特許第6481818号(P6481818)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481818
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】天井埋込型空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20190304BHJP
   F24F 1/0047 20190101ALI20190304BHJP
   F24F 13/32 20060101ALI20190304BHJP
   F24F 1/0022 20190101ALI20190304BHJP
【FI】
   F24F1/00 401D
   F24F1/00 401E
   F24F1/00 426
   F24F1/00 306
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-70926(P2015-70926)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-191489(P2016-191489A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2017年10月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100083404
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小椋 拓
【審査官】 安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−019370(JP,A)
【文献】 特開2011−202925(JP,A)
【文献】 実開平01−125929(JP,U)
【文献】 実開平01−131913(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0047697(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24F 13/32
F24F 1/0022
F24F 1/0047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に熱交換器、ターボファンおよび電装品箱を含み、底面に空気吹出口および空気吸込口を有する天井埋込型のケーシング本体を備え、上記ケーシング本体の1箇所の角部には、上記熱交換器の冷媒配管を上記電装品箱の電気配線とともに引き出すため、上記ケーシング本体の一部分を切り欠いてなる配管引出部が設けられており、上記配管引出部には、上記冷媒配管の周囲を固定し、上記電気配線の引出孔を有する配管カバーが取り付けられているとともに、上記ケーシング本体の底面には、上記電装品箱から上記配管引出部にかけて形成されている上記電気配線の配線案内溝を覆う配線カバーが設けられている天井埋込型空気調和機において、
上記配線カバーは、上記配線案内溝を覆って上記ケーシング本体側の所定部位にネジ止めされる蓋板と、上記配管カバーの上記ケーシング本体の底面側の配管カバー端部に係合するように上記蓋板の一端から直角に折り曲げられた押え板とを有し、
上記蓋板には、上記押え板が設けられている上記蓋板の一辺に対して直交する第1方向に延在する第1案内路と、上記第1案内路の上記押え板側の一端から上記第1方向と直交する第2方向に延在する第2案内路とを有するL字状のガイド溝が2箇所に形成されており、上記ケーシング本体側には、上記蓋板を一方の上記ガイド溝に沿って移動させ、所定位置で上記蓋板を固定する雄ネジと、上記蓋板を他方の上記ガイド溝に沿って移動させる係止凸部とが所定の位置に設けられていることを特徴とする天井埋込型空気調和機。
【請求項2】
上記ケーシング本体の内周面には、発泡樹脂製の断熱材が配置されており、上記断熱材の所定部位には、上記熱交換器の側端部の端板に当接するシール部が上記押え板と上記配管カバー端部との係合面に沿って平行な方向に延在しており、上記配線カバーを上記配管カバー端部に係合するに伴って、上記シール部が上記熱交換器の側端部の端板に押しつけられるようになることを特徴とする請求項1に記載の天井埋込型空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井埋込型空気調和機に関し、さらに詳しく言えば、配管引出部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
