特許第6481832号(P6481832)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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6481832プログラム、携帯端末、情報処理方法、及び、情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481832
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】プログラム、携帯端末、情報処理方法、及び、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20190304BHJP
【FI】
   G06Q50/08
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-246860(P2016-246860)
(22)【出願日】2016年12月20日
(62)【分割の表示】特願2014-157539(P2014-157539)の分割
【原出願日】2014年8月1日
(65)【公開番号】特開2017-102935(P2017-102935A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2017年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】396025447
【氏名又は名称】株式会社建設システム
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175190
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 裕明
(72)【発明者】
【氏名】立川 預嗣也
【審査官】 山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−123589(JP,A)
【文献】 特開2009−211454(JP,A)
【文献】 特開2007−193557(JP,A)
【文献】 特開2011−128699(JP,A)
【文献】 特開2006−272453(JP,A)
【文献】 特開2009−193407(JP,A)
【文献】 特開2012−021323(JP,A)
【文献】 特開2003−239287(JP,A)
【文献】 特開2003−113671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事における測点及び品質管理項目を含む計画情報を記憶するサーバと通信可能な携帯端末に、
前記工事の計画情報を前記サーバから受信する計画情報受信ステップと、
前記受信された計画情報が含む測点のうちの1つの選択を受け付ける測点選択受付ステップと、
前記選択された測点における各品質管理項目を、前記受信された計画情報から抽出する品質管理項目抽出ステップと、
前記抽出された各品質管理項目の項目名を提示し、前記各品質管理項目に対する検査結果それぞれの入力を受け付ける検査結果入力受付ステップと、
前記入力を受け付けた検査結果を前記サーバへ送信して、前記サーバに、前記検査結果の登録を要求する登録要求ステップと、
を実行させ、
前記計画情報には、前記工事における品質管理項目の目標値、及び施工される構造物の品質の差の許容限界を示す規格値が含まれており、
前記検査結果の入力を受け付けると、前記入力を受け付けた検査結果と前記検査結果の品質管理項目の目標値との差を算出し、
前記携帯端末に、前記規格値と、複数の前記検査結果と前記検査結果の品質管理項目の目標値との差と、を一覧可能に図示するとともに、前記差が前記規格値を超えた場合に、警告情報を出力する警告出力ステップを、
更に実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記携帯端末に、
前記サーバで登録された登録済みの検査結果を、前記サーバから受信する登録済検査結果受信ステップを更に実行させ、
前記検査結果入力受付ステップでは、前記抽出された品質管理項目に対する登録済みの検査結果が受信されていた場合に、前記登録済みの検査結果を提示し、前記登録済みの検査結果の変更値の入力を受け付ける、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記携帯端末は、被写体を撮像する撮像部を有し、
前記携帯端末に、
撮像操作を受け付けると、前記撮像部を制御して写真データを取得する写真取得ステップと、
前記取得された写真データを前記選択された測点との関連を示す情報とともに前記サーバへ送信して、前記サーバに、前記検査結果の測点と関連付いた前記写真データの登録を要求する写真登録ステップと、
を更に実行させる、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記サーバは、1品質管理項目に対して複数の検査結果を登録可能であり、
前記検査結果入力受付ステップでは、番号の指定と前記番号に関連付く検査結果の入力とを受け付け、
前記登録要求ステップでは、前記入力を受け付けた検査結果を、前記指定された番号とともに送信して、前記サーバに、前記指定された番号に関連付けられた検査結果の登録を要求する、
請求項1から3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
同一の品質管理項目に対する規格値は、第1の規格値及び該第1の規格値より厳しい第2の規格値を含み、
前記警告出力ステップでは、前記第1の規格値及び第2の規格値と、複数の前記検査結果と前記検査結果の品質管理項目の目標値との差と、を一覧可能に図示するとともに、前記差が前記品質管理項目に対する第1の規格値を超えた場合に、第1の規格値を超えたことを示す警告情報を出力し、前記算出された差が前記品質管理項目に対する第2の規格値を超えた場合に、第2の規格値を超えたことを示す警告情報を出力する、
請求項1から4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記サーバは、地域ごとの公共機関により定められる測定の仕様情報を更に記憶し、
前記携帯端末に、
前記携帯端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記取得された位置情報に基づいて、前記携帯端末の位置を含む地域の品質管理の仕様情報を前記サーバから取得し、前記取得された仕様情報を出力する仕様情報出力ステップと、
を更に実行させる、
請求項1から5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
工事における測点及び品質管理項目を含む計画情報を記憶するサーバと通信可能な携帯端末であって、
前記工事の計画情報を前記サーバから受信する計画情報受信手段と、
前記受信された計画情報が含む測点のうちの1つの選択を受け付ける測点選択受付手段と、
前記選択された測点における各品質管理項目を、前記受信された計画情報から抽出する品質管理項目抽出手段と、
前記抽出された各品質管理項目の項目名を提示し、前記各品質管理項目に対する検査結果それぞれの入力を受け付ける検査結果入力受付手段と、
前記入力を受け付けた検査結果を前記サーバへ送信して、前記サーバに、前記検査結果の登録を要求する登録要求手段と、
を備え、
前記計画情報には、前記工事における品質管理項目の目標値、及び施工される構造物の品質の差の許容限界を示す規格値が含まれており、
前記検査結果の入力を受け付けると、前記入力を受け付けた検査結果と前記検査結果の
品質管理項目の目標値との差を算出し、
前記規格値と、複数の前記検査結果と前記検査結果の品質管理項目の目標値との差と、を一覧可能に図示するとともに、前記差が前記規格値を超えた場合に、警告情報を出力する、携帯端末。
【請求項8】
工事における測点及び品質管理項目を含む計画情報を記憶するサーバと通信可能な携帯端末が、
前記工事の計画情報を前記サーバから受信する計画情報受信ステップと、
前記受信された計画情報が含む測点のうちの1つの選択を受け付ける測点選択受付ステップと、
前記選択された測点における各品質管理項目を、前記受信された計画情報から抽出する品質管理項目抽出ステップと、
前記抽出された各品質管理項目の項目名を提示し、前記各品質管理項目に対する検査結果それぞれの入力を受け付ける検査結果入力受付ステップと、
前記入力を受け付けた検査結果を前記サーバへ送信して、前記サーバに、前記検査結果の登録を要求する登録要求ステップと、
を実行し、
前記計画情報には、前記工事における品質管理項目の目標値、及び施工される構造物の品質の差の許容限界を示す規格値が含まれており、
前記検査結果の入力を受け付けると、前記入力を受け付けた検査結果と前記検査結果の品質管理項目の目標値との差を算出し、
前記携帯端末に、前記規格値と、複数の前記検査結果と前記検査結果の品質管理項目の目標値との差と、を一覧可能に図示するとともに、前記差が前記規格値を超えた場合に、警告情報を出力する警告出力ステップを、
更に実行する情報処理方法。
【請求項9】
