(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ビスマレイミドが、1,1’−(メチレンジ−p−フェニルレン)ビスマレイミドからなるか、または1,1’−(メチレンジ−p−フェニルレン)ビスマレイミドから製造される、請求項1または請求項2に記載のアクチュエータ装置(AV)。
前記樹脂補強材が、少なくとも0.1重量%から40重量%の量のフェノール樹脂と、0.1重量%〜30重量%のアクリレートと、0.1重量%〜30重量%の量のビスマレイミドを含む、請求項7に記載のアクチュエータ装置(AV)。
前記フェノール樹脂が、4,4’−(メチルエチリデン)ビス(2−(2−プロペニル)フェノール)からなるか、または、4,4’−(メチルエチリデン)ビス(2−(2−プロペニル)フェノール)から製造される、請求項7または請求項8に記載のアクチュエータ装置(AV)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、圧電材料製の複数のアクチュエータと、それら複数のアクチュエータに電気的に接続される、好ましくは可撓性であるプリント回路基板とを有する、効率的に製造できかつ高い機能安全性を提供するアクチュエータ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴によって解決される。請求項1を引用する従属請求項にはさらなる実施形態が記載される。
本発明によれば、好ましくは、アクチュエータ装置が提供され、アクチュエータ装置は、ベース体と、このベース体から厚さ方向に延在するビルドアップ体とを有する本体;ビルドアップ体を構成する複数のアクチュエータであって、前記複数のアクチュエータの各々は、奥行き方向に延在しており、圧電材料または電歪材料からなる一アクチュエータ体から形成されており、各アクチュエータは、当該アクチュエータの表面にまたは内部に設けられる、互いに離間した作動電極を備え、前記複数のアクチュエータは、前記アクチュエータ装置の長手方向において互いに前後に配置されており、2つの近隣アクチュエータ間のそれぞれにおいて、凹部の作動領域セグメントが形成されており、前記アクチュエータは、前記アクチュエータの前記作動電極に電気的に接続される導電性アクチュエータ接続コーティングを備え、前記アクチュエータ接続コーティングは少なくとも部分的に、厚さ方向を向く前記ベース体の一表面に設けられるか、または、前記アクチュエータのそれぞれのアクチュエータ体と奥行き方向に繋がる、当該アクチュエータのアクチュエータ段差部に設けられており、各隣接する2つのアクチュエータのアクチュエータ接続コーティング間に、それぞれの凹部の接続領域セグメントが設けられる、前記複数のアクチュエータ;前記アクチュエータ接続コーティングの少なくとも一部にわたって前記アクチュエータ装置の長手方向に延在するプリント回路基板であって、当該プリント回路基板の導電経路が前記アクチュエータ接続コーティングと電気的に接触している前記プリント回路基板;を備え、それぞれの凹部の少なくとも一部の接続領域セグメントに樹脂補強材からなる接続層が設けられ、当該接続層は、それぞれの接続領域セグメントを画定する互いに対向する側面と、厚さ方向を向く前記ベース体の表面部分と、そのベース体の表面部分に対面するプリント回路基板の領域とに少なくとも部分的に接触することによって、それぞれの凹部の接続領域セグメントの領域においてプリント回路基板を支持するとともにプリント回路基板をアクチュエータ接続コーティングに固定する。
【0006】
樹脂補強材(以下では補強材と呼ぶこともある)を備えている本発明によるアクチュエータ装置によれば、好ましくは可撓性のプリント回路基板をアクチュエータに電気的および機械的に安定して接続できる。
【0007】
硬化された樹脂補強材から形成される接続層を備えるという本発明によるアクチュエータ装置の解決策によれば、アクチュエータ装置を低欠陥率で製造できることが保証される。
【0008】
2つの隣接するアクチュエータの間の凹部をそれぞれ充填した後、補強材が依然として粘性状態にあるときに、好ましくは可撓性プリント回路基板がアクチュエータの段差部に配置されて位置決めされ、各凹部内の補強材は、最小量で、各凹部に位置するアクチュエータの段差部の両対向側面と、凹部表面と、その凹部表面に対面するプリント回路基板の下面とに確実に接続することができる。補強材を硬化させた後に、その補強材が、対応する凹部の接続領域セグメントにおいて好ましくは可撓性のプリント回路基板を支持する支持部品を形成すると同時に、アクチュエータ接続コーティングにおいてプリント回路基板の固定を実現する。本発明による補強材を適用することにより、補強材を非硬化状態にした後、好ましくは可撓性のプリント回路基板をアクチュエータ延長部またはアクチュエータ段差部に押し付けた後、十分に薄い粘着接合部が、好ましくは可撓性のプリント回路基板とアクチュエータ段差部との間に生成され、それによってプリント回路基板のメタライゼーションとアクチュエータ接続コーティングとの間の安全なガルバニック接続が確保される。
【0009】
樹脂補強材は、好ましくはエポキシ樹脂とすることができる。
樹脂補強材は、ビスマレイミドを備えてなることもできる。
本明細書において「ビスマレイミド」は、好ましくはCAS番号13676−54−5の物質であると理解される。
【0010】
これにより、樹脂補強材は、エポキシ樹脂とビスマレイミドの混合物とすることができる。好ましくはエポキシ樹脂に粉末状のビスマレイミドを添加して樹脂補強材を製造することができる。
【0011】
ビスマレイミドは、例えばエポキシドのような他の樹脂材と比較して、本質的により良好な温度安定性または大きな温度範囲にわたって機械的特性および/または化学的特性の不変性を有するという利点を有する。したがって、補強材の支持機能または固定機能は、大きな温度範囲または比較的高い温度にわたって維持または保証される。
【0012】
補強材中のビスマレイミドの割合によって、また、ビスマレイミド樹脂の使用によって、本質的に重付加反応によって樹脂中の架橋が達成され、この硬化は、補強材をそれぞれの凹部内に添加した後に、補強材の適切な温度に達するまで上昇させることにより活性化することによって行われる。すると、ビスマレイミドを含まない樹脂補強材と比べて、硬化中に望ましくない副生成物の発生なしに架橋が起こる。
【0013】
樹脂補強材がビスマレイミドを含む本発明のアクチュエータ装置の実施形態では、補強材は、ビスマレイミドを含まない従来の樹脂補強材と比べて、硬化時の収縮が小さく、熱膨張係数が小さいので、補強材の領域において、プリント回路基板と本体及びアクチュエータとの接続部の破壊伝播及び破断に対する抵抗が増大する。これによって回路基板を非常に薄く、好ましくは可撓性を有するように設計することができる。
【0014】
さらに、ビスマレイミドを有する補強材の使用により、有利な耐湿性が達成される。
さらなる利点として、ビスマレイミドを有する補強材は、温度変化に伴う弾性率がかなり小さいので、本発明によるアクチュエータ装置は、動作中の大きな温度変動の場合にも確実に所定の挙動に適合する。
【0015】
本発明では、例えば、高い硬化温度と長い硬化時間、未変性ビスマレイミド樹脂の高脆性といったビスマレイミド樹脂の短所が考慮される。
対応する量の樹脂補強材を使用し、プリント回路基板を延長部サブレイヤー上に配置することにより、樹脂補強材が、それぞれの延長部サブレイヤーとプリント回路基板との間に追加的に流れて、プリント回路基板と延長部サブレイヤーとの間に位置する補強材の部分が、延長部サブレイヤーを画定するそれぞれの凹部の接続領域セグメント内に位置する補強材の一部分と繋がる。
【0016】
プリント回路基板をアクチュエータ接続コーティング上に配置した後、樹脂補強材が活性化され、それにより分子の架橋が好ましくは重付加によって達成される。
活性化中および硬化中の温度−時間プロファイルを適切に選択することによって、それぞれの凹部内で、ビスマレイミド樹脂が凹部を形成する表面と接触して補強材の支持機能を確立することが高い信頼性で達成され、同時に、プリント回路基板のメタライゼーションとアクチュエータ接続コーティングとの間の安全なガルバニック接続が提供される。
【0017】
アクチュエータ装置の一実施形態によれば、樹脂補強材は、補強材の5重量%〜90重量%の量のビスマレイミドを含有する。
アクチュエータ装置の一実施形態によれば、樹脂補強材は補強材の20重量%の最小部分を有するビスマレイミドを含有する。なお、ビスマレイミドは、1,1’−(メチレンジ−p−フェニルレン)ビスマレイミドからなるか、または1,1’−(メチレンジ−p−フェニルレン)ビスマレイミドから形成されることができる。
【0018】
アクチュエータ装置の一実施形態によれば、樹脂補強材は、補強材の0.1重量%〜30重量%の間の量のアクリレートを含有する。これにより、室温での樹脂補強材の粘度が低下し、室温での樹脂補強材の加工性が向上する。
