特許第6481072号(P6481072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中田エンヂニアリング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6481072-ゴム押出装置 図000002
  • 特許6481072-ゴム押出装置 図000003
  • 特許6481072-ゴム押出装置 図000004
  • 特許6481072-ゴム押出装置 図000005
  • 特許6481072-ゴム押出装置 図000006
  • 特許6481072-ゴム押出装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6481072
(24)【登録日】2019年2月15日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】ゴム押出装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/30 20190101AFI20190304BHJP
   B29C 48/18 20190101ALI20190304BHJP
   B29D 30/52 20060101ALI20190304BHJP
   B60C 11/00 20060101ALI20190304BHJP
   B60C 19/08 20060101ALI20190304BHJP
   B29K 21/00 20060101ALN20190304BHJP
   B29L 30/00 20060101ALN20190304BHJP
【FI】
   B29C47/12
   B29C47/06
   B29D30/52
   B60C11/00 C
   B60C19/08
   B29K21:00
   B29L30:00
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-139632(P2018-139632)
(22)【出願日】2018年7月25日
【審査請求日】2018年8月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000212728
【氏名又は名称】中田エンヂニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】橋本 武
(72)【発明者】
【氏名】野上 真一郎
【審査官】 関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−240081(JP,A)
【文献】 特開平11−262944(JP,A)
【文献】 特開2005−014403(JP,A)
【文献】 特開2005−193494(JP,A)
【文献】 特開2005−246735(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0060718(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 47/00−47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ゴムと、前記第1ゴムとは配合が異なる第2ゴムとを含みこれらが一体に成形されたゴム成形体を押し出すゴム押出装置であって、
少なくとも前記第2ゴムを押し出す第2流路を含むプリフォーマと、前記第1ゴムを押し出す第1流路を含み、かつ、前記第2流路を分断するインサートブロックとを含み、
前記第1流路は、前記第1ゴムを第1方向に吐出する第1吐出口と、前記第1吐出口と逆側で終端する端部とを有し、
前記インサートブロックは、前記端部から前記第1ゴムの前記第1方向と逆側に延びる分割面によって分割される一対のブロック片を含み、
前記第2流路は、前記第2ゴムを吐出する第2吐出口を含み、
前記プリフォーマは、前記第2吐出口が配される前面を有し、
前記インサートブロックは、前記前面から前記プリフォーマ内に嵌合される、
ゴム押出装置。
【請求項2】
前記第2流路での前記第2ゴムの押出方向は、前記第1方向と同じである、請求項1記載のゴム押出装置。
【請求項3】
前記プリフォーマは、前記インサートブロックを嵌合する嵌合部を有する、請求項1又は2に記載のゴム押出装置。
【請求項4】
前記第2吐出口は、高さと、前記高さと直交して、前記高さよりも大きい幅とで形成される矩形状をなし、