サーバ、前記サーバと通信可能な携帯端末、及び、前記サーバと通信可能な情報処理装置を有する情報処理システムであって、
前記サーバは、
工事における測点及び品質管理項目を含む計画情報と、品質管理項目の目標値と、施工される構造物の品質の差の許容限界を示す規格値と、測点ごと品質管理項目ごとに登録される検査結果とを記憶する記憶部と、
前記携帯端末から受信した検査結果を前記記憶部に記憶させて登録する登録手段と、
前記記憶部が記憶する情報を前記携帯端末及び前記情報処理装置へ提供する情報提供手段と、
を備え、
前記携帯端末は、
前記工事の計画情報を前記サーバから受信する計画情報受信手段と、
前記受信された計画情報が含む測点のうちの1つの選択を受け付ける測点選択受付手段と、
前記選択された測点における各品質管理項目を、前記受信された計画情報から抽出する品質管理項目抽出手段と、
前記抽出された各品質管理項目の項目名を提示し、前記各品質管理項目に対する検査結果それぞれの入力を受け付ける検査結果入力受付手段と、
前記入力を受け付けた検査結果を前記サーバへ送信して、前記サーバに、前記検査結果の登録を要求する登録要求手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記計画情報、目標値、規格値、及び検査結果を、前記サーバから受信する情報受信手段と、
前記受信された目標値及び検査結果に基づいて、各品質管理項目に対する検査結果と目標値との差を算出する差算出手段と、
前記受信された計画情報、目標値、検査結果、規格値及び前記算出された差に基づいて、前記工事の各測点の各品質管理項目に対する、検査結果、目標値、検査結果と目標値との差、及び規格値が記載された帳票を生成して出力する帳票出力手段と、
を備え、
前記携帯端末に、前記規格値と、複数の前記検査結果と前記検査結果の品質管理項目の目標値との差と、を一覧可能に図示するとともに、前記差が前記規格値を超えた場合に、警告情報を出力する、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事における測定の記録についての情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、公共の土木工事では、工事の発注者である各地方整備局等が定めた土木工事共通仕様書の施工管理基準等に準拠して、施工が済んだ部分(「出来形」と呼ばれる)の形状、寸法等が、測定され記録される。記録された測定の結果は設計値と対比され、定められた基準に照らしてどの程度の精度で施工されたかが管理される(「出来形管理」と呼ばれる)。そして、測定の結果等を記した、提出先に応じた様式の出来形管理表等の管理表が作成され、工事の発注者等へ提出される。
【0003】
従来、このような出来形管理を行うために、担当者は、工事現場において実測した測定結果を、まず野帳に記帳していた。そして、担当者は、記帳された測定結果を、事務所等に設置されたコンピュータの表計算ソフト等へ、キーボード等を用いて慎重に入力する作業を行っていた。
【0004】
土木工事共通仕様書が地方整備局等ごとに独自に定められているため、出来形の測定項目、測点の間隔等の測定内容は、工事ごとに様々である。そのため、担当者は、施工管理基準や対象工事の施工計画書等を参照し、測定内容を調べ上げて正確に把握した上で、出来形の測定を行っていた。
【0005】
このような出来形管理を含む施工管理の作業を支援するためのシステムが提案されている。例えば、入力された実測値等に基づいて出来形管理表を出力する寸法管理装置が提案されている(特許文献1を参照)。また例えば、建築現場における施工管理に係る情報の管理を支援する建築現場施工管理一元化システムが提案されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−140830公報
【特許文献2】特開2002−092082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
工事が進行すると、施工箇所が埋没等して測定が困難になる可能性があるため、品質管理及び検査結果の記録は、適時に漏れなく行われる必要がある。そのため、検査に関する作業は慎重に行われる。
【0008】
また、一般に工事では、出来形の複数の測点における検査が求められ、上記のような慎重な作業が検査ごとに行われる。そのため、個々の検査に伴って行われる、検査内容の把握作業や、検査結果の記帳及びコンピュータへの入力作業等が積み重なって、工事全体として大きな作業負担となることがある。また、検査の都度、検査箇所に関わる施工の中断を要するため、個々の検査に関する作業に時間がかかると、工事全体の進捗に悪影響を及ぼし得る。
【0009】
このような状況に鑑み、本発明は、施工管理で求められる工事現場での検査の情報を、より簡単に収集することを支援する情報処理技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、次のプログラムである。
工事における測点及び品質管理項目を含む計画情報を記憶するサーバと通信可能な携帯端末に、
前記工事の計画情報を前記サーバから受信する計画情報受信ステップと、
前記受信された計画情報が含む測点のうちの1つの選択を受け付ける測点選択受付ステップと、
前記選択された測点における各品質管理項目を、前記受信された計画情報から抽出する品質管理項目抽出ステップと、
前記抽出された各品質管理項目の項目名を提示し、前記各品質管理項目に対する検査結果それぞれの入力を受け付ける検査結果入力受付ステップと、
前記入力を受け付けた検査結果を前記サーバへ送信して、前記サーバに、前記検査結果の登録を要求する登録要求ステップと
を実行させるためのプログラム。
【0011】
ここで、測点とは、基準に準拠等するように予め定められた、検査を行う位置をいう。例えば施工延長40mにつき1箇所ずつ等、同一工種により施工される1構造物に対して複数の測点が定められることがある。
【0012】
このようなプログラムでは、選択された測点における各品質管理項目の項目名が提示されるため、担当者等は、工事現場等に携行した携帯端末を用いて、検査を行う現場で品質管理項目を容易に把握した上で検査を行い、その場で検査結果を入力できる。そして、入力が受け付けられた検査結果は、更なる作業を要さなくても、サーバに登録される。よって、施工管理で求められる工事現場での品質管理の情報を、より簡単に収集することが可能になる。
【0013】
また本発明は、次の特徴を有するプログラムであってもよい。
前記携帯端末に、
前記サーバで登録された登録済みの検査結果を、前記サーバから受信する登録済検査結果受信ステップを更に実行させ、
前記検査結果入力受付ステップでは、前記抽出された品質管理項目に対する登録済みの検査結果が受信されていた場合に、前記登録済みの検査結果を提示し、前記登録済みの検査結果の変更値の入力を受け付ける。
【0014】
このようなプログラムでは、品質管理項目に対する検査結果の入力の際にサーバに登録済みの検査結果が提示されるため、携帯端末のユーザは、当該品質管理項目が検査済みであることを認識した上で、必要な場合に限って検査結果の変更値を入力できる。よって、不要な検査作業や検査結果の入力作業の発生を抑制できる。特に、検査作業を複数人で分担する場合には、担当者それぞれが携帯端末を携帯することで他者の検査の有無を把握できるため、効率の良い検査作業が行われることが期待できる。
【0015】
また本発明は、次の特徴を有するプログラムであってもよい。
前記携帯端末は、被写体を撮像する撮像部を有し、
前記携帯端末に、
撮像操作を受け付けると、前記撮像部を制御して写真データを取得する写真取得ステップと、
前記取得された写真データを前記選択された測点との関連を示す情報とともに前記サーバへ送信して、前記サーバに、前記検査結果の測点と関連付いた前記写真データの登録を
要求する写真登録ステップと
を更に実行させる。
【0016】
このようなプログラムでは、検査結果を入力可能な携帯端末を用いて、測点と関連付いた写真データをサーバに登録できる。そのため、同じ測点に関する検査結果と測定に関する写真とをまとめて登録することにより、工事写真の撮り忘れや登録漏れを抑制できる。工事写真は、通常、整理されて撮影箇所等の付加情報が付された上で工事の発注者等へ提出される。このようなプログラムによれば、測点と関連付いた態様で写真データが登録されるため、より簡単な作業で、整理等が容易な態様での写真データの記録を行うこともできる。
【0017】
また本発明は、次の特徴を有するプログラムであってもよい。
前記サーバは、1品質管理項目に対して複数の検査結果を登録可能であり、
前記検査結果入力受付ステップでは、番号の指定と前記番号に関連付く検査結果の入力とを受け付け、
前記登録要求ステップでは、前記入力を受け付けた検査結果を、前記指定された番号とともに送信して、前記サーバに、前記指定された番号に関連付けられた検査結果の登録を要求する。
【0018】
このようなプログラムでは、1品質管理項目に対して複数の検査結果がサーバに登録され得るため、例えば担当者のみによる最初の検査、品質管理者が立ち会ったときの検査、検査官が立ち合ったときの検査等の、複数の異なった状況における検査それぞれの検査結果を簡単に管理することが可能となる。
