特許第6481908号(P6481908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテル アイピー コーポレーションの特許一覧

特許6481908マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御
<>
  • 特許6481908-マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御 図000002
  • 特許6481908-マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御 図000003
  • 特許6481908-マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御 図000004
  • 特許6481908-マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御 図000005
  • 特許6481908-マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御 図000006
  • 特許6481908-マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御 図000007
  • 特許6481908-マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御 図000008
  • 特許6481908-マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御 図000009
  • 特許6481908-マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481908
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)機器のための接続制御
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20190304BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20190304BHJP
【FI】
   H04W76/10
   H04W4/70
【請求項の数】17
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-514633(P2017-514633)
(86)(22)【出願日】2015年7月30日
(65)【公表番号】特表2017-535115(P2017-535115A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】US2015042975
(87)【国際公開番号】WO2016064458
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2017年3月30日
(31)【優先権主張番号】62/067,659
(32)【優先日】2014年10月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515140897
【氏名又は名称】インテル アイピー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】バンゴラエ、サンゲーサ
(72)【発明者】
【氏名】ピンヘイロ、アナ ルシア
(72)【発明者】
【氏名】タラデル、マータ マーティネズ
(72)【発明者】
【氏名】プヤル、ウメシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン、プニート
(72)【発明者】
【氏名】フォン、モ−ハン
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−057238(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0033988(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/139084(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/050841(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/160611(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/133651(WO,A1)
【文献】 Research In Motion UK Limited,Modifications to the small data transmission over NAS solution,3GPP TSG-SA WG2#96 S2-131080,フランス,3GPP,2013年 4月 2日,Page 1,Section 5.1.2.3.x.1
【文献】 NTT DOCOMO,Signalling-Lite SDT (SL-SDT) Procedure,3GPP TSG-SA WG2#95 S2-130378,フランス,3GPP,2013年 1月25日,Paragraph 5.1.1.3
【文献】 Intel Corporation,Analysis and way forward in the open aspects of selected SDDTE solutions,3GPP TSG-RAN WG2♯83 R2-132793,フランス,3GPP,2013年 8月10日,Paragraph 2.1.1
【文献】 Huawei, HiSilicon, Intel, CATT, HTC, MediaTek, CATR, KPN, China Telecom, China Unicom, ZTE,Clarification of the T5 Small Data Service,3GPP TSG-SA WG2#98 S2-132785,フランス,3GPP,2013年 7月19日,Paragraph 5.1.1.3.3.3.2
【文献】 Ericsson, ST-Ericsson,Introducing support for relaying for E-UTRAN,3GPP TSG-SA WG2#83 S2-111170,フランス,3GPP,2011年 2月26日,Paragraph 4.3.x.4
【文献】 Intel Corporation,Quantitative analysis and evaluation summary of SA2 proposed SDDTE solutions for MTCe,3GPP TSG-RAN WG2#82 R2-132045,フランス,3GPP,2013年 5月11日,Paragraph 6
【文献】 Ericsson,Concatenation,3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2006_06_LTE R2-061859,フランス,3GPP,2006年 6月22日,Paragraph 3.1
【文献】 Alcatel-Lucent,Discussion: What is the benefit of the FS_MAPN work study item?,3GPP TSG-SA WG1#64 S1-135042,フランス,3GPP,2013年11月 1日,Page4 Lines25-31
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局の装置であって、前記装置は、
前記無線基地局において、軽量無線リソース制御(RRC)接続がユーザ機器(UE)のために確立されているときにスモールデータ伝送を行う前記UEが前記無線基地局との前記軽量RRC接続から前記無線基地局とのレガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定し、
前記UEに、前記UEが前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続に遷移するためにサービス要求手順を行うよう命令し、
前記サービス要求手順が前記UEにおいて開始されるときに前記UEからサービス要求メッセージを受信する、回路であって、
前記無線基地局は前記UEの前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続への切り替えを円滑化する、前記回路
を含み、
前記回路は、
前記無線基地局において、前記UEから送信される媒体アクセス制御(MAC)パケット・データ・ユニット(PDU)の数をモニタすることによって前記UEのための前記スモールデータ伝送をモニタし、
前記UEのためのスモールデータ伝送が既定の閾値を上回るときに前記UEは前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定する、
装置。
【請求項2】
前記回路は、前記無線基地局から前記UEへ送信されるRRC接続セットアップメッセージまたはRRC接続再構成メッセージによって前記UEに前記軽量RRC接続の使用を停止し、前記サービス要求手順を開始するよう命令し、前記RRC接続セットアップメッセージまたは前記RRC接続再構成メッセージは、前記UEに前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続に切り替えるよう指示する情報要素(IE)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回路は、定義されたカテゴリのアプリケーションが前記UEにおいて初期化されるときに前記UEは前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記回路は、前記UEが前記UEの送信バッファからデータを送信するための推定時間量に基づいて前記UEが前記軽量RRC接続または前記レガシーRRC接続を選択すべきであると判定する、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記回路は、
前記無線基地局において、サービングゲートウェイ(SGW)から、前記UEのために前記SGWにおいてバッファに保持されているスモールデータのレベルが既定の閾値より大きいことを指示する汎用パケット無線サービス(GPRS)トンネリングプロトコル(GTP)−Cメッセージを受信し、
前記UEのために前記SGWにおいて前記バッファに保持されているスモールデータの前記レベルに基づいて前記UEは前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記回路は、前記無線基地局において保持されているスモール・データ・アクティビティ・タイマが切れた後で前記UEが引き続きアップリンク(UL)伝送のリソースを要求するときに前記UEを前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続に切り替えることを決定する、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記回路は、
前記無線基地局において、サービングゲートウェイ(SGW)から、前記SGWにおいて保持されているスモール・データ・アクティビティ・タイマが切れた後で前記UEのためのダウンリンクデータがSGWバッファに引き続き累積されていることを指示する汎用パケット無線サービス(GPRS)トンネリングプロトコル(GTP)−Cメッセージを受信し、
前記スモール・データ・アクティビティ・タイマが切れた後で前記UEのための前記ダウンリンクデータが前記SGWバッファに引き続き累積されているときに前記UEを前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続に切り替えることを決定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記回路は、前記無線基地局から前記UEへ送信される媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)によって前記UEに前記軽量RRC接続の使用を停止し、前記サービス要求手順を開始するよう命令する請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記MAC CEは、前記レガシーRRC接続のベアラ識別(ID)情報および更新された無線構成情報を含む、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記軽量RRC接続が前記UEのために確立されているときにスモールデータ伝送を行う前記UEから、前記UEのための前記無線基地局との前記軽量RRC接続を開始するために軽量接続セットアップ要求を受信し、
