特許第6481257号(P6481257)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481257
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】電気機器
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/08 20060101AFI20190304BHJP
   F04D 29/64 20060101ALI20190304BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   F04D25/08 301A
   F04D29/64 E
   F21S9/02
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-72332(P2014-72332)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-194121(P2015-194121A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2016年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 滋
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 雅範
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 高史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 順一
【審査官】 原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07850513(US,B1)
【文献】 特開2012−233469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/08
F04D 29/64
F21S 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を光、風、熱又は音のいずれかに変換して前面側から外部へ出力する本体部と、
常態において設置面と接触する第1フレーム部と、
該第1フレーム部に一体的に連結され、前記本体部の上方に位置する第2フレーム部と、
前記第1フレーム部に設けられ、二次電池が取り付けられ電池保持部と、を具備し、
設置面に対し、前記第1フレーム部を設置した状態で使用できると共に、
前記電池保持部に取り付けられた前記二次電池と前記第2フレーム部とを設置した状態で使用できるように構成したことを特徴とする電気機器。
【請求項2】
常態において設置面と接触する第1フレーム部と、
該第1フレーム部に設けられ、二次電池が取り付けられ電池保持部と、を具備し、
設置面に対し、前記第1フレーム部を設置した状態で使用できると共に、
前記電池保持部に取り付けられた前記二次電池のみを設置した状態で使用できるように構成したことを特徴とする電気機器。
【請求項3】
電力を光、風、熱又は音のいずれかに変換して前面側から外部へ出力する本体部と、
該本体部を支持する一対のサイドフレームと、
一対の前記サイドフレームに接続され、前記本体部の上方に位置するトップフレームと、
一対の前記サイドフレームの下端部から後方側に延びる一対のボトムフレームと、
一対の前記ボトムフレームを接続する接続フレームと、
前記本体部に電力を供給する二次電池が着脱可能に装着される電池保持部とを具備し、
前記電池保持部は、前記接続フレームに設けられ、前記本体部後面と間隔をおいて配置されていることを特徴とする電気機器。
【請求項4】
前記電池保持部の後方側に前記二次電池の装着部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の電気機器。
【請求項5】
一対の前記ボトムフレームを接地させて自立させた状態では、前記電池保持部に装着された前記二次電池の重心は、前記本体部が一対の前記サイドフレームに支持されている箇所よりも下方に配置されることを特徴とする請求項3又は4記載の電気機器。
【請求項6】
前記本体部は、一対の前記サイドフレームにそれぞれ組み込まれ支持機構部によって回動可能に支持されていることを特徴とする請求項5記載の電気機器。
【請求項7】
