特許第6481751号(P6481751)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481751
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】打込機
(51)【国際特許分類】
   B25C 1/06 20060101AFI20190304BHJP
   B25C 1/04 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   B25C1/06
   B25C1/04
【請求項の数】15
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-502330(P2017-502330)
(86)(22)【出願日】2016年2月19日
(86)【国際出願番号】JP2016054905
(87)【国際公開番号】WO2016136632
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2017年8月25日
(31)【優先権主張番号】特願2015-37416(P2015-37416)
(32)【優先日】2015年2月26日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-189060(P2015-189060)
(32)【優先日】2015年9月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】駒崎 義一
(72)【発明者】
【氏名】海野 眞由美
(72)【発明者】
【氏名】三苫 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慎一郎
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−518553(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/037299(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/010512(WO,A1)
【文献】 特開2014−000671(JP,A)
【文献】 特開平09−094769(JP,A)
【文献】 特開2012−240193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 1/04 − 1/06
B25C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に設けられたシリンダと、
前記シリンダに空間的に連結された空気圧室と、
前記シリンダ内に往復動可能に設けられたピストンと、
前記ピストンに取り付けられ止具を打撃するブレードと、
前記ピストンを前記シリンダ内において上死点と下死点の間を移動させる移動機構と、を有し、
圧縮された空気の反発力にて前記止具を打ち込む打込機において、
前記空気圧室に外気を取り込むための弁を設け、前記止具を前記ブレードの射出路に装填しない状態において、前記移動機構によって前記シリンダ内で前記ピストンを上死点から下死点に移動させることにより、外気を取り込む蓄圧モードと、
前記移動機構によって、前記ピストンが前記シリンダ内において下死点から上死点に移動させた後、前記空気圧室の圧力によって、前記上死点から前記下死点に向かって移動させることで前記止具を打ち込む打撃モードを設けたことを特徴とする打込機。
【請求項2】
前記打撃モードの時には、前記移動機構によって前記ピストンが前記シリンダ内において下死点から上死点に移動させ、
前記蓄圧モードの時は、前記移動機構によって前記ピストンを下死点から上死点手前までの範囲にて往復動させることにより、加圧動作を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の打込機。
【請求項3】
前記蓄圧モード時の前記シリンダ内における前記ピストンの移動は、モータで駆動され、
前記モータは制御部によって制御されることを特徴とする請求項2に記載の打込機。
【請求項4】
前記弁は、外気取入通路と、外気から前記空気圧室側への空気の流入のみを許容する逆止弁と、前記外気取入通路の開閉を行う切替レバーを有し、
前記切替レバーの操作によって外気の取り入れを許容又は禁止することを特徴とする請求項3に記載の打込機。
【請求項5】
前記移動機構として、前記モータと、
前記モータの駆動力によって回転され前記ブレードを移動させるピニオンを有する回転体と、

前記ブレードに形成されたラックを有し、
前記ピニオンは、前記ピストンが下死点から上死点に到達する直前までは前記ピニオンと噛合し、上死点に到達したら前記ピニオンと前記ラックの噛合が解除されることを特徴とする請求項4に記載の打込機。
【請求項6】
前記モータはブラシレスDCモータであって、
前記制御部は、前記蓄圧モードの際に前記ラックと前記ピニオンの噛合が外れない状態で前記ピニオンの正転と逆転を繰り返すように前記モータを駆動する請求項5に記載の打込機。
【請求項7】
前記止具の装着の有無を検出する止具センサを設け、
前記蓄圧モードは前記止具が残っている時は実行できないようにしたことを特徴とする請求項3に記載の打込機。
【請求項8】
前記制御部は、前記蓄圧モードで前記モータにより前記ピストンを動かす際に、前記モータに流れる電流値を監視し、
設定電流値を超えた際には前記蓄圧モードの動作を終了させることを特徴とする請求項7に記載の打込機。
【請求項9】
前記空気圧室の圧力を検出する圧力センサを設け、
前記制御部は、前記蓄圧モードで前記モータにより前記ピストンを動かす際に、前記圧力を監視し、
設定圧力を超えた際には前記蓄圧モードの動作を終了させることを特徴とする請求項6に記載の打込機。
【請求項10】
前記制御部は、前記蓄圧モードで前記モータにより前記ピストンを往復移動させた回数をカウントし、
前記カウント値が所定回数に達したときに前記蓄圧モードの動作を終了させることを特徴とする請求項6に記載の打込機。
【請求項11】
トリガレバーを有するスイッチ機構と、
被打込み材に接触させるプッシュロッドを有し、
前記モータは、前記プッシュロッドを押しつけた状態で前記トリガレバーを操作したら起動することを特徴とする請求項に記載の打込機。
【請求項12】
前記空気圧室に、前記空気圧室内の圧力が所定値を越えた場合に空気を外部に逃がすためのリークバルブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の打込機。
【請求項13】
前記リークバルブには、任意に前記空気圧室の圧力を開放することが可能な手動リーク機構が設けられることを特徴とする請求項12に記載の打込機。
【請求項14】
前記リークバルブは、空気通路を閉鎖するボールと、
前記ボールを保持すると共に空気通路を形成するリークプランジャと、
前記ボールを空気通路の出口に押しつけるスプリングと、
リークプランジャを保持して前記ハウジングに固定するためのリークプランジャホルダと、
前記リークプランジャホルダを移動させて前記ボールの前記出口への当接状態を解除させるプッシュボタンと、を有することを特徴とする請求項12に記載の打込機。
【請求項15】
ハウジング内に設けられたシリンダと、
前記シリンダに空間的に連結された空気圧室と、
前記空気圧室に外気を取り込むための通路と、
前記シリンダ内に往復動可能に設けられたピストンと、
前記ピストンに取り付けられ止具を打撃するブレードと、
前記ピストンを前記シリンダ内において上死点と下死点の間を移動させる移動機構と、
前記移動機構を制御する制御装置と、

前記通路から外気を取り込み、前記空気圧室の圧力を上昇させる第一圧縮モードと、
前記空気圧室の圧力を上昇させた後、前記ピストンを下死点から上死点に移動させることで、前記シリンダ内の圧力を上昇させる第二圧縮モードを有し、
前記制御装置は、前記第一圧縮モードを実施後に、前記第二圧縮モードを実行できるように制御することを特徴とする打込機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気等の気体の圧力でドライバブレードを移動させて止具を打撃する打込機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮された空気の力で止具を打撃する打込機や釘打機が知られており、その打込機が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された打込機は、ハウジング内に設けたモータと、モータの回転力をカムに伝達するギヤと、ハウジング内に設けたシリンダと、シリンダ内に往復動可能に収容したピストンと、ピストンに固定されたドライバブレードと、シリンダ内に設けたベローズと、を備えている。ベローズは伸縮可能であり、ベローズの第1端部は、ピストンに接続され、ベローズの第2端部は、ハウジングに固定される。ベローズ内に圧縮空気が封入されて圧力室(空気圧室)が形成される。
【0003】
特許文献1に記載された打込機は、モータの回転力でカムが回転すると、カムの回転力でピストンが下死点から上死点に向けて移動する。ピストンが下死点から上死点に向けて移動する間、ベローズが圧縮されて圧力室の圧力が上昇する。ピストンが上死点に到達すると、カムの回転力はピストンに伝達されなくなり、ピストンは、圧力室の圧縮された空気の力で上死点から下死点に向けて移動する。その結果、ドライバブレードは、止具を打撃する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−69289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された打込機は、ベローズ内に形成される圧力室に、常時、空気を封入しておくため、止具を打撃しない場合でも、ベローズをシールする必要があった。ベローズは、使用回数、使用期間が長くなるにつれて内部の空気が徐々に減少する恐れがあり、打撃力が低下することがあった。