天井埋込型空気調和機は、内部に熱交換器および送風機(ターボファン)を備えたケーシング本体を有し、ケーシング本体が天井スラブと天井パネルとの間に形成された空間に埋設されている。ケーシング本体の底面(室内に向く面)には、四角形状の化粧パネルが取り付けられ、通常、中央に空気吸込口が設けられ、その周りに空気吹出口が設けられている。
【0003】
ケーシング本体の側壁には、冷媒配管を外に引き出すための配管引出部が設けられている。例えば特許文献1に記載されているように、通常、配管引出部は、ケーシング本体の側壁の角部付近の一部を切り欠いた切欠部であって、配管引出部に配管カバーを取り付けることにより、冷媒配管が固定されるようになっている。配管カバーには、ケーシング本体内に収納された電装品箱からの電気配線を、外部に引き出すための配線引出孔も設けられており、冷媒配管と電気配線がほぼ同じ位置から引き出されるようになっている。電気配線は、電装品箱からドレンパンの底面に設けられた凹溝からなる配線案内溝を通って配線引出孔まで導かれる。通常、この配線案内溝の開放面には、配線カバーがネジ止めされており、配線カバーを取り外すことにより、電気配線がケーシング本体の底面に現れる。
【0004】
また、例えば特許文献2の図4に記載されているようにケーシング本体の内周面には、発泡樹脂製の断熱材が配置されており、配管引出部近傍の断熱材には、熱交換器の側端部の端板に当接するシール部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−202925
【特許文献2】特開2011−169583
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ケーシング本体は、底面が開放された箱形であるため、開放端側である底面側の端部の機械的強度が低く、ケーシング本体の側板の端部が外側に向かって開きやすい。とりわけ、配管引出部は、配管継手がケーシング本体の側面から出っ張らないようにするため、ケーシング本体の側壁を内側に向かって凹ませた段差部に設けられており、さらに切り欠かれているため、配管引出部の機械的強度は、他の部分よりも弱く、外側に向かって張り出しやすい。
【0007】
また、ケーシング本体の側板の端部が外側に向かって開くと断熱材のシール部と熱交換器の側端部の端板に間に隙間ができ隙間から熱交換されていない空気が漏洩する。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ケーシング本体の配管引出部周辺における機械的強度を高めた天井埋込型空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するため、本発明は、内部に熱交換器、ターボファンおよび電装品箱を含み、底面に空気吹出口および空気吸込口を有する天井埋込型のケーシング本体を備え、上記ケーシング本体の1箇所の角部には、上記熱交換器の冷媒配管を上記電装品箱の電気配線とともに引き出すため、上記ケーシング本体の一部分を切り欠いてなる配管引出部が設けられており、上記配管引出部には、上記冷媒配管の周囲を固定し、上記電気配線の引出孔を有する配管カバーが取り付けられているとともに、上記ケーシング本体の底面には、上記電装品箱から上記配管引出部にかけて形成されている上記電気配線の配線案内溝を覆う配線カバーが設けられている天井埋込型空気調和機において、
上記配線カバーは、上記配線案内溝を覆って上記ケーシング本体側の所定部位にネジ止めされる蓋板と、上記配管カバーの上記ケーシング本体の底面側の配管カバー端部に係合するように上記蓋板の一端から直角に折り曲げられた押え板とを有し、
上記蓋板には、上記押え板が設けられている上記蓋板の一辺に対して直交する第1方向に延在する第1案内路と、上記第1案内路の上記押え板側の一端から上記第1方向と直交する第2方向に延在する第2案内路とを有するL字状のガイド溝が2箇所に形成されており、上記ケーシング本体側には、上記蓋板を一方の上記ガイド溝に沿って移動させ、所定位置で上記蓋板を固定する雄ネジと、上記蓋板を他方の上記ガイド溝に沿って移動させる係止凸部とが所定の位置に設けられていることを特徴としている。
【0011】
また別の態様として、上記ケーシング本体の内周面には、発泡樹脂製の断熱材が配置されており、上記断熱材の所定部位には、上記熱交換器の側端部の端板に当接するシール部が上記押え板と上記配管カバー端部との係合面に沿って平行な方向に延在しており、上記配線カバーを上記配管カバー端部に係合するに伴って、上記シール部が上記熱交換器の側端部の端板に押しつけられるようになっている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、配線カバーに設けられた押え板で、配管カバーの配管カバー端部を押さえてケーシング本体に固定したことにより、配管引出部周辺のケーシング本体の機械的強度を高めることができ、その結果、ケーシング本体の底面側の端部が外側に向かって開くことを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る天井埋込型空気調和機の外観斜視図。
