(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収納装置は、前記収納ボックスの用途を設定したデータベースを管理し、備品貸出しに係る前記認証処理が行われた場合、該データベースを参照して用途が備品収納に設定されている収納ボックスのみを解錠対象にすることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の備品貸出システム。
前記管理サーバは、前記登録した予約について前記予約貸出時期に至っても備品が貸し出されていない場合、該備品の借受けを促す旨の情報を、前記予約をした居住者の前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項6又は7記載の備品貸出システム。
前記収納装置は、前記管理サーバが有するデータベースと同様のデータ構成のデータベースを備え、前記管理サーバとの間で前記データベースのデータを共有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の備品貸出システム。
前記収納装置は、貸出予約の対象の備品の種類及び予約貸出時期を示す情報が入力されると、データベースを参照し、他の予約が登録されていない場合、該入力された情報に基づいて備品貸出の予約を登録し、該登録した予約に基づく備品の貸出要求が入力されると、該備品の収納ボックスを解錠することを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の備品貸出システム。
前記収納装置は、前記登録した予約について前記予約貸出時期に至っても備品が貸し出されていない場合、該備品の借受けを促す旨の情報を、前記予約をした居住者の前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項13又は14記載の備品貸出システム。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1の実施の形態>
(第1の実施の形態の構成)
(1)備品貸出システムの全体構成
図1は、本発明の第1の実施の形態における備品貸出システムの構成を示す図である。
図に示すように、備品貸出システムは、居住者に貸し出す備品を収納する収納装置10と、備品の貸出しに係る情報を管理する管理サーバ20と、居住者により操作されるユーザ端末30と、備品の貸出しサービスを管理運営する管理事業者により操作される管理事業者端末40とを有し、これら10〜40がネットワーク100を介して接続されて構成される。
【0027】
(2)収納装置10の構成
収納装置10は集合住宅の共用部等に設置される収納及び施錠機能を備えた装置であって、例えば、ロッカー装置である。
図2は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の外観を示す図である。
また、
図3は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
以下、これら図を用いて、本実施の形態における収納装置10の構成について説明する。
【0028】
図2,3に示すように、収納装置10は、CPU等から構成され収納装置10全体を制御する制御部11と、集合住宅で提供される様々なサービスに用いられる備品を収納する1以上の収納ボックスを備えた収納部12と、各種情報を格納する情報格納部13と、各種キーを備え情報入力が可能であるとともに、カードキー等の情報の読取機能を備える操作部14と、各種情報を表示する表示部15と、接続されるネットワーク100を介して情報の送受信を行う通信部16とを有して構成される。
【0029】
例えば、収納部12は、会議室又はシアタールーム等の共用スペース、あるいはレンタルサイクル又はレンタカーの鍵を上記備品として収納する。
また、収納部12は、その他、例えば、台車(カート)、空気入れ、ドライバー等の工具セット、テント・浮き輪等のレジャー・行楽用品、又はスコップ・バケツ等の園芸用品等を収納する。
【0030】
上述のとおり、操作部14は各種キー等を備えており、居住者は当該各種キーを操作して、備品を借り受けるとき、認証用の自身の居住者のIDやパスワードを入力したり、借り受ける備品を選択したりする。
また、操作部14は表示部15と一体に構成され、タッチパネルとして機能するようにしてもよい。
表示部15は、現在各備品が貸出し可能か否かを表示したり、各種情報の入力を促すメッセージを表示したりする。
また、居住者は、当該操作部14及び表示部15を用いて、備品の貸出サービスとともに、貸出予約サービスも利用することができる。
【0031】
通信部16は、上記操作部14により入力された情報(例えば、認証用の居住者ID及びパスワード等)をネットワーク100を介して管理サーバ20へ送信する。
また、通信部16は、後述する認証結果や備品の貸出状況等の情報を管理サーバ20から受信する。
【0032】
(3)管理サーバ20の構成
図4は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の構成を示す図である。
図に示すように、管理サーバ20は、CPU等により構成され、管理サーバ20全体を制御する制御部21と、各種情報を格納する情報格納部22と、接続されるネットワーク100を介して情報の送受信を行う通信部23とを有して構成される。
【0033】
情報格納部22は、本実施の形態における備品貸出システムが居住者に対して提供する備品貸出サービスに係る各種情報を各データベース等において管理して格納する。
情報格納部22は、居住者の情報を管理する居住者データベース221(以下、「居住者DB221」と表記)と、居住者に貸し出す備品の情報を管理する備品データベース222(以下、「備品DB222」と表記)と、居住者への備品の貸出しの履歴を管理する貸出履歴データベース223(以下、「貸出履歴DB223」と表記)と、予約履歴データベース224(以下、「予約履歴DB224」と表記)と、各居住者がどの備品をどれくらいの期間貸出し可能か(この期間を「貸出可能期間」という)を管理する貸出資格データベース225(以下、「貸出資格DB225」と表記)とを格納する。
【0034】
図5は、本発明の第1の実施の形態における居住者DB221のデータ構成の一例を示す図である。