前記無線基地局において、前記UEから受信された前記軽量接続セットアップ要求を拒否すべきかどうか判定し、
前記無線基地局が前記軽量接続セットアップ要求を拒否することを決定するときに前記UEへ、前記UEが前記UEにおいてサービス要求手順を開始することによって前記無線基地局との前記レガシーRRC接続を確立するための命令を含む軽量接続セットアップ拒否メッセージを送信し、
前記サービス要求手順が前記UEにおいて開始されるときに前記UEからサービス要求メッセージを受信する、1つまたは複数のプロセッサであって、
前記無線基地局は前記UEのための前記レガシーRRC接続の確立を円滑化する、前記1つまたは複数のプロセッサ
を含み、
前記1つまたは複数のプロセッサはさらに、前記UEが前記軽量RRC接続を用いることを許されるアクセスポイント名(APN)のリストを構成し、前記無線基地局は前記APNのリストを、OMA−DM(Open Mobile Alliance−Device Management)機能を用いてOMA−MO(OMA−Management Object)において送信する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記軽量RRC接続が前記UEのために確立されているときにスモールデータ伝送を行う前記UEから、前記UEのための前記無線基地局との前記軽量RRC接続を開始するために軽量接続セットアップ要求を受信し、
前記無線基地局において、前記UEから受信された前記軽量接続セットアップ要求を拒否すべきかどうか判定し、
前記無線基地局が前記軽量接続セットアップ要求を拒否することを決定するときに前記UEへ、前記UEが前記UEにおいてサービス要求手順を開始することによって前記無線基地局との前記レガシーRRC接続を確立するための命令を含む軽量接続セットアップ拒否メッセージを送信し、
前記サービス要求手順が前記UEにおいて開始されるときに前記UEからサービス要求メッセージを受信する、1つまたは複数のプロセッサであって、
前記無線基地局は前記UEのための前記レガシーRRC接続の確立を円滑化する、前記1つまたは複数のプロセッサ
を含み、
前記1つまたは複数のプロセッサはさらに、前記UEが前記軽量RRC接続を用いることを許されるアプリケーションのリストを構成し、前記無線基地局は前記アプリケーションのリストを、OMA−DM(Open Mobile Alliance−Device Management)機能を用いてOMA−MO(OMA−Management Object)において送信する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記UEのデータ伝送履歴に基づいて前記軽量接続セットアップ要求を拒否することを決定する、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
ユーザ機器(UE)を軽量無線リソース制御(RRC)接続からレガシーRRC接続に切り替えるためのコンピュータプログラムであって、実行されると無線基地局に、
無線基地局の少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記軽量RRC接続が前記UEのために確立されているときにスモールデータ伝送を行う前記UEが前記無線基地局との前記軽量RRC接続から前記無線基地局との前記レガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定する動作と、
前記無線基地局の前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記UEに、前記UEが前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続に遷移するためのサービス要求手順を行うよう命令する動作と、
前記無線基地局の前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記サービス要求手順が前記UEにおいて開始されるときに前記UEからサービス要求メッセージを受信する動作と、を行わせ、前記無線基地局は前記UEの前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続への切り替えを円滑化し、
前記無線基地局の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記無線基地局に、
前記UEから送信される媒体アクセス制御(MAC)パケット・データ・ユニット(PDU)の数をモニタすることによって前記UEのスモールデータ伝送をモニタする動作と、
前記UEの前記スモールデータ伝送が既定の閾値を上回るときに前記UEは前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定する動作と、
をさらに行わせる、
コンピュータプログラム。
【請求項14】
前記無線基地局の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記無線基地局に、ネットワークノードにおいて保持されているスモール・データ・アクティビティ・タイマが切れた後で前記UEが引き続きアップリンク(UL)伝送のリソースを要求するときに前記UEを前記軽量RRC接続から前記レガシーRRC接続に切り替えることを決定する動作、をさらに行わせる、請求項13に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記UEは、ネットワークノードから前記UEへ送信される媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)によって前記軽量RRC接続の使用を停止し、前記サービス要求手順を開始するよう命令される、請求項13または14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記無線基地局の前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記無線基地局に、前記UEが前記軽量RRC接続を用いることを許されるアプリケーションのリストを構成する動作、をさらに行わせ、前記無線基地局は前記アプリケーションのリストを、OMA−DM(Open Mobile Alliance−Device Management)機能を用いてOMA−MO(OMA−Management Object)において送信する、請求項13から15のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
請求項13から16のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを格納する、コンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
無線移動通信技術では様々な規格およびプロトコルを用いてノード(例えば伝送局)と無線機器(例えばモバイル機器)との間でデータを伝送する。無線機器の中には、ダウンリンク(DL)伝送では直交周波数分割多元接続(OFDMA)を用い、アップリンク(UL)伝送では単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)を用いて通信するものがある。信号伝送に直交周波数分割多重化(OFDM)を用いる規格およびプロトコルには、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ロング・ターム・エボルーション(LTE)、業界にはWiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)として一般に知られている米国電気電子技術者協会(IEEE)802.16規格(例えば、802.16e、802.16m)、および業界にはWiFiとして一般に知られているIEEE802.11規格が含まれる。
【0002】
3GPP無線アクセスネットワーク(RAN)LTEシステムにおいて、ノードはE−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)ノードB(一般には、進化型ノードB、エンハンストノードB、eNodeB、またはeNBとも呼ばれる)と無線ネットワークコントローラ(RNC)との組み合わせとすることができ、ノードはユーザ機器(UE)として知られる無線機器と通信する。ダウンリンク(DL)伝送は、ノード(例えばeNodeB)から無線機器(例えばUE)への通信とすることができ、アップリンク(UL)伝送は無線機器からノードへの通信とすることができる。
【0003】
同種ネットワークにおいて、ノードは、マクロノードとも呼ばれ、セル内の無線機器へ基本的な無線カバレージを提供することができる。セルは、無線機器がマクロノードと通信するように動作するエリアとすることができる。異種ネットワーク(HetNet)は、無線機器の利用および機能の増加によるマクロノードにかかるトラフィック負荷の増加を処理するのに用いることができる。HetNetは、マクロノードのカバレッジエリア(セル)内で十分に計画されずに、または全く調整されさえもせずに配置されうる低電力ノード(スモールeNB、マイクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、またはホームeNB[HeNB])の各層が重なる、計画された高電力マクロノード(またはマクロeNB)の層を含むことができる。低電力ノード(LPN)は一般に、「低電力ノード」、スモールノード、またはスモールセルと呼ばれうる。
【0004】
LTEにおいては、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を介してeNodeBからUEへデータを伝送することができる。データが受信されたことを確認するために物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を用いることができる。ダウンリンクおよびアップリンクのチャネルまたは伝送では時間分割多重(TDD)または周波数分割多重(FDD)を用いることができる。
【0005】
本開示の特徴および利点は、以下の詳細な説明を、共に本開示の特徴を例示する添付の図面と併せて読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一例によるユーザ機器(UE)のために進化型ノードB(eNB)との既存の軽量無線リソース制御(RRC)接続をeNBとのレガシーRRC接続に切り替えるためのシグナリングを示す図である。
【0007】
図2】一例によるユーザ機器(UE)のために進化型ノードB(eNB)とのレガシー無線リソース制御(RRC)接続を開始するためのシグナリングを示す図である。
【0008】
図3】一例によるユーザ機器(UE)のためのアクセスポイント名(APN)ごとのネットワークとの軽量無線リソース制御(RRC)接続の構成を示す図である。
【0009】
図4】一例によるユーザ機器(UE)のためのアクセスポイント名(APN)ごとのネットワークとの軽量無線リソース制御(RRC)接続の構成を示す図である。
【0010】
図5】一例によるユーザ機器(UE)のためのアプリケーションごとのネットワークとの軽量無線リソース制御(RRC)接続の構成を示す図である。
【0011】
図6】一例によるネットワークノードの装置の機能を示す図である。
【0012】
図7】一例によるネットワークノードの装置の機能を示す図である。
【0013】
図8】一例によるユーザ機器(UE)を軽量無線リソース制御(RRC)接続からレガシーRRC接続に切り替えるための命令が具現化されている少なくとも1つの非一時的機械可読記憶媒体の流れ図である。
【0014】
図9】一例による無線機器(例えばUE)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に図示されている例示的実施形態を参照する。本明細書では具体的な言葉を用いて例示的実施形態を説明する。とはいえ、それらの言葉は技術範囲を限定するためのものではないことが理解されるであろう。
