(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481838
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】19×19乗算表
(51)【国際特許分類】
G09B 19/02 20060101AFI20190304BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
G09B19/02 H
B42D15/00 301J
【請求項の数】4
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-159775(P2017-159775)
(22)【出願日】2017年8月4日
(65)【公開番号】特開2019-32499(P2019-32499A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2017年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】517295193
【氏名又は名称】佐々木 康博
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康博
【審査官】
奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】
かけ算・19×19,学ぶ・教える.COM,2008年 9月 6日,[online], 2018年9月21日検索, 2008年9月6日時点のウェブアーカイブ,URL,https://web.archive.org/web/20080906132312/http://www.manabu-oshieru.com/shougaku/sansu/keisan/kakezan/tokutoku.html
【文献】
20×20掛け算表 D-001646-ポスターのデザイン,Win-WinWeb素材集,2013年 8月 4日,[online], 2018年9月21日検索,URL,http://w3s.jp/dtps/php?id=1646
【文献】
ビジネスは掛け算,FujinoJun.com,2015年10月25日,[online], 2018年9月21日検索,URL,http://fujinojun.com/successway/multiplication/
【文献】
横田秀珠,インド式20×20掛け算より効果的な数字の積32個を暗記の訳,YokotaShurin.com,2015年10月14日,[online], 2018年9月21日検索,URL,https://yokotashurin.com/etc/multiplication-table.html
【文献】
ロシアの乗算表2に,depositphotos,2016年 8月19日,[online], 2018年9月21日検索,URL,https://jp.depositphotos.com/120393358/stock-illustration-in-russian-multiplication-table-2.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00−9/56,17/00−19/26
B42D 1/00−15/00,15/04−19/00
A63H 1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
「九九の範囲及び縦横同数乗算の乗算正答を強調色」、「九九以外の乗算正答10〜99を中間色」、「縦横同数乗算以外の乗算正答102〜342を前記強調色及び前記中間色と異なる別色」となるよう、乗算正答のマス目に色分けを施した、19×19までの乗算表を有することを特徴とする学習教材または事務用品。
【請求項2】
「九九の範囲以外」のマス目内に、掛け合わせの元となる数字を記載し、その際、横ラインの掛け合わせ元となる数字を、横マス目内に連続して並べ、縦ラインの掛け合わせ元となる数字を、縦マス目内に連続して並べた、19×19までの乗算表を有することを特徴とする学習教材または事務用品。
【請求項3】
「10×(11〜19)」及び「(11〜19)×10」の乗算正答である「110、120、130、140、150、160、170、180、190」のマス目において、「一の位の0の数字」を薄く小さくし、「十の位と百の位の数字」を太く強調し、かつ、下地の見え方を他のマス目と異なるものとした、19×19までの乗算表を有することを特徴とする学習教材または事務用品。
【請求項4】
乗算元となる数字をマス目外に記載し、その際、左側と上側においては各マス目の中央付近に記載し、右側と下側においては、色を薄く、かつ各マス目の中央からずらして記載した、19×19までの乗算表を有することを特徴とする学習教材または事務用品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗算の19×19までを記憶するための学習教材である。乗算の19×19までを素早く正答確認するための事務用品でもある。
【背景技術】
【0002】
従来の19×19乗算表は、「縦19のマス目」と「横19のマス目」に数字を同等に羅列するだけのものだった。(
