特許第6481234号(P6481234)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481234
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】汚泥掻寄装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 21/18 20060101AFI20190304BHJP
   B01D 21/24 20060101ALI20190304BHJP
   B01D 21/02 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   B01D21/18 F
   B01D21/24 G
   B01D21/02 N
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-181701(P2014-181701)
(22)【出願日】2014年8月20日
(65)【公開番号】特開2016-43346(P2016-43346A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】503018571
【氏名又は名称】有限会社フジカ
(72)【発明者】
【氏名】藤原 充弘
【審査官】 田中 則充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−131627(JP,A)
【文献】 特開2001−224908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D21/00−21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形の短辺に対応する前後の端壁と矩形の長辺に対応する左右の側壁および汚泥掻寄方向である前側の端壁側に汚泥ピットを備える底壁とを備えてなる矩形沈澱池内の底壁上に伸縮自在な駆動シリンダを該シリンダの長手方向を池幅中央に沿わせるようにして配置し、この駆動シリンダは、シリンダ本体と内蔵型ピストン付きのロッドとを備えたもので、シリンダ本体はそのテールを下流側終端上にまたヘッドは下流端を基準にして上流側にそれぞれ位置させるようにして固定し、ロッドはシリンダ本体の前端ヘッドを通じて前向きに伸びその先端であるロッド端部が一定のストロークでもって直線状に進退するようにされるとともに、前記駆動シリンダの外側には、下部がシリンダ本体を中間にして左右対向板状をなし上部がシリンダ本体の上回りを覆う三角あるいは丸アーチ状の屋根型とされかつ底面は開放型とした防泥ケース式の機体を備え、この機体は、後退時においてその後端がシリンダ本体のテール側外部に位置し前端が縮小時のロッド端部の位置よりも掻寄方向側前方に位置するとともにその中途がロッド端部に連結され、同機体は、耐摩耗コンクリートや床下塗着用あるいは歩道標識用塗料などにより一定厚となるようにかつ池幅間中央ラインを跨いで左右対称となるように底壁上に2本ライン状に施された走行ガイドに沿って転動するようにした走行輪を左右外側でかつ前後複数組備えて駆動シリンダと共に進退すべく構成され、前記機体には、その前後端および前後間に配備したスクレーパ軸を介して回転自在に汚泥スクレーパが設けられて駆動シリンダの進退運動に合わせて前進時には垂直な掻寄姿勢とされる一方復帰時には持ち上げられた非掻寄姿勢となるように上下姿勢切換可能とされているとともに、前記汚泥スクレーパのうち掻寄方向である前端のものは、池中央の汚泥をも含めて汚泥ピットに掻き寄せ得るようにする1枚板状のものとされていることを特徴とする汚泥掻寄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、汚泥掻寄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
矩形沈澱池は、矩形の短辺を前後の端壁とし長辺を幅方向に対向する左右の側壁とするとともに底壁を備えこの底壁の汚泥掻寄方向である前側の端壁側に汚泥ピットを備えて立体構造を構成したものでなる。沈澱池のピットの上方に対応する前側の端壁が上流側とされてその上側には沈澱池外から導かれてきた汚水が導入される流入渠が設けられるとともに同流入渠の池内への出口に横断状に設けた多孔状の整流壁(板)の整流孔を通じて汚水を整流化しながらごく緩徐な流れにして沈澱池内に送り込むようにしてそのまま下流側へゆっくりと流すことにより沈降を促進して底壁上に汚泥を沈澱させるようにしてある。底壁上に沈澱した汚泥は、汚泥掻寄装置により汚泥ピットまで掻き寄せられ回収されピット外に排出されるようにしてある。
