特許第6481280号(P6481280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481280
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】横軸型精米機
(51)【国際特許分類】
   B02B 7/02 20060101AFI20190304BHJP
   B02B 3/00 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   B02B7/02 107
   B02B3/00 D
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-152457(P2014-152457)
(22)【出願日】2014年7月26日
(65)【公開番号】特開2016-30221(P2016-30221A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】野中 和人
(72)【発明者】
【氏名】大島 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】梶原 一信
【審査官】 中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭33−019856(JP,Y1)
【文献】 実開昭57−035750(JP,U)
【文献】 実開昭50−134275(JP,U)
【文献】 特開昭55−132642(JP,A)
【文献】 特開2008−029913(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102641762(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 1/00 − 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールとの間に搗精室が形成される搗精部を備えてなる横軸型精米機であって、
前記搗精室の一端側には原料供給部が設けられる一方で、他端側には米粒排出筒を有する米粒排出部が設けられ、
前記米粒排出筒の周面を前記精白ロールの正回転方向に向けて直線状に延設することで、当該米粒排出筒の中心軸を含む鉛直面と交差する下向き傾斜状の米粒案内面を形成し、前記米粒案内面の先端に米粒排出口を設け
前記米粒排出口には抵抗蓋とともに米粒排出樋が配設されてなり、前記米粒排出樋の出口が、下方に配設される他の搗精部における原料供給部の入口に臨むよう、複数の前記搗精部を互い違いに上下に積み重ねて配設し、
前記複数の搗精部は、各精白ロールの中心軸が一つの鉛直面上に位置するよう上下に積み重ねられており、下方に配設される搗精部における原料供給部の入口は、前記各精白ロールの中心軸が位置する鉛直面に対し直交する方向にずれた位置に設けられることを特徴とする横軸型精米機。
【請求項2】
前記米粒排出筒は円筒状であって、前記米粒排出筒の周面を前記精白ロールの正回転方向に向けて接線方向に延設することで、前記下向き傾斜状の米粒案内面を形成する請求項1記載の横軸型精米機。
【請求項3】
前記米粒案内面の先端に対向する側の前記米粒排出筒の周面を、前記精白ロールの逆回転方向に向けて接線方向に延設することで第2米粒案内面を形成し、前記米粒案内面の先端と前記第2米粒案内面の先端との間に前記米粒排出口を設ける請求項2記載の横軸型精米機。
【請求項4】
前記複数の搗精部には、それぞれ摩擦式、研削式又は切削式の何れかが配設される請求項1乃至3のいずれかに記載の横軸型精米機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンパクトな横軸型精米機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搗精部を上下に複数段積み重ねて形成した連座式の横軸型精米機が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載された精穀装置は、穀粒供給部と穀粒排出部を互い違いにして複数の摩擦式精穀機を箱型機枠の上下方向で多段状に配設したものである。
【0004】
前記摩擦式精穀機は、多孔壁除糠精白筒と精白転子との間に精白室が形成されており、前記精白室と連通する螺旋転子側を穀粒供給部、反対側を穀粒排出部として、該穀粒排出部に抵抗蓋を備えた流下樋が配設されている。
【0005】
特許文献1に記載された精穀装置において、第1の摩擦式精穀機の穀粒排出部に配設される流下樋は第2の摩擦式精穀機の穀粒供給部に接続され、前記第2の摩擦式精穀機の穀粒排出部に配設される流下樋は第3の摩擦式精穀機の穀粒供給部に接続され、前記第3の摩擦式精穀機の穀粒排出部に配設される流下樋は第4の摩擦式精穀機の穀粒供給部に接続されており、そして、前記第4の摩擦式精穀機の穀粒排出部に配設される流下樋から搗精後の穀粒が機外に排出される。