【0006】
本発明の目的は、ピストンを打撃するために用いられる空気圧室内の空気を容易に補充することが可能な打込機を提供することにある。本発明の他の目的は、空気圧室内の空気の補充(蓄圧)を、電動モータによってピストンを逆方向に移動させることにより行うようにした打込機を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、空気圧室内の気体を容易に排出することができるようにした打込機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられたシリンダと、前記シリンダに空間的に連結された空気圧室と、前記シリンダ内に往復動可能に設けられたピストンと、前記ピストンに取り付けられ止具を打撃するブレードと、前記空気室あるいは、前記シリンダ内の一方の体積をモータにより縮小させる移動機構と、を有し、圧縮された空気の反発力にて前記止具を打ち込む打込機において、前記モータによって、前記空気室を外部と連通した状態から前記空気圧室を加圧する蓄圧モードと、前記モータによって、前記ピストンが前記シリンダ内において下死点から上死点に移動させた後、前記上死点から前記下死点に向かって移動することで前記止具を打ち込む打撃モードを有するように構成した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業者が容易に空気圧室内の気体の圧力を加圧することができるので、長年の使用による空気圧室内の圧力低下に悩まされることなく、長寿命かつ高性能の打込機を実現できる。また、空気圧室内の圧力を低下させることができるので、釘が詰まったときなどのメンテナンス性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一の実施例に係る打込機201を示す縦断面図である。
図2図1のA方向から見た矢視図である(ピストン47が下死点時)。
図3図1のA方向から見た矢視図である(ピストン47が上死点時)。
図4】ノーズ部254を図1のA方向と反対側から見た矢視図である。
図5】打込機201のブロック回路図である。
図6図1の蓄圧容器250に設けた外気取込み弁260付近の部分拡大図である(その1)。
図7図1の蓄圧容器250に設けた外気取込み弁260付近の部分拡大図である(その2)。
図8図1の蓄圧容器250に設けた外気取込み弁260付近の部分拡大図である(その3)。
図9】本発明の実施例に係る蓄圧モードでの空気圧室249の加圧手順を示すフローチャートである。
図10】本発明の第二の実施例に係る打込機301を示す縦断面図である。
図11図10のリークバルブ360の拡大縦断面図である。
図12】本発明の第二の実施例の変形例に係る打込機を示す部分縦断面図である。
図13】本発明の第三の実施例に係る打込機10を示す正面図である。
図14図13に示す打込機10の側面断面図である。
図15図13に示す打込機10の正面断面図である(その1)。
図16図13に示す打込機10の正面断面図である(その2)。
図17】本発明の打込機の第四の実施例を示す側面断面図である。
図18図17に示す打込機の正面断面図である。
図19】本発明の打込機の第五の実施例を示す正面断面図である。
図20図19に示す打込機の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
打込機201は、打ち込み対象たる釘11を打撃する打撃機構(シリンダ245、蓄圧容器250、ピストン47、ブレード48を含む)と、打撃機構を駆動するための動力を発生する電動モータ13と、電動モータ13の動力により打撃機構のブレード48を移動させる動力伝達機構と、電動モータ13に電力を供給する蓄電池15と、打撃機構の射出路へ釘11を1本ずつ供給すると共に射出される複数の釘11を保持するマガジン16を有する。釘11は細い丸棒又は角棒の先端を尖らせて後端をフランジ状に幅広くした止具であり、打込機201によって50〜110mm程度の釘を打撃することができる。打撃機構は合成樹脂製で筒状の本体ハウジング202の内部に収容される。本体ハウジング202の側方には、作業者が片手で把持するためのグリップ203が設けられ、グリップ203の末端部には蓄電池15の装着部204が設けられる。蓄電池15は、装着部204に対して着脱可能とされる。装着部204には後述するコントローラ(制御部)を搭載するための制御回路基板81が収容される。
【0011】
ピストン47の外周面にはシール部材55が取り付けられ、シリンダ245内で中心線B1に沿った軸方向に往復動可能である。ピストン47の下部には、釘11を打ち込むためであって軸方向に細長いブレード48が固定され、ピストン47の移動する空間の上部には空気を溜めておくための蓄圧容器250が設けられる。蓄圧容器250は、開口を下向きにした略カップ状の容器本体部251と、容器本体部251の開口部分を塞ぐと共に円筒状のシリンダ245への取付部が形成されるフランジ部255により形成される。蓄圧容器250の内部空間(空気圧室249)は、外部から取り込まれた空気を加圧された状態に維持する空気圧室249を有し、ピストン47によって空気が圧縮される空間(図2で後述するシリンダ室248)と流体的に接続されている。外部から空気圧室249に空気を取り込むために、蓄圧容器250の上部には外気取込み弁260が設けられる。外気取込み弁260の詳細については後述する。
【0012】
蓄電池15は、収容ケースと、収容ケース内に収容した複数の電池セル(図示せず)とを有する。電池セルは、充電及び放電が可能な直流の二次電池であり、電池セルは、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケルカドミウム電池等を用いることができる。装着部204の一部はケーシング233に連続するモータハウジング17と接続される。ここでは本体ハウジング202、グリップ203、装着部204、ケーシング233、モータハウジング17がプラスチック等の合成樹脂製の成形品により製造され、ノーズ部254がアルミ合金又は鉄系の金属により製造され、これらの構成物が打込機201の筐体部分(広義のハウジング)を構成している。
【0013】
電動モータ13はブラシレスDCモータであって、モータハウジング17に対して回転不能に固定されるステータ18と、ステータ18の内周側において回転可能に軸支されるロータ19と、を備えている。ステータ18は、積層鉄心からなるステータコアに通電用のコイル21を巻いたものである。ロータ19は、2個の軸受82a、82bにより支持された出力軸24と、出力軸24に固定されたロータコアと永久磁石を備えている。出力軸24は軸線A1を中心として回転可能である。電動モータ13の端部側には、略円環状のインバータ回路基板83が設けられ、後述するインバータ回路を形成するFET(電界効果トランジスタ)やIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等の複数のスイッチング素子84が搭載される。また、インバータ回路基板83にはロータ19の回転位置を検出するためのホールIC等の磁気検出素子(図示せず)が設けられる。
【0014】
電動モータ13の回転力は減速機27を介して駆動軸234に伝達される。減速機27としては公知の減速機構を用いることができるが、ここでは遊星歯車機構を2段直列に設けることにより出力軸24の回転数を十数分の一程度に減速して駆動軸234を回転させる。駆動軸234の端部には回転体238が固定され、駆動軸234に同期して回転する。回転体238は電動モータ13の動力により打撃機構のブレード48を移動させる動力伝達機構の一部を構成するもので、その構成や動作については図2図4で後述する。
【0015】
ノーズ部254は、本体ハウジング202の射出方向側に取り付けられるものであり、射出される釘11の射出路を形成する。ノーズ部254には、その先端部分を覆うようにしてプッシュロッド104が設けられている。プッシュロッド104は、ノーズ部254に対して射出方向と同方向及び反対方向に所定の範囲で移動可能であって、打ち込み動作を行う際に用いられる一種の安全装置である。打込機201は、釘11の打ち込みの際に作業者がプッシュロッド104を釘11の打ち込む対象物(被打込み材)に押し当てた状況でなければトリガ(トリガレバー)72を引いても電動モータ13が回転しないように制御される。プッシュロッド104は、射出方向の先端側が何にも接触していないときには圧縮バネ105によって付勢され、射出方向側に位置する。作業者がプッシュロッド104を対象物に押し付けると、圧縮バネ105の力に抗してプッシュロッド104は反射出方向に移動して停止する。プッシュロッド104が後退すると図示しない押し付け検知スイッチがオンになり、その出力が後述するコントローラに伝達される。コントローラはプッシュロッド104が押された状態とトリガ72が引かれた状態の双方が成り立ったときのみ、電動モータ13の起動を許容する。
【0016】
図2図1のA方向から見た矢視図であって、ピストン47が下死点にある時の状態を示す。本実施例では、ピストン47をシリンダ45内において空気圧室249の圧力を増加させる方向に移動させる移動機構を有する。この移動機構は、電動モータ13の駆動力によって回転する回転体238と、ラック53を有するブレード48により主に構成される。ここでは、外周縁の一部にピニオン(ギヤ)241を有する回転体238を回転させ、ブレード48の長手方向側面に形成されたラック53にピニオン241をかみ合わせることにより、ピストン47を下死点から上死点まで移動させる。回転体238とピニオン241は金属製の一体品で形成され、駆動軸234の回転によって回転体238は、矢印242の方向に又はその反対方向に回転可能である。ピニオン241は、回転体238の外縁部分において、回転角にして約270度分だけ配置される。従って、回転体238が回転すると、ピニオン241の先端歯241aがラック53の上端歯53aとの噛合を開始することにより、ブレード48を上方に移動させることができ、これによりブレード48に固定されたピストン47も上死点側に向けて移動させることができる。
