(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図40(b)及び
図40(c)から理解されるように、操作部材916が第1状態にあるか第2状態にあるかは見分け難い。このため、操作部材916を回転させた段階で操作を一時的に中断したような場合、レバー916がスライド済みであり操作が完了していると勘違いされる可能性がある。この場合、いつまでたっても通電が開始されない。
【0007】
そこで、本発明は、操作部材を2回以上操作することで互いに接続されるコネクタと相手側コネクタとを備えたコネクタ装置であって、操作部材の操作が完了しているか否かを視認し易いコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1のコネクタ装置として、
嵌合方向に沿って互いに嵌合可能なコネクタと相手側コネクタとを備えたコネクタ装置であって、
前記相手側コネクタは、相手側ハウジングと、相手側主端子と、相手側副端子とを備えており、
前記相手側主端子及び前記相手側副端子は、前記相手側ハウジングに保持されており、
前記コネクタは、ハウジングと、主端子と、サブコネクタと、第1操作部材と、第2操作部材とを備えており、
前記主端子は、前記ハウジングに保持されており、
前記サブコネクタは、移動可能に前記ハウジングに支持されており、かつ副端子を有しており、
前記第1操作部材は、前記ハウジングに取り付けられており、
前記第1操作部材は、前記ハウジングに対し、立てた位置と倒された位置との間で相対的に移動可能であり、
前記第2操作部材は、前記第1操作部材に取り付けられており、
前記第2操作部材は、前記第1操作部材に対し、第1位置と第2位置との間で相対的に移動可能であり、
前記第2操作部材は、前記第1位置に位置するとき、前記第1操作部材の外部へ第1突出量で部分的に突出しており、
前記第2操作部材は、前記第2位置に位置するとき、前記第1操作部材の外部へ第1突出量よりも小さい第2突出量で部分的に突出するかまたは前記第1操作部材の内部に収容されており、
前記第1操作部材を第1操作方向へ操作して前記立てた位置から前記倒された位置へ移動させる第1嵌合操作が行われたとき、前記ハウジングは嵌合位置に移動しており、前記主端子は前記相手側主端子に接続されており、かつ前記第2操作部材は前記第1位置を取っており、
前記第1嵌合操作後、前記第2操作部材を前記第1操作方向とは異なる第2操作方向へ操作して前記第1位置から前記第2位置へ移動させる第2嵌合操作が行われたとき、前記サブコネクタは移動しており、前記副端子は前記相手側副端子に接続されている
コネクタ装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、第2のコネクタ装置として、第1のコネクタ装置であって、
前記第1操作部材は、長手方向に長い形状を有しており、
前記第1位置と前記第2位置とは、前記長手方向において互いに異なっている
コネクタ装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、第3のコネクタ装置として、第2のコネクタ装置であって、
前記第2操作方向は、少なくとも前記長手方向の成分を含む
コネクタ装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、第4のコネクタ装置として、第1乃至第3のいずれかのコネクタ装置であって、
前記ハウジングは、前記第2操作部材と突き当たる突当部を有しており、
前記突当部は、前記第1嵌合操作の間に、前記第2操作部材と突き当たり、前記第2操作部材を初期位置から前記第1位置へ移動させる
コネクタ装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、第5のコネクタ装置として、第4のいずれかのコネクタ装置であって、
前記突当部は、前記第2嵌合操作を許容する位置であって、前記第2嵌合操作によって前記第2操作部材を前記第2操作方向へ所定距離移動させたとき、第2操作部材から離れる位置に設けられている
コネクタ装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、第6のコネクタ装置として、第1乃至第5のいずれかのコネクタ装置であって、
前記ハウジングは、第1維持部を有しており、
前記第2操作部材は、第2維持部を有しており、
前記第2嵌合操作の後、前記第2操作部材をさらに前記第2操作方向へ移動させたとき、前記第2維持部は、前記嵌合方向において前記第1維持部に隣接する位置を取り、前記第1操作部材が前記倒された位置から前記立てた位置へ移動することを阻止する
コネクタ装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、第7のコネクタ装置として、第4のいずれかのコネクタ装置であって、
前記第1操作部材は、板状の張出部を有しており、
前記張出部には、凹部が形成されており、
前記第2操作部材は、バネと、前記バネに支持された先端部とを有しており、
前記初期位置において前記先端部は前記凹部に収容されて前記第2操作部材の前記第2操作方向への移動を阻止し、
前記第1嵌合操作により前記第2操作部材が前記第1位置へ移動したとき、前記先端部は前記凹部の外へ出て前記第2操作部材の前記第2操作方向への移動を許容する
コネクタ装置を提供する。
【0015】
また、本発明は、第8のコネクタ装置として、第1乃至第6のいずれかのコネクタ装置であって、
前記第1操作部材は、規制部を有しており、
前記第2操作部材は、前記規制部に規制される被規制部を有しており、
前記規制部は、前記第1操作部材が前記倒された位置に移動するまで前記被規制部を規制して、前記第2操作部材が前記第2操作方向へ移動することを阻止し、
前記被規制部は、前記第1操作部材が前記倒された位置に移動したとき、前記規制部から解放され、前記第2操作部材が前記第2操作方向へ移動することが許容される
コネクタ装置を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、第9のコネクタ装置として、第1乃至第8のいずれかのコネクタ装置であって、
前記サブコネクタは、カム突起を有しており、
前記第2操作部材は、前記カム突起を受けるカム溝を有しており、
前記カム溝は、前記第2操作方向と交差する方向に延びており、
前記第2操作部材を前記第2操作方向へ操作すると、前記カム突起は前記カム溝に沿って移動し、それによって、前記嵌合方向において前記カム突起の位置が変化する
コネクタ装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1嵌合操作が行われると、第1操作部材は倒された位置に移動し、第2操作部材は第1位置を取る。また、第2嵌合操作が行われると、第2操作部材は第1位置から第2位置へ移動する。ここで、第1位置を取る第2操作部材の第1操作部材からの第1突出量は、第2位置を取る第2操作部材の第1操作部材からの第2突出量と異なる。したがって、第2操作部材の操作が完了しているか否かを容易に視認できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1から理解されるように、本発明の実施の形態によるコネクタ装置10は、電気自動車等の対象物(図示せず)に取り付けられ、電源システム(図示せず)から供給された電力を、例えばモーター(図示せず)に中継するように構成されている。但し、本発明は、電源の中継を行うコネクタ装置10以外のコネクタ装置に適用することも可能である。
