(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のSIMカードを格納する第1のSIMスロットと、第2のSIMカードを格納する第2のSIMスロットと、を備えるモバイルルータにおけるSIMカードの自動切り替え方法であって、
ユーザ端末から受信したパケット内の識別子を検出し、
アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納する第1のテーブルを参照して、検出された前記識別子に対応するSIMカードを選択し、
選択されたSIMカードを用いて、前記アプリケーションのパケットの無線基地局との通信を行うこと、を備えるSIMカードの自動切り替え方法。
検出された前記識別子が前記第1のテーブルに格納されていない場合、前記第2のSIMカードより高速通信が可能な前記第1のSIMカードを用いて、前記無線基地局から受信した信号の通信速度を測定し、
測定された前記通信速度と閾値とを比較し、
前記通信速度が前記閾値以上である場合、検出された前記識別子と前記第1のSIMカードとを対応付けて前記第1のテーブルに格納し、前記通信速度が前記閾値未満である場合、検出された前記識別子と前記第2のSIMカードとを対応付けて前記第1のテーブルに格納すること、をさらに備える請求項9に記載のSIMカードの自動切り替え方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1
まず、
図1を用いて、本発明の実施の形態1にかかる移動体通信システムの構成について説明する。この移動体通信システムは、
図1に示されるように、モバイルルータ100、ユーザ端末200、及び無線基地局300を備えている。
【0014】
モバイルルータ100は、複数のSIMスロットを備え、複数のSIMカードを挿入可能なモバイルルータである。例えば、モバイルルータ100は、2つのSIMスロットを備えたデュアルSIM対応モバイルルータであり、2つのSIMカードでデュアルアクティブが可能なものである。また、モバイルルータ100は、Wi−Fi(Wireless Fidelity)通信によりユーザ端末200と通信可能なインタフェースを備えている。さらに、モバイルルータ100は、WAN(Wide Area Network)回線を用いた通信により無線基地局300と通信可能なインタフェースを備えている。なお、WAN回線を用いた通信とは、例えばLTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線通信規格を用いた通信のことをいう。
【0015】
ユーザ端末200は、Wi−Fi通信が可能なインタフェースを搭載したモバイル機器である。例えば、ユーザ端末200は、スマートフォン、タブレット端末等である。
【0016】
無線基地局300は、一般的な無線基地局を示し、LTE、WiMAX等の無線通信を行う無線基地局である。
【0017】
続いて、
図2を用いて、本発明の実施の形態1にかかるモバイルルータ100の構成について説明する。モバイルルータ100は、第1のSIMスロット101、第2のSIMスロット102、基地局側通信モジュール103、端末側通信モジュール104、記憶部110、制御部120を備えている。
【0018】
第1のSIMスロット101、及び第2のSIMスロット102は、SIMカードを格納し、格納したSIMカードと制御部120との情報の受け渡しを行うインタフェースである。本発明の実施の形態1では、第1のSIMスロット101に第1のSIMカードを挿入し、第2のSIMスロット102に第2のSIMカードを挿入して使用することについて説明する。
【0019】
基地局側通信モジュール103は、無線基地局300とWAN回線を用いた通信を行うための通信モジュールである。基地局側通信モジュール103は、WAN回線を用いた通信の制御、データ通信等を行う。また、基地局側通信モジュール103は、第1のSIMカード又は第2のSIMカードを用いて、無線基地局300との通信を行う。
【0020】
端末側通信モジュール104は、ユーザ端末200とWi−Fi通信を行うための通信モジュールである。端末側通信モジュール104は、Wi−Fi通信の制御、データ通信等を行う。端末側通信モジュール104は、ユーザ端末200へパケットを送信し、ユーザ端末200からパケットを受信する。また、端末側通信モジュール104は、受信したパケットを制御部120へ出力する。
【0021】
記憶部110は、第1のテーブル111を備えている。また、記憶部110は、モバイルルータ100の制御に必要なソフトウェアや、各種設定情報等も格納している。
【0022】
第1のテーブル111は、アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納している。
【0023】
制御部120は、例えばCPU(Central Processing Unit)、OS(Operating System)により構成される。制御部120は、識別子検出部121、SIMカード選択部122を備えている。
【0024】
識別子検出部121は、ユーザ端末200から受信したパケット内の識別子を検出する機能部である。識別子検出部121は、検出した識別子をSIMカード選択部122へ出力する。
【0025】
SIMカード選択部122は、識別子検出部121から識別子を受け取る。また、SIMカード選択部122は、第1のテーブル111を参照して、受け取った識別子に対応するSIMカードを選択する。すなわち、SIMカード選択部122は、ユーザ端末200から受信したパケット内の識別子に対応するSIMカードを、当該識別子のアプリケーションが使用される際のSIMカードとして選択する。