【0019】
また本発明は、次の特徴を有するプログラムであってもよい。
前記計画情報には、前記工事における品質管理項目の目標値、及び施工される構造物の品質の差の許容限界を示す規格値が含まれており、
前記携帯端末に、
前記検査結果の入力を受け付けると、前記入力を受け付けた検査結果と前記検査結果の品質管理項目の目標値との差を算出し、前記算出された差が前記品質管理項目に対する規格値を超えた場合に、警告情報を出力する警告出力ステップと
を更に実行させる。
【0020】
このようなプログラムでは、携帯端末に検査結果を入力すると、検査結果と目標値との差が規格値を超えた場合に、警告情報が出力される。そのため、施工した構造物が規格値を満足するか否かを、検査を行う工事現場等で迅速に把握することができ、規格値を満足しない場合には、早期に対処することが可能となる。
【0021】
また本発明は、次の特徴を有するプログラムであってもよい。
同一の品質管理項目に対する規格値は、第1の規格値及び第2の規格値を含み、
前記警告出力ステップでは、前記算出された差が前記品質管理項目に対する第1の規格値を超えた場合に、第1の規格値を超えたことを示す警告情報を出力し、前記算出された差が前記品質管理項目に対する第2の規格値を超えた場合に、第2の規格値を超えたことを示す警告情報を出力する。
【0022】
このようなプログラムによれば、第1の規格値及び第2の規格値の両者の規格値に対する適合状況(満足するか否か)を、検査を行う工事現場等で早期に把握することができる。そのため、例えば、工事の発注者等が定める規格値だけでなく、高品質な工事に繋がるように設定された社内規格値等のより厳しい規格値に対しても、適合状況を迅速に把握して、早期に対処することが可能となる。
【0023】
また本発明は、次の特徴を有するプログラムであってもよい。
前記サーバは、地域ごとの測定の仕様情報を更に記憶し、
前記携帯端末に、
前記携帯端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記取得された位置情報に基づいて、前記携帯端末の位置を含む地域の品質管理の仕様情報を前記サーバから取得し、前記取得された仕様情報を出力する仕様情報出力ステップと
を更に実行させる。
【0024】
このようなプログラムによれば、工事現場へ携行した携帯端末によって、その工事現場がある地域に適用される仕様情報を、検索等の煩雑な操作を行わずに簡単に確認することができる。
【0025】
また本発明は、次の情報処理システムであってもよい。
サーバ、前記サーバと通信可能な携帯端末、及び、前記サーバと通信可能な情報処理装置を有する情報処理システムであって、
前記サーバは、
工事における測点及び品質管理項目を含む計画情報と、品質管理項目の目標値と、施工される構造物の品質の差の許容限界を示す規格値と、測点ごと品質管理項目ごとに登録される検査結果とを記憶する記憶部と、
前記携帯端末から受信した検査結果を前記記憶部に記憶させて登録する登録手段と、
前記記憶部が記憶する情報を前記携帯端末及び前記情報処理装置へ提供する情報提供手段と、
を備え、
前記携帯端末は、
前記工事の計画情報を前記サーバから受信する計画情報受信手段と、
前記受信された計画情報が含む測点のうちの1つの選択を受け付ける測点選択受付手段と、
前記選択された測点における各品質管理項目を、前記受信された計画情報から抽出する品質管理項目抽出手段と、
前記抽出された各品質管理項目の項目名を提示し、前記各品質管理項目に対する検査結果それぞれの入力を受け付ける検査結果入力受付手段と、
前記入力を受け付けた検査結果を前記サーバへ送信して、前記サーバに、前記検査結果の登録を要求する登録要求手段と
を備え、
前記情報処理装置は、
前記計画情報、目標値、規格値、及び検査結果を、前記サーバから受信する情報受信手段と、
前記受信された目標値及び検査結果に基づいて、各品質管理項目に対する検査結果と目標値との差を算出する差算出手段と、
前記受信された計画情報、目標値、検査結果、規格値及び前記算出された差に基づいて、前記工事の各測点の各品質管理項目に対する、検査結果、目標値、検査結果と目標値との差、及び規格値が記載された帳票を生成して出力する帳票出力手段と、
を備える、
情報処理システム。
【0026】
このような情報処理システムでは、携帯端末から入力され、サーバに登録された検査結果が、情報処理装置に受信され、目標値との差の算出等がされて帳票が出力される。帳票の出力にあたって、煩雑なデータの移動作業や再入力作業等を要さないため、検査結果に
関する所定帳票を迅速かつ正確に作成することができる。
【0027】
また、本発明は、プログラムを実行するコンピュータその他の装置、機械等(以下、「コンピュータ等」とも表記する)、または、コンピュータ等がプログラムを実行する情報処理方法としても把握することが可能である。また、本発明は、プログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、施工管理で求められる工事現場での検査の情報を、より簡単に収集できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムを例示する図である。
図2図2は、実施形態における各装置のハードウェア構成を例示する図である。
図3図3は、実施形態に係る各装置の機能構成を例示する図である。
図4図4は、工種選択画面を例示する図である。
図5図5は、出来形測定画面を例示する図である。
図6図6は、撮影画面を例示する図である。
図7図7は、管理グラフ画面を例示する図である。
図8図8は、出来形管理表を例示する図である。
図9図9は、情報処理システムの主な処理の流れを例示する図である。
図10図10は、施工管理記録の登録処理の流れを例示するフローチャートである。
図11図11は、データの同期処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的な構成に限定するものではない。
【0031】
説明は、次の順序で記載される。
1.情報処理システムの概要
2.ハードウェア構成
3.機能構成
4.処理の流れ
5.まとめ
6.その他
【0032】
<情報処理システムの概要>
本実施形態の情報処理システムは、土木工事の施工管理における出来形管理を支援する。情報処理システムでは、出来形の寸法等の測定結果が収集され、収集された測定結果に基づいて、出来形管理表等の提出用の帳票が出力される。情報処理システムでは、複数の工事それぞれの出来形管理が支援される。また、出来形の測定状況等の管理状況を写した出来形管理写真の写真データも収集され、提出用の工事写真の電子納品物の作成等に活用される。なお、土木工事に限らず、情報処理システムによって、建設工事の施工管理が支援されてもよい。
【0033】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムを例示する図である。図1には、携帯端末1、データバンクサーバ2、施工管理装置3、及びインターネットNが示されている。図1には、複数台の携帯端末1が示されている。
【0034】
携帯端末1は、工事の担当者や監督等のユーザによって工事現場CS等へ携行され、施工管理のために記録される施工管理記録のデータを収集するために操作される情報端末である。収集される施工管理記録のデータは、出来形の測定結果や出来形管理写真等のデータである。携帯端末1は、例えば、スマートフォンである。携帯端末1では、施工管理を支援する専用のアプリケーションである施工管理アプリケーションが動作する。携帯端末1は、インターネットNを介してデータバンクサーバ2と通信可能である。携帯端末1は、工事に関して立案された出来形管理計画を含む施工管理計画のデータをデータバンクサーバ2から受信(ダウンロード)し、データバンクサーバ2へ施工管理記録のデータを送信(アップロード)する。携帯端末1のハードウェアの詳細については、後述する。なお、携帯端末1は、タブレット端末、スマートグラス、ウェアラブルデバイス等であってもよい。
【0035】
データバンクサーバ2は、工事に関して立案された施工管理計画のデータ、及び収集された施工管理記録のデータを保管し、各データを携帯端末1及び施工管理装置3へ提供するコンピュータである。データバンクサーバ2は、複数の工事の施工管理計画及び施工管理記録のデータを、工事ごとに保管する。データバンクサーバ2は、インターネットNに接続される。データバンクサーバ2は、「サーバ」の一例である。データバンクサーバ2のハードウェアの詳細については、後述する。
【0036】
施工管理装置3は、工事の受注者等が操作する情報処理装置であり、例えば、パーソナルコンピュータである。施工管理装置3では、施工管理を支援する専用アプリケーションが動作し、設計情報の入力や施工管理計画のデータの作成、工事の発注者に提出する帳票の作成等を行うために用いられる。施工管理装置3のハードウェアの詳細については、後述する。
【0037】
