San Jose, Calif.)から市販されている。フローサイトメトリは、全て参照によってここに援用する、例えば、Landy et al. (eds.), Clinical Flow Cytometry, Annals of the New York Academy of Sciences Volume 677 (1993);Bauer et al. (eds.), Clinical Flow Cytometry: Principles and Applications, Williams & Wilkins (1993);Ormerod (ed.), Flow Cytometry: A Practical Approach, Oxford Univ. Press (1994);Jaroszeski et al. (eds.), Flow Cytometry Protocols, Methods in Molecular Biology No. 91, Humana Press (1997);及びPractical Shapiro, Flow Cytometry, 4th ed., Wiley-Liss (2003)に記載されている。蛍光画像顕微法は、参照によってここに援用する、例えば、Pawley (ed.), Handbook of Biological Confocal Microscopy, 2nd Edition, Plenum Press (1989)に記載されている。
【0007】
マルチカラーフローサイトメトリによる細胞(又は他の粒子)の解析から得られるデータは多次元であり、各細胞は測定パラメータによって画定される多次元空間内の点に対応する。細胞又は粒子の集団は、データ空間内の点のクラスタとして定義される。データの「散乱プロット」又は「ドットプロット」と呼ばれる1つ以上の2次元プロットで表示される集団の周囲にゲートを手で描くことによって、クラスタ、ひいては集団の定義を行なうことができる。或いは、自動でクラスタを定義し、集団の限界を画定するゲート(gate)を決定することができる。自動ゲーティング法の例は、それぞれ参照によってここに援用する、例えば、米国特許第4,845,653号;第5,627,040号;第5,739,000号;第5,795,727号;第5,962,238号;第6,014,904号;第6,944,338号;及び米国特許出願公開第2012/0245889号に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
記載する特徴は、ユーザが、輪郭形成アルゴリズムと組み合わせてドットプロット図を用いてコンター(輪郭)を迅速に作成できるようにする。本特徴を実装して、ユーザが図形の一部分を選択しながら、最前面に、リアルタイムで、情報を示せるように、コンター(輪郭)に関する情報を効率的に生成することができる。別の実装では、情報は、タブレット等のタッチスクリーンデバイスを介した領域の図形選択を容易にするための図の一部分の分類子を含んでもよい。
【0016】
生成されたコンター(輪郭)を用いてデータセット内のイベントを分類してもよい。コンター(輪郭)は、例えば新表示を生成する、データのビットマップ情報又は他の形式を送信する等の他の目的のための当該イベントの抽象作用を提供することもできる。例えば、その後の処理用のファームウェア、又は表示用のモバイルデバイスに抽象作用を提供し得る。一部の実装では、将来の処理のためにメモリに抽象作用を保存することができる。記載のシステム及び方法で生成されたコンタープロットモデルを、下位にある第2のプロットモデル/層上にオーバーレイした透明層として実装して、第2の可視下層によってレンダリングできるオブジェクトの選択を可能にすることもできる。
【0017】
本明細書で使用する場合、「システム」及び「機器」及び「装置」は一般的にハードウェア(例えば機械的及び電子工学的)成分と関連ソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム)成分を両方とも包含する。
【0018】
本明細書で使用する場合、「イベント」は、一般的に単一粒子(細胞又は合成粒子等)から測定されるデータを意味する。典型的に、単一粒子から測定されるデータには、いくつかのパラメータが含まれ、1つ以上の光散乱パラメータ、及び少なくとも1つの蛍光強度パラメータがある。従って、各イベントはパラメータ測定値のベクトルとして表され、各測定パラメータはデータ空間の一次元に相当する。
【0019】
本明細書で使用する場合、細胞その他の粒子の「集団」、又は「亜集団」は、一般的に1つ以上の測定パラメータに関して、測定パラメータデータがデータ空間内にクラスタを形成するような光学特性を有する一群の粒子を意味する。従って、集団は、データ中のクラスタとして認識される。逆に、各データクラスタは一般的に集団と対応すると解釈されるが、典型的にはノイズ又はバックグラウンドに対応するクラスタも観察される。サブセットの寸法で、例えば唯一のサブセットの測定パラメータが異なる集団に対応するサブセットの測定パラメータに関して、クラスタを定義することができる。
【0020】
本明細書で使用する場合、「ゲート」は一般的に、関心のあるサブセットのデータを特定する1セットの境界点を意味する。サイトメトリでは、ゲートは、特に関心のある一群のイベントの境界を示すことができる。本明細書で使用する場合、「ゲーティング」は一般的に所与のセットのデータに適したゲートを画定するプロセスを意味する。
【0021】
簡単に上述したように、ドットプロットは、サイトメータにより生成されたデータを可視化する1つの方法である。データを表示及び解析するときに、ヒストグラム、2D密度、及び/又はコンタープロットを使用することもできる。
【0022】
図1は、ドットプロット図の例を示す。ドットプロット100は、x軸102及びy軸104内にイベントの散乱プロットを表示する。x軸102は、関心のあるパラメータを示す。
図1に示す例では、x軸102は、FITC-A CD3抗体の光強度を表す。y軸103は側方散乱カウント(SSC)を示す。側方散乱カウントをイベントカウントと呼んでもよい。
【0023】
数集団のデータを特定するようにプロットを描くことができる。固有の色を用いて各集団を表すことができる。ドットプロット100の利点は、集団を互いに視覚的に容易に区別できることである。これは、異なるデータセットを比較するときに役立ち得る。ドットプロット100の1つの重大な欠点は、データの密度がどの程度かについての情報を図が含まないことである。さらに、数十万のイベントが存在するときにはドットプロット100が飽和してしまう可能性がある。このことは、同一又は近接場所に配置し得るクラスタのフィデリティの低減をもたらし得る。密度情報の提供を助けるため、1つ以上の他のプロットタイプを使用することができる。
【0024】
図2は、ヒストグラムプロット図の例を示す。ヒストグラムプロット
図200は、所与のパラメータのデータ密度を示す。
図2に示す例では、ヒストグラムプロット