前記汚泥掻寄装置には種々のものがあるが、ここではその一例として特許文献1を示す。
【0003】
【特許文献1】 特開2005−131627
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された汚泥掻寄装置は、ガイドレールと走行輪と汚泥スクレーパを備えた機体をガイドレールに添って直線的に進退駆動させるようになっており、ガイドレールは底壁上における池幅中央に沿って配置され、機体はその前部に水シリンダをまた後側中間に機体筒を連結してなるものでその機体左右に一対からなる走行輪を前後複数組配備してガイドレール上を走行可能としてあり、さらに水シリンダからのロッドは前方に伸びてその前端を固定することにより水シリンダが進退自在となるようにしてある。また、機体である水シリンダの前後複数個所には上下に姿勢の切換が可能な状態で汚泥スクレーパを装備してなる。この汚泥掻寄装置では、後退した状態の水シリンダがロッドに添って前方へ駆動されることによって汚泥スクレーパにより汚泥が掻き寄せられ、前進端において汚泥スクレーパが持ち上げられたあと水シリンダが元の後方へ戻されることで復帰されるようになっている。この汚泥掻寄装置は、機体を簡易駆動手段である水シリンダで構成したので、従来のようにワイヤあるいはリンクチェーンなどや複数のシーブなどの複雑な牽引駆動手段を構成する必要がないことから簡略でトラブルの少ない汚泥掻寄装置を提供することができる点で有利である。
しかし、同公報の汚泥掻寄装置において機体一部として構成した水シリンダは、前端を固定したロッドに添って進退するものでしかもシリンダヘッドのロッドが摺動する部分が池の沈澱域内に露呈していることから汚泥などの異物がシリンダ内に侵入して摺動部分を損傷したり圧路に詰まりを発生したりするおそれがある。
【0005】
この発明は、上記問題を解決しようとするもので、シリンダの損傷や圧路内での詰まりなどのトラブルを防止することのできる汚泥掻寄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、矩形の短辺に対応する前後の端壁と矩形の長辺に対応する左右の側壁および汚泥掻寄方向である前側の端壁側に汚泥ピットを備える底壁とを備えてなる矩形沈澱池内の底壁上に伸縮自在な駆動シリンダを該シリンダの長手方向を池幅中央に沿わせるようにして配置し、この駆動シリンダは、シリンダ本体と内蔵型ピストン付きのロッドとを備えたもので、シリンダ本体はそのテールを下流側終端上にまたヘッドは下流端を基準にして上流側にそれぞれ位置させるようにして固定し、ロッドはシリンダ本体の前端ヘッドを通じて前向きに伸びその先端であるロッド端部が一定のストロークでもって直線状に進退するようにされるとともに、前記駆動シリンダの外側には、下部がシリンダ本体を中間にして左右対向板状をなし上部がシリンダ本体の上回りを覆う三角あるいは丸アーチ状の屋根型とされかつ底面は開放型とした防泥ケース式の機体を備え、この機体は、後退時においてその後端がシリンダ本体のテール側外部に位置し前端が縮小時のロッド端部の位置よりも掻寄方向側前方に位置するとともにその中途がロッド端部に連結され、同機体は、耐摩耗コンクリートや床下塗着用あるいは歩道標識用塗料などにより一定厚となるようにかつ池幅間中央ラインを跨いで左右対称となるように底壁上に2本ライン状に施された走行ガイドに沿って転動するようにした走行輪を左右外側でかつ前後複数組備えて駆動シリンダと共に進退すべく構成され、前記機体には、その前後端および前後間に配備したスクレーパ軸を介して回転自在に汚泥スクレーパが設けられて駆動シリンダの進退運動に合わせて前進時には垂直な掻寄姿勢とされる一方復帰時には持ち上げられた非掻寄姿勢となるように上下姿勢切換可能とされているとともに、前記汚泥スクレーパのうち掻寄方向である前端のものは、池中央の汚泥をも含めて汚泥ピットに掻き寄せ得るようにする1枚板状のものとされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述したように、請求項1に記載の発明は、矩形の短辺に対応する前後の端壁と矩形の長辺に対応する左右の側壁および汚泥掻寄方向である前側の端壁側に汚泥ピットを備える底壁とを備えてなる矩形沈澱池内の底壁上に伸縮自在な駆動シリンダを該シリンダの長手方向を池幅中