インターネットNは、世界規模の公衆パケット通信網であり、携帯端末1とデータバンクサーバ2と施工管理装置3とを接続する。なお、インターネットNの代わりに、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)やその他のパケット通信網が採用されてもよい。
【0038】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態における各装置のハードウェア構成を例示する図である。図2には携帯端末1、データバンクサーバ2、及び施工管理装置3のハードウェア構成が示されている。
【0039】
携帯端末1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only
Memory)13、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置14、無線LANのアクセスポイント等を介してインターネットNに接続されるNIC(Network interface controller)15、タッチパネル等の操作部16、ディスプレイ等の表示部17、被写体を撮像素子で撮像して画像データを取得するカメラ18(「撮像部」の一例)、GPS(Global Positioning System)受信機19を備えたコンピュータである。なお、携帯端末1は、NIC15の代わりにLTE(Long Term Evolution)等の携帯電話通信網を介してインターネットNと接続されてもよい。
【0040】
CPU11は、中央処理装置であり、RAM12等に展開された命令及びデータを処理することで、RAM12、補助記憶装置14等を制御する。RAM12は、主記憶装置あり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。補助記憶装置14は、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラム、永続的な保存が求められるデータ等が記憶される。
【0041】
データバンクサーバ2は、CPU21、RAM22、ROM23、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置24(「記憶部」の一例)、及びゲートウェイ等を介してインターネットNに接続されるNIC25を備えるコンピュータである。図2では、データバンクサーバ2が1台のコンピュータで例示されているが、データバンクサーバ2は、例えば、ネットワークで接続された複数台のコンピュータであってもよい。
【0042】
施工管理装置3は、CPU31、RAM32、ROM33、HDD等の補助記憶装置34、及びゲートウェイ等を介してインターネットNに接続されるNIC35、キーボードやマウス等の操作部36、ディスプレイ等の表示部37を備えるコンピュータである。また、図示されていないが、施工管理装置3は、印刷を行うプリンタと接続される。
【0043】
<機能構成>
図3は、本実施形態に係る各装置の機能構成を例示する図である。図3には、携帯端末1、データバンクサーバ2、及び施工管理装置3の主な機能が例示されている。
【0044】
(携帯端末1の機能)
携帯端末1は、補助記憶装置14に記憶された施工管理アプリケーション等のプログラムが、RAM12に読み出され、CPU11によって実行されることで、施工管理記録データベースD11、施工管理計画データベースD12、情報受信部F101、工種選択受付部F111、測点選択受付部F112、測定項目抽出部F113、実測値入力受付部F114、警告出力部F115、登録要求部F121、写真取得部F131、写真登録部F132、及び管理グラフ表示部F141を備えるコンピュータとして機能する。なお、情報受信部F101は、「計画情報受信手段」の一例である。また、測点選択受付部F112、測定項目抽出部F113、実測値入力受付部F114、及び登録要求部F121は、それぞれ、「測点選択受付手段」、「測定項目抽出手段」、「実測値入力受付手段」、及び「登録要求手段」の一例である。
【0045】
なお、本実施形態において、携帯端末1が備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。ここで、ハードウェアの演算回路とは、例えば、論理ゲートを組み合わせた加算回路、乗算回路、フリップフロップ等をいう。また、これらの機能の一部または全部は、別途のコンピュータにおいて実行されてもよい。
【0046】
施工管理記録データベースD11は、各工事における測定の実測値、及び出来形管理写真の写真データを含む施工管理記録データを、補助記憶装置14に記憶して蓄積するデータベースである。蓄積される各実測値は、施工管理計画データベースD12に蓄積される施工管理計画データの測定項目と関連付けられる。また、本実施形態では、同一測点の同一測定項目に対して、4回分の測定の実測値(実測値1〜実測値4)を蓄積できる。本実施形態では測定の各回を実測回と呼ぶことがある。実測回は、番号1〜4により識別される。また、蓄積される出来形管理写真の写真データは、施工管理計画データベースD12に蓄積される施工管理計画データの測点と関連付けられる。
【0047】
施工管理計画データベースD12は、各工事における、工種(種別、細別を含む)、工
種ごとの測点、及び、測点ごとの測定項目のデータを含む施工管理計画データ(「計画情報」の一例)を、補助記憶装置14に蓄積するデータベースである。蓄積される施工管理計画データは、工事における構造物の寸法の設計値等を含む設計情報を有する。また、蓄積される施工管理計画データは、施工された構造物の誤差の許容限界を示す規格値として、工事の発注者の管理基準に準拠した規格値、及び、工事の受注者等が定めた社内規格値を有する。規格値及び社内規格値それぞれは、許容限界の上限を示す上限値と、許容限界の下限を示す下限値とを有する。なお、規格値は、「第1の規格値」の一例であり、社内規格値は、「第2の規格値」の一例である。
【0048】
情報受信部F101は、施工管理計画データをデータバンクサーバ2から受信して、施工管理計画データベースD12に蓄積される施工管理計画データと同期をとる。また、情報受信部F101は、施工管理記録データをデータバンクサーバ2から受信して、施工管理記録データベースD11に蓄積される施工管理記録データと同期をとる。この同期により、データバンクサーバ2で登録済みの実測値及び写真データが、携帯端末1に受信されて、施工管理計画データベースD12に登録されることになる。なお、情報受信部F101は、携帯端末1を操作するユーザがアクセス許可された工事に関するデータのみ、データバンクサーバ2から受信できる。
【0049】
工種選択受付部F111は、選択中の工事において計画された工種のうちの1つの選択を受け付ける。工種の選択は、表示部17に表示される工種選択画面を用いて行われる。
【0050】
図4は、工種選択画面を例示する図である。工種選択画面SC1では、選択中の工事において計画されている工種の工種名の一覧が、出来形の測定箇所を示す略図とともに表示される。略図は、工種における各測定項目の測定部分を示す寸法線及び寸法補助記号を有し、視覚的に表示される略図によって、測定部分が容易に把握できるようになっている。工種選択画面SC1では、表示された工種名の押下により工種が選択可能である。
【0051】
測点選択受付部F112は、選択中の工種において測定が計画された測点のうちの1つの選択を受け付ける。測点選択受付部F112が、選択中の工種における測点の名称一覧を表示し、ユーザが、表示された測点の1つを選択する。
【0052】
測定項目抽出部F113は、施工管理計画データベースD12から、選択中の測点の測定項目全てを抽出する。
【0053】
実測値入力受付部F114は、工事ごと工種ごと測点ごとの各測定項目に対する出来形の実測値それぞれの入力を受け付ける。実測値の入力は、表示部17に表示される出来形測定画面を用いて行われる。出来形測定画面では、工事、工種、測点、及び測定項目が選択された上で、1実測値ずつの入力が行われる。
【0054】
図5は、出来形測定画面を例示する図である。出来形測定画面SC2は、工種表示領域SC210、測点表示領域SC220、測定項目表示領域SC230、出来形写真撮影ボタンSC240を有する。出来形測定画面SC2は、測定項目変更ボタンSC231、設計値表示領域S232、実測値名表示領域SC233、実測値表示領域SC234、実測値ステッパーSC235、差表示領域SC236、規格値表示領域SC237、社内規格値表示領域SC238、及び測定項目インジケータSC239を更に有する。
【0055】
工種表示領域SC210には、選択中の工種が表示される。測点表示領域SC220には、選択中の測点の名称(番号や記号で表記されたものを含む)が表示される。測定項目表示領域SC230には、選択中の測定項目の項目名、及び上述の略図における測定項目の寸法補助記号(図5では「h」)が表示される。出来形管理写真撮影ボタンSC240
は、出来形管理写真の撮影機能を起動するためのボタンである。
【0056】
