特許第6481053号(P6481053)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6481053シールされた相互接続システムを有する端子ブロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481053
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】シールされた相互接続システムを有する端子ブロック
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/24 20060101AFI20190304BHJP
   G08C 25/00 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   G01D11/24 W
   G01D11/24 B
   G08C25/00 Z
【請求項の数】29
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-567378(P2017-567378)
(86)(22)【出願日】2016年6月2日
(65)【公表番号】特表2018-519518(P2018-519518A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】US2016035421
(87)【国際公開番号】WO2017003631
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2018年2月2日
(31)【優先権主張番号】14/753,119
(32)【優先日】2015年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ハウスラー,ジョージ・チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】マッコイ,スティーヴン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】エリクセン,クリストファー・リー
(72)【発明者】
【氏名】コタ,ジェフリー・アラン
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特表平10−504106(JP,A)
【文献】 特表2016−537615(JP,A)
【文献】 特開2011−133452(JP,A)
【文献】 特開2009−047609(JP,A)
【文献】 実開平03−030480(JP,U)
【文献】 特表2016−517511(JP,A)
【文献】 特開2011−146436(JP,A)
【文献】 特表2016−533480(JP,A)
【文献】 米国特許第05727110(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第102005059662(DE,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0115333(US,A1)
【文献】 特表2017−511472(JP,A)
【文献】 特表2017−532780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/24
G08C 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業プロセスに使用するプロセス変数トランスミッタであって、
内部に空洞が形成されたハウジングであり、前記空洞を第1の空洞と第2の空洞に分割する障壁を含むハウジングと、
前記産業プロセスのプロセス変数を測定するように構成された、前記第1の空洞内の測定回路と、
前記第2の空洞内の端子ブロックアセンブリであり、前記ハウジングとのシールを形成し、前記障壁と前記端子ブロックアセンブリの回路基板との間の第3の空洞を形成している端子ブロックアセンブリと、
を含むプロセス変数トランスミッタ。
【請求項2】
前記端子ブロックアセンブリは、前記第3の空洞を画定するように配置されたシュラウド部材を含む、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項3】
前記シュラウド部材は、金属シュラウドを含む、請求項2に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項4】
前記シュラウド部材と前記プロセス変数トランスミッタの前記ハウジングとの間のシールを含む、請求項2に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項5】
前記シールは、Oリングを含む、請求項4に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項6】