【0026】
したがって、基地局側通信モジュール103は、SIMカード選択部122に選択されたSIMカードを用いて、アプリケーションのパケットの通信を行う。
【0027】
以上のように、実施の形態1にかかる
図2のモバイルルータ100では、第1のテーブル111により、アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納する構成としている。また、識別子検出部121により、ユーザ端末200から受信したパケット内の識別子を検出する構成としている。さらに、SIMカード選択部122により、第1のテーブル111を参照して、受信したパケット内の識別子に対応するSIMカードを選択する構成としている。これにより、実施の形態1にかかる
図2のモバイルルータ100では、ユーザが操作することなく、ユーザ端末200にて使用されるアプリケーションに適したSIMカードへ自動で切り替えることができる。
【0028】
続いて、
図3のシーケンス図を用いて、本発明の実施の形態1にかかるモバイルルータ100における処理について説明する。
【0029】
まず、端末側通信モジュール104は、ユーザ端末200からパケットを受信する(S101)。次に、識別子検出部121は、S101にて受信したパケット内の識別子を検出する(S102)。次に、SIMカード選択部122は、S102にて検出された識別子に対応するSIMカードを選択する(S103)。なお、S103は、アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納する第1のテーブルを参照することにより、検出された識別子に対応するSIMカードを選択する。次に、基地局側通信モジュール103は、S103にて選択されたSIMカードを用いて、アプリケーションのパケットの無線基地局300との通信を行う(S104)。
【0030】
続いて、
図4を用いて、本発明の実施の形態1にかかるユーザ端末200の構成について説明する。ユーザ端末200は、通信モジュール201、記憶部202、制御部210を備えている。
【0031】
通信モジュール201は、モバイルルータ100とWi−Fi通信を行うための通信モジュールである。通信モジュール201は、Wi−Fi通信の制御、データ通信等を行う。通信モジュール201は、モバイルルータ100からパケットを受信する。また、通信モジュール201は、制御部210からパケットを受け取り、受け取ったパケットをモバイルルータ100へ送信する。
【0032】
記憶部202は、複数のアプリケーションに対してそれぞれ異なる識別子を対応付けて格納している。なお、実施の形態1における当該識別子は、アプリケーションを一意に識別できる識別子であればどのような識別子でもよい。
【0033】
制御部210は、例えばCPU、OSにより構成される。制御部210は、識別子格納部211を備えている。
【0034】
識別子格納部211は、使用されるアプリケーションの識別子を、当該アプリケーションのパケット内に格納する機能部である。識別子格納部211は、アプリケーションが使用される際に、記憶部202を参照して、使用されるアプリケーションの識別子を、当該アプリケーションのパケット内に格納する。そして、識別子格納部211は、識別子が格納されたパケットを通信モジュール201へ出力する。
【0035】
したがって、通信モジュール201は、アプリケーションの識別子が格納されたパケットをモバイルルータ100へ送信する。
【0036】
続いて、
図5のシーケンス図を用いて、本発明の実施の形態1にかかるSIMカードの自動切り替えシステムにおける処理について説明する。なお、本発明の実施の形態1にかかるSIMカードの自動切り替えシステムとは、モバイルルータ100及びユーザ端末200によるSIMカードの自動切り替えを行うシステムのことである。
【0037】
まず、ユーザ端末200にてアプリケーションの使用を開始する(S201)。次に、識別子格納部211は、記憶部202を参照して、使用されるアプリケーションの識別子を、当該アプリケーションのパケット内に格納する(S202)。次に、通信モジュール201は、アプリケーションの識別子を格納したパケットをモバイルルータ100へ送信する(S203)。
【0038】
次に、端末側通信モジュール104は、ユーザ端末200からパケットを受信する(S204)。次に、識別子検出部121は、S204にて受信したパケット内の識別子を検出する(S205)。次に、SIMカード選択部122は、S205にて検出された識別子に対応するSIMカードを選択する(S206)。なお、S206は、アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納する第1のテーブルを参照することにより、検出された識別子に対応するSIMカードを選択する。次に、基地局側通信モジュール103は、S206にて選択されたSIMカードを用いて、アプリケーションのパケットの無線基地局300との通信を行う(S207)。
【0039】
