(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ゲーム空間におけるオブジェクトに対する前記所定の操作についての前記評価部の評価結果に基づいて、前記所定の操作の対象とされたオブジェクトに与えるダメージを変更する対戦制御部をさらに備える
請求項6に記載のゲーム装置。
コンピュータを請求項1から10のいずれか一項に記載のゲーム装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム装置が備える各部として機能させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
〔ゲーム装置の外観例〕
図1は、本実施形態におけるゲーム装置10の外観例を示している。本実施形態のゲーム装置10は、例えばスマートフォンやタブレット端末などの移動体端末である。同図では、ゲーム装置10がスマートフォンである場合の例を挙げている。
同図のゲーム装置10は、前面において表示部110を備える。表示部110には、タッチパネルが組み合わされている。これにより、表示部110の画面に対して指などの操作体を接触させることによる操作が可能である。
【0011】
ゲーム装置10には、本実施形態のゲームのアプリケーションがインストールされている。これにより、ユーザは、ゲーム装置10に対する操作を行って本実施形態におけるゲームをプレイすることができる。
また、同図のような移動体端末としてのゲーム装置10でゲームをプレイする際、ユーザは、例えばヘッドフォンHPをゲーム装置10に接続し、ヘッドフォンHPによりゲームのゲーム音(音楽を含む)を聴くことができる。なお、ゲーム音は、ゲーム装置10に備えられるスピーカ(図示せず)からも出力させることができる。
【0012】
また、ゲーム装置10の本体には、電源キー121、音量アップキー122及び音量ダウンキー123などのハードウェアキーが設けられている。電源キー121は、電源のオンオフ、再起動などのための操作が行われるキーである。
音量アップキー122及び音量ダウンキー123は、それぞれ、ゲーム装置10に接続されたヘッドフォンHP、またはゲーム装置10に備えられるスピーカから出力される音量について、大きくする操作、小さくする操作が行われるキーである。
【0013】
なお、以降の説明にあたり、本実施形態のゲーム装置10によりヘッドフォンHPにより聴くことのできる音は、バーチャル3Dサラウンドと呼ばれる立体音響技術に基づくものである場合を例に挙げる。バーチャル3Dサラウンドによってはリスニングポジションを中心として、左右だけでなく、上、下、前、後の全方向から到来する音が受聴者(ユーザ)に知覚されるように再現できる。
本実施形態のゲームにおいては、説明を分かりやすくするために、前後の方向を除き、左右方向と上下方向とに対応する音を出力する場合を例に挙げる。
【0014】
〔ゲームの態様例〕
図2及び
図3を参照して、本実施形態のゲームの態様例について説明する。
本実施形態のゲームは、一例として、リズムに合わせて操作を行うタイミングゲームの一種であり、タイミングをユーザに認識させるために楽曲を用いる音楽ゲームを例として説明する。
【0015】
図2を参照して、本実施形態の音楽ゲームにおいて出力される案内音について説明する。本実施形態においては、ヘッドフォンHPを装着しているユーザのリスニングポジションLPを中心として、以下の案内音のいずれかが楽曲における所定のタイミングで聞こえる。
案内音の1つは、リスニングポジションLPにて左から聞こえるように出力される案内音NT−Lである。
また、案内音のもう1つは、リスニングポジションLPにて右から聞こえるように出力される案内音NT−Rである。
また、案内音のもう1つは、リスニングポジションLPにて上から聞こえるように出力される案内音NT−Uである。
また、案内音のもう1つは、リスニングポジションLPにて下から聞こえるように出力される案内音NT−Dである。
なお、以降の説明にあたり、案内音NT−L、NT−R、NT−U、NT−Dについて特に区別しない場合には、案内音NTと記載する。
本実施形態において出力される案内音NTは、例えばパルス状に出力される短音である。
【0016】
例えば、案内音NT−Lを聞いたユーザは、案内音NT−Lが左から聞こえることにより、案内音NT−Lの音源位置が左方向であると知覚することができる。即ち、案内音NTは、音源位置の方向をユーザに案内する。
【0017】
続いて、
図3を参照して、本実施形態の音楽ゲームにおける案内音NTの出力に応答したユーザの操作例について説明する。
同図においては、音楽ゲームにおける楽曲の進行において連続する4小節が示されている。同図では、楽曲の拍子として4分の3拍子である場合の例が示されている。なお、上記の例では、例えば4分の3拍子というように楽曲において小節割りが設定されている例を示した。しかし、楽曲としてではなく、例えば一定のテンポでビート、メトロノームの音などが鳴るようにされてもよい。
同図の例では、まず、1小節目の1拍(ビート)目のタイミングで案内音NT−Lが出力されている。
1小節目の1拍(ビート)目のタイミングで案内音NT−Lが出力されると、ユーザは以下の案内音NT−Lの出力に対応する応答操作(所定の操作の一例)を行う。つまり、ユーザは、案内音NT−Lが出力された拍の次の拍、即ち1小節目の2拍目のタイミングで、表示部110の画面に対応して配置されるタッチパネルに対して左方向へのフリック操作を行うようにする。なお、フリック操作を行う領域は、表示部110の画面における全領域のどこでもよい。
【0018】
この後、2小節目の1拍目のタイミングにおいて案内音NT−Rが出力される。この場合、ユーザには、案内音NT−Rが出力された拍の次の拍である、2小節目の2拍目のタイミングで、表示部110の画面に対して右方向へのフリック操作を行うようにする。
この後、3小節目の1拍目のタイミングにおいて案内音NT−Uが出力される。この場合、ユーザは、案内音NT−Uが出力された拍の次の拍である、3小節目の2拍目のタイミングで、表示部110画面に対して上方向へのフリック操作を行うようにする。
この後、4小節目の1拍目のタイミングにおいて案内音NT−Dが出力される。この場合、ユーザは、案内音NT−Dが出力された拍の次の拍である、4小節目の2拍目のタイミングで、表示部110画面に対して下方向へのフリック操作を行うようにする。
【0019】
このように、本実施形態においては、楽曲に対応したビート(拍)の進行における拍(四分音符)としての或るタイミングで案内音NTが出力される。この場合、案内音NTに対応する操作の基準タイミングは、上記のように出力された案内音NTの次の拍のタイミングとなる。そこで、ユーザは、出力された案内音NTの次の拍のタイミングで、案内音NTが聞こえる方向に対応するフリック操作を行うようにする。
ユーザは、フリック操作を行う際に、案内音NTの次の拍に対してできるだけタイミングを合わせるように、また、案内音NTが聞こえてきた方向に合わせて間違えることなく指を振り払う方向を合わせるようにする。
即ち、本実施形態におけるフリック操作によっては、案内音NTの出力に対する応答操作として、方向(応答操作の内容の一例)と、操作タイミングとが指定される。
【0020】
そして、ゲーム装置10は、上記のように行われるフリック操作としての応答操作について評価を行う。
ゲーム装置10は、応答操作の評価を行うにあたり、応答操作により指示されたタイミングについては、例えば指示されたタイミングと対応の基準タイミングとしての拍のタイミングとの差分に基づいて評価を行う。タイミングについての評価結果としては、例えば、差分に応じて得点を付与することができる。
また、ゲーム装置10は、フリック操作により指示された方向について、案内音NTの方向と一致しているか否かについて判定し、一致していれば一定の得点を与え、一致していなければ得点を与えないようにすることができる。
そして、ゲーム装置10は、上記のように付与されたタイミングについての評価結果としての得点と、方向についての評価結果としての得点とを加算して得られる得点を、1回のフリック操作の評価結果とすることができる。
【0021】
このような音楽ゲームであれば、ユーザは、或るタイミングで出力される案内音NTを聴くだけで、案内音NTに応答するフリック操作についてタイミングを見計らいながら行うことができる。即ち、本実施形態においては、ゲーム画面に表示される操作タイミングや操作方向のガイドに頼らなくとも、娯楽性の高い音楽ゲームが成立する。
【0022】
なお、音楽ゲームが実行中の表示部110は、非表示の状態であってもよいし、ゲームに関連する何らかの表示が行われてもよい。一例として、表示部110には、アートワークと呼ばれる幾何的な模様の動画などが表示されてよい。また、表示部110には、ゲームの進行に応じてフリック操作ごとに対応する得点が加算された総合得点などの表示が行われてもよい。
【0023】
〔ゲーム装置の構成例〕
図4を参照して、本実施形態におけるゲーム装置10の構成例について説明する。なお、同図において
図1と同一部分には同一符号を付している。また、同図においては、本実施形態の音楽ゲームに関連する部位を示しており、例えば通信機能、通話機能などに対応する構成については省略している。
本実施形態におけるゲーム装置10は、表示部110、操作部120、制御部130及び記憶部140を備える。
【0024】
表示部110は、
図1にて説明したように、例えば液晶ディスプレイデバイスなどの表示デバイスであり、ゲーム装置10の本体の前面において画面が表出するように設けられる。表示部110は、制御部130の制御に応じて画像を表示する。
【0025】
操作部120は、ユーザによる操作が行われる部位である。本実施形態において、操作部120は、例えば表示部110の画面に対応して配置されるタッチパネルである。
【0026】
制御部130は、ゲーム装置10において本実施形態の音楽ゲームを実現するための各種制御を実行する。制御部130としての機能は、例えばゲーム装置10が備えるCPU(Central Processing Unit)が、本実施形態における音楽ゲームのアプリケーションのプログラムを実行することにより実現される。
制御部130は、音楽ゲームに対応する機能部として、音出力制御部131、取得部132及び評価部133を備える。
【0027】
音出力制御部131は、所定の操作を行うよう案内する案内音NTを所定のタイミングで出力する。
取得部132は、案内音NTの出力タイミングより後のタイミングでなされた、案内音NTに対応する応答操作(本実施形態では、フリック操作)の内容を取得する。
【0028】
評価部133は、取得部132で取得した応答操作の内容と案内音NTで案内された操作の内容との一致性と、応答操作がなされたタイミングと応答操作を行う基準タイミングとの一致性とを評価する。
先の
図3によれば、具体的に、案内音NTが出力されたタイミングの1つの例は、案内音NT−Uが対応する2小節目の3拍目であり、案内音NT−Uに対応して定められる基準タイミングは、2小節目の4拍目である。
評価部133は、前述のように、案内音NTに対応するフリック操作ごとの評価結果を得点として出力することができる。
