特許第6480932号(P6480932)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニング インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6480932-ガラス積層装置用マッフル間隙シール 図000002
  • 特許6480932-ガラス積層装置用マッフル間隙シール 図000003
  • 特許6480932-ガラス積層装置用マッフル間隙シール 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6480932
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】ガラス積層装置用マッフル間隙シール
(51)【国際特許分類】
   C03B 17/06 20060101AFI20190304BHJP
   F27D 1/00 20060101ALI20190304BHJP
   F27B 5/06 20060101ALI20190304BHJP
   F16J 15/52 20060101ALI20190304BHJP
   F16J 3/04 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   C03B17/06
   F27D1/00 U
   F27B5/06
   F16J15/52 Z
   F16J3/04 A
【請求項の数】7
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-531876(P2016-531876)
(86)(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公表番号】特表2016-534007(P2016-534007A)
(43)【公表日】2016年11月4日
(86)【国際出願番号】US2014048992
(87)【国際公開番号】WO2015017594
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2017年7月26日
(31)【優先権主張番号】61/860,478
(32)【優先日】2013年7月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン−ツァイ,ユフェ アダム
(72)【発明者】
【氏名】コッポラ,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ゴリアティン,ヴラディスラフ ユリエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】レガリック,ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】ポリウス,シャーン レスリアン ヤールシェン
【審査官】 原 和秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−168482(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0212360(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/026136(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス積層フュージョンドロー装置の2つのマッフル間に位置付けられた柔軟なシールであって、前記マッフルの内部から外部へと順に、
相互に接触していない重なり合った耐火性材料の列を備えた、放射線シールド、
耐熱材料のブランケットを備えた、熱シール
高温エラストマー材料のシートを備えた、エアシール、および、
前記熱シールと前記エアシールとの間に位置付けられた、第2の放射線シールド、
を備えていることを特徴とするシール。
【請求項2】
前記高温エラストマー材料が、シリコーンを含むことを特徴とする請求項1記載のシール。
【請求項3】
前記相互に接触していない重なり合った耐火性材料の列が、接触させずに組み合わせた耐火レンガの列を含むことを特徴とする請求項1または2記載のシール。
【請求項4】
前記耐熱材料のブランケットが、耐火性材料から形成された繊維の中に封入された、耐火繊維材料を含むことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のシール。
【請求項5】
前記繊維がアルミナシリケート繊維であることを特徴とする請求項4記載のシール。
【請求項6】
前記第2の放射線シールドが、折り目を有する柔軟な金属シートを備えていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のシール。
【請求項7】
請求項1からいずれか1項記載のシールを備えた、積層フュージョンドロー装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が引用されその全体が参照することにより本書に組み込まれる、2013年7月31日に出願された米国仮特許出願第61/860,478号の優先権の利益を米国特許法第119条の下で主張するものである。本出願は、国際出願PCT/US13/53357号としても出願された、2012年8月1日に出願された米国仮特許出願第61/678,218号に関する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ガラスフュージョンドロー技術に関し、より具体的には、積層フュージョンドロー装置(LFDM)のクラッドマッフルおよびコアマッフル間の間隙をシールする装置に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、ガラス積層フュージョンドロー装置の2つのマッフル間など、2つのマッフル間に位置付けられる、柔軟なシールアセンブリを提供する。この柔軟なシールアセンブリは、放射線シールド、熱シール、およびエアシールを含む。