【0020】
図1及び
図8に示されるように、本実施の形態によるコネクタ装置10は、コネクタ20と、相手側コネクタ60とを備えている。コネクタ20は、相手側コネクタ60と嵌合方向(−Z方向)に沿って嵌合可能であり且つ相手側コネクタ60から抜去方向(+Z方向)に沿って抜去可能である。
【0021】
図2に示されるように、本実施の形態による相手側コネクタ60は、絶縁性材料からなる相手側ハウジング600と、導電性材料からなる4つの相手側主端子680と、相手側サブコネクタ700と、金属製の4つのナット800と、金属製の2つのハトメ810とを有している。4つの相手側主端子680は、2つの対を構成する。
【0022】
図2に示されるように、本実施の形態による相手側ハウジング600は、プレート610と、本体上部620と、本体下部670とを有している。プレート610は、XY平面と平行な平板形状を有している。プレート610には、孔部612が形成されている。孔部612には、補強のため、ハトメ810が取り付けられている。孔部612は、相手側ハウジング600を対象物(図示せず)に取り付ける際に使用される。本体上部620は、プレート610から上下方向(Z方向)において上方(+Z方向)に突出しており、本体下部670は、プレート610から下方(−Z方向)に突出している。相手側ハウジング600が対象物に取り付けられると、本体下部670は、対象物の内部に挿入される。
【0023】
本体上部620は、前後方向(Y方向)に長く幅方向(X方向)に短い形状であって、概略2つの四角筒を連結したような形状を有している。換言すると、本体上部620は、幅方向に比較的短い前部622と、幅方向に比較的長い後部624とを有している。詳しくは、本体上部620は、前壁部626と、後壁部628と、2つの側壁部630と、収容部(収容空間)632とを有している。前壁部626は、本体上部620のY方向における前端部(+Y側の端部)に位置しており、後壁部628は、本体上部620のY方向における後端部(−Y側の端部)に位置している。側壁部630は、本体上部620のX方向における両側部に夫々位置している。収容部632は、XY平面において、前壁部626、後壁部628及び側壁部630に囲まれた空間である。
【0024】
図2に示されるように、側壁部630の夫々は、収容部632に面した内面634を有している。内面634は、前部内面636と後部内面638とそれらを繋ぐ中間部内面640を含む。前部内面636と後部内面638は、それぞれYZ平面と平行に延びている。前部内面636と後部内面638は、X方向においてずれている。中間部内面640は、前部内面636と後部内面638とを繋ぐように湾曲している。前部内面636には、維持部(第1維持部)662と、突出部664とが設けられている。また、後部内面638には、相手側被作用部(第1カム突起)666が設けられている。維持部662及び突出部664は、前部内面636から収容部632内に突出し、相手側被作用部666は、後部内面638から収容部632内に突出している。
【0025】
維持部662は、側壁部630の前端(+Y側の端)近傍に設けられている。維持部662は、側壁部630の上端(+Z側の端)に沿ってY方向に長く延びている。突出部664には、押し戻し部668が設けられている。詳しくは、突出部664は、XY平面と平行な上面を有している。本実施の形態による押し戻し部668は、突出部664の上面である。相手側被作用部666は、X方向に延びる円柱形状を有している。
【0026】
収容部632は、上方に開口している。収容部632内には、4つの主保持部650と1つの副保持部654が設けられている。後述するように、主保持部650は、相手側主端子680を夫々保持しており、副保持部654は相手側サブコネクタ700を保持している。4つの主保持部650は、X方向及びY方向に配列されている。主保持部650の夫々には、保持孔652が形成されている。同様に、副保持部654にも保持孔656が形成されている。保持孔652及び保持孔656は、相手側ハウジング600をZ方向に貫通している。
【0027】
主保持部650の夫々は、2つの側壁を有している。主保持部650の側壁は、主保持部650のX方向における両側部に夫々位置している。4つの主保持部650のうち後側(−Y側)に位置する2つの主保持部650は、それぞれキー部658を有している。キー部658は、主保持部650の2つの側壁の一方に設けられている。キー部658は、主保持部650の側壁に形成された凹みである。キー部658は、X方向内側に凹んでおり、Z方向に延びている。
【0028】
図2に示されるように、本実施の形態による相手側サブコネクタ700は、主として絶縁性材料からなる本体部710を有している。本体部710には、上方に開口した2つの受容部712が設けられている。受容部712は、X方向に並んでいる。即ち、受容部712の一方は、本体部710の+X側に位置しており、受容部712の他方は、本体部710の−X側に位置している。
【0029】
図2及び
図25から理解されるように、本体部710の受容部712には、導電性材料からなる2つの相手側副端子780が、互いに接触しないようにして保持されている。このため、2つの相手側副端子780は、互いに電気的に接続されていない。相手側副端子780の夫々は、接触部782と端子部784とを有している。端子部784には、圧着や半田付け等により電線786が接続されている。
【0030】
図25に示されるように、相手側副端子780を保持した相手側サブコネクタ700は、相手側ハウジング600の副保持部654に保持される。相手側副端子780の端子部784に接続された電線786は、相手側ハウジング600のプレート610の下方においてY方向に延びている。相手側ハウジング600が対象物(図示せず)に取り付けられたとき、電線786は、検知回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0031】
図2に示されるように、本実施の形態による相手側主端子680の夫々は、本体部682と、受容部684と、接触片686と、端子部688とを有している。本体部682は、Z方向に延びる四角筒形状を有している。受容部684は、本体部682に囲まれた空間である。接触片686は、受容部684内に保持されている。端子部688は、本体部682の下端部(−Z側の端部)からX方向外側に延びている。
【0032】
図10に示されるように、相手側主端子680は、相手側ハウジング600の主保持部650の保持孔652(
図2参照)に下方から夫々挿入されて保持されている。端子部688の上には、ナット800が配置されている。本体部682は、接触部683を有している。接触部683は、受容部684内に突出している。接触片686は、接触部683と対向するように設けられている。接触片686の一部は、接触部683に向かって、受容部684に突出している。相手側ハウジング600が対象物(図示せず)に取り付けられたとき、端子部688は、電源回路(図示せず)に電気的に接続される。但し、各対を構成する2つの相手側主端子680の端子部688は、互いに電気的に接続されていない。このため、電源回路は遮断されている。