【0006】
特許文献1に記載された精穀装置によれば、複数の摩擦式精穀機により精白度を高めて原料米を高品質に仕上げることが可能となる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された精穀装置は、前記各摩擦式精穀機において、各穀粒排出部の軸方向端面に穀粒排出口が設けられ、前記穀粒排出口を塞ぐ抵抗蓋を備えた流下樋が前記各穀粒排出部の軸方向外側に配設されるものであるため、装置が軸方向に大型化する問題がある。
【0008】
また、特許文献1に記載された精穀装置は、前記第1の摩擦式精穀機及び第3の摩擦式精穀機において、各穀粒排出部内に回転軸が配設されており、前記各穀粒排出部の軸方向端面に設けられる穀粒排出口を塞ぐための前記抵抗蓋を配設する高さ位置が制限されるため、前記抵抗蓋を備えた流下樋が前記各穀粒排出部の下方に配設されることとなり、装置が高さ方向に大型化する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−29913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、装置が大型化することを防止できるコンパクトな横軸型精米機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、
多孔筒及び該多孔筒内に回転可能に配設される精白ロールを有し、前記多孔筒と前記精白ロールとの間に搗精室が形成される搗精部を備えてなる横軸型精米機であって、
前記搗精室の一端側には原料供給部が設けられる一方で、他端側には米粒排出筒を有する米粒排出部が設けられ、
前記米粒排出筒の周面を前記精白ロールの正回転方向に向けて直線状に延設することで、当該米粒排出筒の中心軸を含む鉛直面と交差する下向き傾斜状の米粒案内面を形成し、前記米粒案内面の先端に米粒排出口を設けることを特徴とする。
【0012】
本発明の横軸型精米機は、
前記米粒排出筒が円筒状であって、前記米粒排出筒の周面を前記精白ロールの正回転方向に向けて接線方向に延設することで、前記下向き傾斜状の米粒案内面を形成することが好ましい。
【0013】
本発明の横軸型精米機は、
前記米粒案内面の先端に対向する側の前記米粒排出筒の周面を、前記精白ロールの逆回転方向に向けて接線方向に延設することで第2米粒案内面を形成し、前記米粒案内面の先端と前記第2米粒案内面の先端との間に前記米粒排出口を設けることが好ましい。
【0014】
本発明の横軸型精米機は、
前記米粒排出口には抵抗蓋とともに米粒排出樋が配設されてなり、前記米粒排出樋の出口が、下方に配設される他の搗精部における原料供給部の入口に臨むよう、複数の前記搗精部を互い違いに上下に積み重ねて配設する
【0015】
本発明の横軸型精米機は、
前記複数の搗精部が、各精白ロールの中心軸が一つの鉛直面上に位置するよう上下に積み重ねられており、下方に配設される搗精部における原料供給部の入口は、前記各精白ロールの中心軸が位置する鉛直面に対し直交する方向にずれた位置に設けられる
【0016】
本発明の横軸型精米機は、
前記複数の搗精部には、それぞれ摩擦式、研削式又は切削式の何れかが配設されることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、米粒排出筒の周面を精白ロールの正回転方向に向けて直線状に延設することで、当該米粒排出筒の中心軸を含む鉛直面と交差する下向き傾斜状の米粒案内面を形成し、前記米粒案内面の先端に米粒排出口を設けるので、前記米粒排出口が前記米粒排出筒の周面位置に設けられることとなり、装置の幅を短縮したコンパクトな横軸型精米機を提供することができる。
【0018】
また、本発明によれば、前記米粒排出口が前記米粒排出筒の周面位置に設けられるので、前記米粒排出筒内に回転軸が配設される場合でも、前記米粒排出口には、高さ位置が制限されることなく抵抗蓋を設けることが可能となり、装置高さを低くしたコンパクトな横軸型精米機を提供することができる。
【0019】
さらに、本発明によれば、米粒排出筒の周面を精白ロールの正回転方向に向けて直線状に延設することで、当該米粒排出筒の中心軸を含む鉛直面と交差する下向き傾斜状の米粒案内面を形成し、前記米粒案内面の先端に米粒排出口を設けるので、搗精室で搗精された後の米粒は、前記精白ロールの正回転の作用を受けて前記米粒案内面上を案内されるため、前記搗精後の米粒を前記米粒排出口から円滑に排出することができる。
【0020】
