特許第6481921号(P6481921)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6481921-光線式センサーの光軸調整機能 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481921
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】光線式センサーの光軸調整機能
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/78 20060101AFI20190304BHJP
【FI】
   H03K17/78 P
【請求項の数】1
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2014-86260(P2014-86260)
(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2015-207846(P2015-207846A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000210403
【氏名又は名称】竹中エンジニアリング株式会社
(72)【発明者】
【氏名】阪口 典久
【審査官】 白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−112547(JP,A)
【文献】 特開2002−296361(JP,A)
【文献】 特開2011−199448(JP,A)
【文献】 特開平04−190497(JP,A)
【文献】 特開2005−214913(JP,A)
【文献】 特開2010−166341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光ユニットを一個または複数個配置した投光器と、受光ユニットを一個または複数個配置し、各受光ユニットには対応する投光ユニットからの光を受光し、その受光レベルを出力する受光量出力部を設けた受光器とで構成された光線式センサーにおいて、前記受光器に多機能携帯端末装置と無線通信可能な機能を内蔵し、前記多機能携帯端末装置で前記受光量出力部の出力値を確認できるようにし、
前記無線通信はブルートゥースによって実施され、
前記受光器にブルートゥースモジュールと、ブルートゥースモジュールのペアリング開始用スイッチとを内蔵し、
前記ペアリング開始用スイッチを運用時に使用するカバー内に配置し、
前記カバーを閉めることにより、前記出力値のデータ通信の停止、またはブルートゥースモジュールのペアリング削除、またはその両方を行うことを特徴とした光線式センサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線等の光を発する投光器と、この光を受ける受光器とで構成される光線式センサーの光軸調整機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光線式センサーは、投光器と受光器を所定の距離だけ離して設置するものである。投光器から受光器に達する光の強さは、雨や霧等の気象条件や、装置のカバーや窓部の汚れによる減衰を考慮し、余裕を持った値としてある。例えば1 0 0 m の距離を警戒する装置の場合、受光器側の受光信号レベルが最大時の1 / 1 0 0 まで減衰しても検知信号を発しない程度にするのが一般的である。光線式センサーの性能を発揮させるために、投光ユニットと受光ユニットを、それぞれ対応するユニットに向けて正確に光軸調整する必要がある。受光器に受光レベルを出力する受光量出力部を設け、その出力値をテスターで確認しながら受光ユニットの方向を調整したり、専用の双方向無線通信モジュール内蔵光軸調整ユニットを、投光器と受光器の両方に接続し、光軸調整を行ったりしている。(例えば特許文献1参照)
【特許文献1】特開2010−166341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光線式センサーの設置作業者や警報時に駆けつける警備員などのすべてが、テスターや専用の双方向無線通信モジュール内蔵光軸調整ユニットなどの機器を常時所持しているとは限らない。そのため、光軸調整時に精度よく調整がなされず不安定な警戒状態により誤報が多発したり、正しくメンテナンスできなかったりすることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、光線式センサーの受光器に、スマートフォンやタブレット端末などの多機能携帯端末装置と無線通信可能な機能を内蔵し、特定の多機能携帯端末装置で受光器の受光量出力部の出力値を確認できるようにする。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、一般的に普及している多機能携帯端末装置で、受光器の受光レベルを確認することができ、テスターや専用機器を常時所持していなくても光軸調整が精度よく行える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の1実施形態の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について説明する。図1は本発明の実施形態の構成を示した図である。光線式センサーは、投光ユニット3を内蔵した投光器1と受光ユニット4を内蔵した受光器2で構成され、投光ユニット3から受光ユニット4へ、光を発し警戒区間を構成している。
【0008】
受光器2にブルートゥース(登録商標)モジュール5とブルートゥースモジュール5のペアリング開始用スイッチ(図示せず)を内蔵する。受光器2に内蔵のペアリング開始用スイッチを押すことによりブルートゥースモジュール5がペアリング可能な状態となる。
【0009】
次に多機能携帯端末装置6でブルートゥース機器を探索し、ブルートゥースモジュール5を発見しペアリング処理を行い、多機能携帯端末装置6とブルートゥースモジュール5でデータ通信可能な状態とする。ブルートゥースモジュール5から、受光量出力部からの出力値を送信し、多機能携帯端末装置6で受光量表示部7を表示する。受光量表示部7の値を確認し、光軸調整を行う。
【0010】
ブルートゥースモジュール5からは受光量だけでなく、検知情報や検知反応速度などの光線式センサーの各種設定を送信し、多機能携帯端末装置6に表示できるようにしてもよい。また、図1ではブルートゥースモジュールを受光器に内蔵したが外付けにできるようにしてもよく、異なる無線通信モジュールとしてもよい。
【0011】
さらに、ペアリング開始用スイッチを光線式センサー運用時には閉められているカバー内に配置することや、一定時間経過すると自動的にデータ通信を停止したりペアリングを削除したりすることや、カバーを閉めることによりデータ通信を停止したりペアリングを削除したりすることでセキュリティ性が高まる。
【符号の説明】
【0012】
1・・・投光器
2・・・受光器
3・・・投光ユニット
4・・・受光ユニット
5・・・ブルートゥースモジュール
6・・・多機能携帯端末装置
7・・・受光量表示部
図1