【課題を解決するための手段】
【0011】
明言される課題は、この種の溶接電極のための本発明の第1の教示により解決され、その教示では、溶接電極の中に一体化されるか、または一体化可能であり、溶接電極本体および溶接電極キャップに導電するように接続されるか、または接続可能な導電性抵抗素子が、コンポーネントを加熱するために設けられる。
【0012】
導電性抵抗素子によって、電気エネルギーが、導電性抵抗素子を通る加熱電流(予熱電流)の流れによって熱に変換される。熱の生成は、一方では電気抵抗素子と、溶接電極本体および/または溶接電極キャップとの間の境界抵抗によって生じ、他方では電気抵抗素子自体の電気抵抗によって生じる。これによって、今度は溶接電極キャップに接触して溶接接続を生成するコンポーネントが加熱され得る。コンポーネントがサンドイッチシートである場合、サンドイッチシートの熱可塑性プラスチック層は、したがって簡単な方法で軟化されることができて、例えば、その結果、カバーシートが一体にプレスされ得るようにする。
【0013】
次に、サンドイッチシートは、溶接電流の流れ(溶接電流)によって溶接電極を同様に使用して、別のシートなどの別のコンポーネントに溶接され得る。溶接電流の流れは、第1の回路を横切って発生し、加熱電流の流れは、第2の回路を横切って発生することができる。溶接電極は、第1の回路および第2の回路の両方の一部であることができる。
【0014】
有利なことに、電気抵抗素子を溶接電極の中に一体化することにより、コンパクトな溶接電極が提供され得る。例えば、抵抗素子はブロックとして特に容易に設計され得る。同時に、電気抵抗素子は、溶接電極本体および溶接電極キャップに導電するように接続されているか、または接続可能であるので、別個の作動は必要なく、溶接電極は、電気抵抗素子を一体化するためにわずかに修正される必要があるだけである。すなわち、抵抗素子を通って、溶接電極本体および溶接電極キャップを横切って電流の流れが達成され得る。このために、溶接電極本体および溶接電極キャップの両方が、導電性材料を含むことができ、または導電性材料から作製されることも可能である。抵抗素子は、溶接電極本体および/または溶接電極キャップに直接的または間接的に導電するように接続されるか、または接続可能であってよい。特に有利には、溶接電極は、溶接電極本体が、抵抗素子を横切って、好ましくは、単独で抵抗素子を横切って導電するように溶接電極キャップまで接続されるか、または接続され得るように設計される。このようにして、加熱のための電流全体が抵抗素子を横切って導通し得る。抵抗素子を迂回することは、回避される。
【0015】
溶接電極キャップを溶接電極本体に接続することについて、この溶接電極キャップは、例えば着脱可能な様式で溶接電極本体に接続され得るか、または接続可能であり得る。例えば、溶接電極キャップが、溶接電極本体上に取り付けられることが可能である。このために、溶接電極本体は、例えば第1の端部で溶接電極キャップに適合されることができる。溶接電極本体は、例えば、溶接電極キャップを取り付けるための第1の端部と、第2の端部とを含む実質的に細長い延長部を備えることができる。特に、溶接電極本体はスリーブとして設計され得る。
【0016】
溶接電極の一実施形態によれば、溶接電極が溶接されるべきコンポーネントに接触するように意図される領域内で、抵抗素子が溶接電極に一体化され、または一体化可能である場合、溶接電極から接触させるべきコンポーネントへの特に効率的な熱伝達が生じることができる。例えば、抵抗素子が、溶接電極キャップの領域内に設けられることが可能である。
【0017】
溶接電極の特に好ましい実施形態によれば、抵抗素子は、溶接電極本体に一体化されているか、または一体化可能である。好ましくは、抵抗素子は、溶接電極キャップに接続するために設けられる、溶接電極本体の第1の端部の領域内に配置されるか、または配置され得る。例えば、溶接電極本体の第1の端部に、抵抗素子用の台座が設けられる。好ましくは、簡単で、省スペースな一体化のために、台座は、溶接電極本体内に抵抗素子を挿入するために凹部の形態で設けられ得る。例えば、抵抗素子は、着脱可能または非着脱可能な様式で溶接電極本体内に一体化され得る。
【0018】
この実施形態の特別な利点は、溶接電極本体の修正だけが必要とされるので、標準的な溶接電極キャップの使用が可能になることである。したがって、以前に使用されていた溶接電極キャップは、追加の修正を施さずに使用され続けることができる。その結果として、溶接されるべきコンポーネントに溶接電極が接触する領域内で、抵抗素子が溶接電極の中に特に容易に一体化され得る。