本発明の横軸型精米機は、前記米粒排出筒が円筒状であって、前記米粒排出筒の周面を前記精白ロールの正回転方向に向けて接線方向に延設することで、前記下向き傾斜状の米粒案内面を形成することとすれば、前記搗精後の米粒を、前記精白ロールの正回転の作用により、前記米粒排出口からさらに円滑に排出することが可能となる。
【0021】
本発明の横軸型精米機は、前記米粒案内面の先端に対向する側の前記米粒排出筒の周面を、前記精白ロールの逆回転方向に向けて接線方向に延設することで第2米粒案内面を形成し、前記米粒案内面の先端と前記第2米粒案内面の先端との間に前記米粒排出口を設けることとすれば、前記精白ロールを逆回転させた場合にも、搗精後の米粒を前記米粒排出口から円滑に排出することが可能となる。
【0022】
本発明の横軸型精米機は、前記米粒排出口には抵抗蓋とともに米粒排出樋が配設されてなり、前記米粒排出樋の出口が、下方に配設される他の搗精部における原料供給部の入口に臨むよう、複数の前記搗精部を互い違いに上下に積み重ねて配設すること、前記米粒排出筒内に回転軸が配設される場合でも、前記米粒排出筒の周面位置に設けられる前記米粒排出口には、高さ位置が制限されることなく抵抗蓋を設けることができるので、高さを低くした複数の搗精部を上下に積み重ねることでコンパクトな連座式の横軸型精米機とすることができる。
【0023】
本発明の横軸型精米機は、前記複数の搗精部が、各精白ロールの中心軸が一つの鉛直面上に位置するよう上下に積み重ねられており、下方に配設される搗精部における原料供給部の入口は、前記各精白ロールの中心軸が位置する鉛直面に対し直交する方向にずれた位置に設けられるので、前記下方に配設される搗精部には、該搗精部の最上部からずれた位置に前記原料供給部の入口を設けることができるため、上下の搗精部を高さ方向に近接して配設することが可能となり、連座式とした場合における装置の高さ方向への大型化を防止できる。
【0024】
本発明の横軸型精米機は、前記複数の搗精部には、それぞれ摩擦式、研削式又は切削式の何れかが配設されることとすれば、原料の種類(特定米、もち米、パーボイル米、籾)や粒形(短粒種、中粒種、長粒種)、加工品位レベル(低品位、一般品位、高級品位)に応じ、搗精部の形式を容易に最適な組み合わせとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1軸型精米機の斜視図。
図2図1の横軸型精米機の一部断面図。
図3図2の搗精部におけるA−A断面図。
図4図3の斜視図。
図5】本発明の実施の形態における軸型精米機の斜視図。
図6図5の横軸型精米機の一部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1軸型精米機の斜視図を示す。図2図1の横軸型精米機であって搗精部の一部断面図を示す。
【0027】
図1及び図2に示す横軸型精米機1は、ベース架台2上に一台の精米ユニット3を載置して形成した単座式の横軸型精米機である。
【0028】
前記精米ユニット3は、筒状の搗精金網41、及び主軸42に装着されて前記搗精金網41内に回転可能に配設される精白ロール43を有し、前記搗精金網41と前記精白ロール43の間に搗精室44を形成してなる搗精部4と、前記精白ロール43が装着される主軸42を回転駆動するモータ71を有する駆動部7と、積み重ね連結可能なユニット架台8を備える。
【0029】
前記搗精部4において、前記搗精室44の一端側には原料供給部が設けられ、他端側には米粒排出部が設けられる。
前記原料供給部は、原料供給口46を有する原料供給筒45と、前記原料供給口46に配設される原料ホッパ47を有する。また、前記原料供給筒45内には、前記主軸42に装着されて回転駆動される螺旋ロール48が配設されている。
【0030】
前記米粒排出部は、米粒排出口49を有する円筒状の米粒排出筒50と、前記米粒排出口49に対応する外側位置に配設される米粒排出樋53を有する。また、前記米粒排出樋53には、抵抗錘(分銅)52により付勢されて前記米粒排出口49を塞ぐ抵抗蓋(圧迫板)51が設けられている。
【0031】
前記精白ロール43には、前記搗精室44の位置に対応して精白用の撹拌突起55が設けられ、前記米粒排出筒50の位置に対応して米粒排出用の掻出突起56が設けられている。
【0032】
また、前記精白ロール43は、前記主軸42の中空部に装着されている。前記主軸42の中空部には多数の憤風孔57が形成されるとともに、該主軸42の一端側に前記中空部と連通する送風ファン58が接続されている。
【0033】
前記主軸42の他端側には、前記駆動部7における前記モータ71の図示しない駆動プーリとベルトで接続される従動プーリ59が配設されている。
【0034】