【0017】
図3は回転体238を図2の状態から矢印242の方向に約300度回転した状態を示す図であり、ラック53とすべてのピニオン241の噛合が終わってラック53の下端歯53bとピニオン241の後端歯241bの噛合がまさに外れる直前の状態を示している。ブレード48の先端48bが射出路256を上方側に移動すると、マガジン16から次に打ち込まれる釘11が射出路256内に給送される。図3の状態の直後、つまりピストン47が上死点に到達したら、ピニオン241の後端歯241bとラック53下端歯53bとの接触状態が解除されるため、空気圧室249内の空気を圧縮していたピストン47を支える力が無くなり、ピストン47は空気圧室の圧縮された空気の反発力により下死点に向けて急激に移動を開始する。この時点ではブレード48の先端48bの直下に、頭頂部11aがくるようにマガジン16によって釘11が装填済みなので、ブレード48は釘11を物体に打ち込むことができる。
【0018】
図4図3の後の状態であって釘11の打ち込みが完了したあとのノーズ部254を、図1のA方向と反対側から見た矢視図である。釘11の打撃時には、電動モータ13は回転しているため駆動軸234も回転を続けている。しかしながら、回転体238の周方向の1カ所に、駆動軸234と平行して設けられる円柱状のピン235が設けられ、釘11の打ち込みが終わったタイミングでピン235がオフスイッチ236に作用する。オフスイッチ236はノーズ部254の側面に設けられ、その出力がコントローラに接続され、釘11が射出されたタイミングで出力パルスを伝達する。オフスイッチ236の近傍にはプランジャ236aを操作するための操作レバー237が設けられる。回転体238が回転することによりピン235の位置も周方向に移動する。操作レバー237はバネ材等の弾力性を有する金属薄板にて製造されたもので、先端に半円筒状に曲げた部分を有する。回転体238が矢印242の方向に回転すると、駆動軸234と平行に設けられたピン235が操作レバー237の半円筒部に当接し、操作レバー237がピン235に押されて変形することによってオフスイッチ236のプランジャ236aが押される。この押された時点では釘11の打ち込みが完了したあとなので、後述するコントローラはオフスイッチ236の出力信号を受けると電動モータ13への駆動電力の供給を停止する。プランジャ236aが押された後は、操作レバー237とピン235の当接状態が解除されるので、駆動軸234も停止し、回転体238が図4の位置にて停止する。なお、釘11が打ち込まれた時点では、ラック53とピニオン241は非接触状態にある。
【0019】
釘11が正しく打撃されたか、ブレード48が正しい位置で停止したかは磁気センサ257を用いて検出することができる。磁気センサ257はノーズ部254に取り付けられ、ピストン47が下死点にまで移動した際のラック53の下端歯53bと隣接する歯の間の位置に設けられる。磁気センサ257は、ラック53の磁気センサ257側に突出する歯の接近によってコントローラに信号を送出するものである。尚、図4では模式的に図示したので、磁気センサ257が大きいが、実際にはノーズ部254に内蔵させるように小型化して、リード線も目立たないように配線するものである(よって図1図3では図示していない)。ピストン47が下死点まで移動すると、ブレード48の下端歯53bだけが磁気センサ257の前を横切るので、磁気センサ257からコントローラに対して1パルス分の出力信号が送られる。よって、コントローラはこの出力信号の有無でブレード48が射出位置まで移動したかを正しく識別できる。この停止した状態は、ピストン47が下死点にある位置なので、作業者がプッシュロッド104を一旦開放してから、次の打撃位置にて再度プッシュロッド104を押しつけてトリガ72を引くことにより、次の打撃動作を開始できる。釘づまりが起きた場合は、磁気センサ257の前をブレード48の下端歯53bが通過しない。これにより、釘づまりを検出したら蓄圧室内の圧力を放出し、放出後に作業者は詰まった釘を取除く作業を行う。
【0020】
図5は本実施例の打込機201の制御ブロック図である。インバータ回路65は蓄電池15による直流電流から電動モータ13を駆動するための3相交流電流(励磁電流)を生成する回路であり、電動モータ13の後端側に設けられたインバータ回路基板83(図1参照)に搭載される。インバータ回路65は、電動モータ13のステータ18のコイルに接続された6つのスイッチング素子84(図1参照)を備え、複数のスイッチング素子84のオンオフがコントローラ66によって制御される。コントローラ66は釘11の打撃時(第2工程)の電動モータ13の回転制御をすると共に、電動モータ13を用いた空気圧室249の加圧(第1工程)時の回転制御を行う。コントローラ66には、図示しないマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と称す)を含んで構成される。電動モータ13には、ロータ19の回転方向の位相を検出する位相検出センサ67が設けられている。位相検出センサ67は、電動モータ13のロータ19に含まれる永久磁石の磁界を検出する複数のホールIC等を含んで実現でき、コントローラ66は、位相検出センサ67の信号に基づいて、ロータ19の回転方向の位置及び回転数を求めることができる。コントローラ66は、位相検出センサ67の信号及び減速機27の変速比に基づいて、回転体38の回転方向の位置、つまり、回転角度を推定する。
【0021】
電動モータ13のロータ19の回転方向を切り替える回転方向切替スイッチ68が設けられている。回転方向切替スイッチ68は、作業者により操作される。回転方向切替スイッチ68は正回転及び逆回転の操作位置がある。さらに、釘11の打ち込み完了を検出するオフスイッチ236と、ブレード48が下死点に達したか否かを検出する磁気センサ257の信号がコントローラ66に入力される。コントローラ66は、位相検出センサ67から入力される信号を処理して、ピストン47のシリンダ46の中心線B1方向の位置を推定する。トリガスイッチ71は(図1参照)は、作業者がトリガ72(図1参照)を操作することによりオンオフされるスイッチ機構である。トリガスイッチ71の信号はコントローラ66へ入力される。さらに、プッシュロッド104が物体に押し付けられているか否かを検知する押し付け検知センサ121が設けられており、押し付け検知センサ121から出力される信号は、コントローラ66へ入力される。コントローラ66は、これらのスイッチ及びセンサの信号に基づいて、電動モータ13の回転、停止、回転数、回転方向を制御する。
【0022】
次に、打込機10の動作及び制御を説明する。コントローラ66は、トリガスイッチ71がオンされると、インバータ回路65を制御してコイル21に電流を供給し、電動モータ13のロータ19を回転させる。コントローラ66は、回転方向切替スイッチ68の信号に基づいて、コイル21に流す電流の向きを制御し、ロータ19の回転方向を決定する。また、コントローラ66は、位相検出センサ67の信号に基づいて、ロータ19の回転方向の位置を検出し、インバータ回路65のスイッチング素子をオンオフするタイミング及びスイッチング素子のオン割合、つまり、デューティ比を制御する。このようにして、ロータ19の単位時間当たりの回転数が制御される。電動モータ13は、コイル21に対する電流の供給向きを切り替えることにより、ロータ19の回転方向を正回転と逆回転とに切り替え可能である。ロータ19が回転すると、出力軸24の回転力は、減速機27を経由して駆動軸234に伝達される。
【0023】
打込機10を使用して打撃を行う場合には、必要ならば事前に空気圧室249内の空気圧を上昇させる第1工程を行う。第1工程は打撃作業開始前の準備工程であり、空気圧室249の圧力が低くなった場合にだけ行えば良く(例えば数週間〜数ヶ月毎)、通常はいきなり第2工程(通常の打ち込み動作)から実行できる。第2工程において、作業者はプッシュロッド104を物体に押し付け、かつ、トリガ72を引くと空気圧室249内の空気圧がさらに上昇して釘11が打撃される。
【0024】
次に、第1工程における空気圧室249の圧力を上昇させる手順を図6図8を用いて説明する。図6図8は、図1の蓄圧容器250に設けた外気取込み弁260付近の部分拡大図である。図6は外気取込み弁260が閉じられた状態であって、外気の蓄圧容器250への取り入れが禁止されている状態を示している。外気取込み弁260は蓄圧容器250の上側に設けられた貫通穴251bを貫通させるように設けられる開閉弁機構であって、開状態(図7図8)にて外気から空気圧室249側への空気の流入を許容し、閉状態(図6)においては外気と空気圧室249内との空気の流れを完全に遮断する。蓄圧容器250は合成樹脂製の本体ハウジング202の内部に収容され、フランジ部255の下側にはクッション材270を設けて蓄圧容器250ががたつかないように保持される。シリンダ245とフランジ部255の円筒部分は、シリンダ245側に形成した雄ねじ245cと、フランジ部255の内周側に形成した雌ねじ255cにより螺合され、さらに、螺合部分の上側に2つのOリング256a、256bを介在させて機密性を高めている。
【0025】