一対の前記ボトムフレームにおける前記接続フレーム近傍の上面側には、一対の前記サイドフレームに支持された前記本体部の支持軸と軸方向が略平行な部分円筒状の凹部が形成されていることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の電気機器。
【請求項8】
前記電池保持部における前記本体部側の面は、前記凹部から連続して前記ボトムフレームから遠ざかる方向に形成されていることを特徴とする請求項7記載の電気機器。
【請求項9】
前記電池保持部における前記本体部側の面は、根元から先端部にかけて前記本体部から遠ざかるように形成されていることを特徴とする請求項7又は8記載の電気機器。
【請求項10】
電力を光、風、熱又は音のいずれかに変換して前面側から外部へ出力する本体部と、
前記本体部を支持する一対のサイドフレーム、一対の前記サイドフレームの下端部から後方側に延びる一対のボトムフレーム及び一対の前記ボトムフレームを接続する接続フレームを有するフレーム部と、
前記フレーム部に設けられ、前記本体部に電力を供給する二次電池が着脱可能に装着される電池保持部と、を具備し、
前記ボトムフレームを接地した状態において、前記サイドフレーム及び前記電池保持部は上方に延びるように構成されると共に、一対の前記サイドフレームに支持された前記本体部の支持軸と前記電池保持部との間に、前記支持軸と軸方向が略平行な部分円筒状の凹部が形成され、外部部材に引っ掛けるための引っ掛け部として機能し、前記引っ掛け部は、前記ボトムフレームと前記電池保持部との接続部に設けられ、前記本体部と前記電池保持部と前記フレーム部とで形成される空間内に位置するように構成したことを特徴とする電気機器。
【請求項11】
前記電池保持部の前面側は前記ボトムフレームに対して後方側に傾斜していることを特徴とする請求項10記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に蓄えられた電力を光、風、熱又は音のいずれかに変換して外部へ出力する電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
作業現場等の過酷で煩雑な現場で用いられる電気機器である扇風機は、コンパクト且つ軽量で、容易に取り扱えることが望まれている。例えば、扇風機本体をケースに収納した状態で持ち運び、開放状態のケースに扇風機本体を取り付けて使用する扇風機が提案されている(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭59−196596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年は、さらなる取扱い性向上の要求や二次電池の性能向上に伴って、コードレス化が進んでおり、二次電池に蓄えられた電力を風に変換して出力するコードレスファンが提案されており、取扱い性を向上させることが求められている。
【0005】
本発明は以上のような状況に鑑みなされたものであって、上記課題を解決し、取扱い性を向上することができる電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気機器は、電力を光、風、熱又は音のいずれかに変換して前面側から外部へ出力する本体部と、常態において設置面と接触する第1フレーム部と、該第1フレーム部に一体的に連結され、前記本体部の上方に位置する第2フレーム部と、前記第1フレーム部に設けられ、二次電池が取り付けられ電池保持部と、を具備し、設置面に対し、前記第1フレーム部を設置した状態で使用できると共に、前記電池保持部に取り付けられた前記二次電池と前記第2フレーム部とを設置した状態で使用できるように構成したことを特徴とする。
また、本発明の電気機器は、常態において設置面と接触する第1フレーム部と、該第1フレーム部に設けられ、二次電池が取り付けられ電池保持部とを具備し、設置面に対し、前記第1フレーム部を設置した状態で使用できると共に、前記電池保持部に取り付けられた前記二次電池のみを設置した状態で使用できるように構成したことを特徴とする。
また、本発明の電気機器は、電力を光、風、熱又は音のいずれかに変換して前面側から外部へ出力する本体部と、該本体部を支持する一対のサイドフレームと、一対の前記サイドフレームに接続され、前記本体部の上方に位置するトップフレームと、一対の前記サイドフレームの下端部から後方側に延びる一対のボトムフレームと、一対の前記ボトムフレームを接続する接続フレームと、前記本体部に電力を供給する二次電池が着脱可能に装着される電池保持部とを具備し、前記電池保持部は、前記接続フレームに設けられ、前記本体部後面と間隔をおいて配置されていることを特徴とする。
さらに、本発明の電気機器は、前記電池保持部の後方側に前記二次電池の装着部が形成されていても良い。