以上のように、実施の形態1にかかるSIMカードの自動切り替えシステムでは、ユーザ端末200により、使用するアプリケーションの識別子を、当該アプリケーションのパケット内に格納する構成としている。また、モバイルルータ100では、第1のテーブル111により、アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納する構成としている。また、ユーザ端末200から受信したパケット内の識別子を検出する構成としている。さらに、第1のテーブル111を参照して、受信したパケット内の識別子に対応するSIMカードを選択する構成としている。これにより、実施の形態1にかかるSIMカードの自動切り替えシステムでは、モバイルルータ100におけるSIMカードについて、ユーザ端末200にて使用されるアプリケーションに適したSIMカードへ自動で切り替えることができる。
【0040】
実施の形態2
続いて、本発明の実施の形態2にかかる移動体通信システムについて説明する。本発明の実施の形態2にかかる移動体通信システムの全体構成は、
図1に示す構成と同様であり、説明を省略する。本発明の実施の形態2は、第1のテーブル111への登録を行うことを含む実施の形態である。
【0041】
次に、
図6を用いて、本発明の実施の形態2にかかるモバイルルータ400の構成について説明する。モバイルルータ400は、第1のSIMスロット101、第2のSIMスロット102、基地局側通信モジュール103、端末側通信モジュール104、記憶部110、制御部420を備えている。なお、制御部420以外の構成については、
図2に示す構成と同じであり説明を省略する。また、実施の形態2では、第1のSIMスロット101に、通信量制限はあるが高速通信が可能な第1のSIMカードを挿入し、第2のSIMスロット102に、通信量制限はないが低速通信である第2のSIMカードを挿入して使用することについて説明する。
【0042】
制御部420は、識別子検出部121、SIMカード選択部122、測定部421、比較部422、登録部423を備えている。なお、識別子検出部121及びSIMカード選択部122については、
図2に示す構成と同じであり説明を省略する。
【0043】
測定部421は、無線基地局300から受信した信号、すなわちダウンリンク信号を、基地局側通信モジュール103から受け取る。また、測定部421は、受け取ったダウンリンク信号の通信速度を測定する。具体的には、ダウンリンク信号の測定対象パケットの通信速度を測定する。ここで、測定部421による通信速度の測定は、ユーザ端末200によりアプリケーションが使用されているとき、識別子検出部121により検出されたパケット内の識別子が、第1のテーブル111に格納されていない場合に行われるものとする。なお、識別子検出部121により検出されたパケット内の識別子が、第1のテーブル111に格納されているか否かの判定は、識別子検出部121、SIMカード選択部122、測定部421のいずれで行ってもよく、また、制御部420が当該判定を行う他の機能部を備えるようにしてもよい。なお、ダウンリンク信号には、パケット内に識別子が格納されていなくてもよい。
【0044】
また、測定部421による通信速度の測定は、第1のSIMカード及び第2のSIMカードのうち、より速い通信が可能な一方のSIMカードを用いて行われる。実施の形態2では、第1のSIMカードの方が第2のSIMカードよりも高速通信が可能であるため、測定部421は、第1のSIMカードを用いて通信速度の測定を行う。なお、アプリケーションのダウンリンクの通信速度の測定中は、測定対象パケット以外は第2のSIMカードを用いて通信を行い、測定対象パケットのみ第1のSIMカードを用いて通信を行うこととする。そして、測定部421は、測定した通信速度を示す測定結果を比較部422へ出力する。
【0045】
比較部422は、測定結果を測定部421から受け取る。また、比較部422は、測定結果が示す通信速度を閾値と比較する。なお、当該閾値は、あらかじめ任意に設定することができるものとする。そして、比較部422は、通信速度が閾値以上であるか、閾値未満であるかを示す比較結果を登録部423へ出力する。
【0046】
登録部423は、比較結果を比較部422から受け取る。そして、登録部423は、比較結果を参照し、通信速度が閾値以上である場合、識別子検出部121により検出されたパケット内の識別子と第1のSIMカードとを対応付けて第1のテーブル111に格納する。すなわち、ユーザ端末200にて使用されているアプリケーションの識別子と第1のSIMカードとを対応付けて第1のテーブル111に格納する。また、登録部423は、比較結果を参照し、通信速度が閾値未満である場合、識別子検出部121により検出されたパケット内の識別子と第2のSIMカードとを対応付けて第1のテーブル111に格納する。すなわち、ユーザ端末200にて使用されているアプリケーションの識別子と第2のSIMカードとを対応付けて第1のテーブル111に格納する。
【0047】
続いて、
図7のシーケンス図を用いて、本発明の実施の形態2にかかるモバイルルータ400における処理について説明する。
【0048】
まず、端末側通信モジュール104は、ユーザ端末200からパケットを受信する(S301)。次に、識別子検出部121は、S301にて受信したパケット内の識別子を検出する(S302)。次に、S302にて検出された識別子が第1のテーブル111に登録されているか否かの判定を行う(S303)。
【0049】
S303にて、第1のテーブル111に登録されていると判定された場合、SIMカード選択部122は、第1のテーブル111を参照して、S302にて検出された識別子に対応するSIMカードを選択する(S308)。次に、基地局側通信モジュール103は、S303にて選択されたSIMカードを用いて、アプリケーションのパケットの無線基地局300との通信を行う(S309)。
【0050】