【0019】
なお、アクリレートは、トリエチレングリコールジメタクリレートからなるかまたはトリエチレングリコールジメタクリレートから製造することができる。好ましくは、このアクリレートは、CAS番号が109−16−0の物質であり得る。
【0020】
補強材にアクリレートを塗布することにより、補強材の接着性、ひいてはプリント回路基板のアクチュエータへの固定性が向上する。
アクチュエータ装置の一実施形態によれば、樹脂補強材は、0.1重量%〜20重量%の間の量のアクリレートと、1重量%〜80重量%の間の量のビスマレイミドとを含有する。
【0021】
アクチュエータ装置の一実施形態によれば、樹脂補強材は、0.1重量パーセント〜40重量パーセントの間の量のフェノール樹脂を含む。
アクチュエータ装置の一実施形態によれば、樹脂補強材は、少なくとも0.1重量%〜40重量%の量のフェノール樹脂と、0.1重量%〜30重量%のアクリレートと、0.1重量パーセント〜30重量パーセントの量のビスマレイミドとを含有する。
【0022】
フェノール樹脂は、4,4’−(メチルエチリデン)ビス(2−(2−プロペニル)フェノール)からなるか、または4,4’−(メチルエチリデン)ビス(2−(2−プロペニル)フェノール)から製造される。好ましくは、このフェノール樹脂はCAS番号1745−89−7の物質であり得る。
【0023】
アクチュエータ装置の一実施形態によれば、エポキシ樹脂に粉末状のビスマレイミドを添加することにより、ビスマレイミドを有する樹脂補強材が製造される。
アクチュエータ装置の一実施形態によれば、樹脂補強材は、延長部サブレイヤーにおけるプリント回路基板の固定のために、延長部サブレイヤーとプリント回路基板との間に設けられるかまたは追加的に設けられ、それぞれの凹部の接続領域セグメントにある樹脂補強材の部分と接合される。
【0024】
アクチュエータ装置のさらなる実施形態によれば、導電性の前側コーティングが、前側に面する、アクチュエータ接続コーティングと電気的に接触するアクチュエータの表面に設けられ、前側コーティングがアクチュエータの作動電極に電気的に接続される。
【0025】
アクチュエータ装置のさらなる実施形態によれば、アクチュエータ装置の後側に、アクチュエータの作動電極と電気的に接触する導電性の後側コーティングが設けられる。
本発明によるアクチュエータ装置の更なる実施形態によれば、各アクチュエータは、少なくとも2つの内側作動電極を備え、内側作動電極は、前側から後側に向かって正の深さ方向に延在する少なくとも2つの内側作動電極を備え、前記アクチュエータは、前記後側から前記前側の表面に向かってある距離で反深さ方向に延在する少なくとも2つの共通の内部電極を備え、前記作動電極は前記前側コーティングに電気的に接続され、前記共通の内部電極は後側コーティングに電気的に接続されている。
【0026】
本発明のさらなる態様によれば、本発明によるアクチュエータ装置の実施形態の製造方法が提供され、この方法は、まだ活性化されていない状態にある樹脂補強材を、少なくとも一つの接続領域セグメント(S0b、S1b、S2b、S3b)内に配置するステップ;プリント回路基板(S0b、S1b、S2b、S3b)をアクチュエータ接続コーティング(31d、32d、33d)上に載置するステップであって、一定量の樹脂補強材が接続領域セグメント(S0b、S1b、S2b、S3b)内に配置されて、当該樹脂補強材が接続領域セグメント(S0b、S1b、S2b、S3b)内を区画する表面に接触するようになっている、前記載置するステップ;前記樹脂補強材を架橋させるために加熱することによって、前記樹脂補強材を活性化するステップ;を含む。
【0027】
一般に、「ある方向を向く表面」、例えば「X方向を向く表面」という表現は、当該表面の表面法線方向がその方向を、例えば、X方向を、あるいは鋭角を持って、最大で45度の角度を持って向くことと理解される。
【0028】
本明細書における「コーティング」は、これまでのところ他の決定はなされていないが、概して、導電層を有するコーティングと理解される。
本発明の以下の実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面において、類似または同等の機能を有する構成要素および部分には、部分的に同じ参照番号を付した。
本発明によるアクチュエータ装置AVは、圧電材料または電歪材料で形成される、複数のすなわち少なくとも2つのアクチュエータを備え、互いに間隔を置いて設けられる複数の作動電極を含む。本発明によるアクチュエータ装置AVは、100から500の間の量の複数のアクチュエータを備えることもできる。
図1〜
図10に示したいくつかの実施形態では、アクチュエータ装置AVは2つのアクチュエータ11、12を備える。
図11〜20に示したいくつかの実施形態では、圧電材料または電歪材料から形成される3つ以上のアクチュエータと、互いから離れた作動電極とを含むアクチュエータ装置AVが示されており、3つのアクチュエータ11、12、13を示すとともに説明する。
図1〜10の実施形態群のアクチュエータ装置AVのアクチュエータは、
図11〜20に示す実施形態群のアクチュエータ装置AVのアクチュエータと概ね同じ機能を有するので、両実施形態群に対し同じ参照番号を使用する。それにより、以下では、
図11〜20に示された3つのアクチュエータ11、12、13に対する参照番号および同じ要素の参照番号を用いる場合には、両実施形態群のアクチュエータ装置AVのことを意味する。
【0031】
本発明によるアクチュエータ装置AVのアクチュエータ11、12、13の圧電材料または電歪材料は、作動電極に電気的に接続されるアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dを介して作動電極によって起動される。作動電極は、一般に、アクチュエータ11、12、13の中の構造体に設けられるかまたはアクチュエータ11、12、13の表面に設けられており、複数の作動電極はそれらの部分が互いに対して最小距離にあり、それら離間した作動電極の間に圧電材料または電歪材料が設けられ、これらの区間の間に電圧が印加された場合に、圧電材料又は電歪材料の圧電又は電歪効果が生じるように設けられる。
【0032】
なお、アクチュエータ11、12、13の作動電極は、図面に概略的に示されて参照番号100が割り当てられた、好ましくは可撓性のプリント配線回路に接続されており、図示されていない電気励起装置によってアクチュエータ11、12、13は個々に電気的に作動可能である。作動電極は、アクチュエータ11、12、13の表面にまたは内部に様々な様式で設計することができ、以下に説明するように、内側作動電極、外側作動電極、またはその両方から形成することができる。
【0033】
本発明によるアクチュエータ装置AVを説明するために、図面中に直交座標系が挿入されており、X方向は本発明によるアクチュエータ装置AVの長手方向Lとは逆に延びる。アクチュエータ11、12、13は、本発明に係るアクチュエータ装置の長手方向Lから見て互いに隣り合って設けられる。Y方向は、本発明に係るアクチュエータ装置の厚み方向または高さ方向を意味し、Z方向は、本発明に係るアクチュエータ装置AVの奥行き方向または幅方向を意味する。
【0034】
各実施形態のアクチュエータ装置AVは、概して、簡略化して本体10と呼ぶこともあるアクチュエータ装置本体10を備え、この本体10はベース体10aおよびビルドアップ体10bを形成する。ビルドアップ体10bは、アクチュエータ11、12、13を備え、電気励起装置に電気的に接続されるアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dと、電気励起装置の少なくとも2つの作動電極のうちの少なくとも1つとを有する。アクチュエータ11、12、13は、それぞれ、アクチュエータ段差部11n、12n、13nを備えることができ、この例では、アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dが対応するアクチュエータ段差部11n、12n、13n上にある。さらに、アクチュエータ装置AVは、アクチュエータ装置AVの後側2に設けられる後側層4を含むことができ、後側層4は外側作動電極としての、アクチュエータ装置AVの後側2に設けられる後側外側層を含んでなり、アクチュエータ11、12、13は、後側層4(例えば、
図1)を形成する後側一部層11w、12wを含む。
【0035】
一例として、後側層4または後側一部層11w、12wは、プリント回路基板100を介して電気励起装置に接続するかまたはリターン本体を介して、したがって任意にプリント回路基板100を介して電気励起装置に接続することができる。このようにして、電気励起装置による制御によって、後側層4または後側一部層11w、12wをて互いに反対の極性にすることができる。