図200は、関心のあるパラメータをx軸202に沿ってプロットし、各パラメータのカウントをy軸204に沿ってプロットする。一部又は全ての所与のパラメータにおいてカウントを連結して線206を引くことができる。ピーク及び谷は、所与のパラメータに関してイベントの相対密度についての情報を与える。従って、ヒストグラムプロット
図200は、データの密度、すなわち、特定パラメータにおいて起こったイベントの発生回数の視覚的表現を与える。ヒストグラムプロット図の1つの限界は、それは一方向にデータ密度を示すことである。
【0025】
図3は、2D密度プロット図の例を示す。2D密度プロット
図300は、互いに対抗してプロットした2つのパラメータを用いてデータの密度を示す。
図1及び
図2と同様に、x軸302はパラメータ値を示し、y軸304は側方散乱カウントレベルを示す。さらに、2D密度プロット
図300は、図中の領域の密度情報を含むことができる。例えば、2D密度プロット
図300は、データのクラスタ320を含む。データのクラスタ320は、いくつかの領域を含んでよく、各領域は共通密度を伴う。
図3に示すように、4つの領域325a、325b、325c、及び325dが示されている。一部の実装例では、各領域を異なる色を用いて図示してよい。
【0026】
2D密度プロット
図300は、関連密度の状況を与えるが、密度情報は相対的に生の形式で表される。そのようなものとして、視覚的アーチファクトが表現に含まれることがある。
図3に示すように、所与の密度でデータのポケット330が形成されることがある。
図3には異常値のクラスタ335も示されている。2D密度プロット
図300中のこれらのアーチファクトは、データのノイズ、較正誤差、又は他の特性に起因し得る。
【0027】
図4Aは、コンタープロット図の例を示す。コンタープロット
図400は、2D密度プロット
図300のように、フローサイトメトリデータのプロット中のデータを理解するのに有用な視覚的表現を提供する。コンタープロット
図400は2D密度プロット
図300より少ないメモリを使用するので、コンタープロット
図400は、データの表示のためのより良い選択であり得る。さらに、コンタープロット図は一般的に、2D密度プロット
図300に関連して論じた気を散らす視覚的アーチファクトを取り除く。
【0028】
図4Aに示すコンタープロット
図400は、パラメータ値を示すx軸402及び側方散乱カウントレベルを示すy軸404を含む。さらに、コンタープロット
図400は、図中の領域の密度情報を含み得る。例えば、コンタープロット
図400は、データのクラスタ420を含む。データのクラスタ420は数領域含んでよく、各領域は共通密度を伴う。
図4Aには、5つの領域425a、425b、425c、425d、及び425eが示されている。一部の実装では、各領域を異なる色を用いて図示してよい。
図4Aに示すコンタープロット
図400には、
図3に関連して論じた視覚的アーチファクトが見られない。
【0029】
コンタープロットは、2次元データの表示を可能にするツールである。それは、ヒストグラムのためのイベントカウントを含む値の2次元配列を使用する。コンターを有用にするのは、データのレベルを示すz方向の一連のコンター(例えば、スライス)が作られることである。これは、トポロジカルマップを作成するために利用するのと同様のプロセスである。そして各レベルを色その他の視覚的弁別子に割り当てることができる。結果として生じる表示はデータのレベルに応じて着色可能なポリゴンのコレクションである。
【0030】
所与のセットのフローデータに使用するために何のレベル判定するかはフローデータ自体によって決まる。例えば、組織分布マップは、高度10フィート(3メートル)毎のレベルを有し得る。これは線形アルゴリズムと見なされるであろう。フローサイトメトリデータのコンター及び密度レベルを表示するためのレベルの計算に使用できるいくつかの方法がある。
【0031】
1つの方法は確率密度である。確率密度手法では、コンタープロット図の各レベルは、大体同じ百分率のデータを含む。別の方法は線形密度である。線形密度実装では、最大レベルの値を決めるためのレベル数で除すことができる。第3の例は対数密度である。該実装では、対数アルゴリズムを用いてレベルを計算する。対数密度法は、より低いレベルを強調するのによく適し得る。これは、研究者が特定パラメータ及び特定範囲の微細な差異を区別できるようにする。
【0032】
データの少なくとも一部に基づいて、コンターレベル法を選択する。選択は、データの密度、イベント数、パラメータ数、行なう解析等の1つ以上を考慮し得る。コンターが使用するレベルを作り出すために、どれだけのレベルを作り出すかを決める値を設定する。これは百分率値であってよい。該実装例では、確率密度法を選択するときには、デフォルト百分率は10パーセントであってよい。結果として生じるコンタープロット図は、各レベルについて示されるデータの約10パーセントを有する10のレベルを含み得る。
【0033】
図4Bは、別のコンタープロット図の例を示す。コンタープロット
図450は、
図4Aに示すものと実質的に同様である。しかしながら、
図4Bのコンタープロット
図450は、異常値データを含む。例えば、コンタープロット
図450は異常値455を含む。これらの異常値は、コンタープロット
図450に割り当てられたレベルのコンターに含まれないイベントを表す。
【0034】
コンタープロット図は、フローデータの表現に有効なメモリを他の図より多く提供しながら、基礎をなすコンターデータがフルセットのフローデータに基づいて生成される。この結果、複雑なコンタープロット図をもたらすことがあり、表示及び操作の課題を提示する。コンターアルゴリズムは、典型的にポリゴン及び線分のコレクションを戻す。典型的にタイル毎に1つのポリゴンがあり、タイルはコンターの分解単位である。線及びポリゴンの数は、容易に数万又は数十万さえの値域に定め得る。Win32等のイミーディエイトモードグラフィックスを使用するグラフィックスシステムでは、このことは描画に問題でないかもしれない。しかしながら、Windows Presentation Foundation等の保持モードグラフィックスでは、グラフィックスサブシステムは、簡単には数万のオブジェクトを効率的に保持できない。結果は、高いメモリ使用を伴う緩慢な性能であろう。
【0035】
図5は、サイトメトリデータの処理法の例のプロセスフロー図を示す。
図5に示すプロセスを用いて、各コンターレベルの情報と共に効率的コンターレベルを生成することができる。
図5に示すプロセスは、生成されるコンターが、保存、送信、受信、及び表示するために他のコンター法より有意に少ないリソースを消費するという点で効率的である。さらに、
図5に示すプロセスは、各コンターレベルについてプロセスの一部として情報が生成されるという点で効率的である。これは、サイトメトリデータの他の処理方法を越えて生成プロセスに手続き上の効率を与える。
【0036】
