(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6482035
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】棒送り装置
(51)【国際特許分類】
B23B 13/02 20060101AFI20190304BHJP
B23B 25/06 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
B23B13/02 B
B23B13/02 Z
B23B25/06
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-538560(P2016-538560)
(86)(22)【出願日】2013年12月11日
(65)【公表番号】特表2016-539815(P2016-539815A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】EP2013076243
(87)【国際公開番号】WO2015086064
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2016年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】512237327
【氏名又は名称】エルエヌエス マネジメント エス・アー・エール・エル
【氏名又は名称原語表記】LNS Management Sarl
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェンク,マーク
(72)【発明者】
【氏名】スミ,ロメイン
【審査官】
中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭54−081585(JP,U)
【文献】
特開2000−308902(JP,A)
【文献】
特開2007−276102(JP,A)
【文献】
特開2004−314270(JP,A)
【文献】
実開平05−037444(JP,U)
【文献】
特開平08−066802(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第00492252(GB,A)
【文献】
特開昭57−144602(JP,A)
【文献】
特開昭58−056704(JP,A)
【文献】
特開昭61−050701(JP,A)
【文献】
特開昭61−117002(JP,A)
【文献】
米国特許第04628779(US,A)
【文献】
米国特許第04649779(US,A)
【文献】
欧州特許出願公開第00562837(EP,A1)
【文献】
特開平05−269602(JP,A)
【文献】
特開平09−019803(JP,A)
【文献】
特開2003−266204(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0118434(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0159554(US,A1)
【文献】
特開2005−111650(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/089915(WO,A1)
【文献】
特開2011−251372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 1/00−25/06
B23Q 7/00−7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に伸長するベースと、
長さ方向に伸長しかつ前記ベースに回転可能に結合されたチャネルカバーと、
長さ方向に伸長するガイドチャネルを含むガイド部材と、
プッシャーフラグと、
前記プッシャーフラグの第1端に固定され、前記プッシャーフラグを長さ方向に移動可能な移動手段と、
前記プッシャーフラグの第2端に固定され、前記ガイドチャネル内を移動可能なプッシュバーと、
を備え、
前記チャネルカバーは、少なくともひとつの変位可能部材および、前記変位可能部材を変位させるための少なくともひとつの変位手段を有し、
前記チャネルカバーは、オープン位置とクローズ位置との間で枢動可能であり、前記変位可能部材は、引っ込み位置と出っ張り位置との間で変位可能であり、
前記チャネルカバーの前記クローズ位置および前記変位可能部材の前記出っ張り位置において、前記変位可能部材は、前記ガイドチャネルを閉止し、
前記チャネルカバーの前記クローズ位置および前記変位可能部材の前記引っ込み位置において、前記変位可能部材と前記ガイド部材との間に、前記プッシャーフラグの少なくとも一部が通るためのギャップが形成される、
ことを特徴とする棒送り装置。
【請求項2】
前記チャネルカバーは、少なくともひとつのブラケットによって前記ベースに結合されており、前記ブラケットは、端部が前記ベースに回転可能に結合された第1部分、および、前記チャネルカバーを保持する第2部分を有し、