【0036】
アクチュエータ装置AVは、前側1と、アクチュエータ装置AVの長手方向Xを基準にして前側1とは反対側に位置する後側2と、反Y方向を向く下側SLと、正のY方向を向く上側SUとを備える。前側1は、長手方向またはX方向から見て、アクチュエータ11、12、13の位置に対して後側2とは反対側に広がっており、前側1はアクチュエータ11、12、13に対して後側2の向こうに設けられている。本体10の後側2は、均一の、好ましくは平坦面を形成し得る表面2aで形成されている。この文脈において「均一」の下では、当該表面がX方向に沿って延在することが理解される。なお、好ましくは、表面2aは、その広がりにわたって均一な曲率を有することができ、従って、屈曲点(turning point)を有さないことが可能である。さらに、アクチュエータ装置AVは、例えば11q、12pである前側を含み、それらはX方向から見て互いに対向する。
【0037】
本発明によるアクチュエータ装置の図示そた実施形態では、アクチュエータ11、12、13は、Z方向で見て互いに隣接して設けられ、X方向またはX方向に逆らって見たときに、互いに前後に設けられる。
これにより、例えばアクチュエータ間、例えば、アクチュエータ11、12間、アクチュエータ12、13間にそれぞれ凹部S1、S2が形成され、凹部S1、S2はX方向にそれぞれ幅DS1、DS2を有し、それぞれY方向を向く面41、42を含む。
【0038】
2つのアクチュエータ11、12を有する
図1〜
図10の実施形態のアクチュエータ装置AVの場合には、アクチュエータ11、12間にX方向の幅DS1を有する凹部S1が形成され、ベース体10aの表面10uの一部として、Y方向を向く表面41を含む。
【0039】
図11〜20の実施形態によるアクチュエータ装置AVの場合、2つのアクチュエータ間、すなわちアクチュエータ11、12間、またはアクチュエータ12、13間にそれぞれ1つの凹部S1、S2が形成され、それら凹部S1、S2はX方向の幅DS1およびDS2をそれぞれ有し、Y方向を向く面41および42をそれぞれ含む。それぞれの凹部S1、S2は、Z方向に区切られており、それぞれ隣接するアクチュエータ11と12または12と13の面41、42と対向側面11q、12pと、対向側面12q、13qとによって区画される。
【0040】
3つより多いアクチュエータを有するアクチュエータ装置AVの場合、隣接するアクチュエータ11、12間または12、13間に設けられるX方向の幅DS1、DS2は、好ましくは等しい大きさであり得る。あるいは、大きさの異なる幅DS1、DS2を設けることもできる。
【0041】
ベース体10aは、隣り合うアクチュエータ11、12のまたは12.13の側面11q、12p、12q、13qに繋がる凹部S1、S2のそれぞれの面10u、41、42に向かって正のY方向に延在している。ベース体10aは、基板本体K1から形成され、可能であれば、基板本体K1に設けられる外層、例えば後側層4を含む。基板本体K1はY方向において高さhbまで達する。この位置において、アクチュエータ体10a、11a、12aは、基板本体K1からY方向に延在している。
【0042】
本発明の
図1〜10の実施形態のアクチュエータ装置の場合、ベース体10aは、正のY方向から見て、凹部S1の表面10uまで、または、アクチュエータ体11a、12a、13a間においてY方向を向く面まで延在する。本発明の
図11〜20の実施形態のアクチュエータ装置の場合、ベース体10aは、正のY方向から見て、凹部S0、S1、S2の面40、41、42まで延在する。
図11〜20には、一例として、ベース体10aの高さhbが挿入されている。
【0043】
アクチュエータ装置の実施形態では、基板本体K1がベース材料から一体的に形成できるように、好ましくは、基板本体K1がブロックとして形成されることが可能である。これにより、本体10の外面によって形成される外側輪郭が矩形のブロック形状を有するようにすることもできる。本体10の仮想上側は、
図1〜10の実施形態の場合には、表面40によって、
図12〜14の実施形態の場合には、表面40、41によって、また、それらアクチュエータ内で実質的に伸びるとともにそれらアクチュエータを接続する接続面によって形成される。仮想接続面は、好ましくは、当該接続面全体にわたって表面10uの面40、41、42間の曲率を可能な限り小さくするように画定することができる。アクチュエータ体11a、12a、13aは、好ましくは基板本体K1に接続され、好ましくは、ワンピース品として製造される。アクチュエータ体11a、12a、13aが基板本体K1に対して別個の部品として製造される場合、アクチュエータ体11a、12a、13aは、各アクチュエータ11、12、13の全体も各アクチュエータ11、12、13の一部分も本体10に対して自由に移動できないように、アクチュエータ11、12、13を平坦な基板本体K1上にし永続的に接合する接続領域を有し得る。
【0044】
一般に、アクチュエータ11、12の後側面11r、12rには、後側一部層11w、12wまたは接続層を設けることができ、これらの層には、電気励起装置によって、アクチュエータ11、12、13に圧電効果または電歪効果を発生させるために、アクチュエータ11、12、13の1つの外側または内側作動電極またはいくつかの外側または内側作動電極に、互いに逆の極性が印加される。なお、接続層11w、12wは、一つの連続した後側層4を形成してもよい。
【0045】
アクチュエータ11、12、13は、それぞれアクチュエータ体11a、12a、13aに設けられる作動電極を含み、互いに少なくとも部分的に離間している。アクチュエータ11、12、13のこれらの作動電極は、少なくとも以下の組み合わせの一方または両方によって実現することができる:
(a)それぞれのアクチュエータ内で、本例では、Y方向に距離をおいて互いに対してある距離をおいて延在する少なくとも2つの内側作動電極(
図9、10、11、13);
(b)参照番号31c、32c、33cを付した少なくとも2つの外側作動電極(
図1、3、6)であって、互いに反対に位置し、Z方向及び逆Z方向を向き、
図1、2、5の例ではX方向及び逆X方向を指向し、または、Z方向及び逆Z方向を指向する、反対向きの、アクチュエータの外側に位置する少なくとも2つの外側作動電極(
図1、3、6)。
【0046】
各アクチュエータ11、12、13は、ベース体10aから突出する、参照符号Mが付されたアクチュエータ作動部11m、12m、13mと、それらを連結する、参照符号Nが付されたアクチュエータ接続部と、アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dと、実施形態によっては、オプションとしてアクチュエータ段差部11n、12n、13nとを含む。上記(a)の場合、アクチュエータ11、12、13のアクチュエータ作動部11m、12m、13mは、アクチュエータ装置AVのベース体10aから突出した部分が内側作動電極の一部として形成されている。(b)の場合、各アクチュエータ11、12、13は、アクチュエータ作動部11m、12m、13mと、前面11c、12c、13cに位置する外部電極としての1つの導電性アクチュエータ外部電極層31c、32c、33cとを備え、それには導電性アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dが連接しており、導電性アクチュエータ外部電極層31c、32c、33cはZ方向とは逆を向いている。さらに、(a)と(b)の組み合わせを本発明によるアクチュエータ装置AVで実現してもよい。
【0047】
図面において、アクチュエータ11、12、13のアクチュエータ作動部11m、12m、13mは、符号Mで示されているが、アクチュエータ接続部11n、12n、13nは、実施形態によっては、導電性アクチュエータ接続部31d、32d、33dと、任意選択で、参照番号「N」が付されたアクチュエータ段差部11n、12n、13nとを備える。
【0048】
アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dは、Z方向に沿って広がる側面部31p、31q、32p、32q、33p、33qを備え、アクチュエータ11、12、13において、2つの側面部31pと32q、32pと33qは互いに対向している。
【0049】
アクチュエータ段差部11n、12n、13nが存在する場合にも、同様に、Z方向に沿って延在する側面部11p、11qまたは12p、12qまたは13p、13qを備え、直近のアクチュエータ11、12、13の2つの側面部31pと32qまたは32pと33qは互いに対向している。
【0050】
本体10の及びビルドアップ体10bのアクチュエータ作動部11m、12m、13mは、ベース体10aからY方向に高さhmで延在しており、アクチュエータ装置AVのアクチュエータ作動部11m、12m、13mは好ましくは等しい寸法を有することができる。例えば
