(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1先読み演出モード及び前記第2先読み演出モードのうちのいずれかの先読み演出モードが所定回数継続して選択された場合には、該選択された先読み演出モードを他の演出モードに切り替える先読み演出モード切替手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
前記第1先読み演出モード及び前記第2先読み演出モードのうちのいずれかの先読み演出モードが所定回数継続して選択された場合には、該選択された先読み演出モードを終了させる先読み演出モードリミッタ手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
【0024】
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図4に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0025】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0026】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。演出ボタン67は、遊技者が有効期間中に操作することで、後述する演出図柄表示装置6に表示される演出内容を変化させ、スピーカにより出力される遊技音が変化させるものとなっている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっており、ジョグダイヤル68を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0027】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
【0028】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり疑似図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の下には、交互振分式始動口装置13が配置されている。交互振分式始動口装置13の右方には、第2始動口12が設けられている。該第2始動口12は、開閉可能な翼片を供えた普通電動役物から構成されており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。なお、交互振分式始動口装置13に設けられている第2始動口15は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物からは構成されていない。第2始動口12に普通電動役物を搭載する構成ではなく、交互振分式始動口装置13の入球口に搭載する構成も考えられ、第2始動口15に搭載する構成も考えられる。
センターケース5の右方にはゲート17が配置されており、ここを遊技球が通過すると普通図柄が変動し、普通図柄が当り図柄で停止すると翼片が開放される。
【0029】
遊技領域3の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる普通図柄表示装置7と、第1特別図柄表示装置9と、第2特別図柄表示装置10とが配置されている。
【0030】
交互振分式始動口装置13の右上方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、交互振分式始動口装置13の左側には第1左入賞口31、第2左入賞口32と第3左入賞口33に設けられている。そして、大入賞口14の右方には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0031】
交互振分式始動口装置13(所謂エイトチャッカー)について、
図3を用いて説明する。
図3(a)に示すように、交互振分式始動口装置13は入口104、交互振分式始動口装置13の左通路100a、交互振分式始動口装置13の右通路100b、振分装置101、第1始動口11、第2始動口15及び排出口102(排出口102a、102b、102c)から構成されている。なお、第1始動口11は交互振分式始動口装置13の左通路100aの下方に配置されている。また、第2始動口15は交互振分式始動口装置13の右通路100bの下方に配置されている。
【0032】
図3(b)のように、遊技球Bが入口104から交互振分式始動口装置13の内部に入球すると、第2始動口15側に傾いた状態の振分装置101が遊技球Bの重さによって、
図3(c)に示すように、振分装置101の傾きが第1始動口11側へと変更される。これにより、遊技球は交互振分式始動口装置13の左通路100aへと振り分けられて、左通路100aの下方に配置されている第1始動口11側へと流下する。その後、遊技球Bは第1始動口11に入球するか又は、排出口102b、排出口102cから排出されることになる(
図3(d))。
【0033】
その後、
図3(e)に示すように、新たな遊技球Bが交互振分式始動口装置13の入口104に入球すると、第1始動口11側に傾いた状態の振分装置101が遊技球Bの重さによって、
図3(f)に示すように、振分装置101の傾きが第2始動口15側へと変更される。
これにより、遊技球Bは交互振分式始動口装置13の右通路100bへと振り分けられて、右通路100bの下方に配置されている第2始動口15側へと流下する(
図3(g))。その後、遊技球Bは第2始動口15に入球するか又は、排出口102a、排出口102cから排出されることになる。
以上の構成により、遊技球が第1始動口11又は第2始動口15へと交互に入球することもあり得る。なお、本図例の遊技盤1の交互振分式始動口装置13に代えて、排出口102(排出口102a、102b、102c)が設けられていない交互振分式入球口装置を備える構成にしてもよい。交互振分式始動口装置13の排出口102の代わりに、アウト口、入賞口などを設ける構成してもよい。また、本実施例では交互振分式始動口装置13の入口104から入球した遊技球は、左通路100a又は右通路100bへ振り分けられて第1始動口11又は第2始動口15側へと流下する構成としたが、これに限定されない。例えば、交互振分式始動口装置に3つの通路を備えた構成とし、3つの通路のうちの一つの通路の下方に第1特別図柄に対応する始動口、二つ目の通路の下方に普通図柄に対応する始動口、残りの通路の下方に第2特別図柄に対応する始動口を配置し、交互振分式始動口13の入口104に入球した遊技球を順番に3つの通路のうちの一つの通路に振り分けていく構成としてもよい。
【0034】
本実施例の入口104から入球した遊技球を交互に第1始動口11又は第2始動口15に振り分ける交互振分式始動口装置13をパチンコ機50に搭載することで、第1特別図柄、第2特別図柄の保留記憶が交互に記憶される確率が高くなり、通常時に第1保留記憶に基づいて当否判定を行うよりも、第1保留記憶と第2保留記憶に基づいて当否判定を行うほうが、保留記憶が途切れ難いという特有の効果を持つことができる。
そのため、交互振分式始動口装置13により交互に第1始動口11又は第2始動口15に遊技球が入球することで、主制御装置80から第1特別図柄の保留記憶に基づく第1先読み判定コマンドと、第2特別図柄の保留記憶に基づく第2先読み判定コマンドとが交互にサブ統合制御装置83に送信される可能性が高くなる。
サブ統合制御装置83は、上述した第1先読み判定コマンドと第2先読み判定コマンドとが受信した順番によって、第1先読み演出モードフラグ又は第2先読み演出モードフラグをセットする。なお、前回に第1先読み判定コマンドを受信し、今回受信した先読み判定コマンドが第2先読み判定コマンドである場合には、第1先読み演出モードフラグをセットする。また、前回に第2先読み判定コマンドを受信し、今回受信した先読み判定コマンドである場合には、第2先読み演出モードフラグをセットする。
そして、セットされた先読み演出モードフラグに応じて先読み演出モードを設定し、各先読み演出モード中に実行する先読み演出が異なる。詳しい内容については、後述する。
【0035】
図3に戻る。第2始動口12の右上方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33が設けられている。また、大入賞口14の右方には、右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0036】
パチンコ機の裏面は
図4に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(
図5も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0037】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図4では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0038】
このパチンコ機の電気的構成は、
図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0039】
なお、電源基板85は、コンデンサを含み構成されたバックアップ電源生成回路によりバックアップ電源を生成する構成となっており、バックアップ電源は、主制御装置80のRAMへと供給される。これにより、主制御装置80のRAMのバックアップを行うことができ、パチンコ機50への電源供給が停止した後も、一定時間にわたり電源供給が停止した直前の主制御装置80のRAMの内容(例えば、パチンコ機50の遊技状態など)を保持する構成となっている。
【0040】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、第2始動口15に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ15a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ34a等の検出信号が入力される。