【0029】
評価部133は、対応のフリック操作に応じて出力される音について、評価結果に応じて異なるように音出力制御部131を制御することで、評価結果を報知することができる。
また、評価部133は、前述のように、フリック操作ごとに応じた評価結果に基づいて得られる得点に関する表示を表示部110にて行わせることによっても、評価結果を報知することができる。
【0030】
記憶部140は、制御部130が利用する各種の情報を記憶する。同図の記憶部140は、楽曲データ記憶部141、シーケンスデータ記憶部142及び音源データ記憶部143を備える。
【0031】
楽曲データ記憶部141は、音楽ゲームにおける楽曲を再生するための楽曲データを記憶する。楽曲データ記憶部141は、複数の異なる楽曲に対応する複数の楽曲データを記憶する。ゲームにおいて使用される楽曲は、前述のようにユーザの操作によって選択される。制御部130は、ゲームの実行にあたり、ユーザの操作によって選択された楽曲に対応する楽曲データを楽曲データ記憶部141から読み出して再生する。
【0032】
シーケンスデータ記憶部142はシーケンスデータを記憶する。シーケンスデータは、楽曲データにより再生される楽曲の進行に応じてユーザが行うべきタイミング入力操作を示す情報である。
シーケンスデータ記憶部142は、例えば楽曲データ記憶部141が記憶する楽曲ごとに応じたシーケンスデータを記憶する。また、1つの楽曲データに対応するシーケンスデータは、例えば難易度などに応じて複数が記憶されてもよい。例えばユーザは、ゲームの難易度を選択する操作を行うことができる。音出力制御部131は、選択された楽曲に対応する複数のシーケンスデータのうちから、ユーザの操作によって選択された難易度に応じたシーケンスデータをシーケンスデータ記憶部142から読み出し、読み出したシーケンスデータを処理することで、案内音NTをしかるべきタイミングで出力させる。
【0033】
図5は、本実施形態におけるシーケンスデータの内容例を示している。同図のシーケンスデータは、条件定義部とシーケンス部とを備える。
条件定義部には、対応の楽曲を一意に示す識別子である楽曲ID、楽曲のテンポ、トラック構成、再生時間などといった、ゲームの実行にあたっての各種の条件を指定する情報が記述される。
【0034】
本実施形態のシーケンス部においては、音楽ゲームにおける楽曲の進行に応じて出力させる案内音NTの態様を指定する情報が記述される。このようなシーケンス部においては、案内音NTごとに応じた案内音情報Dgを含む。
【0035】
案内音情報Dgには、出力タイミング情報と、方向情報との各情報が記述される。
出力タイミング情報は、楽曲進行(即ち、ビートの進行)において対応の案内音NTを出力させるべき拍のタイミングを指定する。
方向情報は、リスニングポジションLPで知覚される対応の案内音NTの音源位置の方向(案内音NTが聞こえてくる方向)を指定する情報である。
【0036】
同図においては、先に
図3に示した3小節が、1つの楽曲における1小節目〜3小節目である場合に対応するシーケンス部の内容が示されている。
即ち、同図の1行目の案内音情報Dgにおける出力タイミング情報は「01.1.00」と記述されている。「01.1.00」の記述においては左から順に「.」で区切られた「01」、「1」、「00」の値が記述されている。最も左の値は小節の番号を示し、続く右の値は1小節における拍の番号を示し、最も右の値は、対応の拍におけるティックの番号を示す。例えば1拍の分解能を「96」と設定した場合、ティックの番号は「00」〜「95」の範囲である。
【0037】
また、方向情報は、出力タイミング情報に続いて記述される「L」、「R」、「U」、「D」のうちのいずれかの文字である。
方向情報としての「L」の記述は音源位置の方向が左であるべきことを指定する。
方向情報としての「R」の記述は音源位置の方向が右であるべきことを指定する。
方向情報としての「U」の記述は音源位置の方向が上であるべきことを指定する。
方向情報としての「D」の記述は音源位置の方向が下であるべきことを指定する。
【0038】
従って、1行目の案内音情報Dgは、対応の案内音NTについて、1小節目における1拍目の先頭のタイミングで、左の方向の音源位置から聞こえるように出力させるべきことを指定している。このような1行目の案内音情報Dgにより
図3の案内音NT−Lが出力される。
また、2行目の案内音情報Dgは、
図3の案内音NT−Rとして示すように、1小節目における4拍目の先頭のタイミングで、右の方向の音源位置から聞こえるように案内音NTを出力させるべきことを指定している。
また、3行目の案内音情報Dgは、
図3の案内音NT−Uとして示すように、2小節目における3拍目の先頭のタイミングで、上の方向の音源位置から聞こえるように案内音NTを出力させるべきことを指定している。
また、4行目の案内音情報Dgは、
図3の案内音NT−Dとして示すように、3小節目における2拍目の先頭のタイミングで、下の方向の音源位置から聞こえるように案内音NTを出力させるべきことを指定している。
【0039】
〔処理手順例〕
図6のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム装置10が実行する処理手順例について説明する。
同図に示す処理は、音楽ゲームの実行中において、シーケンスデータにおける1つの案内音情報Dgに対応して実行される処理である。
音楽ゲームの実行中において、制御部130における音出力制御部131は、例えばユーザによって選択された楽曲と難易度などに対応する処理対象の案内音情報Dgをシーケンスデータ記憶部142が記憶するシーケンスデータから読み込む(ステップS100)。
なお、本実施形態における音楽ゲームは、楽曲の再生開始時刻(再生開始タイミング)にシーケンスデータの処理開始時刻(再生開始タイミング)を同期させて開始される。
【0040】
次に、音出力制御部131は、ステップS100により読み込んだ案内音情報Dgに含まれる出力タイミング情報により指定される出力タイミングに至るのを待機する(ステップS102−NO)。
そして、音出力制御部131は、出力タイミング情報により指定される出力タイミングに至ると(ステップS102−YES)、対応の案内音NTを出力させる(ステップS104)。本実施形態の音出力制御部131は、ステップS104において先にステップS100により読み込んだ案内音情報Dgに含まれる方向情報により指定される方向の音源位置から聞こえるように、短音の案内音NTを出力する。
また、音出力制御部131は、案内音NTの出力にあたり、案内音NTの音源となるオーディオデータを音源データ記憶部143から読み出して、読み出したオーディオデータを利用して案内音NTを出力する。
【0041】
次に、取得部132は、ステップS104にて出力させた案内音NTに対応する操作有効期間を設定する(ステップS106)。操作有効期間とはステップS104により出力された短音の案内音NTの出力に応答して行われる応答操作が有効な期間である。取得部132は、操作有効期間において、タッチパネルとしての操作部120にて検出された操作を応答操作の内容として取得するが、操作有効期間外において検出された操作については無効として操作の内容を取得しない。
具体的に操作有効期間は、ステップS104にて出力させた案内音NTに対応する基準タイミング(案内音NTの出力された拍の次の拍)を含む一定時間の範囲が設定される。この場合において、基準タイミングより前の時間と基準タイミングより後ろの時間とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0042】
そして、取得部132は、ステップS106において設定された操作有効期間内に操作部120により検出された操作を受け付けたか否かについて判定する(ステップS108)。操作有効期間内に操作を受け付けたのであれば(ステップS108−YES)、取得部132は、受け付けた操作を応答操作として扱い、応答操作の内容と、応答操作が行われたタイミングとを取得する(ステップS110)。
具体的に、取得部132は、応答操作の内容として、フリック操作により指示された方向を取得する。また、取得部132は、フリック操作が行われたタイミングとして、例えばフリック操作に際して最初に操作部120に操作体(例えば、指)が接触したことが検出されたタイミングも取得する。このように操作有効期間が終了するまでの間に操作が検出された場合、取得部132は、操作有効期間の終了を待つことなくステップS110の処理を実行する。一方、操作有効期間が終了するまで操作部120に対する操作が検出されなかった場合には(ステップS108−NO)、ステップS110がスキップされ、ステップS112に処理が移行する。
【0043】
ステップS110の処理が終了した場合、あるいは、ステップS108にて操作有効期間内に操作が受け付けられなかった場合、評価部133は、ステップS104にて出力された案内音NTに対応する応答操作についての評価を行う(ステップS112)。
ステップS112における評価として、まず、操作有効期間において操作が受け付けられなかった場合、ユーザは、対応の基準タイミングに合わせて応答操作を行えなかったということになる。この場合には、応答操作そのものがミスであったとして、ミスに対応する点数(例えば、0点)を付与する。
【0044】
一方、操作有効期間において操作が受け付けられた場合、評価部133は、検出された操作を応答操作として扱って、応答操作についての評価を行う。
このために、評価部133は、応答操作としてのフリック操作が検出されたタイミングと基準タイミングとの時間差(操作時間差)を求める。
また、評価部133は、応答操作としてのフリック操作が行われた方向が、ステップS104にて出力された短音の案内音NTの音源位置の方向と同じであるか否かについて判定する。このために、評価部133は、例えば、応答操作としてのフリック操作において検出された操作方向と、ステップS100にて読み込んだ案内音情報Dgにおける方向情報が示す方向とが一致しているか否かについて判定すればよい。なお、ここでの一致の判定に関しては、例えばフリック操作において検出された操作方向について、案内音情報Dgにおける方向情報が示す方向と一致するものと見なされる一定範囲に含まれているか否かが判定されるようにすればよい。
そして、評価部133は、上記のように求められた操作時間差と、方向についての判定結果とに基づいて求められる得点を付与する。
【0045】
操作時間差と、方向についての判定結果とに基づく得点の設定については多様に考えられるが、一例として、以下のように得点を設定できる。
評価部133は、操作時間差が小さくなるほど高くなるようにして操作時間差対応の得点を設定する。
また、評価部133は、方向が一致していないとの判定の場合には、所定の点数による方向対応の得点を付与し、方向が一致しているとの判定の場合には、方向が一致していない場合よりも高い所定の点数による得点を付与する。ここで、方向が一致していないとの判定の場合に対応する点数については、方向を間違って操作したことをミスとして扱い、例えば0点としてもよいし、方向を間違ったとしても操作有効期間において応答操作は行ったということを評価し、0点より高い得点を付与してもよい。