【0004】
放射線シールドは、相互に接触していない重なり合った耐火性材料の列を備えていることが望ましく、この耐火性材料の列は、接触させずに組み合わせた耐火レンガの列の形を成したものであることが望ましい。
【0005】
熱シールは耐熱材料のブランケットを備えていることが望ましく、またブランケットは、アルミナシリケートなどの耐火性材料から形成された繊維の中に封入された、耐火繊維材料から形成され得ることが望ましい。
【0006】
エアシールは、シリコーンなどの高温(すなわち、高温耐熱)エラストマー材料のシートを備えていることが望ましい。
【0007】
シールアセンブリは、熱シールとエアシールとの間に位置付けられた、第2の放射線シールドをさらに備え得ることが望ましい。第2の放射線シールドは、折り目を有する柔軟な金属シートを含み得る。
【0008】
シールはガラス積層フュージョンドロー装置の2つのマッフル間に位置付けられることが望ましく、またその3つの部分は以下のように、マッフルの内部から外部へと(1)放射線シールド、(2)熱シール、および(3)エアシールの順に配置されることが望ましい。
【0009】
得られる3部構成シールは、互いに独立して機械的に機能する3つの分かれた部分、すなわち放射線シールド、熱シール、およびエアシールによって、2つのマッフル間の間隙領域に熱保護および不透過性を提供する。これらの分かれたシール部分は2つのマッフルに別々に取り付けられ、これらのシール部分全体で、漏出を生じさせず、かつ要求され得る任意の小さい動きを最大で全6自由度の相対運動で行う能力を備え、マッフルの内側すなわち火室側と、外側すなわち大気側との間を熱分離する利益を提供する。固体断熱材では、マッフルのあらゆる相対運動後に再び詰めることなく、この柔軟性を提供することはできない。従って本開示のシールは、ガラスシート成形プロセスの、マッフルが保護するよう意図されている部分を乱すことなく、2つのマッフル間の所望の運動を可能にする。
【0010】
さらなる特徴および利点は以下の詳細な説明の中に明記され、ある程度は、その説明から当業者には容易に明らかになるであろうし、あるいは、以下の詳細な説明、請求項、並びに添付の図面を含め、本書で説明された実施形態を実施することにより認識されるであろう。
【0011】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は単なる例示であり、請求項の本質および特徴を理解するための概要または構成を提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面はさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれかつその一部を構成する。図面は1以上の実施形態を示し、そしてその説明とともに、種々の実施形態の原理および動作の説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】2つのマッフルの所望の動きの一例を3次元で表現した図であって、2つのマッフル間の6自由度の相対運動を示した図
図2】本開示の実施形態の一部の断面図
図3図2の実施形態の一態様の断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
マッフルとは、フュージョンドローガラスシート成形プロセスの際にフュージョンドロー装置(FDM)内で、熱分離および雰囲気分離と、主に鉛直に向いているガラスシートの保護とを提供する、エンクロージャである。標準的な単一のガラスのFDMとは異なり、積層フュージョンドロー装置(LFDM)は少なくとも2つの隣接するマッフルを備え、これらのマッフルは図1に概略的に表されているように、最大で全6自由度の相対運動で独立して動く。単に例として、限定することを意図したものではないが、上方すなわち第1のマッフル200は、図に示されているようにX軸およびZ軸に並進し、またX軸およびY軸の周りに回転して動くことができるものでもよく、一方下方すなわち第2のマッフル300は、Y方向に並進し、またZ軸の周りに回転して動くことができる。実際にどちらのマッフルがどの自由度で動くか、あるいは全部でいくつの相対的運動の自由度が特定のシステムで実際に利用されるかに拘らず、概して要求されることは、マッフル200および300が多自由度の相対運動で、場合によっては6自由度程度、すなわち3自由度の(相対的)並進運動および3自由度の(相対的)回転運動で、互いに対して調節可能であることである。このような相対運動の自由により、この運動を許容するのに十分な柔軟性をも有する、断熱性の気密シールの必要性が生じる。いくつかまたは全ての運動の自由度で必要な総移動量は小さいかもしれないが、必要とされる各自由度は、LFDMにおいて所望の範囲の製造能力を提供するよう十分な範囲に亘って享受できるものでなければならない。本開示は、この要求に応える装置を提供する。
【0014】
ここで現在の好適な実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、全図面を通じて同じまたは類似の部分の参照に、同じ参照番号を使用する。本開示のシールの一実施の形態を図2に示し、概してその全体を参照番号10で示す。シール10は、上方マッフル200の構造体と下方マッフル300の構造体との間に位置付けられ、シールの内側Iの雰囲気および熱が、シールの外側Oに脱出したり、またシールの外側Oの雰囲気で汚染されたりすることのないように、シールおよび維持する。
