(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記絶縁シートと、前記ハーメチックガラスの前記接続端子側の面及び前記ハウジングの前記接続端子側の面との間の空間が絶縁性接着剤により封止されることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
【背景技術】
【0002】
圧力センサは、冷凍、冷蔵、空調機器用の冷媒圧力センサ、給水、産業用ポンプ等の水圧センサ、蒸気ボイラの蒸気圧センサ、空/油圧産業機器の空/油圧センサ、自動車の圧力センサ等、各種の用途に使用されている。
【0003】
このような圧力センサのうち流体圧検出用の圧力センサとして、例えば、特許文献1に開示されるように、半導体圧力センサチップを封入オイルで充填した液封室に配置した液封型の圧力センサが従来から知られている。
【0004】
液封型の圧力センサでは、圧力室と液封室を区画するダイヤフラムに作用する圧力室の流体の流体圧が、液封室内の封入オイルを介して、半導体センサチップに伝達され、流体の流体圧が検出される。半導体センサチップには、ボンディングワイヤを介して複数のリードピンが接続され、複数のリードピンを介して、電源供給、及び、検出された圧力信号の送出、各種調整などが行われる。また、液封室を空気中の湿気や埃、熱などの環境条件から保護するため、液封室の周囲には、ハーメチックガラスが封着され、複数のリードピンもハーメチックガラスにより固定される。また、ハーメチックガラスの周囲には、強度を保つために、金属製等のハウジングが配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような特許文献1に記載の液封型の圧力センサでは、静電気放電(ESD:Electro-Static Discharge)により、半導体センサチップの内部回路が破損するという問題がある。このような問題の対策として、半導体センサチップ内にESD保護回路を組み込むことも考えられる。しかしながら、昨今の半導体センサチップのダウンサイジングにより、ESD保護回路の面積を確保するのが難しく、また、このような回路の組み込みは、半導体センサチップの単価の高騰にも繋がる。
【0007】
このような問題を改善するために、リードピンとハウジングの間に空気より絶縁耐圧の高い接着剤を充填させることにより静電気耐圧を向上させている。しかしながら、このような接着剤を使用する方法では、接着剤の流れ方が安定せず、多量の接着剤を必要とするため、他の部品または治具との干渉が発生するおそれがある。
【0008】
従って、本発明の目的は、ESD保護回路の有無によらず、多量の接着剤を使用することなく、安定して高い静電気耐圧を維持できる圧力センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の圧力センサは、封入オイルが充填された液封室に液封され、圧力室に導入された流体の圧力が上記封入オイルを介して検出される半導体センサチップと、上記半導体センサチップにワイヤボンディングで接続され、上記半導体センサチップの外部入出力端子を構成し、接続端子に接続される複数のリードピンと、上記複数のリードピンを保持するハーメチックガラスと、上記複数のリードピンの周囲に配置され、上記ハーメチックガラスを保持する金属製のハウジングと、上記ハーメチックガラスから延出した上記複数のリードピンの周囲に配置され、上記ハウジングの前記接続端子側の面を覆う絶縁シートとを備えることを特徴とする。
【0010】
このように、ハウジングの上面に絶縁シートを設けたことにより、ESD保護回路の有無によらず静電気放電による半導体センサチップの内部回路の破損を防止できる。
【0011】
また、上記絶縁シートと、上記ハーメチックガラスの上記接続端子側の面及び上記ハウジングの上記接続端子側の面との間の空間が絶縁性接着剤により封止されるものとしてもよい。
【0012】
このように、絶縁シートとハーメチックガラスとハウジングとの間の空間が絶縁性接着剤で封止されたことにより、さらに静電気放電による半導体センサチップの内部回路の破損を防止できる。
【0013】