【0016】
本技術を開示し、説明する前に、本技術は本明細書で開示される特定の構造や材料だけに限定されるものではなく、当業者には理解されるようにそれらの均等物に拡張適用されるものであることを理解すべきである。また、本明細書で用いられる用語は個々の例を説明するために用いられているにすぎず、限定のためのものではないことも理解すべきである。異なる図面における同じ参照符号は同じ要素を表すものである。流れ図およびプロセスに付されている番号は動作および操作の説明を明確にするためのものであり、必ずしも特定の順序または連続を示すものであるとは限らない。 例示的実施形態
【0017】
以下で技術実施形態の概観を示し、次いで後で具体的な技術実施形態についてさらに詳細に説明する。この概観は読者が本技術をより迅速に理解するのを助けるためのものであり、本技術の重要な特徴や本質的特徴を特定するためのものでも、特許請求される主題の範囲を限定するためのものでもない。
【0018】
幅広い潜在的用途があるため、マシン・タイプ・コミュニケーション(MTC)やマシン・ツー・マシン(M2M)通信は、設備メーカ、移動ネットワーク事業者、およびMTC専門企業の間で大きな関心を集めている。本明細書で用いられる場合、M2Mという用語とMTCという用語とは同義的に用いられる。MTCは、必ずしも人間同士の対話を必要とするとは限らない1つまたは複数のエンティティ間のデータ通信の形態である。本明細書で用いられる場合、「ユーザ機器」という用語、すなわちUEは、モバイル機器、スマートフォン機器、M2M機器、または、スマートメータや組み込み式セルラ機器や3G/4G/5G機能を備える別の種類の機器といったMTC機器を指しうる。
【0019】
UEは公衆陸上移動網(PLMN)を介してMTCサーバおよび/または他のMTC機器と通信することができる。加えて、MTC機器は、MTC機器にデータ(例えばスモール・データ・ペイロード)を提供する他のエンティティとローカルに(例えば、無線で、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)を介して、または配線接続で)通信することができる。その後、MTC機器はデータを処理し、次いでデータをMTCサーバおよび/または他のMTC機器へ送信することができる。MTC機器には、健康管理機器、スマートメータ、センサなどが含まれうる。
【0020】
MTC機器はネットワーク上で少量のデータを伝送する(すなわち、送信または受信する)ことができる。少量のデータは、典型的には、数ビットから数キロビットまでの範囲のデータである。非限定的な一例では、スモール・データ・ペイロードは通常1から128バイトの長さとすることができるが、スモール・データ・ペイロードはもっと大きい場合もあることを理解すべきである。一般に、スモールデータは単一のパケットまたはバーストにおいてショートデータ転送として伝送される。ネットワークは選択された無線アクセスネットワーク(RAN)技術に基づいて無線広域ネットワーク(WWAN)または無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)とすることができる。WWANは、一般にWiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)と呼ばれるIEEE802.16規格や第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)といったセルラネットワーク接続規格に基づいて動作するように構成することができる。IEEE802.16規格のリリースには、IEEE802.16e−2005、802.16−2009、および802.16m−2011が含まれる。3GPP規格のリリースには、2008年第4四半期の3GPP LTEリリース8、2011年の第1四半期の3GPP LTE−Advancedリリース10、および2012年第3四半期の3GPP LTEリリース11が含まれる。
【0021】
MTC機器上で実行されるMTCアプリケーションは、セキュリティ(例えば、監視システム、運転者セキュリティ)、追跡およびトレース(例えば、資産追跡、ナビゲーション、交通情報、道路通行料徴収)、支払い(例えば、自動販売機、ゲーム機)、健康(例えば、生命徴候のモニタリング、高齢者または障害者の支援)、遠隔保守/制御(例えば、センサ、照明、車両診断)、計測(例えば、電力、ガス、水道、暖房)、および/または消費者機器(例えば、ディジタルカメラ)といった様々な領域に関連したものとすることができる。
【0022】
幅広い潜在的なM2Mおよびモノのインターネット(IoT)の用途および機器に基づき、将来には膨大な数のアプリケーションおよび機器がスモールデータ転送を行うことができるようになる。機器とネットワークとの間ではスモールデータ転送を行うために多数の短期的な接続が行われ、それによって3GPPシステムにおいて大量のシグナリングオーバーヘッドが生じることになりうる。シグナリングの使用量は、アイドルモードから接続モードに移り、接続モードにある間に少量のデータ(例えば、キープアライブメッセージやステータス更新)を送り、次いで節電のためにアイドルモードに戻る多種多様なデータアプリケーション(例えば、バックグラウンドアプリケーション)の出現により著しく多い。これらの周期的なアイドルモードから接続モードへの遷移は制御プレーン上で必要以上の量のシグナリング(例えば無線リソース)を用いる可能性がある。本明細書に記載される技術は、スモールデータ転送によるシグナリングオーバーヘッドにおける無線リソースの無駄を減らすためのスケーラブルな解決法を提供する。
【0023】
軽量無線リソース制御(RRC)接続機構は、コネクションレス型データ伝送を可能としつつシグナリングオーバーヘッドを最小化する。言い換えると、軽量RRC接続機構(またはコネクションレス型機構)は、レガシーRRC接続の完全な確立を伴わず、むしろ、UEがスモールデータを送信するためにネットワークとの「軽量」RRC接続を確立する少数の動作を行うことを伴う。これらの機構は少量でまれなデータ伝送のために最適化することができる。UEは一般に、軽量RRC接続がUEにおいて確立されているときには非スモールデータ(すなわち、既定の閾値を上回るサイズを有するデータ)を送信することを許されない。
【0024】
UEが軽量RRC接続機構を乱用し、UEに送信すべき大量のデータまたは頻繁なデータがあるときでさえも軽量RRC接続機構を用いる可能性があることが懸念されている。さらに、軽量RRC接続はレガシーRRC接続と比べてロバスト性が低い可能性もある。というのは、UEとネットワークとの間で交換される構成情報の量がより少なく、したがって、軽量RRC接続はスモールデータを伴うある特定の用途または機能だけにしか適しえないからである。したがって、本明細書に記載される技術は、UEが軽量RRC接続機構を乱用するのを防止する機構を提供し、UEがどの接続機構を用いることになるか(すなわち、軽量RRC接続かそれともレガシーRRC接続か)に対するネットワークによる制御を増強することを可能にする。ネットワークがMTCおよび他のモバイル・データ・アプリケーションのRRC接続制御を行うことによって、UEがデータを送信/受信するためにアイドルモードから接続モードに遷移するときのシグナリングを減らすことができる。
【0025】
軽量RRC接続機構については、3GPP技術報告書(TR)37.869リリース12、「Study on Enhancements to Machine−Type Communications (MTC) and other Mobile Data Applications; Radio Access Network (RAN) aspects」、および3GPP TR23.887リリース12、「Study on Machine−Type Communications (MTC) and other Mobile Data Applications Communications Enhancements」にさらに記載されている。
【0026】
3GPP TR37.869および3GPP TR23.887では、シグナリングオーバーヘッド低減を達成するためのS1−MMEコネクションレス型の手法(または軽量接続の手法)について論じている。アイドル接続モードの遷移によって生じるシグナリングの量を減らすために、UEに非アクセス層(NAS)シグナリング接続がない間に少量のデータを転送することができる解決法を定義することができる。S1−MMEコネクションレス型の手法の例には、スモール・データ・ファスト・パスの解決法、コネクションレス型データ伝送の解決法、およびランダム・アクセス・チャネル(RACH)ベースのスモールデータ伝送の解決法が含まれる。
【0027】
S1−MMEコネクションレス型の手法、すなわち軽量接続の手法は、スモールデータを送信するためにUEにおいてアップリンクおよび/またはダウンリンクで伝送されるバイト数を減らすことができる。例えば、スモール・データ・ファスト・パスの解決法のシグナリングオーバーヘッドは、DLで114バイトULで48バイト、RRC接続再構成が行われない場合にはDLで73バイトULで36バイトとすることができる。言い換えると、UEがアイドルモードにあり、送信すべきスモールデータを有する場合、UEは、アイドルモードから起動してスモールデータを送信するために、DLで114バイトULで48バイトのオーバーヘッドを有するシグナリングを行うことができる。加えて、コネクションレス型データ伝送の解決法のシグナリングオーバーヘッドは、DLで114バイトULで48バイト、RRC接続再構成が行われない場合にはDLで61バイトULで36バイトとすることができる。RACHベースのスモールデータ伝送の解決法のシグナリングオーバーヘッドはDLで20バイトULで17〜19バイトとすることができる。
【0028】
これと対照的に、UEがサービス要求手順を用いてアイドルモードからレガシーRRC接続モードに遷移するときのシグナリングオーバーヘッドは、S1−MMEコネクションレス型の手法のシグナリングオーバーヘッドより大きい。レガシーRRC接続を確立するためのシグナリングオーバーヘッドはDLで136バイトULで59バイトとすることができ、前述のS1−MMEコネクションレス型の手法のシグナリングオーバーヘッドにおけるDLおよびULのバイト数よりも著しく多い。
【0029】
一構成では、UEがセルラネットワークにアタッチするときに、UEは、複数のRRCおよびコアネットワークに関連したメッセージの通信を伴う完全なアタッチ手順を行う。アタッチ手順は、3GPP TS23.401リリース12、「GPRS enhancements for E−UTRAN access」および3GPP TS36.331リリース12、「Radio Resource Control Specification」に記載されている。UEはアタッチ手順を行った後で接続モードになる。UEはセルラネットワークにアタッチした後でデータを送信または受信するように構成することができる。
【0030】
UEが接続モードにあるときの電力を節約するために、ネットワークは、既定の非アクティブ期間の後でUEをアイドルモードにすることができる。言い換えると、UEが既定の期間にわたっていかなるデータの送信も受信もしない(すなわち、UEがこの時間中に非アクティブである)場合には、UEはアイドルモードに入ることができる。既定の非アクティブ期間はネットワーク(例えばeNB)によって設定されうる。UEがアイドルモードにある間に、UEに送信すべきアップリンクデータがあり、または保留中のダウンリンクデータによるページングメッセージを受信した場合、UEはサービス要求手順を行うことができる。サービス要求手順を用いると、UEがデータを送信または受信するためにセルラネットワークと再接続することが可能になる。言い換えると、UEがアイドルモードにあるときにサービス要求手順を行った場合、UEはアップリンクデータを送信し、または保留中のダウンリンクデータを受信することができる。サービス要求手順はUEとネットワークとの間の一連のRRCおよびコアネットワークメッセージを伴いうる。このシグナリングを用いると、eNBがUEコンテキスト情報を獲得し、UEのためにRRC接続をセットアップすることが可能になる。サービス要求手順を行うためにシグナリングオーバーヘッドは何百バイトにもなる可能性があり、このバイト数は往々にして送信すべきデータ量を上回ることがある。
【0031】