【0033】
図3に示されるように、本実施の形態によるコネクタ20は、絶縁性材料からなるハウジング200と、導電性材料からなる2つの主端子(電源端子)280と、絶縁性材料からなる第1操作部材(レバー)300と、絶縁性材料からなる第2操作部材(スライダ)400と、サブコネクタ500とを有している。
【0034】
図3に示されるように、本実施の形態によるハウジング200は、斜め上方から見たとき、Y方向に長くX方向に短い形状であって、2つの直方体を連結したような形状を有している。換言すると、ハウジング200は、幅方向(X方向)に比較的短い前部202と、幅方向に比較的長い後部204とを有している。詳しくは、ハウジング200は、前壁部206と、後壁部208と、2つの側壁部210と、カバー部212とを有している。前壁部206は、ハウジング200のY方向における前端部に位置しており、後壁部208は、ハウジング200のY方向における後端部に位置している。側壁部210は、ハウジング200のX方向における両側部に夫々位置している。また、側壁部210は、前部側面214、後部前面216及び後部側面218を有している。カバー部212は、ハウジング200のZ方向における上端部(+Z側の端部)に位置している。
【0035】
図25に示されるように、ハウジング200の内部には、隔壁部220と、前収容部(前収容空間)222と、後収容部(後収容空間)224とが形成されている。前収容部222は、前壁部206、側壁部210、隔壁部220及びカバー部212によって囲まれた空間である(
図3参照)。また、後収容部224は、隔壁部220、後壁部208、側壁部210及びカバー部212によって囲まれた空間である(
図3参照)。前収容部222はハウジング200の前側(+Y側)に位置しており、後収容部224はハウジング200の後側に位置している。隔壁部220は、XZ平面と平行に延びている。前収容部222と後収容部224とは、隔壁部220によって互いから隔てられている。
【0036】
図25に示されるように、前収容部222内には、突出部226と突出部228とが設けられている。突出部226は、前壁部206の内面に設けられており、前収容部222内において後方(−Y方向)に突出している。詳しくは、突出部226は、前壁部206の内面から後方に延びるXY平面と平行な上面と、上面から下方に傾斜しつつ前壁部206の内面まで延びる下面(−Z側の面)とを有している。突出部228は、隔壁部220の前面(+Y側の面)に設けられており、前収容部222内において前方(+Y方向)に突出している。詳しくは、突出部228は、隔壁部220の前面から下方に傾斜しつつ前方に延びる上面と、隔壁部220の前面から上方に傾斜しつつ前方に延びる下面とを有している。
【0037】
図3に示されるように、ハウジング200は、ロック部262を有している。詳しくは、前壁部206には、突出部260が設けられている。突出部260は、前壁部206の上部(+Z側の部位)から前方に突出している。突出部260は、前壁部206から下方に傾斜しつつ前方に延びる上面と、前壁部206から上方に傾斜しつつ前方に延びる下面とを有している。本実施の形態によるロック部262は、突出部260の下面である。
【0038】
図3に示されるように、側壁部210の夫々には、突当部240と、受容部242と、支持軸254と、ガイド溝256とが設けられている。突当部240は、ハウジング200の前部202と後部204との境界付近で、側壁部210の後部前面216に前方(+X方向)へ突き出すように設けられている。受容部242は、ハウジング200の前部202と後部204との境界部分において、ハウジング200のZ方向における上端部から突当部240の周囲まで下方(−Z方向)へ延びている。支持軸254は、側壁部210の上端部の近傍に形成されている。支持軸254は、側壁部210からX方向外側に突出した円柱形状の部位(円柱部)と、円柱部の端部に鍔状に設けられた長円形状の部位(長円部)とを有している。長円部は、Z方向において短くY方向において長い。ガイド溝256は、側壁部210をX方向に貫通しつつZ方向に延びる溝である。ガイド溝256は、側壁部210の下方に開口している。
【0039】
図3に示されるように、本実施の形態による主端子280は、YZ平面と平行な平板形状を有している。詳しくは、主端子280は、それぞれ、2つの接触部282と、連結部284とを有している。接触部282の夫々は、連結部284から−Z方向に延びており、連結部284は接触部282をY方向に連結している。連結部284には、2つの被支持部286が設けられている。被支持部286の夫々は、連結部284からY方向外側に突出している。主端子280は、ハウジング200の下方から後収容部224に挿入されてハウジング200に保持されている(
図17参照)。詳しくは、後収容部224に挿入された主端子280の被支持部286は、後収容部224の所定位置に支持されており、これにより主端子280は、ハウジング200内に保持されている。
【0040】
図3、
図4及び
図5に示されるように、本実施の形態による第1操作部材300は、2つの側壁部302と、連結部304と、第1梁部306と、第2梁部308とを有している。側壁部302は、第1操作部材300のX方向における両側部に夫々位置している。
図4及び
図5に示されるように、側壁部302は、長手方向D
Lに長く延びている。側壁部302は、第1部310と第2部312及びそれらを繋ぐ中間部314を有している。
図3乃至
図5から理解されるように、第1操作部材300の長手方向D
Lは、X方向と直交している。第1部310及び第2部312は、それぞれ、X方向と直交する平面(YZ平面)と平行に延びている。側壁部302の夫々は、外面316を有している。外面316は、側壁部302のX方向外側の面である。連結部304は、側壁部302の長手方向における一方の端部をX方向に連結している。第1梁部306は、側壁部302の長手方向D
Lの一方の端部近傍をX方向に連結している。第1梁部306と連結部304とは連続している。第1梁部306と連結部304は、第1操作部として機能する。第2梁部308は、第1操作部材300の長手方向D
Lの中央付近において、側壁部302をX方向に連結している。
【0041】
図3、
図4及び
図5に示されるように、側壁部302の夫々には、その一部が支点部として作用する軸溝330と、軸溝330を部分的に覆う溝カバー332と、第1作用部(第1カム溝)340と、スライド溝360とが設けられている。また、第1梁部306には、バネ部350が設けられている。バネ部350は、第1梁部306から長手方向D
L及び幅方向の双方と直交する方向(直交方向D
P)へ向かって、第1操作部材300内に突き出している。バネ部350のX方向における中央部には、バネ部350をZ方向に貫通する溝が形成されている。溝は、直交方向D
Pにおいてバネ部350の先端近傍まで延びている。溝の先端には、被ロック部352が形成されている。即ち、本実施の形態による被ロック部352は、上述した溝の縁である。被ロック部352は、X方向に沿って延びている。第2梁部308には、一対の張出部354が設けられている。張出部354は、側壁部302のX方向内側に位置し、側壁部302から離れている。張出部354は、板状の形状を有し、直交方向D
