特許第6481104号(P6481104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481104
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20190304BHJP
【FI】
   A63F7/02 315A
【請求項の数】3
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-121073(P2015-121073)
(22)【出願日】2015年6月16日
(65)【公開番号】特開2017-668(P2017-668A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】繁藤 友之
【審査官】 篠崎 正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−097585(JP,A)
【文献】 特開2015−097768(JP,A)
【文献】 特開2013−017892(JP,A)
【文献】 特開2011−104302(JP,A)
【文献】 特開2014−087521(JP,A)
【文献】 特開2005−270431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
常時入球可能な第1始動口と、
該第1始動口よりも入球が容易な開放状態および入球不可能な閉鎖状態に変化可能に構成された第2始動口と、
該第2始動口および前記第1始動口への各入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、
該当否判定手段により当りと判定されたことに起因して開閉される少なくとも1個の大入賞口と、
前記当否判定の結果を遊技者に告知する特別図柄を表示するための特別図柄表示装置と、
該特別図柄表示装置において、前記第2始動口および前記第1始動口への各入球に起因して特別図柄の変動表示を開始し、該変動表示を所定時間後に停止して前記当否判定の結果を遊技者に告知する特別図柄を表示する特別図柄表示制御手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が当りであると前記大入賞口を複数回開閉する大当り遊技を行う第1大当り遊技実行手段と、
少なくとも前記第2始動口への入球に起因して小当り遊技を行うか否かの判定を行う小当り判定手段と、
を備え、
前記大入賞口の中には、入球した遊技球が特定領域に到達可能な大入賞口が存在し、
前記小当り判定手段により小当り遊技を行うと判定されると前記大入賞口を開閉する小当り遊技を行う小当り遊技実行手段と、
前記特定領域に遊技球が到達したことに起因して前記大入賞口を複数回開閉する大当り遊技を発生させる第2大当り遊技実行手段と、
前記大当り遊技の後に、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を、通常状態よりも高い入球容易状態か、もしくは前記通常状態にする入球制御手段と
前記入球容易状態において、前記特別図柄が所定回数変動されると、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を前記通常状態にする入球容易状態終了手段と、
を備えた弾球遊技機において、
前記小当り判定手段は、前記第1始動口への入球にも起因して小当り遊技を行うか否かの判定を行うものであり、
前記小当り遊技は、前記特定領域に到達可能な大入賞口が開放される場合があり、
前記第1始動口への入球に起因して発生した小当り遊技の後に、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を、前記入球容易状態よりも低くかつ前記通常状態よりも高い特殊状態か、又は前記通常状態にする特殊状態制御手段と、
前記特殊状態において、前記所定回数よりも少ない回数として予め設定された制限回数、前記特別図柄が変動されると、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を前記通常状態にする特殊状態終了手段と、
を備え、
前記第2始動口への入球に起因して発生した小当り遊技の後には、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を変化させない
ことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記第1特別図柄に係る小当りが複数種類存在し、
該小当りの種類に応じ、前記制限回数が異なることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の弾球遊技機において、
前記第2始動口は、開閉動作される誘導片を備え、前記閉鎖状態においては、前記誘導片を閉鎖して当該第2始動口への入球を禁止し、前記開放状態においては、前記誘導片を開放して当該第2始動口への入球を前記第1始動口への入球よりも容易となるよう構成されたものであり、
普通図柄の変動を開始させるための普通図柄始動口と、
該普通図柄始動口への入球に起因して、前記誘導片を開放するか否かを判定する開放判定手段と、
前記判定の結果を遊技者に告知する普通図柄を表示するための普通図柄表示装置と、
該普通図柄表示装置において、前記普通図柄始動口への各入球に起因して普通図柄の変動表示を開始し、該変動表示を所定時間後に停止して前記判定の結果を遊技者に告知する普通図柄を表示する普通図柄表示制御手段と、
を備え、
前記入球容易状態は、前記通常状態に比べ、前記開放判定手段が前記誘導片を開放すると判定する確率が高いという条件、前記普通図柄の変動表示の時間が短いという条件、前記誘導片の開放パターンが遊技者にとって有利であるという条件の3条件の内の、2個以上を満たす状態であり、
前記特殊状態は、前記3条件の内、前記入球容易状態よりも少ない個数(ゼロは除く)の条件が満たされている状態であることを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関するものであり、特に1種2種混合機と呼ばれるタイプの弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以前より、始動口への入賞に起因して、当否判定を実行し、当りと判定されると大当り遊技に移行する1種と呼ばれる遊技機が知られている。また、始動口への入賞に起因して小当りを発生させて、大入賞口を開放し、該大入賞口内に備えられた特定領域に入球させることで大当り遊技(単に大当りともいう)に移行する2種と呼ばれる遊技機もある。そして近年これらの遊技性を組み合わせた1種2種混合機と呼ばれる遊技機も出てきている(例えば特許文献1)。
【0003】
1種2種混合機(以下、単に混合機ともいう)の遊技の流れは、次のようになっている。まず常時入賞可能な第1始動口への入賞で当否判定を行う。当りと判定された場合には大当りが発生し、第1大入賞口が開放される。大当りの終了後に普通電動役物により構成された第2始動口を開放しやすい状態に所定の突入率で移行させる。第2始動口が開放しやすい状態とは、普通電動役物の開放時間が長くなる、開放頻度が多くなる、開放確率が高くなる、これら幾つか(全てを含む)の組み合わせなどを指す。この状態にならなかった場合は最初に戻り、なった場合は第2始動口への入賞が容易に発生する状態となる。第2始動口へ入賞すると、第1始動口へ入賞した場合と同様の当否判定の他に、小当り遊技(単に小当りともいう)の判定も行われる。小当りと判定されると、第2大入賞口が開放される。開放された第2大入賞口に遊技球を入れ、更に第2大入賞口内に形成された特定領域に遊技球が入ると、大当りが発生し、第1大入賞口が開放される。普通、小当りは大当りよりも頻繁に発生する構成とされ、この結果、特定領域に入球させる機会は、前記当否判定において当りと判定される機会よりもはるかに多くなる。
このように混合機では、第1始動口に係る遊技(1種遊技という)と、第2始動口に係る遊技(2種遊技という)とで、かなり趣の異なる遊技を実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−206308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、混合機において2種遊技を行なうためには前記の様に第2始動口に入球させる必要があり、第2始動口に入球させるには、1種遊技で大当りを発生させる必要がある。運が悪いと、混合機でありながら、1種遊技ばかりを行なうことにもなりかねない。