図2】上記天井埋込型空気調和機の要部断面図。
図3】化粧パネルを取り外し、ケーシング本体を底面側から見た状態の正面図。
図4】上記ケーシング本体の配管引出部の拡大斜視図。
図5】配線カバーの斜視図。
図6】配線カバーを取り外した状態のケーシング本体の部分拡大正面図。
図7】(a)〜(c)配線カバーの取付手順を説明する部分拡大正面図。
図8】断熱材のシール部と熱交換器の関係を説明する部分拡大正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0015】
図1および図2に示すように、この天井埋込型空気調和機1は、天井スラブと天井パネルTとの間に形成された空間に収納される直方体形状のケーシング本体2と、ケーシング本体2の底面Bに取り付けられる化粧パネル3とを備えている。
【0016】
ケーシング本体2の各角部には、吊下金具4が合計4箇所に設けられており、天井から吊り下げられた図示しない吊下ボルトに吊下金具4を係止することで、天井埋込型空気調和機1が天井に吊下固定される。
【0017】
化粧パネル3は、天井面Tに沿って配置され、中央に四角形状に開口された空気吸込口31を有し、その空気吸込口31の四辺を囲むようにして空気吹出口32が4箇所に配置されている。空気吸込口31には、着脱式の吸込グリル5が空気吸込口31を覆うように設けられている。
【0018】
吸込グリル5は、合成樹脂の成形品からなり、化粧パネル3の空気吸込口31を覆い複数の吸込孔51を備えた正方形状に形成され、吸込グリル5の背面には除塵フィルタ52が保持されている。空気吹出口32はそれぞれ長方形状に形成されており、各空気吹出口32には、回動可能な風向板33が設けられている。運転停止時に空気吹出口32は、この風向板33によって閉じられている。
【0019】
ケーシング本体2は、角部が面取りされた八角形状の天板21と、同天板21の各辺から下方に延在する4枚の側板22a〜22dとを有し、底面B(図1では底面)が開放された箱形容器からなる。ケーシング本体2の内周面には、発泡樹脂製の断熱材23が配置されている。
【0020】
断熱材23は、各側板22a〜22dの内面に一体的に貼り合わされていないため、開放端側(図2では底面B側の端部221)の機械的強度が弱く、ケーシング本体2の底面B側の端部221は、外側に開きやすい。
【0021】
ケーシング本体2は、図3を参照して、4箇所の角部のうち1箇所の角部(この例では側板22aと側板22dとが突き合わさる角部)が外側から内側に向かって一段凹むように形成されており、その凹部に後述する熱交換器25の冷媒配管25a,25bを外部に引き出すための配管引出部6が設けられている。
【0022】
図2に示すように、ケーシング本体2のほぼ中央には、送風機としてのターボファン24が配置されており、ターボファン24の吹出側である外周を囲むようにして熱交換器25が配置されている。熱交換器25の下端側にはドレンパン26が設けられており、冷房運転時に熱交換器25で生成される結露水がドレンパン26によって受け止められるようになっている。
【0023】
図3を併せて参照して、ドレンパン26は、断熱材23より底面B側で、ケーシング本体2の内周面に沿って合致するように嵌め込まれる四角体であって、中央には、後述する化粧パネル3の空気吸込口31に連通する空気吸込通路26aが設けられている。この空気吸込通路26aの中央には、空気吸込口31から吸い込まれた空気をターボファン24の吸込側へ案内するベルマウス27が設けられている。
【0024】
ドレンパン26は、結露水を受ける樹脂製のドレンシート261と、ドレンシート261と一体成型される発泡樹脂製の断熱材262とで構成され、ドレンシート261の一部は、底面Bまで延出していて、そこに後述するネジ止め孔74が形成されている。
【0025】
ベルマウス27の空気吸込口31側(図3では正面側)には、電装品箱28が設けられている。電装品箱28は、配管引出部6に隣接する空気吸込口31の角部から側板22a、22dに沿って延在するL字状に形成されている。
【0026】
ドレンパン26には、中央の空気吸込通路26aを囲むように4箇所の長方形状の空気吹出通路26bが設けられており、ケーシング本体26の熱交換器25を通過して調和された空気が、この空気吹出通路26bを通って化粧パネル3の空気吹出口31に運ばれる。
【0027】
図6に示すように、ドレンパン26の配管引出部6に隣接する隅部には、電装品箱28から引き出された電気配線29を配管引出部6に案内する配線案内部7が設けられている。配線案内部7は、ドレンパン26の底面(図6では正面)を深さ方向(図6では奥行き方向)に凹ませ、ドレンパン26の内側壁から外壁を貫通するように形成された配線案内溝71と、配線案内溝71の内面に合わせて嵌め込まれる配線案内具72とを備えている。
