特許第6481615号(P6481615)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481615
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】電気化学キャパシタ
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/06 20130101AFI20190304BHJP
   H01G 11/42 20130101ALI20190304BHJP
   H01G 11/46 20130101ALI20190304BHJP
   H01G 11/62 20130101ALI20190304BHJP
【FI】
   H01G11/06
   H01G11/42
   H01G11/46
   H01G11/62
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-532822(P2015-532822)
(86)(22)【出願日】2014年8月11日
(86)【国際出願番号】JP2014071213
(87)【国際公開番号】WO2015025764
(87)【国際公開日】20150226
【審査請求日】2017年7月6日
(31)【優先権主張番号】特願2013-170007(P2013-170007)
(32)【優先日】2013年8月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000228578
【氏名又は名称】日本ケミコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115509
【弁理士】
【氏名又は名称】佐竹 和子
(72)【発明者】
【氏名】爪田 覚
(72)【発明者】
【氏名】大倉 数馬
(72)【発明者】
【氏名】高木 和典
(72)【発明者】
【氏名】石本 修一
【審査官】 田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−221523(JP,A)
【文献】 特開2011−213556(JP,A)
【文献】 特開平10−270293(JP,A)
【文献】 特開2013−073854(JP,A)
【文献】 特開2008−117942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 11/06
H01G 11/42
H01G 11/46
H01G 11/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性炭を含む正極活物質層を有する正極と、
スピネル型のチタン酸リチウムを含む負極活物質層を有する負極と、
前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に配置されたリチウム塩を含有する非水電解液を保持したセパレータと、
を備えた電気化学キャパシタであって、
前記正極における活性炭の質量と前記負極におけるスピネル型のチタン酸リチウムの質量とが、前記負極におけるスピネル型のチタン酸リチウムの100%放電容量が、前記正極における活性炭の100%放電容量の2.2〜7.0倍になるように調整されており、
前記負極におけるスピネル型のチタン酸リチウムが、球状粒子の場合には100nm以下の直径を有し、針状、管状或いは繊維状の粒子の場合には100nm以下の粒子断面の短径を有するナノ粒子である
ことを特徴とする電気化学キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極のために活性炭を使用し、負極のためにスピネル型のチタン酸リチウム(LiTi12)(以下、単に「チタン酸リチウム」と表わす。)を使用した電気化学キャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
活性炭を主体とした正極及び負極を有する電気二重層キャパシタでは、活性炭への電解液中のカチオン及びアニオンの脱吸着により充放電が行われる。この電気二重層キャパシタは、急速充放電が可能であり出力特性に優れ、充放電サイクル特性にも優れるという利点を有するものの、エネルギー密度が小さいという問題点を有している。一方、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を正極活物質及び負極活物質として利用するリチウムイオン二次電池では、充電によりリチウムイオンが正極から放出されて負極へと吸蔵され、放電によりリチウムイオンが負極から放出されて正極へと吸蔵される。リチウムイオン二次電池は、電気二重層キャパシタに比較して、高電圧で作動可能でありエネルギー密度が大きいという利点を有するものの、急速充放電が困難であり、充放電サイクルの信頼性にも問題がある。
【0003】
