(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラが更に、N番目(Nは1〜100の整数)のスキャンライン毎に前記スキャンされたイメージにおける明度変化の振幅を決定し、及び該N番目のスキャンラインにおける前記オブジェクトのエッジを第1の明度変化の領域と該第1の明度変化よりも低い第2の明度変化の領域との間の遷移点として決定する、
請求項1ないし請求項8の何れか一項に記載のスキャナ。
反復する一連の交互の第1の色調と該第1の色調よりも明るい第2の色調とを有する所定のバックグラウンドパターンを有するスキャナを用いてイメージをスキャンし、該スキャンされたイメージが、副走査方向に沿ってローパスフィルタを使用してフィルタリングされ、及び主走査方向に沿ってパターンマッチングフィルタを使用してフィルタリングされ、
N番目(Nは正の整数)のスキャンライン毎に前記イメージにおける明度の振幅を決定し、
該N番目のスキャンラインについてのオブジェクトのエッジを第1の明度変化の領域と該第1の明度変化よりも低い第2の明度変化の領域との間の遷移点として識別する、
スキャン方法。
前記第1の明度変化の領域と前記第2の明度変化の領域との間の前記遷移点が、前記スキャンの幅に沿って複数のピクセルからなるピクセルウィンドウの平均値からの差の絶対値の和(SAD)を使用して決定される、請求項10ないし請求項13の何れか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
スキャナを使用してオブジェクトをスキャンする場合、該オブジェクトがそのスキャン中にスキャンヘッドと位置合わせされない場合がある。オブジェクトが位置合わせされていない場合、該オブジェクトのイメージは、スキャンイメージにおいて回転され又は傾く場合がある。フラットベッドスキャナでスキャンする場合、この位置合わせ不良は、オブジェクトがスキャンプラテン上で位置合わせされていないことにより生じ得る。スキャンヘッドがスキャンプラテンに完全に位置合わせされていない場合には、オブジェクトがスキャンプラテンに対して正しく位置合わせされている場合であっても、該オブジェクトのイメージは依然として傾くことになる。
【0006】
ADFを使用してスキャンする場合、ADFがスキャンヘッドを通過してオブジェクトを送る際にオブジェクトが回転し又は傾く可能性がある。これは、ADF内のフィードローラにおける不均一な圧力、又はオブジェクトとADF内のフィード機構との間の不均一な摩擦によって生じ得る。
【0007】
オブジェクトのイメージが傾いている場合、スキャナファームウェア又はスキャナソフトウェアが、スキャンイメージ中のオブジェクトの傾き除去を行うことにより、イメージを補正しようとする場合がある。スキャナファームウェアは、スキャナ内のプロセッサにより実行されるコンピュータ命令として一般に知られている。スキャナソフトウェアは、スキャナに接続されたコンピュータ内のプロセッサにより実行されるコンピュータ命令として一般に知られている。
【0008】
スキャンイメージ中の傾いたオブジェクトを補正する方法として、傾いたオブジェクトのエッジの特定を使用することが挙げられる。スキャンイメージ中のオブジェクトのエッジの発見は困難である。殆どのスキャナは、スキャン領域の上方に白いバックグラウンドを有している。フラットベッドスキャナの場合、該白いバックグラウンドは、該スキャナの蓋の下側に取り付けられている。ADFスキャナの場合には、スキャンヘッドの固定位置の反対側に白いバックグラウンドストリップが一般に配設される。何れの場合にも、白いバックグラウンドは、スキャン対象となるオブジェクトにより覆われていないあらゆる位置でイメージ化される。スキャンされる殆どのオブジェクトは白い媒体上にプリントされている。該白い媒体は、スキャンイメージ中の白いバックグラウンドに溶け込み、このため、スキャンされたオブジェクトのエッジを正確に特定するのが困難となる。
【0009】
スキャナによっては、白いバックグラウンドと交換することができる黒いバックグラウンドを有するものがある。この黒いバックグラウンドは、白いオブジェクトのエッジを特定するのを容易にする。しかし、黒いバックグラウンドは、暗色の又は黒いオブジェクトの特定に資するものとはならない。黒いバックグラウンドはまた、他の問題を呈するものであり、例えば、オブジェクトに穴が開けられている場合、又はオブジェクトの隅が曲がっている場合に、スキャンイメージ中に黒い領域を生成するものとなる。更に、黒いバックグラウンドは、スキャンイメージの