前記搗精室44の周囲には集糠室60が形成されており、該集糠室60は下方に設けられる集糠ダクト61と連通している。また、前記搗精室44の一端側であって前記原料供給筒45の下方には、残留米除去用空気ノズル63が配設されている。
【0035】
図3図2の搗精部におけるA−A断面図を示す。図4図2の搗精部であって図3の斜視図を示す。
前記搗精部4における前記米粒排出筒50の周面位置には、前記円筒状の米粒排出筒50の周面の一部を切り欠いて、前記精白ロール43の正回転方向に向けて接線方向に延設することで、当該米粒排出筒50の中心軸を含む鉛直面と交差する下向き傾斜状の米粒案内面50aが形成されており、前記米粒案内面50aの先端に米粒排出口49が設けられている。
【0036】
また、前記搗精部4における前記米粒排出筒50の周面位置には、前記米粒案内面50aの先端に対向する側の米粒排出筒50の周面の一部を切り欠いて、前記精白ロール43の逆回転方向に向けて接線方向に延設することで第2米粒案内面50bが形成されており、前記米粒案内面50aの先端と前記第2米粒案内面50bの先端との間に前記米粒排出口49が設けられている。
【0037】
そして、前記米粒排出筒50の周面位置であって前記米粒排出口49の外側には、抵抗錘52により付勢されて前記米粒排出口49を塞ぐ抵抗蓋51を有する米粒排出樋53が配設されている。
【0038】
前記横軸型精米機において、前記原料ホッパ47に投入される原料米は、原料供給口46から原料供給筒45内に供給された後、前記螺旋ロール48により前記搗精室44に送られる。
【0039】
前記搗精室44内に送られた原料米は、前記精白ロール43に設けられた精白用の撹拌突起55の作用を受けて搗精されながら前記米粒排出筒50側に向けて移動する。そして、搗精された後の前記原料米は、前記精白ロール43に設けられた米粒排出用の掻出突起56の作用を受けて前記米粒排出筒50の周面位置に設けられる前記抵抗蓋51を押し開き、前記米粒排出口49から前記米粒排出樋53へ排出される。
【0040】
その際、前記送風ファン58の作用により、前記主軸42の中空部に形成された多数の憤風孔57から空気が噴出し、前記搗精室44内で発生した糠が前記搗精金網41の網目から集糠室60へと排除される。
【0041】
ここで、前記横軸型精米機1の搗精部4は摩擦式に限るものでなく、研削式や切削式等の他の形式のものを採用することもできる。
【0042】
また、前記横軸型精米機1においては、米を原料として用いることを前提としたが、米以外の穀粒を原料として用いることもできる。
【0043】
前記横軸型精米機は、円筒状の米粒排出筒50の周面の一部を切り欠いて、精白ロール43の正回転方向に向けて接線方向に延設することで、当該米粒排出筒50の中心軸を含む鉛直面と交差する下向き傾斜状の米粒案内面50aを形成し、前記米粒案内面50aの先端に米粒排出口49を設けるので、前記米粒排出口49が前記米粒排出筒50の周面位置に設けられることとなり、装置の幅を短縮したコンパクトなものとなる。
【0044】
また、前記横軸型精米機は、前記米粒排出口49が前記米粒排出筒50の周面位置に設けられるので、前記米粒排出筒50内に主軸42が配設されているにも関わらず、前記米粒排出口49には、高さ位置が制限されることなく抵抗蓋51を設けることができるため、搗精部4の高さを低くしたコンパクトなものとなる。
【0045】
前記横軸型精米機は、前記円筒状の米粒排出筒50の周面の一部を切り欠いて、前記精白ロール43の正回転方向に向けて接線方向に延設することで、当該米粒排出筒50の中心軸を含む鉛直面と交差する下向き傾斜状の米粒案内面50aを形成し、前記米粒案内面50aの先端に米粒排出口49を設けるので、前記搗精室44で搗精された後の米粒は、前記精白ロール43の正回転の作用を受けて前記米粒案内面50a上を案内されるため、前記搗精後の米粒を前記米粒排出口49から円滑に排出することができる。
【0046】
また、前記横軸型精米機は、前記米粒案内面50aの先端に対向する側の米粒排出筒50の周面の一部を切り欠いて、前記精白ロール43の逆回転方向に向けて接線方向に延設することで第2米粒案内面50bを形成し、前記米粒案内面50aの先端と前記第2米粒案内面50bの先端との間に前記米粒排出口49を設けるので、前記精白ロール43を逆回転させた場合にも、搗精後の米粒を前記米粒排出口49から円滑に排出することができる。
【0047】
なお、前記横軸型精米機において、前記米粒排出筒50は円筒状を例として説明したが、角筒状とすることもできる。
前記米粒排出筒50を角筒状とする場合には、前記米粒排出筒50の周面を前記精白ロール43の正回転方向に向けて直線状に延設することで、当該米粒排出筒50の中心軸を含む鉛直面と交差する下向き傾斜状の米粒案内面50aを形成し、前記米粒案内面50aの先端に米粒排出口49を設けることとすればよく、この場合でも、前記搗精室44で搗精された後の米粒は、前記精白ロール43の正回転の作用を受けて前記米粒案内面50a上を案内されるため、前記搗精後の米粒を前記米粒排出口49から円滑に排出することができる。