他方、S303にて、第1のテーブル111に登録されていないと判定された場合、測定部421は、第1のSIMカードを用いて、無線基地局300から受信した信号の通信速度の測定を行う(S304)。次に、比較部422は、通信速度が閾値以上であるか否かを判定する(S305)。S305にて、通信速度が閾値以上であると判定された場合、S302にて検出されたパケット内の識別子と第1のSIMカードとを対応付けて第1のテーブル111に格納し(S306)、S308へ進む。また、S305にて、通信速度が閾値未満であると判定された場合、S302にて検出されたパケット内の識別子と第2のSIMカードとを対応付けて第1のテーブル111に格納し(S307)、S308へ進む。
【0051】
以上のように、実施の形態2にかかるモバイルルータ400では、ユーザ端末200から受信したパケット内の識別子が、第1のテーブル111に格納されていない場合に、ダウンリンク信号の通信速度の測定を行う構成としている。また、測定した通信速度と閾値とを比較し、通信速度が閾値以上か否かにより、パケット内の識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて第1のテーブル111に格納する構成としている。これにより、実施の形態2にかかるモバイルルータ400では、アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとの対応付けを、新たに第1のテーブル111に登録することができる。
【0052】
また、実施の形態2にかかるモバイルルータ400では、ダウンリンク信号の通信速度の測定について、第1のSIMカード及び第2のSIMカードのうち、より速い通信が可能な一方のSIMカードを用いて行う構成としている。これによって、ユーザ端末200によりアプリケーションが使用されているときの通信速度の測定を、SIMカードの通信速度制限の影響を受けずに行うことができる。
【0053】
実施の形態3
続いて、本発明の実施の形態3にかかる移動体通信システムについて説明する。本発明の実施の形態3にかかる移動体通信システムの全体構成は、
図1に示す構成と同様であり、説明を省略する。本発明の実施の形態3は、モバイルルータ500が、複数のユーザ端末に対して、それぞれ専用の第1のテーブル111を備えることを含む実施の形態である。
【0054】
まず、
図8を用いて、本発明の実施の形態3にかかるユーザ端末600の構成について説明する。ユーザ端末600は、通信モジュール201、記憶部602、制御部610を備えている。なお、通信モジュール201は、
図4に示す構成と同様である。
【0055】
制御部610は、例えばCPU、OSにより構成される。制御部610は、アドレス格納部611、識別子振り分け部612、識別子格納部613を備えている。
【0056】
アドレス格納部611は、モバイルルータ500へ送信する接続要求のパケット内に、ユーザ端末600のMAC(Media Access Control)アドレスを格納する。また、アドレス格納部611は、MACアドレスが格納された接続要求のパケットを通信モジュール201へ出力する。
【0057】
識別子振り分け部612は、複数のアプリケーションのそれぞれに対して、識別子を任意に振り分ける。識別子振り分け部612は、例えば、アプリケーションAには識別子1、アプリケーションBには識別子2等、任意に振り分ける。そして、識別子振り分け部612は、複数のアプリケーションと識別子との対応付けを記憶部602へ格納する。
【0058】
識別子格納部613は、アプリケーションが使用される際に、使用されるアプリケーションの識別子を記憶部602から読み出す。また、識別子格納部613は、使用されるアプリケーションのパケット内に、当該アプリケーションの識別子を格納する。そして、識別子格納部613は、識別子が格納されたパケットを通信モジュール201へ出力する。
【0059】
通信モジュール201は、MACアドレスが格納された接続要求のパケットをアドレス格納部611から受け取る。そして、通信モジュール201は、MACアドレスが格納された接続要求のパケットをモバイルルータ500へ送信する。また、通信モジュール201は、アプリケーションの識別子が格納されたパケットを識別子格納部613から受け取る。そして、通信モジュール201は、アプリケーションの識別子が格納されたパケットをモバイルルータ500へ送信する。
【0060】
記憶部602は、複数のアプリケーションに対してそれぞれ異なる識別子を対応付けて格納している。なお、実施の形態3における当該識別子は、識別子振り分け部612により振り分けられて格納されたものである。
【0061】
次に、
図9を用いて、本発明の実施の形態3にかかるモバイルルータ500の構成について説明する。モバイルルータ500は、第1のSIMスロット101、第2のSIMスロット102、基地局側通信モジュール103、端末側通信モジュール104、記憶部510、制御部520を備えている。なお、記憶部510及び制御部520以外の構成については、
図6に示す構成と同じであり説明を省略する。また、実施の形態3では、第1のSIMスロット101に、通信量制限はあるが高速通信が可能な第1のSIMカードを挿入し、第2のSIMスロット102に、通信量制限はないが低速通信である第2のSIMカードを挿入して使用することについて説明する。
【0062】
記憶部510は、接続されたユーザ端末600ごとにそれぞれ専用の第1のテーブル111を備えている。例えば、モバイルルータ500へ接続されたことがあるユーザ端末が、ユーザ端末A及びユーザ端末Bの2台である場合、記憶部510は、ユーザ端末A用の第1のテーブル、及びユーザ端末B用の第1のテーブルの2つの第1のテーブル111を備えている。