外気取込み弁260は、弁機構の主構成部品となるセレクタ265と、セレクタ265を保持すると共に軸方向(軸線B1方向)に移動させるための円筒スリーブ262と、円筒スリーブ262の回転力をセレクタ265の軸方向への移動力に変換させる可動機構(264と図7に示す262b、263a)と、円筒スリーブ262を回転させるための切替レバー261を含んで構成される。切替レバー261は本体ハウジング202の上部に開けられた貫通穴202bの内部に配置されるノブであって、中央に外気取入通路262aが形成された中空の円筒スリーブ262を固定する。切替レバー261の上部中央にも貫通穴261aが形成され外気取入通路262aと連通する。円筒スリーブ262は容器本体部251に形成された貫通穴にリング状のメタル266を取り付け、メタル266によりB1軸方向に移動可能なように保持される。切替レバー261と円筒スリーブ262の間には、ワッシャ267が介在される。円筒スリーブ262の下側にはセレクタ265が設けられる。セレクタ265は回転しながら軸方向に移動可能なように構成され、円筒スリーブ262の外周側に当接するカップ状の内壁面を有する。カップ状の内壁面の底部(下側面)付近には、カップ状の内側部分とセレクタ265の外側部分を連通させるための連通路265aが形成される。連通路265aはセレクタ265の軸心から径方向外側に延びる2本又は複数本の貫通穴であって、円筒スリーブ262の下端部がセレクタ265の底面部から離れた際に、連通路265aによって外気取入通路262aと空気圧室249が連通可能となる。連通路265aの外周側出口は、円周方向に連続するように溝部が形成され、溝部にはゴム製のOリング273が配置される。Oリング273は逆止弁の機能を果たし、空気圧室249側から連通路265a側への空気の流れが遮断され、逆に、空気の圧力差がある場合には連通路265a側から空気圧室249側への空気の流れが許容される。シリンダ245にはさらに、円筒状に下から上方向への円筒窪み265bと、円筒窪み265bから径方向外側に延びる2本又は複数本の連通路265cが形成される。連通路265cの外周側出口は、円周方向に連続するように溝部が形成され、溝部にはゴム製であって逆止弁の機能を果たすOリング272が配置される。
【0026】
円筒スリーブ262の回転力をセレクタ265の軸方向への移動力に変換させる可動機構には、セレクタ265の内周側に設けられるカラー263とスチールボール264が含まれる。カラー263の内周面には、半球状の窪み263a(図7参照)が形成される。円筒スリーブ262の外周面には、周方向及び軸方向に変化しながら回転角で180度分形成されたスプライン溝262bが形成される。スプライン溝262bと窪み263aの間にはスチールボール264が配置される。作業者が切替レバー261を周方向に約180度回転させると、その回転に伴い円筒スリーブ262も回転する。すると、スチールボール264が、斜めに配置されたスプライン溝262bに案内されることによりカラー263が軸方向下側に移動する。この移動後の状態を示すのが図7のセレクタ265の状態である。
【0027】
図7において可動機構によりセレクタ265は下方に移動し、セレクタ265の下側に形成された段差部265eがシリンダ245の上端の開口部245aに密接することにより、空気圧室249とシリンダ室248の空間を分離する。この際、セレクタ265の上側外周溝265d(図6参照)に配置されるOリング271は容器本体部251の内周側に形成された円筒部252の内壁部分に当接しているため、空気圧室249は外気あるいはシリンダ室248とは密閉された状態で保たれる。このOリング272によりシリンダ室248から空気圧室249側への空気の流れだけが許容される(但し圧力差がある場合)。
【0028】
図7のように切替レバー261が操作され、外気取込み弁260が“開”状態にあるときにピストン47を矢印277の方向に移動させると、シリンダ室248内が負圧になるため、外気取入通路262a、連通路265aを介して矢印276のように外気がシリンダ室248内に導入される。この際、Oリング273は外周側に延びるように変形するので、矢印276の空気の流れを許容する。このようにピストン47が図6の状態(上死点よりも僅かに下側にある状態)から下死点まで移動させることにより外気をシリンダ室248に取り込むことができる。ピストン47が下死点に到達したらピストン47を、再び上死点近く(但し、上死点までは届かない)まで移動させる。その状態が図8である。
【0029】
図8においてピストン47を矢印278の方向に移動させるとシリンダ室248の内部の圧力が空気圧室249の内部の圧力よりも十分大きくなるので、矢印279のように円筒窪み265bから連通路265cを介して空気圧室249側に空気が流れる。尚、Oリング273は、空気の圧力により外側から内側に押しつけられるため連通路265aを閉鎖するので、シリンダ室248の空気が外部に放出されることはない。一方、Oリング272は連通路265c側の圧力が高いため径方向外側に移動することにより矢印279の方向の空気の流れを許容する。この結果、空気圧室249内の空気量を増加させて空気圧を高めることができる。
【0030】
このように第1工程における空気圧室249の空気圧を上昇させる操作を、シリンダ室248においてピストン47を動かすようにして実行する。このピストン47の動力源は、ピストン47又はブレード48を動かすことができれば何を用いても良く、理論的にはブレード48を手で上下方向に移動させるか、あるいは専用の可動工具を用いることでも可能である。しかしながら、本実施例では打撃動作時にブレード48を移動させるための駆動源、ここでは電動モータ13を用いて第1工程における空気圧室249及びシリンダ室248内の加圧を行うようにした。そのため、本実施例では、電動モータ13としてマイコンにて回転位置が精度良く検出でき、正転及び逆転の制御を高精度で行うことができるブラシレスDCモータを用いるようにした。つまり、第1工程時には、電動モータ13を逆転させることにより上死点直前まで到達していたピストン47を、下死点まで下降させる、下死点に到達したら再び電動モータ13を正転させることにより上死点直前まで移動させる。この電動モータ13の逆転及び正転は、ラック53とピニオン241の噛合が外れない範囲内で行うようにし、コントローラ66に含まれるマイコンにより高精度に制御される。このようにピストン室248内でのピストン47による加圧操作(1ストローク分)を複数回繰り返すことにより、空気圧室249の空気圧を3〜5気圧程度にまで加圧させることができる。空気圧室249内が所定の空気圧まで加圧されたら、マイコンにより蓄圧モードの実行が終了されるので、作業者は外気取込み弁260の切替レバー261を図6で示したもとの位置に戻す。この状態で釘11の打ち込みの事前準備(蓄圧モード)が完了したことになる。
【0031】
次に、電動モータ13を用いた第1工程での空気圧室249の加圧手順を図9のフローチャートを用いて説明する。図9に示す一連の手順は、コントローラ66に含まれるマイコンによって、あらかじめ格納されたプログラムを用いてソフトウェア的に実行可能である。図9のフローチャートは、図6に示す状態から切替レバー261を回転させて、図7に示すようにセレクタ265を下降させて段差部265eがシリンダ245の開口部245aに当接した状態として、蓄圧モードのスイッチ(切替レバー261)をオン(“開”)にした状態から開始される(ステップ281)。尚、図6図8では図示されていないが、切替レバー261の位置を検出するセンサを設けて、コントローラ66により切替レバー261が切り替えられたことを検出できるように構成すると良い。
【0032】
まず、マイコンは切替レバー261が回転されて蓄圧モードがONになったかどうかを検出する(ステップ281)。蓄圧モードになっていない場合は、作業者が蓄圧モードに切り替えるまで待機する(ステップ289)。蓄圧モードになっているときは、マイコンはマガジン16及び釘の射出路内に釘11が残っていないかを検出する(ステップ282)。この検出のためには、釘11が射出路256に装填されていないかどうか、釘11の有無を検出する公知の止具センサ等を設けると良い。マガジン16又は射出路内に釘11が残っている場合は、釘11が残っている旨のワーニングランプを点滅させ、作業者が釘11を取り出すまで待機する(ステップ290)。ここで、マガジン16及び射出路256内の釘11が無くなったら電動モータ13の回転が可能な状態になる。作業者によりトリガ72が引かれたらマイコンは電動モータ13を逆回転させて、巻き上げ用のカム(回転体238)を逆回転させることによりピストン47を下死点側へ移動させる(ステップ283)ことにより、図7の矢印276のように外気をピストン室248内に吸引する。尚、蓄圧モードにおける最初のカムの逆回転の際は、ピストン47がほとんど下死点位置にあるので、ステップ283は瞬時に終了する。
【0033】
次に、マイコンはカム(回転体238)の逆回転の時のモータに流れる電流値Iを検出することによって、射出路内に釘11が詰まっている状態、つまり釘詰まり状態であるかを検出する。これは検出された電流値Iが、釘詰まりを示す電流の閾値Iを越えているか否かで判定できる(ステップ284)。電流値Iは、電動モータ13を駆動させるための制御回路に含まれる電流検出回路を通じてマイコンが常時監視しているので、その検出値を利用すれば、新たな電流検出手段を設ける必要は無い。ここでは、ピストン47を下降させるときに、電動モータ13にてスムーズに下降させることができれば、モータに流れる電流値Iがさほど大きくならないからである。この電流値Iが設定された電流値(閾値I)を越えた場合は、ピストン47及びブレード48の移動を阻害する原因があるため、釘11が残っている旨のワーニングランプを点滅させ、作業者が釘11を取り出すまで待機する(ステップ291)。
【0034】
次に、マイコンは電動モータ13を正回転(打撃時にピストン47を巻き上げる方向の回転であって、図2の矢印で示す方向への回転)させて、巻き上げ用のカム(回転体238)を正回転させることによりピストン47を下死点から上死点の近傍(手前)まで移動させる(ステップ285)。この移動によって図8で示した矢印249のようにシリンダ室248の空気(外部より吸引した空気)を空気圧室249内に送出することができる。ここでピストン47を上死点まで移動させると、巻き上げ用のカム(回転体238)とブレード48のラック53の係合状態が外れて、ピストン47が蓄圧された空気の圧力で急激に移動してしまう(打撃モードと同じ)ので、上死点の直前位置でピストン47の上昇を停止させることが重要である。このようにピストン47の下降動作(ステップ283)及び上昇動作(ステップ285)によって図7及び図8で示したように、外気取込み弁260を介して外気を吸引して、空気圧室249の空気を増量させて、空気圧を高めることができる。
