(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補助配線は、前記基板の前記一面上において、前記第1の透明電極の外側の、前記第1の透明電極と接触しない位置に形成されている請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について、例を挙げて詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。なお、以下の
図1〜6において、同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
【0015】
[実施形態1]
図1は、本発明の有機EL素子の一例の構成を示す図である。
図1(a)は上面図(平面図)であり、
図1(b)は、
図1(a)のA−A’方向に見た断面図である。図示のとおり、この有機EL素子10は、基板1、第1の電極2、補助配線3、発光層を含む有機層4、および、第2の電極5を含む。第1の電極2、有機層4、および第2の電極5は、基板1の一面上に、前記順序で積層されている。有機層4は、前記両電極に接して(直接に接触して)いることで、前記両電極と電気的に接続されている。有機層4の端部は、第1の電極2の外側に突出し、基板1の前記一面に接触している。補助配線3は、基板1の前記一面上において、有機層4の外側における、有機層4から若干離れた位置(有機層4と接触しない位置)に配置されている。また、これにより、補助配線3は、第1の電極2の外側の、第1の電極2から離れた位置(第1の電極2と接触しない位置)に配置されている。さらに、第2の電極5の端部は、有機層4の外側に突出して補助配線3の上面の一部を覆い、これにより、補助配線3が第2の電極5の端部に接触している。
【0016】
なお、
図1では、有機層4が前記両電極に接して(直接に接触して)いるが、本発明の有機EL素子では、前記有機層は、前記両電極と電気的に接続されていれば、前記両電極と直接に接触していなくてもよい。また、有機層4は、例えば、
図1のように、その一部のみが前記両電極の間に挟まれていてもよいし、後述する
図3のように、全部が前記両電極の間に挟まれていてもよい。さらに、
図1では、補助配線3は、第2の電極5に接触している。しかし、本発明では、前記補助配線は、前記第2の電極に電気的に接続されていれば、前記第2の電極に直接に接触していなくてもよい。本発明において、前記補助配線は、前記有機層の外側において、前記有機層と接触しない位置に配置され、前記第2の電極に電気的に接続されているとともに、前記第1の電極に接触していなければ、
図1の配置に限定されず、どのように配置されていてもよい。また、第1の電極2は、
図1では、基板1の上面の一部に接触しているが、接触していなくてもよい。さらに、
図1では、有機層4の一部(両端)が、基板1の上面に接触しているが、接触していなくてもよい。
【0017】
基板1の形成材料は、特に限定されないが、例えば、無機材料または有機材料があげられる。前記無機材料は、例えば、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、硼珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等があげられる。前記有機材料は、例えば、ポリエチレンナフタレートや、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ノルボルネンとエチレンとの共重合体等の脂環式オレフィン樹脂、ポリエーテルサルフォン、トリアセチルセルロース等があげられる。基板1の厚みは、特に制限されず、例えば、その形成材料、使用環境等に応じて、適宜設定できる。
【0018】
図1の有機EL素子10では、基板1は、一層の基板から構成されているが、本発明は、この例には限定されず、例えば、前記基板が複数の層から構成されていてもよい。
【0019】
第1の電極2および第2の電極5は、特に限定されないが、例えば、透明導電薄膜をスパッタ法等の従来公知の方法により形成したものでもよい。前記透明導電薄膜の形成材料も特に限定されないが、例えば、ITO、ZnO、IZO(登録商標、インジウム−亜鉛酸化物)、IGZO(インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム−亜鉛酸化物)、SnO
2等があげられる。
【0020】
なお、本発明の有機EL素子は、前記有機層からの発光を取り出すために、前記基板および前記第1の電極がいずれも透光性(透明)であるという条件と、前記第2の電極が透光性(透明)であるという条件の、一方または両方の条件を満たす必要がある。前記基板、前記第1の電極、前記第2の電極を形成する透光性(透明)材料は、特に限定されないが、例えば、前述の各材料があげられる。
【0021】
