特許第6481981号(P6481981)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6481981
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】PC鋼材の端末処理
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/46 20060101AFI20190304BHJP
   E04C 5/12 20060101ALI20190304BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20190304BHJP
   E04C 5/08 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   G02B6/46 321
   E04C5/12
   G02B6/44 386
   E04C5/08
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-93211(P2015-93211)
(22)【出願日】2015年4月30日
(65)【公開番号】特開2016-212153(P2016-212153A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2017年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】302061613
【氏名又は名称】住友電工スチールワイヤー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390021119
【氏名又は名称】ヒエン電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(72)【発明者】
【氏名】及川 雅司
(72)【発明者】
【氏名】山田 眞人
(72)【発明者】
【氏名】松原 喜之
(72)【発明者】
【氏名】山本 徹
(72)【発明者】
【氏名】山野辺 慎一
(72)【発明者】
【氏名】今井 道男
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 直樹
(72)【発明者】
【氏名】大窪 一正
(72)【発明者】
【氏名】千桐 一芳
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊之
【審査官】 岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−046527(JP,A)
【文献】 特開2001−066118(JP,A)
【文献】 特開平07−072338(JP,A)
【文献】 米国特許第06104855(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00−6/54
G01B 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバをPC鋼材の全長に亘って設けたPC鋼材の端末処理構造であって、
上記光ファイバの端末に取り付けたコネクタと、そのコネクタを支持固定する柱状ケースとを有し、そのケースは上記PC鋼材に一端で同一軸上に嵌め込み固定され、
上記PC鋼材がPC鋼より線からなって、そのPC鋼より線の1本の素線が他の素線より突出し、前記PC鋼より線のらせん溝に沿って上記光ファイバが接着固定されており、前記突出素線に前記ケースの一端が嵌め込まれているPC鋼材の端末処理構造。
【請求項2】
上記突出素線が中心線(心線)である請求項に記載のPC鋼材の端末処理構造。
【請求項3】
上記ケースは、柱状本体に形成された軸方向の溝と、前記本体の端面に形成された上記突出素線が嵌る凹部を有し、前記溝は、コネクタのブーツが嵌る部分と、そのブーツから突出する光ファイバ端末が嵌る部分を有する請求項1または2に記載のPC鋼材の端末処理構造。
【請求項4】
請求項に記載のPC鋼材の端末処理構造を構成するためのPC鋼より線の端末処理方法であって、
上記PC鋼より線の1本の素線を他の素線より突出させるとともに、上記光ファイバの端末をPCより線から所要長さ剥ぎ取ってその端末にコネクタを取り付け、上記ケースの一端を前記突出素線に嵌め込むとともに、前記剥ぎ取った光ファイバの端末をPC鋼より線に沿わせつつ前記コネクタのブーツを前記ケースで支持するPC鋼より線の端末処理方法。
【請求項5】
上記ケースは、柱状本体に形成された軸方向の溝と、前記本体の端面に形成された上記突出素線が嵌る凹部を有し、前記溝は、コネクタのブーツが嵌る部分と、そのブーツから突出する光ファイバ端末が嵌る部分を有しており、上記ケースを前記突出素線に嵌め込んだ後、そのケースの溝に光ファイバ及びブーツを嵌め込んで支持する請求項に記載の光ファイバを備えたPC鋼より線の端末処理方法。
【請求項6】