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、第1特別図柄を変動させることによっても、2種遊技を行なうチャンスのある弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に係る発明は、常時入球可能な第1始動口と、該第1始動口よりも入球が容易な開放状態および入球不可能な閉鎖状態に変化可能に構成された第2始動口と、該第2始動口および前記第1始動口への各入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、該当否判定手段により当りと判定されたことに起因して開閉される少なくとも1個の大入賞口と、前記当否判定の結果を遊技者に告知する特別図柄を表示するための特別図柄表示装置と、該特別図柄表示装置において、前記第2始動口および前記第1始動口への各入球に起因して特別図柄の変動表示を開始し、該変動表示を所定時間後に停止して前記当否判定の結果を遊技者に告知する特別図柄を表示する特別図柄表示制御手段と、前記当否判定手段による当否判定の結果が当りであると前記大入賞口を複数回開閉する大当り遊技を行う第1大当り遊技実行手段と、少なくとも前記第2始動口への入球に起因して小当り遊技を行うか否かの判定を行う小当り判定手段と、を備え、前記大入賞口の中には、入球した遊技球が特定領域に到達可能な大入賞口が存在し、前記小当り判定手段により小当り遊技を行うと判定されると前記大入賞口を開閉する小当り遊技を行う小当り遊技実行手段と、前記特定領域に遊技球が到達したことに起因して前記大入賞口を複数回開閉する大当り遊技を発生させる第2大当り遊技実行手段と、前記大当り遊技の後に、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を、通常状態よりも高い入球容易状態か、もしくは前記通常状態にする入球制御手段と前記入球容易状態において、前記特別図柄が所定回数変動されると、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を前記通常状態にする入球容易状態終了手段と、を備えた弾球遊技機において、前記小当り判定手段は、前記第1始動口への入球にも起因して小当り遊技を行うか否かの判定を行うものであり、前記小当り遊技は、前記特定領域に到達可能な大入賞口が開放される場合があり、前記第1始動口への入球に起因して発生した小当り遊技の後に、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を、前記入球容易状態よりも低くかつ前記通常状態よりも高い特殊状態か、又は前記通常状態にする特殊状態制御手段と、前記特殊状態において、前記所定回数よりも少ない回数として予め設定された制限回数、前記特別図柄が変動されると、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を前記通常状態にする特殊状態終了手段と、を備え、前記第2始動口への入球に起因して発生した小当り遊技の後には、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を変化させないことを特徴とする。
【0007】
ここで、大入賞口が1個のみ存在する構成では、該大入賞口に入球した遊技球が特定領域に到達可能に構成されることになる。大入賞口が複数存在する場合には、入球した遊技球が特定領域に到達可能な大入賞口と、遊技球が入球しても特定領域に到達できない大入賞口の2種類が存在してもよい。その場合、第2始動口への入球に起因して発生した小当りでは遊技球が特定領域に到達可能な大入賞口が開放するのが好ましく、第1始動口への入球に起因して発生した小当りでは、特殊状態を作動させる起因となれば十分であるため、どちらの大入賞口が開放される構成としてもよい。なお、このように2種類の大入賞口を備えた構成では、特定領域に到達できる方の大入賞口の賞球を少なくすることにより、特殊状態や時短状態が遊技者にとって過剰に有利になるのを防ぐことができる。また、入球制御手段が入球容易状態か若しくは通常状態にする契機となる大当り遊技は、第1大当り遊技実行手段により発生されるものでも、第2大当り遊技実行手段により発生されるものでも構わない。また、「前記第2始動口への入球に起因して発生した小当り遊技の後には、前記第2始動口が前記開放状態になる頻度を変化させない」とは、例えば小当り遊技の発生前が、入球容易状態であれば、小当り遊技の後も入球容易状態であり、小当り遊技の発生前が、特殊状態であれば、小当り遊技の後も特殊状態であることを意味する。ただし、小当り遊技を発生させることとなった特別図柄が変動されたことにより、所定回数(入球容易状態の終了条件)や制限回数(特殊状態の終了条件)に到達した場合には各状態が終了する。また、所定回数や制限回数と比較される特別図柄の変動回数に関して、特定の特別図柄が表示された時のみ、カウントするように構成してもよい。例えば、第2始動口への入球に起因して変動される特別図柄の変動のみをカウントしてもよいし、小当り遊技が発生した時のみをカウントしてもよい。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の弾球遊技機において、前記第1特別図柄に係る小当りが複数種類存在し、該小当りの種類に応じ、前記制限回数が異なることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2に記載の弾球遊技機において、前記第2始動口は、開閉動作される誘導片を備え、前記閉鎖状態においては、前記誘導片を閉鎖して当該第2始動口への入球を禁止し、前記開放状態においては、前記誘導片を開放して当該第2始動口への入球を前記第1始動口への入球よりも容易となるよう構成されたものであり、普通図柄の変動を開始させるための普通図柄始動口と、該普通図柄始動口への入球に起因して、前記誘導片を開放するか否かを判定する開放判定手段と、前記判定の結果を遊技者に告知する普通図柄を表示するための普通図柄表示装置と、該普通図柄表示装置において、前記普通図柄始動口への各入球に起因して普通図柄の変動表示を開始し、該変動表示を所定時間後に停止して前記判定の結果を遊技者に告知する普通図柄を表示する普通図柄表示制御手段と、を備え、前記入球容易状態は、前記通常状態に比べ、前記開放判定手段が前記誘導片を開放すると判定する確率が高いという条件、前記普通図柄の変動表示の時間が短いという条件、前記誘導片の開放パターンが遊技者にとって有利であるという条件の3条件を、いずれも満たす状態であり、前記特殊状態は、前記3条件の内、1個または2個の条件が満たされている状態であることを特徴とする。
【0010】
ここで誘導片とは、例えば一対の翼片で、閉鎖時には直立しており開放時にはその各下部を軸として上端を左右に離反させるように回動されるもの(いわゆる電動チューリップの翼片)を挙げることができる。この他にも、閉鎖時には遊技盤面とほぼ面一となっている略長方形(一辺はほぼ水平)の板で、開放時には下辺を軸としてその全体を手前に倒されるもの(俗にいうベロ)や、遊技盤面から遊技者方向にせり出した箱状部材の上面の一部であって、開放時には該上面の一部がスライドされるもの(該スライドにより、前記箱内に入球可能となる)等を挙げることができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の本発明によれば、通常状態においても第1始動口への入球に起因して小当りが発生することにより、遊技者は大当りを発生させるチャンスを得ることができる。具体的には、発生された小当り遊技の後に特殊状態制御手段により、特殊状態が発生される場合がある。特殊状態は、第2始動口が開放状態となる頻度が、入球容易状態よりは低いものの通常状態よりも高いので、第2始動口を狙う遊技が有効となる。第2始動口に入球したことに起因して小当りが発生され、該小当りにより開放された大入賞口が、特定領域に遊技球が到達可能なものであれば、該特定領域に遊技球が到達することにより大当り遊技を発生させることができる。このため、第1特別図柄の当否判定に係る大当りを引かなくても大当りとなるチャンスを遊技者に与えることが可能となる。なお、第1始動口への入球に起因して発生された小当りにより、特定領域に遊技球が到達可能な大入賞口が開放される構成においては、特殊状態の発生を待たなくても、大当りを発生させることができる。すなわち、小当りにより開放された大入賞口に入球させ、該入球した遊技球が特定領域に到達することによっても大当りが発生する。また、第2特別図柄に係る小当りが発生しても、特殊状態の発生や終了には影響を与えない(例えば、現在のこっている「制限回数」が初期値に戻る(特殊状態の延長)ことや、「制限回数」がゼロになる(特殊状態が突然終了する)ことはない)ので、一定期間のチャンスを与えることができる。
【0012】
請求項2に記載の本発明によれば、小当りの種類により、特殊状態の継続条件である制限回数が異なるので、小当りの種類にも興味を持たせることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の本発明によれば、第2始動口への入賞を容易とできる3つの構成を入球容易状態より特殊状態のほうが作動する条件を少なくすることで、通常時よりは容易かつ入球容易状態よりは困難な状態を付与できる。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施例のパチンコ機50の正面図
図2】パチンコ機50の遊技盤1の正面図
図3】入球装置100の説明図
図4】パチンコ機50の背面図
図5】パチンコ機50の電気構成図
図6】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート
図7】主制御装置80が実行する始動入賞確認処理のフローチャート
図8】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート1
図9】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート2