さらに、本発明の電気機器は、一対の前記ボトムフレームを接地させて自立させた状態では、前記電池保持部に装着された前記二次電池の重心は、前記本体部が一対の前記サイドフレームに支持されている箇所よりも下方に配置されていても良い。
さらに、本発明の電気機器は、前記本体部は、一対の前記サイドフレームにそれぞれ組み込まれ支持機構部によって回動可能に支持されていても良い。
さらに、本発明の電気機器は、一対の前記ボトムフレームにおける前記接続フレーム近傍の上面側には、一対の前記サイドフレームに支持された前記本体部の支持軸と軸方向が略平行な部分円筒状の凹部が形成されていても良い。
さらに、本発明の電気機器は、前記電池保持部における前記本体部側の面は、前記凹部から連続して前記ボトムフレームから遠ざかる方向に形成されていても良い。
さらに、本発明の電気機器は、前記電池保持部における前記本体部側の面は、根元から先端部にかけて前記本体部から遠ざかるように形成されていても良い。
また、本発明の電気機器は、電力を光、風、熱又は音のいずれかに変換して前面側から外部へ出力する本体部と、前記本体部を支持する一対のサイドフレーム、一対の前記サイドフレームの下端部から後方側に延びる一対のボトムフレーム及び一対の前記ボトムフレームを接続する接続フレームを有するフレーム部と、前記フレーム部に設けられ、前記本体部に電力を供給する二次電池が着脱可能に装着される電池保持部と、を具備し、前記ボトムフレームを接地した状態において、前記サイドフレーム及び前記電池保持部は上方に延びるように構成されると共に、一対の前記サイドフレームに支持された前記本体部の支持軸と前記電池保持部との間に、前記支持軸と軸方向が略平行な部分円筒状の凹部が形成され、外部部材に引っ掛けるための引っ掛け部として機能し、前記引っ掛け部は、前記ボトムフレームと前記電池保持部との接続部に設けられ、前記本体部と前記電池保持部と前記フレーム部とで形成される空間内に位置するように構成したことを特徴とする
らに、本発明の電気機器は、前記電池保持部の前面側は前記ボトムフレームに対して後方側に傾斜しているようにしても良い
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取扱い性を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る電気機器であるコードレスファンの実施の形態の構成を示す斜視図である。
図2図1に示すコードレスファンの構成を示す正面図である。
図3図1に示すコードレスファンのボトムフレームを接地させた自立状態を示す斜視図である。
図4図1に示すコードレスファンのサイドフレーム及びボトムフレームを接地させた自立状態を示す斜視図である。
図5図1に示すコードレスファンのトップフレーム及び二次電池を接地させた自立状態を示す斜視図である。
図6図1に示すコードレスファンの二次電池の背面を接地させた自立状態を示す斜視図である。
図7図1に示すコードレスファンを吊り下げた状態を示す側面図である。
図8図1に示すコードレスファンを吊り下げた状態を示す斜視図である。
図9】小サイズの二次電池を装着した図1に示すコードレスファンを吊り下げた状態を示す側面図である。
図10】二次電池を取り外した図1に示すコードレスファンを吊り下げた状態を示す側面図である。
図11】ボトムフレームが短い本発明に係るコードレスファンの実施の形態の構成を示す側面図である。
図12】本発明に係る電気機器であるコードレスファンの他の実施の形態の構成を示す側面図である。
図13】サイドフレーム及びボトムフレーム用いて図1に示すコードレスファンを吊り下げた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。
【0010】
本実施の形態の電気機器は、電力を風に変換して外部へ出力するコードレスファン1である。コードレスファン1は、図1乃至図3を参照すると、ファン11及びファン11を回転させる図示しないモータが内蔵されたファン本体部10と、ファン本体部10を囲んで、ファン本体部10をガードするフレーム部20とで構成されている。
【0011】
ファン本体部10は、ファン11及び図示しないモータを内蔵する中空円盤状のハウジングとして、送風口となる前面カバー部材12と、空気の吸込口となる背面カバー部材13とを備えている。そして、ファン本体部10の上部には、ファン11のオンオフを制御するスイッチ14が設けられている。
【0012】