測定項目変更ボタンSC231は、選択中の測定項目を変更するためのボタンである。設計値表示領域S232には、選択中の測定項目に対する設計値が表示される。実測値名表示領域SC233には、現在指定されている実測回に対応した実測値の名称(「実測値」に番号を連結したもの)が表示される。図5では、実測値名表示領域SC233に「実測値1」と表示されており、この表示は、番号1の実測値が指定されていることを表している。実測値表示領域SC234には、選択中の測定項目に対して入力される実測値が表示される。図5では、実測値表示領域SC234が空欄となっており、この表示は、実測値が未入力であることを表している。実測値ステッパーSC235は、実測値を増減して入力するためのボタン(「−」及び「+」のボタン)である。
【0057】
差表示領域SC236には、実測値と設計値との差が表示される。図5では、実測値が未入力のため、空欄となっている。規格値表示領域SC237には、選択中の測定項目に対する規格値が表示される。社内規格値表示領域SC238には、選択中の測定項目に対する社内規格値が表示される。測定項目インジケータSC239は、点の個数によって選択中の測点における測定項目の項目数を表し、黄色の点によって選択中の測定項目が何番目の測定項目であるかを表すものである。図5の測定項目表示領域SC230及び測定項目インジケータSC239は、2項目ある測定項目のうち、1番目の「糸下り」の測定項目が選択されていることを表している。
【0058】
警告出力部F115は、実測値入力受付部F114によって入力を受け付けた実測値と、当該実測値の測定項目に対する設計値との差を算出し、算出された差が当該測定項目に対する規格値または社内規格値を超えた場合に、警告情報を出力する。
【0059】
登録要求部F121は、入力を受け付けた実測値をデータバンクサーバ2へ送信して、データバンクサーバ2に、実測値の登録を要求する。
【0060】
写真取得部F131は、選択中の測点に対する撮像操作を受け付けると、カメラ18を制御して写真データを取得する。撮像操作は、撮影画面を用いて行われる。
【0061】
図6は、撮影画面を例示する図である。撮影画面SC3は、撮像を指示するためのシャッターボタンSC31、及び撮像される予定の写真データを表示する写真表示領域SC32を有する。撮影画面SC3では、画素数の変更やフラッシュの有無の変更の操作も行うことができる。また、撮影画面SC3では、黒板を模した電子黒板と呼ばれる画像データの合成有無の変更操作や電子黒板の記入内容の変更操作も行うことができる。電子黒板には、工事名、工種名、測点名、測定結果等の情報が記入される。図6の撮影画面SC3には、合成を行う場合の電子黒板SC33が例示されている。
【0062】
写真登録部F132は、写真取得部F131によって取得された写真データを、選択中の測点との関連を示す情報とともにデータバンクサーバ2へ送信して、データバンクサーバ2に、当該測点と関連付いた写真データの登録を要求する。
【0063】
管理グラフ表示部F141は、施工管理記録データベースD11及び施工管理計画データベースD12を参照して、測点ごとの実測値と設計値との差を、測定項目の規格値、及び社内規格値とともに示した管理グラフを生成して表示する。この管理グラフは、例えば、横軸に測点の名称、縦軸に値をとった形式で、工種別、測定項目別に生成される。
【0064】
図7は、管理グラフ画面を例示する図である。管理グラフ画面SC4は、設計差グラフ線SC41、2本の規格値グラフ線SC42、及び、2本の社内規格値グラフ線SC43
を有する。設計差グラフ線SC41は、各測点における実測値と設計値との差の値を縦座標により示した折れ線である。規格値グラフ線SC42及び社内規格値グラフ線SC43それぞれは、規格値及び社内規格値を縦座標により示した直線であり、その上方の直線が上限値を示し、その下方の直線が下限値を示す。図7では、設計差グラフ線SC41が、各測点「M637−1+5m」、「M637−2+3m」、及び「M638−1+30m」における、実測値と設計値との差の値「−25」、「+5」、「+5」を示している。規格値グラフ線SC42は、規格値が±30であることを示し、社内規格値グラフ線SC43は、社内規格値が±24であることを示している。図7では、測点「M637−1+5m」において、社内規格値を満足していないことがわかる。
【0065】
本実施形態の管理グラフ表示部F141によれば、携帯端末1を用いて管理グラフ画面SC4が示すようなグラフを確認できるため、工事現場CS等において、簡易迅速に出来形管理を行うことが可能となる。
【0066】
(データバンクサーバ2の機能)
データバンクサーバ2は、補助記憶装置24に記憶されているプログラムが、RAM22に読み出され、CPU21によって実行されることで、施工管理記録マスタデータベースD21、施工管理計画マスタデータベースD22、登録部F21、及び情報提供部F22を備えるコンピュータとして機能する。施工管理記録マスタデータベースD21、及び施工管理計画マスタデータベースD22は、実行されるデータベース管理システムのプログラムが、補助記憶装置24に記憶されるデータを管理することで構築される。登録部F21及び情報提供部F22は、それぞれ、「登録手段」及び「情報提供手段」の一例である。なお、データバンクサーバ2が備えるこれらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。
【0067】
施工管理記録マスタデータベースD21は、各携帯端末1等から収集された各工事の施工管理記録データを蓄積する。蓄積される施工管理記録データには、携帯端末1の施工管理記録データベースD11と同様に、測定の実測値及び出来形管理写真の写真データが含まれる。
【0068】
施工管理計画マスタデータベースD22は、施工管理装置3等により作成された各工事の施工管理計画データを蓄積する。蓄積される施工管理計画データには、携帯端末1の施工管理計画データベースD12と同様に、工種、測点、測定項目、設計値、規格値、社内規格値等のデータが含まれる。
【0069】
登録部F21は、携帯端末1から受信した実測値等を含む施工管理記録データを施工管理記録マスタデータベースD21に登録して蓄積させる。
【0070】
情報提供部F22は、施工管理記録マスタデータベースD21が蓄積する施工管理記録データ、及び施工管理計画マスタデータベースD22が蓄積する施工管理計画データを、携帯端末1及び施工管理装置3へ提供する。情報提供部F22は、パスワード等を用いたログイン機能により、データバンクサーバ2と通信を行う携帯端末1や施工管理装置3を操作するユーザを識別し、識別されたユーザがアクセス許可された工事に関するデータのみを提供する。なお、このようなアクセスの制御は、例えば、情報処理システムの利用者を識別する利用者識別情報や各利用者のアクセス権限を示す情報が補助記憶装置24に記憶され、携帯端末1とデータバンクサーバ2との間でログイン情報が送受されて、記憶された利用者識別情報等と照合されることにより実現される。
【0071】
(施工管理装置3の機能)
施工管理装置3は、補助記憶装置34に記憶されているプログラムが、RAM32に読
み出され、CPU31によって実行されることで、施工管理基準データベースD31、情報受信部F31、差算出部F32、及び帳票出力部F33を備えるコンピュータとして機能する。情報受信部F31、差算出部F32、及び帳票出力部F33は、それぞれ、「情報受信手段」、「差算出手段」、及び「帳票出力手段」の一例である。なお、施工管理装置3が備えるこれらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。
【0072】
施工管理基準データベースD31は、土木工事共通仕様書の施工管理基準等、工事の発注者ごとに定められる施工管理基準のデータを蓄積する。なお、施工管理基準のデータは、データバンクサーバ2に蓄積されてもよい。
【0073】
情報受信部F31は、施工管理計画データや施工管理記録データを、データバンクサーバ2から受信する。
【0074】
差算出部F32は、施工管理計画データ及び施工管理記録データに基づいて、各測定項目に対する実測値と設計値との差を算出する。
【0075】
帳票出力部F33は、施工管理計画データ、施工管理記録データ、及び差算出部F32により実測値と設計値との算出された差に基づいて、工事の各測点の各測定項目に対する、実測値、設計値、実測値と設計値との差、及び規格値が記載された帳票(出来形管理表等)を生成して出力する。
【0076】
図8は、出来形管理表を例示する図である。図8の出来形管理表は、工種「コンクリート擁壁工」についての測定結果一覧表を表している。図8には、測定項目ごとの規格値、社内規格値、並びに、測定項目ごと測点ごとの、設計値、実測値、及び設計値と実測値との差等が記入されている。
【0077】
<処理の流れ>
図9図11を用いて、本実施形態の情報処理システムの主な処理の流れを説明する。なお、説明される処理の内容及び順序は一例であり、処理の内容及び順序には、実施の形態に適したものが適宜採用されることが好ましい。
【0078】
(情報処理システム全体の処理)
図9は、情報処理システムの主な処理の流れを例示する図である。この処理の流れでは、1件の工事に関する一連の処理が実行される。
【0079】
