【実施例】
【0036】
(例1)
網膜ニューロン及び網膜色素上皮細胞へのヒト組込みフリーの誘導多能性幹細胞の、信頼性のある効率的な分化
1.1
実験手順
ヒト線維芽細胞及びiPS細胞の培養
8歳の男児由来の成人ヒト皮膚線維芽細胞(AHDF)(Rustin博士からの贈与、INSERM U676、Paris、France)を、標準的な5%CO
2/95%空気インキュベータ中で、37℃で、10% FBS(Life Technologies)、1mMピルビン酸ナトリウム(Life Technologies)、1×MEM非必須アミノ酸(Life Technologies)を補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)高グルコース、Glutamax II(Life Technologies)中で培養した。この培地を「線維芽細胞培地」と呼んだ。樹立されたヒトiPS細胞を、10ng/mlのヒト組換え線維芽細胞増殖因子2(FGF2)(Preprotech)を含むReproStem培地(ReproCell)中で、マイトマイシン−C不活化マウス胚性線維芽細胞(MEF)フィーダー層(Zenith)上で維持した。細胞を、標準的な5%CO
2/95%空気インキュベータ中で、37℃で慣用的にインキュベートした。この培地を「iPS培地」と呼んだ。細胞を、実体顕微鏡(Vision Engineering Ltd)下で1週間に1回手動で継代した。
【0037】
ヒト線維芽細胞の再プログラミング
再プログラミングを、記載されたようにエピソームアプローチを用いて実施した(Yuら、2009)。簡潔に述べると、oriP/EBNA1ベースのエピソームベクターpEP4EO2SEN2K(プラスミド20925、Addgene)、pEP4EO2SET2K(プラスミド20927、Addgene)及びpCEP4−M2L(プラスミド20926、Addgene)を、ヌクレオフェクション(nucleofection)(Nucleofector 4D、V4XP、DT−130プログラムを用いる、Lonza)を介して、AHDF中に共トランスフェクトした。トランスフェクトした線維芽細胞(ヌクレオフェクション1回当たり10
6細胞)を、「線維芽細胞培地」中に、3×10cm MEF播種皿(5.10
6細胞/cm
2)に直接プレートした。トランスフェクションの4日後に、「線維芽細胞培地」を、再プログラミング効率を増加させることが記載された以下の分子(Zhangら 2013)を補充した「iPS培地」で置換した:500μMのバルプロ酸(Sigma、France)、0.5μMのPD−0325901(Selleck、Euromedex、France)及び2μMのSB431542(Selleck)。14日後に、細胞を、「iPS培地」単独中で培養した。30〜40日の間に、コンパクトな細胞クラスターを切り取り、60mm Organ Style細胞培養皿(Dutscher、France)中に移した。出現したhiPSコロニーを、そのヒトES細胞様のコロニー形態に従って実体顕微鏡下で選別した。これらを、引き続く特徴付けのために、上記のようにマイトマイシン−C不活化MEFフィーダー層上で拡大増殖させた。エピソームベクターの完全な喪失及び再プログラミング性遺伝子の非組込みを、以下に記載するようにPCRによって達成した。
【0038】
エピソームベクターのPCR分析
hiPS細胞からのエピソームDNAの精製を、製造者のプロトコールに従って、Nucleospin Plasmid Quick Pureキット(Macherey−Nagel、France)を用いて実施した。ゲノムDNAを、フェノール/クロロホルム抽出法を使用して単離した。精製方法の性質に起因して、Yuら(2009)によって明確に報告されたように、ゲノム精製DNAには、同じ細胞由来の残存量のエピソームDNAが混入する可能性が高く、同様に、精製されたエピソームDNAには、少量のゲノムDNAが混入した。PCR反応を、Go Taq flexiポリメラーゼ(Promega、France)を用いて実施した。各PCR反応について、100ngを含むことと同等の10
4細胞から抽出した10μlのゲノムDNA又はエピソームDNAを、鋳型として添加した。PCRミックスは1×Go Taq Flexi緩衝液、2mM MgCl