前記嵌合部は、前記第2流路の前記幅の方向の中央に形成される、請求項3記載のゴム押出装置。
【請求項5】
記第2吐出口は、前記第1ゴムを押し出す第1ゴム領域を挟む、請求項1ないし4のいずれかに記載のゴム押出装置。
【請求項6】
前記インサートブロックは、前記第1吐出口の高さ方向の両側に上面及び下面を有し、
前記第1流路は、前記上面又は前記下面に連なっている、請求項1ないし5のいずれかに記載のゴム押出装置。
【請求項7】
前記インサートブロックは、前記第1吐出口の幅方向の両側に配された一対の側面を有し、
前記一対の側面は、前記端部側から前記第1吐出口側に向かってテーパ状である、請求項1ないし6のいずれかに記載のゴム押出装置。
【請求項8】
前記第1ゴムは、導電性ゴムであり、
前記第2ゴムは、非導電性ゴムである、請求項1ないし7のいずれかに記載のゴム押出装置。
【請求項9】
前記ゴム成形体は、タイヤ成形用のトレッドゴムである、請求項1ないし8のいずれかに記載のゴム押出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム成形体を押し出すゴム押出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、低導電性ゴムと高導電性ゴムとを含む未加硫トレッドゴムを押し出して成形するための押出装置が記載されている。前記未加硫トレッドゴムは、低導電性ゴムからなるキャップゴムと、前記キャップゴムを全厚さ方向にわたり分断する高導電性ゴムからなる極狭幅の高導電性ゴム層とを含んでいる。
【0003】
前記押出装置は、低導電性ゴム及び高導電性ゴムをそれぞれ分けて流動させるインサートブロックと、前記高導電性ゴム層を成形するミニインサートブロックと、低導電性ゴム及び高導電性ゴム層を一体として押し出す押出ダイとを含んでいる。
【0004】
前記ミニインサートブロックは、前記インサートブロックに埋設装着される基部と、前記基部から延びる薄肉の鞘部とを有している。前記鞘部は、高導電性ゴムが導入される空洞部と、前記空洞部から前記押出ダイヘ高導電性ゴムを押し出す極幅狭スリット状の開口部とを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3863297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
未加硫トレッドゴムの製造時、例えば、前記高導電性ゴムの幅を変更するために、前記ミニインサートブロックの空洞部や開口部の幅を調整加工することがある。しかしながら、このようなミニインサートブロックでは、前記空洞部や前記開口部の幅が小さいので、加工方法が限られたものとなり、例えば、製造現場で加工ができないという問題があった。
【0007】
本発明は以上のような実情に鑑み案出されたもので、第1ゴムの幅を容易に調整しうるゴム押出装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1ゴムと、前記第1ゴムとは配合が異なる第2ゴムとを含みこれらが一体に成形されたゴム成形体を押し出すゴム押出装置であって、少なくとも前記第2ゴムを押し出す第2流路を含むプリフォーマと、前記第1ゴムを押し出す第1流路を含み、かつ、前記第2流路を分断するインサートブロックとを含み、前記第1流路は、前記第1ゴムを第1方向に吐出する第1吐出口と、前記第1吐出口と逆側で終端する端部とを有し、前記インサートブロックは、前記端部から前記第1ゴムの前記第1方向と逆側に延びる分割面によって分割される、一対のブロック片を含む。
【0009】
本発明に係るゴム押出装置は、前記第2流路での前記第2ゴムの押出方向が、前記第1方向と同じであるのが望ましい。
【0010】
本発明に係るゴム押出装置は、前記プリフォーマが、前記インサートブロックを嵌合する嵌合部を有するのが望ましい。
【0011】
本発明に係るゴム押出装置は、前記嵌合部が、前記第2流路の幅方向の中央に形成されるのが望ましい。
【0012】
本発明に係るゴム押出装置は、前記第2流路が、前記第2ゴムを吐出する第2吐出口を含み、前記第2吐出口は、前記第1ゴムを押し出す第1ゴム領域を含むのが望ましい。
【0013】
本発明に係るゴム押出装置は、前記インサートブロックが、前記第1吐出口の高さ方向の両側に上面及び下面を有し、前記第1流路は、前記上面又は前記下面に連なっているのが望ましい。
【0014】