そして、評価部133は、操作時間差対応の得点と、方向対応の得点とを加算することで、応答操作に対する評価結果としての得点を求める。
【0046】
ここで、評価部133は、前述のように、ステップS112により得られた評価結果が反映された表示を表示部110に行ってもよい。具体的には、今回の応答操作によってユーザに付与された得点や、これまでの応答操作に応じた総合得点などを表示させることができる。また、今回の応答操作によってユーザに付与された得点に応じて、応答操作の良否の程度を表す画像などが表示されてもよい。
【0047】
本実施形態における制御部130は、同図の処理を、音楽ゲーム中における楽曲の再生の進行に応じて、シーケンスデータにおける案内音情報Dgごとに対応して実行していく。
【0048】
〔第1の実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態によるゲーム装置10は、音出力制御部131と、取得部132と、評価部133とを備える。
音出力制御部131は、応答操作(所定の操作の一例)を行うよう案内する案内音NTを所定のタイミングで出力する。取得部132は、案内音NTに対応する応答操作によって指定された内容を取得する。評価部133は、取得部132で取得した内容と案内音で案内された応答操作の内容との一致性と、応答操作がなされたタイミングと応答操作を行う基準タイミングとの一致性とを評価する。
【0049】
〕
上記構成によれば、案内音NTが案内する操作の仕方に従って操作を行うと、行われた操作についての案内音NTにより案内された内容との一致性と操作タイミングとが評価される。このような構成であれば、ユーザが案内音NTを頼りに操作方法を認識して操作を行い、その操作が評価されるというゲームが実現される。つまり、本実施形態によっては、音を頼りにプレイすることのできるゲームが実現される。
【0050】
また、本実施形態によるゲーム装置10において、所定の操作は、案内音NTによって案内される音源位置の方向を示す操作である。
【0051】
上記構成によれば、音楽ゲームにおいて、案内音が案内する音源位置の方向に合わせるように方向を指定するという応答操作をユーザが行うことになる。即ち、方向を指定する操作にあたっては、画面での案内を必要としないことから、音を頼りにプレイすることのできるゲームにとって好適な操作方法を実現できる。
【0052】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態における案内音NTは、短音で出力されるものであった。本実施形態においては、第1の実施形態における短音の案内音NTに加え、楽曲の進行おいて継続音による案内音NTも出力される。ここで、継続音は、一例として2分音符などの一定以上の音長の音符に対応して鳴り続ける音である。
本実施形態において、短音の案内音NTの出力の態様と、短音の案内音NTに対応する応答操作は、
図2及び
図3と同様である。
【0053】
一方、本実施形態において、継続音の案内音NTは以下のような態様で出力される。
図7は、本実施形態における継続音の案内音NTの出力の態様例を模式的に示している。本実施形態における継続音の案内音NTとしては、音源位置の相違に応じて、案内音NT−LR、案内音NT−RL、案内音NT−UD、案内音NT−DUのいずれかが楽曲における所定のタイミングに対応して適宜出力される。
これらの継続音による案内音NTは、発音が開始されてから終了するまでの或る時間長による発音期間において音源位置が移動する。そして、音源位置の移動パターンは、案内音NT−LR、案内音NT−RL、案内音NT−UD、案内音NT−DUの間でそれぞれ異なる。
【0054】
具体的に、
図7には、案内音NT−LR、案内音NT−RL、案内音NT−UD、案内音NT−DUの音源位置の移動パターン例が示される。
同図に示すように、案内音NT−LRは、左に音源位置が存在する状態で発音が開始され、以降、発音期間が終了するまで時間経過に従って音源位置が右に移動していくように変化する。
案内音NT−RLは、右に音源位置が存在する状態で発音が開始され、以降、発音期間が終了するまで時間経過に従って音源位置が左に移動していくように変化する。
案内音NT−UDは、上に音源位置が存在する状態で発音が開始され、以降、発音期間が終了するまで時間経過に従って音源位置が下に移動していくように変化する。
案内音NT−DUは、下に音源位置が存在する状態で発音が開始され、以降、発音期間が終了するまで時間経過に従って音源位置が上に移動していくように変化する。
【0055】
図8は、本実施形態の音楽ゲームでの案内音NTの出力に応答したユーザの操作例を示している。
同図においては、1小節目の1拍目の開始タイミングから1小節目の2拍目の開始タイミングまでを発音期間として、継続音のNT−LRが出力されている。
一例として、本実施形態における継続音の案内音NTに対する本実施形態の応答操作は、案内音NTの発音期間の終了タイミングとなる拍の次の拍の開始タイミングから、案内音NTの発音期間と同じ時間にわたって、案内音NTの音源位置の移動方向と同じ方向にスワイプ操作を行うというものになる。
従って、上記のように、継続音の案内音NT−LRが出力されたことに応じて、ユーザは、1小節目の3拍目の開始タイミングから4拍目の開始タイミングまでにかけて、表示部110の画面(即ち、操作部120におけるタッチパネル)に対して右方向へのスワイプ操作を行う。
この際、ユーザは、スワイプ操作に際して、表示部110の画面(即ち、操作部120のタッチパネル)に指をタッチ(接触)させたタイミングが1小節目の3拍目の開始タイミングにできるだけ一致するように留意する。また、ユーザは、表示部110の画面に指を触れさせてから指を移動させる方向が間違わないように留意する。また、ユーザは、スワイプ操作を終了させる(指の移動を停止させる)タイミングができるだけ1小節目の4拍目の開始タイミングと一致するように留意する。
【0056】
この後においては、2小節目の2拍目の開始タイミングから2小節目の3拍目の開始タイミングにかけて音源位置が右から左に移動するように案内音NT−RLが出力されている。そこで、ユーザは、案内音NT−RLに対する応答操作として、2小節目の4拍目の開始タイミングから3小節目の1拍目の開始タイミングまでの期間にわたって左方向へのスワイプ操作を行うようにする。
【0057】
この後、3小節目の2拍目の開始タイミングにおいては短音の案内音NT−Lが左の音源位置から聞こえるように出力されている。案内音NT−Lに対する応答操作として、ユーザは、次の拍である3小節目の3拍目のタイミングに合わせるように左方向へのフリック操作を行う。
【0058】
続いては、4小節目の1拍目の開始タイミングから4小節目の3拍目の開始タイミングにかけて音源位置が右から左に移動するように案内音NT−UDが出力されている。
ここで、例えば1小節目と2小節目に出力された案内音NT−LR、案内音NT−RLは、略1拍分に対応する長さであったのに対して、案内音NT−UDは略2拍分に対応する長さである。このように、継続音の案内音NTの長さについては一定ではなく、適宜変更されてよい。
この場合、ユーザは、案内音NT−UDに対する応答操作として、4小節目の4拍目の開始タイミングから5小節目の2拍目の開始タイミングまでの期間にわたって下方向へのスワイプ操作を行うようにする。
【0059】
続いては、4小節目の1拍目の開始タイミングから4小節目の3拍目の開始タイミングにかけて音源位置が上から下に移動するように案内音NT−UDが出力されている。
この場合、ユーザは、案内音NT−UDに対する応答操作として、4小節目の4拍目の開始タイミングから5小節目の2拍目の開始タイミングまでの期間にわたって下方向へのスワイプ操作を行うようにする。
【0060】
続いては、5小節目の3拍目の開始タイミングから5小節目の4拍目の開始タイミングにかけて音源位置が下から上に移動するように案内音NT−DUが出力されている。
この場合、ユーザは、案内音NT−DUに対する応答操作として、6小節目の1拍目の開始タイミングから6小節目の2拍目の開始タイミングまでの期間にわたって上方向へのスワイプ操作を行うようにする。
このように本実施形態においては、1つの楽曲において短音の案内音NTと、継続音の案内音NTとを適宜出力させるようにして音楽ゲームが構成される。
【0061】
図9は、本実施形態におけるシーケンスデータの内容例、即ち、短音の案内音NTと継続音の案内音NTとの出力制御に対応するシーケンスデータの内容例を示している。
本実施形態において、シーケンスデータにおける条件定義部の内容については、
図5の場合と同様でよい。
【0062】
同図のシーケンスデータにおけるシーケンス部は、
図8に示した6小節が、1つの楽曲における1小節目〜6小節目である場合に対応するシーケンス部の内容が示されている。
即ち、同図の1行目の案内音情報Dgは、
図8における継続音の案内音NT−LRを出力させる情報である。具体的に、1行目の案内音情報Dgにおける出力タイミング情報は「01.1.00-01.2.00」と記述されている。「01.1.00-01.2.00」との出力タイミング情報の記述は、継続音による案内音NTの発音開始タイミングが1小節目の1拍目の開始タイミングであり、発音終了タイミングが1小節目の2拍目の開始タイミングであることを指定している。換言すれば、「01.1.00-01.2.00」との出力タイミング情報の記述は、案内音NTについて、1小節目の1拍目の開始タイミングから1小節目の2拍目の開始タイミングまでの発音期間により継続して発音させるべきことが指定されている。
また、同じ1行目の案内音情報Dgにおける方向情報は「LR」と記述されている。「LR」との方向情報の記述は、継続音の案内音NTについて、出力タイミング情報により指定される発音期間において、音源位置を左から右に移動させるべきことを指定している。即ち、「LR」との方向情報の記述における「L」は、発音開始タイミングでの音源位置(開始音源位置)を示し、「R」は、発音終了タイミングでの音源位置(終了音源位置)を示す。
【0063】
また、同図の2行目の案内音情報Dgは、
図8において、案内音NT−LRの次に出力される案内音NT−RLを出力させる情報である。つまり、2行目の案内音情報Dgにおける「02.2.00-02.3.00」との出力タイミング情報の記述は、案内音NTについて2小節目の2拍目の開始タイミングから2小節目の3拍目の開始タイミングまでの発音期間により継続して発音させるべきことを指定している。
また、同じ2行目の案内音情報Dgにおける方向情報である「RL」との記述は、継続音の案内音NTについて、出力タイミング情報により指定される発音期間において、音源位置を右から左に移動させるべきことを指定している。
【0064】
また、同図の3行目の案内音情報Dgは、
図8において、案内音NT−RLの次に出力される短音の案内音NT−Lを出力させる情報である。つまり、3行目の案内音情報Dgにおける「03.2.00」との出力タイミング情報の記述は、短音の案内音NTについて3小節目の2拍目の開始タイミングで出力させるべきことを指定している。