明るさ又は色を変化させ得る。この問題は、薄い媒体又は軽い媒体をスキャンする場合に悪化する。
【0010】
一実施形態では、スキャナは、暗い色調と明るい色調の反復パターンを有するバックグラウンドを使用するものとなる。一実施形態では、該パターンは、垂直なバーの反復する配列とすることが可能である。該バーの幅又は該バー間の間隔は、スキャナの解像度及び/又はスキャナのMTF(modulation transfer function)によって決まる。実施形態によっては、該パターンは、50サイクル/インチ
(約20サイクル/cm)の周波数を有するものとなる。一実施形態では、前記暗い色調を明るい色調とし、前記明るい色調を白とすることが可能である。例えば、前記暗い色調は、L*=88に等しい
明るさを有し、前記明るい色調は、L*96(許容誤差±1〜3L*)に等しい
明るさを有するものとなる。
【0011】
図1は、例示的なスキャナ100の断面を示す側面図である。スキャナ100は、ADFを有するフラットベッドスキャナである。スキャナ100は、スキャナベース102、可動スキャンヘッド104、透明プラテン122、蓋106、ADF傾斜部128、及び透明AD
Fガラ
ス124を備えている。前記スキャナベース102は、開口した上部を有する全体的に矩形の箱である。前記透明プラテン122、前記ADF傾斜部128、及び前記AD
Fガラス124は、前記スキャナベース102の前記開口した上部に取り付けられる。
【0012】
前記蓋106は、回転可能な状態でADF傾斜部128に結合されており、(矢印110で示すように)開放位置と閉鎖位置との間で移動することが可能である。該蓋106は開放位置で示されている。バックグラウンド108は、該蓋106の下側に取り付けられている。該蓋106が閉鎖位置にある場合、該バックグラウンド108はプラテン122の上面に隣接して位置する。
【0013】
実施形態によっては、前記スキャンヘッド104は、縮小光学系(reduction optics)を使用することが可能である。他の実施形態では、前記スキャンヘッド104は、コンタクトイメージセンサ(CIS)を使用することが可能である。前記スキャンヘッド104は、スキャナベース102の内部に取り付けられ、破線130で示すように、該スキャナベース102の長さ方向に沿って移動することが可能である。スキャンヘッド104は、光学軸126(A,B)に沿って見ることができるオブジェクトのイメージをキャプチャする。スキャンヘッド104は2つの位置で示されている。位置104Aは、ADFスキャン中にスキャンヘッドが位置決めされることになるADFスキャン位置である。
【0014】
位置104Bはプラテン122の下方に位置する。フラットベッドスキャン中に、スキャンヘッド104は、プラテン122の長さに沿って
右方向へ移動すると共に、該プラテン122の上面上に配置されたオブジェクトのイメージをキャプチャする。位置104Bは、フラットベッドスキャン中のある瞬間におけるスキャンヘッド104を示している。フラットベッドスキャン中に蓋106が閉鎖している場合、スキャンヘッドは、他のオブジェクトにより覆われていないプラテン上の領域内のバックグラウンドのイメージをキャプチャする。
【0015】
スキャナ100はまた、スキャンヘッド104を移動させるための移送システムを備えており、該移送システムは、モータ、ベルト、ガイドロッド等を備えている。スキャナ100はまた、スキャナを制御するための1つ以上のプリント回路(PC)基板を備えている。前記移送システム及び前記PC基板は、明瞭化のため図示していない。
【0016】
ADFは、一対の巻き取りローラ118、一対のフィードローラ116、及びバックグラウンドストリップ112を備えている。該ADFは、前記AD
Fガラス124の上方でスキャナの上部に配置される。該ADFはまた、ケース、モータ及びギア、コントローラ、入力トレイ、出力トレイ等を備えることが可能であるが、かかる構成要素は明瞭化のため図示しない。スキャンヘッドがADFスキャン位置にある場合、光学軸126Aはバックグラウンドストリップ112と交差する(すなわち、バックグラウンドストリップ112はスキャンヘッドから見ることができる)。ページ120は、それがADFスキャン領域に到達する直前の位置でADF内に示されている。
【0017】