従来の解決法に関連した非限定的な例として、UEは既定の非アクティブ期間後に接続モードからアイドルモードに入ることができる。ある後の時点に、UEには送信または受信すべきスモールデータが生じる可能性があり、したがってUEは、接続モードに入りセルラネットワークにアタッチするためにサービス要求手順を行うことができる。UEはおおよそ200バイトを用いてサービス要求手順を行い、接続モードに入ることができる。接続モードがUEのために確立された後で、UEはスモールデータを送信することができ、スモールデータはおおよそ20バイトとすることができる。UEはスモールデータを送信することができ、次の非アクティブ期間の後で、UEはアイドルモードに戻ることができる。したがって、スモールデータを送信するためのシグナリングの量はスモールデータ自体よりもはるかに大きいサイズ(すなわち、20バイトのスモールデータを送信するために200バイトのシグナリングオーバーヘッド)になりうる。
【0032】
UEが(レガシーRRC接続ではなく)軽量RRC接続を用いて接続モードに遷移するときには、UEはより少ないバイト数を用いてスモールデータを送信または受信することができる。UEはアイドルモードから起動し、事前に確立されたUEコンテキストを用いてデータを送信または受信することができ、それによってシグナリングの量が減る。軽量RRC接続確立は、ファストパスの解決法またはS1−MMEコネクションレス型の解決法と呼ぶことができる。UEが完全なレガシーRRC接続確立のシグナリングを用いずにデータを迅速に送信することを可能にするファストパス、S1−MMEコネクションレス型または軽量接続の解決法を利用するためには、データは「スモールデータ」または「ショートデータ」に分類されるべきであり、あまり頻繁に送信されるべきではない。言い換えると、データのサイズは既定の閾値内とすべきであり、データの送信または受信の頻度は既定の閾値内とすべきである。シグナリングの低減により、軽量RRC接続機構は待ち時間の低減を助長することができる。しかし、軽量RRC接続機構は乱用すべきでなく、非スモールデータの送信および/または頻繁なデータ転送に用いるべきではない。
【0033】
そうした乱用の回避が望ましいのは、eNBは場合によってはスモールデータをサポートするための事前定義リソースを持つことができ、例えば、軽量接続は専用のMTCノードのためにのみサポートされてよく、その場合には同じ接続を用いて高データ速度のアプリケーションをサポートすることが不合理となるからである。加えて、軽量接続は他のトラフィックには適さない可能性のある特定の種類のベアラ構成をサポートすることしかできず、そのためレガシー接続パスに切り替え、新しいEPSベアラを確立することが必要となりうる。したがって、UEが転送すべき非スモールデータまたは頻繁なデータを有するときには、UEはレガシーRRC接続セットアップ手順、および対応するデフォルトベアラまたは専用ベアラを適宜用いることができる。
【0034】
図1に、ユーザ機器(UE)110の進化型ノードB(eNB)120との既存の軽量無線リソース制御(RRC)接続をeNB120とのレガシーRRC接続に切り替えるための例示的シグナリングを示す。言い換えると、UE110は図1に示す例示的シグナリングを用いて軽量RRC接続からレガシーRRC接続に遷移することができる。UEを軽量RRC接続からレガシーRRC接続に遷移させることによって、軽量RRC接続手順の起こりうる過度の使用を減らすことができる。M2MデータまたはMTCデータだけを専用に送信する機器では、そうすれば軽量RRC接続手順の起こりうる過度の使用が最小限で済む。しかし、両方の種類のデータ(すなわち、スモールデータとビデオなどの非スモールデータ)を送信するように構成されている機器では、スモールデータのシグナリングを減らすために軽量RRC接続の解決法を実施するネットワークによってトリガされる機構および/またはUEによってトリガされる機構。
【0035】
図1に示すように、動作1で、軽量RRC接続セットアップをUE110とeNB120との間で行うことができる。軽量RRC接続セットアップはUE110とeNB120との間のスモールデータ伝送(SDT)を可能にすることができる。動作2で、UE110はeNB120とのアップリンク・スモール・データ伝送を行うことができる。言い換えると、UE110は軽量RRC接続を用いてeNB120へアップリンク・インターネット・プロトコル(IP)データを送信することができる。動作3で、UE110はeNB120からダウンリンク・スモール・データ伝送を受信することができる。言い換えると、UE110は軽量RRC接続を用いてeNB120からダウンリンクIPデータを受信することができる。
【0036】
UE110が軽量RRC接続を介してデータを送信または受信しているとき、eNB120は軽量RRC接続からレガシーRRC接続への遷移をトリガすることができる。言い換えると、eNB120はUE110をトリガして軽量RRC接続モードからレガシーRRC接続モードに切り替えさせることができる。非限定的な例としては、eNB120がUE110をトリガして軽量RRC接続モードからレガシーRRC接続モードに切り替えさせることができるのは、データ伝送がもはや小容量ではないとき(すなわち、データ伝送のサイズが既定の閾値を超えているとき)、データ伝送を行うためのデータ接続の時間が既定の閾値より長いとき、事前に確立されたコンテキストの失効によりデータ伝送のためにセキュリティが再確立されるべきであるとき、などである。別の例では、eNB120がUE110をトリガして軽量RRC接続モードからレガシーRRC接続モードに切り替えさせることができるのは、ある特定のアプリケーションまたはアプリケーションのグループ/カテゴリがUE110上で起動されるときである。これらのアプリケーションと関連付けられるデータはスモールデータと関連付けられる既定の閾値より大きいものとなりうる。これらのアプリケーションはIPマルチメディアサブシステム(IMS)ビデオ、音声などに関連したものとすることができる。さらに別の例では、eNB120がUE110をトリガして軽量RRC接続モードからレガシーRRC接続モードに切り替えさせることができるのは、UEがある特定のレベルの品質保証を必要とするときである。言い換えると、UE110がサービス品質(QoS)保証を必要とするアプリケーションを実行している場合には、UE110をレガシーRRC接続に切り替えることができる。レガシーRRC接続はUE110のQoSを保証することができるが、軽量RRC接続はUE110のQoSを保証することができない場合もある。
【0037】
動作4で、eNB120はUE110のスモールデータ伝送をモニタすることができる。一例では、eNB120は、UE110から送信される媒体アクセス制御(MAC)パケット・データ・ユニット(PDU)の数を数えることによってUEにおけるスモールデータ伝送をモニタすることができる。MAC PDUの数を数えることによって、eNB120はUE110がスモールデータを送信しているか否かを判定することができる。
【0038】
動作5で、eNB120は、UE110におけるスモールデータ伝送のモニタリングに基づいて、UE110をトリガして軽量RRC接続モードからレガシーRRC接続モードに切り替えさせることができる。軽量RRC接続は事前定義MAC PDUカウントと関連付けることができる。UE110において事前定義MAC PDUカウントを超える(すなわち、UE110によって送信されるデータ量がスモールデータではない)場合、次いでeNB120はレガシーRRC接続モードへの切り替えをトリガすることができる。その結果、非スモールデータを送信するための軽量RRC接続の起こりうる乱用を回避することが可能になる。
【0039】
特に、動作5に関連して、eNB120は、レガシーRRC接続モードへの切り替えをトリガするためにUE110へダウンリンクでレガシーRRCメッセージを送信することができる。レガシーRRCメッセージはRRC接続セットアップメッセージまたはRRC接続再構成メッセージを含むことができる。レガシーRRCメッセージは軽量RRC接続モードからレガシーRRC接続への切り替えを指示する新規の情報要素(IE)を含むことができる。IEの例には接続制御情報IEや接続切り替え制御情報IEを含むことができ、これらのIEはレガシーRRC接続モードへの切り替えを指示する追加のIEを含むことができる。レガシーRRCメッセージは、どちらのシグナリングベアラがセットアップされるかに基づき、シグナリング無線ベアラ1(SRB1)またはSRB0を用いて従来のエンド・ツー・エンド接続の確立をトリガすることができる。UEが軽量RRC接続機構を用いているときに新規のIEと共にレガシーRRCメッセージを送信することによって、eNB120は、UE110がレガシーRRC接続を確立すべきであり、軽量RRC接続の使用が許されなくなることを指示することができる。
【0040】
代替の例では、レガシーRRC接続モードへの切り替えをトリガするために新規のRRCメッセージを定義することができる。新規のRRCメッセージにはRRC接続制御メッセージまたはRRC接続変更メッセージを含むことができる。これらの新規のRRCメッセージには接続制御情報IEや接続切り替え制御情報IEを含むことができ、これらのIEはUE110に軽量RRC接続からレガシーRRC接続に遷移するよう指示することができる。したがって、eNB120はUE110からのデータ伝送をモニタすることができ、UE110がスモールデータの送信または受信をもう行っていない場合、eNB120はUE110へ、レガシーRRC接続を確立し、バックエンドで対応する手順(例えばサービス要求手順)を続行するようUE110に再指示するコマンドメッセージを送信することができる。
【0041】
一例では、UE110がレガシーRRC接続に切り替わるときに、eNB120およびモビリティ管理エンティティ(MME)130はUEコンテキストを獲得するために追加メッセージを交換することができる。さらに、追加メッセージはMME130に、UE110がECM(Evolved Packet System (EPS) Connection Management)接続モードであり、もうECMアイドルモードではないことを知らせるように機能することができる。追加メッセージは、軽量接続/S1−MMEコネクションレス型プロセスの間に、UE110がECMアイドルモードおよび軽量RRC接続モードであったときに交換することができる。
【0042】
動作6で、UE110は非アクセス層(NAS)サービス要求メッセージを伴うRRCメッセージを送信することができる。UE110はレガシーRRC接続への切り替えをトリガしたeNB120からレガシーRRCメッセージ(または新規のRRCメッセージ)を受信したことに応答してNASサービス要求メッセージを伴うRRCメッセージを送信することができる。NASサービス要求メッセージはサービス要求手順の一部とすることができ、サービス要求手順はUE110を軽量RRC接続モードからレガシーRRC接続モードに切り替えることができる。
【0043】
代替の構成では、eNB120がUEのスモールデータ伝送をモニタするのではなく、UE110はUE110自体のスモールデータ伝送をモニタすることができる。例えば、UE110はUE110から送信されるMAC PDUの数を数えることができる。MAC PDUの数が既定の閾値を上回る場合、これはUE110から送信されるデータがもはやスモールデータではないことを示しうるものであり、その場合には、UE110はeNB120へNASサービス要求メッセージを自動送信することができる。この構成では、eNB120はUEのレガシーRRC接続モードへの切り替えをトリガするためにUE110へレガシーRRCメッセージを送信しない。
【0044】
動作7から動作11では、UE110をレガシーRRC接続モードに切り替えるためにサービス要求手順を行うことができる。UE110から送信されるデータはもはやスモールデータではないため、UE110は後続のデータ伝送を行うためにレガシーRRC接続モードに切り替えるべきである。動作7で、eNB120はMME130へサービス要求を伴う初期UEメッセージを送信することができる。動作8で、UE110はホーム加入者サーバ(HSS)との認証セキュリティ手順を行うことができる。動作9で、MME130はeNB120へS1−AP初期コンテキストセットアップ要求メッセージを送信することができる。S1−AP初期コンテキストセットアップ要求メッセージは、レガシーRRC接続を確立するための無線機能、構成情報、ベアラ情報、トンネリング情報などを含むことができる。動作10で、UE110およびeNB120は無線ベアラおよびS1−Uベアラの確立手順を行うことができる。動作11で、eNB120はMME130へS1−AP初期コンテキストセットアップ完了メッセージを送信することができる。この時点で、UE110はレガシーRRC接続モードであることができ、レガシーRRC接続を介して非スモールデータを送信するように構成されている。サービス要求手順に伴う動作は煩雑になりうるが、必要なシグナリングの量はRRC接続が長期にわたるときには許容できるものである。
