特許 6482044 空冷用送風機と、この空冷用送風機を装着した空冷用衣料

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6482044

(24)【登録日】2019年2月22日

(45)【発行日】2019年3月13日

(54)【発明の名称】空冷用送風機と、この空冷用送風機を装着した空冷用衣料

(51)【国際特許分類】

   F04D 29/60 20060101AFI20190304BHJP

   F04D 29/52 20060101ALI20190304BHJP

   F04D 25/08 20060101ALI20190304BHJP

   A41D 13/002 20060101ALI20190304BHJP

【ＦＩ】

   F04D29/60 F

   F04D29/52 C

   F04D25/08 301Z

   A41D13/002 105

【請求項の数】17

【全頁数】20

(21)【出願番号】特願2017-546914(P2017-546914)

(86)(22)【出願日】2017年6月19日

(86)【国際出願番号】JP2017022467

(87)【国際公開番号】WO2018012204

(87)【国際公開日】20180118

【審査請求日】2017年9月5日

(31)【優先権主張番号】特願2016-137868(P2016-137868)

(32)【優先日】2016年7月12日

(33)【優先権主張国】JP

(73)【特許権者】

【識別番号】000130732

【氏名又は名称】株式会社サンエス

(74)【代理人】

【識別番号】100095337

【弁理士】

【氏名又は名称】福田 伸一

(74)【代理人】

【識別番号】100174425

【弁理士】

【氏名又は名称】水崎 慎

(72)【発明者】

【氏名】橘高 薫

(72)【発明者】

【氏名】田中 敬司

(72)【発明者】

【氏名】中村 剛

【審査官】 岩田 健一

(56)【参考文献】

【文献】 国際公開第２００７／０６１０８８（ＷＯ，Ａ１）

【文献】 特開２０１５−０６５９９８（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｆ０４Ｄ ２９／６０

Ｆ０４Ｄ ２９／５２

Ｆ０４Ｄ ２５／０８

Ａ４１Ｄ １３／００２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

一端側に空気吸入口、他端側に空気吹出口を有する筒状ファンケースと、
この筒状ファンケース内に設けられたファンと、
このファンを駆動するモータと、
前記筒状ファンケースの外周壁部分から、外周方向に突出形成された取付フランジと、
前記筒状ファンケースの外周部分において、前記取付フランジに係合させられる取付リングと、を備え、
前記取付フランジの一部、またはその近傍の筒状ファンケース部分に、第１の係止部、この第１の係止部に対して、前記筒状ファンケースの中心軸を介して対向する側の取付フランジ部分、またはその近傍の筒状ファンケース部分に、第２の係止部を、それぞれ設け、
前記取付リングの、前記取付フランジの第１の係止部に対応する部分に、第１の係合部、前記取付フランジの第２の係止部に対応する部分に、第２の係合部を、それぞれ設け、
前記第１の係止部、第２の係止部は、前記筒状ファンケースの長手方向において設置位置をずらせた空冷用送風機。

【請求項2】

前記取付フランジは、筒状ファンケースの空気吸入口、空気吹出口間の外周壁部分において、前記筒状ファンケースの中心軸に対して傾斜した状態に形成され、
この取付フランジの一部、またはその近傍の筒状ファンケース部分に、第１の係止部、
この第１の係止部に対して、前記筒状ファンケースの中心軸を介して対向する側の取付フランジ部分、またはその近傍の筒状ファンケース部分に、第２の係止部を、それぞれ設けた請求項１に記載の空冷用送風機。

【請求項3】

前記取付フランジの筒状ファンケースの空気吹出口側の傾斜部、またはその近傍の筒状ファンケース部分に、第１の係止部を設けた請求項２に記載の空冷用送風機。

【請求項4】

前記取付フランジの第１の係止部と、前記取付リングの第１の係合部は、それぞれ複数個有する請求項１から３のいずれか一つに記載の空冷用送風機。

【請求項5】

前記取付フランジの、筒状ファンケースの空気吸込口側の傾斜部、またはその近傍の筒状ファンケースに、第２の係止部を設けた請求項２から４のいずれか一つに記載の空冷用送風機。

【請求項6】

前記取付フランジの、筒状ファンケースの空気吸込口側の傾斜部に対応する、この取付フランジよりも、筒状ファンケースの空気吹出口側部分に、モータへの通電部を設けた請求項５に記載の空冷用送風機。

【請求項7】

前記取付リングの第２の係合部は、この取付リングの、前記筒状ファンケースの空気吸込口側部分において、同取付リングに一体化され、この一体化部分から、この取付リングよりも、前記筒状ファンケースの空気吹出口側へと延長形成された請求項１から６のいずれか一つに記載の空冷用送風機。

【請求項8】

前記取付リングの第２の係合部近傍に、前記モータへの通電部に接続するプラグが貫通する貫通孔を設けた請求項２から７のいずれか一つに記載の空冷用送風機。

【請求項9】

前記取付フランジの第１の係止部と、第２の係止部間の、筒状ファンケース部分には、前記筒状ファンケース一端側の空気吸入口、他端側の空気吹出口間において、外周方向に向けて交互に突出する第１の凹凸部を設けた請求項１から８のいずれか一つに記載の空冷用送風機。