央に沿わせるようにして配置し、この駆動シリンダは、シリンダ本体と内蔵型ピストン付きのロッドとを備えたもので、シリンダ本体はそのテールを下流側終端上にまたヘッドは下流端を基準にして上流側にそれぞれ位置させるようにして固定し、ロッドはシリンダ本体の前端ヘッドを通じて前向きに伸びその先端であるロッド端部が一定のストロークでもって直線状に進退するようにされるとともに、前記駆動シリンダの外側には、下部がシリンダ本体を中間にして左右対向板状をなし上部がシリンダ本体の上回りを覆う三角あるいは丸アーチ状の屋根型とされかつ底面は開放型とした防泥ケース式の機体を備え、この機体は、後退時においてその後端がシリンダ本体のテール側外部に位置し前端が縮小時のロッド端部の位置よりも掻寄方向側前方に位置するとともにその中途がロッド端部に連結され、同機体は、耐摩耗コンクリートや床下塗着用あるいは歩道標識用塗料などにより一定厚となるようにかつ池幅間中央ラインを跨いで左右対称となるように底壁上に2本ライン状に施された走行ガイドに沿って転動するようにした走行輪を左右外側でかつ前後複数組備えて駆動シリンダと共に進退すべく構成され、前記機体には、その前後端および前後間に配備したスクレーパ軸を介して回転自在に汚泥スクレーパが設けられて駆動シリンダの進退運動に合わせて前進時には垂直な掻寄姿勢とされる一方復帰時には持ち上げられた非掻寄姿勢となるように上下姿勢切換可能とされているとともに、前記汚泥スクレーパのうち掻寄方向である前端のものは、池中央の汚泥をも含めて汚泥ピットに掻き寄せ得るようにする1枚板状のものとされていることを特徴とするので、シリンダの損傷や圧路内での詰まりなどのトラブルを防止することのできる汚泥掻寄装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】 この発明の一実施形態を示す図2の平面図。
図2図1のII−II線断面図。
図3図1のIII−III線に対応する横断面図。
図4図2のIV−IV線断面図。
図5図1のV−V線横断面図。
図6図5に基づく掻寄終了直前の断面図。
図7】 他の実施形態を示す縦断面図。
図8】 他の実施形態を示す正面からみた縦断面図。
図9】 他の実施形態を示す正面からみた縦断面図。
図10】 他の実施形態を示す装置側断面図。
図11図10のXI−XI線断面図。
図12】 他の実施形態を示す正面からみた縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の一実施形態を図1ないし図6に従って説明する。
これらの図における1は矩形をした沈澱池で図1,2および図4ないし6における図の右が上流側で左が下流側であり、2が前側端壁、3が後側端壁で、これら端壁2,3は、上からみて矩形の短辺に対応し、矩形の長辺は池幅方向に対面する左右の側壁4が対応する。前側端壁2の上部には図示しない整流孔付きの整流板が設けられてそれより右側の流入渠(図示省略)に導入される汚水を整流孔を通じて沈澱池1内に緩徐に導入するようになっている。
5は底壁で、その前側端壁2側である汚泥掻寄方向側には汚泥ピット6が凹設されている。このピット6には回収した汚泥を吸い上げて池外に排除する吸い上げポンプ(図示省略)が設けられる。
【0010】
沈澱池1内の底壁5上には、池幅間中央ラインを跨いで左右対称となるように2本の走行ガイド8が設けられている。このガイド8は、耐摩耗コンクリートや床下塗着用の強化塗料、あるいは道路の歩道標識用塗料などを一定厚で平滑な表面となるようにライン状に施したものである。底壁5と走行ガイド8とは、水平でなく上流側へ向けてごく緩徐に下がり傾斜している。
【0011】
10は駆動シリンダで、円筒型をしたシリンダ本体11と内蔵型ピストン12付きのロッド13とを備えた水シリンダタイプとなっている。シリンダ本体11は、そのテールを下流側終端上にくるようにしてテールブラケット14で固定するとともにそのヘッドを下流端から数m上流側に位置させた状態でヘッドブラケット15により固定して側壁4間である池幅方向中央を通るようにして固定してある。同シリンダ本体11は、その底面が底壁5より少し浮く状態とされている。ロッド13は、シリンダ本体11の前端ヘッドを通じて前向きに伸びその先端であるロッド端部16がストロークSで直線状に進退するようにしてある。
18はヘッド側に接続されたAポート、19はテール側に接続されたBポートで、それぞれに連通された水圧配管20,21は池上の水圧制御駆動部(図示省略)に接続されている。水圧制御駆動部には本浄水化施設において得られる浄水が利用される。
