特許第6481444号(P6481444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481444
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】間接活線工法
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/02 20060101AFI20190304BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   H02G1/02
   F16B2/08 S
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-57808(P2015-57808)
(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公開番号】特開2016-178811(P2016-178811A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2018年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】多和 浩二
【審査官】 北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−021885(JP,A)
【文献】 実開平01−176061(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
F16B 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電設備に対して取り付けられた防具類の脱落を防止するための間接活線工法であって、
バンド部と、当該バンド部の基端部に連設されたロック部とを有し、当該ロック部に貫設された係合孔に前記バンド部を挿通させることで、前記ロック部に対して前記バンド部を任意の位置で係合させることが可能な結束バンドと、
一端側を遠隔位置の前記防具類における作業対象部位に位置させ、他端側を作業者が把持して操作する第1及び第2の間接活線工具と、を用い、
前記結束バンドは、
前記バンド部が全体として丸みを帯びて形成されると共に、当該バンド部の先端部が先細形状をなし、
前記ロック部が前記バンド部とは異なる方向へ突出した把持部を有しており、
前記第1の間接活線工具によって前記結束バンドの前記把持部を把持し、当該結束バンドを前記作業対象部位に位置させた状態で、前記第2の間接活線工具によって前記バンド部の前記先端部を前記係合孔に挿通させる
ことを特徴とする間接活線工法。
【請求項2】
前記把持部には溝が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の間接活線工法。
【請求項3】
前記防具類が、活線を覆うように配設された防護管である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の間接活線工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間接活線工法に関し、とりわけ配電設備に取り付けられた防護管の脱落を防止するための間接活線工法に関する。
【背景技術】
【0002】
配電設備の保守作業などでは、作業の安全を確保するために、電線などに防具類や絶縁テープなどの資材類が取付けられる。この防具類や資材類の電線への取付けは、絶縁ヤットコと呼ばれる間接活線工具を用いた間接活線工法によって行われている。
【0003】
かかる間接活線工法に関する従来技術の一例として、例えば、特許文献1に記載されるように、電線を保護するための防護管を安全に取付け、当該防護管の脱落を防止するための落下防止具を用いたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−233014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の防護管の落下防止具(脱落防止具)では、防護管の脱落防止対策としては有効であるものの、防護管の脱落を確実に防止するためには、多数の脱落防止具を必要とすることからコスト面で問題がある。また、この脱落防止具はクランプ形状であり、弾性力を利用した構造であるため、取付作業の際に跳ね上がり、落下する虞がある。
【0006】
ところで、従来から電気工事においては、複数の電線などを結束するためのインシュロック(登録商標)と呼ばれる結束バンドが用いられている。結束バンドは、合成樹脂から構成されており、バンド部とロック部との係合により迅速に結束することが可能あり、安価であることから、残置しても前述の脱落防止具のように、コストの面で問題とはならない。しかも、バンド状であることから、取付対象の防護管形状を選ぶことなく、例えばクランプ形状の脱落防止具を取り付けできなかった蛇腹形状の防護管に対しても取付可能となる。
【0007】
しかし、間接活線工法に結束バンドを用いた場合は、離れた位置からバンド部とロック部とを位置合わせして結束バンドを係合させる必要があるため、間接活線工法に用いられる既存の工具では脱落防止具に対する迅速な結束ができず、作業効率を低下させるという問題がある。従って、離れた位置からバンド部とロック部とを容易に係合させることが可能となれば、結束バンドを用いた間接活線工法によって作業の迅速化が可能となり、作業効率の向上と低コスト化が図れると考える。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、離れた位置から結束バンドを容易に係合可能とし、既存の間接活線工具を用いても迅速な作業を可能とすることで、作業効率を向上できると共に、低コスト化を図ることが可能な間接活線工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る間接活線工法は、