【0041】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0042】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0043】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0044】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0045】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0046】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0047】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0048】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。 また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
【0049】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
【0050】
メインルーチンを
図6に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0051】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0052】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0053】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0054】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0055】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。なお、通常確率状態時で大当りと判定される値の数は10で、値は「775」〜「777」「1775」〜「1777」「2774」〜「2777」であり、高確率状態時に大当りと判定される値の数は100で、値は「758」〜「777」「1314」〜「1333」「1758」〜「1777」「2758」〜「2777」「3314」〜「3333」である。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0056】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態(低確率遊技状態ともいう)では31〜40、高確率状態(高確率遊技状態ともいう)では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0057】
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
【0058】
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0059】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12と第2始動口15の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12又は第2始動口15に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11で4個、第2始動口12及び第2始動口15で4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11、第2始動口12又は第2始動口15に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0060】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0061】
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0062】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図6に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0063】
S50の入賞確認処理は
図7に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0064】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させ(S110)、S111へと移行する。なお、S110では、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ、第1保留記憶に記憶された保留個数を示す保留個数コマンドが送信される。そして、サブ統合制御装置83が該保留個数コマンドを受信し、演出図柄表示装置6で第1保留記憶に対応する保留図柄を表示する。
【0065】
S111の第1先読み判定処理では、第1特別図柄の保留記憶に記憶された当否判定用乱数が大当りに対応するものか否かを判定している。なお、大当りに対応するものであると判定した場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ、大当り判定を示す先読み判定コマンドが送信される。大当りに対応するものでもないと判定された場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ、ハズレ判定を示す先読み判定コマンドが送信される。なお、先読み判定コマンドは、前述した保留個数コマンドと合体して1つのコマンドとして送信する構成でも良い。送信タイミングが同一であり、保留図柄で演出を行う場合は関連性も高いため好適である。その後、S115へ移行する。
【0066】
既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS115へと移行する。
【0067】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS115に進み、第2始動口スイッチ12a又は第2始動口スイッチ15aの検出信号に基づいて、第2始動口12又は第2始動口15に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S115:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S120)。
【0068】
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させ(S125)、S126へと移行する。なお、S125では、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ、第2保留記憶に記憶された保留個数を示す保留個数コマンドが送信される。そして、サブ統合制御装置83が該保留個数コマンドを受信し、演出図柄表示装置6で第2保留記憶に対応する保留図柄を表示する。
【0069】
S126の第2先読み判定処理では、第2特別図柄の保留記憶に記憶された当否判定用乱数が大当りに対応するものか否かを判定している。なお、大当りに対応するものであると判定した場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ、大当り判定を示す先読み判定コマンドが送信される。大当りに対応するものでもないと判定された場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ、ハズレ判定を示す先読み判定コマンドが送信される。なお、先読み判定コマンドは、前述した保留個数コマンドと合体して1つのコマンドとして送信する構成でも良い。送信タイミングが同一であり、保留図柄で演出を行う場合は関連性も高いため好適である。その後、本処理を終了(リターン)する。
【0070】
既に4個の第2保留記憶があれば(S120:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12又は第2始動口15に遊技球が入球していない場合(S115:no)も、本処理を終了する。
【0071】
図8〜
図11に示す当否判定処理では、先ず、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S150)。S150の判定が否定判断で(S150:no)、特別図柄が変動中でなく(S155:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S160:no)、保留記憶が有るか否か判定する(S165)。なお、特別電動役物が作動中である場合(S150:yes)又は保留記憶がない場合(S165:no)には、特別遊技処理へと移行する。
【0072】
この保留記憶が有れば(S165:yes)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する(S170)。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態であることを意味する。また、確変フラグが0であれば、通常確率状態(低確率遊技状態)である。肯定判断、即ち高確率遊技状態であれば(S170:yes)、高確率遊技状態中の処理を行うが、高確率遊技状態では上述した当否判定時の確率が異なるだけとなり従来技術と何ら変わらないため、説明は割愛する。
【0073】
S170が否定判定、即ち通常遊技状態の場合には(S170:no)、保留記憶のシフト処理を行う(S175)。これにより最も古い(保留記憶されてから最も時間が経過している)第1又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
【0074】
その後、大当り決定用乱数比較処理(S180)では、当否判定の対象とした保留記憶から読み込んだ大当り決定用乱数と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、決定対象の乱数が当否判定テーブル内容の当り値と一致するかを比較する。なお、当否判定時の遊技状態が通常遊技状態(確変フラグ「0」)であれば、通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率遊技状態(確変フラグ「1」)であれば、高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