Pに延びている。張出部354には凹部356が形成されている。凹部356の縁部は、規制部として機能する。本実施の形態では、凹部356は、板状の張出部354の一部を切欠いた形状であるが、窪みや孔であってもよい。
【0042】
図3、
図4及び
図5に示されるように、本実施の形態による軸溝330は、側壁部302をX方向に貫通し直交方向D
Pに延びる溝である。軸溝330は、−D
P又は直交方向の一端において開口している。軸溝330には、X方向外側に突き出す溝カバー332が形成されている。また、側壁部302の外面316には、軸溝330の+Y方向の端部周辺に窪み334が形成されている。窪み334は、YZ平面において、扇形をしている。
【0043】
図1及び
図8に示されるように、第1操作部材300は、2つの側壁部302がハウジング200をX方向に挟むようにしてハウジング200に取り付けられている。詳しくは、ハウジング200の支持軸254が第1操作部材300の支点部(軸溝330)に夫々挿入されている。
図1及び
図8乃至
図10から理解されるように、第1操作部材300は、第1操作部材300の長手方向D
LがZ方向に延びるようにしてハウジング200に取り付けられている。このときの第1操作部材300の位置を「立てた位置」という。即ち、立てた位置にある第1操作部材300は、垂直に(Z方向に)延びている。一方、
図20に示されるように、長手方向D
LがY方向に一致するときの第1操作部材300の位置を「倒された位置」という。
【0044】
図11に示されるように、第1操作部材300が立てた位置にあるとき、支持軸254の長円部は、Y方向において軸溝330の縁から僅かに離れている。この支持軸254と軸溝330の配置から理解されるように、第1操作部材300は、回転方向D
Rに沿った回転(
図8において時計回りの回転)のみが基本的に許容されている。
【0045】
図11乃至
図21から理解されるように、本実施の形態の第1操作部材300は、立てた位置及び倒された位置の間で相対的に移動できるようにハウジング200に取り付けられている。換言すると、第1操作部材300は、支点部(軸溝330)を中心として回転することで立てた位置と倒された位置との間を移動するように構成されている。
【0046】
図3に示されるように、本実施の形態による第1操作部材300の第1作用部340は、側壁部302の外面316に形成された凹みである。第1作用部340は、側壁部302の長手方向D
Lにおける一端(
図3において−Z側の端)に開口している。即ち、第1操作部材300が立てた位置にあるとき、第1作用部340は、下方に開口している(
図11参照)。第1操作部材300が立てた位置にあるとき、第1作用部340は、上述の開口から上方(+Z方向)へ延びた後、緩やかに湾曲しつつ前方(+Y方向)かつ上方へ向かい、支点部330の近傍まで延びている。
【0047】
図3及び
図11に示されるように、本実施の形態によるスライド溝360は、側壁部302をX方向に貫通する溝である。スライド溝360は、その一端からわずかに下方(−Z方向)へ湾曲しながら後方(−Y方向)へ延びた後、斜め上前方(+Y方向かつ+Z方向)へと延び、さらに上方(+Z方向)へ延びている。
【0048】
図6及び
図7に示されるように、本実施の形態による第2操作部材400は、2つの側壁部402と、2つの連結部408,410と、第2操作部420とを有している。側壁部402は、第2操作部材400のX方向における両側部に夫々位置している。側壁部402は、X方向に直交する平面と平行に延びている。側壁部402の夫々は、外面404と内面406を有している。外面404は、側壁部402のX方向外側の面である。内面406は、側壁部402のX方向内側の面である。連結部408,410は、ともに側壁部402をX方向に連結している。第2操作部420は、連結部408のX方向中央部において第1操作部材300の長手方向D
Lに沿って突き出た後、さらに直交方向D
Pに沿って突き出している。
【0049】
図6及び
図7に示されるように、側壁部402の夫々には、スライド突起440が設けられている。スライド突起440は、YZ平面において長円形状を有している。スライド突起440は、長円形状が第1操作部材300の長手方向と交差(ほぼ直交)するように第1操作部材300のスライド溝360に夫々挿入されている(
図11参照)。
【0050】
図11に示されるように、第1操作部材300が立てた位置にあるとき、スライド突起440のZ方向における長さは、スライド溝360のどの部分のZ方向における長さよりも小さい。また、スライド突起440のY方向における長さは、スライド溝360のどの部分のY方向における長さよりも小さい。このため、スライド突起440は、スライド溝360に沿って一端から他端まで移動可能である。換言すると、第2操作部材400は、スライド突起440がスライド溝360に沿って移動可能に、第1操作部材300に支持されている。更に、第2操作部材400は、スライド突起440がスライド溝360の一方の端部(
図11において−Y側かつ−Z側の端部)に位置するように第1操作部材300に取り付けられている。このときの第2操作部材400の位置(
図11における位置)を「初期位置」という。
【0051】
図11、
図23、
図31及び
図36から理解されるように、スライド突起440は、スライド溝360の一方の端部と他方の端部との間を移動することができる。即ち、第2操作部材400は、初期位置、第1位置(
図23における位置)、第2位置(
図31における位置と
図36における位置との間の位置)及びロック位置(
図36における位置)の夫々に位置できるようにして第1操作部材300に支持されている。第1位置、第2位置及びロック位置については後述する。本実施の形態による第2操作部材400は、第1操作部材300に対して相対的に移動することで初期位置から第1位置及び第2位置を経てロック位置まで移動するように構成されている。本実施の形態において、第1位置と第2位置は、第1操作部材300の長手方向において異なっている。また、第1位置と第2位置は、第1操作部材300が倒された状態において、上下方向(Z方向)に異なっている。
【0052】
図6及び
図7に示すように、第2操作部材400は、さらに2つの被規制部421を有している。本実施の形態による被規制部421は、バネ部422と、バネ部422に支持される先端部424とを有している。詳しくは、バネ部422は、側壁部402の−Z側の端部に設けられている。バネ部422は、側壁部402の−Z側の端部の中央部から+Y方向へ延びた後、−Y方向へ延びるU字型の形状を有している。先端部424は、バネ部422の先端に設けられ、X方向内側に突出している。先端部424は、バネ部422の弾性変形によりX方向に移動可能である。
【0053】
図1及び
図6を参照すると、第2操作部材400が初期位置に位置するとき、第2操作部材400の先端部424(被規制部421)は、第1操作部材300の凹部356内において、凹部356の+Z方向の縁(規制部)に突き当たり、+Z方向への移動が規制される。また、