請求項記載のPC鋼の端末処理構造又は請求項記載のPC鋼より線の端末処理方法に使用するケースであって、柱状本体と、その本体に形成された軸方向の溝と、前記本体の端面に形成された上記突出素線が嵌る凹部を有し、前記溝は、コネクタのブーツが嵌る部分と、そのブーツから突出する光ファイバ端末が嵌る部分を有するコネクタ支持用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを備えたPC鋼材の端末処理構造、その端末処理方法及びその処理方法に使用するコネクタ支持ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プレストレスト・コンクリート (PC: prestressed concrete)構造物に導入されるプレストレス力(緊張力)は、PC鋼材の端部におけるそのPC鋼材の伸び量により管理されているのが現状である。この管理手法は、PC構造物の内部におけるPC鋼材全長に亘りプレストレスが正しく導入されているかが把握できない問題がある。
また、地山等の補強に採用されるアンカー工の場合、PC鋼材端部の固定金具部(定着体)にロードセル等の圧力計を設け、地山等に生じる局部的な割れや滑りが生じた場合、その割れ等によるPC鋼材のプレストレス力変化を前記圧力計が検知し、その検知圧力の変動によって地山等に生じる局部的な割れや滑りを把握するようにしているが、その割れ等が生じた位置を特定することができない。
【0003】
このため、PC鋼材の全長に亘って光ファイバを添わせ、プレストレス力によるPC鋼材の動き(伸長)に連動する光ファイバのひずみ測定からPC鋼材のひずみ(緊張力)を測定する技術がある(特許文献1参照)。
この技術は、地山等において、局部的に割れや滑りが生じた場合、その部位の光ファイバもその割れ等によって張力(歪み)が変動するため、その位置及びその張力変化を検出できる。
【0004】
この光ファイバを添わせたPC鋼材においては、その端末に至った光ファイバの端末に外部機器への接続用コネクタを取り付けている。
そのコネクタは、光ファイバを保持するフェルールと、そのフェルールを収容するフレームと、そのフレームを収容するとともに相手側のアダプタに接続されるプラグハウジングと、プラグハウジングから保持された光ファイバの所要長さを被うブーツ等とからなる(特許文献2段落0017〜同0046、図1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−46527号公報
【特許文献2】特開2012−155316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記PC鋼材に添わせた光ファイバにコネクタを接続する際、光ファイバがPC鋼材の端末の周縁(角)に接触して損傷する恐れがある。このため、その接続作業はその損傷が生じないように注意深くする必要があり、作業性が悪い。
また、上記光ファイバを添わせ、かつその端部にコネクタを接続したPC鋼材をコンクリートや定着体内に挿通する場合は、そのPC鋼材の端末に保護カバー(図1図3Cの符号:40参照)等を取り付ける必要があるが、保護カバー内でPC鋼材に対しコネクタは自由に動き得る(図3B参照)。このため、挿通作業中に、コネクタの動きに伴って光ファイバが動いて折れたり、PC鋼材の端末に接触したりして損傷する恐れがある。
【0007】
本発明は、以上の実状の下、光ファイバ及びコネクタのPC鋼材の端末への取付強度(固定強度)を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、本発明は、光ファイバをPC鋼材の全長に亘って設けたPC鋼材の端末処理構造であって、前記光ファイバの端末に取り付けたコネクタと、そのコネクタを支持固定する柱状ケースとを有し、そのケースは上記PC鋼材に一端で同一軸上に嵌め込み固定されている構成としたのである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上のように構成し、コネクタをケースで支持固定し、そのケースの一端をPC鋼材に固定したので、PC鋼材に対しコネクタ及びそのコネクタから導出された光ファイバの端末が自由に動くことが無くなり、PC鋼材への取付強度が向上する。このため、コネクタと光ファイバを配置したPC鋼材をコンクリートや定着体に挿通する際、そのコネクタやコネクタから導出された光ファイバがPC鋼材に対して不用意に動かないため、光ファイバが折れたり、PC鋼材の端部に接触したりして損傷する恐れは少なくなり、この挿通作業も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一態様に係る光ファイバを備えたPC鋼より線の端末処理構造の端末部の斜視図である。
図2】同端末部の部分切断正面図である。
図3A】同端末部の作用説明図である。
図3B】同端末部の作用説明図である。
図3C】同端末部の作用説明図である。