【請求項10】

前記筒状ファンケースの第１の凹凸部に対応する、取付リング部分には、内側に向けて交互に突出する第２の凹凸部を設けた請求項９に記載の空冷用送風機。

【請求項11】

前記取付リングは、筒状ファンケース、または取付フランジよりも明色とした請求項１から１０のいずれか一つに記載の空冷用送風機。

【請求項12】

前記取付リングは、蛍光色とした請求項１１に記載の空冷用送風機。

【請求項13】

前記筒状ファンケースの空気吹出口には、送風ガイドを設け、この送風ガイドの中心部には、モータを取り付けるモータ取付部を設け、このモータ取付部の筒状ファンケース外部分には、第１の取付基準マークを設けた請求項１から１２のいずれか一つに記載の空冷用送風機。

【請求項14】

前記取付フランジの外周部分には、第２の取付基準マークを設けた請求項１３に記載の空冷用送風機。

【請求項15】

前記モータ取付部内にモータの駆動回路を設けた請求項１３、または１４に記載の空冷用送風機。

【請求項16】

前記モータの駆動回路は、入力電圧に比例したモータ駆動電圧を出力する構成とした請求項１５に記載の空冷送風機。

【請求項17】

前記請求項１から１６のいずれか一つに記載の空冷用送風機を有する空冷用衣料。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、空冷用送風機と、この空冷用送風機を装着した空冷用衣料に関するものである。

【背景技術】

【0002】

例えば、雰囲気温度が高い場所で、作業や活動を行う時に、着用する空冷用衣料が提案され、脚光を浴びている。
この空冷用衣料は、例えば円形の貫通孔部分に、空冷用送風機を装着した構成となっている。
具体的には、この空冷用送風機は、一端側に空気吸入口、外周部分に空気吹出口を有する筒状ファンケースと、この筒状ファンケース内に設けられたファンと、このファンを駆動するモータと、前記筒状ファンケースの外周壁の一端側部分において、外周方向に突出形成された取付フランジと、前記筒状ファンケースの外周部分において、前記取付フランジに係合する取付リングと、を備えた構成となっている（これに類似する構成としては例えば、下記特許文献１が存在する）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特許第５６７２６４２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

上記従来例において、空調用衣料は、例えば、作業、活動後に、洗濯する必要性から、貫通孔部分に対して空冷用送風機を着脱することが可能な構成となっている。
具体的には、空冷用衣料に空冷用送風機を装着するときには、先ず、空冷用衣料に形成した、例えば円形の貫通孔部分に、空冷用送風機の筒状ファンケースを、この空冷用衣料の表側から裏側に向けて挿入させる。
次に、空冷用衣料の裏側において、前記空冷用送風機の筒状ファンケースの他端側から取付リングを、この筒状ファンケースの一端側に向けて移動させる。
その後、この取付フランジの係止部に、取付リングの係合部を係合させる。
この状態では、空冷用送風機の筒状ファンケースの取付フランジと、取付リングによって、空冷用衣料の貫通孔縁が挟持され、これによって、空冷用衣料に空冷用送風機が装着される。

【0005】

そして、この状態で、モータに通電し、ファンを駆動すると、筒状ファンケースの一端側の空気吸入口から筒状ファンケース内に外気が取り込まれ、次に、筒状ファンケースの外周部に設けられた空気吹出口から、筒状ファンケースの外周方向に向けて外気が吹き出され、その後、この外気は、空冷用衣料と、身体との空間を流れ、最後には、身体と空冷用衣料の隙間、例えば、襟元部分、袖部分などから、空冷用衣料外へと放出される。
つまり、身体の表面に外気を流すことで、汗を気化させ、発汗作用を促しやすくすることで、身体の空冷を行うようになっているのであり、極めて快適性の高いものとなっている。

【0006】

しかしながら、従来提案されているものは、空冷用衣料への装着、脱着が行いにくいものとなっており、この点に対する改善が求められている。
すなわち、従来のものは、空冷用衣料に空冷用送風機を装着するときには、先ず、空冷用衣料に形成した、例えば円形の貫通孔部分に、空冷用送風機の筒状ファンケースを、この空冷用衣料の表側から裏側に向けて挿入させる。
次に、空冷用衣料の裏側において、前記空冷用送風機の筒状ファンケースの他端側から取付リングを、この筒状ファンケースの一端側に押し込んで移動させ、この取付フランジの係止部に、取付リングの係合部を係合させる状態となっているが、押し込み作業と、取付フランジの係止部に、取付リングの係合部を係合させる作業と、を同時に進行させる必要があり、なれぬ者にとっては、作業性が悪いものとなっている。

【0007】

そこで、本発明は、空冷用衣料への装着、脱着が行いやすくすることを目的とするものである。

【課題を解決するための手段】

【0008】

そして、この目的を達成するために本発明の空冷用送風機は、一端側に空気吸入口、他端側に空気吹出口を有する筒状ファンケースと、この筒状ファンケース内に設けられたファンと、このファンを駆動するモータと、前記筒状ファンケースの外周壁部分から、外周方向に突出形成された取付フランジと、前記筒状ファンケースの外周部分において、前記取付フランジに係合させられる取付リングと、を備え、前記取付フランジの一部、またはその近傍の筒状ファンケース部分に、第１の係止部、この第１の係止部に対して、前記筒状ファンケースの中心軸を介して対向する側の取付フランジ部分、またはその近傍の筒状ファンケース部分に、第２の係止部を、それぞれ設け、前記取付リングの、前記取付フランジの第１の係止部に対応する部分に、第１の係合部、前記取付フランジの第２の係止部に対応する部分に、第２の係合部を、それぞれ設け、前記第１の係止部、第２の係止部は、前記筒状ファンケースの長手方向において設置位置をずらせたものである。