前記変位可能部材の前記出っ張り位置において、前記第2部分の遠位面は、前記変位可能部材の外側面と同一面である、ことを特徴とする請求項1に記載の棒送り装置。
【請求項3】
前記少なくともひとつの変位手段は、空気圧シリンダである、ことを特徴とする請求項1または2に記載の棒送り装置。
【請求項4】
前記プッシャーフラグの移動を記録するための検出手段をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の棒送り装置。
【請求項5】
前記変位可能部材は、長さ方向に配置された複数の変位可能セクションを有し、複数の前記変位手段が前記複数の変位可能セクションの各々を個別に変位するために設けられている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の棒送り装置。
【請求項6】
前記プッシャーフラグの移動を記録するべく、前記複数の変位可能セクションの各々の上流側にそれぞれ配置された複数の検出手段をさらに備える、請求項5に記載の棒送り装置。
【請求項7】
前記検出手段は、センサである、ことを特徴とする請求項4または6に記載の棒送り装置。
【請求項8】
前記センサは、光電センサまたはコンタクトセンサである、ことを特徴とする請求項7に記載の棒送り装置。
【請求項9】
前記変位手段の少なくともひとつは、前記検出手段からの信号に応答して作動可能である、ことを特徴とする請求項4に記載の棒送り装置。
【請求項10】
前記複数の変位手段は、前記複数の検出手段からの信号に応答して個別に作動可能である、ことを特徴とする請求項6に記載の棒送り装置。
【請求項11】
請求項1から3のいずれか一項に記載の棒送り装置を使用する方法であって、
前記ガイド部材の前記ガイドチャネル内にバーストックを導入する工程と、
前記変位可能部材を前記出っ張り位置に持ってくるように、前記チャネルカバーの前記変位手段を作動させる工程と、
前記変位可能部材が前記ガイド部材と接触するように、前記ベースの回りに前記チャネルカバーを枢動させる工程と、
前記プッシャーフラグ、前記プッシュバーおよび前記バーストックを長さ方向に移動させるべく、前記移動手段を作動させる工程と、
前記ガイド部材と前記変位可能部材との間で前記プッシャーフラグの少なくとも一部を通過させるべく、前記引っ込み位置の方向へ、前記変位可能部材を変位させるよう前記変位手段を作動させる工程と、
を備える方法。
【請求項12】
請求項4に記載の棒送り装置を使用する方法であって、
前記ガイド部材の前記ガイドチャネル内にバーストックを導入する工程と、
前記変位可能部材を前記出っ張り位置に持ってくるように、前記チャネルカバーの前記変位手段を作動させる工程と、
前記変位可能部材が前記ガイド部材と接触するように、前記ベースの回りに前記チャネルカバーを枢動させる工程と、
前記プッシャーフラグ、前記プッシュバーおよび前記バーストックを長さ方向に移動させるべく、前記移動手段を作動させる工程と、
前記ガイド部材と前記変位可能部材との間で前記プッシャーフラグの少なくとも一部を通過させるべく、前記引っ込み位置の方向へ、前記変位可能部材を変位させるよう前記検出手段からの信号に応答して前記変位手段を作動させる工程と、
を備える方法。
【請求項13】
請求項6に記載の棒送り装置を使用する方法であって、
前記ガイド部材の前記ガイドチャネル内にバーストックを導入する工程と、
前記複数の変位可能セクションを前記出っ張り位置に持ってくるように、前記チャネルカバーの前記複数の変位手段を作動させる工程と、
前記複数の変位可能セクションが前記ガイド部材と接触するように、前記ベースの回りに前記チャネルカバーを枢動させる工程と、
前記プッシャーフラグ、前記プッシュバーおよび前記バーストックを長さ方向に移動させるべく、前記移動手段を作動させる工程と、
前記ガイド部材と前記複数の変位可能セクションの各々との間で前記プッシャーフラグの少なくとも一部を通過させるべく、前記引っ込み位置の方向へ、前記複数の変位可能部材の各々を連続して変位させるよう前記複数の検出手段からの信号に応答して前記複数の変位手段を作動させる工程と、
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、例えば旋盤用の棒送り装置およびそれを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の棒送り装置は、
図1から
図5に代表されるものである。それは、概して、
長さ方向に伸長するベース1と、
該ベース1に回転可能に取り付けられた、長さ方向に伸長するチャネルカバー4と、
長さ方向に伸長するガイドチャネル8を有するガイド部材7と、
プッシャーフラグ12と、
該プッシャーフラグ12の第1端に固定され、かつ、それを長さ方向に移動可能なチェーン13と、
該ガイドチャネル8内で移動可能であり、該プッシャープラグ12の第2端に固定されたプッシュバー9とを有する。
【0003】