そこで、両者の長所を活かした蓄電装置として、正極のために活性炭を用い、負極のためにリチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を用いた電気化学キャパシタが提案されており、負極活物質としてチタン酸リチウムの使用が検討されている。チタン酸リチウムの表面には固体電解質界面(SEI)皮膜が形成されにくく、リチウムデンドライトが析出せず、チタン酸リチウムにリチウムイオンが挿入・脱離するときの体積変化がほとんどないため、安定に動作する電気化学キャパシタが得られることが期待される。
【0004】
例えば、特許文献1(特開2002−270175号公報)には、活性炭を含む正極と、チタン酸リチウムを含む負極と、リチウム塩を含む有機電解液とを有する、1.5V〜約2.7Vの範囲で動作可能な電気化学キャパシタが開示されている。安定したサイクル特性を得るためには、負極の作動電位が電解液の分解が生じるLi/Liに対して1.0V以下の電位にならないようにする必要があり、このためには負極と正極の容量比(負極の容量/正極の容量)を1.05〜1.3の範囲に設定するのが好ましいとされている。上記容量比となるように、正極中の活性炭の量と負極中のチタン酸リチウムの量が調整される。特許文献2(特開2003−132945号公報)には、リチウム塩と第4級オニウム塩とを含む有機溶媒系電解液と、活性炭を含む正極と、チタン酸リチウムを含む負極とを有する、1.5V〜約3.1Vの範囲で動作可能な電気化学キャパシタが開示されている。電解液にリチウム塩とオニウム塩とを含むことにより、電解液の電気伝導度を高くすることができ、大電流放電における容量密度を大きくすることができる。この文献では、負極と正極の容量比(=負極の容量/正極の容量)は1.05〜1.8の範囲が好ましいとされている。
【0005】
また、大電流での放電においても容量の低下が抑制された優れたレート特性を示す電気化学キャパシタとして、チタン酸リチウムのナノ粒子と導電性カーボンとの複合材料を負極のために使用したキャパシタが提案されている。本明細書において、「ナノ粒子」とは、球状粒子の場合には直径が100nm以下の粒子を意味し、針状、管状或いは繊維状の粒子の場合には粒子断面の直径(短径)が100nm以下の粒子を意味する。ナノ粒子は、一次粒子であっても二次粒子であっても良い。
【0006】
特許文献3(特開2008−270795号公報)には、旋回可能な反応器内にチタンアルコキシドとリチウム化合物とチタンアルコキシドと錯体を形成する酢酸等の反応抑制剤と導電性カーボンとを含む反応液を導入した後、上記反応器を旋回させて反応液にずり応力と遠心力を加えて導電性カーボンを分散させつつ化学反応を進行させ、導電性カーボン上にチタン酸リチウム前駆体を分散性良く析出させ、次いで、得られた前駆体が担持された導電性カーボンを加熱し、導電性カーボン上で上記前駆体をチタン酸リチウムに転化させることにより、導電性カーボンの表面にチタン酸リチウムのナノ粒子が担持された複合材料を製造する方法が開示されており、得られた複合材料を負極のために用いた電気化学キャパシタが記載されている。また、特許文献4(特開2011−213556号公報)には、ずり応力と遠心力を加えた化学反応により導電性カーボン上にチタン酸リチウム前駆体を担持させた後に窒素雰囲気中で加熱処理を施すことにより、窒素がドープされたチタン酸リチウムのナノ粒子を含む複合材料を製造する方法が開示されており、得られた複合材料を負極のために用いた電気化学キャパシタが記載されている。特許文献5(特開2011−216747号公報)、特許文献6(特開2011−216748号公報)、特許文献7(特開2011−216749号公報)及び特許文献8(特開2012−146763号公報)には、上述した窒素がドープされたチタン酸リチウムのナノ粒子を含む複合材料を負極のために用いた電気化学キャパシタの好適な形態が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−270175号公報
【特許文献2】特開2003−132945号公報
【特許文献3】特開2008−270795号公報
【特許文献4】特開2011−213556号公報
【特許文献5】特開2011−216747号公報
【特許文献6】特開2011−216748号公報
【特許文献7】特開2011−216749号公報
【特許文献8】特開2012−146763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、電気化学キャパシタには低い直流内部抵抗(DCIR)が要請される。特に、自動車や建設機器等におけるエネルギー回生用途の場合には、大電流でエネルギー回生が行われるが、DCIRが高いと発熱によるエネルギー損失が生じ、蓄電効率が低下してしまう。また、発熱により電気化学キャパシタの寿命が短くなる。しかしながら、従来の電気化学キャパシタについて、DCIRの低減が十分に検討されてこなかった。また、低いDCIRはキャパシタが高温を経験しても維持されるべきである。