【0012】
23は機体で、図3に示すように、下部が左右対向板状で上部が三角屋根型をした底面開放型の長尺ケース状部材であり、その前後端部と前後間2個所に対応する外周には、軸方向に短く同じく屋根型をした補強フレーム24が装着されている。補強フレーム24は、中空型であり、アングル材やH鋼、溝型鋼などの曲げ材を使用してもよい。各補強フレーム24の左右両側には前記走行ガイド8上を転動して走行する走行輪25が回転自在に取り付けられている。機体23は、図2に示す復帰状態時に、後端が駆動シリンダ10のテール側端部位置に対応し、前端がシリンダヘッドより数m前方に位置する位置関係に設けられるとともに、ロッド端部16に通されたロッドピン26が前側から2つ目の補強フレーム24に通されて連結されている。機体23の前端は、図2および図4に示すように、右方向に掻き寄せのため前進して汚泥ピット6の手前位置にくるようになっている。機体23の前端面および/または後端面には、図3の右上欄に示すようなベース型板を縦向きの折曲線27aに添って前凸状に曲げてなる端板27を装着して同じく対応した前凸状とした機体23の前端に閉止状に取り付けて端板27が汚泥を切り分けながら閉止板として進行することにより機体23内に汚泥が侵入しにくくなるようにしてもよい。端板27は湾曲状にしてもよい。
【0013】
30は軸支パイプで、前後と中間の補強フレーム24の前上部に左右に軸芯を向けた形で取り付けられており、この軸支パイプ30を介して下部にゴム板を備える汚泥スクレーパ31が前後3枚配備されている。32はスクレーパ軸である。前部と中間の汚泥スクレーパ31,31には連動レバー33が突設されてそれらは前連動リンク34により連動可能とされ、中間と後部の汚泥スクレーパ31,31は左右一対の後連動リンク35によりその上下運動が連動されるようになっている。36は姿勢切換用のウエイトである。
汚泥スクレーパ31の前後間隔はPで、駆動シリンダ10のストロークSはこのPよりも少なくとも数十cm以上は長く設定されている。これは、例えば、後端の汚泥スクレーパ31が図6のようにストロークS程前進した場合、図5における中間の汚泥スクレーパ31の復帰位置よりも前方にくるようにすることで、図6において後端の汚泥スクレーパ31により掻き寄せられた汚泥が図5の中間の汚泥スクレーパ31によって次のステップにおいて前方へ掻き進められることができるようにしたものである。すなわち、この汚泥掻寄装置は、後側の汚泥スクレーパ31によって掻き進められた汚泥が復帰したそれより前側の汚泥スクレーパ31によって次に掻き進められ、その繰り返しにより最後は前端の汚泥スクレーパ31によりピット6内に掻き落とされるようにするものになっている。
これにより、汚泥スクレーパ31は垂直姿勢で掻寄状態とされて前進し、前進終了直前において前連動リンク34の先端の前ローラー38がピット6側に突設の前ストッパ39に当たることで汚泥スクレーパ31は持ち上がった非掻寄姿勢となって復帰されるようになっている。一方、後側の端壁3の下部にも後ストッパ41が突設されており、このストッパ41には、図2のように破線の持ち上がり状態で復帰した汚泥スクレーパ31が復帰終了時において当たって実線のように垂直に戻すようにする。
尚、汚泥スクレーパ31は、図3の右欄に示すように、左右間につなぎ部分を含むような1枚板状のものにして池中央の汚泥をも含めて効率的にピット6に掻き寄せるようにすることができる。
前記走行ガイド8はレール型のものにしてもよい。
【0014】
図1ないし図5は汚泥掻寄装置が汚泥スクレーパ31の持ち上がった非掻寄姿勢で復帰し垂直な掻寄姿勢に戻されてこれから掻寄をしようとする直前の状態を示している。この際、駆動シリンダ10はロッド13が全縮状態で機体23は駆動シリンダ10のテール側を上方および左右側方から覆いさらにシリンダ本体11のロッド13が突き出す個所を含みロッド13より数m前方部分をも含む形で覆っている。図6はロッド13が全伸状態で機体23がピット6の手前まで前進して掻き寄せを終了した状態とされ、この際もシリンダ本体11のヘッド部とロッド13の全体が機体23で覆われた状態とされる。従って、シリンダ本体11のヘッド部分とロッド13の伸びた長さ範囲のすべてに亘って機体2で覆われることになってそお範囲での汚泥の沈降は阻止されることになり、その結果、汚泥が駆動シリンダ10内に侵入して内部を傷付けたり水圧路などに侵入して目詰まりを起こすようなおそれがなくなる。
【0015】
