【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発行者名:第54回日本生体医工学会大会事務局 名古屋工業大学大学院 未来医療介護健康情報学研究所 刊行物名:生体医工学 第53巻 第54回日本生体医工学会大会 プログラム・抄録集 発行年月日:平成27年5月1日 〔刊行物等〕 集会名:第54回日本生体医工学会大会 健康寿命をのばす医工学 開催日:平成27年5月7日 開催場所:名古屋国際会議場 〔刊行物等〕 集会名:第54回日本生体医工学会大会 健康寿命をのばす医工学 開催日:平成27年5月8日 開催場所:名古屋国際会議場
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハウジングは、両端に開口部を備えた円筒状に形成されており、長さ方向の両端部の外縁部には前記操作ワイヤが挿通される4つの穴が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の多関節マニピュレータ。
前記ハウジングは、両端が閉塞された円筒状に形成されており、長さ方向の両端部の外縁部には前記操作ワイヤが挿通される4つの穴が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の多関節マニピュレータ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照して、本発明の第1の実施の形態を説明する。
本実施形態の多関節マニピュレータ1は、医療用の中空トロッカーであり、軟性内視鏡や操作鉗子等の処置具9を内部に通して用いられる。
図1,
図2に示すように、多関節マニピュレータ1は、3つの関節部を有する支持部材2と、支持部材2を通して配設されて支持部材2を湾曲させる操作ワイヤ4とを備えている。
【0011】
支持部材2は、4つの中空のハウジング21,22,23,24同士が軟性チューブ25内で操作ワイヤ4により複数接続されて構成されており、ハウジング21,22,23,24間に設けられた関節部で屈曲可能となっている。
【0012】
支持部材2の関節部には、磁性粒子混合体81,82,83が配置されている。磁性粒子混合体81,82,83は、リング状に形成された磁性粒子複合粘弾性体で構成されており、貫通孔21a,22a,23a,24aの周囲に配置されている。
【0013】
磁性粒子複合粘弾性体は、粘弾性材料に対して磁性粒子が20〜70重量%になるように分散されて形成されている。
【0014】
粘弾性材料は、ゴム弾性を有するものであればよく、熱硬化性エラストマー及び熱可塑性エラストマーの何れも用いることができる。また、磁性粒子の分散成形のし易さから、粘弾性材料を成形するための原料組成物が液状であり、磁性粒子を混合後に硬化成形できるものがよく、硬化後はゴム弾性を有するエラストマーがよい。
【0015】
粘弾性材料としては、電気特性,耐熱性,耐塞性,耐候性等に優れているシリコーンゴムを用いるのが好ましいが、粘弾性材料はこれに限られない。シリコーンゴムとしては、硬化反応が成形体の厚みや形状に関係なく表面及び内部と共に一様に硬化が進むことから、一液型よりも二液型シリコーンゴムの方が好ましい。また、シリコーンゴムとして、室温で硬化するRTVゴムを用いることもできる。粘弾性材料としては、ゲル化したものもチューブに入れる等して用いることができる。
【0016】
磁性粒子としては、鉄,窒化鉄,炭化鉄,カルボニル鉄,磁性酸化鉄類,フェライト類,ニッケル,コバルト、又はコバルト鉄の合金類,マグネタイト,ゲーサイト等の磁性を有する物質を用いることが出来る。磁性粒子は、粘弾性材料中に分散し易くするために平均粒子径50μm未満とするのが好ましく、略球形とするのが好ましい。
【0017】
磁性粒子複合粘弾性体は、磁性粒子を粘弾性材料に混合した後で硬化させて形成されるが、複合粘弾性体で磁性粒子が鎖状にクラスタを形成するようにするためには、磁性粒子を粘弾性材料に混合した後で磁束密度50mT以上の強さの磁場を印加した状態で硬化させるのが好ましい。
【0018】
ハウジング21,22,23,24は、両端が閉塞された円筒状に形成されている。ハウジング21,22,23,24内には、磁界発生用コイル7が配置されている。磁界発生用コイル7は、磁性粒子混合体81,82,83の剛性を可変するためのものであり、図示しない剛性可変手段と配線で接続されている。