【0009】
そこで、本発明の目的は、正極のために活性炭を使用し、負極のためにチタン酸リチウムを使用した電気化学キャパシタにおいて、低いDCIRを有し、高温経験によってもDCIRの増加が抑制された電気化学キャパシタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者らは、鋭意検討した結果、負極におけるチタン酸リチウムの100%放電容量を正極における活性炭の100%放電容量よりも大幅に増加させて電気化学キャパシタを構成することにより、上記目的が達成されることを発見し、発明を完成させた。
【0011】
したがって、活性炭を含む正極活物質層を有する正極と、チタン酸リチウムを含む負極活物質層を有する負極と、上記正極活物質層と上記負極活物質層との間に配置されたリチウム塩を含有する非水電解液を保持したセパレータと、を備えた本発明の電気化学キャパシタは、チタン酸リチウムの100%放電容量が活性炭の100%放電容量の2.2〜7.0倍であることを特徴とする。
【0012】
本発明の電気化学キャパシタでは、チタン酸リチウムの単位質量あたりの100%放電容量と活性炭の単位質量あたりの100%放電容量とを参照して、チタン酸リチウムの100%放電容量が活性炭の100%放電容量の2.2〜7.0倍になるように活性炭の質量とチタン酸リチウムの質量が調整される。ここで、チタン酸リチウムの単位質量あたりの100%放電容量と、活性炭の単位質量あたりの100%放電容量とは、以下の方法で求めた値を意味する。チタン酸リチウムを含む負極活物質層を備えた作用極とリチウム対極とを使用予定の電解液を含むセパレータを介して組み合わせた半電池を形成し、レート1CでLi/Liに対して3V〜1Vの範囲で充放電を行い、この間のチタン酸リチウム1gあたりの放電容量を、チタン酸リチウムの単位質量あたりの100%放電容量とする。また、活性炭を含む正極活物質層を備えた作用極とリチウム対極とを使用予定の電解液を含むセパレータを介して組み合わせた半電池を形成し、レート1CでLi/Liに対して4.3V〜3Vの範囲で充放電を行い、この間の活性炭1gあたりの放電容量を、活性炭の単位質量あたりの100%放電容量とする。
【0013】
図1は、本発明の電気化学キャパシタにおける負極活物質層をカーボンナノファイバとチタン酸リチウムナノ粒子とで構成した例のモデル図である。本発明の電気化学キャパシタを繰り返し充放電したときの活性炭の充放電容量とチタン酸リチウムの充放電容量とは同一である。しかし、チタン酸リチウムの100%放電容量が活性炭の100%放電容量の2.2〜7.0倍の範囲に設定されているため、活性炭の100%充放電に対して、チタン酸リチウムはその粒子の14(=1/7.0)〜45(=1/2.2)%だけが充放電の繰り返しにおいて利用されることになる。図1におけるチタン酸リチウム粒子の表層付近のa領域は、この充放電のために利用される領域を示している。リチウムイオンは、充放電時にa領域のみを拡散すれば良く、拡散距離が短くなるため、リチウムイオンの拡散に起因するDCIRが減少する。以下、充放電の繰り返しにおいて利用されるチタン酸リチウムの割合を「利用率」という。
【0014】
発明者らが検討したところ、チタン酸リチウムの100%放電容量を活性炭の100%放電容量よりも大幅に増加させて電気化学キャパシタを構成すると、DCIRが低下するだけでなく、意外にも、電気化学キャパシタが高温を経験しても、DCIRの増加が抑制されることが判明した。その理由は現時点では明確ではないが、チタン酸リチウムの利用率の低下に伴ってチタン酸リチウム粒子の表面の反応性が低下し、高温で粒子表面に形成されやすくなるSEI皮膜が利用率の低下に伴い形成されにくくなり、SEI皮膜によるリチウムイオンのインターカレーションの阻害が起こりにくくなり、その結果、高温経験によるDCIRの増加が抑制されたと考えられる。
【0015】
本発明では、チタン酸リチウムの100%放電容量が活性炭の100%放電容量の2.2〜7.0倍の範囲であり、言い換えるとチタン酸リチウムの利用率が14〜45%の範囲である。チタン酸リチウムの利用率が45%を超えると、DCIRの増加が著しくなり、また高温経験によるDCIRの変化が著しくなる。チタン酸リチウムの利用率が14%未満では、もはやDCIRの低下が期待できない上に、電気化学キャパシタ製品の体積あたりの容量が低下してしまう。
【0016】
チタン酸リチウム粒子の直径がミクロンオーダー又はサブミクロンオーダーであっても本発明の効果が得られるが、チタン酸リチウムがナノ粒子であるのが好ましい。ナノ粒子であると、チタン酸リチウムの質量あたりの表面積が極めて大きいため、充放電におけるリチウムイオンの拡散距離がさらに短くなり、DCIRの低下がより顕著になる。また、一般に高温ではチタン酸リチウムの表面積が大きいほどSEI皮膜が形成されやすくなると考えられるが、本発明では、ナノ粒子の表面積が顕著に大きくなるにもかかわらず、高温経験によるDCIRの変化が好適に抑制される。さらに、チタン酸リチウムがナノ粒子であると、大電流での放電においても容量の低下が抑制された優れたレート特性を示す電気化学キャパシタが得られる。