図1では、アクチュエータ駆動部11mの高さh11aも挿入されている。さらに、本発明のアクチュエータ装置のアクチュエータ作動部11m、12m、13mのX方向の幅b1、b2、b3およびZ方向の長さすなわち深さt0は等しい大きさにすることができる。
【0051】
深さ方向すなわちZ方向に延在するアクチュエータ作動部11m、12m、13mは、圧電材料または電歪材料で形成されており、アクチュエータ接続部31d、32d、33dは厚さ方向すなわちY方向に延在しており、アクチュエータ11、12、13のうちの各2つの間に凹部S0、S1、S2、S3が形成される。ここで、凹部S0、S1、S2、S3は、以下のように定義される。
【0052】
アクチュエータ作動部11m、12m、13mの間でアクチュエータの長さにわたってZ方向に延在する凹部S0、S1、S2、S3の領域を、以下では、作動領域セグメントS0a、S1a、S2a、S3aと呼ぶことがある。
【0053】
アクチュエータ11、12、13の間に位置する凹部S0、S1、S2、S3の領域であって、隣接する2つのアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33bの間でアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33bの長さにわたってZ方向に延在する領域を、以下では、接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bと呼ぶことがある。
【0054】
アクチュエータ11、12、13が外側作動電極を含む場合、前側1で深さ方向またはZ方向とは反対を向くアクチュエータ作動部11m、12m、13mの表面11c、12c、13cは、アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33bと繋がるアクチュエータ外部電極層31c、32c、33cによって被覆されているか、アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33bに電気的に接続されている。この例では、1つのアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33bを有するアクチュエータ外部電極層31c、32c、33cが、アクチュエータ作動層31a、32a、33aを形成する。
【0055】
アクチュエータ11、12、13を電気励起装置の接続極と接続するための導電性アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dは、少なくとも部分的に、
(i)厚さ方向またはY方向を向く、ベース体10aの表面10u(
図1、3、10)に設けられるか、または
(ii)前側1に設けられ、奥行き方向(Z方向)においてアクチュエータ作動部11m、12m、13mと繋がり、ベース体10aからY方向に突出する(
図6、
図9、
図11、
図12、
図13)、アクチュエータ11、12、13のアクチュエータ段差部11n、12n、13nに設けられる。
【0056】
したがって、接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bは、Z方向すなわちXY断面で見て、
アクチュエータ11および12の一部またはアクチュエータ12および13の一部である、互いに対向するアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dの対向側面部31q、32p、32q、33pと、
互いに近隣で隣り合っている、実施形態によって任意に設けられる、アクチュエータ段差部11n、12n、13nの一部である、側面部11qと12pまたは12qと13pと、
厚さ方向Yを向くベース体10aの表面部10uと、
ベース体10aの表面部10uに対向して凹部S0、S1、S2、S3に対向するプリント回路基板100の表面100aと
によって区画形成される。
【0057】
したがって、各隣接するアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dの間に、凹部S0、S1、S2、S3の接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bが設けられる。アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dは、アクチュエータ外部電極層31c、32c、33cとして設計される少なくとも1つの外部電極またはアクチュエータ11、12、13の内部に設けられ、アクチュエータ11、12、13を電気的に励起するアクチュエータ11、12、13の少なくとも1つの内部電極に電気的に接続されている。
【0058】
アクチュエータ装置AVは、さらに、アクチュエータ外部電極層31c、32c、33cの少なくとも一部にわたってアクチュエータ装置AVの長手方向Xに沿って、またはそれに沿って延在するプリント回路基板100を備え、プリント回路基板100の導電経路は電気的アクチュエータ外部電極層31c、32c、33cと接触する。
【0059】
本発明によれば、凹部S0、S1、S2、S3の少なくとも1つの接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bは、硬化樹脂補強材で充填されており、樹脂補強材は、互いに隣接するアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dの側面部11p、11qまたは12p、12qまたは13p、13qと、接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bと、厚さ方向Yを向くベース体10aの表面部10uと、プリント回路基板100の接続面100aすなわちベース体10aの表面部10uに対向する接続面100aとに接触する。これは、プリント回路基板100の各凹部S0、S1、S2、S3の表面の部分114bを意味する。こうして、プリント回路基板100は、樹脂補強材により各凹部の接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bにおいて樹脂補強材によって支持され、プリント基板100は樹脂補強材によってアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dにさらに固定される。
【0060】
樹脂強化材を、プリント回路基板と、当該プリント回路基板とによって覆われるアクチュエータ外部電極層31c、32c、33cの対応する部分との間にも設けることが有利である。したがって、これらの領域もプリント回路基板とアクチュエータ接続コーティングとの固定に寄与する。この例では、プリント回路基板と、それによって覆われた各アクチュエータ外部電極層の対応する部分との間の樹脂補強材の層は非常に薄く、これにより、プリント回路基板とアクチュエータ外部電極層とのガルバニック接続がしたがって電気伝導的接触が確保される。
【0061】
一般には、アクチュエータ11、12の後側の側面11r、12rには後側サブレイヤー11w、12wが設けられ、アクチュエータ11、12、13の圧電又は電歪効果を発生するために、アクチュエータ11、12、13の外側又は内側の作動電極に印加される極性とは反対の極性が電気励起装置によって生成される。
【0062】
本発明によるプリント回路基板100は、アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dと接続される電気接続装置の電気極との間の電気的接続が得られる限り、様々な方法で設計することができる。プリント回路基板100は、逆Y方向を向く面100aすなわちアクチュエータ接続コーティング31d、32dに対面する面100aと、当該第1面100aとは逆向きの第2面100bとを有する。プリント回路基板100はベースプレート111を含む。一実施形態によれば、プリント回路基板100は少なくとも1つの導電経路が表面31s、32sの領域において第2の表面100bに接触すべく露出するように設計される。第2の面100bの領域100cは、接続領域セグメントS1bを画定する領域である。
【0063】
プリント回路基板100のさらなる実施形態によれば、プリント回路基板のベースプレート111は、少なくとも部分的にベースプレート111の第1の表面111a上に設けられる接触外層112を有する。このベースプレート111は、図示の実施形態では第2の表面100bを形成する第1の表面111aとは反対方向を向く第2の表面111bを含む。ベースプレート111の第1の面111aには、外面112aを有する導電性の接触外層112が設けられる。