また、同じ3行目の案内音情報Dgにおける方向情報である「L」との記述は、対応の案内音NTについて、左の音源位置で定位させるべきことを指定している。
【0065】
また、同図の4行目の案内音情報Dgは、
図8において、案内音NT−Lの次に出力される案内音NT−UDを出力させる情報である。つまり、4行目の案内音情報Dgにおける「04.1.00-04.3.00」との出力タイミング情報の記述は、継続音の案内音NTについて、4小節目の1拍目の開始タイミングから4小節目の3拍目の開始タイミングまでの発音期間により継続して出力させるべきことを指定している。
また、同じ4行目の案内音情報Dgにおける方向情報である「UD」との記述は、継続音の案内音NTについて、出力タイミング情報により指定される発音期間において、音源位置を上から下に移動させるべきことを指定している。
【0066】
また、同図の5行目の案内音情報Dgは、
図8において、案内音NT−UDの次に出力される案内音NT−DUを出力させる情報である。つまり、5行目の案内音情報Dgにおける「05.3.00-05.4.00」との出力タイミング情報の記述は、継続音の案内音NTについて、5小節目の3拍目の開始タイミングから5小節目の4拍目の開始タイミングまでの発音期間により継続して出力させるべきことを指定している。
また、同じ5行目の案内音情報Dgにおける方向情報である「DU」との記述は、継続音の案内音NTについて、出力タイミング情報により指定される発音期間において、音源位置を下から上に移動させるべきことを指定している。
【0067】
本実施形態において、ゲーム装置10が実行する処理手順例の全体の流れとしては、
図6と同様である。ただし、本実施形態においては、ステップS100にて読み込んだ案内音情報Dgが継続音の案内音NTに対応する場合に、ステップS102〜S112における各処理の内容が、短音の案内音NTの場合と異なってくる。以下、ステップS100にて読み込んだ案内音情報Dgが継続音の案内音NTに対応する場合のステップS102〜S112の処理について説明する。
【0068】
つまり、音出力制御部131は、ステップS102において指定のタイミングに到達するのを待機するにあたり、案内音情報Dgに含まれる出力タイミング情報において示される発音開始タイミングを指定のタイミングとする。
【0069】
そして、音出力制御部131は、発音開始タイミングに至ったことがステップS102により判定されると、ステップS104において、継続音による案内音NTを出力する。
つまり、ステップS104における音出力制御部131は、出力タイミング情報が示す発音期間において、方向情報が指定する開始音源位置から終了音源位置にまで音源位置が移動するように案内音NTを継続して出力させる。
【0070】
また、取得部132は、ステップS106において、継続音による案内音NTに対応する操作有効期間を以下のように設定する。
継続音による案内音NTに対応する応答操作は、前述のように上下左右のいずれかの方向へのスワイプ操作である。そして、スワイプ操作としての応答操作に対する基準タイミングは、スワイプ操作が開始されるタイミング(操作部120に指をタッチさせたタイミング)に対応する開始基準タイミングと、スワイプ操作が終了される(指の移動が停止される)タイミングに対応する終了基準タイミングとの2つが設定される。
そこで、取得部132は、ステップS100により読み込んだ案内音情報Dgにおける出力タイミング情報が示す発音開始タイミング及び発音終了タイミングに基づいて、対応の応答操作についての開始基準タイミングと終了基準タイミングとを設定する。
図8の例との対応であれば、取得部132は、発音終了タイミングとしての拍の次の拍の開始タイミングを開始基準タイミングとして設定する。そして、取得部132は、設定された開始基準タイミングから、対応の案内音NTの発音開始タイミングから発音終了タイミングまでと同じ間隔を経た位置を終了基準タイミングとして設定する。
【0071】
取得部132は、上記のように開始基準タイミングと終了基準タイミングとを設定したうえで、以下のように操作有効期間を設定する。
つまり、取得部132は、開始基準タイミングから一定時間前のタイミングを操作有効期間の開始タイミングとして設定し、終了基準タイミングから一定時間後のタイミングを操作有効期間の終了タイミングとして設定する。設定された開始タイミングから終了タイミングまでの期間が操作有効期間である。
なお、開始基準タイミングから操作有効期間の開始タイミングまでの一定時間と、終了基準タイミングから操作有効期間の終了タイミングまでの一定時間とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、操作有効期間の開始タイミングと終了タイミングとについては、楽曲の拍に基づいた或るタイミングが設定されてもよいし、タイミングとは無関係の時点であってもよい。
【0072】
取得部132は、ステップS110において、ステップS106により設定された操作有効期間において、操作部120にて操作が検出された場合には、検出された操作を継続音の案内音NTに対応する応答操作(スワイプ操作)として、操作の内容を取得する。
【0073】
そして、評価部133は、ステップS112により、継続音による案内音NTに対応する応答操作について、例えば以下のように評価することができる。
この場合にも、操作有効期間において操作部120にて操作が検出されなかった場合には、応答操作そのものがミスであったとして、ミスに対応する点数(例えば、0点)を付与すればよい。
【0074】
一方、操作有効期間において操作部120にて操作が検出された場合、評価部133は、検出された操作が応答操作であるとして、以下のように評価を行う。
つまり、評価部133は、応答操作としてのスワイプ操作が開始されたタイミングと、開始基準タイミングとの操作時間差を求める。また、評価部133は、応答操作としてのスワイプ操作が終了されたタイミングと、終了基準タイミングとの操作時間差を求める。さらに、評価部133は、応答操作としてのスワイプ操作により指が移動された方向が、継続音により案内音NTの音源位置の移動した方向(方向情報が指定する方向)と同じであるか否かについて判定する。
そして、評価部133は、上記のように求められた応答操作の開始に対応する操作時間差と、応答操作の終了に対応する操作時間差と、方向についての判定結果とに基づいて求められる得点を付与する。
【0075】
また、本実施形態においても、評価部133は、ステップS112により得られた評価結果が反映された表示を表示部110に行ってもよい。
【0076】
〔第2の実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態によるゲーム装置10において、音出力制御部131は、案内音NTによって案内される音源位置の方向が時間経過に応じて変化するように出力する。評価部133は、案内音が出力された時間長に対応する期間において所定の操作によって指定される方向の変化と、案内音によって案内される音源位置の方向の時間経過に応じた変化との一致性について評価する。
【0077】
上記構成によれば、案内音NTによって案内される音源位置の方向が時間経過に応じて変化するようにされたうえで、案内音NTの音源位置の方向の変化に応じて指定する方向を変化させる操作についての評価が行われる。これにより、音を頼りにプレイできるゲームに好適な操作の態様の1つとして、指定する方向を案内音NTの音源位置の変化に合わせるように変化させることが必要になるために、例えばゲームの難易度が高くなり、ゲームとしての興趣性が高められる。
【0078】
なお、本実施形態における継続音は、例えば2分音符などの長音符に対応する期間において、短音が短い間隔で連続して鳴るようなものであってもよい。この場合、例えば短音の音源位置が移動しているようにユーザに知覚させるように音出力制御部131を制御する。
【0079】
[第3の実施形態]
〔ゲームの概要〕
続いて、第3の実施形態について説明する。
本実施形態においては、ゲーム(一例として音楽ゲーム)として、以下のような内容を有する。つまり、本実施形態の音楽ゲームは、仮想的なゲーム空間SPにおいて潜伏するようにして存在するオブジェクトを対象として、ユーザがオブジェクトの存在する方向を特定するための操作を行うようにされている。そして、位置が特定されたオブジェクトの方向に対してリズムに合わせたタイミングでユーザが攻撃の操作を行うというものになる。
【0080】
図10は、本実施形態における音楽ゲームにおいて構築される仮想的なゲーム空間SPを模式的に示している。
ゲーム空間SPにおいては、ソナーの発射装置LA(発射位置の一例)が固定された位置に配置される。本実施形態において、発射装置LAの位置は、リスニングポジションLPと一致する。このように発射装置LAの位置をリスニングポジションLPと一致させることで、ユーザは、自分がソナー音を発射するというゲーム上での役割をイメージしやすくなって好ましい。しかし、発射装置LAの位置は、必ずしもリスニングポジションLPと一致させる必要はなく、ゲーム空間SPにおけるリスニングポジションLPから離れた所定の位置に設置されてもよい。
【0081】
ゲーム空間SPにおいては、1以上のオブジェクトが存在する。具体的には、同図に示すように、オブジェクトOBJ−L、OBJ−R、OBJ−U、OBJ−Dのうちのいずれかが、音楽ゲームにおける楽曲の進行に伴って適宜出現する。
オブジェクトOBJ−Lは、リスニングポジションLP(発射装置LA)に対して左の方向に出現し、発射装置LAを目標位置(即ち、攻撃目標)として移動してくるオブジェクトである。
オブジェクトOBJ−Rは、リスニングポジションLP(発射装置LA)に対して右の方向に出現し、発射装置LAを目標位置として移動してくるオブジェクトである。
オブジェクトOBJ−Uは、リスニングポジションLP(発射装置LA)に対して上の方向に出現し、発射装置LAを目標位置として移動してくるオブジェクトである。
オブジェクトOBJ−Dは、リスニングポジションLP(発射装置LA)に対して下の方向に出現し、発射装置LAを目標位置として移動してくるオブジェクトである。
なお、以降の説明にあたり、オブジェクトOBJ−L、OBJ−R、OBJ−U、OBJ−Dについて特に区別しない場合には、オブジェクトOBJと記載する。
【0082】
上記のように、ゲーム空間SPにおいて出現したオブジェクトOBJは、発射装置LAを攻撃目標として移動してくる。なお、本実施形態においてオブジェクトOBJは、上下左右いずれかの方向から直線的に一定の速度V2で移動して発射装置LAに接近する。
そして、オブジェクトOBJが発射装置LAに到達すると発射装置LAに対するダメージ(ユーザに対応するダメージの一例)が与えられる。そして、ダメージが数回与えられることで、例えば発射装置LAに付与されたヒットポイントが「0」となると、発射装置LAが完全に破壊されたとしてゲームオーバーとなる。
そこで、ユーザは、発射装置LAが破壊されないようにするために、オブジェクトOBJを撃破する。オブジェクトOBJを撃破するための操作としては、例えば以下のようになる。
【0083】
ユーザは、楽曲のビート(拍の開始タイミング)にタイミングを合わせるようにして、発射装置LAからソナー音(トリガ音の一例)を発射させるソナー発射操作(トリガ音出力指示操作の一例)を行う。