図7は他の実施形態を示す。同実施形態は、駆動シリンダ10がトラニオン43で支持されたもので、44は後部シリンダ受を示す。
【0016】
図8は他の実施形態を示す。同実施形態は、機体23が直線状に進退するようにシリンダ本体11と機体23内面に相摺動する規制ガイド47を設けたり、機体23が左右振れしたり浮き上がりを防止するようにシリンダ本体11の下回りに左右一対のシュー48を設けることができる。
尚、ロッド13回りに固定したリング49から下向きに突設した垂下材50をロッド直進ガイド用シュー51に沿って摺動させるようにすることで駆動シリンダ10の直線状進退が確実化するようになる。
図9も他の実施形態を示し、シリンダ本体11上に備えたレール53に機体23側の支持ローラー54とサイドローラー55とを対応させて機体23を受担させながら左右振れなく進退させるようにしたものである。
【0017】
図10ないし図12は他の実施形態を後退(掻寄直前)時において示す。同実施形態は、駆動シリンダ58をシリンダ本体59とピストン60付きの固定パイプ61とで構成してストロークSとし、固定パイプ61に備えたパイプ端部62を連結軸63を介して軸ブラケット64に止め付けるようにするとともに、連結軸63にはA流路65とB流路66とを形成して池上の水圧制御駆動手段からの圧水が実線矢印と破線矢印の各流路から交互に流入するようにしてある。固定パイプ61内には流路65,66にそれぞれ通じるAパイプ67とBパイプ68とを通してピストン60内のA路70とB路71を通じて交互にピストン60前あるいは後側に圧水を供給可能にしてある。
【0018】
例えば、掻寄時には、A流路65からAパイプ67を通じて導かれた圧水がA路70を通じてピストン60前に導出されることで、シリンダ本体59は前方へ伸びテール端部73に通された連結軸74を介して走行輪75および汚泥スクレーパ76付きの機体77を右方向である汚泥ピット6方向に進出させ、これにより汚泥をピット6方向に掻き寄せるようになっている。このときシリンダ本体59のピストン60より左側の圧水はB路71・Bパイプ68およびB流路66を通じて池上に戻される。掻き寄せが終わって復帰されるときは、Bの経路66,68,71で圧水が導入されAの経路70,67,65を通じて内水が排出されることによりシリンダ本体59が縮小して機体77は戻される。尚、汚泥スクレーパ76の取付間隔はPとされ、ストロークSよりも短く設定されていることにより、前記実施形態のように後方から段階的に汚泥を掻き進み最終段階においてピストン6内に落とし込むようになっている。
【0019】
シリンダ本体59が前側でロッドに相当する固定パイプ61がその後端から後向きに伸びており、しかも固定パイプ61とシリンダ本体59の摺動個所を含めて常時機体77で上方および側方から覆われているので、前記摺動個所が進退する通域には殆ど汚泥が存在しない状況をつくることができてこの摺動個所を通じての汚泥の侵入は有効に阻止されるものとなる。
【0020】
尚、図10に破線で示し同図の左下欄に断面を取り上げて示すように、機体77の復帰時の後半部分内部にラップ状に対応するように固定防泥カバー79を固定配置しておいて機体77が前進したあと通過域に汚泥が沈降してくるのを阻止して前記摺動個所からの汚泥など異物の侵入をより確実に阻止し得るように構成してもよい。
また、機体77は、底面が開放型であったが、図10の左下欄および図12に示すように、底壁を付けて閉止型とすることもあり、閉止型とするか否かに関わらず機体77に前・後の端面板を付して機体77内への汚泥の侵入を阻止するように構成することができる。
さらに、図12に示すように、底壁5の池幅中央に沿って直進ガイドレール81を固定しておき、同レール81に沿って機体77側の受担ローラー82およびサイドローラー83を転動自在とすることでシリンダ本体59、機体77および汚泥スクレーパ76などが正常に直線状に進退運動をするようにしてもよい。
また、前記他の実施形態でも同様に適用できるが、図12の右上欄に示すように、機体77および補強フレーム78を丸アーチ型にしてもよい。
【符号の説明】
【0021】
1…沈澱池 2…前側端壁 3…後側端壁 4…側壁 5…底壁 6…汚泥ピット 10、58…駆動シリンダ 11、59…シリンダ本体 12、60…ピストン 13…ロッド 23、77…機体 24,78…補強フレーム 25,75…走行輪 26…ロッドピン 31,76…汚泥スクレーパ 61…固定パイプ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12