【発明の効果】

【0009】

以上のように本発明の空冷用送風機は、一端側に空気吸入口、他端側に空気吹出口を有する筒状ファンケースと、この筒状ファンケース内に設けられたファンと、このファンを駆動するモータと、前記筒状ファンケースの外周壁部分から、外周方向に突出形成された取付フランジと、前記筒状ファンケースの外周部分において、前記取付フランジに係合させられる取付リングと、を備え、前記取付フランジの一部、またはその近傍の筒状ファンケース部分に、第１の係止部、この第１の係止部に対して、前記筒状ファンケースの中心軸を介して対向する側の取付フランジ部分、またはその近傍の筒状ファンケース部分に、第２の係止部を、それぞれ設け、前記取付リングの、前記取付フランジの第１の係止部に対応する部分に、第１の係合部、前記取付フランジの第２の係止部に対応する部分に、第２の係合部を、それぞれ設け、前記第１の係止部、第２の係止部は、前記筒状ファンケースの長手方向において設置位置をずらせたものであるので、空冷用衣料への装着、脱着が行いやすくなる。

【0010】

つまり、本発明では、取付フランジの一部、またその近傍の筒状ファンケース部分に、第１の係止部、この第１の係止部に対して、前記筒状ファンケースの中心軸を介して対向する側の取付フランジの一部、またその近傍の筒状ファンケース部分に、第２の係止部を設け、前記取付リングの、前記取付フランジ側の第１の係止部に対応する部分に、第１の係合部、前記取付フランジ側の第２の係止部に対応する部分に、第２の係合部を設け、前記第１の係止部と第２の係止部は、前記筒状ファンケースの長手方向において設置位置をずらせたものである。
このため、例えば、取付リングを、取付フランジに係合させるときには、先ず、取付リングを、筒状ファンケースの外周壁部分に嵌め込み、次に、この取付リングを、取付フランジ側に摺動移動させ、その後、前記取付フランジ側の第１の係止部と、取付リングの第１の係合部を当接させ、ここで、前記第１の係止部と、取付リングの第１の係合部を係合させ、次に、この部分を軸として、前記取付リングの第２の係合部を、取付フランジ側の第２の係止部側に摺動移動させながら係合させれば、空冷用送風機を、空冷用衣料に簡単に装着することができ、作業性の良いものとなる。

【0011】

また、取付フランジを、前記筒状ファンケースの中心軸に対して傾斜した状態で形成し、さらに、この取付フランジに対して取付リングを係合させる構成とすれば、空冷用送風機は空冷用衣料の貫通孔部分に、傾斜状態で装着され、その結果として、筒状ファンケース他端側の空気吹出口も、空冷用衣料の外気排出側へと傾いた状態となる。
そして、このような構成とすれば、筒状ファンケースの空気吹出口から吹き出した外気の大部分を、空冷用衣料の外気排出側へと効果的に流すことができるようになり、その結果として、空冷用送風機として小型化しやすくなる。

【0012】

また、小型化した空冷用送風機は扱いやすく、しかも、取付フランジが傾斜状態となっているので、取付リングの係合作業、あるいは係合解除作業、つまり空冷用衣料への装着、および、その後の取り外しが簡単に行え、使い勝手の良いものとなる。