【0064】
図4の実施形態では、プリント回路基板100は、ベースプレート111の第1の表面111a上に設けられる接触中間層113を備え、導電性接触外層112を含むことができる。接続領域セグメントS1bを画定する領域100cは、この実施形態では、接触外層112の外面112aによって形成されている。
【0065】
本発明によるアクチュエータ装置AVの実施形態は、プリント回路基板100の実施形態を含むことができる。
しかし、
図1の実施形態では、好ましくは、露出した少なくとも1つの導電経路がそれぞれアクチュエータ接続コーティング31a、32aに接触するように、第2の表面100bに露出される2つの導電経路v1、v2が設けられている。プリント回路基板100は、それらの導電経路が、例えばプリント回路基板100の接続部でそれらの導電経路が露出されていることによって、アクチュエータ11、12、13を作動させて圧電または電歪効果を発揮させることができる励起信号を生成する電気励起装置に接続可能となるように、さらに設計されている。
【0066】
プリント回路基板100は、アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dの1つではなく後側層4または後側一部層11w、12wと電気的に接続される少なくとも1つの別の導電経路X1を含むことができる、それにより、電気励起装置は、アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dと後側層4または後側一部層11w、12wとを介して、アクチュエータ体11a、12a、13aに設けられ互いに離間している作動電極を、極性を異ならせることによって制御する。
【0067】
図1によるアクチュエータ装置AVは、2つのアクチュエータ体11a、12a、12a、14aを有するビルドアップ体10bを含む。アクチュエータ11、12を形成するために、アクチュエータ体11a、12aの前側1には、アクチュエータ接続コーティング31d、32dが設けられる。
図1によるアクチュエータ装置AVは、アクチュエータ段差部11n、12n、13nを備えていない。
【0068】
アクチュエータ11、12の後側面11r、12rには、それぞれ、後側サブレイヤー11w、12wまたは接続層が設けられ、それらには、アクチュエータ11、12に圧電または電歪効果を生じさせるために、アクチュエータ11、12のアクチュエータ接続コーティング31d、32dに印加される極性とは反対の極性が印加される。したがって、アクチュエータ接続コーティング31d、32dは、外部作動電極を、すなわち接続層11w、12wおよびアクチュエータ接続コーティング31d、32dを備える。
【0069】
図4に詳細に示すように、プリント回路基板100は、Y方向に沿って配向されるアクチュエータ接続コーティング31c、32cの表面31s、32s上に設けられ、当該表面31sおよび32sは、接続面100aとガルバニックまたは電気的に接触する。
【0070】
凹部S1の接続領域セグメントS1bは広い。このことは、少なくとも硬化樹脂補強材Mで充填される部分すなわち硬化樹脂補強材からなる接続層Vが少なくとも部分的に、接続領域セグメントS1bを区画する反対側のまたは対面する両側面と、厚さ方向Yを向くベース体10aの表面部10uと、ベース体10aの表面部10uに面するプリント回路基板100の領域100cとに接触し、プリント回路基板100が各凹部の接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bの領域において樹脂補強材によって支持され、プリント回路基板100が樹脂補強材によってアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dに固定されることを意味する。
【0071】
図5には、
図3および
図4のアクチュエータ装置の変形例が示されている。接続層Vは接続領域セグメントS1bに設けられ、さらに、プリント回路基板100とアクチュエータ接続コーティング31d、32dとを層V1、V2によって接合するために、アクチュエータ接続コーティング31d、31cとプリント回路基板100との間の接続サブレイヤーV1、V2として設けられる。
【0072】
図6には、本発明によるアクチュエータ装置のさらなる実施形態が示されており、
図1による本発明のアクチュエータ装置の実施形態とは異なり、アクチュエータ11、12がアクチュエータ段差部11n、12nを備える。アクチュエータ11、12は、Z方向に沿って延在する側面部11p、11q、12p、12qを備えており、最も近接するアクチュエータ11、12のそれぞれの2つの側面部11pと12q、12pと13qは、互いに向かい合う。
【0073】
したがって、アクチュエータ接続コーティング31d、32dは、外部作動電極、すなわち接続層11w、12wおよびアクチュエータ接続コーティング31d、32dを備える。
【0074】
図9には、本発明によるアクチュエータ装置のさらなる実施形態が示されており、このアクチュエータ装置AVのアクチュエータ11、12の各々には、アクチュエータ体11a、12a内で互いに離れた内側作動電極E1、E2が2つのみ設けられる点で、
図1および
図6による本発明のアクチュエータ装置の実施形態とは異なる。
図9のアクチュエータ装置AVでは、電気励起装置は、供給線ZE2によって内側作動電極E2に接続され、アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dによって内側作動電極E1に接続される。
【0075】
図9によるアクチュエータ装置AVの実施形態では、アクチュエータ11、12はアクチュエータ段差部11n、12nを備える。
図10には、本発明によるアクチュエータ装置のさらなる実施形態が示されており、このアクチュエータ装置AVはアクチュエータ段差部11n、12nを備えていない点で、
図9による本発明のアクチュエータ装置の実施形態とは異なる。
【0076】
図5および
図8に示すように、樹脂補強材は、プリント回路基板100を延長部サブレイヤー層31d、32dに固定するために、延長部サブレイヤー層31d、32dとプリント回路基板100との間に追加的に設けられるかまたはそれらの間に広がり、当該補強材の一部または接続サブレイヤーVT1およびVT2部分は、凹部S1の接続領域セグメントS1b内にある補強材の本体部分VHに接続されている。
【0077】
プリント回路基板100をアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33d上に配置する間にまたはその後に、一定量のまたは予め決定められた量の樹脂補強材とともに、または、当該樹脂補強材を延長部サブレイヤー上に設けることによって、追加のサブレイヤーとプリント回路基板との間に樹脂補強材の流入が生じて接続サブレイヤーVT1およびVT2を形成し、プリント回路基板を延長部サブレイヤーに固定する。この例では、これらの部分の間に位置する補強材部分は、延長部サブレイヤーを画定する凹部の接続領域セグメント内に位置する補強材と合体する。この例では、樹脂補強材が接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bを画定する表面に接触するように、ある量の樹脂補強材が接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bに設けられる。
【0078】
図1〜8によるアクチュエータ装置AVと同様に、この実施形態では、前側1に向いているアクチュエータ11、12、13の面11c、12c、13cに、導電性の前側アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dと電気的に接触するアクチュエータ11、12、13の外部電極または外部電極としての前側コーティング31c、32c、33cが設けられる。前側コーティング31c、32c、33cは、それぞれアクチュエータ外部電極層31cまたは32cまたは33cにそれぞれ電気的に接続されるアクチュエータ11、12および13の外部電極または外部電極として使用される。アクチュエータ11、12、13の各表側コーティング31c、32c、33cと、後側サブレイヤー11w、12wのうちの1つとは、電気励起装置の互いに反対の極性とそれぞれ接続することができる。
【0079】
図9および