コンターの生成は、一般的に入力として2次元ヒストグラムを受信する工程及びデータのzレベルを表すポリゴンのコレクションを出力する工程を含む。コンターを効率的に表示するためには、生成されたコンターを表現し、送信し、表示するために必要なリソースを最小限に維持して、迅速に、かつ限定された処理、バンド幅及び/又は電力利用でポリゴンをレンダリングできるようにすべきである。これは特にリアルタイムデータ収集中に重要であろう。さらに、このことは、バッテリー寿命及びバンド幅が制限され得るスマートフォン又はタブレットコンピュータ等のモバイルデバイスでコンターデータを見るときに重要であろう。
【0037】
典型的にコンターアルゴリズムは、保存するための多量のメモリ、送信するための高レベルのバンド幅、受信してレンダリングするための増加した処理時間を必要とする数万のポリゴンを生成する恐れがあり、一般的にスローユーザの技能をもたらす。メモリの負荷を減らすためには、ポリゴンメッシュ削減(さらに詳細に後述する)を利用して、冗長点を除去することによってポリゴンカウントを減らすことができる。さらに、単一ポリゴンが作成されるとすぐに、特定コンターの情報が生成され得る。この情報は、ポリゴン内に含まれるいくつかのイベントの1つ以上を含むことができ、ポリゴンに含まれる総イベントの百分率、イベントの総数、ポリゴンを一意的に特定するための記述標識、レベル、視覚的合図等を含むことができる。下表1は、記載した特徴の1つ以上を用いて達成し得る効率向上を示すいくつかの実験結果を与える。
【0039】
図5に示す方法は、ノード502において、サイトメトリ生データを受信することによって始まる。論じたように、このデータはフローサイトメトリデータであってよい。ネットワークの場所、メモリの場所(例えば、ディスク、USBドライブ、CD-ROM、DVD、クラウドストレージ等)から、又は1つ以上の有線の若しくは無線の通信チャネルを介して別の電子デバイスからデータをう受信することができる。データは、情報が1つ以上のパラメータに関するイベントの単にリストであるという意味で「生」であってよい。サイトメータによってコンピュータ処理を容易にするようにデータをフォーマットしてよい。しかしながら、データは、研究者が解析し、その情報に基づいて判断できるようにする要約、コンテキスト、又は他の改善を含まないかもしれない。
【0040】
ノード504で、受信したデータの2Dヒストグラムが生成される。2Dヒストグラムは、イベントを1つ以上の瓶にグループ化することによって生データに組織を与える。これは、一部のコンテキストでは、量子化と呼ばれることがある。
【0041】
ノード506で、コンターレベルの数が決定される。コンターレベルの数は、例えば、上記線形、百分率、又は対数法により決定可能である。この決定は、イベント数、データの密度、関心のあるパラメータ、ユーザが予め決めた好み(例えば、方法についての好み)、行なうアッセイ等のデータの特性に基づき得る。各方法は、さらにレベルを生成するためのパラメータを含んでよい。例えば、百分率法は、パーセント値をも必要とし得る。これらの追加パラメータは、ユーザの好み又はデフォルト値等の予め定義されたデータに基づいて、又はパラメータの追加入力を受信することによって決められる。
【0042】
ノード508で、受信した2Dヒストグラムのデータ及び決定されたコンターレベルに基づいてコンターが生成される。コンターの生成方法については、
図6を参照してさらに詳細に後述する。
【0043】
ノード510で、各コンターレベルについて各情報が生成される。この情報は、ポリゴン内に含まれるイベント数、ポリゴンに含まれる総イベントの百分率、イベントの総数、ポリゴンを一意的に特定するための記述標識、レベル、視覚的合図等の1つ以上を含むことができる。一部の実装では、この情報が、ノード508でコンターに適したポリゴンが生成されながら並行して生成されることがある。
【0044】
一部の実装では、生成されたコンター及び生成されたコンター情報を表示等のさらなる処理のために保存することができる。一部の実装では、生成されたコンター及び/又は生成されたコンター情報を別の電子デバイスに送信することができる。例えば、タブレットコンピュータは、表示するための1セットの生データの識別子を含むメッセージを送信することができる。この識別子を用いて、システムは
図5に示すプロセスを行なって、生成されたコンター及び生成されたコンターレベル情報をタブレットコンピュータに送信することができる。
【0045】
図6は、コンターを生成するためのプロセスフロー図を示す。さらに詳細には、
図6に示すプロセスは、どのようにして効率的なコンターを生成できるかを説明する。
【0046】
ノード602で、初期コンターが生成される。一部に実装では、初期コンターを入力として提供することができる。一部の実装例では、例えば、上記コンター法のいずれか1つを用いて、コンターを生成することができる。
図6に示すプロセスの1つの非限定的な利点は、このプロセスは、任意のコンターから効率的なコンターを生成するために適用できることである。
【0047】
図7は、初期コンター例を示す。初期コンター700は、4×4グリッドに分割されている。4×4グリッド内の各ボックスをタイル又はグリッドセルと呼ぶことができる。各タイルは、イベントデータを表すポリゴンを含み得る。示した初期コンター700は、16個のポリゴン702a〜702pを各セル毎に1個含む。各ポリゴンは3つ以上の点で表すことができる。
図7に示すコンター内の全てのポリゴンを表すため、64個の点が用いられている。
図7に示す初期コンター700は相対的に小さいコンターであり、データの量が増えるにつれて、そこに含まれるタイル及びポリゴンの数が実質的に増加し得る。これらの増加は、コンター表現を改善するための機会を与える。
【0048】
図6に戻って、ノード604では、初期コンター700の各グリッドセルは、グリッドセルのコーナー値及び各コーナー値と関連するコンターレベルによって決まるタイルコードによって表される。タイルコードは、特定セルのポリゴンをどのようにして計算するかを指示する。タイルコードは、セルの4つのコーナー点に基づいて生成される。各コーナ(隅)点は、最新コンターレベル以上であるか、又は最新コンターレベル未満であり得る。コーナー値が最新コンターレベル以上であれば、当該コーナに近い値を最新コンターレベルに含めるべきである。コーナー値が最新コンターレベル未満であれば、当該コーナーに近い値は最新コンターレベルに含めるべきでない。
4つの二進数を用いてタイルコードを表すことができ、各数がタイルの1つのコーナーに相当する。
【0049】
図8は、タイルコードマッピングの例を説明する。
図8に示すタイルコードマッピングは、タイルコード“1101”についてであり得る。示したタイルコードマッピングは、4つのコーナー点802、804、806、及び808を含む。示されるように、コーナー802、804、及び806は、コンターレベルより大きい値を有する。従って、これらのコーナーは“1”等の第1二進値を用いて特定し得る。コーナー808は現コンター値より小さい。従って、このコーナーは“0”等の異なる二進値を用いて表し得る。結果として、この例では、このタイルに割り当てられるタイルコードは“1101”である。このタイルコードは、5つの点を有するポリゴン810を特定する。
【0050】
図9Aは、タイルコードマッピングのさらなる例を説明する。