【0063】
制御部520は、識別子検出部121、SIMカード選択部122、測定部421、比較部422、登録部423、アドレス検出部521、テーブル選択部522を備えている。なお、アドレス検出部521、テーブル選択部522以外の構成については、
図6に示す構成と同じであり説明を省略する。
【0064】
アドレス検出部521は、ユーザ端末600から受信した接続要求のパケットを端末側通信モジュール104から受け取る。また、アドレス検出部521は、接続要求のパケット内に格納されているMACアドレスを検出する。また、アドレス検出部521は、検出したMACアドレスをテーブル選択部522へ出力する。
【0065】
テーブル選択部522は、受け取ったMACアドレスのユーザ端末用の第1のテーブル111が、記憶部510に格納されているか否かを判定する。受け取ったMACアドレスのユーザ端末用の第1のテーブル111が、記憶部510に格納されている場合、当該ユーザ端末用の第1のテーブル111へのアクセスを有効にする。例えば、受け取ったMACアドレスがユーザ端末AのMACアドレスであり、ユーザ端末A用の第1のテーブル111が、記憶部510に格納されている場合、ユーザ端末A用の第1のテーブル111へのアクセスを有効にする。なお、ユーザ端末A用の第1のテーブル111へのアクセスを有効にするとは、接続されたユーザ端末Aに対する第1のテーブル111として、ユーザ端末A用の第1のテーブル111を選択して用いることである。
【0066】
また、テーブル選択部522は、受け取ったMACアドレスのユーザ端末用の第1のテーブル111が、記憶部510に格納されていない場合、当該ユーザ端末用の第1のテーブル111を新たに作成し、記憶部510に格納する。また、テーブル選択部522は、新たに作成した第1のテーブル111へのアクセスを有効にする。例えば、受け取ったMACアドレスがユーザ端末CのMACアドレスであり、ユーザ端末C用の第1のテーブル111が、記憶部510に格納されていない場合、ユーザ端末C用の第1のテーブル111を新たに作成し、新たに作成したユーザ端末C用の第1のテーブル111へのアクセスを有効にする。
【0067】
続いて、
図10(
図10A及び
図10B)を用いて、本発明の実施の形態3にかかるSIMカードの自動切り替えシステムにおける処理について説明する。
【0068】
まず、ユーザ端末600とモバイルルータ500とがWi−Fi等で接続される(S401)。次に、モバイルルータ500は、S401にて接続されたユーザ端末用の第1のテーブル111が記憶部510に格納されているか否かを判定する(S402)。なお、S402は、例えば、アドレス検出部521が、接続要求のパケット内に格納されているMACアドレスを検出し、テーブル選択部522が、当該MACアドレスのユーザ端末用の第1のテーブル111が、記憶部510に格納されているか否かを判定することにより行われる。
【0069】
S402にて、接続されたユーザ端末用の第1のテーブル111が記憶部510に格納されていると判定された場合、テーブル選択部522は、接続されたユーザ端末用の第1のテーブル111へのアクセスを有効にする(S403)。
【0070】
他方、S402にて、接続されたユーザ端末用の第1のテーブル111が記憶部510に格納されていないと判定された場合、テーブル選択部522は、接続されたユーザ端末用の第1のテーブル111を作成し、当該作成した第1のテーブル111へのアクセスを有効にする(S404)。
【0071】
ここで、S403及びS404について、
図11の例を用いて説明する。
図11の例では、ユーザ端末A用の第1のテーブル111及びユーザ端末B用の第1のテーブル111は記憶部510に格納され、ユーザ端末C用の第1のテーブル111は記憶部510に格納されていないものとする。
【0072】
接続されたユーザ端末がユーザ端末Aの場合、ユーザ端末A用の第1のテーブル111へのアクセスを有効にする。なお、ユーザ端末A用の第1のテーブル111には、アプリケーションの識別子とSIMカードとが対応付けられて格納されている。
図11の例では、識別子1とSIMカード1、識別子2とSIMカード2、識別子3とSIMカード1、識別子4とSIMカード2が、それぞれ対応付けられて格納されている。
【0073】
接続されたユーザ端末がユーザ端末Bの場合、ユーザ端末B用の第1のテーブル111へのアクセスを有効にする。なお、ユーザ端末B用の第1のテーブル111には、アプリケーションの識別子とSIMカードとが対応付けられて格納されている。
図11の例では、識別子1とSIMカード2、識別子2とSIMカード2、識別子3とSIMカード1が、それぞれ対応付けられて格納されている。
【0074】
接続されたユーザ端末がユーザ端末Cの場合、ユーザ端末C用の第1のテーブル111は、記憶部510に格納されていないため、ユーザ端末C用の第1のテーブル111を作成し、当該作成した第1のテーブル111へのアクセスを有効にする。なお、作成したユーザ端末C用の第1のテーブル111には、作成した時点ではアプリケーションの識別子とSIMカードとの対応付けは格納されていない。
【0075】
図10に戻り説明を続ける。S403、又はS404の後、ユーザ端末600にてアプリケーションの使用を開始する(S405)。次に、識別子格納部613は、記憶部602を参照して、使用されるアプリケーションの識別子を、当該アプリケーションのパケット内に格納する(S406)。次に、通信モジュール201は、アプリケーションの識別子が格納されたパケットをモバイルルータ500へ送信する(S407)。