2、0.2mM dNTPs、0.5μMの各プライマー及び1.25Uのポリメラーゼを含み:94℃で1分間の最初の変性;94℃で45秒間、60℃で30秒間、72℃で1分間の35サイクル、及びその後72℃で5分間のプログラムを用いた。ネイティブ線維芽細胞由来のエピソーム及びゲノムDNAを、陰性対照として使用し、oriP/EBNA1ベースのエピソームベクター(上記、Yuら 2009を参照のこと)を、陽性対照として使用した。
【0039】
核型分析
活発に増殖しているhiPS細胞コロニー(80%コンフルエンシー)を、37℃で90分間、コルヒチン(20mg/ml、Eurobio、France)で処理した。細胞を、0.05%トリプシン−EDTAで解離させ、次いで、37℃で10〜14分間にわたって75mM KCl(Sigma Aldrich)中でインキュベートし、その後、3:1メチルアルコール/氷酢酸で固定した。mFISH核型分析のために、固定した細胞を、変性した「カクテルペインティング(cocktail painting)mFISH」プローブ(MetaSystems、Altussheim、Germany)と、37℃で一晩ハイブリダイズさせた。スライドを、1×SSC及び0.4×SSCの連続浴中で洗浄し、核を、250ng/mlのジアミジノ−フェニル−インドール(DAPI)で染色した。ビオチン化プローブを、Cy5 MetaSystems B−tect検出キット(MetaSystems)を使用して明らかにした。10〜20個の分裂中期を、AxioCamカメラ(Carl Zeiss、France)に連結されたUV HBO 100−Wランプを備えたZeiss Z1蛍光顕微鏡を使用して捕捉した。分析した全ての分裂中期を、MetaSystems Isisソフトウェア(MetaSystems)を使用して核型分析した。
【0040】
アルカリホスファターゼ(Alcaline Phosphatase)(AP)染色
MEF上の培養物中のヒトiPS細胞を、室温で10分間95%エタノールで固定した。次いで、細胞を、PBSでリンスし、5mM MgCl
2及び0.05% Tween−20を含むTris緩衝液pH9.5中の5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスファート(BCIP)及びニトロブルーテトラゾリウム(NBT)(Roche、France)の混合物と共に室温で5〜10分間インキュベートした。染色後、細胞をPBSでリンスし、その後明視野顕微鏡下で可視化した。
【0041】
胚様体の形成及び分析
ヒトiPS細胞コロニーを、実体顕微鏡(Vision Engineering Ltd.)下でMEF層から機械的に剥離し、次いで、ReproStem培地中で超低付着培養皿(Nunc、Dutscher、France)中に、懸濁物中で培養した。培地を2日毎に交換し、EBを2週間培養し、その後、RNA抽出又は免疫組織化学分析を行った。
【0042】
網膜分化
ヒトiPS細胞を、iPS培地中で、マイトマイシン−C不活化マウスMEFフィーダー層上に、コンフルエンスになるまで拡大増殖させた。0日目として規定されるこの時点で、コンフルエントなhiPS細胞を、FGF2なしのiPS培地中で培養した。2日後、この培地を、ダルベッコ改変イーグル培地:Nutrient Mixture F−12(DMEM/F12、1:1、L−グルタミン)、1% MEM非必須アミノ酸及び1% N2サプリメント(Life technologies)によって構成される「神経促進培地」に切り替えた。この培地を、2〜3日毎に交換した。14日目に、色素細胞によって取り囲まれた同定された神経上皮様構造を単離し、最初の2日間の間、3D Nutator振盪機(VWR、France)上に乗せた24ウェルプレート中で、10ng/mlのFGF2を補充した「神経促進培地」を用いて、浮遊構造(3D)として個々に培養し、培地を、2〜3日毎に交換した。単離された構造は、振盪機プラットフォーム上で培養した場合、培地中で懸濁されたままであり、通常は、培養プレートの底に付着できなかった。19日目、20日目又は21日目に、FGF2を除去し、「神経促進培地」の半分を、次の数週間にわたって2〜3日毎に交換した。
【0043】