配電設備に対して取り付けられた防具類の脱落を防止するための間接活線工法であって、
バンド部と、当該バンド部の基端部に連設されたロック部とを有し、当該ロック部に貫設された係合孔に前記バンド部を挿通させることで、前記ロック部に対して前記バンド部を任意の位置で係合させることが可能な結束バンドと、
一端側を遠隔位置の前記防具類における作業対象部位に位置させ、他端側を作業者が把持して操作する第1及び第2の間接活線工具と、を用い、
前記結束バンドは、
前記バンド部が全体として丸みを帯びて形成されると共に、当該バンド部の先端部が先細形状をなし、
前記ロック部が前記バンド部とは異なる方向へ突出した把持部を有しており、
前記第1の間接活線工具によって前記結束バンドの前記把持部を把持し、当該結束バンドを前記作業対象部位に位置させた状態で、前記第2の間接活線工具によって前記バンド部の前記先端部を前記係合孔に挿通させる
ことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、既存の間接活線工具である絶縁ヤットコを用い、第1の絶縁ヤットコで結束バンドの把持部を把持した状態で、第2の絶縁ヤットコでバンド部の先端部をロック部の係合孔に容易に挿入して貫通させることができる。すなわち、専用の治具や工具を用いることなく、既存の間接活線工具である絶縁ヤットコを用いて簡単に結束作業が行えるようになっている。また、結束バンドのロック部には把持部が設けられていることにより、絶縁ヤットコが把持する際に、把持し易いようになっている。よって、離れた位置からでも、結束バンドのバンド部を係合孔に対して容易に係合させることができる。従って、絶縁テープや防護管脱落防止クランプなどを用いた従来の間接活線工法に比べ、作業の迅速化と低コスト化を図ることができる。換言すれば、離れた位置から結束バンドを容易に係合可能とし、既存の間接活線工具を用いても迅速な作業を可能とすることで、作業効率を向上できると共に、低コスト化を図ることができる。
【0011】
このとき、前記把持部には溝が設けられていることが好ましい。
これにより、結束バンドの把持部を絶縁ヤットコによって把持する際に滑り止めとして機能することで、絶縁ヤットコによって把持される結束バンドが滑って落下するのを防止できるようになっている。
【0012】
また、本発明の間接活線工法は、前記防具類が、活線を覆うように配設された防護管であることが好ましい。
これによれば、間接活線工法の一つである防護管脱落防止工法において、結束バンドによる結束が容易にできることで、間接活線工法の作業メニューを増やすことができ、結束バンドを用いた作業の適用範囲を拡大することができる。
【0013】
その他、本願が開示する課題、およびその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、および図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、離れた位置から結束バンドを容易に係合可能とし、既存の間接活線工具を用いても迅速な作業を可能とすることで、作業効率を向上できると共に、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明による間接活線工法の一実施形態を概略的に示す斜視図である。
図2図1の絶縁ヤットコの全体を示す平面図である。
図3図1の間接活線工法で防護管脱落防止具として用いられる結束バンドの斜視図である。
図4図3の結束バンドを用いて電線に取付けられた防護管を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る間接活線工法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う間接活線工法もまた本発明の技術思想に含まれる。
【0017】
図1は、本発明による間接活線工法の一実施形態を示している。図1に示すように、絶縁ヤットコ1は、間接活線作業に用いられる既存のものであり、この場合、例えば配電設備の保守作業などにおいて、防護管脱落防止具として用いる結束バンド100を結束するために用いられる。
【0018】
具体的に、絶縁ヤットコ1は、例えば図2に示すように、開閉自在なアルミ合金製の一対のC形状のアーム(第1アーム3および第2アーム4)からなる把持部2と、把持部2の両アーム3、4を開閉させる操作部6とを備えている。
【0019】
操作部6は、絶縁材からなるパイプ状の操作ロッド7と、操作ロッド7に対して略平行に設けられる絶縁材からなるパイプ状の連結ロッド8と、アルミ合金製のL形状の操作レバー9とを備え、操作ロッド7の先端に取付金具10を介して把持部2の第1アーム3および第2アーム4が取付けられるようになっている。
【0020】
取付金具10は、操作ロッド7の先端に取り付けられる基部11と、基部11の先端に一体に設けられるアーム取付部12とから構成され、アーム取付部12に第1アーム3の基端3aが固定され、第1アーム3の基端3aに第2アーム4の基端4aが噛合され、この状態で第2アーム4の基端4aが第1アーム3の基端3aに連結ピン5を介して回動自在に連結されている。
【0021】