図10】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート3
図11】主制御装置80が実行する当否判定処理のフローチャート4
図12】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート1
図13】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート2
図14】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート3
図15】主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート4
図16】主制御装置80が実行する小当り遊技処理のフローチャート
図17】主制御装置80が実行する普通図柄入賞確認処理のフローチャート
図18】主制御装置80が実行する普通図柄当否判定処理1のフローチャート
図19】主制御装置80が実行する普通図柄当否判定処理2のフローチャート
図20】主制御装置80が実行する普通図柄遊技処理のフローチャート
図21】パチンコ機50の基本的仕様を示すテーブル
図22】演出図柄表示装置6において行なわれる疑似演出の例を示す説明図
図23】第2特別図柄が外れた場合および当った場合の各演出例を示す説明図
図24】小当り図柄の発生確率と特殊状態中の最大変動回数の対応を示すテーブル
図25】パチンコ機50における主な遊技状態を比較するためのテーブル
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[実施例1]
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0017】
前枠52の上側左右及び外枠51の下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0018】
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0019】
図2は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
【0020】
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり擬似図柄を表示する)の画面を臨ませる窓等を備えている。 センターケース5の右方には、ゲート17と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置が配置されている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材40に阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。
【0021】
複合入賞装置の下方にはアタッカー式の第1大入賞口14および第2大入賞口15(第2大入賞口15が上側)が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、及び第3左入賞口33が設けられ、第2大入賞口15の右側には右入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34が、常時、入球率が変化しない一般入賞口である。
【0022】
第1大入賞口14の右下には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10、および第1特別図柄保留数表示装置18が配置されている。なお、第2特別図柄保留数表示装置は、備えていない。
【0023】
また第1始動口11の下方には特定役物100が配置されている。特定役物100の拡大図を図3に示す。特定役物100の内側上部にはワープ出口101が設けられており、第2大入賞口15に入球した遊技球は全てワープ出口101から特定役物100内に流れ込む。そして、ワープ出口101から流出した遊技球は擂鉢状のクルーン102に到達し、何度かクルーン102上を周回して図示しない孔から落下し、振分け口103から流出する。振分け口103の下方には一対の振分け羽根105が設けられており、周期的に開閉している。振分け羽根105が開放されているとき(図3(b)の状態)に振分け口103から流出した遊技球は、特定領域106に入球し、これが特定入球口スイッチ106a(図5も参照)に検出されると、大当り(特別遊技ともいう)が発生する。振分け羽根105が閉鎖されているとき(図3(a)の状態)に振分け口103から流出した遊技球は、ハズレ口104に到達して大当りは発生しない。なお、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率は、パチンコ機50の設置角度などにより変化するが約1/10となっている。
【0024】
パチンコ機50の裏面は図4に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図5も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。
【0025】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図4では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0026】
このパチンコ機50の電気的構成は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0027】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、第1大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第2大入賞口15に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ15a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a、右入賞口34に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ34a、特定領域106に入球した遊技球を検出する特定入球口スイッチ106aの検出信号が入力される。
【0028】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、及び普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0029】
更に、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド14bを制御することで第1大入賞口14の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド15bを制御することで第2大入賞口15の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図5では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、振分け羽根ソレノイド105aを制御することで振分け羽根105を周期的に開閉させる。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0030】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出センサ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出センサ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0031】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ16a、内枠開放スイッチ16b、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0032】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払い出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0033】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
【0034】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0035】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者がボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0036】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
【0037】
メインルーチンを図6に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S70までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS75の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0038】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0039】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S75)に移行する。