読み込んだ大当り決定用乱数が高確率用の当否判定テーブルに記録されている当り値と比較する場合には、当り値の数は100で、758〜777、1314〜1333、1758〜1777、2758〜2777、3314〜3333である。つまり当たり確率は1/39.67となる。読み込んだ大当り決定用乱数を通常確率用の当否判定テーブルに記録されている当り値と比較する場合には、当り値の数は10で、775〜777、1775〜1777、2774〜2777である。つまり、当り確率は1/396.7となる。なお、本実施例においては、大当り確率はこれらの概数(通常時は1/400、高確率状態(確変)は1/40)にて表示している。そして大当り後に高確率状態になる割合は70%と設定されている。
【0075】
図9のS200において、主制御装置80は、S180の比較に基づき、大当りか否かを判定し、肯定判定であれば(S200:yes)、大当り図柄決定用乱数によって大当り図柄を決定する(S205)。その後、変動パターン決定処理(S210)に移行する。変動パターン決定処理では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。
【0076】
変動パターン決定処理を行った後に、大当り設定処理を行い(S215)、その後S235へ移行する。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無、開放延長状態に移行するのか等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する。
【0077】
S200において外れと判定された場合には(S200:no)、ハズレ図柄を決定する(S220)。その後、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S225)、ハズレ設定処理(S230)を行い、S235に合流する。S230のハズレ設定処理では、時短回数と確変回数を減算する処理を行う。
【0078】
S215又はS230に続いて、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S235)、特別遊技処理に移行する。なお、サブ統合制御装置83は、受信した変動開始コマンドをもとに、複数種類ある演出の中から演出図柄表示装置6で表示させる演出を決定する。その後、演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。演出図柄表示装置6では、変動パターンに基づいた演出表示を実行し、遊技者に当りであるか外れであるかの様々な予告やリーチ演出を表示する。遊技者はこの予告やリーチ演出を見ることで、当りに対する期待度を把握することが可能となっている。
【0079】
図7のS155において特別図柄が変動中(S155:yes)と判定された場合には、
図10のS300に移行し、図柄変動時間(S210又はS225の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判定の場合には(S300:no)、そのまま特別遊技処理に移行する。肯定判定の場合には(S300:yes)、確定図柄表示処理(S305)を行なってから特別遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0080】
図7のS160において確定図柄を表示中と判定された場合には(S160:yes)、
図11のS350に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S350:no)は、特別遊技処理を行う。肯定判定の場合は(S350:yes)、確定図柄の表示を終了し(S355)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S360)。肯定判断された場合(S360:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S365)。確変フラグが1であれば(S365:yes)、S370にて確変フラグを0にし、S375に移行する。確変フラグが1でなければ(S365:no)、そのままS375に移行する。S375では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S375:yes)、S380にて時短フラグを0にし、S390へ移行する。また、時短フラグが1でなければ(S375:no)、そのままS390へ移行する。
【0081】
S390では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、現在の遊技状態が開放延長状態(開放延長機能の作動時)又は非開放延長状態(開放延長機能の未作動時)であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、S395へと移行する。
【0082】
S395では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS400にて役物連続作動装置を作動させ、大当り遊技開始処理(S405)を行なう。大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り遊技開始処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。なお、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報を受信したサブ統合制御装置83は、セットされている第1先読み演出モードフラグ又は第2先読み演出モードフラグをリセット、各フラグに応じて設定された先読み演出モードは終了となる。そのため、大当り遊技の終了後には、当該フラグに応じた先読み演出モードは設定されない。
【0083】
S360で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は(S360:no)、確変フラグが1か否かを判定し(S410)、1であれば(S410:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S415)。確変回数が0であれば(S415:yes)、S420にて確変フラグを0にしてS425に進む。確変フラグが1でないとき(S410:no)又は確変回数が0ではないときは(S415:no)、そのままS425に移行する。
S425では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S425:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S430)。時短回数が0であれば(S430:yes)、S435にて時短フラグを0にして、S440へ移行する。時短フラグが1でないとき(S425:no)又は時短回数が0ではないとき(S430:no)はそのままS440に移行する。
【0084】
S440では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、開放延長状態中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理を実行する。
本実施例の場合、当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。その後、S441へ移行する。
【0085】
S441において、主制御装置83は第1特別図柄に対応する第1保留記憶数及び第2特別図柄に対応する第2保留記憶が記憶されていないかを判定する(S441)。第1保留記憶又は第2保留記憶で保留記憶が記憶されている場合には(S441:no)、リターンとなる。一方、第1保留記憶及び第2保留記憶が記憶されていなければ(S441:yes)、S445に移行する。S445において、主制御装置80はサブ統合制御装置83に待機コマンドを送信し、そのままリターンとなる。本実施例では、第1保留記憶及び第2保留記憶が無い場合に(S441:yes)、待機コマンド送信処理(S445)により待機コマンドを送信される構成となっている。しかし、これに限定されることはなく、第1保留記憶及び第2保留記憶が記憶されているか否かにかかわらず、特別図柄がハズレ図柄で停止する毎に主制御装置80からサブ統合制御装置83に待機コマンドを送信される構成としてもよい。なお、待機コマンドを受信し、遊技者が発射ハンドル64を回動操作して遊技球を遊技領域3へと打ちだして第1始動口11、第2始動口12又は第2始動口15へと入球することで行われる遊技を止めた後に、ある程度の時間が経過すると、待機中であることを示し、機種名など示すタイトル画面を示す待機画面が演出図柄表示装置6の画面に表示される。
【0086】
図12に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中でない場合(S500:no)は、そのままリターンとなる。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了する。なお、大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過していない場合には(S520:no)、そのまま特別遊技処理をと終了する。
【0087】
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S505:yes)、
図13のS550に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する(S550)。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S550:yes)には、S560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)には、S555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、16ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。無論、これらの秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
【0088】
図12のS510でインターバル中であると判定された場合は(S510:yes)、
図13のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0089】
図12のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S515:yes)、