【0045】
一構成では、eNB120ではなくサービングゲートウェイ(SGW)がUE110のスモールデータ伝送をモニタすることができる。SGWはeNB120へ、UE110のためにSGWにおいてバッファに保持されているスモールデータのレベルが既定の閾値より大きいことを指示する汎用パケット無線サービス(GPRS)トンネリングプロトコル(GTP)−Cメッセージを送信することができる。GTP−Cメッセージに基づき、eNB120はUE110をトリガして軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えさせることができる。
【0046】
図1では、メッセージはLTE/LTE−Advanced仕様に関連して説明されているが、この流れ/概念は他の先進無線アクセス技術にも適用することができる。
【0047】
図2に、ユーザ機器(UE)210のために進化型ノードB(eNB)220とのレガシー無線リソース制御(RRC)接続を開始するための例示的シグナリングを示す。レガシーRRC接続は軽量RRCモード確立手順の間に開始することができる。動作1に示すように、UE210はeNB220へアクセス要求メッセージを送信することができ、これに応答して動作2でeNB220はUE210へアクセス応答メッセージを送信することができる。動作3で、UE210はeNB220へ軽量セットアップ要求メッセージを送信することができる。UE210はeNB220との軽量RRC接続の確立を開始するために軽量セットアップ要求メッセージを送信することができる。一例では、UE210は、UE210に受信者に送信すべきデータ(例えばスモールデータ)があるときに軽量RRC接続の確立を開始することができる。一例では、UE210はスモールデータを送信するためにアイドルモードから起動し、軽量RRC接続の確立を開始することができる。言い換えると、UE210は軽量セットアップ要求メッセージを送信する前にeNB220とのRRC接続を有していない場合がある。
【0048】
eNB220は軽量RRC接続がUE210のために確立されるのを許すべきかどうか判定することができる。あるいは、eNB220はUE210から受信された軽量接続セットアップ要求を拒否すべきかどうか判定し、それによってUE210が軽量RRC接続を確立するのを妨げることもできる。eNB220が軽量RRC接続を確立し、次いでUE210のためのレガシーRRC接続を後に確立することが望ましくない場合もある。というのは、これら2つの別々の手順を行うことによりシグナリングの量が減るのではなくシグナリングの量が増える結果となりうるからである。したがって、UE210から軽量接続セットアップ要求を受信すると、eNB220は、軽量RRC接続の確立を許すべきかどうか判定することもでき、単にUE210に、軽量RRC接続を確立せずレガシーRRC接続を確立するよう再指示することもできる。
【0049】
一例では、軽量セットアップ要求メッセージがeNB220において受信されたときに、eNB220に必要なコンテキスト(例えばセキュリティコンテキスト)がなく、または記憶されたコンテキストがタイマに従って失効している場合がある。この場合には、eNB220がUE210のための軽量RRCモードを処理することは望ましくない。したがって、動作4で、eNB220はUE210へ軽量接続セットアップ拒否メッセージを送信することができる。軽量接続セットアップ拒否メッセージはUE210がレガシーRRC接続を確立するための命令を含むことができる。言い換えると、eNB220は軽量RRC接続を確立するよう求めるUEの要求を拒否し、代わりにUE210に、サービス要求手順または拡張サービス要求手順を用いてレガシーRRC接続を確立するよう再指示することができる。eNB220はUE210に、軽量接続セットアップメッセージまたは既存のRRCメッセージを用いてレガシーRRC接続を確立するよう再指示することができる。
【0050】
一構成では、eNB220はUE210のデータ伝送履歴に基づいてUE210のための軽量RRC接続を許すべきか否か判定することができる。eNB220は、アップリンクおけるUEの以前のアクティビティレベルをモニタし、UE210が軽量RRC接続を確立することを許すべきかどうか判定することができる。言い換えると、eNB220は、UEのデータ伝送履歴に基づいて、UE210が将来のスモールデータ伝送に軽量RRC接続機構を用いることを許されるべきかどうか判断することができる。一例では、eNB220においてモビリティ管理エンティティ(MME)230から受信されるコアネットワーク支援情報でeNB220にUEのトラフィック履歴を提供することができる。加えて、UE210が軽量RRC接続機構を用いることを許されるか否かは、サービス、UEクラスまたは優先順位に関する事前定義基準に基づいて判定することもできる。あるいは、この基準はチャネル条件またはネットワーク条件に基づいて動的に調整することもできる。UE210のデータ伝送履歴に基づいて、eNB220はUE210のための軽量RRC接続を許すべきか否か判定することができる。
【0051】
一例では、eNB220は、UE210から第1の軽量接続セットアップ要求を受信した後でUE210が軽量RRC接続機構を用いることを許すことができる。この第1の軽量接続セッションの間に、UE210がアップリンクでeNB220によって保持されている既定の閾値以内のスモールデータを送信する場合には、eNB220は軽量RRC接続(すなわち、後続の軽量接続セッション)を確立することを求めるUE210からの第2の要求を認める。他方、UE210がアップリンクで第1の軽量接続セッションの間に既定の閾値を上回るスモールデータを送信する場合には、UEの履歴に基づき、eNB220はある一定に期間内に後続の軽量接続を確立することを求める第2の要求を認めない。
【0052】
前述の様々な機構に基づき、UE210は、動作4に示すように、レガシーRRC接続を確立する命令を含む軽量接続セットアップ拒否メッセージを受信することができ、動作5で、UE210はアップリンクでeNB220へサービス要求メッセージを含むRRCメッセージを送信することができる。言い換えると、軽量接続セットアップ拒否メッセージがレガシーRRC接続を確立する命令を含む場合、UE210はレガシーRRC接続を確立するためのサービス要求手順を開始することができる。
【0053】
代替の例として、UE210はeNB220から、レガシーRRC接続を確立する命令を含まない軽量接続セットアップ拒否メッセージを受信することもできる。この場合には、UE210は動作5に示すようにサービス要求メッセージを含むRRCメッセージを送信しない。そうではなく、UE210はランダム・アクセス・チャネル(RACH)手順を開始し、次いでeNB220へレガシーRRC接続要求メッセージを送信することができる。UE210はネットワークが非常に輻輳している(すなわち、ネットワーク輻輳が既定の閾値を上回る)場合にRACH手順を開始し、次いでレガシーRRC接続要求メッセージを送信してよい。
【0054】
動作5で、サービス要求手順を開始するためにUE210によって送信されるサービス要求メッセージはレガシーサービス要求非アクセス層(NAS)メッセージとすることができる。レガシーサービス要求NASメッセージは、RRC接続セットアップ完了メッセージといったRRCメッセージに、または関連RRCメッセージに含めることができる。関連RRCメッセージは、RRCアップリンク(UL)情報転送のためもの、またはUE支援情報のためものとすることができる。RRCメッセージはMME230からの完全なUEコンテキストダウンロード、エンド・ツー・エンドEPSベアラ確立などを開始するためにものとすることができる。一例では、RRCメッセージはUE接続制御メッセージまたは類似したメッセージとして定義することができる。
【0055】
動作6で、eNB220はMME230へサービス要求を伴う初期UEメッセージを送信することができる。動作7で、UE210はホーム加入者サーバ(HSS)との認証セキュリティ手順を行うことができる。動作8で、MME230はeNB220へS1−AP初期コンテキストセットアップ要求メッセージを送信することができる。動作9で、UE210およびeNB220は無線ベアラおよびS1−Uベアラの確立手順を行うことができる。動作10で、eNB220はMME230へS1−AP初期コンテキストセットアップ完了メッセージを送信することができる。動作6から動作10はレガシーサービス要求手順または拡張サービス要求手順または認証関連手順の一部とすることができる。動作11で、UE210はeNB220とのレガシーRRC接続を用いてデータ(例えば非スモールデータ)を送信または受信するように構成することができる。
【0056】
図2では、各メッセージはLTE/LTEーAdvanced仕様に関連して説明されているが、この流れ/概念は他の先進無線アクセス技術にも適用することができる。
【0057】
代替の構成では、UE210はサービス要求手順をトリガすることができる。言い換えると、UE210はeNB220へ軽量セットアップ要求メッセージを送信しない。そうではなく、UE210はレガシーRRC接続を確立することを決定し、次いでeNB220へサービス要求メッセージを含むRRCメッセージを送信することができる。この構成では、ネットワークはUEによってトリガされる機構を許すことができ、この機構を用いると、UE210がeNB220からの明示的命令なしでサービス要求手順を開始することが可能になる。例えば、ネットワークは軽度な負荷のネットワーク状態の間に(すなわち、ネットワークトラフィックが既定の閾値を下回る間に)UEによってトリガされる機構を許すことができる。サービス要求手順を開始するのがUE210であるにせよeNB220であるにせよ、サービス要求手順の間に事前に確立されたベアラを通る既存のトラフィックフローを新しいベアラへシームレスに転送することができる。
【0058】
一構成では、軽量RRC接続がすでにUEのために確立されているときに、ネットワークはUEへ、媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)を用いて軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替える(すなわち、レガシーRRC接続を確立するためのサービス要求手順を開始する)命令を送信することができる。ネットワークは、軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替える命令をダウンリンク(DL)データメッセージと抱き合わせにすることができる。言い換えると、ネットワークは切り替え命令とDLデータメッセージの両方を同時に送信することができる。ネットワークはUEから要求を受信したことに応答してMAC CEを送信するのではない。ネットワークは、RRCメッセージを用いることの代替としてMAC CEを用いて軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替える命令を送信することができる。
【0059】
代替の例では、UEがアイドルモードにある(すなわち、目下のところUEのために軽量RRC接続が確立されていない)ときに、ネットワークはMAC CEを用いてレガシーRRC接続を確立する命令をダウンリンク(DL)データメッセージと抱き合わせにすることができる。
【0060】
レガシーRRC接続に切り替えるためのUEへの命令を運ぶのに用いられるMAC CEは、予約ビットで既存のMAC CE(例えば、アクティブ化または非アクティブ化MAC CE)の機能を拡張することによって定義することができる。予約ビットは、レガシーRRC接続を確立するコマンドまたは軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えるコマンドを指示するのに用いることができる。あるいは、UEに命令を運ぶのに用いられるMAC CEは新規のMAC CEを用いて定義することもでき、新規のMAC CEは新規のMAC CEヘッダおよびMAC CEペイロードを含むことができる。別の例では、新規のMAC CEはペイロードを有さず、代わりにUEがレガシーRRC接続に遷移するのに必要な関連情報を有するMAC CEヘッダのみを含むように定義されていてもよい。加えて、新規のMAC CEに新規の論理チャネル識別子(LCID)を定義することもできる。