【0040】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「199」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「199」までの200個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0041】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「199」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「199」までの200個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が150であったとすると、大当り決定用乱数は「150」「151」「152」・・・「199」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0042】
なお、大当り決定用乱数が一巡(200回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「149」になると1巡であるから、「149」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「149」「87」「88」・・・「199」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「1599」の1600個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0043】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「199」の200個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値の数は通常状態時は40個、時短状態(後述)時は198個である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0044】
リーチ判定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とで、リーチとなる割合は異なっており、特殊状態(後述)および時短状態では第1特別図柄はリーチとならず、通常状態では、リーチ判定用乱数が「0」〜「20」の場合にリーチとなる(ただし大当り決定用乱数が当りとなる値であった場合は必ずリーチとなる)。一方、第2特別図柄は、小当りでなければ必ずリーチとなり、小当りの場合は小当りに対応する組み合わせで停止する。
【0045】
変動パターン決定用乱数更新処理(S50)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0046】
続く入賞確認処理(S55)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11は4個まで、第2始動口12は無しとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0047】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S60)を行う。この当否判定処理(S60)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S65)が実行される。各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、第1大入賞口ソレノイド14b、第2大入賞口ソレノイド15b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S55)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0048】
続く不正監視処理(S70)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、右入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0049】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S75)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S70までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜199の200通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/300である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S40)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0050】
S55の入賞確認処理は図7に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S105)。
【0051】
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させ(S110)、本処理を終了(リターン)する。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなく本処理を終了する。また、第1始動口11に遊技球が入球していない場合(S100:no)も、本処理を終了する。なお、第2始動口12への入球については、保留記憶が存在しない等、第1始動口11へ入球した場合に比べて特殊であるため別処理で対応する。
【0052】
図8〜11に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図9のS215に移行し、第1保留記憶(上記S110による保留記憶)があるか否かを判断する。
【0053】
この保留記憶があれば(S215:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S230)、保留記憶された乱数の中で最も古い乱数を読み込み(その乱数は保留記憶から消去する)、S240に進む。第1保留記憶がなければ(S215:no)、第2始動口12(図9では第2特図始動口と表記)への入賞があったか否かを判定し、肯定判断(S225:yes)なら乱数抽出処理を行い(S235)、S240に進む。前述のように第2始動口12には、その翼片が開放されないと入賞せず、翼片が開放するのは、遊技球がゲート17を通過し、これを契機として普通図柄表示装置7において変動表示される普通図柄が当選した場合である。この当選確率は通常状態において1/5、時短状態において99/100となっている。ここで時短とは、本実施例では特別図柄の平均変動時間が短縮され、普通図柄の平均変動時間が短縮され、第2始動口12の翼片の開放時間が延長された状態を意味する。なお時短状態を開放延長状態とも言う。時短状態においては普通図柄が1回当選するごとに第2始動口12の翼片が3秒間開放する。なお通常状態で普通図柄が当選した場合は翼片は0.5秒間開放するのみである(開放回数はいずれも1回)。また、乱数抽出処理(S235)の内容は、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込むものである。
【0054】
S240ではS230で読み込まれた乱数またはS235で抽出された乱数を読み込んで、大当りか否かを判定する(S250)。当り確率は、第1始動口11、第2始動口12のいずれへ入球したことを契機として抽出された乱数に基づく抽選であっても1/200となっている。肯定判断、すなわち当りであれば(S250:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S255)。当り図柄に応じて、大当り終了後に時短が発生するか否かが決まり、50%の確率で大当り終了後に時短が発生する。
【0055】
大当り図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S260)、大当り情報設定処理を行う(S265)。大当り情報設定処理とは、大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を設定する処理である。そして続くS270の遊技状態設定処理にて、大当り後の遊技状態を設定する。これはS255で決定した大当り図柄に応じて設定され、大当り図柄が時短有りの図柄であれば時短設定フラグを1にし、時短有りの図柄でなければ時短設定フラグを0にする。遊技状態設定処理(S270)が終了すると、S305に移行する。
【0056】