【0028】
配線案内具72は、樹脂製で配線案内溝71の内面に合わせて合致するU字型の樋状に形成されている。配線案内具72の下端縁(図6では正面)には、配線案内具72をドレンシート261にネジ止めするためのネジ止め孔721が2箇所設けられている。
【0029】
配線案内溝71を挟んだ一方の底面B1(図6では正面)には、後述する配線カバー73のガイド溝734,736のいずれか一方(この例ではガイド溝736)に係合する係合凸部722が突設されている。この実施形態において、係合凸部722は、配線案内具72の一部に一体形成されている。
【0030】
配線案内溝71を挟んだ他方の底面B2(図6では正面)には、配線カバーのガイド溝734,736のいずれか一方(この例ではガイド溝734)に係合するネジS1をネジ止めするためのネジ止め孔74が設けられている。この実施形態において、ネジ止め孔74は、ドレンパン26の底面B側に回り込むように形成されたドレンシート261に一体形成されている。
【0031】
図5に示すように、配線カバー73は、ケーシング本体2の底面Bに沿って配置される蓋板731と、ケーシング本体2の底面B側の端部221と連なる後述する配管カバー62の配管カバー端部623に係合するように、蓋板731の一端から直角に折り曲げられた押え板732とを有する断面L字状の金属の板材からなる。
【0032】
蓋板731は、配線案内具72を覆う大きさを有する。押え板732は、蓋板731の一端を下に向けてほぼ直角に折り曲げてなり、先端側には、蓋板731とは離反する方向に折り曲げられたテーパー部733が設けられている。
【0033】
蓋板731には、配線カバー73をケーシング本体2の底面Bに係止する際、適正な係止位置に案内するためのガイド溝734,736が設けられている。なお、説明の便宜上、一方のガイド溝734を第1ガイド溝734とし、他方のガイド溝736を第2ガイド溝736と称する。
【0034】
第1ガイド溝734は、押え板732が設けられている蓋板731の一辺に対して直交する第1方向(図3では左右方向)に延在する第1案内路734aと、第1案内路734aの押え板732側の一端から第1方向と直交する第2方向(図3では上下方向)に延在する第2案内路734bとを組み合わせたL字状に形成されている。第1ガイド溝734の第1案内路734aの前端は、ネジ止めの際、ねじ頭を挿通可能とする大きさの丸孔735に打ち抜かれている。
【0035】
第1ガイド溝734は、上述したネジ止め孔74にネジ止めされるネジS1を係合するため、ネジ止め孔74に対応した位置に形成されている。
【0036】
第2ガイド溝736は、押え板732が設けられている蓋板731の一辺に対して直交する第1方向(図3では左右方向)に延在する第1案内路736aと、第1案内路736aの押え板732側の一端から第1方向と直交する第2方向(図3では上下方向)に延在する第2案内路736bとを組み合わせたL字状に形成されている。
【0037】
第2ガイド溝736は、上述した係止凸部722を係合するため、係止凸部722に対応した位置に形成されている。第2ガイド溝736は、係止凸部722の外径に合致するように、始端から終端に至るまで等幅の溝である。
【0038】
図4に示すように、配管引出部6は、ケーシング本体2の1箇所の角部の側板22dの一部を切り欠いてなる配管開口部61と、配管開口部61とともに冷媒配管25a,25bの外周を固定する配管カバー62とを備えている。
【0039】
この実施形態において、配管開口部61は、側板22dの底面B側の端部221(図4では上端)から高さ方向(図4では上下方向)の中央に向かってU字状に切り欠かれた切欠孔であり、先端部(反開放端側)が、冷媒配管25a,25bの外周面に沿って合致するよう半円状に形成されている。
【0040】
配管カバー62は、ケーシング本体2の側面に沿って平行に配置される金属製の板材であって、配管開口部61の周縁の側面に沿って当接することにより、配管開口部61を覆うようになっている。
【0041】
配管カバー62の先端には、冷媒配管25a,25bの外周面に沿って合致するよう半円状の切欠部621が2箇所設けられており、配管開口部61の先端部と互いに向き合うように配置されることで、冷媒配管25a,25bの外周面を固定する引出孔が形成される。なお、冷媒配管25a,25bの外周には図6に示すクッション性を有する断熱材624が巻回されており、配管カバー62により断熱材の外周面がシールされる。
【0042】