図10によるアクチュエータ装置AVで示されるように、前側1を向く導電性前側コーティング31c、32c、33cがアクチュエータ11、12、13の表面11c、12c、13cに設けられ、当該前側コーティング31c、32c、33cは対応するアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dによって少なくとも1つの第1の内部電極すなわち前側1にある第1の内部電極E1と電気的に接触し、これらアクチュエータ11、12、13は少なくとも第2の内部電極すなわち内部電極E2を含む。この例では、アクチュエータ11、12は、少なくとも第1内部電極E1および少なくとも第2の内部電極E2を備え、少なくとも第1の内部電極E1は、前面11c、12cから後側2の表面2aに向かって距離a2で正の深さ方向すなわちZ方向に延在し、少なくとも第2の内部電極E3は、後側2から前側1の前面11c、12cに向かって距離a1で反深さ方向すなわちZ方向に延在し、第1の内部電極E1は、前側のコーティングに電気的に接続されており、第2の内部電極E2は、後側サブレイヤー11w、12wに電気的に接続されている。
【0080】
一般に、後側サブレイヤー11w、12wは一体化することができ、あるいは、後側2aで互いに分離された層であってもよい。第1の場合には、アクチュエータ装置AVの後側2には、アクチュエータの第2の内部電極と電気的に接触する、連続的にコヒーレントな導電性後側コーティングが設けられる。
【0081】
なお、一般に、アクチュエータ11、12のそれぞれが少なくとも2つの第1および第2の内側励起電極E1およびE2を備えることができる(
図11)。
後側一部層11w、12wは、外部接続装置、好ましくは外部配線によって電気接続装置と接続することができる。
図1に示すさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの導電経路w1、w2がプリント回路基板100に設けられる。少なくとも1つの導電経路w1、w2は、電気的接続装置に接続することができる。少なくとも1つの導電経路w1、w2は、ベース体10b内の接続線w3およびw4にそれぞれ接続することができる。なお、
図1に示すように、接続線w3およびw4は、アクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dを通って到達するとともにアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33dに対して絶縁(図示せず)されてもよい。接続線w3およびw4の端部には、導電経路w1およびw2がそれぞれ接続されている。これに代えてまたは加えて、後側一部層11w、12wは、ベース体10b内に延在する内部接続装置によって、好ましくは内部線w5およびw6によって、電気接続装置に接続されてもよい。後側一部層11w、12wは、接続装置w7、w8によって、および、線w5、w6に接続される接続線によって、電気接続装置と接続されてもよい。1つの後側層またはコヒーレントな後側一部層11w、12wが設けられているこれらの実施形態では、1本の線w5またはw6で十分であり得る。
【0082】
これらの特徴および組み合わせは、
図11〜20を参照して説明したアクチュエータ装置AVの実施形態の場合にも、本発明に従って提供することができる。
図11によるアクチュエータ装置AVは、3つ以上のアクチュエータを備えており、隣接するアクチュエータ11と12または12と13との間における、X方向の幅DS1、DS2は同じ大きさである。このアクチュエータ装置AVは、リターン本体21を備える。アクチュエータ11とリターン本体21との間には、X方向の幅DS0を持つ凹部S0が設けられており、凹部S0はY方向に延在する面40を備える。好ましくは、X方向に隣接する2つのアクチュエータの間に延在する幅DS1、DS2は、リターン本体21とそれに隣接するアクチュエータ11との間に延在する幅DS0と同じ大きさを有することができる。
【0083】
Y方向から見たときに、凹部S0、S1、S2の表面40、41、42へと延びる本体10の部分がベース体10aを形成する。この表面40、41、42はY方向を向き、互いに向かい合う側面AS1、AS2と繋がる。一例として、図面には、凹部S3におけるベース体10aの高さh43が挿入されているが、図示した実施形態の場合、この高さ[h43]は同じ大きさであるが、互いに異なる大きさでもよい。
【0084】
本発明によるアクチュエータ装置のアクチュエータ11、12、13は、電気作動装置が作動して電圧を印加することによって、厚さ方向Yに伸縮することができる。このようにして、例えば、応用部品において調整すべきまたは調整可能な形状を有する部分にまたは部分的な領域に対して、同様のことを行うことができる。
【0085】
本発明によるアクチュエータ装置AVは、例えばピエゾモーターとして具体化することができる。さらに、本発明によるアクチュエータ装置AVは、超音波トランスデューサとして、好ましくは超音波アレイまたは線形アレイとして設計することができる。さらに、本発明の一用途における応用部品は、プリンタの印刷手段ディスペンサ装置の容器装置、好ましくは制御可能な形状を有する複数の部分容器を有するインクジェットプリンタの容器装置とすることができる。本発明によるアクチュエータが部分的な容器の形状を変化させることで、部分的な容器の弁を介して印刷手段を移動させることができる。ここで、印刷手段はインクジェットプリンタの場合のようにインクとすることができる。別の応用部品は、モータのインジェクション装置とすることができ、部分的な容器は、部分的な容器に接触する本発明により提供されるアクチュエータの作動によって推進剤を噴出する推進剤保持容器とすることができる。
【0086】
上記の応用例は、電圧の印加に基づくアクチュエータのまたは動作主体の変形を引き起こす、いわゆる逆圧電効果を使用したものである。しかしながら、圧電効果は、例えばセンサの形態で、本発明によるアクチュエータ装置によって使用されることも可能である。複数の動作主体を利用する場合、例えば、位置を捕捉するためのセンサが考えられる。
【0087】
アクチュエータ装置AVは、更に、前側1と、アクチュエータ装置AVの長手方向Xを基準にして前側1とは反対側に設けられる後側2と、反Y方向を向く下側SLと、正のY方向を向く上側SUとを備える。前側1は、長手方向Xに見て、アクチュエータ11、12、13の位置に対して後側2とは反対側に設けられる。従って、前側1は、アクチュエータ11、12、13に対して後側2の向こうに設けられる。本体10の後側2は、コヒーレントで好ましくは平坦な面である面2aから形成されている。この文脈において、「コヒーレント」は、表面がX方向に沿って延在することを意味する。なお、好ましくは、表面2aがその広がりにわたって均一の曲率を有することができ、したがって屈曲点を有さないことができる。
【0088】
本体10は、ベース体10aと、ベース体10aから厚さ方向Yに延びてアクチュエータ11、12、13を構成するアクチュエータ体11a、12a、13aを有するビルドアップ体10bとを備えている。アクチュエータ体11a、12a、13aは、圧電または電歪材料、例えばPZTで形成されている。アクチュエータ体11a、12a、13aの少なくとも一部には、作動装置によって作動可能な作動電極が設けられる。作動電極を有するアクチュエータ体11a、12a、13aは、アクチュエータ11、12、13を形成する。各アクチュエータ体11a、12a、13aは、上側SUの一部である上面11e、12e、13eを備える。
【0089】
本発明によるアクチュエータ装置の複数のアクチュエータ体11a、12a、13aは、互いに同じX方向の幅bを有することができ、互いに同じZ方向の長さすなわち深さt0を有することができる。本発明によるアクチュエータ装置の図示した実施形態では、アクチュエータ11、12、13は、互いに隣り合ってX方向に互いの前後に設けられ、各2つのアクチュエータ間に、例えばアクチュエータ11、12、13間に、凹部S1、S2が形成され、凹部S1、S2は、Y方向を向く面41、42によって形成されるX方向の幅DS1およびDS2を有する。したがって、凹部S1およびS2は、互いに向かい合う隣接するアクチュエータ11および12のおよび12および13の、面41、42と、側面AS1、AS2とによって画定される。互いに隣接するアクチュエータ(例えば、アクチュエータ11、12)間におけるX方向の幅(例えば、DS1、DS2)は、好ましくは同じ大きさを有することができる。これに代わるものとして、当該幅は異なる大きさであってもよい。また、アクチュエータ11とリターン本体21との間には、X方向の幅DS0を有する凹部S0とY方向を向く面40とが設けられている好ましくは、X方向において互いに隣接する2つのアクチュエータ間の幅DS1、DS2が、リターン本体21と隣接する動作主体11との間の幅DS0と同じ大きさを有するようにすることができる。
【0090】
凹部S0、S1、S2の表面40、41、42に向かってY方向に延在する本体10の部分は、ベース体10aを形成する。一例として、
図1では、凹部S3の高さh43が挿入されている。したがって、ベース体10aは、この位置で高さh43を有する。
【0091】