RPE細胞培養物について、非色素性出芽構造なしの同定された色素性パッチを、7日目から14日目の間で切り取り、0.1%ゼラチン被覆プレート上に移した(P0として示される)。RPE細胞を、「神経促進」培地(上記を参照のこと)中で拡大増殖させ、培地を、2〜3日毎にコンフルエンシーまで交換し、細胞を、0.05%トリプシン−EDTA中で解離させ、新たなゼラチン被覆プレート上に播種した(継代P1とみなす)。
【0044】
RNA抽出及びTaqmanアッセイ
総RNAを、製造者のプロトコールに従ってNucleospin RNA IIキット(Macherey−nagel、France)を使用して抽出し、RNAの収量及び品質を、NanoDrop分光光度計(Thermo Scientific、France)を用いてチェックした。cDNAを、製造者の推奨に従ってQuantiTect逆転写キット(Qiagen)を使用して、500ngの総RNAから合成した。次いで、合成したcDNAを、DNaseを含まない水中で1/20で希釈し、その後定量的PCRを実施した。qPCR分析を、製造者の指示に従って、カスタムTaqMan(登録商標)Array 96−Well Fastプレート及びTaqMan(登録商標)遺伝子発現マスターミックス(Applied Biosystems)を用いてApplied Biosystems real−timePCRシステムズ(7500 Fast System)で実施した。増幅のための、全てのプライマー及びFAMで標識したMGBプローブを、Applied Biosystems(Life Technologies、France)から購入した。結果を、18Sに対して標準化し、遺伝子発現の定量は、3回の独立した実験におけるΔCt法に基づいた。ヒト成人RPE細胞由来の対照RNAは、中心窩レベルにおいて切り出された眼杯から単離されたRPE細胞に対応する。
【0045】
凍結切片、免疫染色及び画像獲得
凍結切片のために、網膜様構造を、4%パラホルムアルデヒド(PFA)中で4℃で15分間固定し、PBS中で洗浄した。構造を、最低2時間の間、PBS/30%スクロース(Sigma)溶液中で4℃でインキュベートした。構造を、PBS、7.5%ゼラチン(Sigma)、10%スクロース溶液中に包埋し、−50℃でイソペンタン中で凍結させ、10μm厚の凍結切片を収集した。
【0046】
切片の免疫蛍光染色を、以前に記載されたように実施した(Rogerら 2006)。簡潔に述べると、スライドを、ブロッキング溶液(PBS、0.2%ゼラチン及び0.25% Triton X−100)と共に、室温で1時間インキュベートし、次いで、一次抗体(表2を参照のこと)と共に4℃で一晩インキュベートした。スライドを、Tween 0.1%(PBT)を含むPBS中で3回洗浄し、次いで、1:10000 DAPIを有するブロッキング緩衝液中で1:600に希釈した、AlexaFluor 488又は594(Life Technologies)とコンジュゲート化した適切な二次抗体と共に1時間インキュベートした。蛍光染色シグナルを、CCD CoolSNAP−HQカメラ(Roper Scientific)を備えたDM6000顕微鏡(Leica)を用いて、又は405、488及び543nmのレーザーを備えたOlympus FV1000共焦点顕微鏡を使用して、捕捉した。共焦点画像を、1.55又は0.46μmの刻み幅を使用して獲得し、各獲得は、2〜4のスタック又は4〜8の光学切片の投影であった。
【0047】
【表2】
【0048】
奇形腫形成アッセイ
奇形腫形成アッセイを、僅かな改変を伴って、以前に記載されたように(Griscelliら、2012)実施した。簡潔に述べると、1×10
6〜2×10
6細胞を、6週齢NOD Scidガンマ(NSG)マウス(Charles River)の後肢筋肉中に注射した。9〜10週間後、奇形腫を切り出し、4%パラホルムアルデヒド中で固定した。次いで、サンプルを、パラフィン中に包埋し、切片を、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した。
【0049】
食作用アッセイ
光受容体外節(POS)を、ブタの眼から精製し、確立された手順(2)に従って、0.1mg/ml FITC(異性体−1)とのインキュベーションによって、蛍光色素で共有結合的に標識した。継代3におけるRPE−J(不死化ラットRPE細胞系)及び継代1におけるhiRPE細胞を、96ウェル組織培養プレートの個々のウェル中に配置した。各ウェルを、1×106のPOS粒子を含む100μLのDMEMで層状化し、32℃(RPE−J)又は37℃(hiRPE)で3時間インキュベートし、その後、1mM MgCl