【図面の簡単な説明】

【0013】

【図1】本発明の一実施形態にかかる空冷用送風機を装着した空冷用衣料の背面図

【図2】本発明の一実施形態にかかる空冷用送風機を装着した空冷用衣料の背面図

【図3】本発明の一実施形態にかかる空冷用送風機を装着した空冷用衣料の背面図

【図4】本発明の一実施形態にかかる空冷用送風機を装着した空冷用衣料の背面図

【図5】同空冷用送風機の分解斜視図

【図6】同空冷用送風機の断面図

【図7】同空冷用送風機の分解斜視図

【図8】同空冷用送風機の斜視図

【図9】同空冷用送風機の平面図

【図10】同空冷用送風機の側面図

【図11】同空冷用送風機の背面図

【図12】同空冷用送風機の側面図

【図13】同空冷用送風機の側面図

【図14】同空冷用送風機の側面図

【図15】同空冷用送風機の取付リングの斜視図

【図16】同空冷用送風機の取付リングの斜視図

【図17】同空冷用送風機の取付リングの斜視図

【図18】同空冷用送風機の取付リングの斜視図

【図19】同空冷用送風機の取付リングの平面図

【図20】同空冷用送風機の取付リングの背面図

【図21】同空冷用送風機の取付リングの拡大Ａ−Ａ断面図

【図22】同空冷用送風機の分解斜視図

【図23】同空冷用送風機のコントローラの斜視図

【図24】同空冷用送風機の電気回路図

【図25】本発明の一実施形態にかかる空冷用送風機を装着した他の空冷用衣料の正面図

【図26】同空冷用衣料の背面図

【図27】本発明の一実施形態にかかる空冷用送風機を装着した、さらに他の空冷用衣料の正面図

【図28】同空冷用衣料の一部拡大断面図

【図29】同空冷用衣料の背面図

【図30】本発明の他の実施形態を示す分解斜視図

【発明を実施するための形態】

【0014】

（実施の形態１）
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
図１は、本発明の一実施形態にかかる空冷用送風機１を、空冷用衣料２に装着した状態を示すものである。
空冷用衣料２は、この実施形態では、人体の上半身に着る上着を例にしており、その背中部分の下方に、２個の空冷用送風機１が装着されている。
この空冷用衣料２は、基本的には空気の透過性が悪い材料によって形成されているので、空冷用送風機１によって空冷用衣料２内に吸引された外気は、人体と空冷用衣料２の間に形成される隙間を経由し、襟元３や、袖口４から空冷用衣料２外へと吹き出される。
そして、このように外気が、人体と空冷用衣料２の間に形成される隙間を流れるときに、人体表面の汗を蒸発させ、それを空冷用衣料２外へと排出することで、発汗作用を増長し、空冷効果を発揮するものである。

【0015】

なお、本実施形態の空冷用衣料２は、空冷用送風機１装着部分の下方、つまり、人体の腰対向部分に、絞り部分２ａを設け、空冷用衣料２内に吸入した外気は、上述のごとく、襟元３や、袖口４から空冷用衣料２外へと吹き出させるようにしている。
すなわち、顔や、首筋や手首部分に送風するほうが、涼しいと感じる着用者が多いので、上述のごとく、空冷用送風機１によって吸引した外気は空冷用衣料２の上方へと偏った状態で流すようにしている。

【0016】

また、本実施形態の空冷用送風機１は、図２〜図４に示すように、空冷用衣料２への取り付け角度を調整することで、襟元３と、袖口４からの外気流出量を調整し、個人の冷却に対する好みに応えることができるようになっており、この点は、あとで詳細に説明する。

【0017】

以下、空冷用送風機１の構成について詳細に説明する。
空冷用送風機１は、図５〜図８に示すように、一端側（空冷用衣料２の外側）に空気吸入口５ａ、他端側（空冷用衣料２の内側）に空気吹出口５ｂを有する筒状ファンケース６と、この筒状ファンケース６内の中心軸Ｘ部分に設けられたファン７と、このファン７を駆動するモータ８と、前記筒状ファンケース６の外周壁の全周部分から、外周方向に突出形成された取付フランジ９と、前記筒状ファンケース６の外周部分において、前記取付フランジ９に係合させられるリング状の取付リング１０と、を備えている。

【0018】

本実施形態で特徴的なのは、以下の４点である。
（１）図５〜図１４に示すように、筒状ファンケース６の一端側（空冷用衣料２の外側）に空気吸入口５ａ、他端側（空冷用衣料２の内側）に空気吹出口５ｂを設けた。
（２）また、前記取付フランジ９を、筒状ファンケース６の空気吸入口５ａ、空気吹出口５ｂ間の外周壁部分において、前記筒状ファンケース６の中心軸Ｘに対して傾斜した状態で、筒状ファンケース６の外周壁部分から、外周方向に一体形成した。
（３）さらに、この取付フランジ９の円周部の一部、またはその近傍の筒状ファンケース６部分に、爪状の第１の係止部１１、この第１の係止部１１に対して、前記筒状ファンケース６の中心軸Ｘを介して対向する側の取付フランジ９の円周部の一部、またはその近傍の筒状ファンケース６部分に、貫通孔状の第２の係止部１２を、それぞれ設けた。
つまり、第１の係止部１１、第２の係止部１２は、筒状ファンケース６の長手方向（空気吸入口５ａ、空気吹出口５ｂの間）において、設置位置を異ならせている。
具体的には、第１の係止部１１は、図５、図６から理解されるように、第２の係止部１２よりも、空気吹出口５ｂ側に設けられている。つまり、第１の係止部１１は、筒状ファンケース６の空気吹出口５ｂ側の端部において、形成されているものであり、この状態では、第２の係止部１２よりも、空気吹出口５ｂ側に設けられていることになるのである。
また、貫通孔状の第２の係止部１２は、図５、図６から理解されるように、筒状ファンケース６の外周部分に設けられているので、上記筒状ファンケース６の空気吹出口５ｂ側の端部に形成された第１の係止部１１よりも、空気吸入口５ａ側に設けられていることになるのである。
（４）さらにまた、図５、図６、図７、図１６〜図２０に示すように、前記取付リング１０の、前記第１の係止部１１に対応する部分に、切欠き状の第１の係合部１３、前記第２の係止部１２に対応する前記取付リング１０部分に、爪状の第２の係合部１４を設けたことである。