前記回路基板は、前記第3の空洞内の少なくとも1つの回路部品を保持している、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項7】
前記端子ブロックアセンブリは、二線式プロセス制御ループに結合するための複数の端子を含む、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項8】
前記プロセス制御ループは、前記プロセス変数トランスミッタに電力供給するための電力を供給するために使用される、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項9】
前記障壁内に少なくとも部分的に配置され、かつ前記第3の空洞内に延在して前記回路基板を前記測定回路に電気的に接続する導電体を含む、請求項2に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項10】
前記シュラウド部材には、開口が形成されており、前記導電体は、前記開口を貫通している、請求項9に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項11】
前記導体は、電力を伝送する、請求項9に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項12】
前記導体は、通信信号を伝送する、請求項9に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項13】
前記通信信号は、二線式プロセス制御ループ通信規格に準拠している、請求項12に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項14】
前記通信信号は、前記プロセス変数トランスミッタの部品間の通信に使用される、請求項12に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項15】
前記導体は、位置合わせ不良を補償するように配置されている、請求項9に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項16】
前記位置合わせ不良は、前記回路基板と前記測定回路の間の接続において生じる、請求項15に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項17】
前記障壁は穴を含み、前記端子ブロックは、前記穴に対してシールされている、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項18】
前記回路基板は、温度センサを保持している、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項19】
前記回路基板は、通信回路を保持している、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項20】
前記シュラウド部材は、前記回路基板にはんだ付けされている、請求項2に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項21】
前記回路基板と前記測定回路の間の少なくとも1つの電気接続を含む、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項22】
前記少なくとも1つの電気接続は、前記障壁を貫通している、請求項21に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項23】
前記端子ブロックは、前記ハウジングとの位置合わせ用の位置合わせ形状部を含む、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項24】
前記ハウジングの前記第1の空洞及び前記第2の空洞をそれぞれ囲むように構成された、第1のエンドキャップ及び第2のエンドキャップを含む、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項25】
前記プロセス変数の測定に使用するための、前記測定回路に結合されたプロセス変数センサを含む、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項26】
前記コネクタは、前記障壁に装着されている、請求項9に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項27】
前記コネクタは、前記端子ブロックアセンブリに装着されている、請求項9に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項28】
前記回路基板は、外部温度センサに結合するように構成された温度測定回路を保持している、請求項1に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【請求項29】