図9Aに示すマッピングは、タイル900の各コーナー902、904、906、及び909に対するコーナー値(それぞれ3.7、5.7、2.1、及び1.8)を含む。
図9Aに示す例では、望ましいコンターレベルは4.3である。第1のコーナー902では、コーナー値(3.7)は望ましいコンターレベル(4.3)より小さい。タイルコードは、これを指し示す第1の位置に“0”を含むことができる。第2のコーナー904では、コーナー値(5.7)は望ましいコンターレベルより大きい。タイルコードは、これを指し示す第2の位置に“1”を含むことができる。第3のコーナー906の値(2.1)は望ましいコンターレベルより小さいので、タイルコードの第3の位置に“0”で表される。最後のコーナー908も、望ましいコンターレベルより小さい値(1.8)を有する。従って、最後のコーナー908は、タイルコードの最後の位置に“0”を用いて表される。結果として、
図9Aに示すタイルに対するタイルコードは“0100”である。この例では二進法を使用しているが、十進、十六進、区切り、又は他の機械可読形式等の他の形式を用いてタイルコードを表すことができる。
【0051】
タイル900のコンターレベルに含まれるコーナー点を特定したが、コーナー点間の線形補間に基づいて2つの追加点910及び912を生成することができる。従って、このタイル900については三角形を形成するポリゴン914が表される。ポリゴン914は、タイル900に含まれるコンターレベルの一部を特定する。
【0052】
図9Bは、本明細書に記載のシステム及び装置で実装可能なコンターマッピング規則の別の例を示す。
図9Bに示す規則は各タイルのコンターコードを含む。コード形式は4つの要素を含み、タイルのコーナー毎に1つの要素を含む。
図9Bは、左上コーナーを第1要素(要素0)と割り当て、時計回り様式で数が増える点に進む。各要素を2つの値“0”又は“1”の一方で表すことができる。
図9B中の規則で用いられるように、コーナー点の要素が“0”を含む場合、そのコーナー点は最新コンターレベルより小さい。コーナー点の要素が“1”を含む場合、そのコーナー点は最新コンターレベル以上である。スペクトルの一端で、コード“0000”が割り当てられるタイルは、完全に最新コンターレベル未満である。このスペクトルの他端で、コード“1111”が割り当てられるタイルは、完全に最新コンターレベル内である。
図9Bは、上記規則に従う中間の順列を含む。
【0053】
コンターレベルに対して点を作成した後、結果として生じるポリゴンを表示用に提供できるであろう。しかしながら、以前に論じたように、コンターは、例えば、ディスプレイへの高速レンダリング又はインターネット接続を通じたコンターの高速ダウンロードを許容し得ない非常に大きいデータ構造をもたらす。
【0054】
図6に戻って、ノード606で、コンターに含まれるポリゴンが削減される。ポリゴンの削減は、隣接ポリゴン及びそれらの点を比べて共通点を統合することによって達成される。これは、より少ない点を含めたより大きいポリゴンをもたらす。
【0055】
図10A及び10Bは、それぞれ削減前後の隣接タイルを説明する。
図10Aは、コンター内に2つの隣接タイルを示す。第1のタイル1002は、4つの点1004a〜1004dを含めたポリゴン1012を含む。第2のタイル1006は、5つの点1008a〜1008eを含めた別のポリゴン1014を含む。第1のタイル1002の点1004b及び1004cは、第2のタイル1006の点1008d及び1008eと実質的に同じ値を有する。これらの重複点は冗長データに相当する。
【0056】
図10Bは、削減ポリゴンを含む2つの隣接タイルを説明する。重複点が一度考慮され、単一ポリゴン1016がコンター内に表されている。図のように、第1のポリゴン1002の点1004b及び1004cの値は保持されている。一部の実装では、現タイルの値が保持される。一部の実装では、隣接タイルの値が用いられる。これは、ポリゴンを表すために使用する点の数を9から7に減らす。これらの節減は、多くのタイルにわたる大きいポリゴンを表すときに特に重要である。
【0057】
図6のノード606で行なわれる削減は、左に隣接するか又は上に‘適合可能な’ポリゴンをタイルが有するか否かに基づき得る。隣接タイルに実際に適合可能なポリゴンがあると判定されれば、ポリゴンを組み合わせることができる。このプロセスは、左上コーナーで始まり、右及び下に進む。当然のことながら、同様の効果で他の走査パターンを使用し得る。
【0058】
ポリゴンをどのように組み合わせられるかは際限のない組み合わせがあると思われるかもしれないが、組み合わせのセットは実際にはずっと少ない。実例は、タイルを左のタイルのみ、上のタイルのみ、又は左及び上のタイルと組み合わせられるか、或いは組み合わせられるタイルがないか(この場合は新しいポリゴンの開始が特定される)を決定することによって実例を分類することができる。
【0059】
タイル走査パターン及び所与のタイルに対するタイルコードに基づいて、適合可能ポリゴンを探す方向を決定することができる。例えば、一実装では、左→右、上→下の走査パターンを使用することができる。
図8に示すようにコード“1101”を有するタイルでは、隣接ポリゴンは上又は左に存在し得る。
図9Aに示すようにコード“0100”を有するタイルでは、隣接ポリゴンは上に存在し得る。さらに詳細に後述する
図17は、種々のタイルに適合可能な配置を決定するための規則のさらなる例を提供する。
【0060】
図11は、削減されたコンター図の例を示す。削減されたコンター1100は、
図7に示す初期コンター700の削減バージョンである。削減されたコンター1100は、16個の点を用いて表された2つのポリゴン1102及び1104を含む。
【0061】
図12は、サイトメトリデータの効率的な処理のための電子デバイスの一例についての機能ブロック図を示す。電子デバイス1200は、
図5及び/又は6に示し、かつ上述したプロセスの1つ以上の態様を実装できる構成であってよい。
【0062】
電子デバイス1200はレシーバ1202を含む。レシーバ1202は、電子デバイス1200によってさらに処理するための情報を受信するように構成されている。例えば、レシーバ1202は、生のフローサイトメトリデータを受信することができる。レシーバ1202は、電子デバイス1200の操作特性を制御するためのパラメータを受信することもできる。レシーバ1202は、ヒストグラム又はコンター等の処理済みフローデータを受信することもできる。レシーバ1202は、タブレットコンピュータ又はスマートフォン等の別の電子デバイスからメッセージを受信できる構成であってよい。
【0063】
レシーバ1202を有線又は無線レシーバとして実装してよい。無線実装ではレシーバ1202はアンテナ及び信号プロセッサを含むことができる。有線実装ではレシーバ1202は、ネットワークインタフェース、物理的接続(例えば、イーサネット、USB、HDMI、電話等)、及び上述した種々の特徴へのアプリケーションプログラミングインタフェースの1つ以上を含むことができる。
【0064】