【0076】
S301〜S309は、
図7と同様であるため説明を省略する。S309の後、S405に戻り、ユーザ端末600にてアプリケーションの使用を開始すると、再度その後の処理が行われる。
【0077】
以上のように、実施の形態3にかかるSIMカードの自動切り替えシステムでは、ユーザ端末600により、複数のアプリケーションのそれぞれに対して、識別子を任意に振り分ける構成としている。また、モバイルルータ500により、ユーザ端末600ごとにそれぞれ専用の第1のテーブル111を備える構成としている。さらに、モバイルルータ500により、接続されたユーザ端末用の第1のテーブル111が記憶部510に格納されていない場合、当該ユーザ端末用の第1のテーブル111を新たに作成する構成としている。これにより、実施の形態3にかかるSIMカードの自動切り替えシステムでは、モバイルルータ500において、ユーザ端末600ごとにアプリケーションの識別子とSIMカードとの対応付けを管理することができる。また、実施の形態3では、ユーザ端末600がアプリケーションの識別子を任意に振り分けるため、アプリケーションとアプリケーションの識別子との関係はユーザ端末ごとに異なるが、モバイルルータ500は、接続されたユーザ端末用の第1のテーブル111を参照することで、ユーザ端末600が使用するアプリケーションに適したSIMカードへ自動で切り替えることができる。
【0078】
実施の形態4
続いて、本発明の実施の形態4にかかる移動体通信システムについて説明する。本発明の実施の形態4にかかる移動体通信システムの全体構成、及びユーザ端末600の構成は、
図1、及び
図8に示す構成と同様であり、説明を省略する。本発明の実施の形態4は、モバイルルータ700が、複数のユーザ端末のそれぞれに専用の第1のテーブル111、及び複数のユーザ端末にて共通に用いる第2のテーブル711を備えることを含む実施の形態である。
【0079】
まず、
図12を用いて、本発明の実施の形態4にかかるモバイルルータ700の構成について説明する。モバイルルータ700は、第1のSIMスロット101、第2のSIMスロット102、基地局側通信モジュール103、端末側通信モジュール104、記憶部710、制御部720を備えている。なお、記憶部710及び制御部720以外の構成については、
図9に示す構成と同じであり説明を省略する。また、実施の形態4では、第1のSIMスロット101に、通信量制限はあるが高速通信が可能な第1のSIMカードを挿入し、第2のSIMスロット102に、通信量制限はないが低速通信である第2のSIMカードを挿入して使用することについて説明する。
【0080】
記憶部710は、第1のテーブル111、第2のテーブル711を備えている。第1のテーブル111については、上述した実施の形態3の第1のテーブル111と同様であるため説明を省略する。
【0081】
第2のテーブル711は、複数のユーザ端末に対して共通に用いるテーブルである。第2のテーブル711は、利用するユーザが多いアプリケーションについて、複数のユーザ端末600にて共通に用いる共通識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納している。なお、利用するユーザが多いアプリケーションについて、複数のユーザ端末600にて共通識別子を用いるための手法は、例えば、モバイルルータ700が、アプリケーションに対する共通識別子を複数のユーザ端末600に指定することにより行う。
【0082】
制御部720は、識別子検出部121、SIMカード選択部721、測定部421、比較部422、登録部423、アドレス検出部521、テーブル選択部522を備えている。なお、SIMカード選択部721以外の構成については、
図9に示す構成と同じであり説明を省略する。
【0083】
SIMカード選択部721は、識別子検出部121から識別子を受け取る。また、SIMカード選択部721は、受け取った識別子が第2のテーブル711に登録されているか否かを判定する。なお、識別子検出部121により検出された識別子が第2のテーブル711に登録されているか否かの判定は、SIMカード選択部721により行うことに限らない。例えば、識別子検出部121、又は測定部421で行ってもよく、また、制御部720が、当該判定を行う他の機能部を備えるようにしてもよい。
【0084】
SIMカード選択部721は、受け取った識別子が第2のテーブル711に登録されている場合、第2のテーブル711を参照して、受け取った識別子に対応するSIMカードを選択する。また、SIMカード選択部721は、受け取った識別子が第2のテーブル711に登録されていない場合、第2のテーブル711を参照して、受け取った識別子に対応するSIMカードを選択する。
【0085】
続いて、
図13のシーケンス図を用いて、本発明の実施の形態4にかかるSIMカードの自動切り替えシステムにおける処理について説明する。なお、S501より前の処理、及びS510より後の処理については、
図10Bと同様であるため説明を省略する。
【0086】
まず、端末側通信モジュール104は、ユーザ端末600からパケットを受信する(S501)。次に、識別子検出部121は、S501にて受信したパケット内の識別子を検出する(S502)。次に、S502にて検出された識別子が第2のテーブル711に登録されているか否かの判定を行う(S503)。
【0087】