【発明の効果】
【0017】
チタン酸リチウムの100%放電容量が活性炭の100%放電容量の2.2〜7.0倍の範囲に設定されている本発明の電気化学キャパシタは、低いDCIRを有する上に、高温を経験してもDCIRの増加が抑制された安定した特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の電気化学キャパシタにおける負極活物質層をカーボンナノファイバとチタン酸リチウムナノ粒子とで構成した例のモデル図である。
図2】ミクロンオーダーのチタン酸リチウム粒子を含む負極活物質層を備えた電気化学キャパシタにおける、チタン酸リチウムの利用率とDCIRとの関係を示した図である。
図3】ミクロンオーダーのチタン酸リチウム粒子を含む負極活物質層を備えた電気化学キャパシタにおける、高温負荷試験によるDCIRの変化を示した図である。
図4】チタン酸リチウムのナノ粒子を含む負極活物質層を備えた電気化学キャパシタにおける、チタン酸リチウムの利用率とDCIRとの関係を示した図である。
図5】チタン酸リチウムのナノ粒子を含む負極活物質層を備えた電気化学キャパシタにおける、高温負荷試験によるDCIRの変化を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の電気化学キャパシタは、活性炭を含む正極活物質層を有する正極と、チタン酸リチウムを含む負極活物質層を有する負極と、正極活物質層と負極活物質層との間に配置されたリチウム塩を含有する非水電解液を保持したセパレータとを備え、チタン酸リチウムの100%放電容量が活性炭の100%放電容量の2.2〜7.0倍の範囲である。
【0020】
負極は、チタン酸リチウムを含む負極活物質層と、これを支持する集電体とを備えている。負極活物質層は、必要に応じてバインダを溶解した溶媒に、チタン酸リチウム及び必要に応じて導電剤を分散させ、得られた分散物をドクターブレード法等によって集電体上に塗工し、乾燥することにより作成することができる。また、得られた分散物を所定形状に成形し、集電体上に圧着しても良い。
【0021】
上記分散物を形成するための溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の非水溶媒や水溶媒を用いることができるが、非水溶媒を用いるのが好ましい。溶媒は、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
【0022】
上記分散物を形成するためのバインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニル、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等の公知のバインダが使用される。また、ニトリル基含有モノマー由来の繰り返し単位を80質量%以上含むニトリル系ポリマーは、低い電解液膨潤性を有する上に、負極活物質層内の粒子同士の接着性或いは負極活物質層と集電体との接着性に優れ、負極活物質層のチタン酸リチウムを高密度化させることができ、電気化学キャパシタのDCIRを低下させることができるため、好ましいバインダである。上記ニトリル系ポリマーの例としては、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリルに加えて、アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルをアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等と共重合させた変性アクリロニトリル樹脂が挙げられる。特に、アクリル酸−メトキシトリエチレングリコールアクリレート−アクリロニトリルターポリマーが好ましい。これらのポリマーは、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。バインダの含有量は、分散物全体に対して1〜30質量%、好ましくは1〜5質量%の範囲である。1質量%以下であると活物質層の強度が十分でなく、30質量%以上であると、負極の放電容量が低下する、DCIRが過大になる等の不都合が生じる。
【0023】
負極活物質のチタン酸リチウムとしては、公知の方法で製造されたものを特に限定なく使用することができる。例えば、二酸化チタンと炭酸リチウム或いは水酸化リチウムをチタン:リチウムの質量比が5:4になるように混合し、酸素含有雰囲気中700〜1000℃の温度で焼成することによりチタン酸リチウム粒子を得ることができる。また、リチウム塩とチタン塩とを含む水溶液を噴霧乾燥法等により処理して溶媒を蒸発させ、得られた混合物を焼成しても良い。さらに、これらの方法で得られたチタン酸リチウムを粉砕して使用することもできる。粉砕は湿式粉砕でも乾式粉砕でも良い。粉砕機の例としては、ライカイ器、ボールミル、ビーズミル、ロッドミル、ローラミル、攪拌ミル、遊星ミル、ハイブリダイザー、メカノケミカル複合化装置及びジェットミルを挙げることができる。