有機層4は、発光層を含む以外は特に限定されず、例えば、一般的な有機EL素子における有機層と同様でもよい。有機層4は、例えば、有機エレクトロルミネッセンス物質を含む発光層を含み、前記発光層を挟むように正孔輸送層および電子輸送層を含み、さらに、正孔輸送層および電子輸送層を挟むように正孔注入層および電子注入層等を含んでいてもよい。また、有機層4は、例えば、さらに、正孔または電子をブロックし発光効率を高めるキャリアブロック層を含んでもよい。有機層4は、例えば、第1の電極2側から、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層が、前記順序で積層された積層体であってもよい。
【0022】
前記正孔注入層は、第1の電極2(陽極)から有機層4へ注入される正孔に対する注入障壁の高さを下げると共に、前記陽極と前記正孔輸送層とのエネルギーレベルの相違を緩和し、前記陽極から注入される正孔が前記正孔輸送層へ容易に注入されるように設けられる層である。前記正孔注入層は、正孔注入層材料から形成される。前記正孔注入層材料は、例えば、正孔注入性有機材料等があげられ、具体的には、例えば、銅フタロシアニン、スターバースト型芳香族アミン等のアリールアミン誘導体等があげられる。また、前記正孔注入性有機材料は、例えば、さらに、注入障壁を下げ、駆動電圧を低下させるために、五酸化バナジウム、三酸化モリブデン等の無機物、または、F4−TCNQ等の有機物を化学ドーピングしたものでもよい。
【0023】
前記正孔輸送層は、正孔輸送層材料から形成されることが好ましい。前記正孔輸送層材料は、前記発光層への正孔の移動率を高めるため、適度なイオン化ポテンシャルを有し、同時に、前記発光層からの電子の漏洩を阻止する電子親和力を有する材料である。具体的には、例えば、トリフェニルジアミン類、スターバースト型芳香族アミン等があげられる。前記トリフェニルジアミン類は、例えば、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン、4,4’−ビス(m−トリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)、N,N’−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)等があげられる。
【0024】
前記発光層は、電極から注入された電子と正孔とを再結合させ、蛍光、燐光等を発光させる層である。前記発光層は、発光材料を含む。前記発光材料は、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq
3)、ビスジフェニルビニルビフェニル(BDPVBi)、1,3−ビス(p−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾールイル)フェニル(OXD−7)、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(BPPC)、1,4ビス(N−p−トリル−N−4−(4−メチルスチリル)フェニルアミノ)ナフタレン等の低分子化合物、または、ポリフェニレンビニレン系ポリマー等の高分子化合物等があげられる。
【0025】
また、前記発光材料は、例えば、ホストとドーパントとの二成分系からなり、ホスト分子で生成した励起状態のエネルギーがドーパント分子へ移動してドーパント分子が発光する材料でもよい。このような発光材料は、例えば、前述の発光材料、後述の電子輸送層材料、前記正孔輸送層材料があげられる。具体的には、例えば、ホストのAlq
3等のキノリノール金属錯体に、ドーパントの4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、2,3−キナクリドン等のキナクリドン誘導体、もしくは、3−(2’−ベンゾチアゾール)−7−ジエチルアミノクマリン等のクマリン誘導体をドープしたもの、ホストの電子輸送性材料であるビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリン)−4−フェニルフェノール−アルミニウム錯体に、ドーパントのペリレン等の縮合多環芳香族をドープしたもの、または、ホストの正孔輸送層材料である4,4’−ビス(m−トリルフェニルアミノ)ビフェニル(TPD)に、ドーパントのルブレン等をドープしたもの、ホストの4,4’−ビスカルバゾリルビフェニル(CBP)、4,4’−ビス(9−カルバゾリル)−2,2’−ジメチルビフェニル(CDBP)等のカルバゾール化合物に、ドーパントの白金錯体、トリス−(2フェリニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)
3)、ビス(4,6−ジ−フルオロフェニル)−ピリジネート−N,C2)イリジウム(ピコリネート)(FIr(pic))、ビス(2−2’−ベンゾチエニル)−ピリジネート−N,C3イリジウム(アセチルアセトネート)(Btp
2Ir(acac))、トリス−(ピコリネート)イリジウム(Ir(pic)
3)、ビス(2−フェニルベンゾチオゾラト−N,C2)イリジウム(アセチルアセトネート)(Bt
2Ir(acac))等のイリジウム錯体をドープしたもの等があげられる。