図19に示されるように、先端部424は、テーパー形状を有しており、バネ部422が弾性変形することにより、凹部356の−Z方向の縁に乗り上げて+Z方向への移動することができる。こうして、初期位置に位置する第2操作部材400は、第1位置へ向かう方向にのみ移動可能である。
【0054】
図6及び
図7に示されるように、側壁部402の夫々には、第2作用部(第2カム溝)450と、溝部452と、維持溝460と、支持突起470とが更に設けられている。
【0055】
図3、
図6及び
図7に示されるように、本実施の形態による第2作用部450は、側壁部402をX方向に貫通する溝である。
図1に示されるように、第2作用部450は、第2操作部材400が立てた位置にある第1操作部材300に支持された状態において、Y方向と交差するようにZ方向に延びている。
図6及び
図7に示されるように、溝部452は、側壁部402の内面406に形成された凹部である。溝部452は、+Y方向に開口するとともに、第2作用部450に繋がっている。
【0056】
図6及び
図7に示されるように、維持溝460は、側壁部402の直交方向D
Pにおける端部付近に設けられている。維持溝460は、側壁部402の外面404に形成された凹部である。維持溝460は、第1操作部材300の長手方向D
Lに長く延びた溝である。維持溝460は、長手方向D
Lに開口している。第2操作部材400は、さらに被維持部(第2維持部)462を有している。本実施の形態による被維持部462は、維持溝460の直交方向D
Pの内面である。
【0057】
図6及び
図7に示されるように、支持突起470は、側壁部402の外面404からX方向外側に突き出している。支持突起470は、概ね直交方向D
Pに長く、第1操作部材300の長手方向D
Lに短い直方体形状を有している。
【0058】
側壁部402は、さらに被突当部480を有している。被突当部480は、側壁部402の直交方向D
Pのおける端面である。
【0059】
図3に示されるように、本実施の形態によるサブコネクタ500は、絶縁性材料からなるサブハウジング501と、導電性材料からなる副端子580とを有している。副端子580は、サブハウジング501に保持されている。サブハウジング501は、2つの側壁部502と、連結部508とを有している。側壁部502は、サブコネクタ500のX方向における両側部に夫々位置している。側壁部502は、YZ平面と平行に延びている。側壁部502の夫々は、外面506を有している。外面506は、側壁部502のX方向外側の面である。連結部508は、側壁部502をX方向に連結している。
【0060】
図25及び
図32に示されるように、連結部508には、バネ部510が設けられている。バネ部510は、連結部508の後方(−Y側)で上方(+Z方向)に延びている。バネ部510は、Y方向(特に、+Y方向)に弾性変形可能である。サブコネクタ500のサブハウジング501は、位置保持部514を更に有している。詳しくは、バネ部510の上端部には、−Y方向に突出した突出部512が形成されている。突出部512は、下方に傾斜しつつ後方に延びる上面と、上方に傾斜しつつ後方に延びる下面とを有している。本実施の形態による位置保持部514は、突出部512の下面である。突出部512(位置保持部514)は、バネ部510の弾性変形によりY方向(特に、+Y方向)に移動可能である。
【0061】
図25及び
図32に示されるように、サブコネクタ500は、バネ部510と同様にZ方向に延びるバネ部520を更に有している。バネ部520は、Y方向(特に、+Y方向)に弾性変形可能である。サブコネクタ500のサブハウジング501は、位置保持部524を更に有している。詳しくは、バネ部520の上端部には、+Y方向に突出した突出部522が形成されている。突出部522は、下方に傾斜しつつ前方(+Y方向)に延びる上面と、XY平面上を前方へ延びる下面とを有している。本実施の形態による位置保持部524は、突出部522の下面である。突出部522(位置保持部524)は、バネ部520の弾性変形によりY方向(特に、−Y方向)に移動可能である。
【0062】
図3に示されるように、側壁部502の外面506の夫々には、バネ部530が形成されている。本実施の形態によるバネ部530は、Z方向に長く延びており、外面506に両持ち梁状に保持されている。バネ部530は、X方向内側に弾性変形可能である。サブコネクタ500のサブハウジング501は、2つの力受け部534を更に有している。詳しくは、バネ部530のZ方向における中間部には、X方向外側に突出した突出部532が形成されている。突出部532は、下方に傾斜しつつX方向外側に延びる上面と、上方に傾斜しつつX方向外側に延びる下面とを有している。本実施の形態による力受け部534は、突出部532の下面である。突出部532(力受け部534)は、バネ部530の弾性変形によりX方向内側に移動可能である。
【0063】
図3に示されるように、サブコネクタ500のサブハウジング501は、2つの被作用部(第2カム突起)540と保持部550とを更に有している。被作用部540は、側壁部502の外面506に夫々形成されている。被作用部540は、外面506からX方向外側に延びる円柱形状を有している。保持部550は、X方向において側壁部502の間に位置している。
【0064】
図3に示されるように、本実施の形態による副端子580は、被保持部582と、2つの接触部584とを有している。被保持部582は、サブハウジング501の保持部550に保持されている。接触部584は、サブハウジング501内を保持部550から下方に延びている(
図25参照)。
【0065】
図1、
図3、
図11及び
図25から理解されるように、副端子580を保持したサブコネクタ500は、下方からハウジング200に挿入されて、前収容部222に収容されている。サブコネクタ500をハウジング200に挿入する際、サブコネクタ500の被作用部540がハウジング200のガイド溝256にガイドされつつ、サブコネクタ500が上方に移動する。
図25から理解されるように、このとき、サブコネクタ500の突出部522は、−Y方向に移動してハウジング200の突出部226を乗り越える。同様に、サブコネクタ500の突出部512は、+Y方向に移動してハウジング200の突出部228を乗り越える。突出部512が突出部228の上方に位置すると、サブコネクタ500は前収容部222に収容される。このときのサブコネクタ500の位置(
図25における位置)を「保持位置」という。
【0066】
図25から理解されるように、サブコネクタ500が保持位置にあるとき、位置保持部514は、突出部228の傾斜した上面によって下方から支持されている。このため、サブコネクタ500に下方に向かう力を加えない限り、サブコネクタ500は保持位置に維持される。また、仮にサブコネクタ500が下方に移動したとしても、位置保持部524の水平面(XY平面と平行な面)が、突出部226の水平な上面と接触して、サブコネクタ500の移動が停止する。位置保持部524と突出部226の上面とが接触するときのサブコネクタ500の位置(
図37における位置)を「接続位置」という。接続位置にあるサブコネクタ500は、バネ部520を意図的に弾性変形させない限り、更に下方に移動することができない。即ち、サブコネクタ500は、保持位置及び接続位置の夫々に位置できるようにしてハウジング200に支持されている。
【0067】