第1アーム3は、図2に想像線で示すように、アーム取付部12に対する取付角度が調整可能に構成され、第1アーム3のアーム取付部12に対する取付角度を調整することにより、第1アーム3の操作ロッド7の軸線に対する開き角度を調整することができる。
【0022】
操作ロッド7の基端7a側にはレバー取付部14が設けられ、このレバー取付部14に操作レバー9が連結ピン15を介して回動自在に連結され、連結ピン15を中心として操作レバー9が操作ロッド7に接近又は離間する方向(図2の矢印方向)に回動するようになっている。
【0023】
連結ロッド8は、先端が連結金具8bを介して第2アーム4の基端4a近傍に回動自在に連結されるとともに、基端8aが連結ピン(図示せず)を介して操作レバー9の先端9aに回動自在に連結され、操作レバー9を操作ロッド7に接近または離間する方向に回動させることにより、操作レバー9に追従して連結ロッド8が操作ロッド7に沿う方向(図2の上下方向)に移動するようになっている。
【0024】
連結金具16は、連結ロッド8の先端8bに固定される筒状の基部17と、基部17の先端に一体に設けられる角度調整部18とを備え、角度調整部18が連結ピン(図示せず)を介して第2アーム4の基端4a近傍に回動自在に連結されている。角度調整部18の第2アーム4に対する連結位置を調整することにより、第2アーム4の第1アーム3に対する開閉角度を調整できるようになっている。
【0025】
結束バンド100は、図3に示すように、例えば電気的絶縁性能を有するポリアミド等の合成樹脂から構成されており、可撓性を有するバンド部100aとロック部100bとを有している。そして、結束バンド100は、バンド部100aをロック部100bの係合孔100cに貫通させた状態において、ロック部100bに対してバンド部100aを任意の位置で係合させることが可能となっている。すなわち、バンド部100aは、結束方向に所定の間隔をもって形成された多数の溝Mを有しており、係合孔100cを貫通するバンド部100aの溝Mと係合孔100cの爪(図示省略)とが結束方向に係合可能となっている。これにより、バンド部100aをロック部100bにおいて、任意の位置でループ状に保持できる。
【0026】
ここで、本実施形態の結束バンド100の場合、バンド部100aは、ロック部100bから先端部S方向に、全体として丸みを帯びて延びており、その先端部Sは先細且つ細長い形状で、結束前の状態では自由端となっている。これにより、一般的な結束バンドとは異なり、バンド部100aが丸みを帯び、且つ、先端部Sが先細で細長い形状であることから、係合孔100cに対して容易に挿通(貫通)させることが可能となっている。すなわち、専用の治具や工具を用いることなく、絶縁ヤットコ1を用いて簡単に結束作業が行えるようになっている。
【0027】
さらに、ロック部100bには、バンド部100aとは異なる方向に向けて把持部101が突設されている。これにより、絶縁ヤットコ1の第1アーム3および第2アーム4によって把持する際に、把持され易いようになっている。また、この把持部101には溝102が設けられている。これにより、絶縁ヤットコ1の第1アーム3および第2アーム4によって把持する際に、滑り止めとして機能するようになっている。
【0028】
なお、本発明に適用可能な結束バンドは、これに限定されるものではない。すなわち、バンド部は、ロック部から先端部方向に、全体として丸みを帯びて延びており、その先端部が先細且つ細長い形状で、しかもロック部には把持部が設けられているものであれば、その材質、各部の寸法、全体形状、係止構造などを適宜変更することができる。
【0029】
次に、絶縁ヤットコ1を用いて、防護管に対し防護管脱落防止具としての結束バンド100を取り付ける取付作業の手順および作用について説明する。
【0030】
図1は、電線110を覆うように取り付けられる防護管120の脱落防止のため、絶縁ヤットコ1を用いて結束バンド100を取り付ける作業を示している。この作業では、絶縁ヤットコ1を2本使用する。つまり、一方の絶縁ヤットコ1で結束バンド100の把持部101を把持し、他方の絶縁ヤットコ1で当該結束バンド100の先端部Sを係合孔100cに貫通させるようになっている。
【0031】
具体的に、防護管120は、軸方向に延びる開口部120aを有しており、開口部120aを一時的に拡張させることにより、防護管120内に電線110を収納させることが可能となっている。そして、防護管120を電線110に確実に取付けるためには、結束バンド100を介して防護管120を電線110に固定する必要がある。そこで、まず、一方の絶縁ヤットコ1の第1アーム3および第2アーム4によって結束バンド100の把持部101を把持した状態で、この絶縁ヤットコ1を上昇させ、電線110に被せられた防護管120の近傍まで移動させる。
【0032】
結束バンド100によって防護管120を電線110に固定するためには、結束バンド100のバンド部100aの先端部Sを防護管120の位置よりも高い位置に持ち上げた後、バンド部100aの先端部Sの近傍を他方の絶縁ヤットコ1を用いて把持する。次いで、他方の絶縁ヤットコ1によって、バンド部100aの先端部Sをロック部100bの係合孔100cに押し込むことにより、バンド部100aの先端部Sを係合孔100cに挿入する。続いて、バンド部100aの先端部Sを他方の絶縁ヤットコ1を用いて更に押し込むことにより、バンド部100aの先端部Sは係合孔100cを貫通することになる。
【0033】