【0026】
前述の発光材料は、例えば、有機EL照明パネルの目的とする発光色に応じて、適宜選択できる。具体的には、例えば、緑色発光の場合、ホストとしてAlq
3、ドーパントとしてキナクドリン、クマリン等、または、ホストとしてCBP、ドーパントとしてIr(ppy)
3等、青色発光の場合、ホストとして4,4’−ビス(2,2−ジフェニルエテニル)−1,1’−ビフェニル(DPVBi)、ドーパントとしてペリレン、ジスチリルアリーレン誘導体等、または、ホストとしてCBP、ドーパントとしてFIr(pic)等、緑〜青緑色発光の場合、ホストとしてAlq
3、ドーパントとしてOXD−7等、赤〜オレンジ色発光の場合、ホストとしてAlq
3、ドーパントとしてDCM、4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルユロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(DCJTB)、または、ホストとしてCBP、ドーパントとしてIr(pic)
3等、黄色発光の場合、ホストとしてAlq
3、ドーパントとしてルブレン、または、ホストとしてCBP、ドーパントとしてBt
2Ir(acac)等を選択できる。
【0027】
白色発光の前記発光層は、例えば、赤色、緑色、青色を発光する発光材料をそれぞれ含有する三層積層構造の層があげられる。この他にも、青色および黄色等、補色を発光する発光材料をそれぞれ含有する二層積層構造の層、これら各色の発光材料を多元共蒸着等で層を形成することにより、これらの発光材料が混在する一層構造の層等があげられる。さらに、前述の三層積層構造の層または二層積層構造の層における各色層を構成する発光材料を、例えば、順次、赤色、青色、緑色等の微細な画素を平面的に配列して形成した層を、白色発光の前記発光層とすることもできる。
【0028】
前記電子輸送層は、電子輸送層材料から形成されることが好ましい。前記電子輸送層材料は、前記発光層への電子の移動率を高めるため、適度なイオン化ポテンシャルを有し、同時に、前記発光層から正孔が漏洩するのを阻止する電子親和力を有する材料である。具体的には、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(Bu−PBD)、OXD−7等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、キノリノール系の金属錯体等の有機材料等があげられる。また、前記電子輸送層材料は、例えば、前記有機材料にリチウム等アルカリ金属のような電子供与性物質を化学ドーピングしたものでもよい。
【0029】
前記電子注入層は、例えば、陰極の形成に用いられるアルミニウム等の金属材料の仕事関数と、前記電子輸送層の電子親和力(LUMO準位)とのエネルギー差が大きいことに起因して、前記陰極から前記電子輸送層への電子の注入が困難になるのを緩和するために設けられる。前記電子注入層は、電子注入層材料から形成されることが好ましい。前記電子注入層材料は、仕事関数の小さい材料があげられ、具体的には、例えば、リチウム、セシウム等のアルカリ金属もしくはカルシウム等のアルカリ土類金属の、フッ化物もしくは酸化物、または、マグネシウム銀やリチウムアルミニウム合金等があげられる。
【0030】
前記キャリアブロック層は、例えば、正孔ブロック層があげられる。前記正孔ブロック層は、前記発光層内で発光に寄与しないで通過する正孔をブロックし、前記発光層内での再結合確率を高めるために、前記発光層と前記電子輸送層との間に設けられる。前記正孔ブロック層の形成材料は、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)、トリフェニルジアミン誘導体、トリアゾール誘導体等があげられる。
【0031】
有機層4の厚みは、特に制限されず、例えば、有機層4を構成する各層の厚みは、1〜500nmの範囲であり、前記各層の合計厚みは、例えば、100〜1000nmの範囲である。
【0032】
補助配線3の形成材料は、特に限定されないが、例えば、Cr(クロム)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ag(銀)、Au(金)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ni(ニッケル)、および、これらの合金等があげられる。前記合金は、例えば、Al−Mo(アルミニウム−モリブデン)、Al−Nd(アルミニウム−ネオジム)、Al−Ni(アルミニウム−ニッケル)、Mo−Nb(モリブデン−ニオブ)等があげられる。これらの中でも、Mo−Nb/Al−Nd/Mo−Nbの3層構造の積層体(MAM)が、対環境性、信頼性、汎用性(価格面)から特に好ましい。前記形成材料の体積抵抗率は、20℃において、1.59×10
−8〜13×10
−8Ω・mの範囲内にあるのが好ましく、より好ましくは1.59×10
−8〜7×10
−8Ω・mの範囲内である。前記体積抵抗率の下限である「1.59×10