図11に示されるように、本実施の形態によれば、サブコネクタ500が保持位置にあるとき、サブコネクタ500の被作用部540は、ガイド溝256の上端に位置している。また、力受け部534は、ガイド溝256内に位置している。
【0068】
以下、以上のように構成されたコネクタ20を相手側コネクタ60に嵌合する際の操作と、コネクタ20を相手側コネクタ60から抜去する際の操作とについて説明する。
【0069】
図1に示されるように、分離位置にあるハウジング200を、相手側ハウジング600に向かって下方に移動させると、ハウジング200の下端部は、相手側ハウジング600の収容部632に挿入される(
図11参照)。このときのハウジング200の位置(
図8乃至
図11における位置)を「嵌合開始位置」という。
【0070】
図10に示されるように、ハウジング200が嵌合開始位置にあるとき、主端子280の4つの接触部282の下端部は、相手側主端子680の4つの受容部684に夫々挿入されている。但し、接触部282は、相手側主端子680と接触していない。即ち、主端子280は、相手側主端子680と電気的に接続されていない。
【0071】
ハウジング200が嵌合開始位置にあるとき、副端子580の接触部584は、相手側サブコネクタ700の上方に位置している。即ち、副端子580は、相手側副端子780と電気的に接続されていない(
図32参照)。
【0072】
図11に示されるように、ハウジング200が嵌合開始位置に位置し且つ第1操作部材300が立てた位置に位置しているとき、相手側ハウジング600の相手側被作用部666は、第1操作部材300の第1作用部340の開口を通過して第1作用部340内に位置している。詳しくは、相手側被作用部666は、第1作用部340の開口から+Z方向へ進んだ位置に位置している。前述したように、本実施の形態による相手側被作用部666は第1カム突起666であり、第1作用部340は第1カム溝340である。即ち、ハウジング200が嵌合開始位置にあるとき、第1カム突起666が第1カム溝340に受容され、これにより第1カム溝340が、第1カム溝340内における第1カム突起666の移動を許容する。
【0073】
図8、
図12及び
図20に示されるように、ハウジング200が嵌合開始位置に位置しているとき、立てた位置(
図11における位置)にある第1操作部材300を、支点部330を中心に回転方向D
R(第1操作方向)に沿って回転させると(即ち、第1嵌合操作を行うと)、第1操作部材300は倒された位置(
図20における位置)に向かって移動する。
【0074】
図12乃至
図19から理解されるように、第1操作部材300の回転に伴い、第2操作部材400はサブコネクタ500に接近する。そして、サブコネクタ500の被作用部540は、第2操作部材400の溝部452内に進入し、第2作用部450に達する(
図16参照)。即ち、サブコネクタ500の被作用部540は、第2操作部材400の第2作用部450内に位置している。詳しくは、被作用部540は、第2作用部450の2つの端部のうちの前側の端部に位置している。前述したように、本実施の形態による被作用部540は第2カム突起540であり、第2作用部450は第2カム溝450である。即ち、第1嵌合操作の途中において、サブコネクタ500が第1位置に位置しているとき、第2カム突起540が第2カム溝450に受容され、これにより第2カム溝450が、第2カム溝450内における第2カム突起540の移動を許容する。
【0075】
また、
図16に示されるように、第2操作部材400の被突当部480がハウジング200の突当部240に突き当たる。このとき、
図17及び
図18に示されるように、張出部354及び被規制部421(バネ部422及び先端部424)は、受容部242に受容される。このとき、第2操作部材400の先端部424(被規制部421)は、まだ第1操作部材300の凹部356内に位置している。したがって、第2操作部材400は、張出部354によって第1操作部材300の長手方向(
図3において+Z方向)の移動が規制されたままである。
【0076】
第1操作部材300をさらに第1操作方向に回転させると、第2操作部材400は、被突当部480が突当部240に突き当ることにより、その移動が阻止され、第1操作部材300のみが移動する。その結果、
図20、
図21、
図23乃至
図28から理解されるように、第2操作部材400は第1操作部材300に対して相対的に移動する。第2操作部材400の動きは、スライド突起440とスライド溝360によって制限される。即ち、
図20及び
図23に示されるように、第1操作部材300が立てた位置から倒された位置に移動したとき、スライド突起440は、スライド溝360の上方(+Z方向)かつ後方(−Y方向)に位置する。
図20及び
図23に示されるときの第2操作部材400の位置を「第1位置」という。第2操作部材400が初期位置から第1位置へ移動する間に、第2操作部材400の先端部424(被規制部421)は、第1操作部材300の凹部356の縁に乗り上げて、凹部356の外に出る。そのため、規制部(凹部356)による被規制部421の規制が解除され、その結果、第2操作部材400は、+Y方向への移動が許容される。
【0077】
第1操作部材300が倒された位置(
図20乃至
図28における位置)に移動したとき、第1操作部材300の長手方向は、Y方向と平行に延びている。即ち、倒された位置にある第1操作部材300は、水平方向(Y方向)に長く延びている。このとき、第2操作部材400は第1位置に位置する。このとき第2操作部材400は、
図23に示されるように、その一部が、長手方向に直交する方向(+Z方向)に第1の突出量(=D1)で第1操作部材300から突出している。
【0078】
図24及び
図25に示されるように、第1嵌合操作を行うと、第1操作部材300の被ロック部352は、ハウジング200の突出部260を乗り越えて、ロック部262の下側(−Z側)に位置する。このため、第1操作部材300は、逆回転方向(
図24及び
図25において反時計回り方向)の力を受けない限り、倒れた位置に維持される。即ち、第1嵌合操作を行うと、被ロック部352はロック部262にロックされ、これにより第1操作部材300が倒れた位置に維持される。
【0079】
図23に示されるように、ハウジング200が嵌合開始位置(
図11における位置)に位置したとき、第1カム突起666が第1カム溝340に受容されることで第1作用部340の壁面による相手側被作用部666への押圧(作用)が許容される。第1カム突起666は、第1嵌合操作において第1作用部340の壁面によって押圧され、第1カム溝340内を移動する。このときハウジング200は、嵌合開始位置から下方に移動する。第1操作部材300が倒された位置に位置すると、第1カム突起666は、第1カム溝340の端部の一方に位置する。このときのハウジング200の位置(
図24乃至
図28における位置)を「嵌合位置」という。即ち、本実施の形態によるハウジング200は、第1カム突起666が第1カム溝340内を移動することにより、嵌合開始位置から嵌合位置に移動する。換言すれば、本実施の形態によれば、第1嵌合操作によってハウジング200を嵌合開始位置から嵌合位置に移動することが可能である。
【0080】
図22、
図24、
図26及び