フレーム部20は、ファン本体部10の両側面に配置され、ファン本体部10の側面をガードする一対のサイドフレーム22と、一対のサイドフレーム22の上端部を接続するトップフレーム23と、一対のサイドフレーム22の下端部から後方側に延び、脚部となる一対のボトムフレーム24と、一対のボトムフレーム24の後端部を接続する接続フレーム25とで構成され、サイドフレーム22、トップフレーム23、ボトムフレーム24及び接続フレーム25が互いに相対移動しないよう一体化されている。
【0013】
図2に示すように、前面カバー部材12側からファン本体部10の前面を見たときに、一対のサイドフレーム22はファン本体部10の左方及び右方にそれぞれ位置し、トップフレーム23はファン本体部10の上方に位置し、ボトムフレーム24はファン本体部10の下方に位置する。サイドフレーム22の一部には、支持機構部21が組み込まれている。支持機構部21は、ファン本体部10の側面に設けられている図示しない回動軸をサイドフレーム22に対して略直交するように軸支している。トップフレーム23及び接続フレーム25は、ファン本体部10の回動軸に対して略平行に、支持機構部21に軸支されたファン本体部10が回動しても接触しない位置、すなわちファン本体部10の回動領域外に配置されている。
【0014】
コードレスファン1は、図3に示すように、ボトムフレーム24を接地させて自立可能な構成になっている。接続フレーム25には、ニッケル水素やリチウムイオン等の複数の電池セルが収容された二次電池30が着脱可能に装着される電池保持部251が設けられている。電池保持部251は、図3に示す側面視でボトムフレーム24の後端部から略上方に突出し、電池保持部251の後方側に二次電池30が着脱可能に装着される装着部が形成されている。また、電池保持部251の装着部への二次電池30の装着は、上方側から行うように構成されており、ユーザは、ボトムフレーム24を接地させて自立させた状態で、電池保持部251の装着部を目視し、二次電池30を容易に着脱可能である。
【0015】
サイドフレーム22とボトムフレーム24とは、図3に示す側面視で略L字状に接続され、サイドフレーム22とボトムフレーム24とがなす角度は、鋭角(第1の実施の形態では略60度)に設定されている。従って、ファン本体部10の重心は、支持機構部21に軸支されたファン本体部10を回動しても、図3に示す側面視で常にボトムフレーム24上に位置する。これにより、電池保持部251から二次電池30を取り外した状態でも、ボトムフレーム24を接地させて自立させた状態が維持される。
【0016】
電池保持部251に二次電池30を装着した状態では、質量の重いファン本体部10と二次電池30とが前後方向に間隔をおいて配置され、安定度が増し、倒れに難くい。また、図3に示すように、全体質量の大きな割合(例えば4割程度)を占める二次電池30(少なくともその重心)は、ファン本体部10が支持されている支持機構部21よりも下方に配置されている。従って、コードレスファン1の重心位置が下がり、より安定度が増し、倒れに難くい。
【0017】
図3に示すようにボトムフレーム24を接地させてコードレスファン1を自立させた状態では、トップフレーム23及び接続フレーム25は、ファン本体部10の前面カバー部材12よりも後方側に位置し、接続フレーム25に設けられた電池保持部251に装着された二次電池30は、ファン本体部10の吸込口ある後方側と間隔をおいて配置される。従って、ファン本体部10の前面カバー部材12からの送風がトップフレーム23、接続フレーム25、電池保持部251及び二次電池30によって遮られることない。そして、送風を妨げる障害物が前方側にないため、支持機構部21に軸支されたファン本体部10を回動させること、前方側の広範囲で送風方向を上下に移動させることができる。また、二次電池30がファン本体部10の後方側に間隔をおいて配置されているため、ファン本体部10の後方から吸い込まれる風によって、二次電池30を冷却することができる。
【0018】
また、図3に示すようにボトムフレーム24を接地させてコードレスファン1を自立させた状態では、トップフレーム23は、接地面に対して略平行に配置される。従って、トップフレーム23は、ファン本体部10の略上方のユーザが把持しやすい位置に配置されることになり、コードレスファン1を持ち運ぶためのハンドルとして機能する。
【0019】