本発明に係るゴム押出装置は、前記インサートブロックが、前記第1吐出口の幅方向の両側に配された一対の側面を有し、前記一対の側面は、前記端部側から前記第1吐出口側に向かってテーパ状であるのが望ましい。
【0015】
本発明に係るゴム押出装置は、前記第1ゴムが、導電性ゴムであり、前記第2ゴムは、非導電性ゴムであるのが望ましい。
【0016】
本発明に係るゴム押出装置は、前記ゴム成形体が、タイヤ成形用のトレッドゴムであるのが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のゴム押出装置は、インサートブロックが第1流路の端部から第1ゴムを吐出する第1方向とは逆側に延びる分割面によって、一対のブロック片に分割される。このようなブロック片は、その外表面に前記第1流路が分割された態様で形成される。このため、例えば、ワイヤ放電加工による複雑な加工手段を用いることなく、前記インサートブロックの第1流路を、簡易な切削工具を用いて現場で調整加工することができる。したがって、本発明のゴム押出装置は、第1ゴムを任意の幅に容易に調整しうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のゴム押出装置の一実施例を示す概念図である。
図2】(a)は、本実施形態のゴム成形体の斜視図、(b)は、他の実施形態のゴム成形体の斜視図である
図3】本実施形態の口金の周辺を拡大して示す断面図である。
図4】本実施形態のプリフォーマを示す斜視図である。
図5】(a)は、本実施形態のインサートブロックを示す斜視図、(b)は、(a)のインサートブロックの分解図である。
図6】ダイプレートを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のゴム押出装置(以下、単に「装置」ということがある。)1の概念図である。装置1は、ゴム成形体Gを押出し成形するためのものである。ゴム成形体Gとしては、例えば、タイヤ形成用の未加硫のトレッドゴム等が望ましい。但し、本発明の装置1で押し出されるゴム成形体Gは、タイヤ成形用に限定されるものではない。
【0020】
図2(a)は、ゴム成形体Gの一実施形態の斜視図である。図2(a)に示されるように、ゴム成形体Gは、第1ゴムGaと第2ゴムGbとを含んで形成される。第1ゴムGaは、例えば、小幅な第1領域G1に配される。第2ゴムGbは、例えば、第1領域G1の両側に形成される第2領域G2に配される。本実施形態のゴム成形体Gは、例えば、断面略台形状で形成される。なお、ゴム成形体Gは、図2(b)に示されるように、第1領域G1及び第2領域G2と接してゴム成形体Gの幅方向に延び、かつ、第1ゴムGaで形成される第3領域G3を含む態様でも良い。また、ゴム成形体Gは、第3領域G3に、第1ゴムGa及び第2ゴムGbと配合の異なる第3ゴム(図示省略)が配されても良い。さらに、ゴム成形体Gは、断面略台形状に限定されるものではなく、略M字状や略矩形状又は円弧状のものなど、種々の形状を取り得る。
【0021】
第1ゴムGaと第2ゴムGbとは、異なるゴム配合で構成される。第1ゴムGaは、本実施形態では、第2ゴムGbよりも導電性が高い性質を有している。第1ゴムGaは、例えば、加硫後のゴムの電気抵抗値が10^8Ωcm未満の導電性ゴムであるのが望ましい。また、第2ゴムGbは、例えば、加硫後のゴムの電気抵抗値が10^8Ωcm以上の非導電性ゴムであるのが望ましい。
【0022】
図1に示されるように、本実施形態の装置1は、複数のゴム押出機2と、ゴム押出機2の前側が取り付けられた押出しヘッド3とを含んでいる。本明細書では、ゴムの流れ方向の下流側を前側という場合があり、ゴムの流れ方向の上流側を後側という場合がある。また、本明細書では、装置1からゴム成形体Gが押し出される方向をX方向、X方向と直交し押出しヘッド3の幅方向をY方向、X方向とY方向とに直交する方向をZ方向と規定する。
【0023】
ゴム押出機2は、例えば、投入された各ゴム材料を、スクリュー軸の回転によって混練、溶融する周知構造のものが採用される。ゴム押出機2は、本実施形態では、第1ゴムGaを押し出す第1ゴム押出機2Aと、第2ゴムGbを押し出す第2ゴム押出機2Bとを含んでいる。
【0024】
押出しヘッド3は、本実施形態では、ヘッド本体4と、ヘッド本体4の前面に配される口金5とを具える。
【0025】