【0019】
磁界発生用コイル7は、図示しない剛性可変手段により電流を流されて磁性粒子混合体81,82,83に磁場を印加し、磁性粒子混合体81,82,83を硬化させる。剛性可変手段は、多関節マニピュレータ1の手元側に設けられた操作部の操作で何れかの磁界発生用コイル7に電流を流し、磁性粒子混合体81,82,83に磁場を印加する。
【0020】
ハウジング21,22,23,24の長さ方向の両端部には、貫通孔21a,22a,23a,24aが設けられている。貫通孔21a,22a,23a,24aは、
図3に示すように、軟性内視鏡や操作鉗子等の処置具9をハウジング21,22,23,24の内部に挿通させるためのものである。
【0021】
支持部材2の先端に位置するハウジング21は、長さ方向の基端部の外縁部に、操作ワイヤ4が挿通される4つの穴21bが設けられている。他のハウジング22,23,24は、長さ方向の両端部の外縁部に、操作ワイヤ4が挿通される4つの穴22b,23b,24bが設けられている。
【0022】
操作ワイヤ4は、多関節マニピュレータ1の手元側に設けられた図示しない駆動手段によって牽引又は弛緩されるようになっている。駆動手段は、多関節マニピュレータ1の手元側に設けられた操作部の操作で駆動し、操作ワイヤ4を牽引又は弛緩する。
【0023】
次に、多関節マニピュレータ1の動作を説明する。
多関節マニピュレータ1は、
図1に示すように、ハウジング21,22,23,24に軟性内視鏡や操作鉗子等の処置具9を通して用いられる。ハウジング21,22,23,24を通された処置具9は、関節部では磁性粒子混合体81,82,83内を挿通される。
【0024】
多関節マニピュレータ1は、剛性可変手段により磁界発生用コイル7で磁性粒子混合体81,82,83の何れかに磁場を印加することでその磁性粒子混合体81,82,83を硬化させた後、駆動手段により操作ワイヤ4を牽引することで、
図4に示すように、磁場で磁性粒子混合体81,82,83が硬化されていない関節部を操作ワイヤ4で牽引された側に屈曲させることができる。
【0025】
例えば、
図5に示すように、ハウジング21とハウジング22との間の関節部及びハウジング23とハウジング24との間の関節部を同方向に屈曲させ、これら2つの関節部と反対側にハウジング22とハウジング23との間の関節部を屈曲させる場合には、まず、ハウジング22とハウジング23との間の関節部に配置された磁性粒子混合体82に磁界発生用コイル7で磁場を印加して磁性粒子混合体82を硬化させる。
【0026】
この状態で、ハウジング21とハウジング22との間の関節部及びハウジング23とハウジング24との間の関節部を屈曲させようとする側に配置された操作ワイヤ4を牽引する。これにより、ハウジング21とハウジング22との間の関節部及びハウジング23とハウジング24との間の関節部が操作ワイヤ4が牽引された側に屈曲する。
【0027】
続いて、ハウジング21とハウジング22との間の関節部及びハウジング23とハウジング24との間の関節部に配置された磁性粒子混合体81,83に磁界発生用コイル7で磁場を印加して磁性粒子混合体81,83を硬化させる。また、ハウジング22とハウジング23との間の関節部に配置された磁性粒子混合体82を軟化させる。この状態で、ハウジング22とハウジング23との間の関節部を屈曲させようとする側に配置された操作ワイヤ4を牽引する。
【0028】
これにより、ハウジング22とハウジング23との間の関節部が操作ワイヤ4が牽引された側に屈曲する。このようにして、多関節マニピュレータ1がハウジング21とハウジング22との間の関節部及びハウジング23とハウジング24との間の関節部を同方向に屈曲させ、その反対側にハウジング22とハウジング23との間の関節部を屈曲させた状態となる。
【0029】
多関節マニピュレータ1は、経皮的内視鏡下外科手術等でトラカールとして用いる場合には、
図6に示すように、患者の腹壁から腹腔の内部に挿入される。多関節マニピュレータ1は、体腔内に挿入された状態で上述の様にして関節部を屈曲させることで、先端を任意の方向に向けて用いられる。なお、多関節マニピュレータ1は、体表皮から腹壁に至る深さ分までをメス等で切開し、この切開部分から直接挿入することも、腹腔内に挿入された管状のガイド部材を介して挿入することも可能である。