図14のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。否定判定の場合には(S600:no)、そのままリターンとなる。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、S215で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S615)。確変に移行する場合(S615:yes)は、確変回数を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。なお、確変回数は10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。
【0090】
S630では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S630:yes)は、時短回数を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S645)を行ない、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S650)して特別遊技処理を終了する。
S635で設定する時短回数は、通常大当りでは100回であるが、確変大当りにおいては10000回が設定され、実質的に次回の大当りまでの時短の継続を保証する。時短フラグを1にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物12の開放延長機能をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。
【0091】
S645において、主制御装置80は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S650)して特別遊技処理を終了する。
【0092】
図15を用いて、サブ統合制御装置83が行う先読み演出モード設定処理について説明する。
まず、サブ統合制御装置83は先読み判定コマンド(第1、第2先読み判定コマンド)を受信したか否かを判定する(S700)。否定判定の場合には(S700:no)、そのまま本処理を終了(リターン)となる。また、肯定判定の場合には(S700:yes)、パチンコ機50の遊技状態が低確率遊技状態及び非開放延長状態中であるか否かを判定する(S705)。低確率遊技状態及び非開放延長状態ではない場合には(S705:no)、
図16のS750へ移行する。また、低確率遊技状態及び非開放延長状態である場合には(S705:yes)、S710へと移行する。S710において、第1先読み演出モードフラグ及び第2先読み演出モードフラグのうちのいずれか一方が「1」にセットされているか否かを判定する(S710)。いずれか一方の先読み演出モードフラグが「1」にセットされている場合には(S710:yes)、そのままリターンとなる。また、第1先読み演出モードフラグ及び第2先読み演出モードフラグのうちのいずれも「1」にセットされていない場合には(S710:no)、S715において、サブ統合制御装置83は受信した先読み判定コマンドを参照し(S715)、S720へ移行する。S720において、サブ統合制御装置83は、受信した先読み判定コマンドの順番が、前回受信した先読み判定コマンドが第1先読み判定コマンドで今回受信した先読み判定コマンドが第2先読み判定コマンドである(以下、順番Aともいう)か否かを判定する(S720)。肯定判定の場合には(S720:yes)、第1先読み演出モードフラグを「1」にセットし(S725)、第1先読み演出モードに設定し(S730)、そのままリターンとなる。なお、第1先読み演出モードが設定されると、第1先読み演出モード中に連続予告演出を実行する。
受信した先読み判定コマンドの順番が順番Aではない場合には(S720:no)、サブ統合制御装置83は、受信した先読み判定コマンドの順番が、前回受信した先読み判定コマンドが第2先読み判定コマンドで今回受信した先読み判定コマンドが第1先読み判定コマンドである(以下、順番Bともいう)であるか否かを判定する(S735)。否定判定の場合には(S735:no)、
図16のS750へ移行する。肯定判定の場合には(S735:yes)、第2先読み演出モードフラグを「1」にセットし(S740)、第2先読み演出モードに設定し(S745)、そのままリターンとなる。なお、第2先読み演出モードが設定されると、第2先読み演出モード中に保留予告演出を実行する。
【0093】
S705において否定判定の場合、即ちパチンコ機50の遊技状態が高確率遊技状態又は/及び開放延長状態である場合(S705:no)及びS735において否定判定の場合には(S735:no)、受信した先読み判定コマンドが第1先読み判定コマンドであるか否かを判定する(S750)。第1先読み判定コマンドを受信したと判定した場合には(S750:yes)、第1先読み演出決定処理(S755)にて第1先読み判定コマンドに応じた先読み演出を決定し、本処理は終了となる。また、第2先読み判定コマンドを受信したと判定した場合には(S750:no)、第2先読み演出決定処理(S760)にて第2先読み判定コマンドに応じた先読み演出を決定し、リターンとなる。
【0094】
低確率遊技状態及び非開放延長状態中に第1先読み演出モード又は第2先読み演出モードを設定する構成となっているため、上述したように、パチンコ機50の遊技状態が高確率又は/及び開放延長状態である場合には、第1先読み判定コマンド又は第2先読み判定コマンドに応じた先読み演出を実行する構成となっている。
【0095】
第1、第2先読み演出モードフラグのクリア契機に関して、
図17に示すサブ統合制御装置83が行う先読み演出モードフラグクリア処理1のフローチャートを用いて説明する。
先ず、S800においてサブ統合制御装置83は第1先読み演出モードフラグ及び第2先読み演出モードフラグのうちのいずれかのフラグが「1」にセットされているか否かを判定する(S800)。否定判定の場合には(S800:no)、そのまま終了となる。また、肯定判定の場合には(S800:yes)、主制御装置80から送信された待機コマンドを受信したか否かを判定する(S805)。否定判定の場合には(S805:no)、そのまま終了となる。肯定判定の場合には(S805:yes)、待機コマンドを受信してから所定時間(例えば、5秒)を経過したか否かを判定する(S810)。否定判定の場合には(S810:no)、そのままリターンとなる。肯定判定の場合には(S810:yes)、第1先読み演出モードフラグが「1」にセットされているか否かを判定する(S815)。否定判定の場合には(S815:no)、第2先読み演出モードを終了させ(S820)、第2先読み演出モードフラグを「0」にし(S825)、リターンとなる。また、肯定判定の場合には(S800:yes)、第1先読み演出モードを終了させ(S830)、第1先読み演出モードフラグを「0」にし(S835)、リターンとなる。なお、待機コマンドは、図柄の確定表示時間が経過すると毎回送信される構成でも良いし、確定表示時間が終了したときに保留記憶が無い時に送信される構成でも良い。毎回送信される構成ならば、サブ統合制御装置83の方で待機コマンドを受信してから所定時間経過しても特図変動開始コマンドを受信しない場合にデモ画面を表示したり、特別演出したり、機種により異なるプログラムが用いられるサブ統合制御装置83で機種毎の対応を組むことができる。待機コマンドは、保留記憶がない場合に送信される構成ならば、主制御装置80にてデモ表示などの実行の可否を指示することができようになる。
【0096】
次に、
図18から
図22を用いて、本実施例のパチンコ機50での遊技中に演出図柄表示装置6の画面に表示される演出画面を例示しながら、演出の具体例について説明する。
【0097】
図18は、特別図柄の変動中に演出図柄表示装置6の画面に表示される演出態様の一例を示す。
図18(a)は、第1特別図柄の変動中に演出図柄表示装置6の画面に表示される演出態様の一例を示す。演出図柄表示装置6の画面中央には演出図柄表示領域94が表示されている。演出図柄表示領域94には、変動中の第1特別図柄又は第2特別図柄に対応して左演出図柄91、中演出図柄92と右演出図柄93が変動し停止することで、遊技者に大当り又はハズレとなったことを報知する。
演出図柄表示装置6の画面の右下方には、第4図柄表示領域98が表示されている。第4図柄表示領域98には、左側領域98aと右側領域98bとがある。第1特別図柄の変動中であれば第4図柄表示領域98の左側領域98aが点灯するが右側領域98bは消灯のままである。また、第2特別図柄の変動中であれば、第4図柄表示領域98の右側領域98bが点灯するが、左側領域98aは消灯のままである。なお、
図18(a)では、第4図柄表示領域98の左側領域98aが点灯しているため、第1特別図柄に対応した演出図柄の演出変動であることを示している。
そして、演出図柄表示装置6の画面に表示されている演出図柄表示領域94の下方には、保留記憶数表示領域99が表示されている。本図例の保留記憶数表示領域99には、保留図柄は表示されていない。しかし、第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特別図柄に対応する保留図柄(以下、特1保留図柄ともいう)が表示される。また、第2始動口12又は第2始動口15に遊技球が入球すると、第2特別図柄に対応する保留図柄(以下、特2保留図柄ともいう)が表示されることになる。本実施例では、第1特別図柄に対応する保留図柄の通常の表示態様は白色の丸で、第2特別図柄に対応する保留図柄の通常の表示態様は黒色の丸となっている。
【0098】
図18(b)は、第2特別図柄の変動中に演出図柄表示装置6の画面に表示される演出態様の一例を示す。演出図柄表示装置6の画面の右下方に表示されている第4図柄表示領域98では、右側領域98bが点灯している。その場合、第2特別図柄が変動中であることを報知している。また、第2特別図柄に対応した左演出図柄91が「7」、中演出図柄92が変動中と右演出図柄93が「3」で停止している。
【0099】
図19及び
図20を用いて、第1先読み演出モード中に演出図柄表示装置6の画面に表示される演出態様の一例を示す。
図19(a)は、先読み演出モードへと移行する前に、演出図柄表示装置6の画面に表示された演出態様を示す。
図19(a)に示す演出図柄表示装置6の画面の右下方に表示された第4図柄表示領域98の左側領域98aが点灯しているため、当該演出図柄の変動は第1特別図柄に対応したものであることを報知している。左演出図柄91が「7」及び右演出図柄93が「3」で停止し、中演出図柄92が変動中となっている。演出図柄表示装置6の画面の下方に表示されている保留記憶数表示領域99には、保留図柄が表示されていないことから、保留記憶が記憶されていない。