電子デバイス1200はトランスミッタ1204を含むことができる。トランスミッタ1204は、電子デバイス1200によって生成されるか又は別のやり方で獲得される情報を送信する構成であってよい。トランスミッタ1204により送信可能な情報の一例は、削減されたコンタープロットである。
【0065】
トランスミッタ1204は、データを送信用にフォーマットする構成であってよい。フォーマット化には、パケット化、カプセル化(例えば、機械可読形式、例えばXML;JSON;区切りテキスト;二進形式、例えばビットマッその他のイメージファイル形式等で)、暗号化、及び圧縮が含まれ得る。
【0066】
トランスミッタ1204は、有線又は無線伝送用の構成であってよい。無線の実装例では、トランスミッタ1204は信号ジェネレータ、増幅器、及びアンテナを含み得る。有線実装では、トランスミッタ1204は、ネットワークインタフェース及び物理的接続(例えば、イーサネット、USB、HDMI、電話等)の1つ以上を含み得る。
【0067】
電子デバイス1200はメモリ1206を含み得る。リードオンリーメモリ(ROM)及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)を含み得るメモリ1206は、電子デバイス1200が受信した情報を保存することができる。メモリ1206は、電子デバイス1200が生成した情報を保存することもできる。メモリ1206の一部が不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含むこともある。
【0068】
電子デバイス1200はプロセッサ1208をも含み得る。プロセッサ1208は電子デバイス1200の操作を制御及び/又は調整することができる。一部の実装では、プロセッサ1208は中央処理装置(CPU)と呼ばれることがある。プロセッサは、電子デバイス1200の1つ以上の成分にメッセージを送信する構成であってよい。プロセッサは、電子デバイス1200の1つ以上の成分からメッセージを受信する構成であってもよい。
【0069】
プロセッサ1208は、一般的又は特殊な目的のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理回路(PLD)、コントローラ、ステートマシン、ゲーテッドロジック、個別ハードウェア成分、専用ハードウェア有限ステートマシン、或いは情報の計算その他の操作を遂行できる任意の他の適切なエンティティの任意の組み合わせで実装可能である。
【0070】
メモリ1206は、命令及びデータをプロセッサ1208に提供することができる。プロセッサ1208は、メモリ1206内に保存されたプログラムの命令に基づいて論理的及び算術的操作を遂行できる構成であってよい。メモリ1206内の命令は、本明細書に記載の方法を実装するために実行可能であり得る。
【0071】
図12に示す電子デバイス1200はヒストグラムジェネレータ1210を含む。ヒストグラムジェネレータ1210は、2つの入力、すなわちヒストグラムパラメータとデータを受信するように示してある。一部の実装では、これらの入力をメモリ1206に保存することができる。一部の実装では、これらの入力の一方又は両方を、受信メッセージに基づいたレシーバ1202を介してのように外部から受信する。
【0072】
ヒストグラムジェネレータ1210は、提供データに適した2Dヒストグラムを生成できる構成であってよい。生成されるヒストグラムは、ヒストグラムジェネレータ1210に提供されるヒストグラムパラメータに基づいていてよい。例えば、ヒストグラム用の瓶の数をヒストグラムパラメータに含めてよい。一部の実装では、ヒストグラムジェネレータ1210は、入力データに基づいてヒストグラムパラメータを動的に判定する構成であってよい。例えば、1セットのフローサイトメトリデータに含まれるイベント数を用いてヒストグラムのビンの数を特定することができる。
【0073】
ヒストグラムジェネレータ1210は、生成されたヒストグラムをメモリ1206に保存する構成であってよい。
【0074】
電子デバイス1200はコンタープロセッサ1230を含む。コンタープロセッサは、本明細書に記載どおりにコンターを処理するように構成される。コンタープロセッサは、生成ヒストグラムを入力として受信するように構成される。レシーバ1202を通じて又はヒストグラムジェネレータ1210から生成ヒストグラムを受信することができる。生成ヒストグラムは、そのソースから直接又はメモリ1206を介して得られる。
【0075】
図12に示すコンタープロセッサ1230は、コンターレベルエンジン1235を含む。コンターレベルエンジン1235は、コンターに適したコンター決定方法及びレベル数を特定するように構成される。コンターレベルエンジン1235は、1つ以上のコンターレベルパラメータを受信することができる。例えば、パーセント密度コンターに使用するための百分率値が提供され得る。一部の実装では、コンターレベルエンジン1235は、入力データに基づいてコンターレベルパラメータを動的に決定する構成であってよい。例えば、1セットのフローサイトメトリデータに含まれるイベント数を用いて百分率を特定することができる。一部の実装では、コンターレベルパラメータをメモリ1206に保存することができる。一部の実装では、受信メッセージに基づいてレシーバ1202を介してのように外部から1つ以上のコンターレベルパラメータを受信してよい。
【0076】
図示したコンタープロセッサ1230は、コンタージェネレータ1240を含む。コンタージェネレータ1240は、生成ヒストグラム、コンターレベルエンジン1235によって生成されたコンターレベル、及びコンターレベルパラメータの1つ以上を利用して上述したようにコンターを生成することができる。コンタージェネレータ1240は、生成コンターをメモリ1206に保存する構成であってよい。一部の実装では、コンタージェネレータ1240は、生成コンターをトランスミッタ1204に送信させる構成であり得る。論じたように、生成コンターは、特に限定されたリソース環境でいくつかの課題を提示することがある大きい構造であり得る。
【0077】
従って、電子デバイス1200は、コンタープロセッサ1230内にコンター削減ユニット1245を含むことができる。コンター削減ユニット1245は、コンタージェネレータ1240によって生成されたコンター等のコンターの効率的な表現を生成する構成であってよい。一部の実装では、コンター削減ユニット1245は、前もって生成されたコンターを受信することができる。例えば、コンターを前もって生成し、メモリに保存し得る。コンター削減ユニット1245は、このコンターを得て、上述したように削減された表現を生成することができる。
【0078】
コンター削減ユニット1245は、生成コンターをメモリ1206に保存する構成であってよい。一部の実装では、コンター削減ユニット1245は、生成コンターをトランスミッタ1204に送信させる構成であってよい。
【0079】
図示したコンタープロセッサ1230は、レベル情報関連ユニット1250をも含む。レベル情報関連ユニット1250は、生成コンターに含まれる1つ以上のレベルに適した情報を生成する構成であってよい。レベル情報は、ポリゴン内に含まれるイベントの数、ポリゴンに含まれる総イベントの百分率、イベントの総数、ポリゴンを一意的に特定する記述標識、レベル、視覚的合図(例えば、色、アイコン、塗りつぶしパターン)等を含み得る。