【0019】

すなわち、本実施形態では、筒状ファンケース６の他端側に空気吹出口５ｂを設け、また、筒状ファンケース６の空気吸入口５ａ、空気吹出口５ｂ間部分の外周壁部分に設けた取付フランジ９は、前記筒状ファンケース６の中心軸Ｘに対して傾斜した状態で形成し、さらに、この取付フランジ９に対して取付リング１０を係合させる構成としたので、図５、図６から理解されるように、空冷用送風機１は空冷用衣料２の貫通孔１５部分に、傾斜状態で装着され、その結果として、図６のごとく、筒状ファンケース６他端側の空気吹出口５ｂも、空冷用衣料２の外気排出側（上方の襟元３や、袖口４）へと傾いた状態となる。
このため、筒状ファンケース６の空気吹出口５ｂから吹き出した外気の大部分を、図２〜図４から理解されるように、空冷用衣料２の外気排出側（上方の襟元３や、袖口４）へと効果的に流すことができるようになり、その結果として、空冷用送風機１として小型化しやすくなる。

【0020】

また、小型化した空冷用送風機１は扱いやすく、しかも、取付フランジ９が傾斜状態となっているので、取付リング１０の係合作業、あるいは係合解除作業、つまり空冷用衣料２への空冷用送風機１の装着、および、その後の取り外しが簡単に行え、使い勝手の良いものとなる。

【0021】

つまり、本実施形態では、上述した傾斜状態の取付フランジ９の一部、またはその近傍の筒状ファンケース６に、爪状の第１の係止部１１、この第１の係止部１１に対して、前記筒状ファンケース６の中心軸Ｘを介して対向する側の取付フランジ９の一部、またはその近傍の筒状ファンケース６に、貫通状の第２の係止部１２を設け、前記取付リング１０の、前記第１の係止部１１に対応する部分に、切欠き状の第１の係合部１３、前記第２の係止部１２に対応する部分に、第２の係合部１４を設けた。
また、この状態において、前記第１、第２の係止部１１、１２は、筒状ファンケース６の長手方向の位置に差を持たせた状態で配置したものである。

【0022】

このため、例えば、図５、図６のように、空冷用衣料２に空冷用送風機１を装着するときには、まず、空冷用衣料２の貫通孔１５に、この空冷用衣料２の表側から、空冷用送風機１の空気吹出口５ｂを挿入し、その取付フランジ９の空気吹出口５ｂ側の面を空冷用衣料２の貫通孔１５の開口縁に当接させる。
次に、取付リング１０を、空冷用衣料２の裏側から筒状ファンケース６の外周壁部分に嵌め込み、取付フランジ９側に摺動移動させ、その後、前記取付フランジ９側の第１の係止部１１と、取付リング１０の第１の係合部１３を当接させ、ここで、前記取付フランジ９側の第１の係止部１１と、取付リング１０の第１の係合部１３を係合させ、次に、この部分を軸として、前記取付リング１０の第２の係合部１４を取付フランジ９側の第２の係止部１２方向に摺動移動させながら係合させれば、空冷用送風機１を空冷用衣料２に簡単に装着することができ、作業性の良いものとなる。

【0023】

また、取付リング１０を取付フランジ９から係合解除する時には、前記取付フランジ９側の第１の係止部１１、取付リング１０の第１の係合部１３の係合部分を軸として、前記取付リング１０の第２の係合部１４を、取付フランジ９側の第２の係止部１２から引き外せば良い。
その後、取付リング１０を、筒状ファンケース６の空気吹出口５ｂ側へと摺動させ、筒状ファンケース６から取り外せば、空冷用送風機１を空冷用衣料２から簡単に取り外すことができ、作業性の良いものとなる。

【0024】

これに対して、取付フランジがファンケースに対して直交する方向に突出した従来例の場合は、取付フランジの第１、第２の係止部が、筒状ファンケースの長手方向において同一の位置に設けられた状態となっているので、これらの取付フランジへの取付リングの係合作業、あるいは係合解除作業は、第１の係止部と第１の係合部、第２の係止部と第２の係合部、それぞれの、係合、または解除を同時に行うことになることが多く、作業が煩雑となる。

【0025】

つまり、本実施形態では、取付フランジ９を傾斜させ、第１、第２の係止部１１、１２の、筒状ファンケース６の長手方向（軸方向）の位置に差を持たせたものであるので、取付フランジ９への取付リング１０の係合作業、および、その状態からの係合解除作業が簡単に行えるものとなり、その結果として、空冷用送風機１の空冷用衣料２への装着作業、および、取り外し作業が極めて行いやすいものとなり、使い勝手の良いものとなるのである。

【0026】

なお、本実施形態では、前記取付フランジ９の筒状ファンケース６の空気吹出口５ｂ側の傾斜部、またはその近傍に、第１の係止部１１を設けたので、取付リング１０の第２の係合部１４の係合ストロークを、空気吸入口５ａ側へと大きく取れるので、作業性の良いものとなる。
また、本実施形態では、前記取付フランジ９の第１の係止部１１と、前記取付リング１０の第１の係合部１３は、それぞれ複数個設けているので、第１の係止部１１および第１の係合部１３の係合部分を軸として、取付リング１０の第２の係合部１４側を、取付フランジ９側の第２の係止部１２へと回動動作させる、取付リング１０の着脱動作が安定するものとなる。

【0027】

さらに、本実施形態では、前記取付フランジ９、またはその近傍の筒状ファンケース６部分で、筒状ファンケース６の第一の係止部１１よりも空気吸込口５ａ側（空気吹出口５ｂよりも空気吸込口５ａ側）に、第２の係止部１２を設けたので、取付リング１０の第２の係合部１４の、前記第２の係止部１２への係合ストロークを大きく取ることができ、着脱の実感が体感でき、作業性の良いものとなる。