図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の19×19乗算表では、
図2を見て感じるように、右下のマス目に向かうほど、数字の掛け合わせが瞬間的に判別しづらい欠点があった。
さらに乗算正答の分布傾向がわかりづらい欠点があった。それを瞬間的に判別できる方法を提供することを課題とする。それに伴い記憶への手助けも提供する。
【0004】
「九九乗算の重要度」と「縦横の同数乗算の重要度」の促しを提供することも課題とする。
【0005】
「マス目11〜マス目19の乗算範囲」を、より見やすくし、乗算正答を瞬間的に確認しやすくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一発明は、
「九九の範囲及び縦横同数乗算の乗算正答を強調色」、「九九以外の乗算正答10〜99を中間色」、「縦横同数乗算以外の乗算正答102〜342を前記強調色及び前記中間色と異なる別色」となるよう、乗算正答のマス目に色分けを施した。
第二発明は、
「九九の範囲以外」のマス目内に、掛け合わせの元となる数字を記載し、その際、横ラインの掛け合わせ元となる数字を、横マス目内に連続して並べ、縦ラインの掛け合わせ元となる数字を、縦マス目内に連続して並べた。
第三発明は、
「10×(11〜19)」及び「(11〜19)×10」の乗算正答である「110、120、130、140、150、160、170、180、190」のマス目において、「一の位の0の数字」を薄く小さくし、「十の位と百の位の数字」を太く強調し、かつ、下地の見え方を他のマス目と異なるものとした。
第四発明は、乗算元となる数字をマス目外に記載し、その際、左側と上側においては各マス目の中央付近に記載し、右側と下側においては、色を薄く、かつ各マス目の中央からずらして記載した。
【発明の効果】
【0007】
第一発明により、マス目の色の強調差によって、乗算正答に優劣効果が発生する。
優劣効果から表全体が見やすくなることによって数字が瞬時に判別しやすくなり、視覚的に記憶の強化を促すことが可能となる。
さらに、マス目の色の強調差によって、乗算正答の分布傾向が顕著になる。同数乗算正答のラインを境にして、左下側範囲と右上側範囲が線対称であることが直感的に分かるようになる。
第二発明により、乗算正答の掛け合わせ元となる数字が、瞬時に判別する効果が発生する。
そして、掛け合わせ元となる両方の数字が「横」それとも「縦」に属しているのか直感的にわかる効果がある。
第三発明により、乗算正答の「110、120、130、140、150、160、170、180、190」のラインが、視覚的に周りから「浮き出る」ことによって、その正答自体が「11、12、13、14、15、16、17、18、19」と見える効果が発生する。これは
「マス目11〜マス目19乗算範囲」の掛け合わせ元の数字と見える。よって掛け合わせ元の数字が瞬時に判別しやすく、かつ記憶しにくい
「マス目11〜マス目19乗算範囲」に対して、記憶強化効果が発生する。
第四発明により、乗算正答の掛け合わせ元となる数字が判別容易となると同時に、右側と下側の色を薄く、かつ中央付近からずらしたことにより、右下側が乗算正答と明確に差異化され混同しない効果が発生する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明の基本実施形態を、
図1に示す。
縦19マス、横19マスが「19×19」の掛け合わせを表している。
【実施例】
【0010】
この実施形態によれば、「縦横9マス目までの乗算正答」のマス目は強調されており、小学生の
記憶必須な乗算範囲である。さらに「
九九の範囲以外の縦横同数乗算の乗算正答」も強調されている。
【0011】
九九乗算正答以外の「乗算正答10〜99」のマス目を中間色として、識別している。
「縦横同数乗算以外の乗算正答102〜342」のマス目を別色として、識別している。
【0012】
「九九の範囲以外」のマス目内に、掛け合わせの元となる数字を記載した。その際、横ラインの掛け合わせ元となる数字を、横マス目内に連続して並べた。縦ラインの掛け合わせ元となる数字を、縦マス目内に連続して並べた
【0013】
「10×(11〜19)」及び「(11〜19)×10」の乗算正答である「110、120、130、140、150、160、170、180、190」の「一の位の0の数字」を薄く小さくし、「十の位と百の位の数字」を太く強調した。さらに下地の見え方にも他と変化をつけた
【0014】
乗算元となる数字をマス目外に記載し、その際、左側と上側においては各マス目の中央付近に記載し、右側と下側においては、色を薄く、かつ各マス目の中央からずらして記載した。
【産業上の利用可能性】
【0015】
二桁乗算の計算方法や暗記技術は巷でいくつもの例数が存在している。だが、小学生にその方法技術を訓練させるのは手間である。本発明は、小学生が毎日なんとなく眺めているだけで、19×19までの乗算を自然と記憶できるメカニズムが工夫されている。
【0016】
文部科学省では2020年から小学校での「プログラミング教育の必修化」を検討している。それに伴い19×19までの乗算記憶は、プログラミング思考の瞬間的な「ひらめき」効果を誘発し、有意義なものである。少子高齢化によるIT人材の不足を補う「とっかかり」になるべく乗算表である。