−8Ω・m」は、最も低抵抗であるAg(銀)の抵抗値である。体積抵抗率が前記範囲内にあると、電極側の配線抵抗を下げる効果が大きくなるため、好ましい。なお、補助配線により第2の電極の抵抗率を低下させるという目的のためには、補助配線はなるべく厚く、かつ、なるべく幅広くすることが好ましい。しかし、有機EL素子の外観のためには、補助配線の幅が広すぎないことが好ましい。また、補助配線の厚みが大き過ぎると、補助配線とその下の層との段差の箇所において、補助配線の上に形成した層が切れてしまう現象(段切れ)が起こる恐れがあるため、補助配線の厚みが大きすぎないことが好ましい。補助配線の幅は、特に限定されないが、例えば1〜4mmである。前記MAMを補助配線として用いる場合、各層の厚みは、順にそれぞれ、30〜50nmの範囲、200〜500nmの範囲、30〜50nmの範囲であることが好ましく、例えば、Mo合金50nm、Al合金400nm、およびMo合金50nmの順序で積層させることができる。
【0033】
図1の有機EL素子10では、補助配線3が、第2の電極5に接触することで、第2の電極5と電気的に接続されている。これにより、面全体を均一に発光させることができる。補助配線3は、例えば、
図1に示すように、有機層4の両端側(同図において左右)に配置されていてもよいが、一端側に配置されていても良い。しかしながら、両端側に配置する方が、より均一に発光させることが出来るので好ましい。また、図示していないが、補助配線3は、有機層4の周囲を囲むように配置することが、さらに均一に発光させることができるためさらに好ましく、有機層4の周囲全体を囲むように配置することが特に好ましい。なお、補助配線3は、有機層4と接触しない位置に配置するのであれば、その位置は、有機層4の外側には限定されない。具体的には、例えば、
図2の上面図(平面図)に示すように、補助配線3を基板1の一面上のほぼ中央部に配置し、有機層4を、その外側(同図においては、補助配線3の左右の両端側)に、補助配線3に接触しないように離して配置してもよい。なお、
図2の有機EL素子については、図示の簡略化のため、基板1、補助配線3および有機層4以外の他の構成要素については図示を省略している。前記他の構成要素は、特に限定されないが、例えば、
図1の有機EL素子10と同様、基板1と有機層4の間に第1の電極を設けるとともに、補助配線3および有機層4の上面を第2の電極が覆うようにしてもよい。また、図示していないが、例えば、補助配線を基板の一面上のほぼ中央部に配置するとともに、有機層は、前記補助配線の周囲の全部または一部を取り囲むように、かつ、前記補助配線に接触しないように離して配置してもよい。しかし、補助配線3は、有機層4の外側に配置する方が、有機層4の発光を妨げにくいため好ましい。そして、補助配線3は、第1の電極2と接触していない。これにより、後述するように、第1の電極2上に補助配線3を成膜する必要がないため、前記成膜工程において使用するマスクの接触などによるショートを防止することができる。なお、補助配線3は、前述のとおり、第2の電極5と電気的に接続されていれば、第2の電極と接触するという接続形態に限定されない。
【0034】
なお、第1の電極2、補助配線3、有機層4、および第2の電極5の各層は、その縁と基板1平面とのなす角が鈍角であると、その上に形成する層が段切れを起こしにくい等の理由により好ましい。
図4の断面図に、その例を示す。図示のとおり、この有機EL素子30は、第1の電極2、補助配線3、有機層4、および第2の電極5の各層の縁がテーパー形状となっており、基板平面1とのなす角が鈍角であること以外は、
図1(a)の有機EL素子10と同じである。特に、本発明の有機EL素子において、前記補助配線の縁と前記基板平面とのなす角が鈍角であると、前記補助配線の上に積層させる前記第2の電極(例えばITO)が段切れを起こしにくく好ましい。例えば、
図4の有機EL素子30は、補助配線3の縁がテーパー形状であることにより、補助配線3と有機層4との隙間の段差が緩やかになっており、第2の電極5が段切れを起こしにくい。
【0035】
つぎに、
図1の有機EL素子10の製造方法は、特に限定されないが、例えば、以下のようにして行うことができる。
【0036】
(第1の電極形成工程)
まず、基板1を準備する。つぎに、基板1の一面上に、例えば、スパッタ法により、ITO等からなる第1の電極を形成する。なお、この工程において、所望の形状にパターニングするために、フォトリソグラフィ工程を行ってもよい。前記フォトリソグラフィ工程は、特に限定されないが、例えば、以下のような従来公知の方法により行うことができる。すなわち、まず、基板1上に絶縁性のフォトレジストを塗布する。つぎに、フォトマスクを介して露光、現像、焼成を行い、前記フォトレジストをパターニングする。このとき、第1の電極に対応する位置のレジストを除去しておく。さらに、第1の電極の形成材料の層を基板前面に形成後、前記フォトレジストの剥離を行う。これにより、第1の電極に対応する位置以外の部分の電極の形成材料がリフトオフされ、第1の電極のパターニングができる。