【0035】
次に、マイコンはピストン47の下降及び上昇操作により行う蓄圧が完了したか否かを判定する(ステップ286)。この蓄圧(加圧動作)が完了したかどうかは、例えば下記のいずれかの方法により実施できる。(1)ピストン47を下死点側から上死点側へ移動させるときの、電動モータ13に流れる電流値Iを検出して、それが蓄圧動作完了時の閾値Iよりも大きくなったかどうかを判定する。空気圧室249内の圧力(ここでは蓄圧モードにより3〜5気圧程度まで加圧することを想定)が上昇すると、ピストン47を下死点側から上死点側へ移動させるときの負荷が大きくなるため、負荷の上昇に伴い電流値Iが増加するためである。(2)空気圧室249内の圧力を測定する図示しない圧力センサを設けて、その圧力Pが設定圧力Pを越えたか否かを検出する。この方法は、空気圧を直接測定するので、一番精度が良い方法である。しかしながら圧力センサを設ける必要があるので、コストの上昇、装置の大型化につながることになる。(3)ピストン47を上死点直前位置から下死点まで戻し、再び下死点から上死点直前位置まで上昇させるという1ストローク分の動作を何回実行したかをマイコンがカウントする。このピストンの往復移動させた回数が、所定回数たる閾値N回分実行されたら蓄圧動作を終了させる。この閾値は例えば3回とすることができる。 以上のいずれかの方法により蓄圧動作が完了したと判断したら(ステップ286)、マイコンは切替レバー261が回転されて蓄圧モードがOFFになったかどうかを検出する(ステップ287)。蓄圧モードのままの場合は、作業者が切替レバー261を操作して蓄圧モードをOFFにするまで待機する(ステップ292)。蓄圧モードがOFFになったとき、つまり切替レバー261が図6の状態に戻されたとき、マイコンはピストン47を初期位置(下死点又は下死点近くの所定位置)に戻して(ステップ288)、第1工程による空気圧室249の蓄圧処理を終了させる。この後、作業者は実際の釘打ち動作(第2工程)を実行することができる。
【0036】
以上、第一の実施例によれば、電動モータ13により駆動させるピストン47の動きによって空気圧室249内の気体の圧力を高めることができるので、長年の使用による空気圧室内の圧力低下に悩まされることなく、長寿命かつ高性能の打込機を実現できる。
【実施例2】
【0037】
次に図10及び図11を用いて本発明の第二の実施例を説明する。第二の実施例の打込機301において第一の実施例と異なる点は、空気圧室349の圧力が所定値を越えた場合に、内部の空気を外部に逃がすための手動リーク機構、即ちリークバルブ360を蓄圧容器350に設けたことにある。このため蓄圧容器350の形状を径方向に伸ばして、上面の外気取込み弁260の隣接する位置にリークバルブ360を設けた。外気取込み弁260の構造や機能は、第一の実施例で説明したものと同じである。蓄圧容器350は、第一の実施例と同様に、容器本体部351とフランジ部355にて二分割型式で製造されるが、圧縮空気を貯蔵する容器としては一体式でも分割式でも良く、また、その他の構造でも良い。蓄圧容器350の形状変更に伴い、打込機301の本体ハウジング302の上部部分の形状が変更されているが、蓄圧容器350近傍の形状を除くと、その他の部分は第一の実施例の打込機201と同じ構造である。
【0038】
図11はリークバルブ360の詳細構造を示す縦断面図である。リークバルブ360は空気圧室349(図10参照)の圧力が所定値を越えた場合に内部の空気を外部に逃がすという“リリースバルブ”としての機能に加えて、作業者が任意のタイミングで空気圧室349の空気を排出できるという“リークバルブ”としての機能を設けた。リークバルブによる任意排気機能は、ノーズ部254に形成された射出路256(図2参照)に釘11が詰まった際に、詰まった釘11の取り除く作業を行うときに用いると便利である。これは空気圧室349の圧力が高い状態のまま釘11を取り除こうとしても、ブレード48を動かすことが困難になることがあるためである。一方、釘11の取り除き作業の際に空気圧室349の空気を抜くようにすれば、空気圧室349とシリンダ室248の内部が大気圧となるため、作業者が容易にブレード48を動かすことができる。さらに、空気圧室349を大気圧に戻せば、ピストン47を移動させる力が無くなるので、誤って打撃動作が行われる恐れがなくなるので、安全性が一層向上する。
【0039】
図11(1)(2)において、蓄圧容器350の容器本体部351に空気圧室349内の空気の出口となる貫通穴353を形成し、所定の状態の時に貫通穴353からの空気の排出を許可するリークバルブ360を設けた。リークバルブ360は、容器本体部351を内側にカップ状に突出させた太径部351c及び細径部351dと、太径部351c及び細径部351dの内部で軸方向に移動可能な円筒状のプランジャ370と、プランジャ370を容器本体部351に保持するためのプランジャホルダ361と、プランジャ370を移動させるためのプッシュボタン385と、円筒状のプランジャ370の内部に配置されたボール381と、ボール381を所定の方向に付勢するためのプッシャ382を含んで構成される。
【0040】
プランジャ370には複数の通路(連通路371、374)と、ボール381にて弁機構を果たすための絞り部分372が形成され、外周面にはプランジャホルダ361との間の密閉を保つためのゴム製のOリング376〜378が設けられる。ボール381は容器本体部351の外側からプランジャ370の内部に挿入され、プッシャ382とコイルバネ383により付勢され、金属プレート384によって保持される。金属プレート384は合成樹脂製のプッシュボタン385により抜け止めされる。尚、プッシュボタン385の下側には止め輪386が挿入される。プランジャホルダ361はプランジャ370を容器本体部351に保持すると共に、プランジャ370の外周側の溝部と共に所定の空気通路を形成したり、又は、閉鎖したりするものである。プランジャホルダ361は、本体ハウジング302の貫通穴302cを貫通させて、容器本体部351の太径部351cに圧入されるものであって、それらの間の気密性を保つためにOリング363が設けられる。また、容器本体部351を軸方向に対して直交方向に延びる排出管路365が設けられる。排出管路365は容器本体部351の一部にドリル等で形成され、本体外とプランジャホルダ361に形成された横穴361cとを連通している。
【0041】
図11(1)は、打込機301の未使用時、又は、通常の打撃動作が行われている際の状態である。(2)は作業者によって矢印395の方向にプッシュボタン385が押し下げられた状態を示すもので、プッシュボタン385が軸方向下側に移動することで、矢印391に示すように、貫通穴353から排出管路365への空気通路が画定される。ここでは貫通穴353からプランジャホルダ361の下端部と太径部351cの内側の隙間を通って、プランジャホルダ361の内周側の斜面部とOリング377との間に生まれた隙間を通って上方に流れ、軸方向下側から連通するように円周方向に連続する幅広溝375部分に空気が流れて、排出管路365から矢印391のように外部に空気が排出される。この空気の排出時には高圧空気の排出音がするが、この音が止まったら作業者はプッシュボタン385の押し下げを解除すると、プランジャ370はコイルバネ379の復元力によって(1)の状態に戻る。このように、プッシュボタン385を押下することによる蓄圧容器350の減圧は、釘詰まりが起きた場合であって、詰まった釘を取り除く際に操作することができる。
【0042】
図11(3)は、打込機301の空気圧室349の加圧を行って規定の量以上の空気を入れてしまった際に、リリースバルブとして作用する際の状況を示す図である。本実施例の打込機301は、長さが50〜90mm程度の釘の打ち込みを想定しており、蓄圧しておく前準備工程(第1工程)では空気圧室内を5〜8気圧程度とし、実際の打ち込みを行う打撃工程(第2工程)では、空気圧室内は最大10〜14気圧程度にまで増加する。仮に、第1工程における蓄圧が規定量以上に行われた後に、打撃工程を行うと、空気圧室349の圧力が所定値を越えてしまうことになる。その際には(3)に示す矢印393の経路によって過剰な空気が外部に排出される。(3)の状態ではプッシュボタン385は(1)と同じ通常位置にあるため、(2)で示した排出経路を取ることができない。そこでボール381で閉鎖される絞り部分372とプランジャホルダ361の下端部と太径部351cの内側の隙間との間を空間的に接続する連通路371を設けて、空気圧室349の圧力(矢印392)がボール381にかかるようにした。よってボール381に所定以上の空気圧が掛かるとプッシャ382を介してコイルバネ383を圧縮させることにより、ボール381が絞り部分372から離脱する。するとボール381の周囲を流れて、連通路374を通って矢印393のように過剰な空気が外部に排出される。尚、(3)では矢印393は左向きに排出するように図示しているが、右向きにも同様に排出される。この際、所定量の空気が排出されて空気圧室349の圧力が適正空気圧になるとコイルバネ383のバネ力が空気圧室349の圧力(矢印392)よりも強くなり、ボール381が再び絞り部分372に押しつけられることにより、図11(1)の状態に戻り、空気圧室349内の密閉状態が保たれる。
【0043】
以上、第二の実施例によれば釘詰まりが起きて釘の取り出しを行うとき、作業者が空気圧室349の高圧空気を開放することができるので、安全な状態で釘の取り出し作業を行うことができる。また、長期間にわたり打込機を使用しない場合など、作業者の希望により空気圧室349の高圧空気を開放できるので、空気圧室のシール部分や、ピストンのシール部等が早期に経年劣化することを防止できる。さらに、空気圧室349の内部が規定値以上に高圧になったときは、内部の過剰な空気を自動的に排出させることができるので、第1工程での加圧作業を失敗する恐れがない。