【0028】

また、本実施形態では、傾斜した取付フランジ９が、空気吸込口５ａに接近する側の、この取付フランジ９の筒状ファンケース６の空気吹出口５ｂ側（空気吸込口５ａよりも空気吹出口５ｂ側）に、図２２〜図２７のように、モータ８への通電部１６を設け、ここに、通電用のプラグ１７を着脱自在に挿入する構成としている。
つまり、この部分は、取付フランジ９から離れた部分となるので、通電部１６を設定しやすく、また、プラグ１７の着脱時に取付フランジ９が邪魔になることも少ない。

【0029】

さらに、本実施形態では、前記取付リング１０の第２の係合部１４は、図２１に示すように、断面視してＵ字状であり、この取付リング１０の、前記筒状ファンケース６の空気吸込口５ａ側（空気吹出口５ｂよりも空気吸込口５ａ側）部分において、同取付リング１０に一体化され、この一体化部分から、この取付リング１０よりも、前記筒状ファンケース６の空気吹出口５ｂ側へと延長形成されている。
つまり、このように第２の係合部１４を取付リング１０の、前記筒状ファンケース６の空気吸込口５ａ側から、前記筒状ファンケース６の空気吹出口５ｂ側へと、しかも、取付リング１０よりも空気吹出口５ｂ側にまで、延長形成することで、長いレバー状とすることができ、その結果、操作において先端側に外力が加えられる際、基側が支点となって撓みやすく、操作性の良いものとなる。

【0030】

また、本実施形態では、図１５、図１６に示すように、前記取付リング１０の第２の係合部１４近傍に、前記モータ８への通電部に接続するプラグ１７が貫通する貫通孔１８を設けている。このため、プラグ１７が通電部１６に装着された状態では、プラグ１７が取付リング１０の貫通孔１８を貫通した状態となり、その結果、取付リング１０の第２の係合部１４と上記筒状ファンケース６側の第２の係止部１２の係合が、不用意に解除されにくいものとなる。

【0031】

さらに、本実施形態では、前記取付フランジ９またはその近傍の筒状ファンケース６部分の第１の係止部１１と、第２の係止部１２間の部分には、図５、図１２、図１３、図２２などに示すように、前記筒状ファンケース６一端側の空気吸入口５ａ、他端側の空気吹出口５ｂ間において、外周方向に向けて交互に突出する第１の凹凸部１９を設けている。また、図１５〜図１８に示すように、取付リング１０の、前記第１の凹凸部１９に対応する部分には、内側に向けて交互に突出する第２の凹凸部２０を設けている。
このため、筒状ファンケース６の外周部分における、筒状ファンケース６、取付フランジ９側の第１の係止部１１、第２の係止部１２と、前記取付リング１０側の第１の係合部１３、第２の係合部１４との、係合間を、これらの第１、第２の凹凸部１９、２０で係合状態とすることができる。
また、第１、第２の凹凸部１９、２０は、それぞれ複数の凹凸により形成しているので、各凹凸を介することで摺動が小刻みとなり、取付フランジ９と取付リング１０とを、凹凸の数に応じた任意の間隔で係合することで空冷用衣料２の厚みの違いを吸収し、取り付けを安定させることにもなり、極めて有用なものとなる。

【0032】

また、以上のように着脱する取付リング１０は、筒状ファンケース６、または取付フランジ９よりも明色としている。
つまり、取付リング１０を、筒状ファンケース６、または取付フランジ９とは別の色とし、しかも明るい色にすることで、この取付リング１０が、筒状ファンケース６、または取付フランジ９とは別物と認識し、取付リング１０を、筒状ファンケース６に装着、またはその状態から取り外すことが容易に行えるものとなる。
さらに、前記取付リング１０は、蛍光色とすれば、暗所でも、その脱着作業が行いやすいものとなる。

【0033】

また、本実施形態では、図２２のように、前記筒状ファンケース６の空気吹出口５ｂ部分に、送風ガイド２１を設け、この送風ガイド２１の中心部には、図６に示すようにモータ８を取り付けるモータ取付部２２を設け、このモータ取付部２２の筒状ファンケース６外部分には、第１の取付基準マーク２３を設けている。また、フランジ９には、図９に示すように第２の取付基準マーク３５も設けている。
このため、第１の取付基準マーク２３または第２の取付基準マーク３５を利用して、図２〜図４の送風状態を形成することができる。

【0034】

たとえば、図２において第１の取付基準マーク２３を、空冷用衣料２の裏側において、目印となる枠状縫い目２４の二つのコーナ２５、２６、あるいはその中間（これらのコーナ２５、２６、あるいはその中間は、空冷用衣料２にとっての取り付け基準マークになる）に合わせれば、外気の吹き出し方向を調整することができるのである。
つまり、傾斜状態の取付フランジ９と、取付リング１０を用いて空冷用送風機１を、空冷用衣料２に取り付けているので、図２〜図４に示すように、角度を調整することで、襟元３と、袖口４からの外気流出量を調整し、個人の冷却に対する好みに応えて調整することができるのである。このことは、空冷用衣料２の生地上において、第２の取付基準マーク３５が互いに離れる方向に、または、互いに向き合う方向に、空冷用送風機１を回転させても同様である。