2及び0.2mM CaCl
2を含むPBS(PBS−CM)でフィルターウェルを3回リンスした。内在化された粒子の排他的な検出のために、表面結合FITC−POSの蛍光を、PBS−CM中0.2% トリパンブルー中での10分間のインキュベーションによって選択的にクエンチし、その後細胞を固定した。細胞を、氷冷メタノール中で5分間のインキュベーションによって固定し、その後、再水和し、室温で10分間DAPIとインキュベーションした。蛍光シグナルを、Infinite M1000 Pro(Tecan)プレートリーダーを用いて定量した。RPE−J細胞系を、食作用活性についての陽性対照として使用し、POSの非存在下のhiRPE細胞を、陰性対照として使用した。
【0050】
統計分析
分散の分析を、全てのペアワイズ分析のために、ノンパラメトリックFriedman検定とその後のDunnの多重比較検定、又はMann−Whitney検定(Prism 6、GraphPadソフトウェア)のいずれかを用いて実現した。P<0.05の値を、統計的に有意とみなした。
【0051】
1.2
結果
ヒト組込みフリーのiPS細胞の生成及び特徴付け
成人ヒト皮膚線維芽細胞(AHDF)を、Yuら(2009)によって以前に記載されたプラスミドベクターに対応する、OCT4、NANOG、SOX2、LIN28、KLF4及びcMYCをコードする3つのプラスミドと共に共トランスフェクトした。トランスフェクトした線維芽細胞を、再プログラミングプロセスを加速し、エピソームベクターの喪失を低減させると以前に記載された小分子(Zhangら 2012)(
図1A)の存在下で「iPS培地」中で培養した。ES様コロニーが、最初に、密集したドーム様構造を伴って、トランスフェクションのおよそ30から40日後の間に、可視的になった(
図1B)。選別及び拡大増殖した時点で、これらのhiPS細胞コロニーは、典型的なヒトES細胞の形態を示した。これらのhiPS細胞の分析は、クローンが、多能性マーカーNanog、TRA−1−81、OCT4及びSSEA4の発現と共に、アルカリホスファターゼ(AP)活性を発達させたことを実証した(
図1C〜E)。qRT−PCRに基づくTaqManプローブにより、多能性遺伝子の発現が、それぞれの線維芽細胞集団を超えて顕著に増加し、ヒトES細胞において見られたものと匹敵したことが明らかになった(
図1I)。iPSコロニーは、培養物中で2週間後の胚様体に対する、qRT−PCRに基づくTaqManプローブ(
図1J)及び免疫組織化学(
図1F〜H)によって観察されるように、3つ全ての胚葉の誘導体へとin vitroで分化できた。さらに、ヒトiPS細胞系は、正常な核型を示した(
図1K)。hiPS細胞は、導入遺伝子のゲノム組込みを示さず、エピソーム中のOriP部位に対するRT−PCR分析によって実証されるように、15継代後にエピソームベクターを完全に喪失した(
図1L)。ヒトiPSC系の多能性は、奇形腫形成アッセイによって検証した。
【0052】
眼野識別性を有する神経上皮様構造へのhiPS細胞の分化
iPS細胞分化のための必要条件は、自己再生機構のシャットダウンであるので、FGF2を培地から除去して、コンフルエントなiPS細胞の自発的分化を促進した。培養培地からのFGF2の中止(withdrawal)は、ヒトES細胞においてGreberら(2011)によって申し分なく実証されたように、神経外胚葉誘導もまた促進し得る。神経外胚葉系列へのhiPS細胞のこの分化に都合がいいように、コロニーを、1% MEM非必須アミノ酸及び1% N2サプリメントを含むDMEM/F12培地を含む神経促進培地中で培養した(
図2A)。これは、4日以内の色素性コロニーの出現をもたらした。7日後、フェーズ−ブライト構造は、色素細胞のパッチの半分よりも多くに近接するようになり始めた(
図2B)。2週間以内に、全てのこれらの構造は、1cm
2当たり1〜2個の構造に対応する、色素細胞のパッチで部分的に取り囲まれた神経上皮様構造へと組織化された(