【0024】
導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、無定形炭素、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化ケッチェンブラック、メソポーラス炭素等の導電性カーボン粉末を使用することができる。また、気相法炭素繊維を使用することもできる。特に、アセチレンブラックは、活物質層の電気伝導度が高くなることによると思われるが、電気化学キャパシタのレート特性を向上させる好適な導電剤である。これらのカーボン粉末は、単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
【0025】
また、特許文献3及び特許文献4に記載されている、ずり応力と遠心力を加えた化学反応により導電性カーボン上にチタン酸リチウム前駆体を担持させる工程を介して製造された複合材料は、本発明の電気化学キャパシタにおける負極活物質層のために好適に用いられる。
【0026】
集電体としては、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、鋼、カーボン等の導電材料を使用することができる。高い熱伝導性と電子伝導性とを有するアルミニウム或いは銅が好ましい。集電体の形状は、膜状、箔状、板状、網状、エキスパンドメタル状、円筒状等の任意の形状を採用することができる。
【0027】
また、表面に導電性接着層が設けられた集電体を使用し、導電性接着層によって集電体と負極活物質層とを接着することもできる。導電性接着層は、溶剤に導電剤としての導電性カーボン粉末や金属粉とバインダとしての熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を添加した組成物を集電体上に塗布することにより形成することができる。導電性接着層により負極活物質層と集電体とが電気的に接続されるため、電気化学キャパシタのDCIRがさらに低下する。
【0028】
正極は、活性炭を含む正極活物質層とこれを支持する集電体とを備えている。活性炭を含む正極活物質層としては、従来の電気二重層キャパシタ或いは電気化学キャパシタにおいて用いられたものを特に限定なく使用することができ、粉末成形体の他、繊維状、シート状のものも使用することができる。例えば、必要に応じてバインダを溶解した溶媒に、活性炭粉末及び必要に応じて導電剤を分散させ、得られた分散物をドクターブレード法等によって集電体上に塗工し、乾燥することにより、正極活物質層を作成することができる。また、得られた分散物を所定形状に成形し、集電体上に圧着しても良い。
【0029】
活性炭原料としては、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、メソフェーズ系ピッチ等のピッチ系原料、これらピッチ系材料を熱処理することにより得られるコークス系原料、やしがら、木粉等の植物系原料、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、レゾルシノール系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリブチラール、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセテート等の合成樹脂系原料およびこれらの炭化物を用いることができる。
【0030】
賦活処理としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム等を賦活剤として用いるアルカリ賦活処理、塩化亜鉛、リン酸等を賦活剤として用いる薬品賦活処理、二酸化炭素、空気等を賦活剤として用いるガス賦活処理、水蒸気を賦活剤として用いる水蒸気賦活処理等が挙げられる。特に、アルカリ賦活処理が、高度に発達した細孔構造を有する活性炭を与えるため好ましい。
【0031】
正極活物質層用の分散物を形成するための溶媒、導電剤及びバインダについては、負極活物質層用の分散物を得るための溶媒、導電剤及びバインダの記載が正極活物質層においてもあてはまる。
【0032】