図4】同端末処理構造をなすコネクタ支持用ケースの斜視図である。
図5】同ケースを示し、(a)は平面図、(b)は一部切断正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
図6】同光ファイバを備えたPC鋼より線の他例の断面図である。
図7参考例に係る光ファイバを備えたPC鋼材の端末処理構造の端末部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の実施形態の説明)
本発明に係る光ファイバを備えたPC鋼より線の端末処理構造の実施形態としては、光ファイバをPC鋼材の全長に亘って設けたPC鋼材の端末処理構造であって、前記光ファイバの端末に取り付けたコネクタと、そのコネクタを支持固定する柱状ケースとを有し、そのケースは上記PC鋼材に一端で同一軸上に嵌め込み固定されている構成を採用することができる。
上記PC鋼材は、PC鋼線、PC鋼棒およびPC鋼より線等が考えられる。また、そのPC鋼より線は、7本撚り、19本撚り等の従来周知のものを採用し得る。さらに、光ファイバの構成も、PC鋼材の全長に亘って設けてその歪み(張力)を測定し得るものであれば、何れでも良い。また、PC鋼材における光ファイバの配置もそのPC鋼材表面だけでなく、PC鋼より線の場合、その撚り線(ストランド)を構成する素線間等に配置することができる。コネクタも従来周知の物を採用することができる。
【0012】
上記コネクタを支持固定する柱状ケースの上記PC鋼材への固定は、そのPC鋼材端末外周面にケース一端を嵌め込む手段を採用することができるが、PC鋼材の端末にその径よりも小径の突起物を形成し、その突起物にケースを嵌め込む手段を採用することもできる。その突起物は、PC鋼材と同一軸心であると、PC鋼材とケースを同一軸心にし易い。
上記PC鋼材がPC鋼より線からなる場合は、そのPC鋼より線の1本の素線が他の素線より突出し、前記PC鋼より線のらせん溝に沿って上記光ファイバが接着固定されており、前記突出素線に前記ケースの一端が嵌め込まれている構成を採用することができる(図1等参照)。この場合、その突出素線が中心線(心線)とすれば、上記と同様に、PC鋼材とケースを同一軸心にし易い。
【0013】
上記コネクタ支持用ケースは、その一端がPC鋼材端末(突起物、突出素線)に嵌り得て、コネクタのブーツを支持し得る形状の物であれば何れも採用し得るが、例えば、柱状本体に形成された軸方向の溝と、前記本体の端面に形成された上記PC端末又は突出素線が嵌る凹部を有し、前記溝は、コネクタのブーツが嵌る部分と、そのブーツから突出する光ファイバ端末が嵌る部分を有する構成とし得る。
このようにすれば、ケースが柱状であることから、その一端をPC鋼材又は突出素線に嵌めれば、PC鋼材とケースが同一軸上に容易に一体とすることができ、その一体化したケースの溝にコネクタのブーツ及び光ファイバが嵌められるため、それらの支持も安定する。
【0014】
以上の端末処理構造は種々の方法によって構成すれば良いが、例えば、上記光ファイバの端末をPC鋼材から所要長さ剥ぎ取ってその端末にコネクタを取り付け、上記ケースの一端を前記PC鋼材端末に嵌め込むとともに、前記剥ぎ取った光ファイバの端末をPC鋼材に沿わせつつ前記コネクタのブーツを前記ケースで支持する構成を採用することができる。
このとき、PC鋼材がPC鋼より線であれば、そのPC鋼より線の1本の素線を他の素線より突出させ、上記ケースの一端をその突出素線に嵌め込むこととなる。
この構成においても、上記コネクタ支持用ケースは、同様に、柱状本体に形成された軸方向の溝と、前記本体の端面に形成された上記PC鋼材端末、突起物又は突出素線が嵌る凹部を有し、前記溝は、コネクタのブーツが嵌る部分と、そのブーツから突出する光ファイバ端末が嵌る部分を有しており、前記ケースを前記突出素線等に嵌め込んだ後、そのケースの溝に光ファイバ及びブーツを嵌め込んで支持する構成とすることができる。
【0015】
(本発明の実施形態の詳細)
本発明に係る光ファイバを備えたPC鋼より線の端末処理構造の具体例を図1及び図2に示し、この実施形態のPC鋼より線Pは標準径9.3〜15.2mmの7本よりであって、そのPC鋼より線Pのストランド10表面のらせん状溝10aに光ファイバaが接着固定されている。
その光ファイバaの端末にコネクタ20が取付られており、そのコネクタ20は、フェルール21と、フレーム22と、プラグフランジ23と、ブーツ24等を有し、螺旋状溝を形成した光ファイバ保護管25を介し光ファイバaが周知の手段によって接続されている(特許文献2参照)。図中、26はフェルール21の保護キャップである。
【0016】
そのコネクタ20及び光ファイバaの接続部はケース(保護カバー)30内に納められている。そのケース30は、図4及び図5に示すように、ナイロン系エンジニアリング・プラスチック(ポリアミド)等からなる円柱状本体31からなり、その本体31に、軸方向の溝32と、その端面に横穴状の凹部33を有している。その溝32は、コネクタ20のブーツ24が嵌る部分32aと、そのブーツ24から突出する光ファイバaの端末(保護管25)が嵌る部分32bを有する。