前記回路基板は、測定値の補償に使用する温度センサを含む、請求項27に記載のプロセス変数トランスミッタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業プロセスの制御又は監視システムに関する。特に、本発明は、そのようなシステムのプロセス変数を検知するように構成されたプロセス変数トランスミッタに関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス変数トランスミッタは、プロセス変数を監視するために産業プロセスの制御環境において使用される。そのようなトランスミッタは、プロセス流体につながり、プロセスに関する測定値を提供する。プロセス変数トランスミッタは、化学、パルプ、石油、ガス、薬剤、食品及び他の流体の処理プラントのスラリー、液体、蒸気及び気体など、プロセスプラントの流体に関連する1つ以上のプロセス変数を監視するように構成することができる。監視されるプロセス変数の例としては、流体の圧力、温度、流量、レベル、pH、伝導性、濁度、密度、濃度、化学組成又は他の特性が挙げられる。一般的に、プロセス変数トランスミッタは、遠隔地、通常は現場に配置され、制御室などの集約的な場所に情報を送る。プロセス変数トランスミッタは、石油ガス精製所、化学貯蔵タンク集合地域、又は化学処理プラントなど、各種の用途のプロセス変数を検知する。このため、多くの事例では、プロセス変数トランスミッタには、苛酷な環境への配置が要求される。
【0003】
いくつかのタイプのプロセス変数トランスミッタは、分離した2つの隔室に分割されたハウジングを含む。一方の隔室は、電気回路を収容し、他方の隔室は、プロセス制御ループに結合するために使用する端子ブロックを収容する。そのような一構成が、米国特許第5,546,804号に示されている。
【発明の概要】
【0004】
産業プロセスに使用するプロセス変数トランスミッタは、内部に空洞が形成されたハウジングを含む。ハウジングは、空洞を第1の空洞と第2の空洞に分割する障壁を有する。好ましくは、第1の空洞内の測定回路が、産業プロセスのプロセス変数を測定するように構成される。端子ブロックアセンブリが、第2の空洞に配置されている。端子ブロックアセンブリは、ハウジングとのシールを形成しており、障壁と端子ブロックアセンブリの回路基板との間の第3の空洞を形成している。
【0005】
この概要及び要約は、詳細な説明においてさらに後述する概念の選択を簡略形式で紹介するために提供される。概要及び要約は、特許請求される主題の主要な特徴又は重要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する一助として使用することを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】内部に2つの空洞が形成されたハウジングを有する、先行技術のプロセス変数トランスミッタの簡略ブロック図である。
図2】例示的な一実施形態による、端子ブロックに形成された空洞を含むプロセス変数トランスミッタの簡略ブロック図である。
図3図2のプロセス変数トランスミッタの部分側部断面図であり、プロセス変数トランスミッタのハウジング内の障壁にシールされた端子ブロックを示している。
図4A図2の端子ブロックの分解図であり、金属カップを示している。
図4B図2の端子ブロックの組立図であり、金属カップを示している。
図5A図2の障壁を貫通する電気コネクタアセンブリの分解図である。
図5B図2の障壁を貫通する電気コネクタアセンブリの組立図である。
図6A】トランスミッタハウジングの障壁に装着されたコネクタアセンブリを示す正面平面図である。
図6B】トランスミッタハウジングの障壁に装着されたコネクタアセンブリを示す側部断面斜視図である。
図6C】障壁に装着され、電気コネクタアセンブリに電気的に接続された端子ブロックを示す側部断面図である。
図7】別の例示的な実施形態のプロセス変数トランスミッタの側部断面図である。
図8】別の例示的な実施形態の端子ブロックの斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
シールされた隔室を有する端子ブロックを伴う多隔室ハウジングを有するプロセス変数トランスミッタが提供される。一実施形態では、シュラウド部材が回路基板にシールされており、回路基板の埋込を不要にする。シュラウド部材は、ハウジングにシールされる。この構成は、電子装置との接続が貫通できる大きな穴を可能にする。電子装置は、湿気、汚染物質及び埋込応力から保護するためにシュラウド部材の内側に配置することができる。電子装置隔室において得られる融通性によって、モジュール性が高まり、効率的な設計及び生産が可能になる。
【0008】