図2C)。他の色素性コロニーは、神経上皮様構造を発生させず、これらの構造の形成は、非色素性領域ではめったに観察されなかった。14日目に、qRT−PCRに基づくTaqManプローブにより、全ての形成された神経上皮様構造が、多能性関連遺伝子OCT4(POU5F1)の発現を喪失し、眼野特定化と関連する転写因子、例えばLHX2、RAX、PAX6、SIX3の発現を獲得したことが明らかになった(
図2D)。神経上皮(neurepithelial)様構造の免疫染色により、全ての細胞が、眼野細胞に特徴的なPAX6及びRAX(Mathers及びJamrich 2000)を同時発現したことが実証された(
図2E〜G)。ほぼ全ての細胞がLHX2陽性であり(
図2H、2J)、それらの前駆体状態が、細胞増殖マーカーKi67を使用して確認された(
図2H〜J)。qRT−PCRにより、眼胞/眼杯形成の間の網膜特定化に関与する2つの転写因子MITF及びVSX2(Horsfordら 2005)の発現が、14日目においてそれぞれ10及び100倍増加されることがさらに実証された(
図2D)。免疫組織化学(Immunhistochemistry)により、VSX2及びMITF発現の正反対の勾配が明らかになり、VSX2について最も強力な染色が、神経上皮様構造において明らかになり、一方で、最も強いMITF発現が、構造の周辺の色素性部分に見出された(
図1K〜O)。合わせると、これらの知見により、神経上皮様構造が神経網膜前駆体に典型的なマーカー発現プロフィールを有し、神経網膜(NR)様構造と改名され得ることが実証される。興味深いことに、qRT−PCRにより、光受容体先駆体の転写因子、例えばNRL及びCRXの発現が、培養物中での早くも14日後に、NR様構造において5倍増加することが明らかになり(
図2D)、これは、一部の網膜前駆体が、光受容体系列において既に関与していた可能性があることを示唆する。
【0053】
遺伝子発現分析により、コンフルエントなhiPSC培養物中で、Wnt及びBMPアンタゴニスト、DKK1及びノギン(noggin)の内因性発現が明らかになり、両方の遺伝子が、神経上皮様構造の形成の間に上方調節された(
図2P)。
【0054】
hiPS細胞から誘導された網膜前駆体は、網膜ニューロンへと効率的に分化する
細胞の周囲の色素性パッチを伴うNR様構造に対応する構造全体(
図2C)を、14日目に機械的に単離し、3D撹拌下で浮遊構造としてさらに培養した(
図3A)。浮遊構造を、RPE系列への分化ではなく神経網膜分化に都合がよいように、FGF2の存在下で培養した(Fuhrmann 2010;Martinez−Moralesら 2004)。単離の1日後(15日目)に、このNR様構造は、培養の間にサイズが増加し続けた中空球を形成した(
図3B〜D)。定量的分析により、17日目から24日目の間に、139±19μmから251±41μmまでの、神経上皮の厚さにおける増加が示された(
図7)。本発明者らは、成長中の球からRNAを単離することによるqRT−PCR及び免疫組織化学の両方を使用して、特異的網膜表現型の時間過程及び獲得を分析した。14日目から42日目までの分化プロセスを通じて、網膜の特定化及び分化に関与する転写因子、例えばLHX2、RAX、SIX3、PAX6、VSX2及びMITFが、なおも発現された(
図3E)。21日目に、VSX2を発現している細胞は、NR様構造の発生中の神経上皮(neuroeptithelium)中に位置し、MITF陽性細胞は、構造の周辺におけるRPE細胞中で排他的に見出された(
図3G)。RPE細胞におけるMITF発現の制限が、NR様構造におけるそのmRNA発現の減少によって確認された(
図1E)。VSX2陽性細胞は、神経上皮の外側部分に沿って優勢に位置し、PAX6もまた発現する(
図3H)。PAX6陽性/VSX2陰性細胞は、神経上皮の内側部分において集合し、これは、最初の分化している網膜ニューロンに対応し得、増殖マーカーKi67を有さなかった。実際、早くも21日目に、神経節細胞及びアマクリン細胞が、BRN3A(
図3I)又はカルレチニン(
図3M)に対する抗体を用いた、同じ内部位置における免疫組織化学によって同定された。分化している水平細胞に対応するLIM1陽性細胞もまた、発生中の神経上皮において見出された(
図3N)。光受容体などの網膜細胞の分化に関与する転写因子をコードする2つの遺伝子OTX2及びNEUROD1(Basset及びWallace 2012)の発現は、浮遊培養の間に大きく増加した(