スキャン中に、スキャンヘッドは、スキャン領域のイメージをキャプチャする。スキャン対象となるオブジェクトがスキャン領域よりも小さい場合には、スキャナのバックグラウンドがイメージの一部としてキャプチャされる。スキャンがフラットベッドスキャンである場合、キャプチャされたバックグラウンドは、蓋106の下側に取り付けられている。スキャンがADFスキャンである場合には、キャプチャされたバックグラウンドは、ADFスキャン位置(104A)の上方に配置されたバックグラウンドストリップ112である。
【0018】
スキャナは、一般に該スキャナがその設計上対象とする標準的なドキュメントサイズよりも大きなスキャン領域を有する。この例では、スキャナはレターサイズのスキャナである。レターサイズのフラットベッドスキャナは、一般に、幅8.5インチ
(約21.6cm)及び長さ11インチ
(約27.9cm)のページよりも僅かに大きなスキャン領域をプラテン上に有する。例えば、スキャン領域は、幅8.75インチ
(約22.2cm)及び長さ11.25インチ
(約28.6cm)とすることが可能である。ADFを使用する場合のスキャン領域は、8.5インチ
(約21.6cm)よりも僅かに幅が広く、スキャンされるページよりも僅かに長い。このため、標準的なサイズのドキュメントをスキャンする場合、バックグラウンドの少なくとも一部がスキャンイメージ中に含まれることになる。別の例では、スキャナは、大判(large format)スキャナとすることが可能である。大判スキャナは、レターサイズページよりも大きなページ(例えば、11×17インチ
(約27.9×43.2cm)の大きさのページ)をスキャンすることができる。
【0019】
一実施形態では、ADF、フラットベッド、又はその両方のためのバックグラウンドは、明るい色調と暗い色調の反復パターンとなる。
図2は、例示的なバックグラウンドパターン(108,128)である。
図2の色調は、明瞭化のために暗くなっているが、実施形態によっては、バックグラウンドの実際の色調は典型的には図示の色調よりも一層明るいものとなる。該パターンの寸法もまた、実際の縮尺にはなっていない。
【0020】
バックグラウンド108,128は、暗い色調240及び明るい色調242の反復パターンを有する。この実施形態では、該反復パターンは複数の垂直線を形成している。他の実施形態では、該パターンは、斜線又は波線を形成することが可能である。暗い色調240は幅W1を有し、明るい色調242は幅W2を有する。一実施形態では、幅W1は幅W2と等しい。別の実施形態では、それらの幅を等しくしないことが可能である。幅(W1,W2)は、スキャナの解像度、スキャナのMTF、又はその両方に依存して決定することが可能である。スキャナの解像度は、一般にdpi(dots per inch)によって与えられる。「ドット」はピクセルとしても知られるものである。一実施形態では、300dpiの解像度を有するスキャナの場合、幅W1,W2は、3ピクセル又は0.01インチ(0.245mm)に等しい。別の実施形態では、幅W1,W2は、一層大きく又は一層小さくすることが可能である。
【0021】
反復パターンの幅又は周波数の選択はトレードオフである。パターンの幅が大きくなると、オブジェクトのエッジを特定するための分解能が低下する。パターンの幅が小さくなると、該パターンを検出するスキャナの能力が低下する。例えば、600dpiの解像度を有するスキャナは、1/1200dpiの幅を有するパターンを検出することができない。
【0022】
バックグラウンドパターンの長さLは、該バックグラウンドがADFスキャン用であるかフラットベッドスキャン用であるかによって異なる。バックグラウンドがフラットベッドスキャン用である場合、その長さはスキャンプラテン122(
図1参照)の
副走査方向に沿った長さと等しい。バックグラウンドがADFスキャン用である場合には、その長さは典型的には1〜15mm(例えば8mm)となる(
図2参照)。
【0023】
この実施形態では、バックグラウンドの暗い色調240は薄い灰色である。別の実施形態では、暗い色調240は、所与の色(例えばオレンジ)とすることが可能である。暗い色調が所与の色である場合、バックグラウンド中の暗い色調が完全に飽和していないことが可能である。例えば、暗い色調を明るいオレンジ又は明るい黄色とすることが可能である。別の実施形態では、暗い色調を黒とし、明るい色調を濃い灰色又は暗い色(例えば暗い青)とすることが可能である。一実施形態では、明るい色調のLAB色空間における
明るさはL*=96に等しく、暗い色調の