【0037】
(補助配線形成工程)
つぎに、補助配線3を、有機層4形成位置の外側の、有機層4と接触しない位置に形成する。このとき、補助配線3が、第1の電極2に接触しないように形成する。
図1の有機EL素子10では、図示のとおり、補助配線3を、基板1の前記一面上において、第1の電極2の外側における、第1の電極2から離れた位置、かつ、有機層4形成位置の外側における、有機層4形成位置から離れた位置に配置する。これにより、補助配線3が第1の電極2および有機層4に接触しないようにする。なお、補助配線3を形成する補助配線形成工程と、有機層4を形成する有機層形成工程(後述)とは、どちらを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。補助配線形成工程は、特に限定されないが、例えば、前記第1の電極形成工程と同様、スパッタ法により行うことができる。なお、この工程において、所望の形状にパターニングするために、前記フォトリソグラフィ工程を行っても良い。前記フォトリソグラフィ工程は、特に限定されない。本発明の有機EL素子の製造方法では、前述のとおり、補助配線形成工程において、補助配線を、第1の電極に接触しないように形成する。このため、例えば、補助配線形成工程における前記フォトリソグラフィ工程では、シャドーマスクを用いなくても良いことにより、シャドーマスクが前記第1の電極の成膜面に接触することを防止できる。したがって、前記シャドーマスク表面の凹凸や金属粒子(パーティクル)により、前記第1の電極に傷が入り、ショート、リーク等の不具合の原因となるのを防ぐことができる。
【0038】
(有機層形成工程)
つぎに、有機層4を、前記第1の電極上に形成する。有機層4の形成方法は、特に限定されないが、例えば、蒸着法による性膜等の従来公知の方法により行うことができる。より具体的には、例えば、前記発光層が前述の低分子化合物(低分子有機EL材料)から形成される場合、例えば、前記発光層は、前記低分子有機EL材料の抵抗加熱による真空蒸着法により成膜して形成できる。また、例えば、前記発光層が前述の高分子化合物(高分子有機EL材料)から形成される場合、例えば、前記発光層は、前記高分子有機EL材料を、スリットコート法、フレキソ印刷法、インクジェット法等により塗布成膜して形成できる。なお、
図1の有機EL素子10では、前述のとおり、有機層4の一部(両端)が、基板1の上面に接触するように形成しているが、接触させなくてもよい。
【0039】
(第2の電極形成工程)
つぎに、第2の電極5を、有機層4上に形成する。このとき、第2の電極5が、補助配線3に電気的に接続されるようにする。
図1の有機EL素子10では、前述のとおり、第2の電極5の端部が、有機層4の外側に突出して補助配線3上面に直接に接触していることにより、第2の電極5と補助配線3が電気的に接続されている。前記第2の電極形成工程は、特に限定されないが、例えば、前記第1の電極形成工程と同様に、スパッタ法により形成することができる。なお、この工程において、所望の形状にパターニングするために、フォトリソグラフィ工程を行っても良い。前記フォトリソグラフィ工程は、特に限定されないが、例えば、第1の電極形成工程または補助配線形成工程における前記フォトリソグラフィ工程と同様にして行うことができる。
【0040】
以上のようにして
図1の有機EL素子10を製造することができるが、前述のとおり、有機EL素子10の製造方法は、これに限定されない。例えば、有機EL素子10の製造方法は、前記第1の電極形成工程、前記第2の電極形成工程、前記有機層形成工程、および前記補助配線形成工程以外の工程を、適宜含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【0041】
また、有機EL素子10の使用方法も、特に限定されず、例えば、従来公知の有機EL素子と同様の方法で使用でき、例えば、ディスプレイパネル等に使用してもよい。
【0042】
[実施形態2]
つぎに、本発明の有機EL素子において、絶縁層を形成した別の実施形態について説明する。
【0043】
図3に、本実施形態の有機EL素子の構成を示す。
図3(a)は上面図(平面図)であり、
図3(b)は、
図3(a)のB−B’方向に見た断面図である。図示のとおり、この有機EL素子20は、基板1、第1の電極2、補助配線3、発光層を含む有機層4、第2の電極5に加え、さらに、絶縁層6を含む。
図1の有機EL素子10では、補助配線3は、第1の電極2の外側に形成されているが、
図3の有機EL素子20では、補助配線3は、第1の電極2上に形成されている。ただし、絶縁層6は、前記第1の電極上に形成され、補助配線3は、絶縁層6を介して第1の電極2上に積層されていることにより、第1の電極2に接触していない。また、有機層4の端部は、
図1と異なり、第1の電極2の外側に突出しておらず、絶縁層6の上面の一部に接触している。そして、補助配線3は、有機層4の外側における、有機層4から若干離れた位置(有機層4と接触しない位置)に配置されている。これら以外は、