【0080】
レベル情報関連ユニット1250は、生成されたレベル情報をメモリ1206に保存する構成であってよい。一部の実装では、レベル情報関連ユニット1250は、生成されたレベル情報を、関連コンターと共に又は関連コンターとは別にトランスミッタ1204に送信させる構成であってよい。
【0081】
電子デバイス1200の上記要素をバス1290で連結することができる。バス1290は、データバス、通信バス、又は電子デバイス1200の種々の成分が情報を交換できるようにする他のバスメカニズムであってよい。一部の実装では、バス1290は、図示した要素間の電力伝送を促進することができる。さらに、種々の要素を示したが、複数の要素を単一要素にまとめ得ることが分かるであろう。
【0082】
コンターを効率的に生成及び表示できると、いくつかのさらなる利点をもたらし得る。例えば、各コンターレベルに対してオンデマンド統計値が提供される。一実装では、ユーザがコンター上にポインタを動かすと、“ホップアップ”表示ウィンドウに当該コンターの統計値が提供される。統計値を得るプロセスは非常に動的であって、実際には瞬間的であり得る。コンターレベルを特定する入力信号を受信するとすぐに、特定コンターの統計値が送信される。受信信号と関連するコンターレベルを強調するか又は他のやり方で、選択されたコンターレベルを指し示す視覚的合図を生じさせ得る。
【0083】
記載した特徴を用いて、研究者が迅速にデータがある場所を理解できるようにする。確率密度が10%である実装では、図示した3つの主領域のそれぞれに対するパーセント総統計値を合計すると90%になる。すなわち、3つの主領域は、このセット中のフローデータの90%のレベルに相当する。残りの10%は異常値である。これらの特徴は、データがどこにあり、フローサイトメトリ結果報告解読の重要な局面がどのくらいあるかを即座にユーザが理解できるようにする。
【0084】
コンターの代わりにドットとしてイベントを調べることを好む研究者もいる。コンター情報が効率的に表されるので、コンター情報をドットプロットと併用してドット表示を増強することができる。例えば、記載のシステム及び方法は、個々のイベントをドットとして表示するが、コンターの着色を有するハイブリッドコンター-ドットプロットの生成を可能にする。着色は、上述したように生成された削減コンターに含まれる情報に基づいていてよい。さらに、コンターレベルと関連するオンデマンド統計値をも利用可能である。ハイブリッドプロットを含む一部の実装では、研究者はドットの密度着色を有するドットプロット図を見ることができる。研究者は、見えないコンター異常値を用いるドットの領域に対する統計値を見ることもできる。
【0085】
記載のシステム方法のさらなる実装はゲートを作成する工程を含む。典型的に、研究者は、関心のあるデータの周囲にゲートを作成するであろう。高密度であるデータの領域は一般的に重要なデータを指し示すので、データのゲーティングには密度プロットが有用である。研究者は、矩形、楕円、又はポリゴン等の幾何学的ゲートを描くためのいくつかのツールの1つを使用することができる。手でゲートを‘描く’このプロセスは冗長なことがある。さらに、関心のあるデータは完全には幾何学的でないかもしれず、或いは利用可能なツールを用いて容易に表せないかもしれないで、ツールは正確なゲートを描けないかもしれない。記載の特徴を利用すると、コンターレベルを特定することによってゲートを作成することができる。オンデマンド統計と同様の手法を利用すると、コンター図は、特定された領域からゲートを迅速に作成できるようにする情報を含む。
【0086】
ゲートは一般的にコンターをたどる点を用いて自動的に作成される。コンター情報は削減形で表されるので、ゲートを特定及び生成する効率は、標準的なコンターゲーティングに比べて改善される。
【0087】
図13は、コンタープロット図のゲートの例を示す。
図13に示すコンタープロット
図1300は、パラメータ値を示すx軸1302及び側方散乱カウントレベルを示すy軸1304を含む。例えば、
図4Aに示すコンタープロットに比べて、
図13のコンタープロットは、x軸及びy軸がより小さいスケールでデータを描くように拡大されていることに留意されたい。
【0088】
コンタープロット
図1300はゲート1306を含む。ゲート1306は一連の点で構成されている。
図13には1つの点1308が特定されているが、ゲートは数百又は数千の点を含み得る。適切なゲートを確実に選択することは面倒なことがある。従って、ユーザはコンターを選択し、このコンターから、コンターの境界に沿ってゲートを生成することができる。
【0089】
図14は、ゲートの生成方法についてのプロセスフロー図を示す。
図14に示すプロセスは電子通信デバイス、例えばタブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン等を用いて実装可能である。
【0090】
ノード1402で、フローデータに対する要求が送信される。この要求は、表示すべき1セットのフローデータの識別子を含み得る。ノード1404で、この要求フローデータが受信される。この受信フローデータは上述したようにコンタープロットを含み得る。コンタープロットは、1つ以上のコンターレベルを含み得る。コンターレベルは、記述レベル標識、統計値、又は他の情報等のレベル情報と関連し得る。受信フローデータは、機械可読フォーマット、例えばXML、JSON、区切りテキスト、二進フォーマット、例えばビットマップ又は他のイメージファイルフォーマット等で提供され得る。一部の実装では、所与の層のプレゼンテーションを選択的に制御できる(例えば、示すための層の識別子を含む受信メッセージに基づいて表示される)ように各レベルを別々に特定することができる。
【0091】
一部の実装では、受信フローデータは、ドットプロット及びコンター情報を生成するための情報を含み得る。該実装では、ドットプロットはコンター情報に基づいて表示され得る。例えば、ドットプロット上の点のレンダリングのために選択する色は、コンター情報に含まれる密度情報に基づき得る。従って、1つ以上のコンターレベル等の密度情報を含むドットプロット図が生成される。フローサイトメトリデータのプレゼンテーションを生成するさらなる例は、
図15を参照して後述される。
【0092】
ノード1406で、ゲートの生成に使用するコンターレベルの識別子を含むメッセージが受信される。例えば、ユーザはタップしてコンターレベルを選択し、送信すべきコンターレベルの情報を特定する送信を引き起こすことができる。ノード1408では、コンターレベルの受信識別子に基づいて、該セットのデータに対してゲートが生成される。任意に、ノード1410で、コンターレベルと関連するゲートに伴う情報を表示することができる。
【0093】
一部の実装では、
図14に示すプロセスは、セントラルサーバにメッセージを送信して情報を得る工程を含み得る。一部の実装では、