明るさはL*=88に等しい。別の実施形態では、該2つの色調の一方又は両方を一層明るく又は一層暗くすることが可能である。一実施形態では、該2つの色調の
明るさについての許容誤差は±1.5L*単位である。該2つの色調間の
明るさの差は、LAB色空間で測定した場合、デルタ(Δ)L*=8に等しい。別の実施形態では、ΔL*は一層大きく又は一層小さくすることが可能である。
【0024】
バックグラウンドにおける暗い色調及び明るい色調は両方とも、その全幅にわたり一定の密度又は
明るさを有している(すなわち、
図2に示す明度パターンは水平軸では矩形波である)。別の実施形態では、暗い色調と明るい色調との間の変化は、別の波形(例えば、正弦
波)を形成することが可能である。
【0025】
図3Aは、例示的なスキャンイメージ300の一部である。スキャンイメージ300は、明瞭さが増すように暗くしてある。スキャンイメージ300は、オブジェクト350及びバックグラウンド領域352からなる。オブジェクト350は、テキスト356がプリントされた白いページである。バックグラウンド領域352は、
図2と同様のバックグラウンドのイメージである。
図3Bは、例示的なスキャンイメージ300の領域354を拡大したものである。
図3Bは、関心のある領域が一層よく見えるように暗くしてある。
【0026】
領域354は、オブジェクト350の上隅(すなわち、白ページの上隅)とバックグラウンド領域352のイメージとからなる。イメージ354は、矢印356(すなわち、スキャン方向)で示す方向にスキャンされたものである。該スキャン方向は、典型的には1ページの長さに沿ったものとなる。該スキャン方向と直交する軸(矢印358で示す)は、典型的には1ページの幅を横切るものとなる。スキャンライン360は、バックグラウンド352及びオブジェクト350を横切って位置するよう示されている。
図3B中のイメージは白と黒で示されている。実際のイメージは、異なる複数の色及び複数の階調の白に近い灰色からなる複数のピクセルを有することが可能である。
【0027】
白いドキュメント(オブジェクト350)のスキャンイメージは、一定の色調及び色を有さない。白いドキュメントのスキャンイメージは、白色に近い様々な階調又は色調の複数のピクセルから構成される。これは、用紙の繊維の質感(texture)、スキャナ内のノイズ、ページとスキャナとの距離の変化等によって生じるものである。
【0028】
バックグラウンド352のイメージは、交互の薄い灰色240及び白242の垂直線を有している。矢印358で示す軸に沿ったバックグラウンド内の明度値の矩形波パターン(
図2参照)は、スキャナのMTFに起因して、より多くの正弦
波へと劣化する。更に、バックグラウンドのイメージは、スキャン方向(矢印356)に、及びイメージの幅を横切って(矢印358)、ノイズを有する。このバックグラウンドのイメージ内のノイズは、スキャンがADFスキャンであったかフラットベッドスキャンであったかに依存して異なるソースを有し得るものである。
【0029】
ADFスキャンの場合、バックグラウンド及びスキャンヘッドは互いに固定位置にあり、このため、スキャン中のスキャンヘッドとバックグラウンドとの間に相対的な動きは存在しない。それ故、バックグラウンド上に欠陥(例えば、汚れ(dirt))がある場合、該欠陥は、スキャンイメージ内で一定の明度の垂直方向の筋を形成するものとなる。それ故、バックグラウンドのイメージ内のスキャン方向に沿った変化は全て、スキャナ内のノイズによって引き起こされる。
【0030】
フラットベッドスキャンの場合、スキャンヘッドは、スキャンプラテンの長さに沿って移動し、このため、スキャン中にスキャンヘッドと(スキャナの蓋の下側に配設された)バックグラウンドとの間に相対的な運動が存在する。それ故、バックグラウンドのイメージ中のノイズは、バックグラウンドのイメージの変化、バックグラウンド上の欠陥、スキャナ内のノイズ、バックグラウンドとスキャナとの間の距離の変化等によって引き起こされ得る。
【0031】
図4は、スキャンライン360(
図3B参照)に沿った完全なイメージの明度(すなわち、
明るさ又はL*)の例示的なグラフである。その垂直軸は1ピクセルの明度値であり、255は白、0は黒である。その水平軸はピクセル番号であり、ピクセル0はイメージ内の一番左のピクセル、2600は一番右のピクセルである。長さD1は、オブジェクト350(すなわち、1ページ)に対応するイメージ中の複数のピクセルである。長さB1,B2は、オブジェクト350(すなわち、1ページ)の両側にあるバックグラウンドに対応するイメージ中の複数のピクセルである。