【0100】
そして、先に第1保留記憶に基づく第1先読み判定コマンドを受信し、第2始動口15に遊技球が入球して第2保留記憶に基づく第2先読み判定コマンド受信したことで、受信した先読み判定コマンドの順番は順番Aとなる。これにより、
図15のS730により第1先読み演出モードが設定され、演出図柄表示装置6の画面に表示された表示態様は、
図19(a)に示す表示態様から
図19(b)に示す表示態様へ移行する。
図19(b)に示すように、演出図柄表示装置6の画面上方には、「第1先読みモード」と表示された表示例が表示されている。当該表示例は、第1先読み演出モードが設定されたことを遊技者に報知している。演出図柄表示装置6の画面右上方には、演出キャラクタ108の「熊の達吉」が表示されている。なお、保留記憶数表示領域99には、特2保留図柄95と特1保留図柄96が表示されている。そして、
図19(c)へと移行すると、左演出図柄91が「7」、中演出図柄92が「4」と右演出図柄93が「3」で停止し、遊技者にハズレであったことを報知している。
【0101】
その後、特2保留図柄95の保留記憶が消化されると、第2特別図柄の変動が開始されて、
図19(d)へ移行する。なお、第4図柄表示領域98の右側領域98bが点灯していることから、第2特別図柄が変動中であることを示す。左演出図柄91、中演出図柄92及び右演出図柄93が変動中となっている。保留記憶数表示領域99では、特2保留図柄95が消え、特1保留図柄96が左側へと移行している。そして、新たに特2保留図柄97及び特1保留図柄98が表示されていることから、遊技球が第1始動口11に入球し、続いて遊技球が第2始動口15にしたことになる。演出図柄表示装置6の画面に表示されている演出キャラクタ108の左方には、表示例109が表示されている。当該表示例109は予告演出である。当該予告演出は先読み演出である。その後、
図19(e)へと移行する。
図19(e)に示す演出図柄表示装置6の画面には、左演出図柄91が「2」、中演出図柄92が「3」及び右演出図柄93が「4」で停止しており、ハズレとなったことを遊技者に報知している。なお、保留記憶数表示領域99には、特1保留図柄96、特2保留図柄97、特1保留図柄98、特2保留図柄105と特1保留図柄106が表示されている。
【0102】
その後、特1保留図柄96の保留記憶が消化されると、第1特別図柄の変動が開始され、
図19(f)に移行する。左演出図柄91、中演出図柄92及び右演出図柄93が変動中となっている。なお、第4図柄表示領域98の左側領域98aが点灯していることから、第1特別図柄が変動中であることを示す。保留記憶数表示領域99では、特1保留図柄96が消え、特2保留図柄97、特1保留図柄98、特2保留図柄105と特1保留図柄106が左側へと移行する。そして、演出図柄表示装置6の画面に表示されている演出キャラクタ108の左方には、表示例110が表示されている。当該表示例110は予告演出である。当該予告演出は先読み演出である。その後、
図20(a)へと移行する。
【0103】
図20(a)に示す演出図柄表示装置6の画面には、左演出図柄91が「7」、中演出図柄92が「4」及び右演出図柄93が「3」で停止しており、ハズレとなったことを遊技者に報知している。なお、保留記憶数表示領域99には、特2保留図柄97、特1保留図柄98、特2保留図柄105、特1保留図柄106と特2保留図柄107が表示されている。
【0104】
その後、特2保留図柄97の保留記憶が消化されると、第2特別図柄の変動が開始され、
図20(b)に移行する。左演出図柄91、中演出図柄92及び右演出図柄93が変動中となっている。なお、第4図柄表示領域98の右側領域98bが点灯していることから、第2特別図柄が変動中であることを示す。保留記憶数表示領域99では、特2保留図柄97が消え、特1保留図柄98、特2保留図柄105、特1保留図柄106と特2保留図柄107が左側へと移行する。そして、演出図柄表示装置6の画面に表示されている演出キャラクタ108の左方には、表示例111が表示されている。当該表示例111は予告演出である。当該予告演出は先読み演出である。その後、
図20(c)へと移行する。
【0105】
図20(c)に示す演出図柄表示装置6の画面には、左演出図柄91が「2」、中演出図柄92が「4」及び右演出図柄93が「3」で停止しており、ハズレとなったことを遊技者に報知している。なお、保留記憶数表示領域99には、特1保留図柄98、特2保留図柄105、特1保留図柄106と特2保留図柄107が表示されている。
【0106】
その後、特1保留図柄98の保留記憶が消化されると、第1特別図柄の変動が開始され、
図20(d)に移行する。左演出図柄91、中演出図柄92及び右演出図柄93が変動中となっている。保留記憶数表示領域99では、特1保留図柄98が消え、特2保留図柄105、特1保留図柄106と特2保留図柄107が左側へと移行する。なお、第4図柄表示領域98の左側領域98aが点灯していることから、第1特別図柄が変動中であることを示す。そして、
図20(e)へと移行すると、左演出図柄91及び右演出図柄93が「7」で停止し、中演出図柄92が変動中となっており、リーチ状態であることを報知している。その後、
図20(f)に移行すると、左演出図柄91、中演出図柄92及び右演出図柄93が「7」で停止し、遊技者に大当りとなったことを報知している。
図19(d)に示した予告演出109、
図19(f)に示した予告演出110及び
図20(b)に示した予告演出111は、特1保留図柄98の保留記憶に応じて実行された連続予告演出である。本実施例の第1先読み演出モード中に実行される先読み演出は記憶されている保留記憶に基づいた連続予告演出である。
【0107】
次に、
図21を用いて、
図15に示すS745により第2先読み演出モードが設定される場合に演出図柄表示装置6の画面に表示される表示例について説明する。なお、第2先読み演出モード中に実行される先読み演出は、保留図柄の表示態様を変更する保留予告演出である。
【0108】
図21(a)は、先読み演出モードへと移行する前に、演出図柄表示装置6の画面に表示された演出態様を示す。
図21(a)に示す演出図柄表示装置6の画面の右下方に表示された第4図柄表示領域98の右側領域98bが点灯しているため、当該演出図柄の変動は第2特別図柄に対応したものであることを報知している。左演出図柄91が「2」で停止し、中演出図柄92及び右演出図柄93が変動中となっている。演出図柄表示装置6の画面の下方に表示されている保留記憶数表示領域99に、保留図柄が表示されていないことから保留記憶は記憶されていない。
【0109】
そして、先に第2保留記憶に基づく第2先読み判定コマンドを受信し、第1始動口11に遊技球が入球して第1保留記憶に基づく第1先読み判定コマンド受信したことで、受信した先読み判定コマンドの順番が順番Bとなる。そして、
図15のS745により第2先読み演出モードが設定されると、演出図柄表示装置6の画面に表示された表示態様は、
図21(a)に示す表示態様から
図21(b)に示す表示態様へ移行する。演出図柄表示装置6の画面に表示された保留記憶数表示領域99には、特1保留図柄95と特2保留図柄96が表示されている。
図21(b)に示すように、演出図柄表示装置6の画面上方には、「第2先読みモード」と表示された表示例が表示されている。当該表示例は、第2先読み演出モードが設定されたことを遊技者に報知している。演出図柄表示装置6の画面右上方には、演出キャラクタ108の「熊の達吉」が表示されている。そして、
図21(c)へと移行すると、左演出図柄91及び右演出図柄93が「2」で停止し、右演出図柄93が変動中であることからリーチ状態である。なお、保留図柄記憶数表示領域99には、新たに特1保留図柄97が追加表示されていることから、第1始動口11に遊技球が入球したことがわかる。
【0110】
その後、
図21(d)に示すように、左演出図柄91が「2」、中演出図柄92が「3」、右演出図柄93が「2」で停止しており、遊技者にハズレとなったことを報知している。そして、特1保留図柄95の保留記憶が消化されて第1特別図柄が変動を開始すると、
図21(f)へと移行する。保留図柄記憶数表示領域99には、特2保留図柄96、特1保留図柄97、特2保留図柄105及び特1保留図柄106が表示されている。なお、特1保留図柄106の表示態様は特1保留図柄97とは表示態様が異なっている。特1保留図柄97の表示態様は白い丸であるが、特1保留図柄106の表示態様は、白い丸の中心に星のマークが表示されており、通常の第1特別図柄に対応する保留図柄の表示態様とは異なる。特1保留図柄の表示態様を通常の保留図柄の表示態様と異ならせる保留予告演出を実行することで、第1保留図柄106に対応する保留記憶が大当りと判定される可能性が通常の保留記憶よりも高いことを遊技者に報知している。
【0111】
次に、
図22を用いて、
図15のS730又はS745において先読み演出モードを設定した後に先読み演出モードから通常の演出表示へと移行するまでの演出表示の表示例について説明する。
図22(a)は、
図15のS730において第1先読み演出モードを設定された後に、保留記憶が記憶されていない状態での演出図柄表示装置6の画面に表示される演出表示例である。
図22(a)に示すように、左演出図柄91が「2」、中演出図柄92が「3」と右演出図柄93が「2」で停止しており、ハズレとなったことを報知している。そして、演出図柄表示装置6の画面下方に表示されている保留記憶数表示領域99には保留図柄が表示されていないことから、第1特別図柄に対応する保留記憶及び第2特別図柄に対応する保留記憶が記憶されていないことがわかる。また、演出図柄表示装置6の画面左下方に表示されている第4図柄表示領域98では、左側領域98a及び右側領域98bの表示領域が点灯していないため、第1特別図柄及び第2特別図柄が停止していることがわかる。
【0112】
また、
図22(b)は、
図15のS745において第2先読み演出モードを設定された後に、保留記憶が記憶されていない状態での演出図柄表示装置6の画面に表示される演出表示例である。
図22(b)に示すように、左演出図柄91が「2」、中演出図柄92が「3」と右演出図柄93が「2」で停止しており、ハズレとなったことを報知している。そして、演出図柄表示装置6の画面下方に表示されている保留記憶数表示領域99には保留図柄が表示されていないことから、第1特別図柄に対応する保留記憶及び第2特別図柄に対応する保留記憶が記憶されていないことがわかる。また、演出図柄表示装置6の画面左下方に表示されている第4図柄表示領域98では、左側領域98a及び右側領域98bの表示領域が点灯されていないため、第1特別図柄及び第2特別図柄が停止していることがわかる。