一般的なプロセス変数トランスミッタの一構成は、2つの隔室を提供する。一方の隔室は、端子ブロックを保持し(シールされていない側)、他方の隔室は、電子装置をシールされた環境に収納する。そのような構成のプロセス変数トランスミッタ10が図1に示されており、同トランスミッタでは、ハウジング12が、シールされていない隔室16及びシールされた隔室18を形成する障壁14を含む。シールされていない隔室は、端子ブロック20を保持し、シールされた隔室は、プロセス変数センサ24と共にフィーチャーボード22(すなわち、測定回路など)を保持する。端子ブロック隔室16は、ハウジングカバーによりシールされ得るが、ハウジングへのワイヤ又は他の付属品を保持する導管を通じて外部環境に露出され得る。結露水及び他の汚染物質が、端子ブロック隔室16に蓄積することもある。
【0009】
先行技術の一構成では、障壁14を貫通する電気接続を提供するために、ねじ式貫通型RFIフィルタが使用される。別の構成は、シールコーンと共にシールボードを使用する。端子ブロック20は、電子部品を汚染物質及び湿気から保護するために埋込材料内に封入される(「埋め込まれる」)。よって、端子ブロック20に使用され得る部品のタイプが制限される。これは、埋め込みの機械的な影響に対して部品が物理的に頑丈でなければならないためである。これに伴い、端子ブロック16は、一般的に単なるパススルー装置である。トランスミッタの機能性は、端子ブロック20及び/又はフィーチャーボード22を変更することにより変化し得る。
【0010】
RFIフィルタ、埋込用樹脂、シールコーン、ラバーブーツなどの使用を含む、上で議論した各種の構成は、高価であり、製造が困難となることがある。埋め込みプロセスは、面倒かつ労働集約的であり、多くのばらつき、及び長い捕捉時間を潜在的に招くことがある。さらに、埋込用樹脂は、温度が正反対の極端なものになると、部品を損傷させたり、回路基板から離脱させたりすることがある。ねじ式貫通型RFIフィルタは、慎重に取り付けられない場合に、取付け中にひび割れによる損傷を受けやすい。
【0011】
図2は、シールされた第1の(電子装置)空洞104とシールされていない第2の(端子ブロック)空洞106とに分割される空洞が内部に形成されたプロセス変数トランスミッタ100の簡略ブロック図である。図2の構成では、端子ブロック108が、シールされた隔室108’を端子ブロック108内に作り出す。端子ブロックは、フィーチャーボード110及びプロセス変数センサ112に接続する。端子ブロック108のシールされた隔室108’は、好ましくは、コスト及び部品の複雑さを低減する単一のアセンブリとして製作される。
【0012】
図2は、端子ブロック108に電気的に接続する例示的な二線式プロセス制御ループ114も示している。二線式プロセス制御ループは、工業規格に準拠してもよく、プロセス変数トランスミッタ100による検知されたプロセス変数に関する情報の送信、及びプロセス変数トランスミッタ100の電力回路への電力の受領のために使用される。そのような一通信規格は、プロセス変数を表すためにアナログ電流レベルを使用するHART(登録商標)規格である。追加情報を送信するために、アナログ電流レベルに加えてデジタル信号が変調されてもよい。二線式プロセス制御ループは、プロセス変数トランスミッタ100に情報を送るために使用することもできる。フィールドバス規格に準拠するものなど、他のタイプのプロセス制御ループが使用されてもよい。さらに、プロセス制御ループ114は、情報を無線通信する無線プロセス制御ループでもよい。そのような一無線通信プロトコルは、IEC62591に準拠したWirelessHART(登録商標)通信プロトコルである。端子ブロック108は、それらのタイプの接続に限定されることはなく、他のタイプの電気接続又は部品を含んでもよい。例としては、MODBUSシリアルプロトコル接続、又は電力及び通信を提供する、アナログとデジタルの両方の形式の他のタイプの接続が挙げられる。温度センサ、例えば、RTD又は熱電対などのセンサが、端子ブロック108に含まれてもよい。そのような温度センサは、温度を検知するために使用される装置及び圧力を測定するために使用される装置に使用することができる。他のタイプのセンサが含まれてもよい。
【0013】
図3は、一構成例によるプロセス変数トランスミッタ100の部分拡大断面図である。図3に示すように、障壁120が、ハウジング102の内部空洞をシールされた電子装置空洞104とシールされていない端子ブロック空洞106に分割する。端子ブロック108は、シュラウド部材124に接着されたシールされた電気回路基板122を含む。シュラウド部材は、好ましくは、この実施形態では金属カップとして形成される。金属カップ124は、Oリングシール126により障壁120の所でハウジング102にシールされる。回路基板122は、はんだ付けにより形成されるシールなどの任意の適切なシール技術によって金属カップ124にシールすることができる。この構成では、回路基板122に保持される任意の電気部品130が、端子ブロック108のシールされた空洞108’に収容される。コネクタ装着アセンブリ134が、回路基板122に装着され、電気コネクタ132を保持する。装着アセンブリ134は、例えばプラスチックなどで製作されてもよい。電気コネクタ132は、スクリュー端子として示されているが、任意のタイプのコネクタが用いられ得る。一般的に、それらのコネクタ132は、プロセス制御ループ114など、プロセス変数トランスミッタの外部の部品に接続するために使用される。コネクタアセンブリ150が、回路基板122をフィーチャーボード110に電気的に接続する。