ステップS101では、施工管理装置3が、設計情報の登録を受け付ける。施工管理装置3のユーザは、工事の設計書に基づいて、工種、種別、細別、数量、単位等で表される設計情報を、操作部36等を介して入力する。施工管理装置3は、ユーザから入力された設計情報の登録を受け付ける。
【0080】
ステップS102では、施工管理装置3において、施工管理計画データが作成される。施工管理装置3は、登録が受け付けられた設計情報の各工種に対しての管理基準それぞれを、施工管理基準データベースD31から抽出し、ユーザに提示する。ユーザは、提示された管理基準に対して、測点及び社内規格値を設定する。更に、施工管理装置3は、抽出された管理基準に基づいて、規格値を自動で設定する。このようにして、施工管理装置3において、測点、規格値等が設定された施工管理計画データが作成される。
【0081】
ステップS103では、データバンクサーバ2が、作成された施工管理計画データを保管し、管理の対象とする。まず、施工管理装置3は、ステップS102で作成した施工管
理計画データを、データバンクサーバ2へ送信して、データバンクサーバ2に保管を要求する。一方、データバンクサーバ2は、受信した施工管理計画データを、施工管理計画マスタデータベースD22に登録する。ここで登録された施工管理計画データは、携帯端末1の施工管理計画データベースD12の施工管理計画データと同期されることになる。同期処理の詳細については後述する。
【0082】
ステップS104では、携帯端末1において、出来形の測定結果や出来形管理写真のデータを含む施工管理記録データが登録される。携帯端末1のユーザは、工事現場CS等において、出来形の測定を行い、各測点における測定結果を携帯端末1へ入力する。また、ユーザは携帯端末1を用いて、出来形管理写真等を撮影する。入力された測定結果や撮影された写真のデータは、携帯端末1の施工管理記録データベースD11へ登録される。ステップS104の処理の詳細については、後述する。
【0083】
ステップS105では、データバンクサーバ2が、携帯端末1で登録された施工管理記録データを保管し、管理の対象とする。データバンクサーバ2は、ステップS104で携帯端末1において登録された施工管理記録データを、携帯端末1から受信し、施工管理記録マスタデータベースD21に登録する。ここではデータの同期が行われるが、同期処理の詳細については後述する。
【0084】
ステップS106では、出来形の測定の計画と実績との対比が行われる。例えば、携帯端末1は、ユーザの操作に応じて、施工管理計画データが示す測点のうち、どの測点の測定が完了し、どの測点の測定が未完了であるかが記された測定実績表を表示する。具体的には、携帯端末1は、施工管理記録データベースD11に登録された施工管理記録データを参照し、実測値の登録の有無に基づいて、測定の完了の有無を判定して測定実績表を生成し、表示する。なお、複数の携帯端末1が実測値の収集に利用される場合において、ある携帯端末1によって実測値がデータバンクサーバ2に登録されると、当該登録された実測値は、データの同期処理により、各携帯端末1の施工管理記録データベースD11にも登録されることになる。そのため、測定実績表は、各携帯端末1で登録された実測値が反映されたものとして生成される。
【0085】
このような測定実績表は、測定実施のチェックリストの役割を果たすため、出来形の測定漏れの発生を抑制することができる。そして、仮に測定漏れ等が発生したとしても、測定実績表を確認した監督や担当者が早期に測定漏れ等に気づくことができる。そのため、測定漏れに起因する工事作業の手戻りの発生等を抑制することができる。なお、測定実績表には、工事の各工程のスケジュールや進捗のデータから割り出された、各測点の測定予定日の情報が更に記されてもよい。
【0086】
ステップS107では、施工管理装置3において、管理図表と電子成果物の自動作成が行われる。まず、施工管理装置3の情報受信部F31は、施工管理計画データ及び施工管理記録データをデータバンクサーバ2から受信する。次に、施工管理装置3の差算出部F32は、施工管理記録データの実測値、及び施工管理計画データの設計値を参照して、各測定項目に対する実績値と設計値との差を算出する。次に、施工管理装置3の帳票出力部F33は、工事の各測点の各測定項目に対する、実測値、設計値、実測値と設計値との差、及び規格値が記載された、図8に示されるような出来形管理表を生成して、プリンタを用いて印刷物として出力する。帳票出力部F33は、出来形管理表を電子ファイルとして出力してもよい。当該出来形管理表は、工事の発注者に合わせた所定書式で出力される。なお、帳票出力部F33は、図8に示されるような測定結果一覧表に限らず、実測値及び設計値の差と測点との関係を表したグラフ等が記載された出来形管理図表やその他の様式の書類を出力してもよい。
【0087】
また、施工管理装置3は、電子成果物としての出来形管理写真を含む工事写真のデータを、「国土交通省 デジタル写真管理情報基準」(以下、「デジタル写真管理情報基準」とも表記する)に準拠した形式で、CD−R、DVD−R等のリムーバブルメディアへ出力する。具体的には、施工管理装置3は、施工管理計画データ及び施工管理記録データに基づいて、出来形管理写真を表す画像ファイルとともに、撮影工種区分、撮影箇所、施工管理基準値等の項目のデータを含んだ、デジタル写真管理情報基準の写真管理ファイルを生成して、当該リムーバブルメディアに記録する。この際、施工管理装置3は、施工管理記録データの写真データに関連付いている測点、測点の工種、測点における実測値等に基づいて、写真管理ファイルの撮影工種区分、撮影箇所、施工管理基準値等を設定する。
【0088】
本実施形態のステップS107によれば、煩雑な作業を要さないで、出来形管理表や工事写真の電子成果物等が、データバンクサーバ2に収集された施工管理記録データ等に基づき自動生成される。そのため、簡易迅速に、施工管理の成果物を作成して発注者等へ提出することが可能となる。
【0089】
(施工管理記録の登録処理)
図10は、施工管理記録の登録処理の流れを例示するフローチャートである。この処理の流れは、図9のステップS104の処理の詳細を示すものであり、携帯端末1において実行される。この処理の流れは、例えば、ユーザが携帯端末1を操作して、対象工事が選択された上で、施工管理アプリケーションの出来形測定の支援機能が起動されたことを契機に開始する。なお、この処理の流れは、携帯端末1の施工管理計画データベースD12の施工管理計画データとデータバンクサーバ2の工管理計画マスタデータベースD22の施工管理計画データとの同期が完了していることが前提となっている。
【0090】
ステップS201では、工種が選択される。まず、工種選択受付部F111は、対象工事についての図4に示されるような工種選択画面SC1を表示する。次に、工種選択受付部F111は、工種選択画面SC1に表示された工種名の一覧のうちの1つを選択する選択操作(工種名の押下等)が行われたことを検出すると、当該選択操作の対象となった工種の選択を受け付ける。
【0091】
ステップS202では、選択中の工種における測点が抽出され、最初の測点が選択される。まず、測点選択受付部F112が、選択された工種における測点を、施工管理計画データベースD12から抽出する。本実施形態では、工種における各測点には順序が設定されている。測点選択受付部F112は、次に、抽出された測点のうちの最初の測点を選択する。なお、本実施形態のステップS202では最初の測点が自動的に選択されるが、選択中の工種における測点の名称が一覧表示され、ユーザによる選択操作の対象となった測点が選択されてもよい。
【0092】
ステップS203では、選択中の測点の測定項目が抽出され、最初の測定項目が選択される。まず、測定項目抽出部F113は、選択中の測点における測定項目全てを、施工管理計画データベースD12から抽出する。本実施形態の施工管理計画データベースD12の施工管理計画データにおいて、測点における各測定項目には順序が設定されている。測定項目抽出部F113は、次に、抽出された測定項目のうちの最初の測定項目を選択する。なお、本実施形態のステップS203では、最初の測定項目が自動的に選択されるが、抽出された測点の名称が一覧表示され、ユーザによる選択操作の対象となった測点が選択されてもよい。
【0093】
ステップS204では、実測値入力受付部F114が、実測回の番号を1に指定する。すなわち、「実測値1」が指定される。なお、本実施形態では、最初の実測回の番号としての1が自動的に指定されるが、ユーザによる指定操作によって指定されてもよい。
【0094】
ステップS205では、実測値入力受付部F114が、図5が示すような出来形測定画面SC2を表示する。ここで表示される出来形測定画面SC2は、対象工事、選択中の工種、選択中の測点、選択中の測定項目、及び指定中の実測回に対する実測値を入力するためのものである。例えば、図5の出来形測定画面SC2は、工種「上層路盤工」、測点「M637−1+5m」、測定項目「糸下り」に対する実測値1を入力するためのものである。なお、実測値が既に携帯端末1の施工管理記録データベースD11に登録されている場合(データの同期処理により登録済みの実測値がデータバンクサーバ2から受信されて登録されている場合を含む)、当該登録されている実測値が、出来形測定画面SC2の実測値表示領域SC233に表示される。