また、上記ハウジングの上記接続端子側の面の内周部には、傾斜の面が設けられ、上記ハウジングの上記傾斜面と上記絶縁シートとの間の隙間に、上記絶縁性接着剤が浸透するものとしてもよい。
【0014】
このように、ハウジングの内周面に傾斜面を設けたことにより、ハウジングと絶縁シートの間に確実に空間を形成することができ絶縁性接着剤を浸透させることができる。
【0015】
また、上記絶縁シートの中央には、上記絶縁性接着剤が注入される貫通孔が形成されるものとしてもよい。
【0016】
このように、絶縁シートの中央に貫通孔を設けたことにより、絶縁性接着剤を中央1箇所に塗布することで一定量の接着剤を安定して供給できる。
【0017】
また、上記貫通孔の内周面には、少なくとも1つの切り欠きが形成されるものとしてもよい。
【0018】
このように、絶縁シートの貫通孔に切り欠きを設けたことにより、切り欠きと切り欠きに近接したリードピンとにより絶縁性接着剤を表面張力により全周に均一に浸透させることができる。
【0019】
また、上記絶縁シートの上記貫通孔の周囲には、気泡抜き穴が形成されるものとしてもよい。
【0020】
このように、気泡抜き穴が設けられたことにより、絶縁性接着剤の内部に発生した気泡が気泡抜き穴から排出され絶縁性を向上できる。
【0021】
また、上記気泡抜き穴は、複数形成され、複数の気泡抜き穴は、上記絶縁シートの全周に対応する位置に形成されるものとしてもよい。
【0022】
このように、全周に相当する位置に気泡抜き穴を設けたことにより、気泡が発生し残留しやすい絶縁性接着剤を使用した場合に、気泡の排出を促し絶縁性を向上できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の圧力センサによれば、ESD保護回路の有無によらず、多量の接着剤を使用することなく、安定して高い静電気耐圧を維持できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、本発明の圧力センサの一例として液封形の圧力センサ100の全体を示す縦断面図である。
【0027】
図1において、液封型の圧力センサ100は、圧力検出される流体を後述する圧力室112Aに導入する流体導入部110と、圧力室112Aの流体の圧力を検出する圧力検出部120と、圧力検出部120で検出された圧力信号を外部に送出する信号送出部130と、流体導入部110、圧力検出部120、及び、信号送出部130を接続する接続部材140とを備える。
【0028】
流体導入部110は、圧力検出される流体が導かれる配管に接続される金属製の継手部材111と、継手部材111の配管に接続される端部と別の端部に溶接等により接続されるお椀形状を有する金属製のベースプレート112とを備える。
【0029】
継手部材111には、配管の接続部の雄ねじ部にねじ込まれる雌ねじ部111aと、配管から導入された流体を圧力室112Aに導くポート111bとが形成される。ポート111bの開口端は、ベースプレート112の中央に設けられた開口部に溶接等により接続される。なお、ここでは、継手部材111に雌ねじ部111aが設けられるものとしたが、雄ねじが設けられるものとしてもよく、または、継手部材111の代わりに、銅製の接続パイプが接続されるものとしてもよい。ベースプレート112は、継手部材111と対向する側に向かい広がるお椀形状を有し、後述するダイヤフラム122との間に圧力室112Aを形成する。
【0030】
圧力検出部120は、貫通孔を有するハウジング121と、上述の圧力室112Aと後述する液封室124Aとを区画するダイヤフラム122と、ダイヤフラム122の圧力室112A側に配置される保護カバー123と、ハウジング121の貫通孔内部にはめ込まれるハーメチックガラス124と、ハーメチックガラス124の圧力室112A側の凹部とダイヤフラム122との間に封入オイルが充填される液封室124Aと、ハーメチックガラス124の中央に配置される支柱125と、支柱125に支持され液封室124A内部に配置される半導体センサチップ126と、液封室124Aの周囲に配置される電位調整部材127と、ハーメチックガラス124に固定される複数のリードピン128と、ハーメチックガラス124に固定されるオイル充填用パイプ129とを備える。
【0031】