図3は、図1の口金5の周辺を拡大して示す断面図である。図3に示されるように、本実施形態のヘッド本体4は、口金5が取り付けられる第1凹部6を含んでいる。第1凹部6は、例えば、断面コ字状をなし、口金5が取り付けられる底面6sを有している。ヘッド本体4は、本実施形態では、各ゴム押出機2A、2BからのゴムGa、Gbを個別に吐出させる複数のヘッド押出口8a、8bが設けられる。ヘッド押出口8a、8bは、本実施形態では、底面6sに開口している。
【0026】
本実施形態の口金5は、ヘッドマウス10と、プリフォーマ11と、ダイプレート12とを具える。口金5は、本実施形態では、ダイプレート12と、プリフォーマ11と、ヘッドマウス10とが、この順番で前方側から順次取り外し可能に配される。なお、口金5は、このような態様に限定されるものではない。
【0027】
ヘッドマウス10は、ヘッド押出口8a、8bに隣接する複数の個別流路10a、10bを具える。個別流路10a、10bは、ヘッド押出口8a、8bからのゴムGa、Gbを互いに合流させることなく、ヘッドマウス10の前面で開口する個別出口10c、10dから個別に吐出させる。
【0028】
ヘッドマウス10は、例えば、横長の矩形ブロック状をなし、第1凹部6内に、前方側から挿入される。ヘッドマウス10の後面は、第1凹部6の底面6sと接する。ヘッドマウス10は、その前面に、プリフォーマ11を取り付けるための第2凹部16が設けられる。個別出口10c、10dは、例えば、第2凹部16の底面16sで開口する。
【0029】
図4は、プリフォーマ11の斜視図である。図4に示されるように、本実施形態のプリフォーマ11は、矩形ブロック状で形成されている。プリフォーマ11は、このような矩形ブロック状のものに限定されるものではなく、種々の形状で形成される。
【0030】
プリフォーマ11は、本実施形態では、第2ゴムGbを押し出す第2流路14を含んでいる。第2流路14は、第2ゴムGbのみを押し出すものに限定されるものではなく、例えば、第2ゴムGbと、第2ゴムGbとはゴム配合の異なる第1ゴムGa又は前記第3ゴムを含む複数層のゴムが押し出されても良い。
【0031】
第2流路14は、第2ゴムGbをダイプレート12へ吐出する第2吐出口14a、及び、個別出口10dと連なる第2流入口14bを含んでいる。第2吐出口14aは、例えば、プリフォーマ11のダイプレート12側の前面11Aに配されている。第2流入口14bは、プリフォーマ11の底面6s側の後面11Bに配されている。第2ゴムGbは、本実施形態では、後面11B側から前面11A側へX方向に押し出される。なお、第2流路14は、このような態様に限定されるものではない。
【0032】
口金5は、本実施形態では、第2流路14を分断するインサートブロック13をさらに含んでいる。本実施形態のインサートブロック13は、第1ゴムGaを押し出す第1流路15を含んでいる。
【0033】
図5(a)は、インサートブロック13の斜視図である。図5(a)に示されるように、インサートブロック13の第1流路15は、第1ゴムGaを第1方向Fに吐出する第1吐出口15aと、第1吐出口15aと逆側で終端する端部15bとを有している。第1方向Fは、本実施形態では、X方向と同じ向きである。即ち、第1ゴムGaの吐出方向は、第2流路14での第2ゴムGbの押出方向と同じである。
【0034】
インサートブロック13は、本実施形態では、端部15bから第1方向Fと逆側に延びる分割面Bによって分割される、一対のブロック片13A、13Aを含んで形成される。分割面Bで分割された一対のブロック片13A、13Aの斜視図が図5(b)に示される。このようなブロック片13Aは、その外表面13aに第1流路15が分割された態様で形成される。このため、例えば、ワイヤ放電加工による複雑な加工手段を用いることなく、インサートブロック13の第1流路15を、簡易な切削工具を用いて、装置1が設けられる製造現場で調整加工することができる。したがって、本発明の装置1は、容易に第1ゴムGaを任意の幅に調整することができる。
【0035】
図4に示されるように、プリフォーマ11は、第2流路14に連なって第2ゴムGbの押出方向と直交する方向に延びる第3凹部17が設けられる。本実施形態の第3凹部17は、第2流路14からY方向の両側に突出するように形成されている。第3凹部17は、本実施形態では、第2吐出口14aに連なるとともに、第2流入口14bに連なることなくプリフォーマ11内で終端している。第3凹部17は、本実施形態では、直方体状に形成されている。
【0036】