S503にて、第2のテーブル711に登録されていると判定された場合、SIMカード選択部721は、第2のテーブル711を参照して、S502にて検出された識別子に対応するSIMカードを選択する(S509)。次に、基地局側通信モジュール103は、S509にて選択されたSIMカードを用いて、アプリケーションのパケットの無線基地局300との通信を行う(S510)。
【0088】
他方、S503にて、第2のテーブル711に登録されていないと判定された場合、第1のテーブル111に登録されているか否かの判定を行う(S504)。
【0089】
S504にて、第1のテーブル111に登録されていると判定された場合、SIMカード選択部721は、第1のテーブル111を参照して、S502にて検出された識別子に対応するSIMカードを選択する(S509)。
【0090】
他方、S504にて、第1のテーブル111に登録されていないと判定された場合、測定部421は、第1のSIMカードを用いて、無線基地局300から受信した信号の通信速度の測定を行う(S505)。次に、比較部422は、通信速度が閾値以上であるか否かを判定する(S506)。S506にて、通信速度が閾値以上であると判定された場合、S502にて検出されたパケット内の識別子と第1のSIMカードとを対応付けて第1のテーブル111に格納し(S507)、S509へ進む。また、S506にて、通信速度が閾値未満であると判定された場合、S502にて検出されたパケット内の識別子と第2のSIMカードとを対応付けて第1のテーブル111に格納し(S508)、S509へ進む。S507又はS508の後、SIMカード選択部721は、第1のテーブル111を参照して、S502にて検出された識別子に対応するSIMカードを選択する(S509)。
【0091】
以上のように、実施の形態4にかかるモバイルルータ700は、ユーザ端末600ごとに専用の第1のテーブル111に加え、複数のユーザ端末600に対して共通に用いる第2のテーブル711を備える構成としている。これにより、第2のテーブル711に格納されている情報については、第1のテーブル111に格納する必要がなくなる。また、第2のテーブル711に格納されているアプリケーションの共通識別子については、測定・比較・登録処理を省くことができる。
【0092】
なお、上述した実施の形態の各処理は、ソフトウェアによって実行されてもよい。すなわち、各処理を行うためのコンピュータ・プログラムが、制御部が備えるCPUによって読み込まれ、実行されてもよい。プログラムを用いて各処理を行っても、上述の実施の形態の処理と同内容の処理を行うことができる。そして、上記のプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0093】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施の形態では、モバイルルータがSIMスロットを2つ備える例について説明したが、SIMスロットの数は3つ以上であってもよい。また、上記実施の形態では、モバイルルータがユーザ端末を識別するためにMACアドレスを用いる例について説明したが、ユーザ端末を一意に識別できる識別子であればMACアドレス以外の識別子でもよい。
【0094】
(付記1)
ユーザ端末と通信を行う端末側通信モジュールと、
無線基地局と通信を行う基地局側通信モジュールと、
第1のSIMカードを格納する第1のSIMスロットと、
第2のSIMカードを格納する第2のSIMスロットと、
アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納する第1のテーブルと、
前記ユーザ端末から受信したパケット内の識別子を検出する識別子検出手段と、
前記第1のテーブルを参照して、前記識別子検出手段により検出された識別子に対応するSIMカードを選択するSIMカード選択手段と、を備え、
前記基地局側通信モジュールは、前記SIMカード選択手段により選択されたSIMカードを用いて、前記アプリケーションのパケットの通信を行う、モバイルルータ。
【0095】
(付記2)
前記第2のSIMカードより高速通信が可能な前記第1のSIMカードを用いて、前記無線基地局から受信した信号の通信速度を測定する測定手段と、
測定された前記通信速度と閾値とを比較する比較手段と、
前記通信速度が前記閾値以上である場合、前記識別子検出手段により検出された識別子と前記第1のSIMカードとを対応付けて前記第1のテーブルに格納し、前記通信速度が前記閾値未満である場合、前記識別子検出手段により検出された識別子と前記第2のSIMカードとを対応付けて前記第1のテーブルに格納する登録手段と、をさらに備える付記1に記載のモバイルルータ。
【0096】
(付記3)
前記第1のテーブルは、前記ユーザ端末ごとの専用のテーブルである、付記1又は2に記載のモバイルルータ。
【0097】
(付記4)
前記ユーザ端末から受信した接続要求のパケット内に格納されているMACアドレスを検出するアドレス検出手段と、
前記MACアドレスのユーザ端末用の第1のテーブルを備えている場合、当該ユーザ端末用の第1のテーブルへのアクセスを有効にし、前記MACアドレスのユーザ端末用の第1のテーブルを備えていない場合、当該ユーザ端末用のテーブルを新たに作成し、新たに作成した第1のテーブルへのアクセスを有効にするテーブル選択手段と、をさらに備える付記3に記載のモバイルルータ。
【0098】
(付記5)
複数のユーザ端末に対して共通に用いる第2のテーブルをさらに備え、
前記第2のテーブルは、アプリケーションの共通識別子と前記第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納する、付記3又は4に記載のモバイルルータ。