図14に示すプロセスは、コンタープロット、コンターレベル、及びコンター情報の1つ以上を含む1セットのフローデータを受信する工程を含み得る。次に表示は、プレゼンテーションのためにフローデータのどの部分を与えるかを特定する工程を含み得る。本明細書に記載のコンターデータは効率的に表現されるので、この情報をタブレットコンピュータ上等のメモリに維持することは、適切なユーザ体験をもたらす。
【0094】
図15は、フローサイトメトリデータのプレゼンテーションを生成する方法のプロセスフロー図を示す。ノード1502で、フローサイトメトリデータが受信される。フローサイトメトリデータは、フローサイトメータから又はメモリからのように、生の形式で受信され得る。一部の実装では、フローサイトメトリデータを受信する工程は、1セットのフローデータ用識別子を受信し、この受信識別子に基づいてフローサイトメトリデータを得る工程を含み得る。受信フローデータは、上述したような1つ以上のプロットを含み得る。
【0095】
判定ノード1504では、受信フローサイトメトリデータがコンター情報を含かどうかについて決定する。フローデータがコンター情報を含まない場合、ノード1505で受信フローデータ用にコンター情報が得られる。このコンター情報を得る工程は、上述したようにメッシュ削減コンターを生成する工程を含み得る。一部の実装では、要求を送信してコンター情報を得ることができる。
【0096】
判定ノード1504で、受信フローデータがコンター情報を含むと判定されるか又はノード1505でコンター情報を受信すると、プロセスフローはノード1506に続く。判定ノード1506で、唯一の利用可能な情報がコンター情報かどうかについて判定される。例えば、コンタープロットのみがフローサイトメトリデータに利用可能であり得る。この場合、フローはノード1516に続き、コンタープロットを含むプレゼンテーションが提供される。論じたように、コンタープロットは1つ以上のコンターレベルを含み得る。各レベルは上述したように情報と関連し得る。
【0097】
判定ノード1506に戻って、コンター情報がドットプロット等の他のフローデータと共に利用可能な場合、フローはノード1508に続く。ノード1508で、基本プレゼンテーションが生成される。基本プレゼンテーションは、例えば、フローデータのドットプロット図を含み得る。ノード1510で、コンターレベルの情報が得られる。コンターレベルについての情報は、レベルに合わせた色及び/又はアイコン等の視覚的合図を含み得る。この視覚的合図を得る工程は、基本プレゼンテーションに含まれる点に基づき得る。ノード1512で、得られたコンターレベル情報に基づいて基本プレゼンテーションが更新され得る。更新は、コンターレベル内に位置する、基本プレゼンテーションに含まれる1つ以上の点にプレゼンテーション色を割り当てる工程を含み得る。更新は、コンターレベル情報を含むプレゼンテーションに追加表示層を加える工程を含み得る。一部の実装では、この層は選択されるまで透明であり得る。判定ノード1514で、さらなるコンターレベル情報が利用可能かどうかについて判定される。利用可能でない場合、フローはノード1516に続き、更新されたとおりにプレゼンテーションが提供される。さらなるコンターレベル情報が利用可能な場合、プロセスはノード1510に戻って、別のコンターレベルの情報を処理する。
【0098】
図15に示すように、コンターレベルが繰り返し適用されて基本表示を更新する。一部の実装では、基本プレゼンテーションが生成されるときにコンターレベル情報を得て各点に適用される。いずれにしても、提供されるプレゼンテーションは、任意の追加フローデータと共に密度情報を含む。
【0099】
図16は、ゲート及びコンター情報を含む表示例のインタフェース図を示す。コンタープロットの他領域から選択領域を区別する色を用いてゲート1602を強調することができる。コンター情報1604は、表示名、ゲーティングされた領域に含まれる総イベントのパーセント、及びゲーティングされた領域内のイベント数を含む。コンター情報1604要素には、より少ないか、異なるか、又は追加の情報が提示され得ることが分かるであろう。
【0100】
図16は、コンター情報により提供される密度情報をドットプロットがどのように含み得るかをも示す。プロットに含まれる各ドットを例えば、異なる色で提示し得る。種々の陰影は、特定領域におけるイベントの相対密度を示し得る。
図16に示すハイブリッドドットプロット/コンタープレゼンテーションは、
図15に記載の方法を用いて生成可能である。
【0101】
ゲートの自動生成は、生成されたコンターレベルに基づいて正確にゲートを表せるようにする。これは、手で描いた同領域のゲートよりずっと正確である。さらにゲートは、手でポリゴンを作成するよりかなり正確にずっと速くポリゴンを作成する。一部の実装では、ゲートが未選択の場合、ゲート用のツールチップが該領域の統計値を表示し得る。
【0102】
記載の技術を用いて実装可能な別の特徴はリアルタイムコンター生成である。記載のシステム及び方法は、より小さいデータセットを与えるので、関心のある点を特定する受信入力信号に基づいて局所コンターが生成可能である。例えば、所定の許容差範囲を用いて、特定点の周りに描かれるであろう局所コンターを生成することができる。この特定は、マウスクリック、タッチスクリーン経由のタップ、又は他のジェスチャに応じて送信され得る。関心のある点が変わると、根底にある削減コンター情報に基づいて、包含すべき領域を表示することができる。研究者は結果に満足したときに、ポインタを押してゲートを作成する。
【0103】
記載の特徴は、コンタープロットのいくつかの新しい特徴に加えて、コンタープロットのさらに効率的な表現を可能にする。メモリその他のリソースの利用を最小限にしながら、コンターを表現するポリゴン構造を迅速に生成することができる。結果として生じるデータ構造は、第三者の用途への効率的な転送をも可能にする。これらのデータ構造を用いて、含まれる密度情報を、ドットプロットのような密度情報を含まないプロットを有するコンター情報に含めることもできる。
【0104】
論じた新しい特徴を用いることによってコンター及び密度プロットの利用をずっと効率的にすることができる。オンデマンド統計、ハイブリッドコンター-ドットプロット及びドットプロット上のコンターゲーティングは、単独で又は組み合わせて用いて、ユーザがデータを迅速に理解できるようにし、その結果ユーザがより良い判断をより速く下せるようにする、ちょうど3つの可能な実装である。オンデマンド統計は、コンターにどれくらいのデータが存在するかを正確に示す。ハイブリッドコンター-ドットプロットは、従来のドットプロットビジュアルを密度着色と共に可能にしながらさらに同統計を提供する。コンターゲーティングを用いれば、ゲートを迅速に描くことができ、正確により良い分類をもたらす。
【0105】
さらに、記載のシステム及び方法は、イベントデータを圧縮して、イベントデータに適したポリゴンコンターを表すのに必要な点の数を削減できるようにする。コンター内のレベルの選択は、ゲートの生成を引き起こすことができる。これは、タッチスクリーン無線デバイス等の制限されたリソースのデバイスが、効率的リソース様式でフローサイトメトリデータをレンダリング及びゲーティングできるようにする。