正極のための集電体については、負極のための集電体の記載が正極においても当てはまるが、正極においては特に、黒鉛或いは膨張黒鉛を導電剤として含む導電性接着層を備えた集電体が好適に用いられる。負極の作動電圧はLi/Liに対して1.5V付近に維持されるのが好ましいが、導電性接着剤に黒鉛及び/又は膨張黒鉛が含まれていると、電気化学キャパシタの初期充電において、主として黒鉛及び/又は膨張黒鉛の層面間に電解液中のアニオンがインターカレーションする不可逆反応に起因する不可逆容量が正極に発現し、これに伴って負極のチタン酸リチウムの充電深度が深くなるため、以後の電気化学キャパシタの可逆的な充放電においては負極の過放電が防止される。この黒鉛及び/又は膨張黒鉛の効果は、正極活物質層を活性炭と黒鉛及び/又は膨張黒鉛とを含む層とすることによっても得られる。
【0033】
本発明の電気化学キャパシタでは、チタン酸リチウムの単位質量あたりの100%放電容量と、活性炭の単位質量あたりの100%放電容量とを参照し、チタン酸リチウムの100%放電容量が活性炭の100%放電容量の2.2〜7.0倍の範囲になるように、言い換えるとチタン酸リチウムの利用率が14〜45%の範囲になるように、チタン酸リチウムと活性炭の量が調整される。チタン酸リチウムの利用率が45%を超えると、DCIRの増加が著しくなり、また高温経験によるDCIRの変化が著しくなる。チタン酸リチウムの利用率が14%未満では、もはやDCIRの低下が期待できない上に、電気化学キャパシタ製品の体積あたりの容量が低下してしまう。
【0034】
本発明の電気化学キャパシタは、正極活物質層と負極活物質層との間にリチウム塩を含有する非水電解液を保持したセパレータを備える。セパレータとしては、例えば、ポリオレフィン繊維不織布、ガラス繊維不織布、ポリオレフィン微多孔質膜、セルロース繊維布等の公知のセパレータを特に限定なく使用することができる。セパレータに保持される電解液は、非水系溶媒に電解質を溶解させた電解液が使用され、公知の非水系電解液を特に制限なく使用することができる。
【0035】
非水系電解液の溶媒には特に限定がなく、カーボネート類、エーテル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリル類、炭化水素類、エステル類、リン酸エステル系化合物、スルホラン系化合物等を使用することができ、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、スルホラン、3−メチルスルホラン、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン又はこれらの混合物を好適に使用することができる。特に、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの混合溶媒は、溶媒の低粘度特性によるリチウムイオンの拡散速度の高まりによるものと思われるが、電気化学キャパシタのレート特性を向上させる好適な溶媒である。また、チタン酸リチウム粒子に安定で強固なSEI皮膜を形成するために、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、プロパンスルトン、ブタンスルトン、エチレンスルフィド、スルホレンを電解液に添加することができる。特に、ビニレンカーボネートは好適な添加物である。
【0036】
非水系電解液の溶質としては、有機電解液に溶解したときにリチウムイオンを生成する塩を、特に限定なく使用することができる。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(CFSO、LiCFSO、LiC(SOCF、LiN(SO、LiAsF、LiSbF、LiPF(C又はこれらの混合物を好適に使用することができる。リチウム塩の濃度は、一般には0.1〜2.5mol/L、好ましくは0.5〜2mol/Lの範囲である。非水系電解液の溶質として、リチウムイオンを生成する塩に加えて、第4級アンモニウムカチオン又は第4級ホスホニウムカチオンを有する第4級アンモニウム塩又は第4級ホスホニウム塩を使用することができる。例えば、R又はRで表されるカチオン(ただし、R、R、R、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す)と、PF、BF、ClO、N(CFSO、CFSO、C(SOCF、N(SO、AsF又はSbFからなるアニオンとからなる塩、又はこれらの混合物を好適に使用することができる。特に、リチウム塩と第4級アンモニウム塩とを含む電解液は、溶媒の溶媒和構造が変化してリチウムイオンの拡散速度が高くなることによると思われるが、電気化学キャパシタのレート特性を向上させる好適な電解液である。
【0037】
本発明により、低いDCIRを有し、高温経験によってもDCIRの増加が抑制された電気化学キャパシタが得られる。
【実施例】
【0038】
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0039】
(1)ミクロンオーダーのチタン酸リチウム粒子の利用
実施例1
活性炭(クラレケミカル株式会社製YP−17)と、スチレンブタジエンゴムバインダと、導電剤としてのケッチェンブラックとを、8:1:1の質量比で水に分散し、攪拌機で混合してスラリーを得た。得られたスラリーを、黒鉛を含む導電性接着層を備えたアルミニウム箔に所定厚みで塗布し、乾燥させた。次いで、乾燥後のシートを3×4cmの面積となるように打ち抜き、ロールプレス機でプレスすることにより、正極を得た。