図3の有機EL素子20の構成は、
図1の有機EL素子10と同様である。有機EL素子20が絶縁層6を含む事により、例えば、発光エリア(発光面積)を制御することができる。なお、本発明において、前記絶縁層が前記第1の電極と前記補助配線の間に挟まれ、前記絶縁層により、前記補助配線が前記第1の電極に接触しないように隔てられていれば、前記絶縁層の配置は、
図3に示すような配置に限定されず、どのような配置であっても良い。また、
図3では、有機層4の一部(両端)が、絶縁層6に接触しているが、接触していなくてもよい。
【0044】
絶縁層6の形成材料は、特に限定されず、例えば、無機材料または高分子材料等があげられる。絶縁層6は、絶縁性のフォトレジストを用いて、フォトリソグラフィ工程により形成することが好ましい。前記絶縁性のフォトレジストとしては、例えば、アクリル系、ノボラック、ポリイミド系等の光感受性高分子材料等があげられる。前記絶縁性のフォトレジストで絶縁層6を形成する場合は、例えば、フォトエッチング工程を使用せず、フォトリソグラフィの工程のみで形成できるので工程の負荷を軽減できる。また、絶縁層6の厚みは、特に限定されないが、例えば、400〜800nm程度である。
【0045】
なお、実施形態1と同様、第1の電極2、補助配線3、有機層4、第2の電極5、および絶縁層6の各層において、その縁と基板1平面とのなす角が鈍角であると、その上に形成する層が段切れを起こしにくい等の理由により好ましい。
図5の断面図に、その例を示す。図示のとおり、この有機EL素子30は、第1の電極2、補助配線3、有機層4、第2の電極5および絶縁層6の各層の縁がテーパー形状となっており、基板平面1とのなす角が鈍角であること以外は、
図3(a)の有機EL素子20と同じである。特に、
図5の有機EL素子40は、補助配線3の縁がテーパー形状であることにより、
図4の有機EL素子30と同様、補助配線3と有機層4との隙間の段差が緩やかになっており、第2の電極5が段切れを起こしにくい。
【0046】
図3の有機EL素子20の製造方法は、特に限定されないが、例えば、絶縁層6を形成する絶縁層形成工程をさらに含むことと、補助配線形成工程において、補助配線3を、絶縁層6上に、第1の電極2に接触しないように形成すること以外は、実施形態1の有機EL素子10の製造方法と同様に行うことができる。前記絶縁層形成工程は、特に限定されないが、例えば、前記第1の電極形成工程と同様に、スパッタ法により形成することができる。なお、この工程において、所望の形状にパターニングするために、前述のようにフォトリソグラフィ工程を行っても良い。前記フォトリソグラフィ工程は、特に限定されないが、例えば、第1の電極形成工程における前記フォトリソグラフィ工程と同様にして行うことができる。本発明の有機EL素子の製造方法では、前述のとおり、補助配線形成工程において、補助配線を、第1の電極に接触しないように形成する。このために、例えば、
図1のように、補助配線3を第1の電極2の外側に配置してもよいが、
図3のように、補助配線3を絶縁層6上に形成してもよい。補助配線を、第1の電極に接触しないように形成することで、前述のとおり、補助配線形成時のシャドーマスク表面の凹凸や金属粒子(パーティクル)により、前記第1の電極に傷が入り、ショート、リーク等の不具合の原因となるのを防ぐことができる。
【0047】
また、
図3の有機EL素子20の使用方法も、特に限定されず、例えば、
図1の有機EL素子10と同様に、従来公知の有機EL素子と同様の方法で使用でき、例えば、ディスプレイパネル等に使用してもよい。
【0048】
[実施形態3]
つぎに、本発明の有機EL素子において、絶縁層を形成したさらに別の実施形態について説明する。
【0049】
図6に、本実施形態の有機EL素子の構成を示す。
図6(a)は上面図(平面図)であり、
図6(b)は、
図6(a)のC−C’方向に見た断面図である。図示のとおり、絶縁層6及び補助配線3が、第2の電極5の周囲を囲むように配置されていること以外は、実施形態2と同様である。本実施形態のように、絶縁層6及び補助配線3が、第2の電極5の周囲を囲むように配置することが、明るさの均一性をさらに改善する上で好ましい。なお、
図6では、有機層4の一部(周辺)が、絶縁層6に接触しているが、接触していなくてもよい。また、実施形態2と同様、第1の電極2、補助配線3、有機層4、第2の電極5、および絶縁層6の各層において、その縁と基板1平面とのなす角が鈍角であるようなテーパー形状であってもよい(図示せず)。
【0050】
図6の有機EL素子50の製造方法は、特に制限されないが、例えば、同図に示すように、絶縁層形成工程及び補助配線形成工程において、それぞれ絶縁層6及び補助配線3を、第2の電極5の形成位置の周囲を囲むように形成すること、及び有機層形成工程において、有機層4の一部(周囲)を、絶縁層6に接触するように形成すること以外は、実施形態2の有機EL素子20の製造方法と同様に行うことができる。
【0051】
また、
図6の有機EL素子50の使用方法も、特に限定されず、例えば、