【0032】
オブジェクト(領域D1)内の複数のピクセル、及びバックグラウンド(領域B1,B2)内の複数のピクセルの明度値は、スキャンイメージ内のノイズによって変化する。2つのバックグラウンド領域(領域B1,B2)内のピクセルの明度値の振幅の標準偏差は4.6である。オブジェクト領域(D1)内のピクセルの明度値の振幅の標準偏差は4.09である。これは、バックグラウンドの明度値とオブジェクトの明度値との間のSN比(signal to noise ratio)1.15:1を与えるものとなる。
【0033】
SN比が低いため、スキャンイメージはフィルタリングされることになる。イメージは、2つの異なるフィルタを使用して二方向にフィルタリングされることになる。イメージは、ローパスフィルタを使用して垂直方向に(スキャン方向356に沿って)フィルタリングされ、及び整合フィルタ(match filter)を使用してイメージの幅を横切って(矢印358)フィルタリングされることになる。該フィルタは、スキャナノイズに起因する明度のランダムな変化を低減させ、及びバックグラウンド領域のイメージ中の色調レベルの変化に起因する明度の変化を増大させるものとなる。
【0034】
一実施形態では、ローパスフィルタは、移動平均とすることが可能である。移動平均を用いる場合、該移動平均は、スキャン方向に沿った2〜15ピクセル間の平均とすることが可能である。一実施形態では、整合フィルタは、6ピクセル正弦矩形波(6 pixel sinusoid square wave)の1サイクルとすることが可能である。この実施形態では、薄い灰色のバー及び白いバーの期間が6ピクセルであるため、該整合フィルタは6ピクセル幅である。別の実施形態では、該整合フィルタは、異なる形状又は異なる長さを有することが可能である。2ピクセル移動平均及び6ピクセル整合フィルタのための例示的なフィルタカーネルを以下に示す。
0 0.2500 0.2500 0 -0.2500 -0.2500
0 0.2500 0.2500 0 -0.2500 -0.2500
【0035】
図5は、フィルタリング後のスキャンライン360(
図3B参照)に沿った完全なイメージの明度値の例示的なグラフである。その垂直軸は1ピクセルの明度値であり、255は白、0は黒である。その水平軸はピクセル番号であり、ピクセル0はイメージ中の一番左のピクセルであり、2600は一番右のピクセルである。長さD1は、オブジェクト350(すなわち、1ページ)に対応するイメージ中の複数のピクセルである。長さB1,B2は、オブジェクト350(すなわち、1ページ)の両側にあるバックグラウンドに対応するイメージ中の複数のピクセルである。フィルタリング後、バックグラウンドについての明度値の変化は一層高くなり、オブジェクトについての明度値の変化は一層低くなる。2つのバックグラウンド領域におけるピクセル値の振幅の標準偏差は14.7である。オブジェクト領域内のピクセル値の振幅の標準偏差は2.21である。フィルタリング後、バックグラウンドとオブジェクトとの間のピクセル値の変化のSN比は6.7:1となる。
【0036】
一実施形態では、オブジェクトのエッジは、スキャンの幅に沿った6ピクセルウィンドウの平均値から絶対差の和(SAD:sum of absolute differences)を用いて求められる。
図6は、スキャンライン360(
図3B参照)に沿った完全なイメージのSAD値の例示的なグラフである。その垂直軸は1ピクセルSAD明度値である。その水平軸は6の倍数のピクセル番号である。長さD2は、オブジェクト350(すなわち、1ページ)に対応するイメージ中の複数のピクセルである。長さB1,B2は、オブジェクト350(すなわち、1ページ)の両側にあるバックグラウンドに対応するイメージ中の複数のピクセルである。変化の大きな領域はバックグラウンドイメージ(すなわち、領域B1,B2)に対応する。変化の小さな領域はオブジェクト350の一様な領域に対応する。
【0037】
各スキャンラインにおけるオブジェクトのエッジは、高明度変化領域と低明度変化領域との間の遷移の位置である。実施形態によっては、オブジェクトのエッジは、イメージ中の各スキャンライン毎に決定される。別の実施形態では、オブジェクトのエッジは、N番目(Nは1〜100の整数)のスキャンライン毎に決定される。エッジ位置が特定されると、該エッジ位置を多くのことに使用することが可能である。例えば、オブジェクトの形状及び位置を決定する、オブジェクトの向き又は