図27に示されるように、ハウジング200が嵌合位置に移動すると、主端子280も下方に移動する。このため、主端子280が相手側主端子680と接続される。本実施の形態によれば、主端子280の接触部282が、相手側主端子680の接触片686を弾性変形させつつ、接触片686と接触部683の間に挟まれる(
図22参照)。このため、主端子280は相手側主端子680と確実に接続される。主端子280と相手側主端子680とが互いに接続すると、各対の2つの相手側主端子680(
図2参照)が、対応する主端子280(
図3参照)を経由して電気的に接続される。即ち、電源回路(図示せず)が形成される。但し、副端子580と相手側副端子780とが接続されていないため、電源回路に対する通電はなされていない。
【0081】
図25に示されるように、ハウジング200が嵌合位置に移動すると、副端子580も下方に移動する。このため、副端子580の2つの接触部584の先端が、相手側サブコネクタ700の2つの受容部712に夫々挿入される。但し、接触部584は、接触部782の上方に位置している。即ち、副端子580は、相手側副端子780と接続されていない。
【0082】
第1嵌合操作後、第2操作部材400を+Y方向へ操作すると、
図29乃至
図31に示されるように、第2操作部材400は、+Y方向へ移動する。これにより、被突当部480が突当部240から離れる。その結果、第2操作部材400の−Z方向への移動規制が解除される。即ち、第2操作部材400の−Z方向への移動が許容される。このように本実施の形態では、突当部240は、第2操作部材400の第2嵌合動作を阻害せず、第2操作部材400が第2操作方向は所定の距離移動したとき、第2操作部材400から離れる位置に設けられている。
図29乃至
図31に示される第2操作部材400の位置を、「規制解除位置」という。
図31において、スライド突起440は、スライド溝360の+Z側かつ+Y側に位置している。
【0083】
図32に示されるように、第2操作部材400が規制解除位置に位置するとき、副端子580の2つの接触部584の位置は、第2操作部材400が第1位置に位置するとき(
図25参照)からほとんど変化しない。但し、
図33に示されるように、第2作用部450は、Y方向に対して僅かに傾きを有している。このため、第2操作部材400の+Y方向への移動に伴い、被作用部540が僅かに−Z方向へ移動する。しかしながら、副端子580は、依然として、相手側副端子780と接続されていない(
図32参照)。
【0084】
引き続き第2操作部材400を主として+Y方向(第2操作方向)へ移動させるように操作すると、即ち、第2嵌合操作を行うと、第2操作部材400は、スライド突起440がスライド溝360内を移動するのに合わせて、+Y方向へ移動するとともに−Z方向へ移動する。つまり、
図34乃至
図36に示されるように、第2操作部材400は、第2位置へ向かって斜め下方へ移動する。第2操作方向は、−Z方向と+Y方向を合成した方向でもよい。即ち、第2操作方向は、+Y方向成分を含んでいればよい。本実施の形態では、第2操作部材400は、斜め下方に移動し、第2位置へ達した後、さらに前方(+Y方向)のロック位置へ移動する。本実施の形態においては、規制解除位置にある第2操作部材400を第2操作方向へ移動させたとき、その進行方向が急に変わる位置を「第2位置」という。また、スライド突起440がスライド溝360の−Z側かつ+Y側の端部に位置するときの第2操作部材400の位置を「ロック位置」という。
【0085】
本実施の形態では、第2操作部材400が第1位置から第2位置へ向かうとき、+Y方向のみならず、−Z方向にも移動する。このため、第2操作部材400が第2位置若しくはロック位置に達したとき、第2操作部材400の第1操作部材300からの長手方向に直交する方向の突出量(第2の突出量)D2は、第1の突出量D1よりも小さい。本実施の形態では、
図39から理解されるように、第2突出量D2は負である。即ち、第2操作部材400は、第1操作部材300に収容されている。したがって、第2操作部材400の一部が、第1操作部材300の外側に突き出しているか否かによって、第2操作部材400が第1位置に位置しているか否かを容易に判断することができる。つまり、副端子580が相手側副端子780に接続されているか否かを容易に判断することができる。ただし、第2突出量D2は負である必要はなく、正であってもよい。第2突出力D2は、第1突出量D1との差を容易に視認できる量であればよい。
【0086】
図37に示されるように、第2嵌合操作後も、被ロック部352はロック部262にロックされており、これにより第1操作部材300は倒された位置に維持されている。
【0087】
更に、
図38及び
図39から理解されるように、第2嵌合操作に引き続いて、第2操作部材400を第2操作方向へ移動させると、第2操作部材400の被維持部462は、相手側ハウジング600の維持部662に隣接する。詳しくは、被維持部462は、維持部662の下側(−Z側)に位置する。このため、第1操作部材300の逆回転方向(
図39において反時計回り方向)の回転が防止される。即ち、本実施の形態によれば、第2嵌合操作後、第2操作部材400がロック位置に向かって移動すると被維持部462が維持部662と突き当たり、これにより第1操作部材300が倒された位置に、より確実に維持される。
【0088】
図24に示されるように、第1嵌合操作後、サブコネクタ500が保持位置(
図25における位置)に位置しているとき、第2カム突起540が第2カム溝450に受容されている。これにより、第2作用部450の壁面による被作用部540への押圧(作用)が許容される。第2カム突起540は、第2嵌合操作において第2作用部450の壁面によって押圧され、第2カム溝450内を移動する。同時に、第2カム突起540は、ガイド溝256内を移動する。このときサブコネクタ500は、保持位置から下方に移動する。第2操作部材400が第2位置(
図31に示される位置と
図36に示される位置の間の位置)に位置するとき、第2カム突起540は、第2カム溝450の2つの端部のうちの途中に位置する。このとき、サブコネクタ500は、接続位置に位置している。即ち、本実施の形態によるサブコネクタ500は、第2カム突起540が第2カム溝450内を移動することに加え、スライド突起440がスライド溝360内を移動することによって、保持位置から接続位置へ移動する。換言すれば、本実施の形態によれば、第2嵌合操作によってサブコネクタ500を保持位置から接続位置に移動させることが可能である。
【0089】
図32及び
図37から理解されるように、サブコネクタ500が保持位置から接続位置に移動する際、突出部512は、+Y方向に移動してハウジング200の突出部228を乗り越える。
【0090】
図24及び
図37から理解されるように、ハウジング200は第2嵌合操作によっては移動しない。このため、主端子280は、第2嵌合操作後も相手側主端子680と接続している。
【0091】
図37に示されるように、第1嵌合操作後、第2嵌合操作を行うと、サブコネクタ500の副端子580も下方に移動する。このため、副端子580の接触部584の先端が、相手側副端子780の接触部782と接触する。詳しくは、接触部584の夫々は、接触部782を+Y方向に弾性変形させつつ、接触部782と接触する。このため、副端子580は相手側副端子780と確実に接続される。副端子580が相手側副端子780と接続されると、2つの相手側副端子780(