【0044】
図12は第二の実施例の変形例であり、図11のリークバルブ360を電磁バルブ460に置き換えたものである。電磁バルブ460は容器本体部451に貫通するように配置され、排出される空気の連通路462を形成する排出管461と、連通路462を開放又は遮断するための弁463と、弁463を移動させるソレノイドアクチュエータ464を設けた。排出管461は軸方向中央が閉鎖された略円筒状の部材であり、容器本体部451の貫通穴部451bに装着され、ゴム製のOリング468を介在させたうえで取り付けられる。排出管461の閉鎖部分には、軸方向及び径方向に延びる極細の連通路462a、462bが形成される。連通路462a、462bの径方向に延びる部分は、排出管461の外周側に形成された窪み部分に露出し、その窪み部分を覆うように弁463が配置される。ソレノイドアクチュエータ464は、ハウジング465内に設けられたコイル466の内側において磁力で鉄芯467を移動させる。鉄芯467には弁463が固定され、コイル466に通電することにより弁463が連通路462側に接近するように移動し、コイル466への通電を停止することにより図示しないスプリングの作用により弁463が連通路462から離れる側に移動する。この弁463の連通路462からの離反によって、排出管461の窪み部分と弁463の間に空間が形成されて通路462aと462bが連通されるため、空気圧室449の加圧された空気を排出管461を介して外部に排出させることができる。このようにマイコンの制御によってソレノイドアクチュエータ464を駆動することにより連通路462の開放または遮断の制御が可能になる。
【0045】
以上、第二の実施例の変形例によれば、釘詰まり等の異常が起きて、マイコンが釘の取り出しが必要であると検出したときに、マイコンが電磁バルブ460を操作することにより空気圧室449の高圧空気を開放することができるので、作業者は安全な状態で釘の取り出し作業を行うことができる。また、釘の取り出しが完了した後には、作業者が外気取込み弁260を操作して、第1工程における空気圧室449の圧力を上昇させる蓄圧モードを実行できるので、使い勝手の良い打込機を実現できる。
【実施例3】
【0046】
次に図13図16を用いて本発明の第三の実施例を説明する。図13の基本構成、特にマガジン16等の釘送り機構、電動モータ13による駆動、グリップ101や装着部1の形状、蓄電池15を動力源とする点、蓄電池15が装着部102に対して着脱可能である点等は第一の実施例で説明した打込機201とほぼ同じである。異なる主な点は釘11を打撃する打撃機構12であり、空気圧室を加圧するための機構が異なる。ここでは第一の実施例のようにピストン47を利用して蓄圧を行うのではなく、空気圧室を可動式の第二のシリンダ46にて構成して、シリンダ46を電動モータ13(後述)の駆動力によって上下方向に移動可能とした。また、シリンダ46の形態に合わせてカバー100の形状も異なる。図示しない電動モータ13はモータハウジング17内に設けられており、その構造は図1で説明したものと同型式のブラシレスDCモータである。モータハウジング17に隣接するケーシング33の内部には図1で説明したものと同型式の減速機27が収容され、ケーシング33は筒状のノーズ部54に接続される。
【0047】
図14図13のA方向から見た側面図であり、一部を断面図にして示す。電動モータ13の回転駆動力は減速機27の出力を介して、駆動軸34と従動軸35に伝達される。ここでは従動軸35の回転によって駆動される第1動力伝達経路と、駆動軸34の回転によって駆動される第2動力伝達経路の2つの動力伝達経路が設けられる。第1動力伝達経路は、従動軸35によって回転されるギヤ44を用いて可動式の第二のシリンダ46の上下方向に移動可能とするものである。第2動力伝達経路は、駆動軸34によって回転されるギヤ41を用いて、ブレード48を上方向に移動させることによりピストン47(図15参照)を下死点から上死点まで移動させる。詳細は後述するが電動モータ13を正方向に回転させると駆動軸34にだけ動力が伝達されギヤ41だけが回転し、反対方向に回転させると従動軸35にだけ動力が伝達されギヤ44だけが回転するように構成される。従って電動モータ13の回転方向を設定することによって、第1動力伝達経路側に動力を伝達するか、第2動力伝達経路側に動力を伝達するかを択一的に選択できる。
【0048】
駆動軸34は電動モータ13の出力軸24(図1参照)と同心に配置され、軸線A1を中心として回転可能である。駆動軸34には回転体37及び回転体38が取り付けられている。回転体37の外周面にギヤ40が設けられ、ギヤ40によって回転力は従動軸35側に伝達される。回転体37の外周面にギヤ40が設けられている。回転体37と駆動軸34との動力伝達経路を接続または遮断するワンウェイクラッチ39(図15参照)が設けられ、駆動軸34が図14で反時計方向に回転すると、駆動軸34の回転力を回転体37に伝達する。ワンウェイクラッチ39は、駆動軸34が図14で時計方向に回転しても、駆動軸34の回転力を回転体37に伝達しない。つまり、ワンウェイクラッチ39は、駆動軸34の回転方向に応じて、駆動軸34と従動軸35との間の動力伝達経路を接続または遮断する。
【0049】
回転体38の外周面に、所定角度の範囲内でギヤ41が設けられている。また、回転体38の回転方向において、ギヤ41が設けられていない箇所にローラ42が設けられている。ローラ42の外周面の一部は、回転体38の外周面よりも外側に配置されている。ローラ42は回転可能に支持されている。
【0050】
従動軸35にギヤ44が設けられている。ギヤ44は、ギヤ40と噛み合っている。ブレード48は、中心線B1に沿って配置され、かつ、軸孔52(図15参照)内で移動可能である。ケーシング33に回転体60の回転を規制する保持部材たる回り止め73が設けられている。回り止め73は、支持軸74を中心として揺動可能である。回り止め73は、ギヤ61に噛み合うことで、回転体60が図14で反時計方向に回転することを防止し、時計方向に回転することを許容する。つまり、ギヤ61と回り止め73とで、ラチェット機構を構成している。ブレード48には、長さ方向にラック53が設けられている。ギヤ41は、ラック53に噛み合うこと、またはラック53から離脱することが可能である。ケーシング33は、筒状のノーズ部54を有し、ブレード48はノーズ部54内で移動可能である。
【0051】
ノーズ部54は、カバー100(図13参照)の外に露出している。ノーズ部54にプッシュロッド104が設けられている。プッシュロッド104は、ノーズ部54に対して中心線B1に沿った方向に所定の範囲で移動可能である。プッシュロッド104は圧縮バネ105(図15参照)の力で中心線B1に沿った方向に押されて停止している。プッシュロッド104を物体に押し付けると、プッシュロッド104は圧縮バネ105(図15参照)の力に抗して中心線B1方向に移動して停止する。
【0052】
図15は、図13に示す打込機の正面断面図である。打撃機構12は、図15に示すように、第一のシリンダ45、第二のシリンダ46、ピストン47、ブレード48を備えている。シリンダ45及びシリンダ46は、カバー100(図13参照)内に配置されている。シリンダ45は、円筒部49と、円筒部49に連続する外向きのフランジ50と、を備えている。円筒部49の中心線B1は、軸線A1と略直角に交差しており、円筒部49の中心線B1に沿った方向の第1端部(下端部)がケーシング33に固定されている。動力伝達機構14の一部はケーシング33内に設けられている。動力伝達機構14は、互いに平行に配置された駆動軸34及び従動軸35を備えている。駆動軸34は、軸受36を介してケーシング33により回転可能に支持されている。駆動軸34は出力軸24と同心状に配置され、かつ、軸線D1を中心として回転可能である。また、駆動軸34に回転体37及び回転体38が取り付けられている。回転体37は、軸線A1に沿った方向で、回転体38と減速機27との間に配置されている。駆動軸34の回転方向は、電動モータ13のロータ19の回転方向と同じである。回転体38と駆動軸34の間にはワンウェイクラッチ43が設けられる。ワンウェイクラッチ43は、駆動軸34が図14で時計方向に回転すると駆動軸34の回転力を回転体38に伝達し、反時計方向に回転した場合は駆動軸34の回転力を回転体38に伝達しない。
【0053】
回転体37の外周面にギヤ40が設けられている。回転体37と駆動軸34との動力伝達経路を接続または遮断するワンウェイクラッチ39が設けられている。ワンウェイクラッチ39は、駆動軸34が図2で反時計方向に回転すると、駆動軸34の回転力を回転体37に伝達する。ワンウェイクラッチ39は、駆動軸34が図14で時計方向に回転しても、駆動軸34の回転力を回転体37に伝達しない。つまり、ワンウェイクラッチ39は、駆動軸34の回転方向に応じて、駆動軸34と従動軸35との間の動力伝達経路を接続または遮断する。
【0054】
フランジ50は、シリンダ45の軸線たる中心線B1に沿った方向で円筒部49の第2端部(上端部)に設けられている。また、円筒部49とケーシング33との間には、ゴム状弾性体により一体成形された環状のダンパ51が設けられている。ダンパ51は軸孔52を備えている。
【0055】
ピストン47は、円筒部49内で中心線B1に沿った方向に往復動可能であり、ピストン47の外周面にシール部材55が取り付けられている。また、軸形状のブレード48は、ピストン47に接続又は固定されている。シリンダ46は、円筒部56と、円筒部56に連続する円板部57と、を備えている。フランジ50は、円筒部56内に配置されており、シリンダ46は、シリンダ45に対して中心線B1に沿った方向に移動可能である。フランジ50の外周面にシール部材103が取り付けられ、シリンダ46内に空気圧室58が形成されている。空気圧室58は、シリンダ45内に連通している。円筒部56を径方向に貫通する呼吸孔59が設けられている。呼吸孔59は、空気圧室58の内外をつなぐ。シール部材55、103は、空気圧室58を気密にシールする。空気圧室58には、呼吸孔59を介して圧縮性流体である空気が出入りする。