ゲーム装置は、ソナー発射操作が行われたタイミングとビートに対応する基準タイミングとの時間差に基づいて、ソナー発射操作について評価を行う。ここでの評価としては、例えば、ソナー発射操作が行われたタイミングとビートに対応する基準タイミングとの時間差が一定以内であるか否かにについての判定が行われればよい。
ソナー発射操作が行われたタイミングとビートに対応する基準タイミングとの時間差が一定を越えていた場合、ソナー音は発射されない。つまり、この場合には、音楽ゲーム上ではソナー発射操作が失敗したものと扱われる。
一方、ソナー発射操作が行われたタイミングとビートに対応する基準タイミングとの時間差が一定以内である場合、ソナー発射操作に応じてソナー音が発射される。つまり、この場合には、音楽ゲーム上ではソナー発射操作が成功したものと扱われる。
ユーザは、ソナー音が発射されたことについて、例えば、発射されたソナー音を表す所定の音(発射ソナー音)が楽曲に重なって出力されることにより認識できる。
【0084】
本実施形態において、ソナー音の発射タイミングは、ソナー発射操作に応じたタイミングで行われる。
ただし、以降においてソナー音がオブジェクトOBJに反射するタイミング、オブジェクトOBJからの発射ソナー音がリスニングポジションLPに到達するタイミングなどについては、ソナー音の発射タイミングにかかわらず、例えばリズムに合わせるように修正されることが好ましい。これにより、オブジェクトの攻撃操作のタイミングなどをユーザが図りやすくなる。
【0085】
発射装置LAから発射されたソナー音SNは、同図に示されるように、一定の速度V1により、発射装置LAを中心とする放射状にゲーム空間SPを伝搬していく。なお、本実施形態において、速度V1は、オブジェクトOBJの速度V2よりも高く、例えば速度V1は速度V2の2倍である。
【0086】
上記のようにソナー音SNが発射されたときにゲーム空間SPにてオブジェクトOBJが存在していた場合、或るタイミングでオブジェクトOBJにソナー音SNが到達することになる。
図11は、オブジェクトOBJにソナー音SNが到達した状態の一例として、発射装置LAの中心位置から距離L1の位置においてオブジェクトOBJ−Uにソナー音SNが到達した状態を示している。
このようにオブジェクトOBJ−Uにソナー音SNが到達したことにより、オブジェクトOBJ−Uにて反射されたソナー音SNの反射音のうちで発射装置LA(受信位置の一例)に到達するように進行する反射音REFが発生する。反射音REFも、ソナー音SNと同様の速度V1で進行する。
【0087】
図12は、
図11に示したように発生した反射音REFが発射装置LAの中心、即ちリスニングポジションLPに到達したタイミングでの状態を示している。このとき、ユーザには、リスニングポジションLPに到達した反射音REFが、反射音REFの位置する方向に対応する上方向から聞こえるようにして出力される。
このように反射音REFがリスニングポジションLPに到達したとき、速度V2で移動するオブジェクトOBJ−Uは、発射装置LAの中心位置から距離L1/2の位置にある。
【0088】
また、リスニングポジションLPに到達した反射音REFが左方向から聞こえるように出力される場合には、左方向にオブジェクトOBJ−Lが存在することを表す。
また、リスニングポジションLPに到達した反射音REFが右方向から聞こえるように出力される場合には、右方向にオブジェクトOBJ−Rが存在することを表す。
また、リスニングポジションLPに到達した反射音REFが下方向から聞こえるように出力される場合には、下方向にオブジェクトOBJ−Dが存在することを表す。
【0089】
このように、本実施形態においては、リスニングポジションLPに到達した音が聞こえる方向により、オブジェクトOBJが存在する方向がユーザに認知されるようにしている。そして、ユーザは、以下のように、反射音が聞こえたことに応答してオブジェクトOBJを攻撃するための攻撃操作を行う。本実施形態においては、反射音REFが案内音であり、ソナー音SNは反射音REFを生じさせるトリガとなるトリガ音である。また、本実施形態では、攻撃操作が案内音に応答した応答操作である。また、本実施形態における音源位置は、ソナー音SNがオブジェクトOBJに到達して反射音REFとなったときのオブジェクトOBJの位置である。
【0090】
図13は、攻撃操作を行うタイミングの一例を楽曲の進行に対応させて示している。同図では、ソナー発射操作が行われたことに応じて、楽曲の或る連続する2小節における1小節目の1拍目の開始タイミングでソナー音SNが発射されたことが示されている。
そして、同図においては、1小節目の1拍目の開始タイミングで発射されたソナー音SNが、同じ1小節目における3拍目の開始タイミングでオブジェクトOBJに到達し、ここで反射することによって反射音REFが発生する。
本実施形態においては、反射音REFを拍の開始タイミングでリスニングポジションLPに到達させるため、同図のように、ソナー音SNについても拍の開始タイミングでオブジェクトOBJに到達し、ここで反射音REFが発生するようにされている。
【0091】
ここで、ソナー音SNは、
図10にて説明したように、ゲーム空間SPにおいて速度V1の等速度で進行する。このため、上記のように発生した反射音REFも速度V1でリスニングポジションLPに向かって進行する。
従って、1小節目の3拍目の開始タイミングで発生した反射音REFは、ソナー音SNが対応する1小節目の1拍目から1小節目の3拍目の開始タイミングまでと同じ期間を経て、リスニングポジションLPに到達する。つまり、同図に示すように、反射音REFは2小節目の1拍目の開始タイミングでリスニングポジションLPに到達する。ユーザには、反射音REFがリスニングポジションLPに到達した2小節目の1拍目の開始タイミングで、反射音REFがその到来方向から聞こえる。
【0092】
図13の例を
図12に対応させた場合、反射音REFがリスニングポジションLPに到達したタイミングでのオブジェクトOBJ−Uから発射装置LAの中心までの距離はL1/2である。この場合、そのままオブジェクトOBJ−Uが進行したとすると、
図13における2小節目の3拍目の開始タイミングで発射装置LAに到達し、発射装置LAが攻撃を受けてしまうことになる。
そこで、この場合において、ユーザは、反射音REFがリスニングポジションLPに到達した2小節目の1拍目の開始タイミングより後から、オブジェクトOBJ−Uが到達する2小節目の3拍目の開始タイミングより前までの期間において操作すべきタイミングに合わせて攻撃操作を行う。
図13の場合には、操作すべきタイミングが8分音符に基づいた例が示されている。即ち、この場合において、攻撃操作が行えるタイミングは、2小節目の1拍目における2番目の8分音符の先頭、2小節目の2拍目における1番目の8分音符の先頭、2小節目の2拍目における2番目の8分音符の先頭のいずれかとなる。
【0093】
本実施形態において攻撃操作はフリック操作である。そして、フリック操作の方向は、反射音REFが聞こえてきた方向、つまり、オブジェクトOBJが存在している方向である。この場合のフリック操作は、フリック操作により指示する方向に対してオブジェクトを攻撃するための移動体(例えばオブジェクトが潜水艦のイメージとした場合には、移動体は魚雷などのイメージ)を発射する操作としてのイメージである。
【0094】
本実施形態においては、上記のフリック操作が応答操作として評価の対象となる。この場合の評価は例えば以下のように行われる。
ゲーム装置は、まず、フリック操作により指定された方向が反射音の聞こえる方向と一致しているか否かについて判定する。フリック操作により指定された方向が反射音の聞こえる方向と一致していない場合にはミスであるとして判定する。
また、ゲーム装置は、攻撃操作の操作有効期間において操作部120に対する操作が行われなかった場合にも、ミスであるとして判定する。
また、操作有効期間内のフリック操作により指定された方向が反射音の聞こえる方向と一致していた場合、ゲーム装置は、フリック操作が行われたタイミングと基準タイミングとの時間差に基づく評価を行う。この場合の基準タイミングは、
図13の例であれば、2小節目の1拍目における2番目の8分音符の先頭、2小節目の2拍目における1番目の8分音符の先頭、2小節目の2拍目における2番目の8分音符の先頭の各タイミングのうちで、攻撃操作としてのフリック操作が行われたタイミングに最も近いタイミングが基準タイミングとなる。
【0095】
この場合の評価として、ゲーム装置は、先の各実施形態の場合と同様に、時間差に応じた得点が付与されるようにすればよい。この場合に評価結果として付与される得点は、オブジェクトOBJに付与されるヒットポイントから、攻撃に応じたダメージとしての点数を減算するのに利用される。
【0096】
そして、本実施形態のゲーム装置は、攻撃操作としての応答操作の評価結果に応じて、攻撃対象のオブジェクトOBJにダメージを付与する制御を行う。オブジェクトOBJにダメージを付与する制御としての一例は以下のようになる。
【0097】
評価結果がミスであった場合には、オブジェクトOBJにはダメージは与えられない。このような結果は、例えば、攻撃操作により移動体を発射した方向が誤っており、オブジェクトOBJに当たらなかったこと、あるいは、攻撃操作自体が行われなかったために移動体が発射されなかったことを表している。
【0098】
また、評価結果がミスでなかった場合には、評価結果として得られた得点を、攻撃対象のオブジェクトOBJのヒットポイントから減算する。評価結果としての得点は、例えばフリック操作が行われたタイミングと基準タイミングとの時間差が小さいほど高くなるように設定される。
従って、本実施形態の音楽ゲームにおいては、攻撃操作のタイミングが基準タイミングと合っているほど移動体の攻撃力が高くなり、攻撃対象のオブジェクトOBJに対して大きなダメージを与えることができる。オブジェクトOBJは、例えばヒットポイントが「0」となると破壊されたものとしてゲーム空間SPから消滅する。
ユーザは、1つのオブジェクトOBJについて1回の攻撃では消滅させられなかった場合には、
図13に示したソナー音SNの発射、反射音REFの出力、攻撃操作の一連の手順を再び行うことで、同じオブジェクトOBJを再び攻撃することができる。そして、複数回の攻撃によってヒットポイントが「0」となるとオブジェクトOBJが消滅する。
このように、攻撃によりオブジェクトOBJのヒットポイントを「0」にする構成とした場合、短期間に複数回のソナー音SN発射から攻撃操作までを行うことは困難である場合がある。従って、例えば、一度攻撃操作を受けたオブジェクトOBJは一旦消滅させ、攻撃によるダメージ分を減算した後のヒットポイントを有した状態で発射装置LAの位置から所定距離離れた位置に再度出現させるようにしてもよい。この場合における「所定距離離れた位置」とは、例えば予め固定的に定められたオブジェクトOBJの出現位置でもよいし、発射装置LAの位置からみて攻撃を受けた時点でのオブジェクトOBJの位置より遠い任意の位置としてもよい。
【0099】