【0113】
本実施例では、特別図柄でハズレ図柄が停止し、保留記憶(第1保留記憶及び第2保留記憶)が記憶されていない場合に主制御装置80からサブ統合制御装置83へ待機コマンドが送信される。待機コマンドを受信した後に所定の時間(例えば、5秒)を経過すると、
図22(a)及び
図22(b)に示す演出表示から、
図22(c)に示す演出表示へと変更する。
図22(c)に示すように、演出図柄表示装置6の画面上方には「第1先読みモード」又は「第2先読みモード」といった表示例は表示されていない。よって、第1先読み演出モード又は第2先読み演出モードは終了して、通常の演出表示へと移行したことがわかる。
【0114】
図15の第1先読み演出モード設定処理(S730)にて第1先読み演出モードが設定されると、演出図柄表示装置6の画面にて先読み演出を行う(
図19及び
図20を参照)。また、
図15の第2先読み演出モード設定処理(S745)にて第2先読み演出モードが設定されると、演出図柄表示装置6の画面にて先読み演出を行わられる(
図21を参照)。本実施例のパチンコ機50は、第1先読み演出モード又は第2先読み演出モードへと移行した後に、特別図柄(第1、第2特別図柄)の変動回数が所定回数に達すること条件に、設定された先読み演出モードを第1先読み演出モード及び第2先読み演出モードとは異なる先読み演出モードへ変更する。
図23(a)に示す演出表示は、第1先読み演出モードへ移行した後に、特別図柄(第1、第2特別図柄)の変動回数が所定回数に達すること条件に、「第1達吉先読み演出モード」へと移行するになる。また、
図23(b)に示す演出表示は、第2先読み演出モードへ移行した後に、特別図柄(第1、第2特別図柄)の変動回数が所定回数に達すること条件に、「第2達吉先読み演出モード」へと移行するになる。
【0115】
なお、特別図柄の変動回数が所定回数に達することを条件とするだけでなく、例えば、設定中の先読み演出モードに対応する先読み演出モードフラグをセットした数が所定回数に達したことを条件としてもよい。この場合、交互振分式始動口装置13を備えたことで生じる特有の条件とすることができる。また、第2先読み演出モード中に実行する保留予告演出なら、先読み図柄が表示された回数であってもよい。この場合、保留予告演出が実行されるは不定であるため、どのタイミングで先読み演出モードが達吉先読み演出モードへと移行するか遊技者に認識させ難くなる。また、サブ統合制御装置83が先読み判定コマンドを受信した回数であってもよい。また、設定された先読み演出モードでの経過時間を条件とする構成であってもよい。
【0116】
図23(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面上方には、「第1達吉先読みモード」と表示されている。第1達吉先読み演出モードへと移行すると、第1先読み演出モードにて実行していた連続予告演出よりも、精度が高い連続予告演出を実行されることになる。また、第1達吉先読み演出モード中での連続予告演出の内容が豊富となり、演出内容自体も第1先読み演出モード中での連続予告演出の内容が変わっている。
【0117】
図23(b)に示すように、演出図柄表示装置6の画面上方には、「第2達吉先読みモード」と表示されている。第2達吉先読み演出モードへと移行すると、第2先読み演出モードにて実行していた保留図柄を用いた先読み演出よりも、精度が高い保留図柄を用いた先読み演出を実行されることになる。また、第2達吉先読み演出モード中での先読み演出の内容は、第2先読み演出モード中での先読み演出の内容とは変わった内容となっている。
図23(b)に示すように、演出図柄表示装置6の画面左下方に表示されている保留記憶数表示領域99には特1保留図柄95及び特2保留図柄96が表示されている。特2保留図柄96の表示態様は、星のマークとなっている。第2先読み演出モード中でも保留図柄を用いた先読み演出でも保留図柄の表示態様が星のマークとなっていたが(
図21(e)を参照)、第2達吉先読み演出モードでの保留図柄を用いた先読み演出での保留図柄の表示態様と異なった星のマークとなっている。
【0118】
上述した弾球遊技機によれば、入口104から入球した遊技球を第1始動口11と第2始動口15とに交互に振り分ける交互振分式始動口装置13を備えたことで、第1保留記憶と第2保留記憶が交互に記憶させる可能性を高くなり、第1保留記憶及び第2保留記憶のうちのいずれか一方の保留記憶に基づく先読み判定コマンドを受信したかによって、サブ統合制御装置83がセットするフラグが第1先読み演出モードフラグか第2先読み演出モードフラグかの違いを生じさせ、サブ統合制御装置83が異なる先読み演出モード(第1先読み演出モード、第2先読み演出モード)設定することができる。これにより、第1先読み演出モード中に先読み演出として連続予告演出(
図19及び
図20を参照)、第2先読み演出モード中に先読み演出として保留図柄を用いた演出(
図21を参照)を実行させることができ、交互振分式始動口13の特徴を利用した先読み演出が実行できる。なお、条件達成により精度の高い先読み演出モード(以降モードと記載)に移行する構成だけでなく、逆に精度の低いモードに移行する構成にしたり、連続できる回数が異なる条件のモードに移行する構成にしたりすることが考えられる。
精度の低いモードに移行する構成ならば、先読み演出のリミッタ機能の代わりに用いることができ、より移行する前(比較して精度の高いモード)の期間に有難みをもって遊技を行なうことができる。
継続条件を異ならせる構成ならば、例えば「継続させたいなら○○を維持しろ。」のように、継続させること自体をミッション演出として遊技者に楽しませることが可能となる。
なお、本実施例では2段階の移行で示したが、更なる複数段階の構成も考えられる。
【0119】
本実施例では、
図15のS745にて設定された第2先読み演出モードでは、第1特別図柄の保留記憶及び第2特別図柄の保留記憶のうちの先読み判定の内容に応じて保留図柄の表示態様を変化させる先読み演出を行う構成となっていたが、これに限定されることはなく、下記に記載する構成であってもよい。
図15のS745にて設定された第2先読み演出モード中では、演出ボタン67を操作することで第1特別図柄の保留記憶に対応する先読み演出を行うか、第2特別図柄の保留記憶に対応する先読み演出を行うかを遊技者によって任意的に選択することが可能となる構成としてもよい。上述した構成について、
図24を用いて説明する。なお、
図24では第2先読み演出モード中の説明のみとなっているが、第1先読み演出モードでも遊技者が演出ボタン67を操作して任意的に第1特別図柄の保留記憶に対応する先読み演出を行うか、第2特別図柄の保留記憶に対応する先読み演出を行うかを選択できる構成でもよい。
【0120】
例えば、
図15のS745にて設定された第2先読み演出モードへと移行すると、演出図柄表示装置6の画面には
図24(a)に示す演出表示例が表示される。演出図柄表示装置6の画面の左上方には、「第2先読みモード」が表示されている。演出図柄表示装置6の画面右上方には、演出キャラクタ108の「熊の達吉」が表示されている。演出キャラクタ108の左方には、表示例112が表示されている。当該表示例112には、「ボタンを操作すると先読み対象を変更できるよ!」と表示されている。遊技者は、演出ボタン67を一回操作すると、演出図柄表示装置6の画面に表示された演出表示が
図24(b)に示す演出表示へと変更される。
【0121】
図24(b)に示すように、演出図柄表示装置6の画面左上方には、「第2先読み演出モード特1」と表示されている。当該表示例により、第2先読み演出モード中に実行される先読み演出は、第1特別図柄の保留記憶に対応する先読み演出のみとなる。演出図柄表示装置6の画面右上方には、演出キャラクタ108の「熊の達吉」が表示されている。演出キャラクタ108の左方には、表示例112が表示されている。当該表示例112には、「もう一度ボタンを操作すると先読み対象を特2に変更できるよ!」と表示されている。そして、遊技者は演出ボタン67をもう一回操作すると、演出図柄表示装置6の画面に表示された演出表示が
図24(c)に示す演出表示へと変更される。
【0122】
図24(c)に示すように、演出図柄表示装置6の画面左上方には、「第2先読み演出モード特2」と表示されている。当該表示例により、第2先読み演出モード中に実行される先読み演出は、第2特別図柄の保留記憶に対応する先読み演出のみとなる。演出図柄表示装置6の画面右上方には、演出キャラクタ108の「熊の達吉」が表示されている。演出キャラクタ108の左方には、表示例112が表示されている。当該表示例112には、「もう一度ボタンを操作すると元に戻るよ!」と表示されている。遊技者は演出ボタン67をもう一回操作すると、演出図柄表示装置6の画面に表示された演出表示は、
図24(a)に示す演出表示へ変更される。
【0123】
実施例1の弾球遊技機では、先読み演出モード中に実行される先読み演出の対象を遊技者が選択できない構成となっていた。しかし、上記した構成からなる弾球遊技機によれば、先読み演出モード中に演出ボタン67を操作することで第1保留記憶又は第2保留記憶に対応する先読み判定コマンドの内容を先読み演出の対象とするのかを遊技者の任意で選択することができる。
【0124】
実施例1の弾球遊技機では、例えば、第1先読み演出モードフラグが「1」となると第1先読み演出モードフラグに対応する第1先読み演出モードを設定した後に、第1先読み判定コマンドを受信し、続いて第2先読判定コマンド受信しても第1先読み演出モードフラグがセットされることはないため、先読み演出モードフラグのセット数が蓄積されることはなかった。しかし、特にこれに限定される構成ではない。先読み演出モードを設定した後に、先読み演出モードフラグのセット数が蓄積する構成からなる弾球遊技機であってもよい。その場合に、先読み演出モードフラグのセット数に応じて、先読み演出の精度が異なる構成とすることが考えられる。
【0125】
本実施例では、第1先読み演出モードで実行される先読み演出は連続予告演出で、第2先読み演出モードで実行される先読み演出は保留予告演出となっていたが、各先読み演出モード中に実行される先読み演出が同じでなければ、特に限定されるものではない。
【0126】
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の「遊技盤」が遊技盤1に相当し、本発明の「第1始動口」が第1始動口11に相当し、本発明の「第2始動口」が第2始動口15に相当し、本発明の「保留記憶手段」が
図7の第1抽出乱数保留記憶処理(S110)と第2抽出乱数保留記憶処理(S125)に相当し、本発明の「演出制御手段」がサブ統合制御装置83に相当し、本発明の「先読み判定手段」が