【0019】
溶接電極の別の特に好ましい実施形態によれば、抵抗素子は、溶接電極キャップ内に一体化されているか、または一体化可能である。例えば、簡単で、省スペースな一体化のために、台座は、溶接電極キャップ内に抵抗素子を挿入するための凹部の形態で設けられ得る。例えば、抵抗素子は、着脱可能または非着脱可能な様式で溶接電極キャップ内に一体化され得る。
【0020】
その結果として、溶接電極キャップの修正のみが必要とされるので、標準的な溶接電極本体の使用が達成され得る。したがって、以前に使用されていた溶接電極本体は、それ以上修正せずに使用され続けることができる。その結果として、溶接されるべきコンポーネントに溶接電極が接触する領域内で、抵抗素子が溶接電極の中に特に容易に一体化され得る。さらに、この場合、抵抗素子は有利には溶接電極キャップと交換することができる。
【0021】
特に有利なことに、前述の2つの実施形態では、溶接電極本体内、または溶接電極キャップ内に抵抗素子を一体化するには、溶接電極全体ではなく、単に溶接電極本体または溶接電極キャップのいずれかを適合させることだけが必要である。
【0022】
溶接電極の別の実施形態によれば、溶接電極は、溶接電流が導通するための少なくとも第1の材料を含み、抵抗素子の電気抵抗率は、溶接電流が導通するための溶接電極の第1の材料の電気抵抗率より大きい。このようにして、抵抗素子で熱の生成を集中させることができ、その結果、接触されるべきコンポーネントで目標の入熱が発生することができる。
【0023】
溶接電極の別の実施形態によれば、溶接電極本体および/または溶接電極キャップが、少なくとも部分的に、溶接電流が導通するための第1の材料から成り、一方、第1の材料が、好ましくは金属、特に銅または銅合金である。このようにして、溶接電極本体または溶接電極キャップの構造を簡単に保つことができ、さらに、良好な導電性を達成することができて、不要な熱を発生させない。
【0024】
溶接電極の別の実施形態によれば、溶接電極が、溶接電極本体を少なくとも部分的に取り囲み、溶接電極本体から電気的に絶縁されている、導電性溶接電極ジャケットを備える。このようにして、加熱のために電流が流れるために、電流導入部および電流リターン部の両方が、溶接電極によってコンパクトな方法で実現され得る。
【0025】
特に有利なことに、導電性溶接電極ジャケットは、電流リターン部を取り付けるように設計されている。例えば、溶接電極ジャケットは、導体のための接続領域を含む。
【0026】
溶接電極の別の実施形態によれば、導電性溶接電極ジャケットが、少なくとも部分的に金属から成り、特に銅または黄銅のような銅合金から成る。このようにして、溶接電極ジャケットの良好な導電性が達成される。これにより、溶接電極本体に沿って不必要な熱の発生を低減し、または防止することができる。
【0027】
溶接電極の別の実施形態によれば、溶接電極が、導電性溶接電極ジャケットと溶接電極本体との間に、溶接電極本体を少なくとも部分的に取り囲む電気絶縁体を備える。これは、同様に、例えば、導電性溶接電極ジャケットと溶接電極本体との間に配置されたジャケットとして提供されてもよい。電気絶縁体によって、溶接電極本体と導電性溶接電極ジャケットとの間の不必要な電流の流れが、簡単な方法で獲得され得る。したがって、溶接電極を横切って抵抗素子に入り、かつ抵抗素子から出る予熱電流の流れが獲得され得る。
【0028】
別の実施形態によれば、溶接電極本体が、抵抗素子および溶接電極キャップを横切って溶接電極ジャケットに導電するように接続されるか、または接続可能であるように、溶接電極が設計される。好ましくは、溶接電極本体は、抵抗素子および溶接電極キャップを横切って単独で溶接電極ジャケットに導電するように接続されるか、または接続可能である。このようにして、予熱電流は、抵抗素子によって簡単な方法で導通することが可能であり、溶接電極本体および溶接電極ジャケットという手段によって抵抗素子に出入りして獲得され得る。したがって、結果として、抵抗素子を横切って予熱電流を導くために、最小のコンポーネントおよび修正が必要である。
【0029】