S250において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S275)。小当りとは、最大1秒の第2大入賞口15の開放を1回行なうものである。なお、小当りは第1始動口11への入球を契機とする場合は1/200の確率で発生し、第2始動口12への入球を契機とする場合は198/200の確率で発生する(図21も参照)。言い換えれば、ハズレ確率は、第1始動口11への入球を契機とする場合は198/200、第2始動口12への入球を契機とする場合は1/200となっている。S275が肯定判断であれば、小当り図柄を決定し(S280)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S285)。小当り図柄の決定は、第1始動口11または第2始動口12に入球したときに取得される大当り図柄決定用乱数によって行なわれる。小当り図柄は、図24に示すように第1特別図柄は3種類、第2特別図柄は1種類存在する(図24では第1特別図柄および第2特別図柄をそれぞれ第1特図および第2特図と表記)。第1特別図柄の小当り図柄の振分は、小当り図柄1が50%、小当り図柄2が37.5%、小当り図柄3が12.5%となっている。
【0057】
なお図24にある「特殊状態」とは、通常状態よりも時短状態に近いが、第2始動口12への入球のしやすさは時短状態よりも劣る状態となっている。これを具体的に示したのが図25である。通常状態においては、普通図柄の変動時間の平均値(図25では普図変動時間と表記)は24.2秒であり、普通図柄の当り確率は1/5、普通電動役物の開放時間(図25では普電開放時間と表記)は0.5秒となっている。すなわち通常状態においては、遊技球がゲート17を通過すると、平均24.2秒間、普通図柄が変動し、その後、1/5の確率で0.5秒、普通電動役物が開放する。従って、通常状態においてゲート17を狙って遊技球を発射すると、平均して約121秒(30秒×4+1秒。1秒は、当った場合の普通図柄の変動時間(後述))に1回、0.5秒だけ普通電動役物が開放する。仮に第2始動口12に入球させるのに成功しても、賞球を3個しか得られない(普通図柄の保留記憶は満杯にならないものとし、普通図柄の確定表示時間やインターバル等を無視した。図21も参照)という遊技者にとって極めて不利な遊技となる。これに対し時短状態では、普通図柄の変動時間の平均値は1秒であり、普通図柄の当り確率は99/100、普通電動役物の開放時間は3秒となっている。すなわち時短状態においては、遊技球がゲート17を通過すると、約1秒間、普通図柄が変動した後、ほぼ100%の確率で3秒間、普通電動役物が開放する。従って、容易に第2始動口12に入球し、時短状態でゲート17を狙って遊技球を発射し続ければ、約4秒(1秒+3秒)に1回、普通電動役物が3秒開放するという、遊技者にとってかなり有利な状態となる。特殊状態は、時短状態と比較し、普通電動役物の開放時間は0.5秒となっている点のみが異なる。従って、特殊状態でゲート17を狙って遊技球を発射し続けると、約1.5秒(1秒+0.5秒)に1回、普通電動役物が0.5秒開放する遊技となる。時短状態に比べ、第2始動口12には入球しにくい半面、開放頻度が2倍以上あるため、通常状態より遥かに第2始動口12には入球し易い状態となる。
【0058】
図24に示すように、小当り図柄1が表示されたことにより発生した小当り後の特殊状態は、更に特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄を問わない。以下同様)が最大4回変動されるまで継続する。小当り図柄2が表示されたことにより発生した小当り後の特殊状態は、更に特別図柄が最大9回変動されるまで継続し、小当り図柄3が表示されたことにより発生した小当り後の特殊状態は、更に特別図柄が最大19回変動されるまで継続する。なお、小当り図柄4の特殊状態が記載されていないのは、小当り図柄4が表示された時の遊技状態に変化を与えないことを示している。
【0059】
図9に戻る。小当りも外れのときは(S275:no)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S290)。こうしてS285またはS290により変動パターンが設定されると、時短フラグまたは特殊状態フラグ(図では「何れかのフラグ」と表記。他の図においても同様の表記をする)が1か否かを判定(S295)する。ここで時短フラグが1とは、時短状態が発生していることを示し、特殊状態フラグが1とは、特殊状態が発生していることを示す。肯定判断(S295:yes)なら1であるフラグに対応する回数(S300。図では「該当回数」と表記。他の図においても同様の表記をする)を−1する。すなわち、時短フラグが1であれば時短回数を−1し、特殊状態フラグが1であれば特殊状態回数を−1する。なお、時短フラグと特殊状態フラグが共に1になることはあり得ない。こうして何れかのフラグを−1するとS305に移行する。否定判断(S295:no)、すなわち時短フラグも特殊状態フラグも1でないならそのままS305に移行する。
【0060】
S305では、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には特別図柄、大当り、小当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し、特別遊技処理を行なう。なお、S305の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0061】
図8のS205において特別図柄が変動中と判定された場合には、図10のS400に移行し、図柄変動時間(S260、S285、又はS290の変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定する。否定判断(S400:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断(S400:yes)の場合は、確定図柄の表示設定を行い(S405)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S410)。肯定判断された場合(S410:yes)は、時短フラグまたは特殊状態フラグが1か否かを判定する(S425)。肯定判断(S425:yes)であれば、1であるフラグ(図では「該当フラグ」と表記)を0にし(S430)、S435に移行する。時短フラグも特殊状態フラグも1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。S435では、条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。役物連続作動装置が作動されると、特別電動役物を連続して作動させることが可能となり、特別電動役物が作動すると、第1大入賞口14が開放される。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。なお、本実施例の遊技機では、大当りはすべて15ラウンドであるが、ラウンド数もサブ統合制御装置83に送信される。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
【0062】
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450で時短フラグまたは特殊状態フラグが1か否かを判定し、1であれば(S450:yes)、1であるフラグに対応する回数(該当回数)が0か否かを判定する(S455)。肯定判断であれば(S455:yes)、S460にて該当フラグを0にしてS465に進む。時短フラグも特殊状態フラグも1でないとき(S450:no)又は該当回数が0ではないとき(S455:no)はそのままS465に移行する。
S465では、確定表示された特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判断であれば(S465:yes)、S470にて特別電動役物作動開始処理を実行し、S475にて小当り開始演出処理を行ない、特別遊技処理を行なう。
【0063】
図8のS210において確定図柄を表示中と判定された場合には、図11のS480に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判断の場合(S480:no)は特別遊技処理を行う。肯定判断(S480:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S485)、特別遊技処理を行う。なお、S200において、特別電動役物が作動中と判定された場合(S200:yes)も、特別遊技処理を行う。
【0064】
図12に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、第1大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。第1大入賞口14が開放中でない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により第1大入賞口14が閉鎖しているのか判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、第1大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了(リターン)する。
【0065】