一対の第3凹部17、17は、本実施形態では、第2流路14と協働してインサートブロック13をプリフォーマ11に嵌合し得る嵌合部11eとして形成される。各第3凹部17は、本実施形態では、第2吐出口14aの幅方向の中央部に配されている。
【0037】
図5(a)に示されるように、インサートブロック13は、本実施形態では、上面13c、下面13d及び一対の側面13e、13eを含んでいる。上面13c及び下面13dは、本実施形態では、第1吐出口15aの高さ方向、本実施形態では、Y方向の両側に配されている。各側面13eは、本実施形態では、第1吐出口15aの幅方向の両側に配され、かつ、上面13cと下面13dとに連なって形成されている。
【0038】
各側面13eは、本実施形態では、端部15b側から第1吐出口15aに向かってテーパ状に形成されている。このような側面13eは、第1ゴムGaと第2ゴムGbとを効果的に接触させるのに役立つ。このように、本実施形態のインサートブロック13は、その横断面が五角形状である。なお、インサートブロック13の横断面は、このような形状に限定されるものではなく、例えば、菱形状や六角形状など種々の形状を採用し得る。
【0039】
第1吐出口15aの幅tは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1〜5mm程度であるのが望ましい。
【0040】
本実施形態のインサートブロック13は、第1流路15がプリフォーマ11内に完全に収められている。具体的には、インサートブロック13の前端がプリフォーマ11の前面11Aに揃えられている。これにより、本実施形態では、第2吐出口14aには、第1流路15から押し出される第1ゴムGaを吐出する第1ゴム領域14tが形成される。
【0041】
図4に示されるように、プリフォーマ11は、本実施形態では、ヘッドマウス10内の第1ゴムGaをインサートブロック13へ送り出す上面側流路18をさらに含んでいる。上面側流路18は、本実施形態では、インサートブロック13の第1流路15の端部15b側に配される流入口18aと、個別出口10cに連なる取込口18bとを含んでいる。なお、プリフォーマ11は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、インサートブロック13の下面13dと個別出口10cとを連通する下面側流路(図示省略)を、上面側流路18に代えて、又は、上面側流路18とともに設けても良い。このように、本実施形態では、第1ゴムGaが上面13c又は下面13dから第1流路15に押し出される。
【0042】
図6に示すように、本実施形態のダイプレート12は、例えば、横長の矩形板状をなし、プリフォーマ11と同様に第2凹部16に嵌まり込む。これにより、ダイプレート12の後面とプリフォーマ11の前面とが隣接して配され、ダイプレート12とプリフォーマ11との位置ずれが防止される。
【0043】
ダイプレート12は、本実施形態では、第2吐出口14aに隣接する成形流路28を具える。成形流路28は、第2吐出口14aからの各ゴムGa、Gbを、ダイプレート12の前面で開口する所定断面形状の成形口28fから吐出させ、これによりゴム成形体Gが成形される。
【0044】
図2(b)に示されるように、第1領域G1ないし第3領域G3で形成される周知のゴム成形体Gを押出して成形する場合、装置1には、各領域G1〜G3を形成するのに適した台数のゴム押出機や、個別流路(図示省略)等が設けられている。
【0045】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【符号の説明】
【0046】
1 ゴム押出装置
11 プリフォーマ
13 インサートブロック
14 第2流路
15 第1流路
15a 第1吐出口
15b 端部
B 分割面
F 第1方向
G ゴム成形体
G1 第1ゴム
G2 第2ゴム
【要約】      (修正有)
【課題】ゴムの幅を容易に調整しうるゴム押出装置を提供する。
【解決手段】ゴム成形体を押し出すゴム押出装置である。ゴム押出装置は、少なくとも第2ゴムを押し出す第2流路を含むプリフォーマ11と、第1ゴムを押し出す第1流路を含み、かつ、第2流路を分断するインサートブロック13とを含んでいる。第1流路は、第1ゴムを第1方向に吐出する第1吐出口と、第1吐出口と逆側で終端する端部とを有している。インサートブロック13は、端部から第1ゴムの第1方向と逆側に延びる分割面によって分割される。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6