ハウジング121は、ハーメチックガラス124の周囲の強度を保つために、例えばFe・Ni系合金やステンレス等の金属材料により形成される。ダイヤフラム122と、保護カバー123は、共に金属材料で形成され、共にハウジング121の圧力室112A側の貫通孔の外周縁部において溶接される。保護カバー123は、ダイヤフラム122を保護するために圧力室112A内部に設けられ、流体導入部110から導入された流体が通過するための複数の連通孔123aが設けられる。ハウジング121は、圧力検出部120が組み立てられた後、流体導入部110のベースプレート112の外周縁部において、TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接等により外側から溶接される。
【0032】
ハーメチックガラス124は、半導体センサチップ126が液封された液封室124Aを空気中の湿気や埃、熱などの周囲の環境条件から保護し、複数のリードピン128を保持し、複数のリードピン128とハウジング121とを絶縁するために設けられる。ハーメチックガラス124の中央に配置された支柱125の液封室124A側には、半導体センサチップ126が接着剤などにより支持される。なお、本実施形態では、支柱125は、Fe・Ni系合金で形成されるものとしたが、これには限定されず、ステンレス等その他の金属材料で形成されるものとしてもよい。また、支柱125を設けずに、ハーメチックガラス124の凹部を形成する平坦面に直接的に支持されるように構成されてもよい。
【0033】
半導体センサチップ126の内部には、ピエゾ抵抗効果を有する、例えば単結晶シリコン等の材料からなるダイヤフラムと、ダイヤフラム上に複数の半導体歪みゲージを形成し、これらの半導体歪みゲージをブリッジ接続したブリッジ回路及びブリッジ回路からの出力を処理する増幅回路、演算処理回路等の集積回路が含まれる。また、半導体センサチップ126は、例えば、金またはアルミニウム製のボンディングワイヤ126aにより複数のリードピン128に接続され、複数のリードピン128は、半導体センサチップ126の外部入出力端子を構成している。
【0034】
配管から導入される流体は、継手部材111から圧力室112Aに導入され、ダイヤフラム122を押圧する。このダイヤフラム122に加えられた圧力は、液封室124A内の封入オイルを介して半導体センサチップ126に伝達される。この圧力により半導体センサチップ126のシリコンダイヤフラムが変形し、ピエゾ抵抗素子によるブリッジ回路で圧力を電気信号に変換して、半導体センサチップ126の集積回路からボンディングワイヤ126aを介して複数のリードピン128に出力される。
【0035】
電位調整部材127は、特許第3987386号公報に記載されているように、半導体センサチップ126を無電界(ゼロ電位)内に置き、フレームアースと2次電源との間に生じる電位の影響でチップ内の回路などが悪影響を受けないようにするために設けられる。電位調整部材127は、液封室124A内の半導体センサチップ126とダイヤフラム122との間に配置され、金属等の導電性の材料で形成され、半導体センサチップ126のゼロ電位に接続される端子に接続される。
【0036】
ハーメチックガラス124には、複数のリードピン128と、オイル充填用パイプ129が貫通状態でハーメチック処理により固定される。本実施形態では、リードピン128として、全部で8本のリードピン128が設けられている。すなわち、外部入出力用(Vout)、駆動電圧供給用(Vcc)、接地用(GND)の3本のリードピン128と、半導体センサチップ126の調整用の端子として5本のリードピン128が設けられている。なお、
図1においては、8本のリードピン128のうち4本が示されている。
【0037】
オイル充填用パイプ129は、液封室124Aの内部に封入オイルとして、例えば、シリコーンオイル、または、フッ素系不活性液体等を充填するために設けられる。なお、オイル充填用パイプ129の一方の端部は、オイル充填後、
図1に示されるように、押し潰されて閉塞される。
【0038】
信号送出部130は、圧力検出部120の圧力室112Aの反対側に設けられた外部接続用のコネクタハウジング131と、複数のリードピン128に接続される外部出力用基板132と、コネクタハウジング131に固定され、外部出力用基板132に接続される接続端子133とを備える。