【0095】
ステップS206では、実測値入力受付部F114が、実測回の指定変更操作(実測値名表示領域SC233の押下)が受け付けられたか否かを判定する。実測回の指定変更操作が受け付けられたと判定された場合(S206;Yes)、別の実測回がユーザの操作により指定され、処理はステップS205に戻る。一方、実測回の指定変更操作が受け付けられたと判定されなかった場合(S206;No)、処理はステップS207へ進む。
【0096】
ステップS207では、実測値入力受付部F114が、測定項目の変更操作(測定項目変更ボタンSC231の押下)が受け付けられたか否かを判定する。測定項目の選択変更操作が受け付けられたと判定された場合(S207;Yes)、ステップS203で抽出された測定項目のうちの別の測定項目が、ユーザの操作に基づいて選択され、処理はステップS204に戻る。なお、本実施形態では、選択中であった測定項目の1項目前または1項目後の順序の測定項目が新たに選択される。一方、測定項目の選択変更操作が受け付けられたと判定されなかった場合(S207;No)、処理はステップS208へ進む。
【0097】
ステップS208では、測点選択受付部F112が、測点の選択変更操作(測点表示領域SC220の押下、及び測点の名称の一覧からの選択操作)が受け付けられたか否かを判定する。測点の選択変更操作が受け付けられたと判定された場合(S208;Yes)、ステップS202で抽出された測点のうちの別の測点が、ユーザの操作に基づいて選択され、処理はステップS203に戻る。一方、測点の選択変更操作が受け付けられたと判定されなかった場合(S208;No)、処理はステップS209へ進む。
【0098】
ステップS209では、工種選択受付部F111が、工種の選択変更操作(工種表示領域SC210の押下及び工種選択画面SC1での選択操作)が受け付けられたか否かを判定する。工種の選択変更操作が受け付けられたと判定された場合(S209;Yes)、別の工種が選択され、処理はステップS202に戻る。一方、工種の選択変更操作が受け付けられたと判定されなかった場合(S209;No)、処理はステップS210へ進む。
【0099】
ステップS210では、写真取得部F131が、出来形写真撮影ボタンSC240が押下されたか否かを判定する。出来形写真撮影ボタンSC240が押下されたと判定された場合(S210;Yes)、処理はステップS220へ進み、出来形管理写真の撮影機能が起動する。一方、撮影ボタンSCが押下されたと判定されなかった場合(S210;No)、処理はステップS211へ進む。
【0100】
ステップS211では、実測値入力受付部F114が、実測値の入力を受け付ける。出来形測定画面SC2の実測値ステッパーSC235の押下により増減され入力された実測値を受け付ける。例えば図10では、測定項目「糸下り」に対する実測値1の入力を受け付ける。実測値が既に携帯端末1の施工管理記録データベースD11に登録されている場合、実測値の変更値の入力を受け付けたことになる。実測値の入力が完了すると、処理は
ステップS212へ進む。なお、実測値は、テキスト入力の態様で入力されてもよいし、音声入力されてもよい。
【0101】
ステップS212では、登録要求部F121が、ステップS211において入力を受け付けた実測値を、工事、工種、測点、測定項目、及び実測回の番号に関連付いた実測値として携帯端末1の施工管理記録データベースD11に登録する。なお、既に工事、工種、測点、測定項目、及び実測回の番号に関連付いた実測値が施工管理記録データベースD11に登録されている場合、当該登録されている実測値が更新される。ここで、施工管理記録データベースD11に新たに登録、または更新されて登録された実測値は、データバンクサーバ2に登録された実測値との同期処理の対象となる。データの同期処理の詳細については、後述する。
【0102】
ステップS213では、警告出力部F115が、ステップS211で入力を受け付けた実測値と設計値との差が規格値を超えたか否かを判定する。具体的には、警告出力部F115は、当該実測値と選択中の測定項目に対する設計値との差を算出し、算出された差が選択中の測定項目に対する規格値を超えたか否かを判定する。ここで、設計値及び規格値は、施工管理計画データベースD12から抽出されるものである。より具体的には、警告出力部F115は、次式が満たされるとき、当該差が規格値を超えたと判定する。
(実測値−設計値)<規格値の下限値,規格値の上限値<(実測値−設計値)
【0103】
当該差が規格値を超えたと判定された場合(S213;Yes)、処理はステップS214へ進む。ステップS214では、警告出力部F115が、”規格値を超えています。”等の警告メッセージを有するダイアログを表示し、規格値表示領域SC237に警告を表すアイコンを表示する。なお、警告の音声が出力されてもよい。一方、当該差が規格値を超えたと判定されなかった場合(S213;No)、処理はステップS214を経由せずにステップS215へ進む。
【0104】
ステップS215では、警告出力部F115が、ステップS211において入力を受け付けた実測値と設計値との差が社内規格値を超えたか否かを判定する。具体的には、警告出力部F115は、算出された実測値と設計値との差が選択中の測定項目に対する社内規格値を超えたか否かを判定する。社内規格値は、規格値と同様に、施工管理計画データベースD12から抽出される。より具体的には、警告出力部F115は、次式が満たされるとき、当該差が社内規格値を超えたと判定する。
(実測値−設計値)<社内規格値の下限値,社内規格値の上限値<(実測値−設計値)
【0105】
当該差が社内規格値を超えたと判定された場合(S215;Yes)、処理はステップS216へ進む。ステップS216では、警告出力部F115が、”社内規格値を超えています。”等のメッセージを有する警告ダイアログを表示し、社内規格値表示領域SC238に警告を表すアイコンを表示する。ステップS216の後、処理はステップS205に戻る。一方、当該差が社内規格値を超えたと判定されなかった場合(S215;No)、処理はステップS216を経由せずにステップS205に戻る。
【0106】
処理が、出来形測定画面SC2を表示するステップS205へ戻ると、ユーザの操作に応じた別の測定項目に対する実測値の入力処理等が行われる。各工種の各測点の各測定項目に対する実測値それぞれが更に入力され(S211)、施工管理記録データベースD11に登録される(S212)。
【0107】
ステップS220〜S222では、出来形管理写真の撮影機能が実現され、出来形管理写真の写真データが施工管理記録データベースD11に登録される。まず、ステップS220では、写真取得部F131が、図5が示すような撮影画面SC3を表示し、シャッタ
ーボタンSC31の押下等の写真撮影のための操作をユーザから受け付ける。次に、ステップS221では、写真取得部F131が、カメラ18を制御して撮像を行い、写真データを取得する。
【0108】
次に、ステップS222では、写真登録部F132が、写真取得部F131により取得された写真データを、対象工事、工種、測点、及び実測回の番号に関連付けて、出来形管理写真の写真データとして施工管理記録データベースD11に登録する。ここで施工管理記録データベースD11に登録された写真データは、データバンクサーバ2の施工管理記録マスタデータベースD21に登録された写真データとの同期処理の対象となる。データの同期処理の詳細については、後述する。
【0109】
なお、写真データは、同一の対象工事、工種、測点、及び、実測回の番号に関連付けて、複数登録されてよい。例えば、全景写真と、工事名、工種名、測点名等を記入した黒板を写した写真と、出来形の寸法が確認できるように測定の目盛り等を拡大して写した写真との3枚分の写真データが同一の測点や実測回の番号等と関連付けられて登録されてもよい。また、写真データの一部には、上述した電子黒板の画像データが合成され、当該合成された写真データが施工管理記録データベースD11に登録されてもよい。更に、画像データが合成される電子黒板には、対象工事、選択中の工種、選択中の測点、入力された実測値等の値が記入されてもよい。
【0110】
ステップS220〜S222の処理が完了すると、処理は、ステップS205に戻り、ユーザの操作に応じた実測値の入力処理等が行われることになる。
【0111】
なお、図10の施工管理記録の登録処理の流れは、施工管理アプリケーションのメニュー画面へ戻るための操作等をユーザから受け付けると、終了する。
【0112】
(データの同期処理)
図11は、データの同期処理の流れを例示するフローチャートである。この処理の流れは、例えば、施工管理アプリケーションに自動同期の設定がされている状況において携帯端末1がインターネットNに接続されたことを契機に開始する。なお、データの同期処理は、携帯端末1がインターネットNに接続されている状況において、施工管理アプリケーションがユーザからデータ同期指示を受け付けたことや、同期対象のデータの新たな発生を検出したことを契機に実行されてもよい。
【0113】