【0106】
図17は、タイルの組み合わせに適合性の配置の例を示す。
図17に示す候補検索配置は、左から右及び上から下のタイル走査パターンを想定する。従って、
図17の第1行、1列に示すタイルの候補組み合わせは、予め走査した(かつ可能な組み合わせの)タイルで開始されるポリゴンの連続であり得るように、タイルの左側へのタイルである。第1行、4列に示すタイルの候補組み合わせは、新ポリゴンの開始を指示する。実装の走査パターンは左から右及び上から下に示してあるので、
図17の第1行、4列に示すタイルは新ポリゴンの上方のコーナーに相当する。
【0107】
本明細書で使用する場合、用語「決定する」又は「決定すること」は、種々多様の行為を包含する。例えば、「決定すること」は、計算、コンピュータ処理、処理、抽出、調査、検索(例えば、表、データベース又は別のデータ構造の検索)、確認すること等を包含する。また、「決定すること」は、受信(例えば、情報の受信)、アクセス(例えば、メモリ中のデータにアクセス)すること等を含み得る。また、「決定すること」は、解決、選定、選択、確立すること等を含み得る。
【0108】
本明細書で使用する場合、用語「提供する」又は「提供すること」は、種々多様の行為を包含する。例えば、「提供すること」は、その後の検索場所に値を保存すること、値を受取人に直接送信すること、値へのリファレンスを送信又は保存すること等を含み得る。「提供すること」は、エンコード、デコード、暗号化、暗号を解読、確認、検証すること等をも含み得る。
【0109】
本明細書で使用する場合、項目のリスト「の少なくとも1つ」に言及する表現は、単一メンバーを含めた当該項目の任意の組み合わせを意味する。例として、「a、b、又はcの少なくとも1つ」は、下記:a、b、c、a-b、a-c、b-c、及びa-b-cを包含するように意図される。
【0110】
当業者は、種々の異なる技術及び手法のいずれを用いても情報及び信号を表せることを理解するであろう。例えば、上記説明を通じて参照されるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光学粒子、又はその任意の組み合わせによって表現され得る。
【0111】
当業者は、本明細書に開示の実施形態と関連して述べた種々の図解論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズム工程は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両方の組み合わせとして実装できることをさらに理解するであろう。このハードウェアとソフトウェアの互換性を明瞭に説明するため、種々の図解成分、ブロック、モジュール、回路、及び工程をそれらの機能性の面から一般的に上述した。該機能性をハードウェアとして又はソフトウェアとして実装するかは、システム全体に課せられた特定の用途及び設計の制約によって決まる。当業者人は、それぞれの特定用途に適した種々のやり方で上記機能性を実装し得るが、このような実装の判断を本発明の範囲からの逸脱として解釈すべきでない。
【0112】
本明細書に記載の技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその任意の組み合わせによって実装可能である。該技術は、一般目的のコンピュータ、無線通信デバイス、又は無線通信デバイス送受話器及び他のデバイスでの適用を含めた複数の用途を有する集積回路デバイス等の種々のデバイスのいずれにおいても実装可能である。モジュール又は成分として記載したいずれの特徴も統合論理デバイスで一緒に又は別々であるが相互利用可能な論理デバイスとして別々に実装可能である。ソフトウェアで実装する場合、本技術は、実行時に上記方法の1つ以上を遂行する命令を含め、プログラムコードを含むコンピュータ可読データ記憶媒体によって少なくとも部分的に実現可能である。コンピュータ可読データ記憶媒体は、包装材料を含み得るコンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。コンピュータ可読媒体は、メモリ又はデータ記憶媒体、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、例えば同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュ(FLASH)メモリ、磁性又は光学データ記憶媒体等を含み得る。コンピュータ可読媒体は、非一時的記憶媒体であってよい。この技術はさらに、又はこれとは別に、コンピュータによってアクセス、読み取り、及び/又は実行できる命令又はデータ構造の形のプログラムコード、例えば伝搬信号又は伝搬波等を送信又は伝達するコンピュータ可読通信媒体によって少なくとも部分的に実現可能である。
【0113】
プログラムコードはプロセッサにより実行可能であり、プロセッサには、1つ以上のプロセッサ、例えば1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、一般目的のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブル論理アレイ(FPGA)、又は他の等価な統合若しくは個別論理回路が含まれる。該プロセッサは、この開示に記載の技術のいずれをも遂行できる構成である。一般目的のプロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、選択的に、プロセッサはいずれの従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってよい。プロセッサは、コンピュータ処理デバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併用する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は該構成の任意の他の組み合わせとしても実装可能である。従って、本明細書で使用する用語「プロセッサ」は、いずれの前述の構造、前述の構造のいずれの組み合わせ、又は本明細書に記載の技術の実装に適したいずれの他の構造若しくは装置をも意味し得る。さらに、一部の態様では、エンコード及びデコードのために構成されたか、或いは結合ビデオエンコーダ-デコーダ(CODEC)に組み込まれた専用ソフトウェアモジュール又はハードウェアモジュール内で、本明細書に記載の機能性を実現することができる。
【0114】
本明細書に開示の方法は、記載方法を達成するための1つ以上の工程又は行為を含む。方法工程及び/又は行為は特許請求の範囲から逸脱することなく互いに交換可能である。換言すれば、工程又は行為の具体的な順序が指定されていない限り、具体的な工程及び/又は行為の順序及び/又は使用は、特許請求の範囲から逸脱せずに変更可能である。
【0115】
本発明の種々の実施形態について記載した。これら及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。