【0035】

また、本実施形態では、図６、図２２のように、前記モータ取付部２２の筒状ファンケース６内部分には、モータ８の駆動回路２７を設けたので、この点からも空冷用送風機１の小型化を図りやすいものとなる。
つまり、この部分は、モータ８が存在する部分で、もともと外気の流れの少ない部分であるので、この空間を利用し、駆動回路２７を設け、小型化を図ったものである。

【0036】

なお、駆動回路２７は図２４に示すように、バッテリー２８から制御回路２９を介して供給された電圧を、入力電圧検出回路３０、昇圧回路３１、出力電圧検出回路３２を介してモータ８に供給する回路であり、入力電圧検出回路３０と出力電圧検出回路３２の電圧は比較増幅回路３３を介してフィードバック制御されるようになっている。
また、バッテリー２８、制御回路２９は図２３に示す外部ケース３４内に収納され、身体の例えば、腰部分に保持される。
なお、前記モータの駆動回路２７は、入力電圧に比例したモータ駆動電圧を、モータ８に出力する構成としている。

【0037】

（実施の形態２）
図２５、図２６は、本発明の一実施形態にかかる空冷用送風機１を、他の空冷用衣料２に装着した状態を示すものである。
この実施形態２で用いる空冷用送風機１は、上記実施の形態１と全く同じ構成のものであるので、説明の煩雑化を避けるために説明は簡略化する。

【0038】

すなわち、この実施形態で用いる空冷用送風機１の構成は、図５〜図２４の構成となっている。
この実施形態で特徴的なのは、空冷用衣料２の襟元３や、袖口４部分に、害虫（たとえば蚊）の駆除や、害虫への忌避を目的とする薬剤保持部３６を設けたことである。
具体的は、薬剤保持部３６は、たとえば液体の薬剤（ピレスロイド系薬剤）を塗布、噴霧すれば、適当量を含浸し、保持できるように非撥水状態で、多孔状態となっているので、ここに液体の薬剤（ピレスロイド系薬剤）を塗布、噴霧すれば、適当時間、その薬剤を保持できる構成となっている。
また、この薬剤保持部３６は、空冷用衣料２の外面に設けられ、人体に接することが少ない状態となるようにしている。
つまり、薬剤保持部３６は、空冷用衣料２の外面に別個に設けられたものであり、上記空冷用送風機１による外気は、空冷用衣料２内を通過し、空冷用衣料２の襟元３や、袖口４部分から外に吹き出される。

【0039】

しかし、この薬剤保持部３６は、空冷用衣料２の襟元３や、袖口４部分の開口部近傍に設けられたものであるので、襟元３や、袖口４部分から空冷用送風機１による外気が勢いよく空冷用衣料２外に吹き出されるときには、その空気流に誘引される風が、薬剤保持部３６表面を流れ、次に、上記空冷用送風機１による直接風に合流し、襟元３部分では顔や首筋後方を上方に流れ、また、袖口４部分では手の周りを前方へと流れることになる。
つまり、薬剤保持部３６に含浸された薬剤が顔の周りや手の周りに吹き出されることになるので、害虫に対する駆除、害虫に対する忌避効果を発揮することになるのである。

【0040】

なお、薬剤保持部３６を設けた空冷用衣料２部分に、貫通孔３７を設けることで、空冷用衣料２内を流れる空冷用送風機１による風の一部を貫通孔３７から噴出させ、薬剤保持部３６からの薬剤搬出効果を高めるようにしてもよい。
また、害虫に対する駆除、害虫に対する忌避効果という点では、空冷用送風機１は空冷用衣料２に図６のように傾斜状態で取り付ける必要はなく、具体的には、空冷用送風機１を空冷用衣料２に水平状態で取り付けてもよい。

【0041】

（実施の形態３）
図２７〜図２８は、本発明の一実施形態にかかる空冷用送風機１を、さらに、他の空冷用衣料２に装着した状態を示すものである。

【0042】

この実施形態３で用いる空冷用送風機１は、上記実施の形態１と全く同じ構成のものであるので、説明の煩雑化を避けるために説明は簡略化する。
すなわち、この実施形態で用いる空冷用送風機１の構成は、図５〜図２４の構成となっている。
この実施形態で特徴的なのは、空冷用衣料２の襟元３近傍や、袖口４近傍部分に、害虫（たとえば蚊）の駆除や、害虫への忌避を目的とする薬剤保持部３８を設けたことである。

【0043】

具体的は、薬剤保持部３８は、たとえば、ボタン３９を外して開口部を形成し、この開口部から、たとえば固形の薬剤４０（ピレスロイド系薬剤）を保持できるように通気性のある袋状となっている。
また、この薬剤保持部３８は、空冷用衣料２の外面に設けられ、人体に接することが少ない状態となるようにしている。
つまり、薬剤保持部３８は、空冷用衣料２の外面に別個に設けられたものであり、上記空冷用送風機１による外気は、空冷用衣料２内を通過し、空冷用衣料２の襟元３や、袖口４部分から外に吹き出される。