また、ユーザに対応するゲーム空間SP内のアイテムである発射装置LAにもヒットポイントが設定されている。そして、攻撃操作によって消滅させることのできなかったオブジェクトOBJが発射装置LAに到達すると、オブジェクトOBJが衝突したことにより発射装置LAが破壊されるイメージで、発射装置LAにダメージが与えられ、発射装置LAのヒットポイントが低下する。そして、発射装置LAのヒットポイントが「0」になると、発射装置LAが完全に破壊されたものとしてゲームオーバーとなる。
【0100】
〔ゲーム装置の構成例〕
図14は、本実施形態におけるゲーム装置10Aの構成例を示している。同図のゲーム装置10Aの構成例を示している。なお、同図において
図4と同一部分には同一符号を付し、ここでは主に
図4との相違について説明する。
同図のゲーム装置10Aにおいては、記憶部140Aが備えられる。記憶部140Aにおいては、シーケンスデータ記憶部142Aが備えられる。シーケンスデータ記憶部142Aは、本実施形態に対応する内容のシーケンスデータを記憶する。
また、ゲーム装置10Aにおいては、制御部130Aが備えられる。制御部130Aは音出力制御部131A、取得部132A、評価部133A及び対戦制御部134Aを備える。
音出力制御部131Aは、本実施形態の音楽ゲームに対応する音を出力する。
取得部132Aは、本実施形態において行われるソナー発射操作のタイミングと攻撃操作の内容及びタイミングを取得する。
評価部133Aは、取得部132Aにより取得されたソナー発射操作のタイミングに基づいてソナー発射操作を評価し、取得部132Aにより取得された攻撃操作の内容及びタイミングに基づいて攻撃操作を取得する。
対戦制御部134Aは、ゲーム空間SPにおけるオブジェクトOBJに対するフリック操作(応答操作)についての評価部133Aの評価結果に基づいて、応答操作の対象とされたオブジェクトに与えるダメージを変更する。
【0101】
図15は、本実施形態におけるシーケンスデータ記憶部142が記憶するシーケンスデータの内容例を示している。本実施形態におけるシーケンスデータは、オブジェクトOBJをゲーム空間に出現させるタイミングと方向とを指定する。
【0102】
同図のシーケンスデータにおけるシーケンス部は、音楽ゲームの楽曲の進行に伴ってゲーム空間SPに出現させるオブジェクトOBJごとに対応するオブジェクト制御情報Dbを含む。
1つのオブジェクト制御情報Dbには、出現タイミング情報と方向情報との各情報が記述される。
出現タイミング情報は、対応のオブジェクトOBJをゲーム空間SPに出現させる出現タイミングを指定する。また、方向情報は、発射装置LA(リスニングポジションLP)を基準として対応のオブジェクトOBJが存在する方向を指定する。
具体例として、同図の1行目のオブジェクト制御情報Dbは、「01.1.00,U」と記載されている。当該記載において「01.1.00」が出現タイミング情報の記述部分であり、「U」が方向情報の記述部分である。従って、「01.1.00,U」のオブジェクト制御情報Dbは、1小節目の1拍目の開始タイミングで上の方向から対応のオブジェクトOBJをゲーム空間SPに出現させることを指定している。
【0103】
〔処理手順例〕
図16のフローチャートを参照して、ゲーム装置10Aがオブジェクトをゲーム空間SPに出現させるための処理手順例について説明する。
まず、対戦制御部134Aは、処理対象のオブジェクト制御情報Dbをシーケンスデータ記憶部142が記憶するシーケンスデータから読み込む(ステップS1100)。
次に、対戦制御部134Aは、ステップS1100により読み込んだオブジェクト制御情報Dbに含まれる出現タイミング情報により指定される出現タイミングに至るのを待機する(ステップS1102−NO)。
そして、対戦制御部134Aは、出現タイミングに至ると(ステップS1102−YES)、ゲーム空間SPにて、ステップS1100により読み込んだオブジェクト制御情報Dbに含まれる方向情報が示す方向の位置にオブジェクトOBJを出現させる(ステップS104)。また、対戦制御部134Aは、オブジェクトOBJを出現させるとともに、オブジェクトOBJの移動を開始させる。(ステップS1104)。
ステップS1104においてゲーム空間SPにオブジェクトOBJを出現させ、移動を開始させるということは、仮想的なゲーム空間SPにおけるオブジェクトOBJの位置についての演算処理を開始するということである。
【0104】
続いて、
図17のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム装置10Aが、ユーザのソナー発射操作に応じて、ソナー音SNと反射音REFとの出力のために実行する処理手順例について説明する。
同図の処理において、対戦制御部134Aは、ユーザによるソナー発射操作が行われるのを待機する(ステップS2100−NO)。
ソナー発射操作が行われると(ステップS2100−YES)、評価部133Aは、ステップS2100に対応して行われたソナー発射操作のタイミングについて評価する(ステップS2102)。
ステップS2102での評価は、ソナー発射操作が行われたタイミングと基準タイミングとの時間差を求めることである。評価部133Aは、ステップS2102において、まず、ソナー発射操作としてのタップ操作が行われたタイミングに最も近い拍の開始タイミングを基準タイミングとして設定する。そして、ソナー発射操作としてのタップ操作が行われたタイミングと基準タイミングとの時間差を算出する。
【0105】
対戦制御部134Aは、ステップS2102により求められた評価結果としての時間差が一定以内であるか否かについて判定する(ステップS2104)。
時間差が一定を越えている場合(ステップS2104−NO)、同図に示す処理が終了される。つまり、この場合にはソナー発射操作が失敗であったとしてソナー音SNは発射されず、従って、ソナー音SNの発射に応じた反射音REFも生じない。
【0106】
一方、時間差が一定以内であると判定された場合には(ステップS2104−YES)、ソナー発射操作が成功したことになる。
対戦制御部134Aは、ソナー発射操作が行われたゲーム空間SPにおいて発射装置LAからソナー音SNを発射させる(ステップS2106)。ここで、ソナー音SNを発射させるということは、対戦制御部134Aが、ゲーム空間SPにおいてソナー音SNを放射状に速度V1で伝搬していく状態を演算により作りだすことである。なお、ステップS2106でソナー音SNを発射させるタイミングは、前述のように、ソナー発射操作が行われたタイミングに対応する。
また、ステップS2106により対戦制御部134Aがソナー音SNの発射に対応する演算が開始されたことに応じて、音出力制御部131Aは、ステップS2106によりソナー音SNを発射させる演算が開始されたタイミングに応じて、ユーザにソナー音SNが発射されたことを音により報知するための発射ソナー音を出力する(ステップS2106)。発射ソナー音は、ソナー音SNが発射されたイメージを表現した音である。発射ソナー音を聴くことで、ユーザは自分のソナー発射操作に応じてソナー音SNが発射されたことを知ることができる。ソナー音SNは、例えば、ソナー音SNをイメージした音が拡がっていくように聞こえるようにして、ソナー音SNが放射状に伝搬していく様子がイメージされるようなものとするとよい。そのうえで、音出力制御部131Aは、ソナー音SNの音量が時間経過とともに徐々に小さくなるように制御してもよい。
【0107】
次に、
図18のフローチャートを参照して、反射音REFの制御と、攻撃操作に応じた制御とのためにゲーム装置10Aが実行する処理手順例について説明する。
対戦制御部134Aは、
図17のステップS2106により発射させたソナー音SNが、
図16のステップS1104により出現して移動の状態にあるオブジェクトOBJのいずれかに到達することを待機している(ステップS3100−NO)。
そして、ソナー音SNが或る1つのオブジェクトOBJに到達したことが判定されるとステップS3100−YES)、対戦制御部134Aは、ソナー音SNがオブジェクトOBJに到達したことにより反射して発射装置LAに向かう反射音REFを発生させる(ステップS3104)。この際にも、対戦制御部134Aは、ゲーム空間SPにおいて反射音REFを発生させ、発生された反射音REFをリスニングポジションLPに向けて伝搬させる状態を演算によりゲーム空間SP内に作りだす。
【0108】
次に、対戦制御部134Aは、ステップS3103にて発生された反射音REFがリスニングポジションLPに到達するのを待機する(ステップS3014−NO)。
対戦制御部134Aによる反射音REFの進行の経路についての計算に基づき、反射音REFがリスニングポジションLPに到達したことが判定されると(ステップS3104−YES)、音出力制御部131Aは、以下の処理を実行する。
つまり、音出力制御部131Aは、反射音REFがリスニングポジションLPに到達したタイミングで、到達した反射音REFを出力する(ステップS3106)。この際、音出力制御部131Aは、反射音REFの到来方向(即ち、反射音REFの発生源となったオブジェクトOBJの方向)から到達した反射音REFが聞こえるように出力する。
【0109】
ステップS3016により到達した反射音REFを出力させた後、取得部132Aは、操作有効期間を設定する(ステップS3018)。この場合の操作有効期間については、以下のように開始タイミングと終了タイミングが設定される。つまり。開始タイミングは、攻撃操作が可能なタイミングのうちの最前のタイミング(
図13の場合には2小節目の1拍目の2番目の8分音符の開始タイミング)に対して一定時間前が設定される。終了タイミングは、攻撃操作が可能なタイミングのうちの最後のタイミング(
図13の場合には2小節目の2拍目の2番目の8分音符の開始タイミング)に対して一定時間前が設定される。
【0110】
次に、取得部132Aは、ステップS3108において設定された操作有効期間内に操作部120により検出された操作を受け付けたか否かについて判定する(ステップS3110)。操作有効期間内に操作を受け付けたのであれば(ステップS3110−YES)、取得部132Aは、受け付けた操作を攻撃操作(応答操作)として扱い、攻撃操作の内容(方向)と、応答操作が行われたタイミングとを取得する(ステップS3112)。
上記のように操作有効期間が終了するまでの間に操作が検出された場合、取得部132Aは、操作有効期間の終了を待つことなくステップS3112を実行する。一方、操作有効期間が終了するまで操作部120に対する操作が検出されなかった場合には(ステップS3110−NO)、ステップS3112をスキップする。
【0111】
ステップS3112の処理が終了した場合、またはステップS3110にて操作有効期間内に操作が受け付けられなかった場合、評価部133Aは、攻撃操作についての評価を行う(ステップS3114)。
ステップS3114における評価として、まず、操作有効期間において操作が受け付けられなかった場合、ユーザは、対応の基準タイミングに合わせて攻撃操作を行えなかったということになる。この場合には、攻撃操作そのものがミスであったとして、ミスに対応する点数(例えば、0点)を付与する。
【0112】
一方、操作有効期間において操作が受け付けられた場合、評価部133Aは、検出された操作を攻撃操作として扱って、攻撃操作についての評価を行う。