図7の第1先読み判定処理(S111)と第2先読み判定処理(S126)に相当し、本発明の「振分手段」が交互振分式始動口装置13に相当し、本発明の「第1先読みフラグ」が第1先読み演出モードフラグに相当し、本発明の「第2先読みフラグ」が第2先読み演出モードフラグに相当し、本発明の「第1先読み演出モード」が第1先読み演出モードに相当し、本発明の「第2先読み演出モード」が第2先読み演出モードに相当する。
[実施例2]
【0127】
本発明の実施例2について
図25を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
【0128】
実施例1のパチンコ機50では、主制御装置80から送信された待機コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、所定時間を経過すると設定されていた第1、第2先読み演出モードが終了し、第1、第2先読み演出モードフラグが0となると、通常の演出表示へと移行する構成となっていた。
実施例2のパチンコ機50は、主制御装置80から送信された待機コマンドを受信し所定時間を経過することで先読み演出モードから通常の演出表示へと移行する構成と、各先読み演出モード中の特別図柄の変動回数が所定回数に達することを条件に、設定されていた先読み演出モードを終了して通常の演出表示へと移行する構成とを組合せたものとなっている。
【0129】
次に、サブ統合制御装置83が実行する先読み演出モード終了処理2について、
図25に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、S836においてサブ統合制御装置83は先読み演出モード中か否かを判定する(S836)。否定判定の場合には(S836:no)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。また、肯定判定の場合には(S836:yes)、第1先読み演出モード又は第2先読み演出モードのいずれかの先読み演出モードが設定されてから、主制御装置80から送信された特図変動開始コマンドを受信した回数から、特別図柄の変動回数が所定回数に達したか否かを判定する(S837)。所定回数に達していない場合には(S837:no)、そのままリターンとなる。また、所定回数に達した場合には(S837:yes)、第1先読み演出モードフラグが「1」にセットされているか否かを判定する(S838)。第2先読み演出モードフラグが「1」にセットされている場合には(S838:no)、第2先読み演出モードを終了し(S839)、第2先読み演出モードフラグを「0」にし(S840)、そのままリターンとなる。なお、第2先読み演出モードが終了すると、演出図柄表示装置6の画面は、
図18に示す通常の演出表示へと移行する構成となっている。
【0130】
また、第1先読み演出モードフラグが「1」にセットされている場合には(S838:yes)、第1先読み演出モードを終了し(S841)、第1先読み演出モードフラグを「0」にし(S842)、そのままリターンとなる。なお、第1先読み演出モードが終了すると、演出図柄表示装置6の画面は、
図18に示す通常の演出表示へと移行する構成となっている。
【0131】
以上の弾球遊技機によれば、第1先読み演出及び第2先読み演出のうちのいずれか一方の先読み演出での特別図柄の変動回数が所定回数に達することを、一方の先読み演出モードを終了させる条件とすることで、過度に偏って同じ先読み演出モード中に実行される先読み演出が表示されることを防ぐことができる。
【0132】
実施例2の構成を変更した構成からなるパチンコ機50として、主制御装置80から送信された待機コマンドを受信し所定時間を経過することで先読み演出モードから通常の演出表示へと移行する構成と、各先読み演出モード中の特別図柄の変動回数が所定回数に達することを条件に、設定されていた第1先読み演出モード及び第2先読み演出モードのいずれか一方の先読み演出モードを他方の先読み演出へ変更する構成とを組合せた構成としてもよい。当該構成について
図26及び
図27を用いて説明する。なお、本実施例は実施例1及び実施例2と共通点が多いため、異なる点を重点的に説明する。
【0133】
次に、上述した構成のサブ統合制御装置83が実行する先読み演出モード変更処理について、
図26に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、S850においてサブ統合制御装置83は第1先読み演出モード又は第2先読み演出モード中であるか否かを判定する(S850)。否定判定の場合には(S850:no)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。また、肯定判定の場合には(S855:yes)、第1先読み演出モード又は第2先読み演出モードのいずれかの先読み演出モードが設定されてから、主制御装置80から送信された特図変動開始コマンドを受信した回数から、特別図柄の変動回数が所定回数に達したか否かを判定する(S855)。所定回数に達していない場合には(S855:no)、そのままリターンとなる。また、所定回数に達した場合には(S855:yes)、第1先読み演出モードフラグが「1」にセットされているか否かを判定する(S860)。第2先読み演出モードフラグが「1」にセットされている場合には(S860:no)、第2先読み演出モードフラグを「0」とし(S865)、第1先読み演出モードフラグを「1」にセットし(S870)、先読み演出モード変更処理(S875)により第2先読み演出モードから第1先読み演出モードへ変更され、そのままリターンとなる。
【0134】
また、第1先読み演出モードフラグが「1」にセットされている場合には(S860:yes)、第1先読み演出モードフラグを「0」とし(S880)、第2先読み演出モードフラグを「1」にセットし(S885)、先読み演出モード変更処理(S890)により第1先読み演出モードから第2先読み演出モードへ変更され、そのままリターンとなる。
【0135】
図26のフローチャートで示したように、第1先読み演出モード及び第2先読み演出モードのうちのいずれか一方の先読み演出モード中の特別図柄の変動回数が所定回数に達すること条件に、他方の先読み演出モードへと変更する構成となっていたが、これに限定されるものではない。例えば、他方の先読み演出へ変更する際に、他方がフラグ設定条件を満たしていない場合、つまりフラグが「1」に設定されていない場合(
図15を参照)はそのまま終了し、「1」に設定されている場合は上記した変更処理を行なう構成も考えられる。先読み演出を終了させるか他方の先読み演出に変更させるかは、保留記憶の保留数や記憶順番に左右されるため、特に他方の先読み演出に変更したい遊技者は積極的に遊技を行なうことができる。
【0136】
図27を用いて、例えば第1先読み演出モード中に特別図柄の変動回数が所定回数に達し、第2先読み演出モードへと変更するまでの演出図柄表示図柄6の画面に表示される演出表示例の一例を示す。
図27(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面の右上方には、「第1先読みモード」が表示されていることから、第1先読み演出モードが設定されていることになる。左演出図柄91が「7」で、右演出図柄93が「3」で停止し、中演出図柄92が変動中となっている。保留図柄数表示領域99には、特1保留図柄95と特2保留図柄96が表示されている。現在、第4図柄表示領域98の右側領域98bが点灯していることから、第2特別図柄が変動中である。
【0137】
そして、左演出図柄91が「7」で、中演出図柄92が「4」、右演出図柄93が「3」で停止し、ハズレであることを報知している。
第1先読み演出モードでの特別図柄の変動回数が所定回数に達すると、
図27(b)に示す演出表示から
図27(c)に示す演出表示へ移行する。
図27(c)に示すように、保留図柄数表示領域99には特1保留図柄95が消え、特2保留図柄96が左方へと移動している。特1保留図柄の保留記憶が消化されると、左演出図柄91、中演出図柄92及び右演出図柄93が変動を開始する。第4図柄表示領域の左側領域98aが点灯していることから、第1特別図柄が変動中であることがわかる。
図27(c)に示すように、演出図柄表示装置6の画面左上方には、第2先読みモードと表示された表示例が表示されている。これにより、現在の先読み演出モードが第2先読み演出モードであることを遊技者に報知している。なお、本実施例では変更されるタイミングを特に報知していないが、「あと○○回で第2先読みモード開始」等のように予め変更タイミングを報知することが考えられる。このようにすれば、いつ変更されるのか把握しながら遊技することができる。
【0138】
以上の弾球遊技機によれば、第1先読み演出及び第2先読み演出のうちのいずれか一方の先読み演出での特別図柄の変動回数が所定回数に達することを、一方の先読み演出モードから他方の先読み演出モードへと切り替えるための条件とすることで、過度に偏って同じ先読み演出モード中に実行される先読み演出が表示されることを防ぐことができる。
【0139】
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の「先読み演出モードリミッタ手段は」、
図25に示す先読み演出モード終了処理2に相当し、本発明の「先読み演出モード切替手段」が
図26に示す先読み演出モード変更処理1に相当する。
【0140】
実施例2では、各先読み演出モード中での特別図柄の変動回数が所定回数に達することを条件に、設定中の先読み演出モードを終了する構成となっていた。これに限定されることなく、下記に記載する構成であってもよい。
【0141】
実施例1及び実施例2と異なり、第1先読み演出モード及び第2先読み演出モードのいずれか一方の先読み演出モードが設定されたとしても、続いて受信した先読み判定コマンドの順番が当該一方の先読み演出モードに対応する順番であった場合には、当該一方の先読み演出モードに対応する先読み演出モードフラグをセットし、当該フラグのセット数が蓄積する構成とし、蓄積した先読み演出モードフラグが所定数に達することを条件に、設定中の一方の先読み演出モードから他方の先読み演出モードへと変更する構成としてもよい。
【0142】
上述した構成について、
図28から
図32を用いて説明していく。
【0143】
上述した構成からなるパチンコ機50のサブ統合制御装置83が行う先読み演出モード設定処理は、実施例1及び実施例2の先読み演出モード設定処理とは異なる。
図28及び
図29を用いて説明していく。