【0044】

また、薬剤保持部３８を設けた空冷用衣料２部分に、貫通孔４１を設けることで、空冷用衣料２内を流れる空冷用送風機１による風の一部を貫通孔４１から噴出させ、ネット状の薬剤保持部３８内に保持された薬剤４０の表面に流し、次に、薬剤保持部３８外へと薬剤成分を搬出させるのである。
つまり、薬剤保持部３８に含浸された薬剤が顔の周りや手の周りに吹き出されることになるので、害虫に対する駆除、害虫に対する忌避効果を発揮することになるのである。

【0045】

また、害虫に対する駆除、害虫に対する忌避効果という点では、空冷用送風機１は空冷用衣料２に図６のように傾斜状態で取り付ける必要はなく、具体的には、空冷用送風機１を空冷用衣料２に水平状態で取り付けてもよい。
（実施の形態４）
図３０は本発明の他の実施形態を示す。
つまり、図１〜図２４の実施形態では、前記取付フランジ９を、筒状ファンケース６の空気吸入口５ａ、空気吹出口５ｂ間の外周壁部分において、前記筒状ファンケース６の中心軸Ｘに対して傾斜した状態で、筒状ファンケース６の外周壁部分から、外周方向に一体形成した。
これに対して、この図３０に示すものは、取付フランジ９を、筒状ファンケース６の外周壁部分における空気吸入口５ａ側に、この外周壁部分から、外周方向に一体形成した。
すなわち、本実施形態では、取付フランジ９は水平状態となっている。
しかし、このように取付フランジ９を水平状態にしたものにおいても、前記第１、第２の係止部１１、１２は、筒状ファンケース６の長手方向の位置に差を持たせた状態で配置した。
つまり、前記第１の係止部１１、前記第２の係止部１２よりも、空気吸入口５ａ側に配置されている。
本実施形態では、上述した取付フランジ９の一部、またはその近傍の筒状ファンケース６に、爪状の第１の係止部１１、この第１の係止部１１に対して、前記筒状ファンケース６の中心軸Ｘを介して対向する側の取付フランジ９の一部、またはその近傍の筒状ファンケース６に、貫通状の第２の係止部１２を設けている、
また、前記取付リング１０の、前記第１の係止部１１に対応する部分に、切欠き状の第１の係合部１３、前記第２の係止部１２に対応する部分に、第２の係合部１４を設けた。
以上説明したように、前記第１、第２の係止部１１、１２は、筒状ファンケース６の長手方向の位置に差を持たせた状態で配置している（第１の係止部１１、前記第２の係止部１２よりも、空気吸入口５ａ側に配置されている）。
このため、この実施形態でも、空冷用衣料２に空冷用送風機１を装着するときには、まず、空冷用衣料２の貫通孔１５に、この空冷用衣料２の表側から、空冷用送風機１の空気吹出口５ｂを挿入し、その取付フランジ９の空気吹出口５ｂ側の面を空冷用衣料２の貫通孔１５の開口縁に当接させる。
次に、取付リング１０を、空冷用衣料２の裏側から筒状ファンケース６の外周壁部分に嵌め込み、取付フランジ９側に摺動移動させ、その後、前記取付フランジ９側の第１の係止部１１と、取付リング１０の第１の係合部１３を当接させ、ここで、前記取付フランジ９側の第１の係止部１１と、取付リング１０の第１の係合部１３を係合させ、次に、この部分を軸として、前記取付リング１０の第２の係合部１４を取付フランジ９側の第２の係止部１２方向に摺動移動させながら係合させれば、空冷用送風機１を空冷用衣料２に簡単に装着することができ、作業性の良いものとなる。
また、取付リング１０を取付フランジ９から係合解除する時には、前記取付フランジ９側の第１の係止部１１、取付リング１０の第１の係合部１３の係合部分を軸として、前記取付リング１０の第２の係合部１４を、取付フランジ９側の第２の係止部１２から引き外せば良い。
その後、取付リング１０を、筒状ファンケース６の空気吹出口５ｂ側へと摺動させ、筒状ファンケース６から取り外せば、空冷用送風機１を空冷用衣料２から簡単に取り外すことができ、作業性の良いものとなる。

【産業上の利用分野】

【0046】

以上のように本発明は、空冷用衣料への装着、脱着が行いやすく、極めて利便性の高いものとなる。

【符号の説明】

【0047】

１ 空冷用送風機
２ 空冷用衣料
２ａ 絞り部分
３ 襟元
４ 袖口
５ａ 空気吸入口
５ｂ 空気吹出口
６ 筒状ファンケース
７ ファン
８ モータ
９ 取付フランジ
１０ 取付リング
１１ 第１の係止部
１２ 第２の係止部
１３ 第１の係合部
１４ 第２の係合部
１５ 貫通孔
１６ 通電部
１７ プラグ
１８ 貫通孔
１９ 第１の凹凸部
２０ 第２の凹凸部
２１ 送風ガイド
２２ モータ取付部
２３ 第１の取付基準マーク
２４ 枠状縫い目
２５ コーナ
２６ コーナ
２７ 駆動回路
２８ バッテリー
２９ 制御回路
３０ 入力電圧検出回路
３１ 昇圧回路
３２ 出力電圧検出回路
３３ 比較増幅回路
３４ 外部ケース
３５ 第２の取付基準マーク
３６ 薬剤保持部
３７ 貫通孔
３８ 薬剤保持部
３９ ボタン
４０ 薬剤
４１ 貫通孔
Ｘ 中心軸

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】