【0099】
(付記6)
ユーザ端末と、モバイルルータとを備えるSIMカードの自動切り替えシステムであって、
前記ユーザ端末は、
前記モバイルルータと通信を行う通信モジュールと、
使用するアプリケーションの識別子を、当該アプリケーションのパケット内に格納する識別子格納手段と、を備え、
前記モバイルルータは、
前記ユーザ端末と通信を行う端末側通信モジュールと、
無線基地局と通信を行う基地局側通信モジュールと、
第1のSIMカードを格納する第1のSIMスロットと、
第2のSIMカードを格納する第2のSIMスロットと、
アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納する第1のテーブルと、
前記ユーザ端末から受信したパケット内の識別子を検出する識別子検出手段と、
前記第1のテーブルを参照して、前記識別子検出手段により検出された識別子に対応するSIMカードを選択するSIMカード選択手段と、を備え、
前記基地局側通信モジュールは、前記SIMカード選択手段により選択されたSIMカードを用いて、前記アプリケーションのパケットの通信を行う、SIMカードの自動切り替えシステム。
【0100】
(付記7)
前記モバイルルータは、
前記第2のSIMカードより高速通信が可能な前記第1のSIMカードを用いて、前記無線基地局から受信した信号の通信速度を測定する測定手段と、
測定された前記通信速度と閾値とを比較する比較手段と、
前記通信速度が前記閾値以上である場合、前記識別子検出手段により検出された識別子と前記第1のSIMカードとを対応付けて前記第1のテーブルに格納し、前記通信速度が前記閾値未満である場合、前記識別子検出手段により検出された識別子と前記第2のSIMカードとを対応付けて前記第1のテーブルに格納する登録手段と、をさらに備える付記6に記載のSIMカードの自動切り替えシステム。
【0101】
(付記8)
前記第1のテーブルは、前記ユーザ端末ごとの専用のテーブルであり、
前記ユーザ端末は、
前記モバイルルータへ送信する接続要求のパケット内に、当該ユーザ端末のMACアドレスを格納するアドレス格納手段と、
複数のアプリケーションのそれぞれに対して、前記識別子を任意に振り分ける識別子振り分け手段と、をさらに備え、
前記モバイルルータは、
前記ユーザ端末から受信した前記接続要求のパケット内に格納されているMACアドレスを検出するアドレス検出手段と、
前記MACアドレスのユーザ端末用の第1のテーブルを備えている場合、当該ユーザ端末用の第1のテーブルへのアクセスを有効にし、前記MACアドレスのユーザ端末用の第1のテーブルを備えていない場合、当該ユーザ端末用のテーブルを新たに作成し、新たに作成した第1のテーブルへのアクセスを有効にするテーブル選択手段と、をさらに備える付記6又は7に記載のSIMカードの自動切り替えシステム。
【0102】
(付記9)
第1のSIMカードを格納する第1のSIMスロットと、第2のSIMカードを格納する第2のSIMスロットと、を備えるモバイルルータにおけるSIMカードの自動切り替え方法であって、
ユーザ端末から受信したパケット内の識別子を検出し、
アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納する第1のテーブルを参照して、検出された前記識別子に対応するSIMカードを選択し、
選択されたSIMカードを用いて、前記アプリケーションのパケットの無線基地局との通信を行うこと、を備えるSIMカードの自動切り替え方法。
【0103】
(付記10)
検出された前記識別子が前記第1のテーブルに格納されていない場合、前記第2のSIMカードより高速通信が可能な前記第1のSIMカードを用いて、前記無線基地局から受信した信号の通信速度を測定し、
測定された前記通信速度と閾値とを比較し、
前記通信速度が前記閾値以上である場合、検出された前記識別子と前記第1のSIMカードとを対応付けて前記第1のテーブルに格納し、前記通信速度が前記閾値未満である場合、検出された前記識別子と前記第2のSIMカードとを対応付けて前記第1のテーブルに格納すること、をさらに備える付記9に記載のSIMカードの自動切り替え方法。
【0104】
(付記11)
第1のSIMカードを格納する第1のSIMスロットと、第2のSIMカードを格納する第2のSIMスロットと、を備えるモバイルルータにおけるSIMカードの自動切り替え方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
ユーザ端末から受信したパケット内の識別子を検出し、
アプリケーションの識別子と第1又は第2のSIMカードとを対応付けて格納する第1のテーブルを参照して、検出された前記識別子に対応するSIMカードを選択し、
選択されたSIMカードを用いて、前記アプリケーションのパケットの無線基地局との通信を行うこと、を備えるプログラム。
【0105】
(付記12)
前記方法は、
検出された前記識別子が前記第1のテーブルに格納されていない場合、前記第2のSIMカードより高速通信が可能な前記第1のSIMカードを用いて、前記無線基地局から受信した信号の通信速度を測定し、
測定された前記通信速度と閾値とを比較し、
前記通信速度が前記閾値以上である場合、検出された前記識別子と前記第1のSIMカードとを対応付けて前記第1のテーブルに格納し、前記通信速度が前記閾値未満である場合、検出された前記識別子と前記第2のSIMカードとを対応付けて前記第1のテーブルに格納すること、をさらに備える付記11に記載のプログラム。