【0056】
ケーシング33の外に露出している箇所の従動軸35に、外周面にギヤ61が設けられた回転体60が取り付けられている。回転体60は従動軸35と共に軸線D1を中心として回転可能である。回転体60において、軸線D1から偏心した位置に支持軸62が設けられている。また、シリンダ46に支持軸63が設けられている。そして、回転体60とシリンダ46とを連結するコンロッド64が設けられている。コンロッド64は、支持軸62、63に対して回動可能に取り付けられ、回転体60と共に通気路を開く開閉機構を構成する。
【0057】
トリガ72が操作されていない場合、電動モータ13が停止している。また、シリンダ46は、図14及び図15の初期位置で停止している。シリンダ46が初期位置で停止していると、空気圧室58は、呼吸孔59を介して空気圧室58の外につながっている。つまり、空気圧室58及びシリンダ45内の初期圧力は大気圧と同じである。また、ピストン47は、ダンパ51に接触して停止しており、ギヤ41は、ラック53(図14参照)に噛み合っていない。
【0058】
作業者は、打撃を行う前の準備工程(第1工程)において回転方向切替スイッチ68(図5参照)を操作して、駆動軸34の回転方向を、図14で反時計方向に設定し、トリガ72に操作力を加える。なお、第1工程では、プッシュロッド104は物体に押し付けなくて良いが、押しつけないと動かないようにしても良い。すると、トリガスイッチ71がオンされると電動モータ13が回転する。ここで、駆動軸34は、電動モータ13の回転力で図14の反時計方向に回転し、駆動軸34の回転力は、ワンウェイクラッチ39を介して従動軸35に伝達され、従動軸35及び回転体60が、図14で時計方向に一体回転する。
【0059】
回転体60が図14で時計方向に回転すると、回転体60の回転力はコンロッド64を介してシリンダ46に伝達され、シリンダ46は中心線B1に沿って矢印B方向(射出方向)側に動作し、図14図15に示す初期位置からケーシング33に近づく向きで下降する。シリンダ46が下降し、呼吸孔59が、中心線B1に沿った方向で、シール部材103とケーシング33との間へ到達すると、フランジ50は、呼吸孔59と空気圧室58とを遮断する。つまり、呼吸孔59は閉じられ、空気圧室58及びシリンダ45内が気密となる。このため、空気圧室58及びシリンダ45内の圧力は、シリンダ46の下降行程で上昇する。その結果、空気圧室58及びシリンダ45内の圧力は、大気圧よりも高い第1圧力になる。
【0060】
そして、コントローラ66は、従動軸35の回転角度が、図14で回転を開始した位置から、180未満の所定角度回転した位置になると、電動モータ13を停止する。つまり、シリンダ46は、円板部57がシリンダ45のフランジ50に接触する前(下死点)付近で停止する。シリンダ46の円板部57は、空気圧室58の圧力を受けており、シリンダ46は、中心線B1に沿って上昇する向きに付勢されている。シリンダ46が受ける付勢力は、コンロッド64を介して回転体60に伝達される。つまり、回転体60は、図14で反時計方向の回転力を受けている。
【0061】
次いで、作業者は、打撃工程(第2工程)を行うために回転方向切替スイッチ68を操作して、電動モータ13の回転方向を、第1工程とは逆に設定する。電動モータ13は、回転方向を設定した時点では停止している。そして、電動モータ13は、プッシュロッド104が物体に押し付けられた状態のときにトリガ72が操作されると回転し、駆動軸34は図14で時計方向に回転する。駆動軸34が図8で時計方向に回転すると、ワンウェイクラッチ39は、駆動軸34の回転力を従動軸35に伝達しない。
【0062】
駆動軸34が、図14で時計方向に回転すると、ギヤ41がラック53に噛み合い、駆動軸34の回転力は、ピストン47を上昇させる力に変換される。したがって、空気圧室58及びシリンダ45内の圧力がさらに上昇する。つまり、空気圧室58及びシリンダ45内の圧力は、第1圧力よりも高い第2圧力となる。そして、ピストン47が円板部57に最も近づいた上死点に到達すると、ギヤ41がラック53から離れる。
【0063】
すると、ピストン47は空気圧室58及びシリンダ45内の空気圧でダンパ51に向けて急速に下降し、ブレード48は、釘11を打撃して物体に打ち込む。そして、ピストン47はダンパ51に衝突して停止する。電動モータ13はギヤ41がラック53から離れた後も回転し、ギヤ41が所定の位置まで到達したら、即ちギヤ41がラック53に噛み合う前に電動モータ13は停止する。その後、作業者がプッシュロッド104を物体から離すことにより釘11の打ち込み動作が終了する。
【0064】
作業者は次の打ち込み位置にてプッシュロッド104が物体に押しつけてトリガ72を引くと、電動モータ13が回転して回転体38が図14で時計方向に回転し、ギヤ41がラック53に噛み合い、ピストン47が上昇することにより、前述と同様の作用で釘11が撃ち込まれる。
【0065】
尚、打込機10は釘11がマガジン16にセットされていない状態であって、ピストン47が停止している時に作業者が回り止め73を手で掴み、図14で時計方向に回動させて、回り止め73とギヤ61とを離れさせることにより、空気圧室58及びシリンダ45内の圧力を低下することができる。
【0066】
上記のように、空気圧室58を呼吸孔59につなげることにより空気圧室58及びシリンダ45内の圧力を低下させることができるので、釘11が詰まった場合に容易に釘11を取り除くことができる。 また、打込機10の保管時に、空気圧室58の空気圧を抜くことができるので、空気室の高圧を維持するためのシール部材を設ける必要がない。
【実施例4】
【0067】
第四の実施例に相当する打込機は、図17図18に示されている。図17の打込機10は、第三の実施例に示す打込機10と同じ構造及び同じ要素を含む。シリンダ45は円筒状であり、実施例3で説明したフランジ50は設けられていないかわりに、シリンダ45に取り付けた隔壁75を有する。隔壁75は、シリンダ45の円筒部49の外周面に沿って移動可能な円筒部76と、円筒部76に連続された外向きのフランジ77と、を備えている。フランジ77の外径は、円筒部56の内径未満である。隔壁75は、シリンダ45及びシリンダ46に対して、中心線B1に沿った方向に移動可能である。
【0068】
円筒部76の内周面には、シール部材78が取り付けられており、シール部材78は、円筒部49の外周面と、隔壁75との間を、気密にシールする。また、フランジ77の外周面にシール部材79が取り付けられている。シール部材79は、円筒部56の内周面と、フランジ77との間を、気密にシールする。さらに、円筒部76の外周面に支持軸80が設けられており、コンロッド64は、支持軸80に回動可能に連結されている。つまり、回転体60と隔壁75とが、コンロッド64を介して動力伝達可能に連結されている。中心線B1の径方向で、支持軸80及びコンロッド64の配置範囲は、円筒部56の内径未満である。
【0069】
まず、空気圧室58の空気圧を上昇させる第1工程を行う。第2工程では、空気圧室58の空気圧をさらに上昇させ、かつ、釘11を打撃する。作業者は、回転方向切替スイッチ68を操作して電動モータ13の回転方向を切り替え、第1工程における駆動軸34の回転方向を、図17で反時計方向に設定する。
【0070】
隔壁75は、駆動軸34が回転を開始する前に、図17の初期位置で停止しているものとする。隔壁75が初期位置で停止していると、空気圧室58は、呼吸孔59を介して空気圧室58の外につながっている。つまり、空気圧室58及びシリンダ45内の圧力は大気圧と同じである。また、ピストン47は、ダンパ51に接触して停止している。
【0071】
そして、プッシュロッド104が物体に押し付けられていない状態で、トリガ72に操作力が加えられると、電動モータ13が回転し、駆動軸34が図17で反時計方向に回転する。すると、実施例3の打込機10と同様の原理で、回転体60が図17で時計方向に回転する。回転体60の回転力は、コンロッド64により中心線B1に沿った方向の動作力に変換される。このため、隔壁75は、中心線B1に沿って上昇する。隔壁75が上昇して、シール部材79が、中心線B1に沿った方向で、呼吸孔59と円板部57との間へ到達すると、空気圧室58及びシリンダ45内が気密となる。このため、隔壁75が上昇することに伴い、空気圧室58及びシリンダ45内の圧力は上昇する。つまり、空気圧室58及びシリンダ45内の圧力は、大気圧よりも高い第1圧力となる。
【0072】
そして、従動軸35の回転角度が、図17で回転を開始した位置から、180未満の所定角度回転した図18の位置になると、電動モータ13が停止される。つまり、隔壁75は、上死点に到達する前に停止する。隔壁75のフランジ77は、空気圧室58の圧力を受けており、隔壁75は、中心線B1に沿ってケーシング33に近づく向きに付勢されている。隔壁75が受ける付勢力は、コンロッド64を介して回転体60に伝達される。つまり、回転体60は、図17の反時計方向の回転力を受けている。
【0073】
次いで、作業者は、第2工程を行うために回転方向切替スイッチ68を操作して、電動モータ13の回転方向を切り替える。以降の第2工程の動作は第三の実施例と同様である。
【0074】
第四の実施例の打込機10は、隔壁75が中心線B1に沿った方向に上昇及び下降しても、中心線B1に沿った方向における打込機10の全長は不変である。打込機10の全長は、プッシュロッド104の先端から、シリンダ45の上端までの高さである。
【実施例5】
【0075】