この際、評価部133Aは、攻撃操作としてのフリック操作が検出されたタイミングと基準タイミングとの時間差(操作時間差)を求める。
また、評価部133Aは、攻撃操作としてのフリック操作が行われた方向が、ステップS3106にて出力された反射音の方向(攻撃対象のオブジェクトOBJの方向)と同じであるか否かについて判定する。
そして、評価部133Aは、上記のように求められた操作時間差と、方向についての判定結果とに基づいて求められる得点を付与する。
そして、評価部133Aは、操作時間差対応の得点と、方向対応の得点とを加算することで、応答操作に対する評価結果としての得点を求める。
【0113】
次に、対戦制御部134Aは、ステップS3114により得られた評価結果に応じて、攻撃対象のオブジェクトOBJに与えるダメージを設定する(ステップS3116)。具体的には、例えば前述のように、対戦制御部134Aは、攻撃対象のオブジェクトOBJのヒットポイントから、ステップS3114での評価結果として得られた得点を減算する。
【0114】
なお、本実施形態においては、ソナー発射操作により、放射状に全方向(360°)にわたってソナー音が発射される場合を例に挙げている。しかし、例えばソナー発射操作においてソナー音が発射される方向を指定できるようにして、
図17のステップS2106では、指定された方向に対応する一定の角度範囲でソナー音が発射されるようにしてもよい。このように一定の角度範囲でソナー音が発射されるようにした場合には、ゲームの難易度が高くなることから、例えば上級者にとってプレイのしがいのあるゲームとなる。
【0115】
〔第3の実施形態のまとめ〕
以上説明したように本実施形態のゲーム装置10Aにおいて、音出力制御部131Aは、案内音NTの出力のトリガとなるソナー音SN(トリガ音の一例)の出力を指示するソナー発射操作(トリガ音出力指示操作の一例)が行われると、ソナー音SNを出力させるとともに、ソナー音SNが出力されたタイミングとゲーム空間SPにおけるオブジェクトOBJの位置とに基づいて特定されるタイミングで反射音REF(案内音の一例)を出力させる。
【0116】
上記構成によれば、ユーザがソナー発射操作を行ってソナー音を出力させることにより案内音である反射音が出力される。このように、案内音の出力がユーザの操作に応じて行われるようにすることでユーザがゲームにおいて操作を行う機会を増やすことができる。これにより、ユーザとしてはゲームに飽きにくく、プレイする楽しみも増すことになる。
【0117】
また、本実施形態のゲーム装置10Aにおいて、評価部133Aは、ソナー発射操作が行われたタイミングと、ソナー発射操作を行う基準タイミングとの一致性について評価し、音出力制御部131Aは、ソナー音SN(トリガ音の一例)の出力の許可(ソナー発射操作の成功)に対応する評価結果が評価部133Aによって得られた場合にソナー音SNを出力させる。
【0118】
上記構成によれば、応答操作である攻撃操作だけではなく、ソナー発射操作のタイミングについても評価され、評価結果が低ければ、例えばソナー音が出力されないようにすることができる。これにより、ゲームにおいてユーザが操作を行う機会が増える上に、難易度も高めることができるので、ゲームの面白味を高めることができる。
【0119】
また、本実施形態のゲーム装置10Aにおいて、音出力制御部131Aは、仮想のゲーム空間SPの所定位置に設定するオブジェクトOBJとソナー音SNとに基づいて、ゲーム空間SPにおける発射装置LA(所定の受信位置の一例)に対して反射音REF(案内音)を出力する。
【0120】
上記構成によれば、ゲーム空間SPにおいて潜伏するオブジェクトOBJをソナー音SNにより探知し、探知したオブジェクトOBJを攻撃するという内容のゲームを実現できる。これにより、ゲームの内容の充実が図られ、ゲームとしての面白味も高めることができる。
【0121】
また、本実施形態のゲーム装置10Aは、ゲーム空間SPにおけるオブジェクトOBJに対する攻撃操作(所定の操作の一例)についての評価部133Aの評価結果に基づいて、攻撃操作の対象とされたオブジェクトOBJに与えるダメージを変更する対戦制御部134Aをさらに備える。
【0122】
上記構成によれば、ゲーム空間SPにおいて潜伏するオブジェクトOBJをソナー音SNにより探知し、探知したオブジェクトOBJを攻撃するという内容のゲームにおいて、攻撃したオブジェクトOBJにダメージを与えるようにすることができる。これにより、ゲームの内容がさらに充実し、ゲームとしての面白味もさらに高めることができる。
【0123】
また、本実施形態のゲーム装置10Aにおいて、対戦制御部134Aは、オブジェクトOBJが発射装置LA(所定の目標位置の一例)に到達すると、発射装置LAへのダメージ(ユーザに対応するダメージ)を与えるように制御する。
【0124】
上記構成によれば、ゲームにおいてユーザに対応するダメージも与えられるようになることから、ユーザは、自分に対応するダメージを受けないようにも留意しながらゲームをプレイすることになる。これにより、ゲームの内容がさらに充実し、ゲームとしての面白味もさらに高めることができる。
【0125】
また、本実施形態のゲーム装置10Aにおいて、対戦制御部134Aは、ゲーム空間におけるソナー音SNの進行速度(例えば、速度V1)について、オブジェクトOBJの進行速度(例えば、速度V2)よりも速い速度を設定する。
【0126】
上記構成により、オブジェクトにソナー音が反射して発射装置LAに到達しようとする反射音は、ソナー音の反射を受けたオブジェクトに追い越されることがなくなる。これにより、例えば反射音が聞こえる前にソナー音の反射を受けたオブジェクトの攻撃を受けてしまうといったようなゲーム上での不具合を防ぐことができる。
【0127】
また、本実施形態のゲーム装置10Aにおいて、音出力制御部131Aは、ゲーム空間SPにおいてソナー音SNを発射装置LA(所定の位置の一例)から全方向に出力させる。または、音出力制御部131Aは、ゲーム空間SPにおいてソナー音SNを発射装置LAからソナー発射操作によって指定された方向に対応する所定の方向に出力させる。
【0128】
上記構成によれば、ソナー発射操作に応じてソナー音を発射装置LAから全方向に出力させることも、ソナー発射操作によって指定された方向に限定して出力させることも可能となる。これにより、ゲームでのソナー音の出力についてのバリエーションが得られ、ゲームの面白味を高めることができる。
【0129】
[第4の実施形態]
本実施形態のゲーム装置10(または10A)において、音出力制御部131(または131A)は、3Dサラウンドではなく、L(左),R(右)の2チャンネルによるステレオで音を出力するように構成される。
ステレオによる音響環境の場合、左右における案内音(第3の実施形態の反射音を含む)の定位を表現することはできるが、上下の方向における案内音の定位を表現することはできない。
そこで、本実施形態における音出力制御部131(または131A)は、ステレオによる音響環境の場合においても案内音によって案内される音源位置(第3実施形態では、ソナー音が反射したオブジェクトの位置)の方向について、上下の方向を表現するために、発音が開始されて消滅するまでの間の案内音の音高を時間経過に応じて変化させるようにする。
【0130】
具体的には、音出力制御部131(または131A)は、例えば音源位置(ソナー音が反射したオブジェクトの位置)が上の方向であることを表すには、案内音については中央に定位させたうえで、案内音の発音が開始されてから消滅するまでの間に、音高について低い方から高い方に変化させる。
また、例えば音源位置が下の方向であることを表すには、案内音については中央に定位させたうえで、案内音の発音が開始されてから消滅するまでの間に、音高について高い方から低い方に変化させる。
このようにすれば、ステレオによる音響環境のもとで、音高の変化により上下の方向を案内できる。
また、上記のように上または下の方向に案内音の音源位置が存在することを案内するにあたり、案内音を左または右に定位させることで、斜め方向も案内することができる。具体的には、例えば案内音を左に定位させた状態で音高を低い方から高い方に変化させれば、左斜め上の方向に音源位置、またはオブジェクトOBJが存在することを案内できる。
【0131】
本実施形態においてゲーム装置10(または10A)が案内音(反射音を含む)の出力のために実行する処理手順例としては、
図6または
図18と同様でよい。
ただし、
図6のステップS104または
図18のステップS3106において、音出力制御部131(または131A)は、上または下の方向に対応する案内音を出力させる際には、上記のように上、下の方向のそれぞれに対応した音高の変化を案内音に与えるようにする。
【0132】
〔第4の実施形態のまとめ〕
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置10、10Aにおいて、音出力制御部131、131Aは、発音の開始から終了までの間の案内音NT(反射音REF)の音高を時間経過に応じて変化させる。
【0133】
上記構成によれは、例えば、音高の変化によって案内音の音源位置の上下における方向を案内することが可能になる。これにより、例えばステレオの音響環境においても、上下方向に対応した案内音の音源位置の表現と、上下方向の音源位置に応じた応答操作を実現し、ゲームの内容を豊かなものとすることができる。
【0134】
[変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の第1〜4の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0135】
例えば、上記各実施形態において、案内音の音源位置が時間経過に応じて移動していることを表そうとする場合、上下方向における音源位置の移動については、案内音NTの音高を時間経過によって変化させるようにしてもよい。例えば、上から下方向への音源位置の移動については、案内音NTの音高を時間経過に従って高い方から低い方に変化させ、下から上方向への音源位置の移動については、案内音の音高を時間経過に従って低い方から高い方に変化させる。このように上下方向における音源位置の移動を音高の変化により表す場合、案内音NTは、例えば中央にて固定的に定位させればよい。
このような構成を採る場合、例えばステレオによる音声出力を行う場合においても、上下方向における音源位置の移動を案内できる。
【0136】
上記各実施形態においては、バーチャル3Dサラウンドのもとで、上下左右の方向で案内音(第3の実施形態の反射音を含む)を出力させるようにしていた。しかし、例えば、バーチャル3Dサラウンドでは、前または後ろから聞こえる音も出力することができる。そこで、案内音を前または後の方向から聞こえるようにして、前または後の方向に応じた応答操作を行わせてもよい。前または後の方向に応じた応答操作としては、一例として、ゲーム装置10の姿勢を前面部が上に向くように水平にした状態において、ユーザが前方の方向にフリック操作を行うことにより前の方向を指定し、ユーザ(自分)側にフリック操作を行うことで後の方向を指定することができる。