図2参照)が、副端子580(
図3参照)を経由して電気的に接続される。このため検知回路(図示せず)が動作し、相手側主端子680への通電が開始される。
【0092】
相手側コネクタ60と嵌合したコネクタ20は、以下に説明するように相手側コネクタ60から抜去することができる。
【0093】
図39から理解されるように、ロック操作後、第2操作方向と反対の方向(−Y方向)へ第2操作部材400を操作すると、第2操作部材400は、第2位置に移動し、ロックが解除される。
【0094】
さらに、第2操作部材400を第2操作方向と反対の方向(−Y方向)へ操作すると、
図23に示されるように、第2操作部材400は第1位置に移動する。これに伴い、サブコネクタ500が接続位置から保持位置へ移動する(
図25参照)。このため、副端子580が上方に移動し、副端子580と相手側副端子780との電気的な接続が解除される。このため、
図2の相手側主端子680への通電が停止される。
【0095】
図24から理解されるように、第2操作部材400が第1位置に移動すると、被突当部480が突当部240に突き当り、第1突出量D1で突出する状態が維持される(
図23参照)。さらに、
図24に示されるように、このとき、第1操作部材300は、ロック部262による被ロック部352のロックのみによって倒された位置に維持されている。
【0096】
図24から理解されるように、被ロック部352がY方向外側(+Y側)に移動すると、ロック部262による被ロック部352のロックが外れる。次に、
図23から理解されるように、支点部330を中心にして第1操作部材300を逆回転方向(
図24において反時計回り方向)に回転させると、第1操作部材300は、倒された位置から立てた位置に移動する。
図4に示されるように、本実施の形態によれば、第1操作部材300の支点部330は、連結部(第1操作部)304と第1作用部340の間に位置している。また、支点部330と連結部304の間の距離は、支点部330と第1作用部340の間の距離よりも大きい。このため、第1操作部材300は、主端子280が相手側主端子680と強固に接続していたとしても(
図24参照)、比較的小さな力で逆回転方向に回転させることができる。更に、第1操作部材300は、回転方向D
R(第1操作方向)にも比較的小さな力で回転させることができる。
【0097】
図10から理解されるように、第1操作部材300が立てた位置に移動すると、ハウジング200が嵌合位置から嵌合開始位置に移動する。このため主端子280が上方に移動し、主端子280と相手側主端子680との接続が解除される。
【0098】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、第1嵌合操作によって第2操作部材400は第1の突出量D1で第1操作部材300から突出する第1位置に位置する。そして、第2嵌合操作を行うことで、第1突出量よりも小さい第2突出量D2で第1操作部材300から突出するか、あるいは第1操作部材300に収容される第2位置に移動する。これにより、副端子580が相手側副端子780と接続された状態か否かを、目視によって外部から容易に判断することができる。
【0099】
加えて、本実施の形態によれば、コネクタ20が相手側コネクタ60と嵌合する際、第1操作部材300の操作によってハウジング200の主端子280が相手側主端子680と接続し、第2操作部材400の操作によってサブコネクタ500の副端子580が相手側副端子780と接続する。また、第2操作部材400の操作によって副端子580と相手側副端子780との接続が解除され、第1操作部材300の操作によって主端子280と相手側主端子680との接続が解除される。即ち、主端子280を保持したハウジング200を操作する第1操作部材300と、副端子580を保持したサブコネクタ500を操作する第2操作部材400とが異なっている。このため、ハウジング200の操作とサブコネクタ500の操作との間に十分な時間を設けることができる。即ち、通電の停止とコネクタ20と相手側コネクタ60との分離とを一気に行うことができず、副端子580の接続解除から主端子280の接続解除までの間の充分な時間を、より確実に得ることができる。
【0100】
また、
図2に示されるように、本実施の形態によれば、相手側ハウジング600にキー部658が設けられている。このため、コネクタ20とは異なる形状を持つ他のコネクタと相手方コネクタ60との嵌合を防止することができる。
【0101】
以上のように構成されたコネクタ装置10は、様々に変形することができる。
【0102】
例えば、本実施の形態によれば、相手側被作用部666が第1カム突起であり、第1作用部340が第1カム溝である。しかしながら、相手側被作用部666が第1カム溝であり、第1作用部340が第1カム突起であってもよい。即ち、相手側被作用部666及び第1作用部340の一方が第1カム突起であり他方が第1カム溝であればよい。
【0103】
同様に、被作用部540が第2カム溝であり、第2作用部450が第2カム突起であってもよい。即ち、被作用部540及び第2作用部450の一方が第2カム突起であり他方は第2カム溝であればよい。
【0104】
また、ハウジング200は、カム機構を使用しない第1嵌合操作によって嵌合開始位置から嵌合位置に移動されてもよい。同様に、サブコネクタ500は、カム機構を使用しない第2嵌合操作によって保持位置から接続位置に移動されてもよい。
【0105】
また、第1操作部材300は、第1嵌合操作によって回転するのでなく、例えばスライドしてもよい。即ち、第1嵌合操作による第1操作部材300の移動方法及びハウジング200の移動方向は、様々に変形可能である。同様に、第2操作部材400は、第2嵌合操作によってスライドするのでなく、例えば回転してもよい。即ち、第2嵌合操作による第2操作部材400の移動方法及びサブコネクタ500の移動方向も、様々に変形可能である。また、ハウジング200の嵌合方向とサブコネクタ500の嵌合方向は異なっていてもよい。
【0106】
また、主端子280の2つの接触部282は、ヒューズを介して互いに接続されていてもよい。本実施の形態によれば、ハウジング200はカバー部212を有しているため、ヒューズを覆うことができる。このため、作業者の感電や火傷を防止することができる。
【0107】
本実施の形態では、第2嵌合操作において突当部240を回避するように第2操作部材400を規制解除位置へ移動させた。しかし、突当部を変形可能に構成し、第2嵌合操作部を第1位置から第2位置へ直接移動させるようにしてもよい。
【0108】
また、本実施の形態では、第2操作部材400の初期位置から第1位置への移動を利用して、第2操作部材400の移動規制(第1操作部材300の長手方向における移動規制)を解除するようにした。しかし、第2操作部材400が初めから第1位置に位置している場合には、第1操作部材300の立てた位置から倒された位置への移動を利用して、第2操作部材400の移動規制を解除するように、規制部及び被規制部を設けてもよい。即ち、相手側ハウジング600を利用して第2操作部材400の移動規制を解除するようにしてもよい。