S505で第1大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図13のS530に進み、第1大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。第1大入賞口14に10個入賞した場合(S530:yes)にはS540に進み、第1大入賞口14を閉鎖する。そして大当りインターバル処理(S545)を行なって、特別遊技処理を終了する。第1大入賞口14に10個入賞していない場合(S530:no)にはS535に進み、第1大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は29秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S535:yes)には、S540に合流し、終了していない場合(S535:no)は特別遊技処理を終了する。
【0066】
図12のS510でインターバル中であると判定された場合は、図14のS550に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S550:yes)は、直前に第1大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S555)。最終ラウンドであれば(S555:yes)、大当り終了演出処理(S560)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S555:no)、再び第1大入賞口14を開放する処理(S565)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S550:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、第1大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0067】
図12のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図15のS570に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S570:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S575)、条件装置の作動を停止する(S580)。そして、時短設定フラグが1か否かを判定する(S585)。肯定判断の場合(S585:yes)は、時短回数(本実施例では100)を設定し(S590)、時短フラグを1に設定し(S595)、S600に移行する。特2短縮設定フラグが1ではない場合(S585:no)はS600に直行する。S600では、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S600)を行ない、特別遊技処理を終了する。S570で大当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S570:no)も特別遊技処理を終了する。
【0068】
図12で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図16に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S605にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S605:yes)、小当り開始演出中か否かを判定する(S610)。肯定判断の場合(S610:yes)、小当り開始演出の時間が経過したか否かを判定し(S615)、肯定判断(S615:yes)なら第2大入賞口開放処理を行なって当処理を終了(リターン)する。なお、特別電動役物が作動中ではないと判定された場合(S605:no)、または小当り開始演出の時間が経過していないと判定された場合(S615:no)にも当処理を終了する。
【0069】
S610で小当り開始演出中ではないと判定された場合には、第2大入賞口15が開放中か判断する(S625)。肯定判断の場合(S625:yes)は、第2大入賞口15に10個入賞したか否かを判定する。否定判断(S630:no)なら、第2大入賞口15の開放時間(1秒)が経過したか否かを判定する。第2大入賞口15の開放時間が経過していなければ(S635:no)、当処理を終了する。第2大入賞口15の開放時間が経過していた場合(S635:yes)または第2大入賞口15に10個入賞していた場合(S630:yes)は、S640に移行し、第2大入賞口15を閉鎖(S640)してから当処理を終了する。
【0070】
S625で、第2大入賞口15が開放中ではないと判定された場合には、S645に進み、特定領域106に入球したか否かを判定する。否定判断の場合(S645:no)は、小当り終了時間が経過したか否かを判定する(S650)。肯定判断(S650:yes)なら、特別電動役物の作動を停止させ(S652)、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S654)してS656に移行する。小当り終了時間が経過していない場合(S650:no)はそのままS656に移行する。S656では当処理が第1特別図柄の小当り遊技処理であるか否かを判定する。肯定判断(S656:yes)であれば、特殊状態回数(小当り図柄1が表示されて小当りになった場合は4、小当り図柄2が表示された場合は9、小当り図柄3が表示された場合は19。図24も参照)を設定し(S660)、特殊状態フラグを1に設定し(S663)、小当り遊技処理を終了する。S656が否定判断(つまり当処理が第2特別図柄の小当り遊技処理)であれば、そのまま小当り遊技処理を終了する。
【0071】
特定領域106に入球したと判定された場合(S645:yes)は、S665にて大当り情報を設定し、遊技状態を設定する(S670)。S665,S670はそれぞれS265,S270と同じ処理である。そして特殊状態フラグまたは時短フラグが1か否かを判定(S675)し、肯定判断なら1であるフラグをゼロにし、S685に移行する。否定判断(S675:no)すなわち特殊状態フラグも時短フラグも0なら、そのままS685に移行する。S685では、条件装置作動開始処理を行い、続くS690にて役物連続作動装置を作動させ、S695にて大当り開始演出処理を行なって当処理を終了する。これらS685〜S695の一連の処理は、前述した当否判定処理のS435〜S445の処理と同じである。役物連続作動装置が作動(S690)されることにより、特別電動役物が作動するので、図8の当否判定処理においてS200が肯定判断され、特別遊技処理が開始される。つまり、小当り遊技処理によれば、第2大入賞口15を開放し、この開放された第2大入賞口15に遊技球が入賞し、更に特定領域106に入球すると、大当りが発生する。
【0072】
図17に示す「普図始動入賞確認処理」は入賞確認処理(S55)のサブルーチンであり、当処理ではまずゲート17を遊技球が通過したか確認する(S700)。なお、本図ではゲート17を始動口として構成し直す場合も想定し、「普図始動口又はゲート入球?」と表記している。入球があれば(S700:yes)、普図の保留記憶が満杯(当実施例では4個)でないか確認する(S710)。保留記憶が満杯でなければ(S710:no)、S720の処理で、普図の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数、はずれ図柄決定用乱数、移行決定用乱数などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリに記憶される(最大4つ)。そして、普図保留数表示装置8へ普図保留数のコマンドを送信する(S730)。
【0073】
図18に示す「普図当否判定処理」は、当否判定処理(S60)のサブルーチンで、S800の処理で特図の始動口22を開放させるための普通電動役物が作動中か確認し、作動していなければ(S800:no)、普図が変動中か確認し(S805)、変動中でなければ(S805:no)、普図の確定図柄が表示されているか確認する(S810)。なお、普通電動役物が作動中(S800:yes)であれば「普図遊技処理」に移行する。
【0074】
S810の処理で確定図柄が表示中でなければ、普図の保留記憶があるか確認(S815)し、普図の保留記憶があれば、普図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S820)。該シフト処理により普図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。普図の保留記憶がなければ(S815:no)、「普図遊技処理」に移行する。
【0075】
次にS825の処理で、時短フラグまたは特殊状態フラグが1か否かを確認する。肯定判断であれば(S825:yes)、高確率の当否判定用テーブルで当否判定を行なうようにセットする(S830)。否定判断であれば(S825:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルで当否判定を行なうようにセットする(S835)。そしてS840の処理では、S830またはS835の処理でセットした当否判定用テーブルと当り判定用乱数とを対比して当りか否か当否判定を行なう。普図の当り確率は、前述のように、通常は5分の1に設定されており、確変時には99/100に設定される(図21も参照)。