【0061】
一例では、MAC CEはレガシーRRC接続に遷移するときにUEを支援する様々な種類の情報を含むことができる。例えば、MAC CEは、UEが軽量RRC接続の使用を停止し、レガシーRRC接続への切り替えを開始しなければならないという指示を含むことができる。その結果、UEはレガシーRRC接続確立手順をトリガすることによって遷移を要求することができるようになる。あるいは、ネットワークは、前述のように、RRCメッセージ内でレガシーRRC接続に切り替える指示を送信することによってレガシーRRC接続(および対応するベアラ)の確立を開始することもできる。加えて、UEがレガシーRRC接続に遷移するのを支援するためのMAC CEに含まれる情報は、新しいベアラ識別子(ID)、更新された無線構成情報も含むことができる。この場合には、UEはレガシーRRC接続確立手順をトリガしなくてもよい。というのは、ネットワークがすでにレガシーRRC接続を確立し、UEへ関連情報を送信しているからである。
【0062】
一例では、ネットワークではなくUEがレガシーRRC接続への遷移をトリガすることができる。UEは既存のMAC CEまたは新規のMAC CEを用いてレガシーRRC接続に遷移するよう求める要求を指示することができる。レガシーRRC接続に遷移するよう求める要求を送信するのに再利用することができる1つの既存のMAC CEはバッファ状態報告(BSR)とすることができる。BSRの機能は、レガシーRRC接続に遷移することを求める要求を指示することのできる予約ビットを含むように拡張することができる。
【0063】
前述の解決法では、UEからネットワークへ送信されるRRC接続要求は、スモールデータ転送のためのシグナリングの低減を可能とするスモールデータ標識を含むことができる。RRC接続要求は軽量RRC接続確立手順を開始するときにUEによってネットワークへ送信される第1のRRCメッセージとすることができる。スモールデータ標識に基づいて、ネットワークは軽量RRC接続の確立を円滑化することができる。スモール・データ・フィルタ機構を用いて、UEから伝送される予定のデータが本当にスモールデータであるかどうか判定することによって、シグナリングおよび電力の低減のために軽量RRC接続を確立することができる。しかし、UEのスモール・データ・フィルタリングまたはUEの機能に依拠して予定されるアップリンク(UL)データ転送がスモールデータになると判定し、そうした標識を伴うRRC接続要求を送信すると信頼性が低下しうる。したがって、ネットワークがUEの挙動のモニタリングを行い、または従来のRRC接続セットアップでの低シグナリング機構のためのより信頼性が高くスケーラブルな技法を定義したほうが有益となるはずである。
【0064】
一構成では、軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えることを決定するときに、初期データ・アクティビティ・タイマ・ベースの機構を用いることができる。eNBは、例えば、UEからのアップリンクデータが専用ベアラ確立を必要としないときに、UEが軽量RRC接続を用いることを最初に許すことができる。一例として、専用ベアラ確立はファイル転送プロトコル(FTP)または音声/ビデオサービスに必要とされうる。UEには、タイマによって定義される特定の期間にわたって軽量RRC接続またはコネクションレス型サービスを用いることを許すことができる。タイマはスモール・データ・アクティビティ・タイマまたは初期アクティビティタイマと呼ぶことができる。タイマはeNBにおいて保持することができる。加えて、タイマは、軽量RRC接続を用いてスモールデータを送信することになるアプリケーションの数を制限しない。一例では、タイマは、ネットワーク負荷および予期されるデータ伝送の持続期間に応じて、50ミリ秒(ms)から500msの間に設定することができる。言い換えると、UEには軽量RRC接続を用いて50msから500msの持続期間にわたってスモールデータと推定されるデータを送信することが許される。タイマが切れた後でUEが引き続きULリソースを要求していることをeNBが検出した場合には、eNBはUEを軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えることを決定することができる。タイマが切れた後でUEがULリソースを要求している場合には、UEによって送信されているデータはスモールデータではないと推定される。非スモールデータを送信するのに軽量RRC接続を用いることは軽量RRC接続の乱用となりうるため、eNBはUEをレガシーRRC接続に切り替えるためのサービス要求手順を開始することができる。レガシーRRC接続はデフォルト/専用ベアラを利用し、軽量RRC接続(および他のコネクションレス型サービス)は事前に確立されたベアラ、事前構成/事前確立されたセキュリティコンテキストなどを用いる。初期データ・アクティビティ・タイマ・ベースの機構に基づき、UEはスモールデータの定義に適合しないアップリンクデータを送信するためにレガシーRRC接続に切り替えることができる。
【0065】
一構成では、アップリンクデータのためのタイマ(例えば、スモール・データ・アクティビティ・タイマや初期アクティビティタイマ)をUEにおいて保持することができる。一例では、タイマは50msから500msの間に設定することができる。ネットワークではなくUEが、タイマが切れた後でULリソースが引き続きUEから要求されるときにそれを検出することができる。この場合には、UEは軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えるためのサービス要求手順を開始することができる。よって、UEはRRCメッセージによって、タイマが切れたときに(例えば、障害を回避するために)軽量RRC接続をレガシーRRC接続に移行するようを指示することができる。
【0066】
一構成では、タイマ(例えば、スモール・データ・アクティビティ・タイマや初期アクティビティタイマ)をサービングゲートウェイ(SGW)またはMMEにおいて保持することができる。タイマはUEについてのSGWバッファにおける累積ダウンリンクデータのためのものとすることができる。SGWはUEがアイドルモードにあり、または利用不能であるときにダウンリンクデータをバッファすることができる。SGWバッファがある加入、サービスまたは優先順位ベースの閾値以内である場合には、SGWは軽量RRC接続がUEのために確立されているときにダウンリンクデータの転送時にタイマを保持することができる。SGWは、タイマが切れたときに、直接またはMMEを介してeNBに指示することができる。例えば、タイマは50msから500msの間に設定することができる。タイマが切れた後にUEのダウンリンク・データ・フローが続行する(すなわち、タイマが切れた後でUEのためのダウンリンクデータがSGWバッファにおいて引き続き記憶される)場合には、ダウンリンクデータはスモールデータではないと推定することができる。したがって、eNBはUEを軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えることを決定することができる。
【0067】
一例では、ダウンリンクデータのためのタイマ(例えば、スモール・データ・アクティビティ・タイマや初期アクティビティタイマ)をUEにおいて保持することができる。UEは、タイマが切れた後でさえも、ダウンリンクデータがSGWバッファに引き続き流れているときにそれを検出することができる。この場合には、UEは軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えるためのサービス要求手順を開始することができる。
【0068】
一構成では、ネットワークはUEのデータ伝送履歴に基づいてUEアイドルコンテキストを調整することができる。UEが軽量RRC接続へのアクセスを得るために最初に縮小されたバッファ状態報告(BSR)を報告することも可能である。しかし、UEが軽量RRC接続へのアクセスを得るために縮小されたBSRを繰り返し報告することを妨げるために、eNBは状態チェックビットでアイドルモード時のUEのコンテキスト情報を調整することができる。UEのコンテキスト情報は、UEが次のセッションに軽量RRC接続を用いることを許されるか否かに応じて、状態チェックビットを用いて調整することができる。言い換えると、状態チェックビットはUEがコネクションレス型アクセスを許されているかどうか指示することができる。加えて、eNBは軽量RRC接続が確立されるのを許す前に既定の期間にわたってUEをモニタするためのタイマを追加することもできる。UEに送信すべき非スモールデータがある場合には、eNBはUEにレガシーRRC接続を確立するよう再指示することができる。
【0069】
一構成では、UEは軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えるべきかどうか判定することができる。UEはチャネル条件および/またはアップリンク(UL)データを伝送するための予期される時間に基づいてレガシーRRC接続に切り替えることを決定することができる。この構成では、UEがレガシーRRC接続に切り替わるべきであることをネットワークが判定するのではなく、UEがレガシーRRC接続に切り替えることを決定することができる。UEのアップリンクバッファにおけるデータ伝送の予期される時間がある一定の閾値を下回る場合には、ULデータはスモールデータであるとみなされ、UEはスモールデータを送信するのに軽量RRC接続機構を用いることを許される。1回の交換のためのデータ伝送の予期される時間の閾値は、サービス、UEクラス、優先順位および/または加入情報に基づいて事前定義することができる。あるいは、1回の交換のためのデータ伝送の予期される時間の閾値は、チャネル条件および/またはネットワーク条件に基づいて動的に調整することもできる。その結果、UEには、UEが不十分なチャネル条件を有するときに、かつ/またはネットワークが輻輳しているときに長期間を要すると予測されるデータ伝送に軽量RRC接続機構を用いることが許されなくなる。加えて、UEにおけるULデータが本当に「スモールデータ」であるかどうか判定するための閾値も、ネットワーク条件および/またはチャネル条件に基づいて動的に調整することができる。
【0070】
図3に、アクセスポイント名(APN)ごとのユーザ機器(UE)のための例示的な軽量無線リソース制御(RRC)接続構成を示す。ネットワークはUEにどのアプリケーションまたはサービスが軽量RRC接続を用いることができるか通知することができる。言い換えると、ネットワークは軽量RRC接続を用いてこれらのアプリケーションまたはサービスを用いるようにUEを事前構成することができる。ネットワークは、OMA−DM(Open Mobile Alliance−Device Management)機能を用いてOMA−MO(OMA−Management Object)においてUEへアプリケーションまたはサービスに関する情報を送信することによってUEを構成することができる。図3に示す例では、軽量RRC接続を用いてこれらのアプリケーションまたはサービスを用いるようにUEを構成するために新規の管理オブジェクトを作成することができる。
【0071】
図4に、アクセスポイント名(APN)ごとのユーザ機器(UE)のための例示的な軽量無線リソース制御(RRC)接続構成を示す。ネットワークはUEにどのアプリケーションまたはサービスが軽量RRC接続を用いることができるか通知することができる。言い換えると、ネットワークは軽量RRC接続を用いてこれらのアプリケーションまたはサービスを用いるようにUEを事前構成することができる。図4に示す例では、情報は、UEにどのアプリケーションまたはサービスが軽量RRC接続を用いることができるか知らせるためのANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)管理オブジェクト(MO)の一部とすることができる。
【0072】