溶接電極の別の実施形態によれば、抵抗素子が、少なくとも部分的に金属から成り、抵抗素子の電気抵抗率が、好ましくは、例えば銅の電気抵抗率よりも大きい。金属の抵抗素子を用いて、抵抗素子は溶接電極の中に導電するように容易に一体化され得る。さらに、熱を効率的に発生させるためには、銅の電気抵抗率よりも大きく、例えば、好ましくは1よりも顕著に大きい電気抵抗率が有利であることが示された。特に好ましくは、電気抵抗素子はタングステンを含むか、またはタングステンから成る。しかしながら、基本的には、例えば、銅よりも高い電気抵抗率を含む他の金属もまた考えられる。
【0030】
溶接電極の別の実施形態によれば、溶接電極本体は、溶接電極を冷却するための冷却チャネルを備える。このようにして、溶接電極本体、およびしたがって溶接電極の冷却が達成可能であり、その結果、抵抗素子を通る電流の流れによる過度に強烈な加熱が回避され得る。
【0031】
本発明の第2の教示によれば、上述の問題は、サンドイッチシートを少なくとも1つの他の金属コンポーネントに抵抗溶接するためのこの種の方法で解決され、その方法では、第1の溶接電極が、本発明による溶接電極であり、溶接されるべきサンドイッチシートの領域が、第1の溶接電極の溶接電極本体と、抵抗素子と、溶接電極キャップとを備える第2の回路の中の電流の流れによって加熱される。
【0032】
第1の溶接電極の溶接電極本体と、電気抵抗素子と溶接電極キャップとを備える第2の回路の中に本発明による溶接電極を使用する場合、溶接領域の加熱が、コンパクトな設計を用いて簡単な方法で達成され得ることが発見された。電気抵抗のために、例えば、一体に溶接されるべきコンポーネントで追加の電流ブリッジを必要とせずに、溶接領域の加熱が電気抵抗素子により行われ得る。既に考察したように、熱の生成は、一方では電気抵抗素子と溶接電極本体および/または溶接電極キャップとの間の境界抵抗によって生じ、他方では電気抵抗素子自体の電気抵抗によって生じる。
【0033】
第2の溶接電極は、例えば、溶接電極本体および溶接電極キャップを例えば備える第1の溶接電極と同様に構成することが可能である。しかしながら、第1の溶接電極とは対照的に、第2の溶接電極は、熱を発生させるための電気抵抗素子を全く備えないことが好ましい。
【0034】
電気抵抗素子が、例えば第1の溶接電極の溶接電極本体の中に一体化されている場合、有利にも、第1の溶接電極および第2の溶接電極用に同じ溶接電極キャップが使用され得る。電気抵抗素子が、例えば第1の溶接電極の溶接電極キャップの中に一体化されている場合、有利にも、第1の溶接電極および第2の溶接電極用に同じ溶接電極本体が使用され得る。
【0035】
本発明による方法の一実施形態によれば、第1の回路の中で溶接電流の流れは、第1の溶接電極の溶接電極本体、抵抗素子および溶接電極キャップ、サンドイッチシート、他の金属コンポーネント、ならびに他の金属コンポーネントと接触する第2の溶接電極を横切って発生する。したがって、電気抵抗素子は、溶接中に必ずしも再び除去される必要はない。
【0036】
本発明による方法の一実施形態によれば、第2の回路の中で加熱電流の流れは、第1の溶接電極の溶接電極本体、抵抗素子、溶接電極キャップおよび導電性溶接電極ジャケット、ならびにそれに取り付けられる二次的接続導体を横切って発生する。したがって、特に、第2の回路は、サンドイッチシートおよび/または他の金属コンポーネントを含まない。
【0037】
本発明の第3の教示によれば、上述の問題は、サンドイッチシートを抵抗溶接するためのこの種の装置で解決され、その装置では、第1の溶接電極が本発明による溶接電極であり、第2の回路が設けられ、第2の回路が、第1の溶接電極の溶接電極本体と、抵抗素子と、溶接電極キャップとを備え、その結果、溶接されるべきサンドイッチシートの領域が、第2の回路の中の電流の流れによって加熱される。
【0038】
装置の他の有利な実施形態に関しては、溶接電極および方法の実施形態ならびにその利点の説明を参照されたい。
【0039】
本発明による方法の好ましい実施形態による方法のステップの説明は、本発明による装置の好ましい実施形態による方法のステップを実行する対応手段をさらに開示する。同様に、方法のステップを実行する手段の開示は、方法の対応するステップを開示することになる。
【0040】
本発明の第4の教示によれば、上述の問題は、金属カバー層の間に配置された熱可塑性プラスチック層を備えるサンドイッチシートを少なくとも1つの他の金属コンポーネントに抵抗溶接し、特に抵抗スポット溶接するために、本発明による溶接電極または本発明による装置を使用することによって解決される。
【0041】
さらに、本発明は、図面に関連して例示的な実施形態によってより詳細に説明される。