配管カバー62にはさらに、電気配線29を外に引き出すための配線引出孔622が設けられている。配線引出孔622は、配線案内部7に向けて開放された貫通孔である。配管カバー62の下端はケーシング本体2の底面B側の端部221と連なる配管カバー端部623となる。本発明において、配管カバー62は、ケーシング本体51の側面に沿って平行となるように着脱可能に取り付けられていればよく、その具体的な取付方法については、特に限定されない。
【0043】
配線カバー73の先端に設けられた押え板732をケーシング本体2の底面B側の端部221と連なる配管カバー端部623に係合し、配管カバー62を押さえつつ蓋板731をケーシング本体2に固定したことにより、配管引出部6周辺のケーシング本体2の機械的強度を高めることができ、その結果、ケーシング本体2の底面B側の端部221が外側に向かって開くことを抑えることができる。
【0044】
図8図7(a)からドレンパン26とベルマウス27と電装品箱28と配線案内具72を除いた図である。図8に示すように、断熱材23の所定部位には、熱交換器25の側端部(図8では左端面)に当接するシール部231が形成されている。この実施形態において、熱交換器25の側端部には、熱交換器25をケーシング本体2に固定するための端板251が設けられており、端板251にシール部231が当接する。
【0045】
シール部231は、配線カバー73の押え板732と配管カバー端部623との係合面に沿って平行な方向に延在する凸片であり、ケーシング本体2の天面から熱交換器25の高さ方向(図8では紙面方向)に沿ってドレンパン26まで形成されている。
【0046】
これによれば、配線カバー73を配管カバー端部623に係合するに伴って、シール部231が熱交換器25の端板251に押しつけられ、シール部231と端板251との間の隙間から熱交換されていない空気が漏洩することを防止できる。なお、この実施形態においては、よりシール性を高めるため、シール部231と端板251との間にシール部材232が挟み込まれている。
【0047】
次に、図7(a)〜(c)を参照して、配線カバー73の取付手順の一例について説明する。配線カバー73を取り付けるにあたっては、まず、雄ネジS1をネジ止め孔74に取り付けたのち、第1案内路734aの丸孔735にねじ頭を挿通して第1ガイド溝734と雄ネジS1とを係合する。
【0048】
次に、第2ガイド溝736の第1案内路736aに係止凸部722を係合させたのち、第2ガイド溝736から係止凸部722が抜けないように雄ネジS1を軽く締め付ける(図7(a)の状態)。
【0049】
次に、配線カバー73の蓋板731を第1案内路734a,736aに沿って右側(図7(b)の矢印方向)にスライドし、雄ネジS1が第1ガイド溝734aの終端に当接する位置まで移動させる。これにより、押え板732が配管カバー62に対して弾性的に当接する(図7(b)の状態)。
【0050】
次に、配線カバー73の蓋板731を第2案内路734b,736bに沿って下側(図7(b)の矢印方向)にスライドし、雄ネジS1が第2ガイド溝734bの終端に当接する位置まで動かす。その際、押え板732は配管カバー62を弾性的に押圧した状態のまま、下側にスライドする(図7(c)の状態)。
【0051】
しかるのち、雌ネジS1を本締めすることで、配線カバー73がドレンパン26の配線案内部7に係止される。
【0052】
以上説明したように、本発明によれば、配線カバー73の先端に設けられた押え板732をケーシング本体2の底面B側の端部221と連なる配管カバー端部623に係合し、配管カバー62を押さえつつ蓋板731をケーシング本体2に固定したことにより、配管引出部6周辺のケーシング本体2の機械的強度を高めることができ、その結果、ケーシング本体2の底面B側の端部221が外側に向かって開くことを抑えることができる。
【0053】
また、配線カバー73を配管カバー端部623に係合するに伴って、シール部231が熱交換器25の端板251に押しつけられ、シール部231と端板251との間の隙間から熱交換されていない空気が漏洩することを防止できる。
【符号の説明】
【0054】
1 天井埋込型空気調和機
2 ケーシング本体
21 天板
22a〜22d 側板
221 端部
23 断熱材
231 シール部
24 ターボファン
25 熱交換器
251 端板
25a,25b 冷媒配管
26 ドレンパン
26a 空気吸込通路
26b 空気吹出通路
27 ベルマウス
28 電装品箱
29 電気配線
3 化粧パネル
31 空気吸込口
32 空気吹出口
33 風向板
4 吊下金具
5 吸込グリル
6 配管引出部
61 側壁開口部
62 配管カバー
623 配管カバー端部
7 配線案内部
71 配線案内溝
72 配線案内具
73 配線カバー
731 蓋部
732 押え板
734 第1ガイド溝
736 第2ガイド溝
B 底面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8