そして、バンド部100aを他方の絶縁ヤットコ1を用いて更に押し込むか、または他方の絶縁ヤットコ1で把持する部位を、係合孔100cを貫通したバンド部100aの先端部Sに把持し直して、当該先端部Sを引っ張る。これにより、バンド部100aをロック部100bにおいて、任意の位置(この場合、防護管120を締め付ける位置)でループ状に保持でき、防護管120を結束バンド100によって電線100に取り付ける。すなわち、結束バンド100により、電線100に対して防護管120を脱落することのないように確実に取り付けることが可能となる。
【0034】
ここで、図4に示すように、防護管120の開口部120aに対して結束バンド100は直交する方向に延びることになるので、開口部120aが大きく拡張することはなくなり、防護管120は電線110に確実に取付けられる。すなわち、結束バンド100は、係合孔100cの爪(図示略)とバンド部100aの溝Mとが係合した状態では、バンド部100aはラチェット機構の原理と同じように係合孔100cに対して逆方向に動くことができなくなる。これにより、バンド部100aの溝Mと係合孔100cが係合した状態では、防護管120は、結束バンド100によって開口部120aがほぼ最小となる状態に拘束される。したがって、防護管120は、結束バンド100の締付けによる拘束によって、開口部120aを介して電線110から離脱するのが阻止され、電線110に確実に取付けられる。
【0035】
以上、説明したように、本実施形態の間接活線工法では、既存の絶縁ヤットコ1を2つ用い、一方の絶縁ヤットコ1で結束バンド100の把持部101を把持した状態で、他方の絶縁ヤットコ1でバンド部100aの先端部Sをロック部100bの係合孔100cに容易に挿入して貫通させることができる。すなわち、専用の治具や工具を用いることなく、既存の間接活線工具である絶縁ヤットコ1を用いて簡単に結束作業が行えるようになっている。よって、離れた位置からでも、結束バンド100のバンド部100aを係合孔100cに対して容易に係合させることができる。従って、絶縁テープや防護管脱落防止クランプなどを用いた従来の間接活線工法に比べ、作業の迅速化と低コスト化を図ることができる。そして、結束バンド100を用いた間接活線工法では、上述のように作業が円滑かつ確実に行うことが可能となるので、作業時における精神的、肉体的な疲労を軽減することができる。
【0036】
また、結束バンド100は、バンド部100aが全体として丸みを帯びており、その先端部Sが先細且つ細長い形状に設定されているので、ロック部100bの係合孔100cに対してバンド部100aの先端部Sを容易に挿入させることができ、作業能率を高めることができる。さらに、ロック部100bには把持部101が設けられていることにより、絶縁ヤットコ1の第1アーム3および第2アーム4が把持する際に、把持し易いようになっている。しかも、この把持部101には溝102が設けられていることにより、絶縁ヤットコ1の第1アーム3および第2アーム4によって把持する際に、滑り止めとして機能することで、絶縁ヤットコの第1アーム3および第2アーム4によって把持される結束バンドが滑って落下するのを防止できるようになっている。
【0037】
このように、絶縁ヤットコ1を用いることにより、熟練を必要とすることなく、結束バンド100のバンド部100aとロック部100bの係合孔100cとを離れた位置から容易に係合することが可能となるので、初めての作業であっても誰にでも容易に作業を行うことができる。また、結束バンド100による作業は、固定する対象物がほとんど限定されないので、例えば装柱が複雑な場所や狭い場所であっても適用可能であり、小さな作業空間での作業が可能となる。また、間接活線工法の一つである防護管脱落防止工法において、結束バンド100による結束が容易にできることで、間接活線工法の作業メニューを増やすことができ、結束バンド100を用いた作業の適用範囲を拡大することができる。
【0038】
以上、本発明の間接活線工法に関する一実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は前述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0039】
例えば、この実施の形態においては、結束バンド100のロック部100bに、バンド部100aとは異なる方向に向けて把持部101が突設されている場合について述べたが、ロック部100bのバンド部100aの方向とは直交する方向に把持部を形成する構成としてもよい。
【0040】
また、結束バンド100は、バンド部100aの溝Mと係合孔100cの爪(図示略)との係合により結束させる構造のものを適用したが、バンド部とロック部が結束方向に係合する構造であれば、係合の構造として他の種類の結束バンドを適用してもよい。さらに、絶縁ヤットコ1による防護管脱落防止工法は、図1に示す電線110への防護管120の取付けに限定されることはなく、配電設備や送電鉄塔など種々の間接活線工法に適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 絶縁ヤットコ
2 把持部
3 第1アーム
3a 基端
3b 先端
4 第2アーム
4a 基端
4b 先端
5 連結ピン
6 操作部
7 操作ロッド
7a 基端
7b 先端
8 連結ロッド
8a 基端
8b 先端
9 操作レバー
9a 先端
10 取付金具
11 基部
12 アーム取付部
14 レバー取付部
15 連結ピン
16 連結金具
17 基部
18 角度調整部
100 結束バンド
100a バンド部
100b ロック部
100c 係合孔
101 把持部
102 溝
110 電線
120 防護管
120a 開口部
M 溝
S 先端部
図1
図2
図3
図4