その溝32a、32bは、共にその底部が断面円形となって、前者の溝32aの底部の内径はブーツ24の最大外径より0.5mm程小さくしており、後者の溝32bの底部の内径は保護管25の最大外径より1mm程小さくしている。このため、それらの溝32a、32bにブーツ24及び保護管25は適当な嵌合力を持って嵌め込まれ、容易に抜けない。
【0017】
この実施形態の光ファイバを備えたPC鋼より線Pの端末処理構造は以上の構成であり、その端末処置は、まず、図3Aに示すように、PC鋼より線Pの端末において、光ファイバaをストランド10から所要長さ剥ぎ取るとともに、ストランド10の心線(中心素線)11を周囲の側線(側素線)12より突出した態様とする。その態様は、PC鋼より線Pの製造時に形成したり、同図鎖線で示すように、側線12を切除することによって形成したりする。何れにしても、その心線11の突出量及び凹部33の径は、上記ケース30の凹部33に嵌ってケース30が容易に外れないように適宜に設定する。
【0018】
つぎに、図3Bに示すように、光ファイバaにコネクタ20を取り付けると共に、ストランド10の心線11の端部にケース30を嵌める。続いて、図3Cに示すように、前記剥ぎ取った光ファイバaの端末をPC鋼より線Pに沿わせつつそのケース30の溝32(32a、32b)に光ファイバa及びブーツ24を嵌め込んで、PC鋼より線Pの端部へのケース30付のコネクタ20の取付を完了する。この完了状態において、ケース30を取り付けても、PC鋼より線Pの全長は担保しているものとする。必要に応じて、一端閉塞の金属製保護カバー40をそのケース30(コネクタ20)に嵌める。
これらの作業は、工場において行い、この状態で現場に持ち込んで、コンクリート及び定着体などへの挿入取付けを行う。
【0019】
光ファイバaを2本添わせたPC鋼より線Pの場合は、溝32bに相当するもう一つの嵌合溝を上記ケース30の先端まで延伸して形成し、その嵌合溝を介して他の光ファイバaをその先端まで引き出してさらに前記ケース30と同様のケースに導くとともにブーツ24、コネクタ20を取付けてそのケースに嵌め込み、その直列配置された二つのケースにその両ケースを収納できる長さの金属製保護カバー40を嵌める。光ファイバaを3本以上添わせたPC鋼より線Pの場合でも同様とする。
なお,この実施形態の光ファイバaを備えたPC鋼より線Pの端末処理構造は、金属製保護カバー40に格納された状態でその最大径がPC鋼より線Pの外径+2.4mm以内であり、緊張用ジャッキや定着体に挿通できる大きさである。
【0020】
上記実施形態において、突出素線は心線11でなくても側線12でも良い。この場合は、凹部33もケース30の軸心からずらして形成し、その凹部33に側線12の端部を嵌めた際、ストランド10とケース30が同一軸上になるように形成する。
また、図6に示すように、ストランド10の全周面をエポキシ樹脂等によって樹脂被覆13したPC鋼より線Pにも採用し得る。
【0021】
さらに、PC鋼より線Pの場合、光ファイバaは、その撚り線(ストランド10)を構成する素線11、12間(ストランド10内)に配置することができる。このとき、光ファイバaは、ストランド10の撚り工程で素線11、12間に介在したり、撚られたストランド10をその一端から他端に向かって緩解しつつ、その緩解された素線11、12間に介在したりすることができ、一方、光ファイバaの端末にコネクタ20を取り付ける場合は、PC鋼より線Pの端末を緩解して、図3A図3Bに示すように、ストランド10の素線11、12の間から光ファイバaを所要長さ引き出して(剥ぎ取って)その端末にコネクタ20を取り付ける。
【0022】
上記各実施形態のPC鋼材はPC鋼より線Pの場合であった。PC鋼線、PC鋼棒の場合の参考例を説明する。図7(a)に示すように、PC鋼線又はPC鋼棒P1の端末に切削等によって突起物11aを形成し、ケース30をその突起物11aに嵌め込んでPC鋼棒P1等に取り付けたり、同(b)に示すように、ケース30の一端を筒状にして、その一端をPC鋼棒P1等の端末に嵌め込んでPC鋼棒P1等に取り付けたりすることができる。
【0023】
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0024】
P、P1 PC鋼材
10 PC鋼より線のストランド
11 同ストランドの心線(中心素線)
12 同側線(側素線)
20 コネクタ
21 コネクタのフェルール
22 同フレーム
23 同プラグフランジ
24 同ブーツ
25 光ファイバ保護管
26 フェルール保護キャップ
30 ケース
31 柱状ケース本体
32 溝
32a ブーツ嵌合溝
32b 金属管(光ファイバ)嵌合溝
33 ストランド素線の嵌合凹部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7