【0076】
当りであれば(S840:yes)、前記対象となる保留記憶の当り図柄決定用乱数に基づいて当り図柄を決定し(S845)、前記対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて当りの変動パターンを決定する(S850)。なお、S850の処理により決定された変動パターンの平均変動時間は1秒となっている。一方、普図が当りでなければ(S840:no)、時短フラグまたは特殊状態フラグが1か否かを確認する(S855)。肯定判断(S855:yes)ならS860にて、前記対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する。S860の処理により決定された変動パターンの平均変動時間は1秒となっている(図21も参照)。否定判断(S855:no)ならS865にて、前記対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する。S865の処理により決定された変動パターンの平均変動時間は30秒となっている(図21も参照)。こうしてS850、S860、またはS865の処理にて変動パターンが決定されると、S870の処理で、普図表示装置18へ普図変動開始コマンドを送信し、「普図遊技処理」に移行する。
【0077】
S805の処理で普図の図柄変動中のときは、図19(a)の処理に移行し、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する(S870)。なお、普通図柄の変動時間は、時短状態または特殊状態においては1秒、通常状態においてはハズレの場合30秒、当りの場合に1秒となることから約24.2秒である。時短状態では図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S870:yes)、確定図柄表示設定処理(S875)により普図表示装置18の確定図柄表示させるようにコマンドを送信し、「普図遊技処理」に移行する。
【0078】
図18のS302の処理で確定図柄表示中のときは(S810:yes)、図19(b)の処理に移行し、確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定する(S880)。確定図柄の表示時間が経過したことを確認すると、確定図柄表示終了処理(S885)において普図表示装置18の確定図柄表示の終了させるようにコマンドを送信し、「普図遊技処理」へ移行する。確定図柄の表示時間が経過していない場合(S880:no)は、そのまま「普図遊技処理」へ移行する。
【0079】
「普図遊技処理」の概要を図20に示す。先ず、普通電動役物が開放中か確認する(S900)。高低判断であれば、普通電動役物に10個(規定数)の入賞があったか否か(S910)、または普通電動役物の開放時間が終了したか否か(S920)を確認する。普通電動役物の開放時間は前述のように、時短状態では3秒、通常状態または特殊状態では0.5秒である(図25も参照)。S910,S920の何れかか肯定判断であれば、普通電動役物を閉鎖し(S930)、普図当り終了コマンド送信処理(S940)を実行する。この処理で演出図柄制御装置82に普図当り終了コマンドを送信し、普図遊技処理を終了(リターン)する。いずれも否定判断であれば(S910:noかつS920:no)、そのままリターンする。
【0080】
以上、説明した遊技機における遊技の流れは次のようになる。通常状態において、第1始動口11に入賞すると、1/200の確率で第1特別図柄が当選し、大当りが発生する(第1大入賞口14が15回開閉される)。大当りが発生すると、50%の確率(図21参照)でその終了後に時短状態となる。なお、これに反し、通常状態でゲート17を通過させると、普通図柄が1/5の確率で当選し、第2始動口12の翼片が開放するが、普通図柄の平均変動時間が24.2秒となっている(図25参照)ので、第2特別図柄の大当りや、第2特別図柄の小当りに起因して発生する大当りを得るには非常に時間効率が悪い仕様となっている。なお、図21にも示したように、第2始動口への入球に起因して発生した大当りは、該大当り後に時短状態に突入する確率が0%という、遊技者にとって極めて不利な条件となっている。従って通常状態において遊技者は、第1始動口11を狙って遊技することになる。
【0081】
第1始動口11への入球に起因して大当りが発生すると、演出図柄表示装置6にて演出図柄が当り態様にて停止され、第1大入賞口14が15回開閉される大当りが開始される。該大当りの後に時短状態に突入しなかった場合は、遊技状態は通常状態のままとなり、突入に成功した場合は、更に特別図柄(第1・第2を問わない)が最大100回変動されるまで時短状態となる。時短状態においては、普通図柄の平均変動時間が1秒に短縮され、普通図柄の当たり確率が99/100に上昇し、普通電動役物の開放時間が3秒となるので、右打ちした方が遊技者にとって有利な状態となる。すなわち、右打ちを行なうと、高い確率で普通図柄が当選し、第2始動口12の翼片が開放する。第2始動口12に入球すれば第2特別図柄が変動するが、第2特別図柄の平均変動時間が1秒に短縮されているため、間もなく198/200の確率で小当りが発生し、第2大入賞口15が1秒開放する。第2大入賞口15の賞球は3個であるため、遊技者は持ち球を殆ど減らすことなく遊技を続けることができる。更に、第2大入賞口15に入った遊技球が特定領域106に入球すれば、大当りが発生し、第1大入賞口14が15回開閉される。なお、時短状態においては、どの系統の大当り(第1特別図柄の大当り、第2特別図柄の大当り、小当りからの大当り)であっても、75%の確率で時短状態が継続する(図21参照)。時短状態は通常大当りを引くまで(大当り中、25%の確率)か、特別図柄(第1・第2を問わない)が100回変動されるまで継続する。なお、特定役物100内に入った遊技球が特定領域106に到達する確率は約1/10なので、時短状態で100回変動される間にほぼ間違いなく大当りを引くことができる。
【0082】
更に、パチンコ機50は、第1始動口11への入球に起因して特定領域106に入球させることも可能に構成されている。これについて図22を適宜参照して説明する。図22(a)〜(d)はいずれも演出図柄表示装置6に表示された演出の一例を示すものである。図22(a)は、第1始動口11への入球に起因して演出図柄91が変動している様子を示している。なお、符号93は第1特別図柄の保留記憶を示しており、図22(a)では保留記憶が1個あることを示している。第1始動口11への入球に起因して小当りが発生すると、演出図柄91が例えば「135」という態様で停止する(図22(b))。なお、「135」は小当り図柄1に対応した演出図柄91の表示態様であり、小当り図柄2に対応した演出図柄91の表示態様は「357」、小当り図柄3に対応した演出図柄91の表示態様は「579」となっている。小当りに対応した演出図柄91の表示態様が演出図柄表示装置6に表示されると、引き続き図22(c)に示すように「大当りの大チャンス!!! 」と表示され、第1特別図柄の小当りが発生することが、遊技者に報知される。更に引き続いて図22(d)に示すように右打ちを促す表示が為される。これが第1特別図柄の小当り開始演出である。小当り開始演出が終了すると、第2大入賞口15が1秒間、1回開放される。なお、図22(d)の下段に「チャンスは5回」と表示されているのは、第1特別図柄が小当りしたことによる1回と、第1特別図柄表示装置9に表示された特別図柄が小当り図柄1であったことにより、特殊状態が継続する特別図柄の最大変動数である4回を加えた値に対応している。第1特別図柄表示装置9に表示された小当り図柄2であれば演出図柄表示装置6に「チャンスは10回」と表示され、第1特別図柄表示装置9に小当り図柄3が表示された場合には演出図柄表示装置6に「チャンスは20回」と表示される。
【0083】
小当り図柄1が第1特別図柄表示装置9に表示されると、更に最大4回、特別図柄(第1特別図柄・第2特別図柄を問わない)が変動するまで特殊状態となり、遊技者にとって右打ちが有効な状態となる。図22(e)は最初の小当り(第1特別図柄の小当り)により第2大入賞口15が開放したものの、特定領域106に入球し損ねた様子を示している。この演出は、サブ統合制御装置83が小当り終了コマンド(S600により送信)を受信することにより行われる。小当りが発生されたことによりチャンスは1回減って「あと4回」となった旨が表示されている。また、図22(b)で第1特別図柄が確定表示されたことにより、第1特別図柄が新たに変動可能となり、保留記憶が1個消化され、図22(e)では保留図柄93が1個となっている。
【0084】
図22(f)は、第2特別図柄で小当りが発生したものの、特定領域106に入球し損ねた様子を示している。但し、パチンコ機50では第1特別図柄の保留がある場合は第2特別図柄は変動しない仕様(図9参照)となっているので、第2特別図柄が変動する前に、図22(a)〜図22(e)の各左下に表示されていた第1特別図柄の保留記憶が消化されており、チャンスは2回減って「あと2回」となっている。このように第2特別図柄よりも第1特別図柄の方が先に変動されるので、特殊状態中は第1特別図柄の変動時間を短くすると良い。なお、該消化の結果、当れば、大当りが発生し、該大当り後に時短状態または通常状態となるので、特殊状態となっている図22(f)は、前記消化の結果がハズレだったことを意味している。また、画面の右上に表示されているのは、第2特別図柄の小当り図柄4に対応した演出図柄95である。つまり小当り図柄4に対応した演出図柄95の表示態様は「531」となっている。