図1の有機EL素子10と同様に、従来公知の有機EL素子と同様の方法で使用でき、例えば、ディスプレイパネル等に使用してもよい。
【実施例】
【0052】
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記の実施例によって何ら限定および制限されない。
【0053】
[実施例1]
以下のようにして、
図1に示す有機EL素子10を製造した。すなわち、まず、基板1として、ガラス基板(厚み:0.7mm)を準備した。つぎに、この基板1の一面上に、スパッタ法によりITOを製膜し、さらに、所定の形状にパターニングして第1の電極2を形成した。
【0054】
つぎに、第1の電極2の外側における、第1の電極2から離れた位置に、第1の電極2と接触しないようにMAM(Mo合金−Al合金−Mo合金の積層体)をスパッタ法により製膜した。なお、この工程において、所定の形状にパターニングするため、フォトリソグラフィ工程を行い、補助配線3を形成した。さらに、補助配線3の内側の、補助配線3に接触しない(補助配線3から離れた)領域に、有機層4を蒸着法にて製膜した。このとき、
図1に示したように、有機層4の一部が第1の電極2の上面と接触するようにした。さらに、有機層4および補助配線3上に、スパッタ法によりITOを製膜して第2の電極5を形成した。このようにして、
図1に示す有機EL素子を製造した。
【0055】
[実施例2]
以下のようにして、
図3に示す有機EL素子20を製造した。すなわち、まず、基板1として、ガラス基板(厚み:0.7mm)を準備した。つぎに、この基板1の一面上に、スパッタ法によりITOを製膜し、さらに、所定の形状にパターニングして第1の電極2を形成した。
【0056】
つぎに、アクリル製のレジストを第1の電極2上の全面に塗布し、これを所定の形状にパターニングして絶縁層6を形成した。さらに、絶縁層6上に、MAM(Mo合金−Al合金−Mo合金の積層体)をスパッタ法により製膜した。なお、この工程において、所定の形状にパターニングするため、フォトリソグラフィ工程を行い、補助配線3を形成した。さらに、第1の電極2上において、補助配線3の内側の、補助配線3に接触しない(補助配線3から離れた)領域に、有機層4を蒸着法にて製膜した。このとき、
図3に示すように、有機層4の両端の一部が、絶縁層6の上面に接触するようにした。さらに、有機層4および補助配線3上に、スパッタ法によりITOを製膜して第2の電極5を形成した。このようにして、
図3に示す有機EL素子を製造した。
【0057】
[実施例3]
以下のようにして、
図6に示す有機EL素子50を製造した。すなわち、まず、基板1として、ガラス基板(厚み:0.7mm)を準備した。つぎに、この基板1の一面上に、スパッタ法によりITOを製膜し、さらに、所定の形状にパターニングして第1の電極2を形成した。
【0058】
つぎに、アクリル製のレジストを第1の電極2上の全面に塗布し、これを所定の形状にパターニングして絶縁層6を形成した。さらに、絶縁層6上に、MAM(Mo合金−Al合金−Mo合金の積層体)をスパッタ法により製膜した。なお、この工程において、所定の形状にパターニングするため、フォトリソグラフィ工程を行い、補助配線3を形成した。さらに、第1の電極2上において、補助配線3の内側の、補助配線3に接触しない(補助配線3から離れた)領域に、有機層4を蒸着法にて製膜した。このとき、
図6に示すように、有機層4の周囲の一部が、絶縁層6の上面に接触するようにした。さらに、有機層4および補助配線3上に、スパッタ法によりITOを製膜して第2の電極5を形成した。このようにして、
図6に示す有機EL素子を製造した。
【0059】
[参考例]
補助配線3を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、参考例の有機EL素子を製造した。
【0060】
[比較例]
前記シャドーマスクを用いた補助配線3の形成をITO膜(第1の電極)2の形成後に行い、補助配線3をITO膜(第1の電極)2に接触させて配置したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例の有機EL素子を製造した。
【0061】
以上のとおり製造した実施例1〜3、参考例および比較例の有機EL素子について、通電時の明るさの均一性、ショート数およびリークを評価した。その結果、補助配線を形成した実施例1〜3は、補助配線を形成しない参考例に対し、明るさの均一性が改善されていたが、特に実施例3では、顕著に改善されていた。また、補助配線が第1の電極に接触していない実施例1〜3は、補助配線が第1の電極に接触している比較例に対し、ショート数およびリークが低減していた。これは、実施例1〜3においては、シャドーマスクを用いる必要がなく、補助配線3の形成時にシャドーマスクが第1の電極2に接触しなかったので、シャドーマスク表面の凹凸や金属粒子(パーティクル)により第1の電極2に傷が入ることがなかったためである。これに対し、比較例では、補助配線3の形成時に用いたシャドーマスクが第1の電極2に接触し、第1の電極2に傷が入ったため、第1の電極2に、前記傷によるショートおよびリークが起こった。