図3および図4に関連して、APNごとのUEのための軽量RRC接続構成は軽量RRCモード優先(LightweightRRCModePreferred)値を含むことができる。軽量RRC接続優先値は特定のAPNへの接続を軽量RRC接続を介して確立することができるかどうか指示することができる。軽量RRC接続優先値は「0」または「1」を含むことができ、「0」は軽量RRC接続を介してAPNへの接続を確立することができないことを指示し、「1」は軽量RRC接続を介してAPNへの接続を確立することができることを指示する。一例として、機器(例えばスマートメータ)がスモールデータを送信するのに特定のAPNを常に用いる場合には、このAPNのために軽量RRC接続を構成することができる。一例では、特定のAPNへの接続を軽量RRC接続を介して確立することができるか、それとも軽量RRC接続を介して確立することができないかの判断をネットワークにおいて行うことができる。ネットワークは第三者サービス提供者との取り決めに基づいて、またはアプリケーションのモニタリングおよび統計収集によって判断を行うことができる。さらに、ネットワークはアプリケーションの挙動を継続してモニタし、アプリケーションが軽量の予想に従った挙動を示さないときに構成を変更することができる。
【0073】
一例では、UEに接続されているAPNに基づいて接続軽量RRC接続を許すことができる。アプリケーションが特定のAPN向けの接続の確立を要求した場合に、UEは軽量RRC接続を選択することができる。別の例では、UEが所与のAPN向けの接続を開始した後で、UEは確立されたベアラを用いて、軽量RRC接続手順をトリガしたアプリケーションからのみのパケットを送信することができる。UEにおいて異なるアプリケーションが開始された場合、UEは、たとえ異なるアプリケーションが同じAPN向けのものであっても、サービス要求を用いてレガシーRRC接続手順を開始することができ、それによって軽量RRC接続手順の乱用を回避することができる。さらに別の例では、UEが所与のUE向けの軽量RRC接続を開始した後で、UEは確立されたベアラを用いて任意のアプリケーションから同じAPNに向けてパケットを送信することができる。さらに別の例では、同時に同じAPN向けの軽量RRC接続を用いるアプリケーションの数を制限することができ、または最大ビット数/秒数を事前構成することもでき、または特定の持続期間もしくはタイマが設定されていてもよい。
【0074】
図5に、アプリケーションごとのユーザ機器(UE)のための例示的な軽量無線リソース制御(RRC)接続構成を示す。1つまたは複数のアプリケーションを軽量RRC接続のために構成することができる。構成されたアプリケーションのうちの1つが接続の確立を要求している場合、UEは軽量RRC接続を確立することを選択することができる。ネットワークは、OMA−DM(Open Mobile Alliance−Device Management)機能を用いてOMA−MO(OMA−Management Object)においてUEへアプリケーションに関する情報を送信することによって軽量RRC接続のためにアプリケーションを構成することができる。あるいは、ネットワークは、UEへ送信されるANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)管理オブジェクト(MO)を用いて軽量RRC接続のためのアプリケーションを構成することもできる。
【0075】
一例では、UEが軽量RRC接続を用いて第1のアプリケーションを開始した後で、やはり軽量RRC接続のために構成された第2のアプリケーションが通信しようとする場合、UEは軽量RRC接続手順の乱用を回避するためにレガシーRRC接続手順を開始することができる。別の例では、UEが軽量RRC接続を用いて1つのアプリケーションを開始した後で、UEは確立されたベアラを用いて軽量RRC接続のために構成された他のアプリケーションからのパケットを送信することができる。さらに別の例では、同時に軽量RRC接続を用いるアプリケーションの数を制限することができ、または最大ビット数/秒数を事前構成することもでき、または特定の持続期間もしくはタイマが設定されていてもよい。
【0076】
別の例では、図6の流れ図に示すように、ネットワークノードの装置の機能600が提供される。機能は方法として実現することもでき、または機能は機械上の命令として実行することもでき、命令は少なくとも1つのコンピュータ可読媒体または1つの非一時的機械可読記憶媒体上に含まれる。装置は、ブロック610に示すように、ネットワークノードにおいて、ユーザ機器(UE)がネットワークノードとの軽量無線リソース制御(RRC)接続からネットワークノードとのレガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定するように構成された回路を含むことができ、UEは軽量RRC接続がUEのために確立されているときにスモールデータ伝送を行うように構成されている。装置は、ブロック620に示すように、UEに、UEが軽量RRC接続からレガシーRRC接続に遷移するためにサービス要求手順を行うよう命令するように構成された回路を含むことができる。装置は、ブロック630に示すように、サービス要求手順がUEにおいて開始されるときにUEからサービス要求メッセージを受信するように構成された回路を含むことができ、ネットワークノードはUEの軽量RRC接続からレガシーRRC接続への切り替えを円滑化するように構成されている。
【0077】
一例では、回路は、ネットワークノードにおいて、UEのためのスモールデータ伝送をモニタし、UEのためのスモールデータ伝送が既定の閾値を上回るときにUEは軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定する、ように構成されている。一例では、回路は、UEから送信される媒体アクセス制御(MAC)パケット・データ・ユニット(PDU)の数をモニタすることによってUEのためのスモールデータ伝送をモニタするように構成されている。
【0078】
一例では、UEは、ネットワークノードからUEへ送信されるRRC接続セットアップメッセージまたはRRC接続再構成メッセージによって軽量RRC接続の使用を停止し、サービス要求手順を開始するよう命令され、RRC接続セットアップメッセージまたはRRC接続再構成メッセージは、UEが軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えるよう指示する情報要素(IE)を含む。一例では、回路は、定義されたカテゴリのアプリケーションがUEにおいて初期設定されるときにUEは軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定するように構成されている。一例では、回路は、UEがUEの送信バッファからデータを送信するための推定時間量に基づいてUEが軽量RRC接続またはレガシーRRC接続を選択すべきであると判定するように構成されている。
【0079】
一例では、回路は、ネットワークノードにおいて、サービングゲートウェイ(SGW)から、UEのためにSGWにおいてバッファに保持されているスモールデータのレベルが既定の閾値より大きいことを指示する汎用パケット無線サービス(GPRS)トンネリングプロトコル(GTP)−Cメッセージを受信し、UEのためにSGWにおいてバッファに保持されているスモールデータのレベルに基づいてUEは軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定する、ように構成されている。
【0080】
一例では、回路は、ネットワークノードにおいて保持されているスモール・データ・アクティビティ・タイマが切れた後でUEが引き続きアップリンク(UL)伝送のリソースを要求するときにUEを軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えることを決定するように構成されている。一例では、回路は、ネットワークノードにおいて、サービングゲートウェイ(SGW)から、SGWにおいて保持されているスモール・データ・アクティビティ・タイマが切れた後でUEのためのダウンリンクデータがSGWバッファに引き続き累積されていることを指示する汎用パケット無線サービス(GPRS)トンネリングプロトコル(GTP)−Cメッセージを受信し、スモール・データ・アクティビティ・タイマが切れた後でUEのためのダウンリンクデータがSGWバッファに引き続き累積されているときにUEを軽量接続からレガシーRRC接続に切り替えることを決定する、ように構成されている。
【0081】
一例では、UEは、ネットワークノードからUEへ送信される媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)によって軽量RRC接続の使用を停止し、サービス要求手順を開始するよう命令される。一例では、MAC CEは、レガシーRRC接続のベアラ識別(ID)情報および更新された無線構成情報を含む。
【0082】
別の例では、図7の流れ図に示すように、ネットワークノードの装置の機能700が提供される。機能は方法として実現することもでき、または機能は機械上の命令として実行することもでき、命令は少なくとも1つのコンピュータ可読媒体または1つの非一時的機械可読記憶媒体上に含まれる。装置は、ブロック710に示すように、ユーザ機器(UE)から、UEのためのネットワークノードとの軽量無線リソース制御(RRC)接続を開始することを求める軽量接続セットアップ要求を受信するように構成された1つまたは複数のプロセッサを含むことができ、UEは軽量RRC接続がUEのために確立されているときにスモールデータ伝送を行うように構成されている。装置は、ブロック720に示すように、ネットワークノードにおいて、UEから受信された軽量接続セットアップ要求を拒否すべきかどうか判定するように構成された1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。装置は、ブロック730に示すように、ネットワークノードが軽量接続セットアップ要求を拒否することを決定したときにUEへ軽量接続セットアップ拒否メッセージを送信するように構成された1つまたは複数のプロセッサを含むことができ、軽量接続セットアップ拒否メッセージは、UEがUEにおいてサービス要求手順を開始することによってネットワークノードとのレガシーRRC接続を確立するための命令を含む。装置は、ブロック740に示すように、サービス要求手順がUEにおいて開始されるときにUEからサービス要求メッセージを受信するように構成された1つまたは複数のプロセッサを含むことができ、ネットワークノードはUEのためのレガシーRRC接続の確立を円滑化するように構成されている。
【0083】
一例では、1つまたは複数のプロセッサはUEのデータ伝送履歴に基づいて軽量接続セットアップ要求を拒否することを決定するように構成されている。一例では、1つまたは複数のプロセッサは、UEが軽量RRC接続を用いることを許されるアクセスポイント名(APN)のリストを構成するようにさらに構成されており、ネットワークノードはAPNのリストを、OMA−DM(Open Mobile Alliance−Device Management)機能を用いてOMA−MO(OMA−Management Object)において送信するように構成されている。一例では、1つまたは複数のプロセッサは、UEが軽量RRC接続を用いることを許されるアプリケーションのリストを構成するようにさらに構成されており、ネットワークノードはアプリケーションのリストを、OMA−DM(Open Mobile Alliance−Device Management)機能を用いてOMA−MO(OMA−Management Object)において送信するように構成されている。
【0084】
別の例では、ユーザ機器(UE)を軽量無線リソース制御(RRC)接続からレガシーRRC接続に切り替えるための命令が具現化されている少なくとも1つの非一時的機械可読記憶媒体の機能800が提供される。命令は、実行されると、ブロック810に示すように、無線基地局に、無線基地局の少なくとも1つのプロセッサを用いて、UEが軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定する動作を行わせることができ、UEは軽量RRC接続がUEのために確立されているときにスモールデータ伝送を行うように構成されている。命令は、実行されると、ブロック820に示すように、無線基地局に、無線基地局の少なくとも1つのプロセッサを用いて、UEに、UEが軽量RRC接続からレガシーRRC接続に遷移するためのサービス要求手順を行うよう命令する動作を行わせることができる。命令は、実行されると、ブロック830に示すように、無線基地局に、無線基地局の少なくとも1つのプロセッサを用いて、サービス要求手順がUEにおいて開始されるときにUEからサービス要求メッセージを受信する動作を行わせることができ、無線基地局はUEの軽量RRC接続からレガシーRRC接続への切り替えを円滑化するように構成されている。