【0040】
次いで、チタン酸リチウム(石原産業株式会社製LT−106、メジアン径6.9μm)5gと、変性アクリロニトリル樹脂を含むバインダ組成物(日立化成株式会社製LSR−7)4.29gと、N−メチルピロリドン13gを薄膜旋回型ミキサーで混合してスラリーを得た。得られたスラリーを、黒鉛を含む導電性接着層を備えたアルミニウム箔に所定厚みで塗布し、乾燥させた。次いで、乾燥後のシートを3×4cmの面積となるように打ち抜き、ロールプレス機でプレスすることにより、負極を得た。
【0041】
上記正極と上記負極とをセルロース製セパレータを介して積層し、1MLiBFを含むプロピレンカーボネート電解液を含浸させ、アルミニウムラミネートで封入して電気化学キャパシタを得た。
【0042】
上記正極と上記負極のそれぞれについて、上記電解液を含むセパレータを介してLi対極と組み合わせた半電池を形成し、チタン酸リチウムの単位質量あたりの100%放電容量及び活性炭の単位質量あたりの100%放電容量を求めた。これらの値を参照し、得られた電気化学キャパシタにおける正極における活性炭の質量と負極におけるチタン酸リチウムの質量とから、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を求めたところ、3.7(チタン酸リチウムの利用率27%)であった。
【0043】
得られた電気化学キャパシタを、60℃の条件下、電流12mAで3.0Vまで充電し、3.0Vで72時間放置した後、放電するエージングを行った。次いで、常温にて、電流12mAで2.8Vまで充電し、30分間2.8Vに維持し、電流12mAで1.5Vまで放電する充放電サイクルを2回行った。2回目の放電における放電開始〜1秒経過時における電圧降下からDCIRを算出した。次いで、電気化学キャパシタに温度60℃で2.8Vを1000時間印加する高温負荷試験を行った。高温負荷試験後、常温にて、電流12mAで2.8Vまで充電し、30分間2.8Vに維持し、電流12mAで1.5Vまで放電する充放電サイクルを2回行った。2回目の放電における放電開始〜1秒経過時における電圧降下からDCIRを算出し、DCIRの変化率を求めた。
【0044】
実施例2
アルミニウム箔に塗布するチタン酸リチウム含有スラリーの厚みを調整することにより、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を2.7(チタン酸リチウムの利用率37%)に調整したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。
【0045】
実施例3
アルミニウム箔に塗布するチタン酸リチウム含有スラリーの厚みを調整することにより、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を2.2(チタン酸リチウムの利用率45%)に調整したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。
【0046】
実施例4
アルミニウム箔に塗布するチタン酸リチウム含有スラリーの厚みを調整することにより、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を5.0(チタン酸リチウムの利用率20%)に調整したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。
【0047】
実施例5
アルミニウム箔に塗布するチタン酸リチウム含有スラリーの厚みを調整することにより、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を7.0(チタン酸リチウムの利用率14%)に調整したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。
【0048】
比較例1
アルミニウム箔に塗布するチタン酸リチウム含有スラリーの厚みを調整することにより、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を1.8(チタン酸リチウムの利用率56%)に調整したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。
【0049】