【0030】
このようにして多関節マニピュレータ1の先端部分の方向を制御できるので、貫通孔21a,22a,23a,24aに内視鏡を通すことで多関節マニピュレータ1の先端から内視鏡を臓器と臓器との間等の狭い空間に挿入し、所要の検査を行うことができる。また、多関節マニピュレータ1は、体腔内で所要の処置を施すための鉗子,電気メス,薬液注入装置等の処置具9を臓器と臓器との間等の狭い空間に挿入して用いることもできる。
【0031】
本実施形態によれば、磁性粒子混合体81,82,83の何れかに磁場を印加することでその磁性粒子混合体81,82,83を硬化させた後、操作ワイヤ4を牽引することで磁性粒子混合体81,82,83が硬化されていない関節部を操作ワイヤ4で牽引された側に屈曲させることができるので、各関節部の屈曲方向を個別に自由に変えられる。このため、多関節マニピュレータ1の構成を簡略化できる。
【0032】
次に、図面を参照して、本発明の第2の実施の形態を説明する。
本実施形態の多関節マニピュレータ11は、第1の実施形態の多関節マニピュレータ1と同様に医療用のトロッカーであるが、
図7に示すように中実のトロッカーであり、先端にカプセル内視鏡等の処置具19を装着して用いられる。多関節マニピュレータ11は、第1の実施形態の多関節マニピュレータ1と同様、
図7,
図8に示すように、3つの関節部を有する支持部材12と、支持部材12を通して配設された操作ワイヤ14とを備えている。
【0033】
支持部材12は、4つのハウジング121,122,123,124同士が軟性チューブ125内でフレキシブル継手128により接続されており、
図9に示すようにハウジング121,122,123,124間に設けられた関節部で屈曲可能となっている。ハウジング121,122,123,124は、両端が閉塞された円筒状に形成されている。
【0034】
支持部材12の先端に位置するハウジング121の先端には、カプセル内視鏡等の処置具19を装着するための装着部が設けられている。関節部に配置された磁性粒子混合体181,182,183は、第1の実施形態の磁性粒子混合体81,82,83と同様にリング状の磁性粒子複合粘弾性体で構成されているが、フレキシブル継手128の周囲に配置されている。
【0035】
多関節マニピュレータ11は、図示しない剛性可変手段により磁界発生用コイル17で磁性粒子混合体181,182,183の何れかに磁場を印加することでその磁性粒子混合体181,182,183を硬化させた後、図示しない駆動手段により操作ワイヤ14を牽引することで、
図9に示すように、磁場で磁性粒子混合体181,182,183が硬化されていない関節部を操作ワイヤ14で牽引された側に屈曲させることができる。
【0036】
例えば、
図10に示すように、ハウジング121とハウジング122との間の関節部及びハウジング123とハウジング124との間の関節部を同方向に屈曲させ、これら2つの関節部と反対側にハウジング122とハウジング123との間の関節部を屈曲させる場合には、まず、ハウジング122とハウジング123との間の関節部に配置された磁性粒子混合体182を硬化させる。
【0037】
この状態で、ハウジング121とハウジング122との間の関節部及びハウジング123とハウジング124との間の関節部を屈曲させようとする側に配置された操作ワイヤ14を牽引することで、ハウジング121とハウジング122との間の関節部及びハウジング123とハウジング124との間の関節部が操作ワイヤ14が牽引された側に屈曲する。
【0038】
続いて、ハウジング121とハウジング122との間の関節部及びハウジング123とハウジング124との間の関節部に配置された磁性粒子混合体181,183を硬化させ、ハウジング122とハウジング123との間の関節部に配置された磁性粒子混合体182を軟化させる。この状態でハウジング122とハウジング123との間の関節部を屈曲させようとする側に配置された操作ワイヤ14を牽引する。
【0039】
これにより、ハウジング122とハウジング123との間の関節部が操作ワイヤ14が牽引された側に屈曲し、多関節マニピュレータ11がハウジング121とハウジング122との間の関節部及びハウジング123とハウジング124との間の関節部を同方向に屈曲させ、その反対側にハウジング122とハウジング123との間の関節部を屈曲させた状態となる。