【0014】
図4Aは、一実施形態による端子ブロック108の分解図であり、図4Bは組立図である。図4A及び図4Bに示すように、金属カップ124には、開口又は穴138が形成される。開口138は、図3に示したOリング126に対してシールされるリップ140を含む。電気プラグ146が、回路基板122に保持され、開口138を通じてアクセス可能となる。図3を再び参照すると、電気コネクタアセンブリ150が、障壁120を貫通し、プラグ146内の導体に接続する導電体を保持する。
【0015】
図5Aは、一実施形態による電気コネクタアセンブリ150の分解図であり、図5Bは組立図である。アセンブリ150は、複数のピン導体162を内部に保持するハウジング部分160A及び160Bにより形成されたハウジングを含む。ハウジング部分160A、Bは、スナップロック機構により組立可能に構成することができ、又は接着されてもよく、又は他の取付け技術が用いられてもよい。この実施形態では、ロック形状部165は、ハウジング160A、Bに保持され、図3に示した障壁120にコネクタアセンブリ150をロックするように動作する。ピン導体162が、支持体164により互いに対して所定の位置に保たれる。この構成によって、導体がハウジング160A、B及び障壁120に対して「浮く」ことが可能となり、コネクタアセンブリ150に対する位置合わせ不良の公差が許容される。ピン導体162は、図3に示したように、フィーチャーボード110と端子ブロック108入力の回路基板122との間の電気接続を提供する。電気接続は、任意のタイプの電気接続であってもよい。例としては、デジタル情報も伝送することができる4〜20mA信号などのプロセス制御ループ出力が挙げられる。2つの基板間の任意の電力接続又は任意の通信が提供されてもよい。部品間の他の電気接続が提供されてもよい。さらに、予備すなわち未使用の電気ピンが含まれてもよい。
【0016】
図6Aは、プロセス変数トランスミッタ100の正面平面図であり、図6Bは側部断面斜視図であり、障壁120に装着された電気コネクタアセンブリ150を示している。図6A及び図6Bは、(図3に示した)Oリング126を保持し、図4A及び図4Bに示したリップ140を受けるように構成された円形凹部170も示している。図6Cは、プロセス変数トランスミッタ100の側部断面図であり、ハウジング102内に装着され、ハウジング102の障壁120にシールされた端子ブロック108を示している。
【0017】
上述した実施形態では、図4A図4Bに示した金属シュラウド(カップ)124は、回路基板122にはんだ付けされており、先行技術の構成に使用された埋込材料に置き換わることができる。これによって、電子部品は、トランスミッタハウジング内の障壁の「シールされていない側」に存在する湿気及び汚染物質から保護される。障壁120を貫通する電気接続は、規格化されたソケット及びピン構成とすることができる。例えば、端子ブロック108の回路基板122に保持された回路部品130を使用して、RFIフィルタリングを実施することができる。電気接続に使用されるピンは、電子装置ハウジング102の障壁部分に差し込まれるカートリッジ150に収容される。カートリッジは、ピンが損傷した場合に現場で容易に交換することができ、ピンが「浮く」ことを可能にするように設計されており、電気コネクタに過剰な応力を及ぼすことなく大きな位置合わせ不良を許容する。端子ブロック108は、ハウジング102に挿入されると、図3に示したOリングシール126によりシールされ、導体ピン162は、端子ブロック108の回路基板122に保持されたコネクタアセンブリ146と電気的に接触する。開口138のリムに対するOリングシールによって、金属シュラウドの内部は、ハウジング102のシールされた側104の延長部となる。これによって、部品に対する電気接続を作るために利用可能なオプションが増え、製造コストも低減される。埋込材料がもはや必要とされないので、埋込材料によって損傷してしもうかもしれない部品を使用して、より複雑かつ/又はより緻密な回路が端子ブロック108に保持されることができる。
【0018】
図7は、プロセス変数トランスミッタ100の側部断面図であり、図8は、端子ブロック108の斜視断面図であり、別の例示的な実施形態を示している。図7及び図8では、前述した同様の部品のナンバリングを維持している。図7の構成では、ハウジング102内の障壁120は、端子ブロック108のシュラウド部材すなわち金属カップ124を受容する開口を含む。この構成では、Oリング126は、ハウジング102の隔室間又は空洞104、106の間のシールを提供する。導電体180が端子ブロック108の回路基板122に電気的に接続され、マウント182により金属カップ124に対して所定位置に保たれる、一体型ピン位置合わせ方法が用いられる。導電体180は、フィーチャーボード110に装着されたコネクタプラグ184にプラグ接続する。