図5に示すような棒送り装置に関して、チャネルカバー4とガイド部材7との間にはギャップ20が存在する。このギャップ20は、ベース1全体に長さ方向に沿って伸長する。それは、チャネルカバー4とガイド部材7との間でプッシャーフラグ12が通過できるように作用する。しかし、小さい直径の棒は、それを通過して逃げることができ、それにより、棒自身、プッシャーフラグ12および/またはチェーン13がダメージを受け、製造処理が中断する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明の主な目的は、ギャップ20の存在に起因した上記問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明に従い、この目的は、チャネルカバーが、少なくともひとつの変位可能な部材および当該変位可能な部材を変位するための手段を有することを特徴とする、棒送り装置によって達成される。
【0006】
本願発明の棒送り装置の有利な特徴は、以下に示すとおりである。
【0007】
当該棒送り装置は、チャネルカバーが、オープン位置とクローズ位置との間で枢動可能であり、該変位可能部材は、引っ込み位置と出っ張り位置との間で変位可能である、ことを特徴とする。
【0008】
当該棒送り装置は、チャネルカバーのクローズ位置および変位可能部材の出っ張り位置において、変位可能部材が該ガイドチャネルを閉止する、ことを特徴とする。
【0009】
当該棒送り装置は、チャネルカバーのクローズ位置と変位可能部材の引っ込み位置において、変位可能部材とガイド部材との間に、プッシャーフラグの少なくとも一部が通過するためのギャップが形成されている、ことを特徴とする。
【0010】
当該棒送り装置は、チャネルカバーが、ブラケットによってベースに接続されており、各ブラケットは、その端部がベースに回転可能に結合された第1部分、および、チャネルカバーを保持する第2部分を有し、
変位可能部材の出っ張り位置において、第2部分の遠位面は、変位可能部材の外側面と実質的に同一面である、ことを特徴とする。
【0011】
当該棒送り装置は、プッシャーフラグの移動を記録するための少なくともひとつの検出手段をさらに有する。
【0012】
当該棒送り装置は、変位可能部材が、長さ方向に配置された複数の変位可能セクションを有し、複数の変位部材が、変位可能セクションの各々を個別に変位するために設けられていることを特徴とする。
【0013】
当該棒送り装置は、プッシャープラグの移動を記録するために、長さ方向に配置された複数の検出手段をさらに有する。
【0014】
当該棒送り装置は、変位手段が、検出手段からの信号に応答して動作可能である、ことを特徴とする。
【0015】
当該棒送り装置は、変位手段が空気圧シリンダである、ことを特徴とする。
【0016】
当該棒送り装置は、検出手段が、ひとつのセンサまたは複数のセンサである、ことを特徴とする。
【0017】
当該棒送り装置は、センサが、光電センサまたはコンタクトセンサである、ことを特徴とする。
【0018】
本願発明はまた、本願発明にかかる棒送り装置を使用する方法に関し、当該方法は、
バーストックを、ガイド部材のガイドチャネル内に導入する工程と、
出っ張り位置に変位可能部材を移動するべく、チャネルカバーの変位手段を作動させる工程と、
変位可能部材がガイド部材と接触するように、チャネルカバーをベースの回りで枢動させる工程と、
プッシャーフラグ、プッシャーバーおよびバーストックを長さ方向に移動させるべく、移動手段を作動させる工程と、
ガイド部材と変位可能部材との間で、プッシャーフラグの少なくとも一部を通過させるべく、引っ込み位置の方向へ変位可能部材を変位させるように、変位部材を適時に作動させる工程とを有する。
【0019】
本願発明にかかる方法の有利な特徴は、以下に示すとおりである。
【0020】
当該方法は、変位手段が、検出手段から信号を受信したときに作動する、ことを特徴とする。
【0021】
当該方法は、変位可能セクションが、連続的に変位する、ことを特徴とする。
【0022】
本願発明の他の特徴および利点は、添付する概略図面を参照して以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、従来技術の棒送り装置の断面図である。
【
図2】
図2は、ガイド部材を有する、
図1の棒送り装置の左側からの斜視図である。
【
図3】
図3は、ガイド部材を有しない、
図1の棒送り装置の右側からの斜視図である。
【
図4】
図4は、オープン位置の、プッシャーフラグを有しない、
図1の棒送り装置の断面図である。
【
図5】
図5は、クローズ位置の、プッシャーフラグを有しない、
図1の棒送り装置の断面図である。
【
図6】
図6は、出っ張り位置の変位可能部材を有し、プッシャーフラグを有しない、クローズ位置の本願発明に従う棒送り装置の断面図である。
【
図7】
図7は、引っ込み位置の変位可能部材を有し、プッシャーフラグを有する、
図6の棒送り装置の断面図である。
【
図8】
図8は、本願発明の好適実施形態に従う棒送り装置の側面図である。
【
図9】