好ましくは、本体10がベース材料から一体的に形成されるように、好ましくは、本体10はブロックとして形成されることが好ましい。これにより、本体10の外面によって形成される外側輪郭が矩形のブロック形状を有するようにすることもできる。本体10の仮想上側は、部分的に表面41、41、42及びそれらの間に位置する仮想接続面から形成される。仮想接続面は、好ましくは、接続面全体にわたって面40、41、42の間に最小曲率を有するように画定することができる。アクチュエータ11、12、13がそれぞれの接続領域において平らで固定された状態で接続され、アクチュエータ11、12、13の全体も各アクチュエータ11、12、13の一部分も本体10に対して自由に移動できないように、アクチュエータ11、12、13は、好ましくは、本体10と一体的に形成される。
【0092】
本体部10およびビルドアップ体10bのアクチュエータ体11a、12a、13aは、ベース体10aからY方向に所定の高さに延在し、当該高さは、本発明によるアクチュエータ装置のアクチュエータ体11a、12a、13aの場合は同じである。一例として、
図1では、アクチュエータ体13aの高さh13aが挿入されている。
【0093】
各アクチュエータ11、12、13は少なくとも2つの内部作動電極を備え、当該電極は複数のアクチュエータ内に設けられる。少なくとも第1の内側作動電極E1、E3は、前側1からアクチュエータ装置AVの後側2に向かって距離a2で延びており、少なくとも第2の内側作動電極E2、E4は、後側2から前側1を向いて距離a1で延びている。電気制御の場合、少なくとも1つの第1の内側作動電極E1、E3と少なくとも1つの第2の内側作動電極E2、E4とは、作動電極に接続される作動装置によって互いに反対の電気的極性とされており、Y方向において各アクチュエータの2つの電極間に位置する圧電材料または電歪材料の膨張または収縮が行われる。
【0094】
本発明の一実施形態によるアクチュエータ装置の、Y方向を向く表面は、
図1に示すように、アクチュエータ11、12、13の領域に導電層を設けずに設けることができる。この実施形態では、面11e、12e、13eおよびアクチュエータ11、12、13の側壁の両方が、X方向を向き、凹部S2、S3の面41、42はコーティングされていない。
【0095】
作動装置は、第1の電気的極性を提供しながら前側1で第1の電極E1、E3に接続可能である。この目的のために、制御対象の各アクチュエータ11、12、13は、導電材料好ましくは金属材料製の直接接続コーティングまたは第1の接続層またはアクチュエータ接続コーティング31a、32a、33aを含むことができ、当該コーティングは、第1の内側作動電極E1、E3と電気的に好ましくは直接的に接続される。これにより、アクチュエータ装置AVの第1極性または第1極が達成される。アクチュエータ接続コーティング31a、32a、33aは導電性材料好ましくは金属材料製の層31c、32c、33cで形成されることが好ましく、当該層は、アクチュエータ11、12、13の側面または前面11c、12c、13cに設けられる、前面11c、12c、13cは反Z方向を向く。層31c、32c、33cは、第1内側作動電極E1、E3と電気的に接続されており、好ましくは直接接続されている。
【0096】
アクチュエータ装置AVの図示された実施形態では、各アクチュエータ体11a、12a、13aは、段差部または舌状接続部またはZ方向に延びる舌状延長部11b、12b、13bを備え、その結果、各アクチュエータ体11a、12a、13aは、深さまたはZ方向の長さt30をもって、アクチュエータ体作動部分Bおよび接続部分11b、12b、13bとから形成される。Y方向に延在する接続部11b、12b、13bの表面には、導電材料好ましくは金属材料からなるアクチュエータ接続コーティング31a、32a、33aが被覆されている。したがって、この実施形態では、アクチュエータ接続部31a、32a、33aは、アクチュエータ体作動部Bの側面に設けられる、厚さd31c、d32c、d33cのサブレイヤーまたは作動部接続層31c、32c、33cによって形成されるとともに、舌状延長部31b、32b、33bに設けられる厚さd31b、d32b、d33bのアクチュエータ接続コーティングによって形成される。また、各アクチュエータ11、12、13の側面11c、12c、13cに位置し、反Z方向を向くサブレイヤー31c、32c、33cは、作動部接続層31c、32c、33cを形成することができ、好ましくは、作動部接続層31c、32c、33cと一体の第1接続コーティング31a、32a、33aを形成するための1つの部分として形成することができる。このようにして、作動装置の第1極をアクチュエータ接続コーティング31a、32a、33aに接続することができる。
【0097】
本発明によるアクチュエータ装置のさらなる実施形態では、アクチュエータ装置が、アクチュエータ接続部31a、32a、32aを有する舌状接続部または舌状延長部11b、12b、13bを含まないように設計して、サブレイヤーまたは作動部接続層31c、32c、33cが作動装置または第1極に対する電気的接続を形成するようにすることもできる。
【0098】
本発明によるアクチュエータ装置AVは、第2電気極を形成するためのリターンセグメント20を備える。リターンセグメント20は、リターン本体21とリターンセクション26とを備え、リターンセクション26は反X方向を向くリターンセクション表面26aとリターンセクション表面26aからY方向に延びる支持セクション25とを有する。Y方向から見ると、リターンセクション26は高さh26を有し、支持セクション25は高さh25を有し、その結果、
図1の実施形態ではリターン本体21は高さh21=h26+h25を有する。
【0099】
本発明によるアクチュエータ装置の一実施形態では、アクチュエータ体11a、12a、13aは長手方向すなわちX方向において前後に設けられ、リターン本体21は、X方向から見たときにアクチュエータ体11a、12aの列の後ろに設けられる。なお、好ましくは、リターン本体21の表面26rと本体10の後側2の表面2aとが、コヒーレントな好ましくは平坦な表面を形成するように設けられる。この文脈において、「コヒーレント」は、表面がX方向に沿って延びることを意味する。なお、好ましくは、表面がその広がりにわたって均一な曲率を有することができ、従って、屈曲点を有さないことが可能である。
【0100】
後側2のリターンセクション26の表面領域には符号26rが付されている。
図1aには、本発明によるアクチュエータ装置の一実施形態が示されており、この実施形態では、X方向に互いに反対向きの前側SF1、SF2にリターンセグメント20−1、20−2を含む。さらなる図では、リターンセグメントには全体として符号20が付されており、ここで説明される実施形態は、前側SF1、SF2のそれぞれに設けられる。本明細書に記載の実施形態の1つによれば、リターンセグメント20−1、20−2は、互いに同一のものとして設計することができる。
図1aの例では、複数のアクチュエータは単線で概略的に描かれており、それら全体に参照番号11iが割り当てられている。
【0101】
ここで使用される座標系のX座標は、好ましくは、リターンセクション表面26aと下側SLとを結ぶエッジ部分の中心に座標系の原点が位置するように定義することができる。この例では、X座標は、前側1から後側2に延びるアクチュエータ11、12、13の長手方向の延長部を横切り、下側SLを画定する正のX方向のエッジ部の中心を通る。このエッジ部は、好ましくは、Y方向に関してリターンセクション表面26aとは逆向きに、下側SLに接する面と下側SLとを繋ぐエッジ部とすることができる。
【0102】
座標系の定義のために、Z軸は、アクチュエータ装置AVの前側下側の両エッジ点Z1、Z2であって、リターンセクション表面26aに位置するエッジ点Z1、Z2を通る。ここで、エッジ点Z1は、下側SLとリターンセクション表面26aと前側1との交点であり、エッジ点2は、下側SLとリターンセクション面26aと後側2との交点である。上述したエッジ部またはエッジ点Z1、Z2については、理想化されたエッジ部または理想化された点を利用することができ、本発明によるアクチュエータ装置の設計または実現によって、エッジ部またはエッジ点は、円形の移行部分や丸みのある角部として設けられる。この例では、アクチュエータ装置AVにおける座標系の姿勢を定義するためのエッジ部分またはエッジ点は、その定義に用いられる面または辺の延長線の延長、言い換えると、適用可能であれば、リターンセクション表面26a、前側1、下側SL、リターンセクション表面26aまたは後側2の延長線の延長によって設定される。
【0103】
ここで、相応して丸められた表面領域では、一般に、稜線または点の定義のために、理想化された稜線および理想化された点が利用され、互いに近づく2つの隣接する表面の延長線の延長の交点によって生成される。なお、元の長さの1/10の長さの延長によって、関連する表面が関連する方向に広がると理解することができる。