【0040】
多関節マニピュレータ11は、第1の実施形態の多関節マニピュレータ1と同様にして腹腔の内部に挿入され、体腔内で関節部を屈曲させることで先端を任意の方向に向けて用いられる。このようにして多関節マニピュレータ11の先端部分の方向を制御できるので、多関節マニピュレータ11の先端に装着されたカプセル内視鏡等の処置具19を臓器と臓器との間等の狭い空間に挿入し、所要の検査を行うことができる。
【0041】
本実施形態によれば、磁性粒子混合体181,182,183の何れかに磁場を印加することでその磁性粒子混合体181,182,183を硬化させた後、操作ワイヤ14を牽引することで磁性粒子混合体181,182,183が硬化されていない関節部を操作ワイヤ14で牽引された側に屈曲させることができるので、第1の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。
【0042】
上記各実施形態では、支持部材2,12が3つの関節部を有する場合について説明したが、支持部材2,12が備える関節部の数は任意であり、3つには限定されない。また、上記各実施形態では、4本の操作ワイヤ4,14を用いて支持部材2,12を湾曲させた場合について説明したが、操作ワイヤ4,14の本数は任意であり、4本には限定されない。
【0043】
また、上記各実施形態では、各ハウジング21,22,23,24,121,122,123,124に1つの磁界発生用コイル7,17が備えられている場合について説明したが、各磁性粒子混合体81,82,83,181,182,183の前後に配置されているのであれば磁界発生用コイル7,17の数量は任意である。
【0044】
第1実施形態では、ハウジング21,22,23,24同士が操作ワイヤ4のみで接続されている場合について説明したが、ハウジング21,22,23,24同士の接続方法は任意であり、他に接続手段を備えていてもよい。第2実施形態では、ハウジング121,122,123,124同士がフレキシブル継手128で接続されている場合について説明したが、ハウジング121,122,123,124同士の接続方法は任意である。
【0045】
また、上記各実施形態では、ハウジング21,22,23,24,121,122,123,124が円筒状に形成されている場合について説明したが、ハウジング21,22,23,24,121,122,123,124の形状は任意であり、円筒状には限定されない。
【0046】
また、上記実施形態では、磁性粒子混合体81,82,83,181,182,183として磁性粒子複合粘弾性体を用いた場合について説明したが、磁性粒子混合体81,82,83,181,182,183の構成はこれには限定されず、例えば、磁性粒子を流体に分散したものをチューブ等に入れて構成することもできる。上記各実施形態では、多関節マニピュレータ1,11を医療用のトロッカーとして用いた場合について説明したが、医療機器、ロボット等のマニピュレータとして用いることも出来る。
【0047】
また、上記各実施形態では、ハウジング21,121とハウジング22,122との間の関節部及びハウジング23,123とハウジング24,124との間の関節部を屈曲させた後、ハウジング22,122とハウジング23,123との間の関節部を屈曲させた場合について説明したが、関節部を屈曲させる順序は任意である。また、上記各実施形態では、支持部材2,12が図中の左右方向に関節部を屈曲させた場合について説明したが、図中の手前方向及び奥行き方向にも関節部を屈曲させることができる。
【0048】
また、ハウジング21,22,23,24,121,122,123,124の材質は任意であるが、
図11に示すように、鉄等の磁性体で形成されたハウジング21,22,23,24を両端が開放された円筒状とし、ハウジング21,22,23,24の端部同士の間に磁性粒子混合体81,82,83を配置することで、磁性粒子混合体81,82,83に磁場を集中させてもよい。なお、磁界発生用コイル7は、ハウジング21,22,23,24の内側でなく外側に配置してもよい。また、上記実施形態では、磁性粒子混合体81,82,83,181,182,183がリング状に形成されている場合について説明したが、ハウジング21,22,23,24の周縁部又はフレキシブル継手128の周囲に環状に配置されているのであれば、磁性粒子混合体81,82,83,181,182,183の形状は任意である。