サイドフレーム22とボトムフレーム24とは、図3に示す側面視で略L字状に接続されているため、図4に示すように、一方のサイドフレーム22及びボトムフレーム24を接地させてコードレスファン1を自立させることができる。なお、図4において、(a)はボトムフレーム24側から見た図であり、(b)はトップフレーム23側から見た図である。一対のボトムフレーム24の間隔は、図4(a)に示すように、前方側よりも後方側が狭くなっている。従って、サイドフレーム22及びボトムフレーム24を接地させてコードレスファン1を自立させると、ファン本体部10は前面カバー部材12が上向くように斜めに傾き、送風方向は斜め上方になる。そして、支持機構部21に軸支されたファン本体部10を回動させること、送風方向を左右に移動させることができる
【0020】
また、コードレスファン1は、図5に示すように、トップフレーム23と電池保持部251に装着された二次電池30と接地させて自立させたり、図6に示すように、電池保持部251に装着された二次電池30の背面をと接地させて自立させたりすることができる。図5及び図6に示すいずれの場合においても、全体質量の大きな割合(例えば4割程度)を占める二次電池30が脚部として接地しているため、安定度が増し、倒れに難くい。
【0021】
図3を参照すると、ボトムフレーム24における接続フレーム25近傍の上面側には、凹部26が形成されている。凹部26は、支持機構部によって軸支されたファン本体部10の回動軸と軸方向が略平行な部分円筒状の曲面で構成されており、凹部26の曲率半径Rは、建築現場での足場用資材として単管パイプの規格である直径48.6mmに合わせて、半径R=24.3mmに設定されている。そして、接続フレーム25におけるファン本体部10側の面も凹部26の一部を構成しており、一対のボトムフレーム24にそれぞれ形成された凹部26に架け渡した単管パイプに接続フレーム25も当接する。また、接続フレーム25に設けられた電池保持部251におけるファン本体部10側の面は、ボトムフレーム24との間で略90度の角度をなし、凹部26から連続してボトムフレーム24から遠ざかる方向に形成されている。
【0022】
凹部26は、コードレスファン1を吊り下げる際の鉤状の引っ掛け部(フック)として機能する。図7及び図8に示すように、コードレスファン1の上下を反対にして凹部26を略水平に架け渡された単管パイプ40に引っ掛けることで、単管パイプ40に吊り下げた状態でコードレスファン1を使用することができる。図7に示すA点は、定格電圧18Vの二次電池30を装着したコードレスファン1の側面側から見た重心位置である。この場合、質量全体に占める二次電池30の割合は4割程度であり、単管パイプ40に吊り下げられたコードレスファン1は、単管パイプ40を挟んで重量物であるファン本体部10と二次電池30とがほぼ釣り合う。従って、図7に示すように、ボトムフレーム24が水平に近い状態となるため、一対のボトムフレーム24にそれぞれ形成された凹部26の全面が、単管パイプ40の上面側に軸方向に間隔を持ってそれぞれ当接し、単管パイプ40に対してコードレスファン1の回動軸が略平行に位置決めされ、姿勢が安定する。また、凹部26が部分円筒状の曲面で構成されているため、凹部26を単管パイプ40に当接させた状態でコードレスファン1を単管パイプ40に沿って移動させることで、左右方向に簡単に移動可能である。
【0023】
本実施の形態では、電池保持部251には、定格電圧18Vの二次電池30と定格電圧14.4Vの二次電池30aの2種類を装着可能に構成されている。図9は、定格電圧14.4Vの二次電池30aを装着したコードレスファン1を単管パイプ40に吊り下げた状態が示されている。図9に示すB点は、定格電圧14.4Vの二次電池30aを装着したコードレスファン1の側面側から見た重心位置である。質量全体に占める二次電池30aの割合は小さくなり、単管パイプ40に吊り下げられたコードレスファン1は、ファン本体部10側に少し傾くことになるが、この場合でも、凹部26の全面が単管パイプ40の上面側に当接する。換言すると、電池保持部251には、二次電池30もしくは二次電池30aが装着された状態でコードレスファン1を吊り下げた場合、凹部26の全面が単管パイプ40の上面側に当接するように、単管パイプ40を挟んで両側に位置するファン本体部10と二次電池30との重量バランスが設定されている。
【0024】
図10は、二次電池30、30aを取り外したコードレスファン1を単管パイプ40に吊り下げた状態が示されている。図10に示すC点は、二次電池30、30aを取り外したコードレスファン1の側面側から見た重心位置である。この場合、単管パイプ40に吊り下げられたコードレスファン1は、ファン本体部10側に大きく傾くが、電池保持部251におけるファン本体部10側の面が凹部26から連続して形成されているため、多少の揺れでは、コードレスファン1が単管パイプ40から脱落することがない。これにより、コードレスファン1を単管パイプ40に吊り下げた状態で二次電池30、30aの着脱を容易に行うことができる。