【0104】
Y方向を向くリターン本体21の表面21aは、
図1の実施形態ではコーティングされておらず、リターン本体21の表面21aがリターンセグメント20の表面21aと同一になっている。
【0105】
一般に、本発明によるアクチュエータ装置の実施形態の場合には、これに代わるものとしてまたは加えて、反X方向を向くリターンセクション表面26aのコーティングのために、正のX方向を向くとともにアクチュエータ11に面するリターンセクション表面26bも、導電層でコーティングすることができる。
【0106】
リターンセクション26は、支持セクションとして設計することが好ましく、反Z方向から見て接続部11b、12b、13bの領域に設けられる追加のリターン部分またはリターン接続部分23を備えることができる。リターン接続部23は、面40から高さh23のY方向に延びている。本発明によるアクチュエータ装置の実施形態では、一般に、リターン接続部23は、正のY方向を向く表面23dに、導電性の好ましくは金属製のリターン接続コーティングまたは厚さd23aを有する外部接続層23aで被覆され、当該外側接続層23aは作動装置の接続のための第2の電気極を形成する。
【0107】
本体10の後側2は、導電材料好ましくは金属材料からなる後側層4で被覆されている。後側層4の厚さは、X方向及びZ方向において一定とすることができる。本発明に係るアクチュエータ装置の実施形態によれば、下側SLとの境界となるベース体10aの領域における後側層4の厚みd4bが、上側SLとの境界となるビルドアップ体10bの領域における後側層4の厚みd4aより大きくてよく、厚みd4bは厚みd4aの1.5倍だけ大きくてよい。
【0108】
後側層4は、アクチュエータ装置AVの第2の内側作動電極E2、E4と電気的に接続され、好ましくはそれに直接接続される。後側層4は、リターン外層5と電気的に接続され、好ましくはその一部として形成され、リターン外層5はリターン接続部23aと接続され、好ましくはその一部として形成される。
【0109】
図1の実施形態では、リターン外層5は、後側層4の一部である後側コーティング部22と電気的に接続される表面24aを有する前側コーティング部24から形成される。前側コーティング部24の厚さは、Y方向及びZ方向において一定であってもよい。また、本発明によるアクチュエータ装置の実施形態では、一般に、下側の領域における厚さd24bが、上側SUの領域における前側コーティング部24の厚さd24aよりも大きくてよく、厚みd24bは厚みd4aの1.5倍だけ大きくてよい。
【0110】
アクチュエータ11、12、13を制御するためにまたはいくつかのアクチュエータ11、12、13を別々に制御するために、電気作動装置はいくつかの第1の電気極を含むことができ、作動装置は、本実施形態では、作動装置がアクチュエータ11、12、13を個別にかつ異なる方法で作動させることができるように、それぞれ異なる制御コルゲートおよび制御電流を有する。さらなる実施形態によれば、アクチュエータ装置AVのすべてのアクチュエータ11、12、13またはいくつかのアクチュエータ11、12、13は、それらが同じ方法で作動するように、単一の第1の電気極で個別に作動され得る。
【0111】
作動装置の第2極は、アクチュエータ装置AVの前側1に接続することができ、
図1の実施形態の場合にはリターン接続コーティング23aに接続することができる。この目的のために、本発明によるアクチュエータ装置AVは、後側層4が電気的に好ましくはワンピース品を形成するように電気的に接続される、外側接続層またはリターン接続層5を含む。
【0112】
リターン本体21は、Y方向(
図19〜30)に設けられる支持セクション25を含まないように、ベース部10aの構成要素としてのリターンセクション26のみで構成することができ、リターン本体21の高さh21=h26の高さである。
【0113】
本体10またはアクチュエータ装置AVの製造方法によっては、リターン本体21と本体10のアクチュエータ部9とをワンピース品として形成することができ、全体でモノリシックブロックとして形成することができる。これに代わるものとして、本体10またはアクチュエータ装置AVの別の製造方法によれば、リターン本体21は、アクチュエータ部9に関して別個の部品として形成され、アクチュエータ部9に接合される。
図1及び
図2の例では、ボンディング層50が概略的に示されている。
【0114】
リターン本体21の実施形態によっては、ボンディング層50は、別の位置に設けることができ、好ましくは、
図1に示す位置に関してX方向にシフトすることができる。この例では、リターン本体21は、Y方向に延びる本体10の領域の一部を形成することもでき、X方向に見たときに、凹部40の領域にボンディング層50が位置するように凹部40が設けられる。また、ボンディング層50は、ある角度で、例えば、Y軸に対して鋭角でかつZ方向に沿って延在することができる。
【0115】
リターン本体21をリターンセクション26および支持セクション25から形成する際に、Y方向から見てリターン本体21の上側21aがアクチュエータ11、12、13のアクチュエータ体の面11e、12e、13eのものと同じ高さにしてよく、h0=h21、制御可能な形状を有する応用部品が、本発明によるアクチュエータ装置の上側SUに、したがってアクチュエータ11、12、13上にまたはアクチュエータ体11a、12a、13aおよび表面21a上に配置できるようになる。
【0116】
本発明によるアクチュエータ装置のこの実施形態では、支持セクション25を有するリターン本体21は、リターン接続層5上に電流を戻す機能に加えて、支持セクション25が応用部品の対応する部分を受承し保持するという事実によって、支持機能を追加的に有する。この例では、
図1に示すように、上側21aが導電性材料でコーティングされないようにすることができる。
図1による実施形態では、リターン接続層5は、後側2のコーティングセクション22と第1の前側SF1のコーティング部24とで形成され、それにより、リターン接続コーティング23aに接続されている。これらの層は、導電性材料から形成される。このようにして、本発明によるアクチュエータ装置を製造する簡単で有利な方法で特に有効な電流の流れが保証される。
【0117】
本発明によるアクチュエータ装置の実施形態では、一般に、反X方向を向く前側SF1にリターンセグメント20が形成され得る。本発明によるアクチュエータ装置の、正のX方向を向く前側(図示せず)には、本明細書に記載されたものと同じ実施形態によるリターンセグメント20を形成することもでき、リターンセグメント20は、対向する前側に設けられる部分20を備えることができる。これに代わるものとして、本発明によるアクチュエータ装置の、正のX方向を向く前側(図示せず)にアクチュエータを設けることができる。
【0118】
図16および20に示すように、樹脂補強材は、プリント回路基板100を延長部サブレイヤー31d、32d、33dに固定するために、アクチュエータ接続コーティングまたは延長部サブレイヤー31d、32d、33dとプリント回路基板100との間にさらに設けられるかまたは延在することができ、それらの間の補強材の部分すなわち接続サブレイヤーVT0およびVT1およびVT2は、X方向において隣にある、補強材の主本体VH1およびVH2およびVH3にそれぞれ接続されている。補強材はそれぞれの凹部S1の接続領域セグメントS1b内に位置する。
【0119】
プリント回路基板100をアクチュエータ接続コーティング31d、32d、33d上に配置する間にまたはその後に、一定量のまたは予め決定められた量の樹脂補強材とともに、または、当該樹脂補強材を延長部サブレイヤー上に設けることによって、追加のサブレイヤーとプリント回路基板との間に樹脂補強材の流入が生じ、追加のサブレイヤーにプリント回路基板を固定するため、接続一部層VT1およびVT2が形成される。この例では、これらの部分の間に位置する補強材の部分は、延長部サブレイヤーを画定するそれぞれの凹部の接続領域セグメントに位置する補強材の部分と合体する。この例では、樹脂補強材が接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bを画定する表面に接触するように、ある量の樹脂補強材が接続領域セグメントS0b、S1b、S2b、S3bに設けられる。
【0120】
リターン本体21が設けられている場合には、後側層4と電気的に接続されるリターン接続コーティング23aとプリント回路基板100との接続サブレイヤーVT0を任意に設けることができる。この例では、アクチュエータ接続コーティングまたは延長部サブレイヤー31d、32d、33dおよびリターン接続コーティング23aは、互いに反対の電気励起装置の電気極にそれぞれ接続することができる。