【0085】
一構成では、少なくとも1つの非一時的機械可読記憶媒体は、無線基地局の少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、UEのスモールデータ伝送をモニタする動作と、UEのスモールデータ伝送が既定の閾値を上回るときにUEは軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えるべきであると判定する動作と、を行う命令を含むことができる。一構成では、少なくとも1つの非一時的機械可読記憶媒体は、無線基地局の少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、ネットワークノードにおいて保持されているスモール・データ・アクティビティ・タイマが切れた後でUEが引き続きアップリンク(UL)伝送のリソースを要求するときにUEを軽量RRC接続からレガシーRRC接続に切り替えることを決定する動作、を行う命令を含むことができる。
【0086】
一構成では、UEは、ネットワークノードからUEへ送信される媒体アクセス制御(MAC)制御要素(CE)によって軽量RRC接続の使用を停止し、サービス要求手順を開始するよう命令される。一構成では、少なくとも1つの非一時的機械可読記憶媒体は、無線基地局の少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、UEが軽量RRC接続を用いることを許されるアプリケーションのリストを構成する動作、を行う命令を含むことができ、無線基地局はアプリケーションのリストを、OMA−DM(Open Mobile Alliance−Device Management)機能を用いてOMA−MO(OMA−Management Object)において送信するように構成されている。
【0087】
図9に、ユーザ機器(UE)、移動局(MS)、移動無線機器、移動通信機器、タブレット、ハンドセット、または他の種類の無線機器といった無線機器の実例を示す。無線機器は、基地局(BS)、進化型ノードB(eNB)、ベースバンド部(BBU)、リモート・ラジオ・ヘッド(RRH)、リモート無線装置(RRE)、中継局(RS)、無線装置(RE)、または他の種類の無線広域ネットワーク(WWAN)アクセスポイントといった、ノード、マクロノード、低電力ノード(LPN)、または伝送局と通信するように構成された1つまたは複数のアンテナを含むことができる。無線機器は、3GPP LTE、WiMAX、高速パケットアクセス(HSPA)、Bluetooth(登録商標)、およびWiFiを含む少なくとも1つの無線通信規格を用いて通信するように構成することができる。無線機器は、無線通信規格ごとに別々のアンテナ、または複数の無線通信規格の共用アンテナを用いて通信することができる。無線機器は、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、無線パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)、および/またはWWANにおいて通信することができる。
【0088】
図9には、オーディオ入力および無線機器からの出力に用いることができるマイクロフォンおよび1つまたは複数のスピーカの図も示されている。表示画面は、液晶ディスプレイ(LCD)画面、または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイといった他の種類の表示画面とすることができる。表示画面は、タッチスクリーンとして構成することができる。タッチスクリーンは、静電容量式、抵抗式、または別の種類のタッチスクリーン技術を用いることができる。処理能力および表示能力を提供するために内部メモリにアプリケーションプロセッサおよびグラフィックスプロセッサを結合することができる。ユーザにデータ入力/出力オプションを提供するために不揮発性メモリポートを用いることもできる。不揮発性メモリポートは、無線機器のメモリ機能を拡張するのに用いることもできる。追加的なユーザ入力を提供するためにキーボードを無線機器と統合し、または無線機器に無線接続することもできる。タッチスクリーンを用いて仮想キーボードを提供することもできる。
【0089】
様々な技法、またはその特定の局面もしくは部分は、フロッピー(登録商標)ディスケット、CD−ROM、ハードドライブ、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、または任意の他の機械可読記憶媒体といった有形の媒体において具現化されたプログラムコード(すなわち命令)の形態を取ることができ、プログラムコードが、コンピュータといった機械にロードされ、機械によって実行されると、機械は様々な技法を実施するための装置になる。回路は、ハードウェア、ファームウェア、プログラムコード、実行可能コード、コンピュータ命令、および/またはソフトウェアを含むことができる。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は信号を含まないコンピュータ可読記憶媒体とすることができる。プログラマブルコンピュータ上でのプログラムコード実行の場合には、コンピューティングデバイスは、プロセッサと、(揮発性および不揮発性のメモリおよび/または記憶素子を含む)プロセッサが読取り可能な記憶媒体と、少なくとも1台の入力装置と、少なくとも1台の出力装置とを含むことができる。揮発性および不揮発性のメモリおよび/または記憶素子は、RAM、EPROM、フラッシュドライブ、光ドライブ、磁気ハードドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、または電子データを記憶するための他の媒体とすることができる。ノードおよび無線機器は、送受信モジュール、カウンタモジュール、処理モジュール、および/またはクロックモジュールもしくはタイマモジュールも含むことができる。本明細書に記載される様々な技法を実現し、または利用することができる1つまたは複数のプログラムは、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)、再利用可能なコントロールなどを用いることができる。そうしたプログラムは、コンピュータシステムと通信するために高水準手続き型プログラミング言語またはオブジェクト指向プログラミング言語として実現することができる。しかし、(1つまたは複数の)プログラムは、必要に応じて、アセンブル言語または機械語として実現することもできる。いずれにせよ、言語はコンパイラ型言語またはインタープリタ型言語とし、ハードウェア実装と組み合わせることができる。
【0090】
本明細書で用いられる場合、プロセッサという用語は、汎用プロセッサ、VLSIやFPGAといった専用プロセッサ、または他の種類の専用プロセッサ、ならびに送受信機で無線通信を送信、受信、処理するのに用いられるベースバンドプロセッサを含むことができる。
【0091】
本明細書に記載されている機能ユニットの多くは、それらの実装上の独立性を特に強調するために、モジュールとして表示されていることを理解すべきである。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路またはゲートアレイ、論理チップやトランジスタや他のディスクリート部品といった既製の半導体を含むハードウェアとして実現することもできる。モジュールは、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル・アレイ・ロジック、プログラマブル論理デバイスなどといったプログラマブル・ハードウェア・デバイスとして実現することもできる。
【0092】
一例では、本明細書に記載される機能ユニットを実現するのに複数のハードウェア回路または複数のプロセッサを用いることができる。例えば、第1のハードウェア回路または第1のプロセッサは処理動作を行うのに用いることができ、第2のハードウェア回路または第2のプロセッサ(例えば、送受信機やベースバンドプロセッサ)は他のエンティティと通信するのに用いることができる。第1のハードウェア回路および第2のハードウェア回路を統合して単一のハードウェア回路にすることもでき、あるいは、第1のハードウェア回路および第2のハードウェア回路を別々ハードウェア回路とすることもできる。
【0093】
モジュールは様々な種類のプロセッサが実行するためのソフトウェアとして実現することもできる。実行可能コードの1つの個別モジュールは、例えば、コンピュータ命令の1つまたは複数の物理ブロックまたは論理ブロックを含むことができ、それらの命令ブロックは、例えば、オブジェクト、プロシージャ、または関数として編成することができる。とはいえ、個別モジュールの実行可能命令は物理的にまとまって位置する必要はなく、論理的に相互に結合されると、モジュールを構成し、そのモジュールについて記述された目的を達成する、異なる位置に記憶された異種の命令を含むことができる。
【0094】
実際、実行可能コードのモジュールは、単一の命令とすることも、多数の命令とすることもでき、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラムの間で、数個のメモリデバイスにまたがって分散させることさえもできる。同様に、操作データも、この場合、各モジュール内で識別し、例示することができ、任意の適切な形態として具現化し、任意の適切な種類のデータ構造内で編成することができる。操作データは、単一のデータセットとして収集することもでき、異なる記憶装置にわたるものを含めて、異なる位置にまたがって分散させることもでき、少なくとも一部は、単にシステムまたはネットワーク上の電気信号として存在しうる。各モジュールは、所望の機能を果たすように動作するエージェントを含めて、受動的であっても、能動的であってもよい。
【0095】
本明細書全体を通して、「一例(an example)」という場合、それは、その例と関連して記述される特定の特徴、構造、または特性が本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書全体の様々な箇所で「一例では」という句が使用される場合、それは必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているとは限らない。
【0096】
本明細書で用いる場合、複数の項目、構造要素、構成要素、および/または材料が、便宜上共通リストとして提示される場合がある。しかし、これらのリストは、リストの各要素が別々の固有の要素として個別に識別されるものであるかのように解釈すべきである。よって、そうしたリストの個別要素はいずれも、単にそれらの要素がそれらに反する指示を示さずに共通グループとして提示されていることのみに基づいて、同じリストの任意の他の要素の事実上の均等物であると解釈すべきではない。加えて、本技術の様々な実施形態および例は、本明細書において、それらの実施形態および例の様々な構成要素の代替形態と共に言及されている場合もある。そうした実施形態、例、および代替形態は、相互の事実上の均等物と解釈すべきではなく、本技術の別々の独自の表現とみなすべきであることが理解されるものである。
【0097】
さらに、記載されている特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切なやり方で組み合わせることもできる。以上の説明においては、本技術の実施形態の十分な理解を提供するために、レイアウト、距離の例、ネットワーク例などといった多数の具体的詳細が示されている。しかし、本技術はそれらの具体的詳細のうちの1つまたは複数がなくても、あるいは他の方法、構成要素、レイアウトなどを用いても実施することができることを当業者は理解するであろう。場合によっては、本技術の態様を不明確にしないように、周知の構造、材料、または動作を詳細に図示せず、説明していない。
【0098】
以上の各例は1つまたは複数の特定の用途における本技術の原理を例示するものであるが、発明力を行使せずに、本技術の原理および概念を逸脱することなく、形態、用法および実装詳細における多数の変更がなされうることが、当業者には明らかであろう。したがって、本技術が添付の特許請求の範囲によるもの以外によって限定されることは意図されていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9