図9は、プッシャーフラグを有しない、本願発明の代替実施形態の側面図である。
【
図10】
図10は、プッシャーフラグを有しない、本願発明の棒送り装置の他の代替実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願発明に従う棒送り装置は、
図6から
図10に示されている。
【0025】
その部材のほとんどは、
図1から
図5に示す従来技術の棒送り装置の部材と類似している。したがって、同じ参照番号を付している。
【0026】
棒送り装置は、長さ方向に伸長するシャフト3によって堅固に結合される支持部材2を有するベース1と、長さ方向に伸長し、ブラケット5によってベース1に結合可能なチャネルカバー4とを有し、各ブラケット5は、シャフトの回りに自由に回転可能なようにシャフト3に結合された端部6を含む第1部分と、チャネルカバー4が固定される第2部分を含む。
【0027】
チャネルカバー4は、全体的に直方体形状を有する。
【0028】
ガイド部材7は、長さ方向に伸長し、シャフト3と平行に伸長するガイドチャネル8を有する。ガイドチャネル8は、ガイドチャネル8内で、長さ方向にバーストック11を押すためのプッシュバー9を受設するように、上方に開放されている。
【0029】
図6および7に示すように、ガイド部材7は、全体的に直方体形状を有しており、少なくとも一部がベース1上に置かれてよい。
【0030】
プッシュバー9は、プッシャーフラグ12のひとつの端部に固定され、プッシャーフラグは、ガイドチャネル8内を通るために、全体的にL字形状を有する。プッシャーフラグ12の他方の端部は、移動手段13に固定されており、移動手段は、プッシャーフラグ12を長さ方向に移動させることができるエンドレスチェーンまたは他の任意のシステムであってよい。エンドレスチェーンが使用される場合、溝18、19は、チェーンを通すために、ガイド部材7の上面および下面にそれぞれ設けられて良い。モータ(特に、サーボモータ)によって駆動される歯車状の手段(図示せず)が、周知の方法でエンドレスチェーンを回転させるのに使用可能である。
【0031】
図6および7に特に示すように、本願発明に従うチャネルカバー4は、
図6に示す出っ張り位置と、
図7に示す引っ込み位置との間で、チャネルカバー4に関して変位可能部材14を変位させるための少なくともひとつの変位可能部材14および変位手段15を有する。変位可能部材14は、周知の方法でチャネルカバー4に移動可能に結合される。
【0032】
変位可能部材14は、全体的に直方体の形状を有し、実質的にチャネルカバー4と同じ寸法を有する。
【0033】
変位手段15は、ひとつの位置から他の位置へ変位部材14を素早く変位させることができる空気圧シリンダ、ソレノイドまたは任意の適当なアクチュエータであってよい。
【0034】
図6に示すように、変位可能部材14が出っ張り位置または下部位置にあるとき、その遠位または外側面17は、ガイドチャネル8の開放側を閉止する。それにより、バーストック11がガイドチャネル8から逃げるのが防止される。言うまでもないが、ガイド部材7の長手方向に配置されているガイドチャネル8の正面または背面開口部は、変位可能部材14によって閉止されることはない。
【0035】
図7に示すように、変位可能部材14が引っ込み位置または上部位置にあるとき、ガイド部材7と変位可能部材14との間にギャップ20が形成される。そして、チェーン13によって駆動されるプッシャーフラグ12は、ギャップ20の内部を自由に通ることができる。ブラケット5の第2部分10の端部または遠位面16は、ガイド部材7に当接する。その結果、チャネルカバー4、変位可能部材14、変位手段15およびある程度のブラケット5の重量は、遠位面16によって支持される。
【0036】
出っ張り位置において、変位可能部材14の最低の外側面17は、ブラケット5の第2部分10の遠位面16と実質的に同一面であることが好ましい。その結果、外側面17だけでなく遠位面16もまたガイド部材7と接触する。第2部分10の長さが短すぎれば、出っ張り位置から引っ込み位置までの切替えの際、遠位面16は、落下してガイド部材7と接触するようになる。チャネルカバー4および変位手段15の重量が大きければ、それによってノイズが発生し、かつ、ブラケット5がダメージをうける。
【0037】
一方、
図6からわかるように、ブラケット5のクローズ位置、および、変位可能部材14の出っ張り位置において、遠位面16は外側面17から下方に有意に突出してはならない。さもなければ、ガイドチャネル8は、有効に閉止されず、棒11が、閉止されていないか、または、不十分に閉じたガイドチャネル8の上側を通じて逃げてしまう危険性がある。
【0038】