【0025】
なお、図11に示すように、小型化を目的として長さの短いボトムフレーム24aを採用したコードレスファン1aの場合には、ファン本体部10と電池保持部251との間隔が狭くなり、単管パイプ40に吊り下げようとしても、単管パイプ40が凹部26まで通りにくくなる。そこで、長さの短いボトムフレーム24aを採用する場合には、図12に示すコードレスファン1bのように、ファン本体部10側の面が根元から先端部にかけてファン本体部10から遠ざかるように、電池保持部251を接続フレーム25に対して斜めに設けると良い。この場合には、ファン本体部10と電池保持部251との間隔が確保され、電池保持部251におけるファン本体部10側の面に沿って単管パイプ40を沿わせることで、簡単に凹部26まで導くことができる。
【0026】
また、サイドフレーム22とボトムフレーム24とは、図3に示す側面視で略L字状に接続されている。従って、図13に示すように、サイドフレーム22とボトムフレーム24との接続部を引っ掛け部として機能させて単管パイプ40に引っ掛けることで、単管パイプ40に吊り下げた状態でコードレスファン1を使用することができる。この場合でも、単管パイプ40を挟んで、重量物であるファン本体部10と二次電池30が配置され、安定する。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態によれば、本発明の電気機器は、常態において設置面と接触する第1フレーム部として機能するボトムフレーム24及び接続フレーム25と、サイドフレーム22を介してボトムフレーム24に連結されている第2フレーム部として機能するトップフレーム23と、サイドフレーム22に設けられ、二次電池30が取り付けられた電池保持部251とを具備し、設置面に対し、ボトムフレーム24及び接続フレーム25を設置した状態で使用できると共に、電池保持部251に取り付けられた二次電池30とトップフレーム23とを設置した状態で使用できるように構成されている。
【0028】
また、本実施の形態によれば、常態において設置面と接触するとして機能するボトムフレーム24及び接続フレーム25と、サイドフレーム22に設けられ、二次電池30が取り付けられた電池保持部251とを具備し、設置面に対し、ボトムフレーム24及び接続フレーム25を設置した状態で使用できると共に、電池保持部251に取り付けられた二次電池30のみを設置した状態で使用できるように構成したことを特徴とする。
【0029】
また、本実施の形態によれば、電力を風に変換して前面側から外部へ出力するファン本体部10と、ファン本体部10を支持する一対のサイドフレーム22と、一対のサイドフレーム22の下端部から後方側に延びる一対のボトムフレーム24と、一対のボトムフレーム24を接続する接続フレーム24と、ファン本体部10に電力を供給する二次電池30が着脱可能に装着される電池保持部251とを具備し、電池保持部251は、接続フレーム25に設けられ、ファン本体部10後面の吸込口側と間隔をおいて配置されている。
これらの構成により、質量の重いファン本体部10と二次電池30とが前後方向に間隔をおいて配置され、安定度が増し、倒れ難い。二次電池30とトップルレーム23とを接地させた場合には重心がそれらの間に位置するため倒れ難い。また、様々な状態で設置できるため、用途に応じて設置状態を変更することができる。また、二次電池30を接地させた場合には機器の重心が二次電池30の上方に位置するため倒れ難い。また、ファン本体部10の後方から吸い込まれる風によって、二次電池30を冷却することができる。
【0030】
さらに、本実施の形態によれば、電池保持部251の後方側に二次電池30の装着部が形成されている。
この構成により、ユーザは、ボトムフレーム24を接地させて自立させた状態で、電池保持部251の装着部を目視し、二次電池30を容易に着脱可能である。
【0031】
さらに、本実施の形態によれば、一対のボトムフレーム24を接地させて自立させた状態では、電池保持部251に装着された二次電池の重心は、ファン本体部251が一対のサイドフレーム22に支持されている箇所よりも下方に配置される。
この構成により、コードレスファン1の重心位置が下がり、より安定度が増し、倒れに難くい。
【0032】
さらに、本実施の形態によれば、ファン本体部10は、一対のサイドフレーム22にそれぞれ組み込まれ支持機構部21によって回動可能に支持されている。
この構成により、重心位置が下がって安定させた状態で、風向きを容易に変更することができる。
【0033】