【0085】
図22(g)は小当りが発生し、特定領域106に入球した様子を示しており、演出図柄表示装置6の画面に大きく「V」と表示される。引き続き該画面には図22(h)のように表示され、第1大入賞口14が15回開閉される大当りが発生することを遊技者に報知する。図22(g)に反して、特定領域106に入球し損ね、更に1回の小当りが発生し、特定領域106に入球し損ねた場合には、特殊状態は終了し、通常状態に戻る。この結果、遊技者にとって右打ちが不利な状態となり、左打ちに戻すことになる。なお、ここでは、第2特別図柄が4回変動した結果、全て小当りとなったと仮定して説明した。
【0086】
これに反し、珍しいケースであるが、第1特別図柄の保留記憶が消化されて再び小当りとなった場合は、該小当り図柄に応じた回数(図24参照)の特殊状態が改めて設定される。なお、第2特別図柄が変動すると、1/200の確率で外れるが、その場合には、図23(a)に示すように演出図柄表示装置6の画面の略中央に、第2特別図柄の演出図柄95が変動している様子が大きく表示され、やがて図23(b)に示すように、左と右の図柄が同じ数字(ここでは3)となる、いわゆるリーチ状態(単にリーチともいう)となり、引き続き中の図柄が異なる数字(ここでは5)で停止する。この場合、第2大入賞口15が開くことはなく、特殊状態回数が1消費され、図23(d)に示すような画像が演出図柄表示装置6に表示される。第2特別図柄の演出図柄95は画面の右上に小さく表示される状態に戻る。また、第2特別図柄の変動の結果、大当りになることもある(確率1/200)。その場合も図23(a)の状態を経て図23(b)のようなリーチ状態となるが、やがて図23(e)に示すように中の図柄も同じ数字(ここでは3)で停止する。引き続き図23(f)に示すような画像が演出図柄表示装置6に表示され、第1大入賞口14が15回開閉される大当りが発生する。なお、このように特殊状態において発生した大当り(遊技球が特定領域106を通過したことにより発生した大当りも含む)後に時短状態となる割合は、通常状態において発生した大当りと同じ(つまり50%)とする。また、ここでは大当り時と外れ時のみリーチになるとしたが、小当りの場合でもリーチとなるものがあっても良い。この場合、リーチで小当りとなる場合は通常よりも。小当りの価値(時短突入率が高い、開放される大入賞口の開放時間が長い、当ればラウンド数が多い等)が大きいものである構成としてもよい。
【0087】
以上のように構成された遊技機によれば、第1特別図柄で小当りが発生した場合にも、第2特別図柄の平均変動時間が短くなるため、遊技者は大当りを狙うことが出来る。しかも第2特別図柄の平均変動時間が短くなる期間は、更に4回〜19回(小当り図柄による)、特別図柄が変動するまで継続するため、2種遊技を満喫することができる。そしてこのように小当り図柄により、第2特別図柄の平均変動時間が短くなる期間が異なるので、小当り図柄の種類にも興味を持たせることが可能となる。また、第2特別図柄の小当りでは、変動時間変更手段の作動を維持するだけであるので、特図1の小当りや大当りで決定された期間から、変更されることはなく、一定期間のチャンスを与えることになる。
【0088】
ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。「時短状態」が本発明の「入球容易状態」に相当し、S240の処理が本発明の「当否判定手段」に相当し、第1特別図柄表示装置9および第2特別図柄表示装置10が本発明の「特別図柄表示装置」に相当し、S485の処理が本発明の「特別図柄表示制御手段」に相当し、S435〜S445の処理が本発明の「第1大当り遊技実行手段」に相当し、S685〜S695の処理が本発明の「第2大当り遊技実行手段」に相当し、小当り遊技処理からS685〜S695の処理を除いた処理が本発明の「小当り遊技実行手段」に相当し、S275の処理が本発明の「小当り判定手段」に相当し、S585〜S595の処理が本発明の「入球制御手段」に相当し、S450〜S460の処理が本発明の「入球容易状態終了手段」と「特殊状態終了手段」を兼ねたものに相当し、S656〜S663の処理が本発明の「特殊状態制御手段」に相当し、ゲート17が本発明の「普通図柄始動口」に相当し、S840の処理が本発明の「開放判定手段」に相当し、S870〜S875の処理が本発明の「普通図柄表示制御手段」に相当する。
[他の実施例]
【0089】
前記実施例では第2特別図柄にハズレが存在したが、第2特別図柄からハズレをなくしてもよい。この場合、例えば大当りが1/200で発生し、小当りが199/200で発生するように構成することが考えられる。ハズレがない構成では、小当り図柄に応じて付与された回数だけ、確実に第2特別図柄の小当りが発生され(途中で特定領域106に入球した場合は除く)、大当りを狙うことができる。
【0090】
前記実施例では特殊状態の終了条件としてカウントするのは第1特別図柄および第2特別図柄の変動であったが、第2特別図柄のみをカウントの対象としてもよい。こうすると、第1特別図柄で小当りが発生した場合に、第1特別図柄の保留記憶が多数あった場合に、該保留記憶の数だけ余分にチャンスが減るのを防止することができる。また、第1特別図柄の保留記憶を先読みして、小当りとなる保留記憶が存在する場合には、これを遊技者に報知したり示唆したりしてもよい。こうすると、遊技機が保留記憶を増えないようにする(例えば遊技球の発射を取りやめる)ことにより、特殊状態が発生した場合により有利に遊技することが可能となる。また、前記実施例では第1特別図柄の保留記憶がなくなるまで、第2特別図柄が変動しない仕様であったが、第2特別図柄を第1特別図柄と同時に変動可能な構成としてもよい。この場合、特殊状態においては第1特別図柄の変動時間を第2特別図柄の変動時間よりも長くするとよい。こうすると、第1特別図柄の変動によって特殊状態の回数が減ってしまうことを防止することができる。
【0091】
また、特殊状態では普通図柄の当り確率および普電の開放時間が時短状態と同じであったが、これ以外の条件を時短状態と同じにしてもよい。例えば、普電の開放時間と普通図柄の変動時間を時短状態と同じにしたり、普通図柄の変動時間のみを同じにしたりしてもよい。ただし、これら3個の条件を全て同じにすると、時短状態と同じになってしまうので、避けるべきである。また、特殊状態は、時短状態の3条件(普通図柄の高確率化、普電の開放延長、普通図柄の変動時間の短縮)の一部が作動することにより実現していたが、1つの条件を通常状態と同じにし(例えば、普通図柄の当り確率が通常時においても高めで、特殊状態になっても変化しない)、特殊状態においては残る2つの条件が作動する構成でもよい。特殊状態においては時短状態より条件の作動が1つ以上少なく、且つ少なくとも1つの条件が作動していればよい。また、前記実施例では、第1特別図柄の小当り図柄が複数あり、小当り図柄の違いに応じて付与される特殊状態の期間が変化したが、特殊状態の期間は1種類のみとしてもよい。こうすると、小当り図柄の違いに応じて生じる遊技興趣は失われるが、通常状態において2種遊技が発生する可能性は維持することができる。
【0092】
なお、前記実施例では、第1特別図柄が小当りとなった際には、第2大入賞口15が開放されていたが、第1大入賞口14を開放してもよい。このように構成すると、第1特別図柄の小当りでは大当りを発生できないものの、その後に発生する特殊状態により大当りの発生を狙うことができる。ただし前記実施例に比べると、チャンスは1回減ることになる。また、第1特別図柄の小当りの中に、第1大入賞口14が開放されるものと、第2大入賞口15が開放されるものとが存在してもよい。このように、作動回数に影響する小当りは第1大入賞口14を開放し、作動回数に影響しない小当りは第2大入賞口15を開放することで、遊技者に分かり易くすることができる。そしてこれら小当りごとに異なる演出を行なうことも考えられる。
【0093】
また、前記実施例のパチンコ機50は、払出制御装置81を備え、払出装置73により遊技球を払い出すものであったが、このような実体のある遊技球を払い出さずに、賞球数に対応する数値データを遊技者に付与する遊技機に本発明を適用しても良い。なお、こうした遊技機では、発射に用いる遊技球を遊技機内で循環して繰り返し用いるように構成されるのが一般的である。
【符号の説明】
【0094】
7:普通図柄表示装置
8:普通図柄保留数表示装置
9:第1特別図柄表示装置
10:第2特別図柄表示装置
11:第1始動口
12:第2始動口
14:第1大入賞口
15:第2大入賞口
17:ゲート
18:第1特別図柄保留数表示装置
40:規制部材
50:パチンコ機
80:主制御装置
83:サブ統合制御装置
100:特定役物
101:ワープ出口
102:クルーン
103:振分け口
104:ハズレ口
105:振分け羽根
106:特定領域
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