少なくともひとつの検出手段がプッシャーフラグ12の移動を検出するために設けられてよい。変位手段15は、検出手段からの信号に応答して作動し、プッシャーフラグ12の到着前に変位可能部材14を持ち上げ、それによって、変位可能部材14の外側面17とガイド部材7の上部面との間で、プッシャーフラグを移動させることができる。検出手段は、周知の方法で、プッシャーフラグ12の位置および/または移動を記録するセンサ(または一組のセンサ)である。一方、プッシャーフラグ12の位置および移動を決定するための異なるアプローチを使用することも可能である。特に、プッシャーフラグ12を駆動するのにサーボ装置が使用される場合には、位置を自動的に検出できるビルトインエンコーダがプッシャーフラグ12の移動を制御するのに使用可能である。
【0039】
図8に示す本願発明の好適実施形態に従い、変位可能部材14は、長さ方向に、複数の変位可能セクションS1、S2、S3、S4等に分割される。複数の変位手段15a、15b、15c、15d等が、変位可能セクションの各々を個別に変位させるために設けられる。
【0040】
ガイドチャネル8内のプッシュバー9の移動方向を基準にすると、セクションS1は、上流側に配置され、S4は下流側に配置されると考えることができる。
【0041】
センサが使用される場合、プッシャーフラグ12の通過を検知するために、複数のセンサが長さ方向に沿って配置されるのが好ましい。センサは、光電センサ、コンタクトセンサ、またはその他の適当なセンサであってよい。
【0042】
本願発明の棒送り装置を使用する方法の例
各ブラケット5は、
図3および4に示すものと類似のオープン位置と、
図6および7に示すクローズ位置との間で、枢動可能であり、変位可能部材の外側面17および好適には第2部分10の遠位面16は、ガイド部材7に当接する。
【0043】
図6に示すように、プロセスの始めに、ブラケット5は、すべてオープン位置にあり、変位可能部材14は出っ張り位置にある。
【0044】
バーストック11は、
図4の従来技術に示すように、ガイドチャネル8内に導入される。
【0045】
その後、ブラケット5は、クローズ位置に達するまで、シャフト3の回りを枢動する。結果として、変位可能部材14は、ガイド部材7と接触し、ガイドチャネル8の開放側を閉止する。
【0046】
その後、移動手段13が作動し、プッシャーフラグ12、プッシュバー9およびバーストック11を長さ方向に移動させる。
【0047】
センサが使用される場合、プッシャーフラグ12の下流側かつ変位可能部材14の上流側に配置されるのが好ましい。したがって、プッシャーフラグ12が近づくことをセンサが検知したとき、それは変位手段15を直接または間接的(例えば、適当な電子手段を通じて)に作動させるための信号を送る。その結果、変位手段は、変位可能部材14を持ち上げ、プッシャーフラグ12の通路用のギャップ20を形成する。サーボドライブのエンコーダが使用される場合には、変位手段15を作動させるために、適当な信号を送るのに使用可能である。
【0048】
好適実施形態において、変位可能部材14の外側面17は、ブラケット5の第2部分10の遠位面16と同一面となるので、変位可能部材14は、最初から出っ張り位置にある必要はない。変位手段15は、ブラケット5がクローズ位置に達した後にのみ、変位可能部材を出っ張り位置に持って行けばよい。
【0049】
図8に示す好適実施形態において、第1センサ、すなわち、最も上流側に配置されたセンサ、または、サーボドライブのエンコーダがプッシャーフラグ12の通過を記録するとき、第1セクションS1の変位手段に信号が送信され、変位手段は、第1セクションS1の変位可能部材14を内側に変位させる。その結果、プッシャーフラグ12は、変位可能部材14の外側面17とガイド部材7との間を通過することができる。
【0050】
その後、プッシャーフラグ12は、その位置が第2セクションS2において記録されるまで長さ方向に移動し続け、第2セクションS2の変位可能部材14が上方に変位する。
【0051】
したがって、複数のセンサが使用される場合、第1のセンサはプッシャーフラグ12の下流側であって、かつ、第1セクションS1の上流側に配置され、第2のセンサは、第1センサの下流側であって、かつ、第2セクションS2の上流側に配置される。他も同様である。
【0052】
代替的実施形態
図9は、代替形式の変位可能部材14aを示す。外側面17は、変位可能部材14aの出っ張り位置において、ガイドチャネル8の開放側を閉止するべく、ガイド部材7の傾斜面7aと協働する傾斜部分17aを有する。ブラケット5の遠位面16aもまた、好適には、ブラケット5のクローズ位置において、ガイド部材7の傾斜面7aと平行になるように一致する。
【0053】
ブラケット5の第2部分10は、
図6、7および9に示すように、必ずしもL字形状でなくともよい。
【0054】
図10は、代替形状のブラケット5を示す。それは、ガイド部材7の傾斜した上側面7aと平行な傾斜セクション21を有する。変位部材14の変位方向もまた傾斜面7aと垂直の方向に傾斜している。変位可能部材14の外部面17は出っ張り位置において、ガイドチャネル8の開放側に近づく。
【0055】
本願は、特定の手段、材料および実施形態を参照して説明したが、本開示の本質的な特徴の上記説明から、特許請求の範囲に記載する発明の思想および態様から離れることなく、さまざまな修正および変更が可能であることは当業者の知るところである。