さらに、本実施の形態によれば、一対のボトムフレーム24における接続フレーム25近傍の上面側には、一対のサイドフレーム22に支持されたファン本体部10の支持軸と軸方向が略平行な部分円筒状の凹部26が形成されている。
この構成により、凹部26がコードレスファン1を吊り下げる際の鉤状の引っ掛け部(フック)として機能し、コードレスファン1の上下を反対にして凹部26を略水平に架け渡された単管パイプ40に引っ掛けることで、単管パイプ40に吊り下げた状態でコードレスファン1を使用することができる。この場合、単管パイプ40を挟んで重量物であるファン本体部10と二次電池30とがほぼ釣り合い、姿勢が安定する。
【0034】
さらに、本実施の形態によれば、電池保持部251におけるファン本体部側の面は、凹26から連続してボトムフレームから遠ざかる方向に形成されている。
この構成により、多少の揺れでは、コードレスファン1が単管パイプ40から脱落することがない。これにより、コードレスファン1を単管パイプ40に吊り下げた状態で二次電池30、30aの着脱を容易に行うことができる。
【0035】
さらに、本実施の形態によれば、電池保持部251におけるファン本体部10側の面は、根元から先端部にかけてファン本体部10から遠ざかるように形成されている。
この構成により、小型化を目的として長さの短いボトムフレーム24aを採用しても、ファン本体部10と電池保持部251との間隔が確保され、電池保持部251におけるファン本体部10側の面に沿って単管パイプ40を沿わせることで、簡単に凹部26まで導くことができる。
【0036】
また、本実施の形態によれば、電力を風に変換して前面側から外部へ出力するファン本体部10と、ファン本体部10を支持する一対のサイドフレーム22、一対のサイドフレーム22の下端部から後方側に延びる一対のボトムフレーム24及び一対のボトムフレーム24を接続する接続フレーム25を有するフレーム部20と、フレーム部20に設けられ、ファン本体部10に電力を供給する二次電池30が着脱可能に装着される電池保持部251とを具備し、電池保持部251とファン本体部10との間のフレーム部20は外部部材に引っ掛けるための引っ掛け部として機能する。
【0037】
さらに、本実施の形態によれば、ボトムフレーム24を接地した状態において、サイドフレーム22及び電池保持部25は上方に延びるように構成され、引っ掛け部は、ファン本体部10と電池保持部251とフレーム部20とで形成される空間内に位置するように構成されている。
【0038】
さらに、本実施の形態によれば、引っ掛け部は、ボトムフレーム24と電池保持部251との接続部に設けられている。
【0039】
さらに、本実施の形態によれば、電池保持部251の前面側はボトムフレーム24に対して後方側に傾斜している。
【0040】
さらに、本実施の形態によれば、引っ掛け部は、サイドフレーム22とボトムフレーム24との接続部に設けられる。
【0041】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。本実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、本発明は、電力を光、熱又は音のいずれかに変換して外部へ出力する電気機器に適用することができる。
電力を光に変換して出力する電気機器としては、電力を光に変換するLEDを備えた投光器に限ることなく、電力を光に変換する変換部として液晶を、変換された光を外部に出力する出力部として液晶のパネルをそれぞれ用いることで、テレビ・DVDプレーヤー等の映像再生機にも適用できる。
電力を熱に変換して出力する電気機器としては、電力を熱に変換する変換部として熱変換器を、変換された熱を外部に出力する出力部として熱変換器のガード網をそれぞれ用いることで、ヒーター、クーラー等の熱変換器に適用できる。
電力を熱に変換して出力する電気機器としては、電力を音に変換する変換部としてスピーカーを、変換された音を外部に出力する出力部としてスピーカーの防塵ネットをそれぞれ用いることで、スピーカー、拡声器、ラジオ等の音響機器に適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1、1a、1b コードレスファン
10 ファン本体部
11 ファン
12 前面カバー部材
13 背面カバー部材
14 スイッチ
20 フレーム部
21 支持機構部
22 サイドフレーム
23 トップフレーム
24、24a ボトムフレーム
25 接続フレーム
251 電池保持部
26 凹部
30、30a 二次電池
40 単管パイプ
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