【0019】
本明細書に示す構成は、プロセス変数トランスミッタに使用される各種の回路間のモジュール性を高める。例えば、端子と関連する回路が、端子ブロック108の回路基板122に端子に近接して配置されることができる。所望に応じて端子ブロック108を単に交換することによって、任意の機能をプロセス変数トランスミッタに追加することができる。端子ブロックのオプションの例としては、追加機能を有しない基礎オプション、温度測定回路が設けられる構成、通信回路が設けられる構成などが挙げられる。一構成では、端子ブロック108は、図2に示したプロセス変数センサ112とインターフェースするために使用される全ての電子回路を保持しており、フィーチャーボード110を不要にする。
【0020】
各種の構成では、シールされていない端子隔室において動作する損傷を受けやすい電子装置を保護する端子ブロックアセンブリに、シールされた電子装置隔室が設けられる。シールされた電子隔室は、端子ブロックがハウジングの障壁に対して装着されるときに、回路基板に取り付けられた金属シュラウドすなわち「カップ」によって、端子側(シールされていない側)を電子部品(シールされた側)から分離して、電子装置用のシールされた隔室を提供する回路基板を含む。金属シュラウドは、はんだ付け可能なコーティングによって容易にはんだ付け又は金属メッキできる合金を使用して形成することができ、又は、はんだ付け可能な表面を有するクラッド材又は被接着材から作ることができる。シールされた電子隔室は、ハウジングのシールされた側に電気接続を通過させる、金属シュラウドと電子ハウジングの間のシールを含む。金属シュラウドと電子ハウジングの間のシールは、本明細書で議論するラジアルOリングなど、任意の適切な技術を使用して設けることができる。シールは、好ましくは、そのシール性能を経時的にかつ極端な環境への露出に対して維持するべきである。この構成は、シールボード、ねじ式RFIフィルタ、はんだ付けされたフィルタタブ、及び/又はシーリングブーツなどの隔室シールに使用される追加部品を不要にしており、コストを低減する。一部の構成では、金属カップは、環境シールを維持しながらも、複数のピン、ケーブル、フレックス回路などを含む様々なタイプの接続を受容するのに十分大きな穴を含む。穴は、標準的なコネクタによって、多数の導電体を有するコンパクトな構成を提供することを可能にする。端子ブロック内のシールされた隔室によって保護された筐体は、補助機能を装置に追加し、規定のインターフェースにより主電子装置に接続することを可能にする。さらに、規定のインターフェースを使用することによって、様々な補助機能を有する様々な端子ブロックを取り替えることにより製品のオプションを提供して、より構成可能な装置を作り出すことが可能になる。端子ブロック108への電気接続を提供するピンカートリッジは、制限された空間において様々な機能性を提供するように置き換え可能であってもよい。一実施形態では、ピンカートリッジは、導電体の「ピンスタック」が浮くことを可能にしており、コネクタ又は他の部品に応力を及ぼすことなくコネクタ間の位置合わせ不良を許容する。端子ブロックアセンブリ内に作られ、フィーチャーボードに直接接続するコネクタ位置合わせ形状部を設けることができる。そのようなコネクタ位置合わせ形状部は、部品間の位置合わせ不良をいくらか許容するように自由に浮くヘッダアセンブリを設けるように構成されてもよい。本明細書で議論するカップすなわちシュラウド124は、金属化ポリマーなどの任意の材料で製作されてもよい。
【0021】
好適な実施形態を参照して本発明について記述してきたが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく形式及び詳細を変更できることを認識するであろう。図2がセンサ112を示しているが、一部の構成では、センサ112は任意なものである。センサ112は、圧力センサ、温度センサなど、任意のタイプのプロセス変数センサであってもよい。図2に示した接続114は、外部温度センサ、圧力センサ又は他のプロセス変数センサなどの外部センサへの接続を含んでもよい。外部センサは、任意のセンサ112と共に使用されてもよい。例えば、外部温度を検知するために単一の外部温度センサを使用してもよい。圧力検知システムでは、例えば、質量流量の決定に使用するためのプロセス流体の温度を得るために、又は単に二次的なプロセス変数を提供するために、外部圧力センサを用いてもよい。電子遠隔シール構成などに外部圧力センサを用いてもよく、そのような構成では、例えば、タンク内又は他の容器内のプロセス流体のレベルの決定に使用するための遠隔圧力が検知されうる。端子ブロックとフィーチャーボードの間の電気接続により伝送される通信信号は、例えば、UART、I2Cなどを使用する、プロセス変数トランスミッタ内の回路間の内部通信、及び、例えばHart(登録商標)プロトコルに準拠したプロセス通信であってもよい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8