また、例えば右斜め上、右斜め下、左斜め上、左斜め下のように、斜めの方向による案内音の出力と、斜めの方向の案内音の出力に応じた応答操作とが行われるように音楽ゲームを構成することもできる。
【0137】
また、第1の実施形態と第2の実施形態などでは、応答操作の基準タイミングについて、1拍(4分音符)に応じたタイミングである場合を例に挙げた。しかし、応答操作の基準タイミングは、4分音符より細かい8分音符、16分音符などに応じたタイミングであってもよい。
【0138】
また、上記各実施形態においては、ゲーム装置10、10Aがスマートフォンやタブレット端末などの移動体端末である場合を例に挙げた。しかし、ゲーム装置10、10Aは、例えばゲーム装置本体と、応答操作が可能なコントローラなどが組み合わされた構成であってもよい。
【0139】
また、上記各実施形態においては、応答操作(第3の実施形態の攻撃操作を含む)がフリック操作である場合を例に挙げ、方向の指定をフリック操作の方向に対応させていた。しかし、応答操作としてはフリック操作に限定されない。
例えば、表示部110の画面に対応するタッチパネルの領域を、指定すべき方向(例えば上下左右)に応じた複数の部分領域に分割し、指定すべき方向に応じた部分領域を基準タイミングに合わせてタップするという操作であってもよい。
また、ゲーム装置10にジャイロセンサを設けることで、ジャイロセンサを指定すべき方向に応じた方向に対して、基準タイミングに合わせて振るという操作であってもよい。
また、例えば撮像画像などを用いてユーザのジェスチャを検出するデバイスなどを利用して、ユーザの所定のジェスチャにより方向とタイミングとを指定できるようにしてもよい。
【0140】
また、上記各実施形態では、ヘッドフォンHPを用いる例を示したが、イヤホンであってもよいことは当然である。また、上記各実施形態では、ヘッドフォンHPでユーザが音を聞き取ることで本実施形態としてのゲーム空間SPが形成されるようにしていたが、例えば複数のスピーカを用いて案内音の定位を制御することでゲーム空間SPが形成されるようにしてもよい。
【0141】
また、上述のゲーム装置10、10Aの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりゲーム装置10、10Aとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0142】
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0143】
(付記1)本発明の一態様にかかるゲーム装置(10、10A)は、所定の操作(例えば、応答操作、攻撃操作)を行うよう案内する案内音(反射音を含む)を所定のタイミングで出力する音出力制御部(131、131A、S104、S3106)と、案内音に対応する所定の操作の内容を取得する取得部(132、132A、S110、S3112)と、取得部で取得した前記所定の操作の内容と前記案内音で案内された操作の内容との一致性と、前記所定の操作がなされたタイミングと前記所定の操作を行う基準タイミングとの一致性とを評価する評価部(133、133A、S112)とを備える。
【0144】
上記構成によれば、案内音が案内する操作の仕方に従って操作を行うと、行われた操作についての案内音により案内された内容との一致性と操作タイミングとが評価される。このような構成であれば、ユーザが案内音を頼りに操作方法の案内を受けて操作を行い、その操作が評価されるというゲームが実現される。つまり、音を頼りにプレイすることのできるゲームが実現される。なお、案内音の出力タイミングより後のタイミングでなされた所定の操作の内容を取得し、評価するようにしてもよい。これにより、案内音と所定の操作との対応関係を判別しやすくすることができる。
【0145】
(付記2)また、本発明の一態様は、(付記1)に記載のゲーム装置であって、前記所定の操作は、前記案内音によって案内される音源位置の方向を示す操作である。
【0146】
上記構成によれば、音楽ゲームにおいて、案内音が案内する音源位置の方向に合わせるように、方向を指定するという操作をユーザが行うことになる。即ち、方向を指定する操作にあたっては、画面での案内を必要としないことから、上記構成によっては、音を頼りにプレイすることのできるゲームにとって好適な操作方法を実現できる。
【0147】
(付記3)また、本発明の一態様は、(付記1)または(付記2)に記載のゲーム装置であって、前記音出力制御部は、前記案内音によって案内される音源位置の方向が時間経過に応じて変化するように出力し(S104)、前記評価部は、前記案内音が出力された時間長に対応する期間において前記所定の操作によって指定される方向の変化と、前記案内音によって案内される音源位置の方向の時間経過に応じた変化との一致性について評価する。
【0148】
上記構成によれば、案内音によって案内される音源位置の方向が時間経過に応じて変化するようにされたうえで、案内音の音源位置の方向の変化に応じて指定する方向を変化させる操作についての評価が行われる。これにより、音を頼りにプレイすることのできるゲームに好適な操作の態様の1つとして、指定する方向を案内音の音源位置の変化に合わせるように変化させることが必要になるために、例えばゲームの難易度が高くなり、ゲームとしての興趣性が高められる。
【0149】
(付記4)また、本発明の一態様は、(付記1)から(付記3)のいずれか1つに記載のゲーム装置であって、前記音出力制御部は、発音の開始から終了までの間の前記案内音の音高を時間経過に応じて変化させる(S104、S3106)。
【0150】
上記構成によれは、例えば、音高の変化によって案内音の音源位置の上下における方向を案内することが可能になる。これにより、例えばステレオの音響環境においても、上下方向に対応した案内音の音源位置の表現と、上下方向の音源位置に応じた応答操作を実現し、ゲームの内容を豊かなものとすることができる。
【0151】
(付記5)また、本発明の一態様は、(付記1)から(付記4)のいずれか1つに記載のゲーム装置であって、前記音出力制御部は、案内音の出力のトリガとなるトリガ音(例えば、ソナー音)の出力を指示するトリガ音出力指示操作(例えば、ソナー発射操作)が行われると、前記トリガ音を出力させるとともに、前記トリガ音が出力されたタイミングとゲーム空間におけるオブジェクトの位置とに基づいて特定されるタイミングで案内音を出力させる(S3106)。
【0152】
上記構成によれば、ユーザがトリガ音出力指示操作を行ってトリガ音を出力させることにより案内音が出力される。このように、案内音の出力がユーザの操作に応じて行われるようにすることでユーザがゲームにおいて操作を行う機会を増やすことができる。これにより、ユーザとしてはゲームに飽きにくくなり、プレイする楽しみも増すことになる。
【0153】
(付記6)また、本発明の一態様は、(付記5)に記載のゲーム装置であって、前記評価部は、前記トリガ音出力指示操作が行われたタイミングと、前記トリガ音出力指示操作を行う基準タイミングとの一致性について評価し(S2102)、前記音出力制御部は、前記トリガ音の出力の許可に対応する評価結果が前記評価部によって得られた場合に前記トリガを出力させる(S2104、S2106)。
【0154】
上記構成によれば、所定の操作だけではなく、トリガ音出力指示操作のタイミングについても評価され、評価結果が低ければ、例えばトリガ音が出力されないようにすることができる。これにより、ゲームにおいてユーザが操作を行う機会が増える上に、さらに難易度も高めることができるので、ゲームの面白味を高めることができる。
【0155】
(付記7)また、本発明の一態様は、(付記5)または(付記6)に記載のゲーム装置であって、前記音出力制御部は、仮想のゲーム空間の所定位置に設定するオブジェクトと前記トリガ音とに基づいて、前記ゲーム空間における所定の受信位置に対して前記案内音(例えば、反射音)を出力する(S3104、S3106)。
【0156】
上記構成によれば、ゲーム空間SPにおいて潜伏するオブジェクトOBJをソナー音SNにより探知し、探知したオブジェクトOBJを攻撃するという内容のゲームを実現できる。これにより、ゲームの内容の充実が図られ、ゲームとしての面白味も高めることができる。
【0157】
(付記8)また、本発明の一態様は、(付記7)に記載のゲーム装置であって、前記ゲーム空間におけるオブジェクトに対する前記所定の操作についての前記評価部の評価結果に基づいて、前記所定の操作の対象とされたオブジェクトに与えるダメージを変更する対戦制御部(134、S3116)をさらに備える。
【0158】
上記構成によれば、ゲーム空間において潜伏するオブジェクトを探知音により探知し、探知したオブジェクトを攻撃するという内容のゲームにおいて、攻撃したオブジェクトにダメージを与えるようにすることができる。これにより、ゲームの内容がさらに充実し、ゲームとしての面白味をさらに高めることができる。
【0159】
(付記9)また、本発明の一態様は、(付記8)に記載のゲーム装置であって、前記対戦制御部は、前記オブジェクトが所定の目標位置に到達すると、ユーザに対応するダメージを与えるように制御する。
【0160】
上記構成によれば、ゲームにおいてユーザに対応するダメージも与えられるようになることから、ユーザは、自分に対応するダメージを受けないようにも留意しながらゲームをプレイすることになる。これにより、ゲームの内容がさらに充実し、ゲームとしての面白味をさらに高めることができる。
【0161】
(付記10)また、本発明の一態様は、(付記8)または(付記9)に記載のゲーム装置であって、前記対戦制御部は、前記ゲーム空間における前記トリガ音の進行速度(例えば、速度V1)について、前記オブジェクトの進行速度(例えば、速度V2)よりも速い速度を設定する。
【0162】
上記構成により、オブジェクトにソナー音が反射して所定の位置に到達しようとする案内音は、案内音の反射を受けたオブジェクトに追い越されることがなくなる。これにより、例えば、案内音が聞こえる前にトリガ音の反射を受けたオブジェクトの攻撃を受けてしまうといったようなゲーム上での不具合を防ぐことができる。
【0163】
(付記11)また、本発明の一態様は、(付記5)から(付記10)のいずれか一つに記載のゲーム装置であって、前記音出力制御部は、前記ゲーム空間において前記トリガ音を所定の位置から全方向に出力させる、または、前記ゲーム空間において前記トリガ音を前記所定の位置から前記トリガ音出力指示操作によって指定された方向に対応する所定の方向に出力させる。
【0164】
上記構成によれば、トリガ音出力指示操作に応じて探知音としてのトリガ音を発射位置から全方向に出力させることも、トリガ音出力指示操作によって指定された方向に限定して出力させることも可能となる。これにより、ゲームでのトリガ音の出力についてのバリエーションが得られ、ゲームの面白味を高めることができる。
【0165】
(付記12)また、本発明の一態様は、コンピュータを(付記1)から(付記11)のいずれか一つに記載のゲーム装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム装置が備える各部として機能させるためのプログラムである。