【0049】
また、本発明の多関節マニピュレータでは、ハウジングが磁性体で形成されており、磁性粒子混合体がハウジングと接触状態になっていることが好ましい。
【0050】
図12(a)は、磁性体で形成されたハウジング21A,22A,23A,24Aと磁性粒子混合体81A,82A,83A(82Aは不図示)とが接触状態となっている多関節マニピュレータ1Aの部分拡大断面図である。
【0051】
図12(a)の多関節マニピュレータ1Aの支持部材2Aでは、磁性体で形成されたハウジング21A,22A,23A,24Aの両端の外周面に、非磁性体で形成されたフランジ211A,221A,231A,241Aが設けられている。磁性粒子混合体81A,82A,83Aは、ハウジング21A,22A,23A,24A同士の間に配置され、前後のハウジング21A,22A,23A,24Aの端面と接触している。
【0052】
磁性粒子混合体81A,82A,83Aの外径R1は、ハウジング21A,22A,23A,24Aと等しい外径(15mm)に形成されている。多関節マニピュレータ1Aでは、磁界発生用コイル(不図示)によって、
図12(b)に示す磁束で磁性粒子混合体81A,82A,83Aに磁場が印加される。
【0053】
図12(b)は、多関節マニピュレータ1Aで生じる磁束を線で表しており、線の向きによって磁束の方向が表され、線の密度によって磁束密度が表されている。
【0054】
図12(b)に示すように、磁束を表す線は、磁性粒子混合体81A,82A,83Aの周辺(破線の丸で囲まれた箇所)において、ハウジング21A,22A,23A,24Aの長さ方向に沿って直線状に平行に延びており、ハウジング21A,22A,23A,24Aの長さ方向に沿った磁束の方向が均一であることが分かる。また、磁束を表す線同士の間隔が狭く、磁束密度が高いことが分かる。
【0055】
図13(a)は、磁性体で形成されたハウジング21B,22B,23B,24Bと磁性粒子混合体81B,82B,83B(82Bは不図示)とが非接触状態となっている多関節マニピュレータ1Bの部分拡大断面図である。
【0056】
図13(a)の多関節マニピュレータ1Bの支持部材2Bでは、磁性体で形成されたハウジング21B,22B,23B,24Bの両端面に、非磁性体で形成されたフランジ211B,221B,231B,241Bが設けられている。磁性粒子混合体81B,82B,83Bは、前後のハウジング21B,22B,23B,24Bが備えるフランジ211B,221B,231B,241B同士の間に配置され、ハウジング21B,22B,23B,24Bとは接触していない。
【0057】
磁性粒子混合体81B,82B,83Bの外径R2は、ハウジング21B,22B,23B,24Bと等しい外径(15mm)に形成されている。多関節マニピュレータ1Bでは、磁界発生用コイル(不図示)によって、
図13(b)に示す磁束で磁性粒子混合体81B,82B,83Bに磁場が印加される。
【0058】
図13(b)は、多関節マニピュレータ1Bで生じる磁束を線で表しており、線の向きによって磁束の方向が表され、線の密度によって磁束密度が表される。
図13(b)に示すように、磁束を表す線は、磁性粒子混合体81B,82B,83Bの周辺(破線の丸で囲まれた箇所)において、ハウジング21B,22B,23B,24Bの長さ方向に沿って波打つように延びており、ハウジング21B,22B,23B,24Bの長さ方向に沿った磁束の方向が不均一であることが分かる。また、磁束を表す線同士の間隔が
図12(b)に示す線同士に比べて広く、磁束密度が低いことが分かる。
【0059】
図12(a)に示す多関節マニピュレータ1Bと
図13(a)に示す多関節マニピュレータ1Bとを比較することで、ハウジング21B,22B,23B,24Bが磁性体で形成され、磁性粒子混合体81B,82B,83Bとハウジング21B,22B,23B,24Bとが接触していることで、磁性粒子混合体81B,82B,83Bの周辺において、ハウジング21B,22B,23B,24Bの長さ方向に沿った磁束の向きが均一になり、磁束密度が高まることが明らかになった。ハウジング21B,22B,23B,24Bの長さ方向に沿った磁束の向きを均一にし、磁束密度を高めることで、ハウジング21B,22B,23B,24Bの長さ方向に沿った磁性粒子混合体81B,82B,83Bの弾性率を増加させ、ハウジング21B,22B,23B,24B同士による圧縮方向に磁性粒子混合体81B,82B,83Bをより硬化させることが可能となる。