図3E)。免疫組織化学的分析により、構造の周辺におけるRPE細胞中のOTX2の発現、及び光受容体の傾倒した先駆体(Nishidaら、2003)に対応する神経上皮中へのOTX2陽性細胞の出現が示された(
図3I)。光受容体系列への分化は、14日目から42日目までの、qRT−PCRによるNRL及びCRX発現の大きな増加によって確認される(
図3F及び
図6A)。CRX陽性細胞は、21日目及び28日目における数の進行性の増加(
図3K、L)を伴って、早くも14日目に、神経上皮において同定可能であった(
図3J)。この段階で、光受容体先駆体が、リカバリン免疫染色を用いて同定された(
図3O)。
【0055】
21日目に、CRX
+細胞は、神経上皮においてOTX2と同時発現した(
図6C〜H)。28日目に、CRXは、有糸分裂後のKi67−細胞において、本質的に発現された(
図6M)。予測されたように(Nishidaら、2003)、OTX2
+傾倒した光受容体先駆体は、PAX6を発現しなかった(
図6N)。これらのデータは全て、これらの培養条件が、網膜細胞の主要な型(神経節細胞、アマクリン/水平細胞及び光受容体)へのhiPS細胞の分化を3週間で可能にすることを実証している。さらに、本明細書で開発したプロトコールは、2つの個別の非組込みhiPSC系(hiPSC−1及びhiPSC−2)を比較したときに、良好な再現性を示した(
図8)。
【0056】
hiPS細胞からのRPE細胞の生成
神経促進培地中で培養したコンフルエントなhiPS細胞由来の細胞の色素性パッチの迅速な出現を考慮して、本発明者らは、これらを単離し、RPE細胞に分化させようとした。7日目から14日目の間に、細胞の色素性パッチを、機械的に選択し、拡大増殖のためにゼラチン被覆プレート上に再プレートした(
図4A)。3週間〜1ヵ月後に、これらは、RPE細胞の古典的な敷石状形態を示すコンフルエントな細胞単層を形成した(
図4B〜C)。ほとんどの細胞は、重要なRPE特異的転写因子MITFについて免疫反応性であり、細胞−細胞界面は、網膜色素上皮のタイトジャンクションマーカーZO−1によってラインがひかれていた(
図4D)。成人ヒトRPE細胞に対して標準化したqRT−PCR分析により、hiRPE細胞が、数継代の後、成熟RPE関連マーカー、例えばMERTK、RPE65、BEST1及びPEDFの発現を保持したことが実証された(
図4E)。hiRPE細胞が機能的かどうか決定するために、FITC標識光受容体外節(POS)の食作用を実施するそれらの能力を試験した。3時間以内に、30%内在化POSの平均で、対照RPE−J細胞系に対してと同程度に効率的な、顕著な食作用活性が検出された(
図4F)。
【0057】
(例2)
後期に生じる網膜細胞型への網膜前駆体細胞の分化
浮遊培養における単離されたNR様構造の長期維持により、qRT−PCRによって実証されるように、後期に生じる網膜細胞型へのRPCのさらなる分化が可能になった(
図9A〜E)。実際、成熟中のRGC(BRN3A及びB)、アマクリン(カルレチニン及びGAD2)、及び水平細胞(LIM)の、初期に生じる網膜マーカーの最初の発現(
図9A及びB)の後、錐体(R/Gオプシン、ブルーオプシン及び錐体アレスチン)及び桿体光受容体(ロドプシン及びリカバリン)(
図9C及びD)、双極(PKCα)及びミュラーグリア細胞(GLAST1)(
図9E)に対応する、後期に生じる網膜細胞型のマーカーの出現が観察された。21日目(
図9F)から42日目(
図9G)の間に、NR様構造のほとんどが、その層状の外観を喪失し、RGC(BRN3A及びカルレチニン)、アマクリン(カルレチニン及びAP2)及び水平細胞(LIM)(
図9G〜J)の異なるマーカーを発現した細胞によって取り囲まれた、分化している光受容体に対応する、OTX2
+、CRX
+及びリカバリン
+細胞を含んだ内部ロゼットを発達させた(
図9G、J〜L及び
図6F〜H)。興味深いことに、42日目に、リカバリン
+細胞は、移植のための光受容体先駆体の細胞ソーティングに使用されるマーカー(Eberleら、2011)、細胞表面マーカーCD73(
図9L)を発現した。77日目に、PAX6は、RGC、アマクリン及び水平細胞におけるその発現(
図9M)と一致して、有糸分裂後細胞(KI67
−)において、ロゼットの外側にのみ存在した。112日目までに、ロドプシン及びR/Gオプシンが、NR様構造中に出現し、これは、桿体及び錐体の両方の成熟化を反映している(