本発明の第五の実施例に相当する打込機は、図19図20に示されている。図19に示す打込機10は、第四の実施例の打込機10と同じ構造の電動モータ13、減速機27、回転体38、ピストン47、ローラ42、ブレード48、シリンダ45を用いることができるが、第四の実施例の第1動力伝達経路部分(従動軸35、回転体37、ワンウェイクラッチ43、コンロッド64)を備えていない。その代わりに、打込機10は、ケーシング33に固定された外筒106を備えており、シリンダ45は外筒106内に配置されている。外筒106内に内筒107が設けられている。シリンダ45は、中心線B1に沿った方向で、内筒107とケーシング33との間に配置されている。
【0076】
内筒107は、大径部108及び小径部109を備えている。小径部109は、中心線B1に沿った方向で、大径部108とケーシング33との間に配置されている。大径部108の内径は、小径部109の内径よりも大きい。さらに、内筒107は、大径部108と小径部109とを接続する接続部117を有する。接続部117は環状である。大径部108を径方向に貫通する呼吸孔111が設けられている。シリンダ45の長さ方向の端部は、小径部109に固定されている。シリンダ45の外周面と、小径部109の内周面との間をシールするシール部材110が設けられている。
【0077】
外筒106にホルダ112が固定されている。ホルダ112を外筒106に固定するねじ部材113が設けられている。内筒107は、ホルダ112により、中心線B1に沿った方向で外筒106に対して位置決め固定されている。呼吸孔111は外筒106内を介して外筒106の外部につながっている。
【0078】
また、ホルダ112にプランジャ114が取り付けられている。プランジャ114は、ねじ部材を用いた機構であり、プランジャ114の軸部115の雄ねじが形成されている。ホルダ112に雌ねじ孔116が設けられており、軸部115は雌ねじ孔116へ挿入されている。作業者はプランジャ114を手動で正逆回転することができ、プランジャ114は、いずれの方向に回転された場合も、中心線B1に沿った方向に移動可能である。プランジャ114は、回転方向が異なると、中心線B1に沿って移動する向きが異なる。
【0079】
軸部115の先端に可動隔壁118が取り付けられている。可動隔壁118は、大径部108内に配置されている。可動隔壁118は、軸部115に対して中心線B1を中心として回転可能な円板である。可動隔壁118の外径は、大径部108の内径未満であり、可動隔壁118の外周面に環状のシール部材119が取り付けられている。大径部108内において、可動隔壁118と接続部117との間の空間から、シリンダ45内に亘って空気圧室120が形成されている。シール部材55、110、119は、空気圧室120を気密にシールする。呼吸孔111は、空気圧室120の内外をつなぐ。
【0080】
図20において回転体38を含む第2動力伝達経路部分の構成及び動作は、第三〜第四の実施例と同様である。但し、電動モータ13の回転方向を切り替えるための回転方向切替スイッチ68は不要であるので設けられない。
【0081】
作業者は、打込機10を使用する場合、プッシュロッド104を物体に押し付ける前に、空気圧室120の空気圧を上昇させる第1工程を行う。作業者は、第2工程で空気圧室120の空気圧をさらに上昇させ、かつ、プッシュロッド104を物体に押し付けて、釘11を打撃する。作業者が第1工程を行う前に、駆動軸34が停止している。また、ピストン47は、図14で中心線B1の右側に示すようにダンパ51に接触している。さらに、可動隔壁118は、図14で二点鎖線にて示す位置に停止している。つまり、空気圧室120は、呼吸孔111を介して外筒106の外につながっており、空気圧室120の圧力は大気圧と同じである。
【0082】
第1工程では、作業者がスパナ等を用いてプランジャ114を所定方向に回転させて、プランジャ114を中心線B1に沿った方向に移動させる。第1工程では、プランジャ114はシリンダ45に近づく向きで下降する。すると、可動隔壁118は、空気圧室120と呼吸孔111とを遮断し、可動隔壁118の移動に伴って空気圧室120の圧力が上昇する。作業者は、可動隔壁118を中心線B1に沿った方向の所定位置で停止する。このため、空気圧室120の圧力は、大気圧よりも高い第1圧力に維持される。
【0083】
第2工程での動作は第三及び第四の実施例と同様である。第五の実施例における打込機10は、プランジャ114を前述とは逆方向に回転させ、プランジャ114をシリンダ45から離れる向きで中心線B1方向に移動させることにより空気圧室120の圧力を低下させることができる。プランジャ114と共に可動隔壁118がシリンダ45から離れる向きで上昇すると、シール部材119が中心線B1方向で、呼吸孔111とホルダ112との間に至り、呼吸孔111は空気圧室120とつながる。このため、空気圧室120の空気圧は低下し、大気圧と同じになる。したがって、第五の実施例の打込機10は、実施例4の打込機10と同じ効果を得られる。
【0084】
本発明の打込機は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、駆動軸に動力伝達するモータは、電動モータの他、エンジン、油圧モータ、空気圧モータであっても良い。電動モータは、ブラシ付きモータまたはブラシレスモータの何れでもよい。電動モータの電源は、直流電源または交流電源のいずれでもよい。さらに、空気圧室58及びシリンダ45内に、初期圧力が大気圧より高く、かつ、第1圧力以下となる圧縮空気を充填しておいてもよい。
【0085】
また、各実施例を説明する各図の打込機10は、中心線B1を上下方向、つまり、垂直方向として示してあるが、打込機10は、中心線B1を垂直方向に対して傾斜させて使用できる。さらに、打込機で打ち込む対象物は、シャフト形状の釘の他、コ字形状の釘を含む。また、シャフト形状の釘は、頭部の有る釘、または頭部の無い釘を含む。さらに、本発明における第1圧力及び第2圧力は、固定値ではなく、可動部材の動作量、受圧面積等の条件により異なる。
【0086】
第三及び第四の打込機10は、電動モータ13のロータ19の回転方向を切り替えて、駆動軸34の回転方向を切り替えている。これに対して、電動モータ13と駆動軸34との間の動力伝達経路に、回転方向切替機構を設け、回転方向切替機構を制御すれば、電動モータ13の回転方向を切り替えることなく、駆動軸34の回転方向を切り替え可能である。
【符号の説明】
【0087】
10…打込機、11…釘(止具)、11a…頭頂部、12…打撃機構、13…電動モータ、14…動力伝達機構、15…蓄電池、16…マガジン、17…モータハウジング、18…ステータ、19…ロータ、21…コイル、24…出力軸、27…減速機、33…ケーシング、34…駆動軸、35…従動軸、36…軸受、37…回転体、38…回転体、39…ワンウェイクラッチ、40…ギヤ、41…ギヤ、42…ローラ、43…ワンウェイクラッチ、44…ギヤ、45…シリンダ、46…シリンダ、47…ピストン、48…ブレード、48b…先端、49…円筒部、50…フランジ、51…ダンパ、52…軸孔、53…ラック、53a…上端歯、53b…下端歯、54…ノーズ部、55…シール部材、56…円筒部、57…円板部、58…空気圧室、59…呼吸孔、60…回転体、61…ギヤ、62…支持軸、63…支持軸、64…コンロッド、65…インバータ回路、66…コントローラ、67…位相検出センサ、68…回転方向切替スイッチ 、71…トリガスイッチ、72…トリガ(トリガレバー)、73…回り止め、74…支持軸、75…隔壁、76…円筒部、77…フランジ、78,79…シール部材、80…支持軸、81…制御回路基板、82a,82b…軸受、83…インバータ回路基板、84…スイッチング素子、100…カバー、101…グリップ、103…シール部材、104…プッシュロッド、105…圧縮バネ、106…外筒、107…内筒、108…大径部、109…小径部、110…シール部材、111…呼吸孔、112…ホルダ、113…部材、114…プランジャ、115…軸部、116…孔、117…接続部、118…可動隔壁、119…シール部材、120…空気圧室、121…検知センサ、201…打込機、202…本体ハウジング、202b…貫通穴、203…グリップ、204…装着部、233…ケーシング、234…駆動軸、235…ピン、236…オフスイッチ、236a…プランジャ、237…操作レバー、238…回転体、241…ピニオン、241a…先端歯、241b…後端歯、245…シリンダ、245a…開口部、245c…雄ねじ、267…ワッシャ、248…シリンダ室、249…空気圧室、250…蓄圧容器、251…容器本体部、251b…貫通穴、252…円筒部、254…ノーズ部、255…フランジ部、255c…雌ねじ、256…射出路、257…磁気センサ、260…外気取込み弁、261…切替レバー、261a…貫通穴、262…円筒スリーブ、262a…外気取入通路、262b…スプライン溝、263…カラー、264…スチールボール、265…セレクタ、265a…連通路、265b…円筒窪み、265c…連通路、265d…外周溝、265e…段差部、266…メタル、270…クッション材、271〜273…Oリング、301…打込機、302…本体ハウジング、302c…貫通穴、303…グリップ部、349…空気圧室、350…蓄圧容器、351…容器本体部、351c…太径部、351d…細径部、353…貫通穴、355…フランジ部、360…リークバルブ、361…(リーク)プランジャホルダ、361c…横穴、363…リング、365…排出管路、365a…先端部分、370…(リーク)プランジャ、371…連通路、372…絞り部分、374…連通路、375…幅広溝、376〜377…Oリング、379…コイルバネ、381…ボール、382…プッシャ、383…コイルバネ、384…金属プレート、385…プッシュボタン、386…止め輪、449…空気圧室、450…蓄圧容器、451…容器本体部、451b…貫通穴部、455…フランジ部、460…電磁バルブ、461…排出管、462…連通路、463…弁、464…ソレノイドアクチュエータ、465…ハウジング、466…コイル、467…鉄芯、468…Oリング
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