【0060】
また、ハウジングの両端にフランジが備えられている場合には、磁性粒子混合体の外径は、フランジではなくハウジングと等しい外径に形成されていることが好ましい。
【0061】
図14(a)及び
図15(a)は、ハウジング21C,22C,23C,24C,21D,22D,23D,24Dの両端にフランジ211C,221C,231C,241C,211D,221D,231D,241Dが備えられている多関節マニピュレータ1C,1Dの部分拡大断面図である。
図14(a)及び
図15(a)の多関節マニピュレータ1C,1Dの支持部材2C,2Dでは、磁性体で形成されたフランジ211C,221C,231C,241C,211D,221D,231D,241Dがハウジング21C,22C,23C,24C,21D,22D,23D,24Dの両端に一体に形成されている。
【0062】
図14(a)の多関節マニピュレータ1Cは、磁性粒子混合体81C,82C,83C(82Cは不図示)の外径R3がハウジング21C,22C,23C,24Cと等しい外径(15mm)に形成されている。
図15(a)の多関節マニピュレータ1Dは、磁性粒子混合体81D,82D,83Dの外径R4がフランジ211D,221D,231D,241Dと等しい外径(25mm)に形成されている。多関節マニピュレータ1C,1Dでは、磁界発生用コイル(不図示)によって、
図14(b)に示す磁束で磁性粒子混合体81C,82C,83C(82Dは不図示)に磁場が印加される。
【0063】
図14(b)は、多関節マニピュレータ1Cで生じる磁束を線で表しており、線の向きによって磁束の方向が表され、線の密度によって磁束密度が表されている。
【0064】
図14(b)の破線の丸で囲まれた箇所に示すように、磁束を表す線は、フランジ211C,221C,231C,241C部分では波打っているものの、磁性粒子混合体81C,82C,83Cに沿った部分ではハウジング21C,22C,23C,24Cの長さ方向に沿って直線状に平行に延びており、ハウジング21C,22C,23C,24Cの長さ方向に沿った磁束の方向が均一であることが分かる。また、磁束を表す線同士の間隔は、
図12(b)に示す多関節マニピュレータ1Aのものと同様に狭く、磁束密度が高いことが分かる。
【0065】
図15(b)は、多関節マニピュレータ1Dで生じる磁束を線で表しており、線の向きによって磁束の方向が表され、線の密度によって磁束密度が表されている。
【0066】
図15(b)の破線の丸で囲まれた箇所に示すように、磁束を表す線は、磁性粒子混合体81D,82D,83Dの前後のフランジ211D,221D,231D,241D部分から磁性粒子混合体81D,82D,83Dの中央部分にかけて外側に膨らむように曲がっており、ハウジング21D,22D,23D,24Dの長さ方向に沿った磁束の方向が均一でないことが分かる。また、磁束を表す線同士の間隔は、
図15(b)に示す多関節マニピュレータ1Cのものに比べて広く、磁束密度が低いことが分かる。
【0067】
図14(a)に示す多関節マニピュレータ1Cと
図15(a)に示す多関節マニピュレータ1Dとを比較することで、磁性粒子混合体の外径をフランジではなくハウジングと等しい外径に形成することで、磁性粒子混合体の周辺において、ハウジングの長さ方向に沿った磁束の向きが均一になり、磁束密度が高まることが分かる。このため、ハウジング同士による圧縮方向に磁性粒子混合体をより硬化させられることが明らかになった。
【0068】
また、
図12(a)に示す多関節マニピュレータ1Aと
図14(a)に示す多関節マニピュレータ1Cとを比較すると、磁性粒子混合体の外径をハウジングと等しい外径に形成する場合でも、フランジを非磁性体で形成することで、磁性粒子混合体の周辺においてハウジングの長さ方向に沿った磁束の向きをより均一にし、磁束密度を高められ、ハウジング同士による圧縮方向に磁性粒子混合体をより硬化させられることが明らかになった。