【0144】
先ず、
図28を用いて第1先読み演出モード設定処理について説明する。先ず、S900においてサブ統合制御装置83は、先読み判定コマンドを受信したか否かを判定する(S900)。否定判定の場合には(S900:no)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。また、先読み判定コマンドを受信した場合には(S900:yes)、パチンコ機50の遊技状態が低確率遊技状態及び非開放延長状態であるか否かを判定する(S905)。高確率遊技状態又は/及び開放延長状態である場合には(S905:no)、そのままリターンとなる。また、低確率遊技状態及び非開放延長状態である場合には(S905:yes)、S906へ移行する。S906において第2先読み演出モードフラグがセットされているか否かを判定する。第2先読み演出モードフラグがセットされている場合には(S906:yes)、そのままリターンとなる。また、第2先読み演出モードフラグが「0」である場合には(S906:no)、S910において先読み判定コマンド参照処理を行い、S915へ移行する。S915において、サブ統合制御装置83は受信した先読み判定コマンドの順番が、前回受信した先読み判定コマンドが第1先読み判定コマンドで今回受信した先読み判定コマンドが第2先読み判定コマンドである(以下、順番Aともいう)か否かを判定する。否定判定の場合には(S915:no)、そのままリターンとなる。サブ統合制御装置83は受信した先読み判定コマンドの組合せが順番Aである場合には(S915:yes)、第1先読み演出モードが設定されているか否かを判定する(S920)。第1先読み演出モードが設定されている場合には(S920:yes)、第1先読み演出モードフラグをセットし(S925)、リターンとなる。また、第1先読み演出モードが設定されていない場合には(S920:no)、第1先読み演出モードフラグを「1」にセットし(S930)、第1先読み演出モード設定処理を行い(S935)、リターンとなる。
【0145】
次に、
図29を用いて第2先読み演出モード設定処理について説明する。先ず、S950においてサブ統合制御装置83は、先読み判定コマンドを受信したか否かを判定する(S950)。否定判定の場合には(S950:no)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。また、先読み判定コマンドを受信した場合には(S950:yes)、パチンコ機50の遊技状態が低確率遊技状態及び非開放延長状態であるか否かを判定する(S955)。高確率遊技状態又は/及び開放延長状態である場合には(S955:no)、そのままリターンとなる。また、低確率遊技状態及び非開放延長状態である場合には(S955:yes)、S956において第1先読み演出モードフラグがセットされているか否かを判定する。第1先読み演出モードフラグがセットされている場合には(S956:yes)、そのままリターンとなる。また、第1先読み演出モードフラグが「0」である場合には(S956:no)、S960において先読み判定コマンド参照処理を行い、S965へ移行する。S965において、サブ統合制御装置83は受信した先読み判定コマンドの順番が、前回受信した先読み判定コマンドが第2先読み判定コマンドで今回受信した先読み判定コマンドが第1先読み判定コマンドである(以下、順番Bともいう)か否かを判定する。否定判定の場合には(S965:no)、そのままリターンとなる。先読み判定コマンドを受信した組合せが、順番Bである場合には(S965:yes)、第2先読み演出モードが設定されているか否かを判定する(S970)。第2先読み演出モードが設定されている場合には(S970:yes)、第2先読み演出モードフラグを「1」にセットし(S975)、リターンとなる。また、第2先読み演出モードが設定されていない場合には(S970:no)、第2先読み演出モードフラグを「1」にセットし(S980)、第2先読み演出モード設定処理を行い(S985)、リターンとなる。
【0146】
次に、
図30を用いて先読み判定コマンドに応じて実行される先読み演出設定処理について説明する。先ず、S1000において、サブ統合制御装置83は先読み判定コマンド(第1、第2先読み判定コマンド)を受信したか否かを判定する(S1000)。否定判定の場合には(S1000:no)、そのまま本処理を終了(リターン)する。また、肯定判定の場合には(S1000:yes)、第1先読み演出モードフラグ又は第2先読み演出モードフラグが「0」であるか否かを判定する(S1005)。第1先読み演出モードフラグ又は第2先読み演出モードフラグがセットされている場合には(S1005:no)、本処理を終了(リターン)する。第1先読み演出モードフラグ及び第2先読み演出モードフラグがセットされていない場合には(S1005:yes)、受信した先読み判定コマンドが第1先読み判定コマンドであったか否かを判定する(S1010)。受信した先読み判定コマンドが第1先読み判定コマンドであった場合には(S1010:yes)、第1先読み判定コマンドに応じた第1先読み演出を決定し(S1015)、リターンとなる。また、受信した先読み判定コマンドが第2先読み判定コマンドであった場合には(S1010:no)、第2先読み判定コマンドに応じた第2先読み演出を決定し(S1020)、リターンとなる。
【0147】
次に、上述した構成からなるパチンコ機50の先読み演出モード終了処理3について、
図31を用いて説明する。
【0148】
S1050において、サブ統合制御装置83は第1先読み演出モードフラグ及び第2先読み演出モードフラグが「0」となっているか否かを判定する(S1050)。肯定判定の場合には(S1050:yes)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。また、第1先読み演出モードフラグ又は第2先読み演出モードフラグのセット数が「1」以上である場合には(S1050:no)、主制御装置80から待機コマンドを受信したか否かを判定する(S1055)。否定判定の場合には(S1055:no)、そのままリターンとなる。また、肯定判定の場合には(S1055:yes)、待機コマンドを受信してから所定時間(例えば、5秒)を経過したか否かを判定する(S1060)。否定判定の場合には(S1060:no)、そのままリターンとなる。また、肯定判定の場合には(S1060:yes)、第1先読み演出モードフラグがセットされているか否かを判定する(S1065)。第2先読み演出モードフラグがセットされている場合には(S1065:no)、第2先読み演出モードを終了し(S1070)、第2先読み演出モードフラグを「0」とし(S1075)、そのままリターンとなる。また、第1先読み演出モードフラグがセットされている場合には(S1065:yes)、第1先読み演出モード終了し(S1080)、第1先読み演出モードを「0」とし(S1085)、そのままリターンとなる。
【0149】
次に、上述した構成からなるパチンコ機50のサブ統合制御装置83が行う先読み演出変更処理について、
図32を用いて説明する。
S1100において、サブ統合制御装置83は第1先読み演出モードフラグ及び第2先読み演出モードフラグが「0」であるか否かを判定する(S1100)。肯定判定の場合には(S1100:yes)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。第1先読み演出モードフラグ又は第2先読み演出モードフラグが「0」ではない場合には(S1100:no)、第2先読み演出モードフラグのセット数が所定数に達したか否かを判定する(S1105)。所定数に達した場合には(S1105:yes)、第2先読み演出フラグを「0」とし(S1110)、第1先読み演出モードフラグを「1」にセットし(S1115)、第2先読み演出モードから第1先読み演出モードへ変更し(S1120)、そのまま終了となる。
【0150】
S1105において、第2先読み演出モードフラグが所定数に達していない場合には(S1105:no)、第1先読み演出モードフラグをセットした数が所定数に達したか否かを判定する(S1125)。所定数に達していない場合には(S1125:no)、そのままリターンとなる。第1先読み演出モードフラグが所定数に達した場合には(S1125:yes)、第1先読み演出モードフラグを「0」とし(S1130)、第2先読み演出フラグを「1」にセットし(S1135)、第1先読み演出モードから第2先読み演出モードへ変更し(S1140)、リターンとなる。
【0151】
図28から
図32を用いて説明した構成からなる弾球遊技機によれば、交互振分式始動口装置13による交互に第1始動口11と第2始動口15とに振り分けるため、第1保留記憶と第2保留記憶が交互に記憶され、第1先読み判定コマンドと第2先読み判定コマンドを交互にサブ統合制御装置83へ送信され、同じ先読み演出モードフラグが蓄積される可能性が高く、蓄積された先読み演出モードフラグのセット数が所定数に達することで別の先読み演出モードへと変更する構成としたことで、交互振分式始動口装置13を備えたことの特有の先読み演出モードの変更条件とすることができる。
【0152】
実施例2では先読み演出モード中での特別図柄の変動回数が所定回数に達することを条件に、設定中の先読み演出モードを終了させる構成とし、又
図26及び
図27で説明した実施例2の構成を変更した構成では特別図柄の変動回数を用いたものとなっていたが、特別図柄の変動回数以外にも他の構成も考えられる。例えば、第2先読み演出モード中に実行する保留予告演出なら、先読み図柄が表示された回数であってもよい。この場合、表示可能回数を予め報知しない構成であれば、保留予告演出が実行されるは不定であるため、どのタイミングで先読み演出モードが変更するか遊技者に認識させ難い。逆に表示可能回数を予め報知する構成ならば、先読み図柄が表示されるのは有限であるため、1つ1つの先読み図柄表示に対して、期待感が高まる効果がある。また、サブ統合制御装置83が先読み判定コマンドを受信した回数であってもよい。これならば、特別図柄の変動回数を条件とするものと類似してくるが、先読み演出モードの切換えタイミングとしては、特別図柄の変動開始のタイミングを待たずに行えるようになる。特別図柄始動口(第1始動口11、第2始動口12又は第2始動口15)への入球タイミングにより切り替わるため、遊技者は特別図柄始動口への入賞を注視しながら楽しむことができる。また、設定された先読み演出モードでの経過時間を条件とする構成であってもよい。この場合、設定された先読み演出モードが気に入らない場合でも、時間を経過すれば別の先読み演出モードに設定させることが可能となる。