【0062】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0063】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載しうるが、以下には限定されない。
【0064】
(付記1)
基板、第1の電極、第2の電極、発光層を含む有機層、および補助配線を含み、
前記基板の一面上に、前記第1の電極、前記有機層、および前記第2の電極が、前記順序で積層され、前記有機層は、前記両電極と電気的に接続され、
前記補助配線は、前記有機層と接触しない位置に配置され、前記第2の電極に電気的に接続されているとともに、前記第1の電極に接触していないことを特徴とする
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0065】
(付記2)
前記補助配線が、前記有機層の外側において、前記有機層と接触しない位置に配置されている付記1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0066】
(付記3)
前記補助配線は、前記基板の前記一面上において、前記第1の電極の外側の、前記第1の電極と接触しない位置に形成されている付記1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0067】
(付記4)
さらに、絶縁層を含み、
前記絶縁層は、前記第1の電極上に形成され、
前記補助配線は、前記絶縁層を介して前記第1の電極上に積層されていることにより、前記第1の電極に接触していない付記1または2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0068】
(付記5)
前記補助配線が、前記第2の電極の両端側に配置されている付記1から4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0069】
(付記6)
前記補助配線が、前記第2の電極の周囲を囲むように配置されている付記4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0070】
(付記7)
前記補助配線の縁と前記基板平面とのなす角が鈍角である付記1から6のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0071】
(付記8)
付記1から7のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を含むことを特徴とするディスプレイパネル。
【0072】
(付記9)
第1の電極を、基板の一面上に形成する第1の電極形成工程と、
発光層を含む有機層を、前記第1の電極上に形成する有機層形成工程と、
第2の電極を、前記有機層上に形成する第2の電極形成工程と、
補助配線を、前記有機層と接触しない位置に形成する補助配線形成工程とを含み、
前記補助配線形成工程において、前記補助配線を、前記第1の電極に接触しないように形成し、
前記補助配線形成工程または前記第2の電極形成工程において、前記補助配線が前記第2の電極に電気的に接続されるようにすることを特徴とする
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【0073】
(付記10)
前記補助配線を、前記有機層形成位置の外側において前記有機層と接触しない位置に形成する付記9記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【0074】
(付記11)
前記補助配線形成工程において、前記補助配線を、前記基板の前記一面上における前記第1の電極の外側において、前記第1の電極に接触しない位置に形成する付記9または10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【0075】
(付記12)
さらに、前記第1の電極上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程を含み、
前記補助配線形成工程において、前記補助配線を、前記絶縁層上に、前記第1の電極と接触しないように形成する付記9または10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【0076】
(付記13)
前記補助配線形成工程において、シャドーマスクによるパターニングを用いずに前記補助配線を形成する付記9から12のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【0077】
この出願は、2013年6月11日に出願された日本出願特願2013−123188を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。