【0015】
シール10は少なくとも3つの部分を備えており、内側Iから外側Oまで順に、放射線シールド40、熱シール30、および雰囲気気体のシールまたはエアシール20である。放射線シールド40は、少なくとも2つの、望ましくは少なくとも3つの耐火レンガの列42、44、46から成る、重なり合った障壁を備えている。放射線シールド40はシール10の内部側Iで、火室による直接の放射熱から熱シール30を遮蔽する。レンガの列42、44、46は、火室の外縁全体に沿って配置されている。少なくとも1つのレンガの列42(本実施形態では、さらに列46)は下方マッフル300から上へと延在し、少なくとも1つの列44は上方マッフル200から下へと延在している。マッフル間の相対的な鉛直運動の全範囲に亘って放射障壁が維持されるように、これらのレンガの列の間には十分な重なりが存在していなければならない。列42、44、46の周囲のこれらの列の間には、マッフルの所望範囲の相対運動を可能にするのに十分な大きさの間隙Gが設けられている。典型的には耐火断熱レンガ(IFB)である、放射線シールド用に選択されるレンガ材料は、熱シール30の内側の温度を耐え得るレベルまで下げるよう意図されている。列42、44、46に適切な材料としては、列42に対しては少なくとも2800℃に、また列44および46に対しては少なくとも2600℃に合わせた等級の、IFBが挙げられる。
【0016】
熱シール30は、マッフル間隙内で連続したC字状を維持する、断熱ブランケット32を備えている。このC字状により、ブランケット32はマッフル200、300の相対的な鉛直運動の範囲内で容易に伸びたり縮んだりすることができる。ブランケット32のC字状のサイズおよび長さは、関連するLFDMの通常動作中に間隙が広がったときに張力が生じないよう、マッフル200、300間の最大間隙で決定され製造される。図3の断面図でより容易に見ることができるが、ブランケット32は、アルカリアースシリケートウールまたはアルミナ繊維など別の適切な材料の、内側層34を、アルミナシリケート繊維の単一の層36内に封入して含んでいる、複合体の形で含まれ得る。ブランケット32は、二重層の繊維のみを備えたフラップ38aおよび38bをさらに含むことが望ましい。ブランケット32は、上方マッフル200の底部にしっかりと留め、かつ下部マッフル300の最上部に取り付けられたボルトで緩く拘束することが望ましい。ブランケットの上方フラップ38aは、これを上方マッフル200の底部に留めるのを助ける孔を含んでいることが望ましい。下方フラップ38bは、下部マッフル300の最上部に取り付けられた摺動する鋼フレーム310に接続されることが望ましく、また下方フラップ38bにスロットを設けて、マッフル間で相対的なX並進およびY並進を可能にするのを助けることができる。
【0017】
エアシール20は、高温耐熱エラストマー材料、望ましくはシリコーンゴムのシート22を備え、このシート22が2つのマッフル200、300間の間隙全体を連続的に包囲して、下方マッフル300の最上部と上方マッフル200の底部とにしっかりと留められる。シート22のシリコーンゴム材料は、高弾性を実現し、エアシール20の完全性を維持しながら、所望の運動範囲と要求される自由度とに対処する能力を提供する。シート22は可能な限り薄いことが望ましく、例えば厚さ1/16インチ(1.59mm)である。所望の運動範囲次第で、シート22の材料のデュロメータは特に重要である。より大きい運動に対しては、デュロメータが低いことが好ましい。シート22は、接合部が唯一の単一片のものでもよいし、あるいは適切な数の接合部を含む、数片から成るものでもよい。このシート22は、シール10の外側面Oで2つのマッフル200、300に堅く留められる。エアシール20は、シート22のシリコーンゴム材料の伸縮および/または歪みによって、マッフル200、300の相対運動中に維持される。
【0018】
得られる3部構成マッフルシール10は、互いに独立して機械的に機能する3つの分かれた部分(放射線シールド40、熱シール30、およびエアシール20)によって、間隙領域に熱保護および不透過性を提供する。これらの分かれたシール部分は2つのマッフル200、300に別々に取り付けられ、これらのシール部分が一緒になって、漏出を生じさせず、かつ必要な動きを6自由度の相対運動で行う能力を備え、マッフルの内側Iすなわち火室側と外側Oすなわち大気側との間を熱分離する利益を提供する。固体断熱材では、マッフル200、300のあらゆる相対運動後に再び詰めることなく、この柔軟性を提供することはできない。このシール10の設計によれば、ガラスシート成形プロセスを乱すことなく、2つのマッフル間の所望の運動が可能になる。
【0019】
さらに図2に見られるように、随意的な第2の放射線シールド50を、シール10の一部としてさらに含んでもよい。第2の放射線シールドは、熱シールの外側に位置付けられ得ることが望ましく、また熱シール30に類似したやり方で、かつ随意的には同じ取付構造を使用して、マッフル間隙内に取り付けられたアルミ波板52を含み得ることが望ましい。第2の放射線シールドは、エアシール20のためにさらなる保護を提供することができる。
【0020】
請求項の精神または範囲から逸脱することなく、他の種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0021】
10 シール
20 エアシール
22 シート
30 熱シール
32 ブランケット
40 放射線シールド
50 第2の放射線シールド
200、300 マッフル
図1
図2
図3