ステップS301では、携帯端末1の登録要求部F121が、同期対象の実測値の有無を判定する。具体的には、登録要求部F121は、図10のステップS212で施工管理記録データベースD11に登録された実測値であり、データバンクサーバ2に登録された実測値と未同期である実測値を、同期対象の実測値であると判別して、その有無を判定する。同期対象の実測値があると判定された場合(S301;Yes)、処理はステップS302へ進む。一方、同期対象の実測値があると判定されなかった場合(S301;No)、処理はステップS303へ進む。
【0114】
ステップS302では、携帯端末1の登録要求部F121が、同期対象の実測値を施工管理記録データベースD11から抽出し、抽出した実測値をデータバンクサーバ2へ送信して、データバンクサーバ2に、当該実測値の登録を要求する。一方、データバンクサーバ2の登録部F21は、携帯端末1から受信した実測値を施工管理記録マスタデータベースD21に登録する。携帯端末1の登録要求部F121は、データバンクサーバ2への登録が完了した実測値を、以後、同期済みのデータとして取り扱う。
【0115】
ステップS303では、携帯端末1の写真登録部F132が、同期対象の写真データの
有無を判定する。具体的には、写真登録部F132は、図10のステップS222で施工管理記録データベースD11に登録された写真データであり、データバンクサーバ2に登録された写真データと未同期であるものを、同期対象の写真データであると判別して、その有無を判定する。同期対象の写真データがあると判定された場合(S303;Yes)、処理はステップS304へ進む。一方、同期対象の写真データがあると判定されなかった場合(S303;No)、処理はステップS305へ進む。
【0116】
ステップS304では、携帯端末1の写真登録部F132が、同期対象の写真データを施工管理記録データベースD11から抽出し、抽出した写真データをデータバンクサーバ2へ送信して、データバンクサーバ2に、当該写真データの登録を要求する。この際、写真データは、対象工事、工種、測点、及び実測回の番号との関連付けを示す情報とともに送信される。一方、データバンクサーバ2の登録部F21は、携帯端末1から受信した写真データを、対象工事、工種、測点、及び実測回の番号と関連付いた出来形管理写真の写真データとして施工管理記録マスタデータベースD21に登録する。携帯端末1の写真登録部F132は、データバンクサーバ2への登録が完了した写真データを、以後同期済みのデータとして取り扱う。
【0117】
ステップS305では、携帯端末1の情報受信部F101が、ダウンロード要求をデータバンクサーバ2へ送信する。当該ダウンロード要求には、最後にダウンロード要求により同期を行った日時を示す最終同期日時が含まれている。一方、ダウンロード要求を受信したデータバンクサーバ2の情報提供部F22は、最終同期日時以後に追加または変更された同期対象のデータを抽出し、要求元の携帯端末1へ送信する。
【0118】
具体的には、データバンクサーバ2の情報提供部F22は、同期対象のデータとして、施工管理記録マスタデータベースD21に格納された施工管理記録データを抽出する。更に、情報提供部F22は、同期対象のデータとして、施工管理計画マスタデータベースD22に格納された施工管理計画データを抽出する。ここで抽出されるデータは、携帯端末1を操作するユーザがアクセス可能な工事に関するデータに限定される。次に、データバンクサーバ2の情報提供部F22は、ダウンロード要求の応答として、抽出したデータ群を要求元の携帯端末1へ送信する。
【0119】
ステップS306では、携帯端末1の情報受信部F101が、同期対象のデータ群をデータバンクサーバ2から受信し、データベースを更新する。具体的には、情報受信部F101は、受信したデータ群のうちの施工管理記録データを用いて、施工管理記録データベースD11のデータを更新する。また、携帯端末1の情報受信部F101は、受信したデータ群のうちの施工管理計画データを用いて、施工管理計画データベースD12のデータを更新する。
【0120】
<まとめ>
以上説明した本実施形態では、携帯端末1で実測値を入力する際、施工管理計画に基づいて、測点の名称や、各測点における各測定項目の項目名が表示された。そのため、担当者等は、従来のような慎重な測定内容の把握作業を行わなくても、測定を行う工事現場CS等で、測点の測定項目等を容易かつ正確に把握した上で実測を行い、その場で実測値を入力できる。また、本実施形態では、担当者等が更なる作業等を行わなくとも、入力された実測値が同期されてデータバンクサーバ2に登録された。そのため、従来のような測定結果の野帳等への記帳、記帳を参照しながらのコンピュータへの入力作業等は、不要となる。よって、施工管理で求められる工事現場CSでの出来形の実測の情報を、より簡単に収集することが可能になる。更に、野帳の記載からのコンピュータへの入力作業を要しないため、入力誤りを抑制することもできる。
【0121】
また、本実施形態では、データバンクサーバ2に登録済みの実測値が、データの同期により携帯端末1に受信され、携帯端末1において出来形測定画面SC2等の中で表示された。そのため、携帯端末1のユーザは、測定済みの測点等を把握した上で、必要な場合に限って測定を行うことができる。特に、測定作業を複数人で分担分業する場合には、各担当者が携帯端末1を携帯することで他者の測定の有無等を把握できるため、効率の良い測定作業が行われることが期待できる。
【0122】
また、本実施形態では、同一の測定項目に対して実測値1〜実測値4が入力、登録できた。そのため、複数の異なった状況における測定それぞれの実測値を簡単に収集することが可能となる。
【0123】
土木工事施工管理基準では、公共工事における各出来形の各実測値は、全て規格値を満足する必要があることが定められている。また、受注者や施工者等は、より厳しい社内規格値を定めて工事の高品質な工事に取り組むこともある。そのため、工事の受注者や施工者等にとって、出来形が規格値や社内規格値を満足するか否かは、重大な関心事である。本実施形態では、入力された実測値が規格値または社内規格値を超えた場合に、警告ダイアログ等が表示された。そのため、測定の担当者等は、施工した構造物が規格値及び社内規格値を満足している否かの状況を、測定を行う工事現場CS等で迅速に把握することができる。そして、規格値が満足されない場合には、早期の対処が可能となる。例えば、工事が進捗した後に規格値に満足しない出来形があったことに気づいて、その対処のために施工の手戻りが生ずるような事態が抑制され得る。
【0124】
また、本実施形態では、実測値の入力の際に、携帯端末1で出来形管理写真等を撮影して、実測値の測点と関連付いた写真データをサーバに登録できた。同じ測点における実測値と測定に関する写真とをまとめて登録できるため、測定の写真の撮り忘れを抑制しつつ、整理が容易な態様での写真データの記録を、より簡単な作業で行うことができる。
【0125】
<その他>
(共通仕様書等の表示)
携帯端末1は、携帯端末1の現在位置に対応した土木工事共通仕様書(施工管理基準を含む)を表示する機能を有してもよい。このような実施形態について説明する。
【0126】
このような実施形態では、データバンクサーバ2は、更に、各地方整備局等が定めた、地域ごとの土木工事共通仕様書を蓄積した共通仕様データベースを備える。また、携帯端末1は、更に、位置情報取得部、及び仕様情報出力部を備えたコンピュータとして機能する。位置情報取得部は、GPS受信機19を用いて、携帯端末1の現在位置を取得する。仕様情報出力部は、仕様情報の表示操作をユーザから受け付けると、位置情報取得部により取得された位置情報に基づいて、携帯端末1の現在位置を含む地域における土木工事共通仕様書のデータをデータバンクサーバ2から取得し、取得した土木工事共通仕様書を表示する。
【0127】
このような実施形態によれば、工事現場において、その工事現場がある地域に適用される土木工事共通仕様書の情報を、検索等の煩雑な操作を行わずに簡単に確認することができる。例えば、測定作業の担当者が、土木工事共通仕様書に含まれる測定に関する管理基準の情報等を参照しつつ、簡単に実測を行うことが可能となる。
【0128】
なお、以上説明した実施形態では、携帯端末1の位置情報が、GPSという衛星測位システムによって取得されたが、位置情報は、その他の測位技術によって取得されてもよい。例えば、位置情報は、携帯電話網や無線LANの基地局を利用した測位システム、Bluetooth(登録商標) Low EnergyやZigBee(登録商標)の通信
電波を利用した測位システムによって取得されてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1 携帯端末
2 データバンクサーバ(サーバ)
3 施工管理装置(情報処理装置)
CS 工事現場
N インターネット
D11 施工管理記録データベース
D12 施工管理計画データベース
D21 施工管理記録マスタデータベース
D22 施工管理計画マスタデータベース
D31 施工管理基準データベース
SC1 工種選択画面
SC2 出来形測定画面
SC3 撮影画面
SC4 管理グラフ画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11