傾きを決定する、スキャンイメージ中のオブジェクトの数を決定する、といったことが可能となる。
【0038】
図7は、スキャンイメージ中のエッジを特定するための例示的なフローチャートである。該フローはステップ770で開始して、所定パターンを有するバックグラウンドを有するスキャナがイメージをキャプチャする。ステップ772で、スキャンイメージ中のノイズの振幅が各スキャンライン毎に決定される。ステップ774で、オブジェクトのエッジが、高ノイズ変化領域と低ノイズ変化領域との間の遷移点として識別される。
【0039】
一実施形態では、ステップ770でスキャンされたバックグラウンドのパターンは、反復する一連の交互の暗い色調と明るい色調(例えば、
図2のパターン)である。一実施形態では、スキャンイメージ中のノイズの振幅は、ステップ772でスキャンイメージをフィルタリングすることにより決定される。スキャンイメージは、スキャン方向に沿ってローパスフィルタを使用し、及び該スキャン方向と垂直な方向に沿ってパターンマッチングフィルタを使用してフィルタリングされる。
【0040】
一実施形態では、スキャナファームウェアが、スキャンイメージ中のオブジェクトのエッジを検出する。別の実施形態では、スキャナによりキャプチャされたイメージが、他の装置(例えば、スキャナ又は多機能周辺装置(MFP)に接続されたコンピュータ)に送られる。スキャンイメージ中のオブジェクトのエッジは、該他の装置により検出されることになる。
【0041】
図8は、例示的なスキャナ800の電気的なブロック図である。スキャナは、コントローラ862、メモリ864、入出力モジュール866、及びスキャンヘッド868を備えており、それら全てはバス872に共に接続されている。実施形態によっては、スキャナはまた、ユーザインタフェイスモジュール及び入力装置等を備えることが可能であるが、それらは明瞭化のため図示しない。コントローラ862は少なくとも1つのプロセッサからなる。該プロセッサは、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はそれらの組み合わせから構成することが可能である。メモリ864は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、及びストレージデバイスから構成することが可能である。メモリ864は、持続性コンピュータ読み取り可能媒体である。不揮発性メモリの例として、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)(登録商標)及びROM(read only memory)が挙げられるが、これらには限定されない。揮発性メモリの例として、SRAM(static random access memory)及びDRAM(dynamic random access memory)が挙げられるが、これらには限定されない。ストレージデバイスの例として、HDD(hard disk drive)、CD(compact disc)ドライブ、DVD(digital versatile disc)ドライブ、光学ドライブ、及びフラッシュメモリデバイスが挙げられるが、これらには限定されない。
【0042】
入出力モジュール866は、スキャナを他の装置(例えば、インターネット又はコンピュータ)に接続するために使用される。スキャナは、メモリ864に格納された(一般にファームウェアと呼ばれる)コンピュータ実行可能コードを有する。該ファームウェアは、コンピュータ読み取り可能命令として持続性コンピュータ読み取り可能媒体(すなわち、メモリ864)に格納される。プロセッサは、スキャナを動作させ及び複数の機能を実行するために一般に持続性コンピュータ読取り可能媒体に格納されている命令を読み出して実行する。一実施形態では、プロセッサは、スキャンイメージ中のオブジェクトのエッジを特定するコードを実行する。
【0043】
図9は、メモリ864に接続されたプロセッサの例示的なブロック図である。メモリ864はファームウェア980を含む。ファームウェア980は検出モジュール984を含む。プロセッサは、検出モジュール984内のコードを実行して、スキャンイメージ中のオブジェクトのエッジを検出する。該検出モジュール984は、
図7に示した方法を使用して、スキャンイメージ中のオブジェクトのエッジを検出することが可能である。