図9N、O)。リカバリン
+及びロドプシン
+細胞は、共通して、112日目において、残留ロゼットの最も内側部分において局在化した(
図10A及びB)。興味深いことに、連結性の繊毛マーカーアセチル化チューブリンを使用する免疫組織化学により、リカバリン
+細胞に隣接するロゼットの管腔帯における非常に薄い構造の存在が明らかになり、これは、潜在的な繊毛及び光受容体外節の形成を示唆している(
図10C及びD)。2つの他の後期に生じる網膜細胞型、双極及びミュラーグリア細胞の分化は、PKCα染色(
図9P)によって、並びにグルタミンシンテターゼ(GS)及びSOX9の同時発現(
図9Q)によってそれぞれ検出されるまで、培養により長い時間(112日目)もまた必要とした。それによって、これらの細胞培養条件は、連続的な様式での、NR様構造中に存在するRPCからの全ての網膜細胞型の生成を可能にした。
【0058】
(例3)
Notch阻害による光受容体先駆体生成の加速
CRX及びリカバリンに対する抗体を用いた免疫組織化学的分析により、光受容体先駆体の数が、14日目(
図3J)から28日目(
図3L、
図5B)の間に徐々に増加したことが実証された。21日目から35日目の間に、これらのNR様構造は、その層状構造を喪失し、CRX及びリカバリン(RECOVRIN)陽性細胞を含む内部ロゼットを発達させた(
図5B)。興味深いことに、7日間にわたる21日目におけるNotchインヒビターDAPTの添加は、CRX及びリカバリン陽性細胞の両方の数を劇的に増加させるのに十分である(
図5B)。28日目から35日目までのDAPTによる後の処理もまた、CRX及びリカバリンを発現する細胞の数における大きな増加をもたらした(
図5B)。21日目から28日目の間のDAPTによる1週間の処理は、光受容体先駆体の増強された生成を可能にしたが、これは、28日目に、CRX
+及びリカバリン
+細胞の数が、対照と比較して、それぞれ2.2倍及び2.6倍増加したからである(
図5C)。付随して、Ki67染色によって28日目に評価した有糸分裂前駆体の集団は、28日目の処理の後に、大きく減少した(3分の1)(
図5C)。Notch阻害の効果はまた、28日目から35日目の間に評価されたが、これは、DAPTへの長期曝露ではなく、いくつかのRPCが、DAPT処理後の28日目に残存したからである。これらの条件下で、Notch阻害は、NR様構造内の光受容体先駆体の数における増加、即ち、それぞれ、CRX
+及びリカバリン
+細胞の数における35日目における1.7倍及び4.1倍の増加もまたもたらした(
図5D)。興味深いことに、35日目には通常は検出されない錐体−アレスチン
+細胞が、DAPT処理後の時点で明確に同定できた(示さず)。さらに、qRT−PCR分析により、DAPT処理後の35日目における錐体−アレスチン発現の増加が確認されたが、ロドプシン、ブルーオプシン及びG/Rオプシンの遺伝子発現における顕著な変化は観察されなかった(
図5E)。GLAST1発現は、DAPT処理後に減少した(
図5E)。
【0059】
これらの知見は、Notchシグナル伝達が、hES細胞について最近示唆されたように(Nakanoら 2012)、hiPS細胞からの光受容体分化を減速させ、従って、その阻害が、光受容体分化に好都合であり、多分化能性RPCからの光受容体先駆体の生成を加速することを実証している。
【0060】
(例4)
考察
この研究は、無血清神経促進培地中でのコンフルエントなhiPSCの単純な培養が、2週間でNR様構造及びRPE細胞を生成するのに十分であるという新規知見を示している。本明細書に記載されるプロセスは、EBの形成及び選択、DKK1、ノギン(NOGGIN)及びWNT並びに/又はMatrigelなどの誘導分子の添加、並びに接着性基材上のEB被覆のステップを回避する。初期に生成される構造は、PAX6及びRAXの同時発現によって明らかなOV表現型、並びに神経上皮とRPEとの間でのVSX2及びMITFの正反対の勾配を示す。この効率は、コンフルエントなhiPSCによる、hESCS又はhiPSCの網膜分化のために一般的に添加される神経及び網膜特定化の2つの誘導因子DKK1及びノギン(NOGGIN)の漸増する内因性の生成に一部起因する可能性が高い(Meyerら、2011;Boucherieら、2013)。それにもかかわらず、以前の研究は、培養培地に添加された又はMatrigel中に存在するIGF−Iが、網膜前駆体識別性にhESCを指向させ得ることを報告しており(Lambaら、2006;Zhuら、2013)、これは、N2サプリメント中に既に存在しているインスリンが、上記条件における類似の役割を果たすのに十分であることを示唆している。