図2に、実施例1〜5及び比較例1の電気化学キャパシタについてのDCIRとチタン酸リチウムの利用率との関係を示した。図2から明らかなように、DCIRは利用率45%を超えると急激に上昇し、利用率14〜45%の間では利用率が低下するにつれてDCIRがなだらかに低下した。図3に、実施例1〜5及び比較例1の電気化学キャパシタについての高温負荷試験前後のDCIRの変化率(ΔDCIR)とチタン酸リチウムの利用率との関係を示した。図3から明らかなように、ΔDCIRは利用率45%を超えると急激に上昇し、利用率14〜45%の間では利用率が低下するにつれてΔDCIRがなだらかに低下した。したがって、利用率を14%〜45%の範囲に調整することにより、DCIRが低く、高温経験によってもDCIRの増加が抑制された電気化学キャパシタが得られることがわかった。
【0050】
(2)チタン酸リチウムナノ粒子の利用
実施例6
実施例1において用いたミクロンオーダーのチタン酸リチウム粒子を、エタノールを分散媒としてビーズミルにより湿式粉砕し、平均粒径35nmのナノ粒子を得た。ナノ粒子の平均粒径はSEM写真による観察から導出した。そして、上記ミクロンオーダーのチタン酸リチウムの代わりに平均粒径35nmのナノ粒子を用いて、実施例1の手順を繰り返した。得られた電気化学キャパシタにおける正極における活性炭の質量と負極におけるチタン酸リチウムの質量は、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率が3.7(チタン酸リチウムの利用率27%)になるように調整した。
【0051】
実施例7
アルミニウム箔に塗布するチタン酸リチウム含有スラリーの厚みを調整することにより、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を2.7(チタン酸リチウムの利用率37%)に調整したことを除いて、実施例6の手順を繰り返した。
【0052】
実施例8
アルミニウム箔に塗布するチタン酸リチウム含有スラリーの厚みを調整することにより、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を2.2(チタン酸リチウムの利用率45%)に調整したことを除いて、実施例6の手順を繰り返した。
【0053】
実施例9
アルミニウム箔に塗布するチタン酸リチウム含有スラリーの厚みを調整することにより、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を5.0(チタン酸リチウムの利用率20%)に調整したことを除いて、実施例6の手順を繰り返した。
【0054】
実施例10
アルミニウム箔に塗布するチタン酸リチウム含有スラリーの厚みを調整することにより、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を7.0(チタン酸リチウムの利用率14%)に調整したことを除いて、実施例6の手順を繰り返した。
【0055】
比較例2
アルミニウム箔に塗布するチタン酸リチウム含有スラリーの厚みを調整することにより、チタン酸リチウムの100%放電容量の活性炭の100%放電容量に対する倍率を1.8(チタン酸リチウムの利用率56%)に調整したことを除いて、実施例6の手順を繰り返した。
【0056】
図4に、実施例6〜10及び比較例2の電気化学キャパシタについてのDCIRとチタン酸リチウムの利用率との関係を示した。図4から明らかなように、チタン酸リチウムのナノ粒子を用いた場合にも、DCIRは利用率45%を超えると急激に上昇し、利用率14〜45%の間では利用率が低下するにつれてDCIRがなだらかに低下した。図5に、実施例6〜10及び比較例2の電気化学キャパシタについての高温負荷試験前後のDCIRの変化率(ΔDCIR)とチタン酸リチウムの利用率との関係を示した。図5から明らかなように、チタン酸リチウムのナノ粒子を用いた場合にも、ΔDCIRは利用率45%を超えると急激に上昇し、利用率14〜45%の間では利用率が低下するにつれてΔDCIRがなだらかに低下した。したがって、利用率を14%〜45%の範囲に調整することにより、DCIRが低く、高温経験によってもDCIRの増加が抑制された電気化学キャパシタが得られることがわかった。
【0057】
図2図4の比較から、チタン酸リチウムのナノ粒子を用いたキャパシタがより低いDCIRを示したことがわかる。これは、チタン酸リチウムのナノ粒子を使用すると、質量あたりの表面積が極めて大きいため、充放電におけるリチウムイオンの拡散距離が顕著に短くなったことを反映していると考えられる。また、図3図5の比較から明らかなように、チタン酸リチウムのナノ粒子を用いた電気化学キャパシタがより低いΔDCIRを示したことがわかる。一般に高温ではチタン酸リチウムの表面積が大きいほどSEI皮膜が形成されやすくなると考えられるが、チタン酸リチウムと活性炭との割合を本発明の範囲に調整することにより、高温経験によるDCIRの変化が好適に抑制され、ミクロンオーダーのチタン酸リチウム粒子を用いたキャパシタよりもさらに安定なキャパシタが得られたことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明により、低く安定なDCIRを有する、特にエネルギー回生用途に適した電気化学キャパシタが提供される。
図1
図2
図3
図4
図5