【0039】
コネクタハウジング131は、絶縁性の樹脂等により形成され、接続端子133と共に、外部のコネクタに接続される。コネクタハウジング131の圧力室112A側の内部空間には、ハーメチックガラス124から延出した複数のリードピン128、及び、外部出力用基板132等が配置される。外部出力用基板132は、フレキシブルプリント基板(FPC)等の柔軟性を有する材料により形成され、コネクタハウジング131に固定された接続端子133と、複数のリードピン128を接続する。
【0040】
接続部材140は、流体導入部110、圧力検出部120、及び、信号送出部130をカシメ加工により固定するかしめカバー141と、圧力検出部120とコネクタハウジング131の間に配置されるOリング142とを備える。
【0041】
かしめカバー141は、銅等の金属で円筒形状に形成される。かしめカバー141は、組み立てられた圧力検出部120に、流体導入部110が溶接等により固定された後、信号送出部130と供に、これらの周囲に配置され、Oリング142を間に挟んでかしめ加工を行い、これらを固定する。Oリング142は、圧力検出部120と信号送出部130の間に配置され、これらの防水・防塵機能を果たす。
【0042】
本発明の圧力センサ100は、ESD保護部材150をさらに備える。ESD保護部材150は、複数のリードピン128の周囲に配置され、ハウジング121の上面を覆う絶縁シート151と、ハーメチックガラス124の上面及びハウジング121の上面との間の空間に配置され、所定の絶縁耐圧を有する接着剤152とを備える。
【0043】
絶縁シート151は、静電気印加時に、金属製のハウジング121と複数のリードピン128との間で、静電気放電(ESD:Electro-Static Discharge)が発生し、半導体センサチップ126の内部回路が破損するのを防止するために設けられる。絶縁シート151の形状は、ここでは、中央にハーメチックガラス124から複数のリードピン128が延出しているため、中央に貫通孔151aを有する形状に形成されるが、これには限定されない。また、絶縁シート151の材質は、ここでは、所定の絶縁耐圧を有する透明なポリエステルシートに、粘着アクリルシートを貼付したものを使用したが、これには限定されない。
【0044】
接着剤152は、ここでは、絶縁シート151の中央に設けられた貫通孔151aからハーメチックガラス124の中央に塗布される。接着剤152は、空気より高い所定の絶縁耐圧を有するため、絶縁シート151と同様にESD保護のために設けられる。本実施形態では、接着剤152は、ハウジング121の上面の内周部に、傾斜面が設けられ、このハウジング121の傾斜面と絶縁シート151との間の隙間に、浸透し、これにより絶縁耐圧を高めている。なお、ハウジング121に傾斜面を設けることにより、ハーメチックガラス124が組み込み易くなり、作業性が向上するという効果も有する。
【0045】
なお、ここでは、絶縁シート151と接着剤152の両方を設けるものとしたが、絶縁シート151のみで所望のESD保護性能を確保できる場合には、絶縁シート151のみを設けるものとしてもよい。また、絶縁シート151に貫通孔151aがない場合には、接着剤152をハーメチックガラス124の上面とハウジング121の上面の内周部に直接塗布してもよい。
【0046】
図2は、本発明の圧力センサ100の絶縁シートの形状の一例151Aを示す平面図である。
【0047】
図2において、絶縁シート151Aには、中央に貫通孔151Aaが設けられ、更に、貫通孔151Aaの内周に複数の切り欠き151Abが設けられる。複数の切り欠き151Abの間には、貫通孔151Aaの内周部分が部分的に突起として残り、複数のリードピン128に近接する。このため、貫通孔151Aaからハーメチックガラス124の中央に塗布された接着剤152は、表面張力により全周に均一に浸透する。また、絶縁シート151Aには、以下で詳細に説明する、接着剤152が硬化する際に接着剤152の内部で発生した気泡を排出するための複数の円形の気泡抜き穴151Acが形成される。また、複数の切り欠き151Abを設けた更なる効果について、
図3及び
図4を使用して以下に説明する。
【0048】