【0061】
単離されたhiPSC由来NR様構造の浮遊培養により、in vivoの脊椎動物網膜形成と一致する連続的な様式での、全ての網膜細胞型へのRPCの分化が可能になり、これは、hiPSC由来RPCの多分化能性を実証している。興味深いことに、本発明者らは、RPCが光受容体系列に傾倒するときのNotch経路の阻害が、CRX
+細胞における2倍の増加で、NR様構造中の光受容体先駆体の割合を明らかに増強することもまた報告している。NotchインヒビターDAPTによる1週間の処理は、実際に、RPCの大部分が細胞周期を出るように誘導するのに十分であり、錐体先駆体マーカーもまた発現するCRX+光受容体先駆体の約40%の、35日後の生成を可能にする。この戦略は、治療適用での細胞の効率的な生成に有利である。NR様構造は、Nakanoら(2012)により、hESCを使用するEB/Matrigel依存的プロトコールに洗練されて報告されているように、二層化杯を形成するように陥入することはなかった。その代り、hiPSC由来の構造は、21日目まで層状の組織化を維持し、引き続いて、網膜内顆粒層特異的識別性を有する細胞及びRGCの両方によって取り囲まれた中心領域において、光受容体様細胞を含むロゼットを発達させた。しかし、成熟した重層化NR組織を生成することは、精製された光受容体先駆体又は他の網膜由来細胞に基づく将来的な細胞治療戦略のために不可欠なわけではない。これに関して、本発明のプロトコールは、42日間での、移植のための有望な候補、即ち、CD73
+光受容体先駆体の生成を可能にする。このような先駆体は、以前に精製されており、マウス網膜において首尾よく移植されている(Eberleら、2011)。NOTCH阻害及びCD73選択を組み合わせることの可能性は、多数の移植可能な細胞の単離を可能にし、網膜ジストロフィーにおける変性した光受容体の置換の大きな期待が見込める。NR様構造からRGCを生成する能力は、緑内障の処置にとって重要な意味を有する。網膜ニューロンの生成に加えて、本発明のプロトコールは、付随して、そのin vivo状態に近い表現型を保持したままで、容易に継代及び増幅され得るRPE細胞(hiRPE)の生成を可能にする。本発明のプロトコールは、本明細書で、AMD及び他のRPE関連疾患の将来的な処置のために意図されたhiRPE細胞のバンクを迅速に生成する大きな潜在力を有する。
【0062】
臨床グレードを維持する目的で、本発明者らは、エピソーム再プログラミングによってhiPSCを生成したが、これは、レンチウイルスベクターの使用が、遺伝子毒性の危険性を有するからである。自家フィーダーは、hiPSCの維持のために使用され得る;異物フリー及びフィーダーフリーの系は、再生治療に好ましい。薬理学的展望から、hiPSCは、薬物発見の最初のプロセスにおいて新たな化合物をプロファイリングする価値ある潜在力を提供する。hiPS由来のRPC及びRPE細胞の増殖能は、網膜ジストロフィーの将来的な処置のための特定の活性化合物を同定することを目的とした、表現型ベース及び標的ベースのハイスループットスクリーニングのための新たな細胞性ツールの開発を確実にするはずである。
【0063】
特定の網膜系列へとhiPSCを分化させるために通常必要とされる時間のこのような労働集約性の手動ステップの必要性を排除するこの新たなプロトコールは、多数のRPE細胞及び多分化能性RPCの両方を生成するための、容易に拡大縮小可能なアプローチを提供する。従って、比較的短い期間で、本明細書に記載される方法は、再生医療及び医薬的試験/薬物スクリーニングへの新規アプローチの期待が見込める光受容体先駆体又はRGCの供給源を提供する。hiPSCを使用するこの戦略は、ヒト網膜発生の基礎となる分子及び細胞機構を研究する機会もまた提供し、ヒト網膜変性疾患のin vitroモデルの開発を進展させるはずである。
【0064】
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