【0048】
図5は本発明の実施の形態における軸型精米機の斜視図を示す。図6図5の横軸型精米機の正面図であって搗精部の一部断面図を示す。
【0049】
図5及び図6に示す横軸型精米機は、ベース架台2上に三台の精米ユニット3a〜3cを積み重ねて形成した3連座式の横軸型精米機である。
三台の精米ユニット3a〜3cの基本的な構造は、図1図4において説明した精米ユニット3と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0050】
前記横軸型精米機は、第1の精米ユニット3aの搗精部4aにおける米粒排出樋53aの出口が、下方に配設される第2の精米ユニット3bの搗精部4bにおける原料ホッパ47bの入口に臨むよう、また、前記第2の精米ユニット3bの搗精部4bにおける米粒排出樋53bの出口が、第3の精米ユニット3cの搗精部4cにおける原料ホッパ47cの入口に臨むよう、さらに、前記第3の精米ユニット3cの搗精部4cにおける米粒排出樋53cの出口が、製品排出樋54の入口に臨むよう、前記各搗精部4a〜4cを互い違いに上下に積み重ねて配設することで連座式とする。
【0051】
また、前記横軸型精米機は、前記各搗精部4a〜4cが、各主軸42a〜42cが一つの鉛直面上に位置するよう上下に積み重ねられており、下方に配設される各搗精部4b,4cにおける前記原料ホッパ47b,47cの入口が、各主軸42b,42cが位置する鉛直面に対し直交する方向にずれた位置になるよう配設する。
【0052】
前記横軸型精米機は、前記各搗精部4a,4bにおける前記米粒排出樋53a,53bの出口が、それぞれの下方に配設される各搗精部4b,4cにおける原料ホッパ47b,47cの入口に臨むよう、また、前記搗精部4cにおける前記米粒排出樋53cの出口が、前記製品排出樋54の入口に臨むよう、前記搗精部4a〜4cを互い違いに上下に積み重ねて連座式とすることとすれば、高さを低くした複数の搗精部4a〜4cを上下に積み重ねることでコンパクトな連座式の横軸型精米機とすることができる。
【0053】
また、前記横軸型精米機は、前記各搗精部4a〜4cが、各主軸42a〜42cが一つの鉛直面上に位置するよう上下に積み重ねられており、下方に配設される各搗精部4b,4cにおける前記原料ホッパ47b,47cの入口が、各主軸42b,42cが位置する鉛直面に対し直交する方向にずれた位置になるよう配設されることとすれば、下方に配設される各搗精部4b,4cにはそれぞれの最上部からずれた位置に前記原料ホッパ47b,47cの入口を設けることができるため、上下の搗精部を高さ方向に近接して配設することが可能となり、連座式とした場合における装置の高さ方向への大型化をさらに防止できる。
【0054】
前記横軸型精米機は、複数の精米ユニット3a〜3cの搗精部4として、摩擦式搗精部に限らず、研削式搗精部、切削式搗精部のいずれかを採用することができる。
【0055】
前記横軸型精米機は、前記複数の精米ユニット3a〜3cのそれぞれに、摩擦式搗精部、研削式搗精部又は切削式搗精部のいずれかが配設されることとすれば、原料の種類(特定米、もち米、パーボイル米、籾)や粒形(短粒種、中粒種、長粒種)、加工品位レベル(低品位、一般品位、高級品位)に応じて搗精部の形式を容易に最適な組み合わせとすることができる。
【0056】
また、前記横軸型精米機は、3連座式の横軸型精米機としたが、原料の種類や粒形、加工品位レベルに応じて、例えば4〜6連座式など任意の数の連座式精米機とすれば、前記搗精部の形式をより最適な組み合わせとすることが可能となる。
【0057】
上記本発明の実施の形態においては、を原料として用いることを前提としたが、米以外の穀粒についても原料として用いることができる。
【0058】
本発明は、上記実施の形態に限るものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいてその構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、装置が大型化することを防止できるコンパクトな横軸型精米機を提供できる。
【符号の説明】
【0060】
1 横軸型精米機
2 ベース架台
3 精米ユニット
4 搗精部
41 搗精金網
42 主軸
43 精白ロール
44 搗精室
45 原料供給筒
47 原料ホッパ
49 米粒排出口
50 米粒排出筒
50a 米粒排案内面
50b 第2米粒案内面
51 抵抗蓋
52 抵抗錘
53 米粒排出樋
54 精品排出樋
55 撹拌突起
56 掻出突起
7 駆動部
8 ユニット架台
図1
図2
図3
図4
図5
図6