図3は、切り欠きがない絶縁シート151を使用した場合の問題点を説明する要部の縦断面図である。
【0049】
図3に示すように、ハーメチックガラス124の上面は、平坦に形成するのが難しく、上面に突起が残ってしまう場合がある。絶縁シート151に貫通孔151aのみを形成し、切り欠き151bを形成しない場合には、絶縁シート151とハーメチックガラス124の上面に残った突起が接触するおそれがある。この場合、絶縁シート151の中央に設けられた貫通孔151aから塗布された接着剤152Aがこの突起に阻まれ、ハーメチックガラス124の上面の全周に均等に行き渡らず、所望の絶縁耐圧を確保できないおそれがある。
【0050】
図4は、
図2に示す絶縁シート151Aを使用した場合を説明する要部の縦断面図である。
【0051】
図4に示すように、
図2に示す絶縁シート151Aを使用した場合には、ハーメチックガラス124の上面に突起が残り、この突起が絶縁シート151Aと接触した場合であっても、絶縁シート151Aの貫通孔151Aaの内周に設けられた複数の切り欠き151Abを通して接着剤152Aが浸透し、切り欠き151Abの側面のハーメチックガラス124の上面の突起に接していない部分から接着剤152Aが浸透することができる。これにより、接着剤152Aをハーメチックガラス124の上面の全周に均等に行き渡らせることができ、接着剤152Aによる所望の絶縁耐圧が維持できる。
【0052】
図5は、
図2に示す絶縁シート151Aを使用し、気泡が接着剤152Bの内部に残った場合を説明する縦断面図である。
【0053】
図5に示すように、例えば硬化時間の長い、シリコーン系等の接着剤152Bは、一般に高温に熱して硬化させることがある。このときに、接着剤152Bの内部または周囲に水分があると、
図5に示すように、水蒸気が発生し気泡となり、この発生した気泡が硬化後の接着剤に残ると、接着剤152Bの実効的な厚みが減少し、静電気が
図5に示す絶縁破壊ルートを通過するため絶縁耐圧が低下し、所望のESD保護性能が確保できない可能性がある。
【0054】
図6は、絶縁シートの形状の別の例151Bを示す平面図である。
【0055】
図6に示すように、絶縁シート151Bは、
図2に示す絶縁シート151Aと比較して、複数の円形の気泡抜き穴151Acの代わりに、絶縁シート151Bの全周に対応する位置に形成された複数の長穴である気泡抜き穴151Bcが形成される点が異なり、その他の構成は同様である。同様の構成には、同様の符号を付し、説明を省略する。
【0056】
図3、及び、
図4に示すように、硬化速度の速いエポキシ系等の接着剤152Aを使用した場合にも、量の少ない気泡が発生する可能性があるため、
図2に示す絶縁シート151Aにも、開口面積の小さい複数の円形の気泡抜き穴151Acが設けられている。これに対して、
図6に示すように、硬化速度の遅い、シリコーン系等の接着剤152Bを使用した場合には、気泡が発生しやすく、接着剤152Bの上部を覆う絶縁シート151Bに開口面積の大きい気泡抜き穴151Bcを設ける必要がある。
【0057】
検討の結果、気泡抜き穴151Bcが絶縁シート151Bの全周に対応する位置に形成されれば、上述の
図5に示した気泡が硬化中に上部に排出され、上述の問題点が解消されることがわかった。このため、
図6に示す絶縁シート151Bには、中央に形成された貫通孔の周囲に、段違いに形成された、複数の円弧形状の長穴である気泡抜き穴151Bcが形成されている。複数の気泡抜き穴151Bcは、段違いに形成されるため、絶縁シート151Bの全周に対応する位置に形成することができる。なお、ここまで、接着剤152としてシリコーン系の接着剤を
図6に示す絶縁シート151Bに適用した場合について説明してきたが、これには限定されず、硬化速度が遅く、気泡の発生しやすい材質、及び、硬化方法の他の接着剤152の全てに適用可能である。
【0058】
なお、本発明の圧力センサの一例として、圧力センサ100を例にとり説明してきたがこれには限定されず、本発明は、半導体センサチップを液封室に液封する全ての液封型の圧力センサに適用可能である。
【0059】
以上のように、本発明の圧力センサによれば、ESD保護回路の有無によらず、多量の接着剤を使用することなく、安定して高い静電気耐圧を維持できる。