図に示すように、居住者DB221は、居住者名を含む個人情報(住所、メールアドレス、電話番号等)と、居住者の部屋番号と、認証用のパスワードとをそれぞれ居住者を特定する個別のID(居住者ID)に対応付けて格納している。
【0035】
図6は、本発明の第1の実施の形態における備品DB222のデータ構成の一例を示す図である。
図に示すように、備品DB222は、備品の種類と、備品が収納されている場所(収納装置10、ボックス番号)と、貸出状況と、予約状況とをそれぞれ備品を特定する個別のID(備品ID)に対応付けて格納している。
収納場所としては、例えば、収納装置10の設置された建物のID、収納装置10のID及びボックス番号の組み合わせ等により示される。
また、上記貸出状況としては、現在貸し出されていないときは空欄であり、貸し出されているときは、貸し出された機会を特定する個別のID(貸出ID)が書き込まれる。
また、上記予約状況としては、現在予約がないときは空欄であり、予約されているときは、予約を特定する個別のID(予約ID)が書き込まれる。
【0036】
図7は、本発明の第1の実施の形態における貸出履歴DB223のデータ構成の一例を示す図である。
図に示すように、貸出履歴DB223は、実際に貸し出された備品の備品IDと、貸出時期と、返却予定時期と、返却時期とをそれぞれ上記貸出IDに対応付けて格納している。
この返却予定時期は、貸出時期から上記貸出可能期間、経過した時期である。
例えば、貸出時期が「8月1日13時00分」であり、借り受けた居住者の貸出可能期間が「3時間」である場合、返却予定時期は貸出時期から3時間経過した「8月1日16時00分」となる。
備品が未返却の場合には「返却時期」は空欄であり、返却された場合には実際に返却した時期が制御部21により書き込まれる。
【0037】
図8は、本発明の第1の実施の形態における予約履歴DB224のデータ構成の一例を示す図である。
図に示すように、予約履歴DB224は、貸出予約された備品の備品IDと、予約貸出時期と、予約返却時期とをそれぞれ上記予約IDに対応付けて格納している。
この予約返却時期は、予約貸出時期から上記貸出可能期間、経過した時期である。
例えば、予約貸出時期が「8月1日13時00分」であり、貸出可能期間が「3時間」である場合、予約返却時期は貸出時期から3時間経過した「8月1日16時00分」となる。
なお、居住者は、予約返却時期は予約貸出時期から貸出可能期間経過時までであれば任意の時期を設定できるようにしてもよい。
【0038】
図9は、本発明の第1の実施の形態における貸出資格DB225のデータ構成の一例を示す図である。
図に示すように、貸出資格DB225は、各備品について最長どれくらい貸出可能かを示す貸出可能期間を上記居住者IDに対応付けて格納している。
この貸出可能期間は、同一又は同種類の備品において、各居住者によって異なるものでもよいし、共通のものでもよい。また、貸出資格DB225において、この貸出可能期間を「0」に設定して登録しておくことにより、特定の居住者に対して当該備品の貸出しを禁止することもできる。
【0039】
また、貸出資格DB225における貸出可能期間は、個別に入力して設定することもできるし、居住者DB221において管理されている情報に基づいて自動で設定登録されるようにしてもよい。
例えば、居住者DB221において、各居住者の年齢、当該備品貸出サービスの利用期間、又は居住者による集合住宅における居住期間等に基づいて上記貸出可能期間を貸出資格DB225において自動設定登録するようにしてもよい。
例えば、年齢の低い居住者や高齢の居住者に対して備品の貸出し自体や時間を制限することもできるし、集合住宅に長く居住している居住者に対しては優先的に長期間貸出し可能に設定することもできる。
【0040】
(4)ユーザ端末30の構成
ユーザ端末30は、集合住宅の居住者等により操作される情報処理装置であって、例えば、スマートフォン、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、またはPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯通信端末であってもよいし、タワー、デスクトップ、またはノートブックの各型のPC(Personal Computer)であってもよい。
ユーザ端末30は、キースイッチ等の操作部及び画面を備えており、上方の入力及び表示を行うことができる。また、ユーザ端末30は、ネットワーク100を介して管理サーバ20との間で情報の送受信を行うことができる。
【0041】
居住者は、ユーザ端末30を用いて、管理サーバ20にアクセスし、収納装置10による貸出状況及び貸出予約状況を確認したり、貸出しの予約をしたりすることができる。また、居住者が予定の時期までに備品を収納装置10に返却しなかったり、借り受けに来なかったりした場合や等には、管理サーバ20は、それらの旨を示す情報をユーザ端末30へ送信して備品の返却等を居住者に促す。
【0042】
(5)管理事業者端末40の構成
管理事業者端末40は、本実施の形態における備品貸出システムによる備品貸出サービスの運営管理をする管理事業者により操作される情報処理装置であって、例えば、スマートフォン、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、またはPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯通信端末であってもよいし、タワー、デスクトップ、またはノートブックの各型のPC(Personal Computer)であってもよい。
管理事業者端末40は、キースイッチ等の操作部及び画面を備えており、上方の入力及び表示を行うことができる。また、管理事業者端末40は、ネットワーク100を介して管理サーバ20との間で情報の送受信を行うことができる。
【0043】
管理事業者は、管理事業者端末40を用いて、管理サーバ20にアクセスし、収納装置10による貸出状況及び貸出予約状況を確認することができる。
【0044】
(第1の実施の形態の動作)
(1)備品の貸出動作
図10は、本発明の第1の実施の形態における備品貸出システムによる備品の貸出動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、図に沿って、当該貸出動作について説明する。
【0045】
居住者は、IDカードを操作部14に備えられている読取手段に接近させる等して、IDカードに書き込まれている居住者ID及びパスワードを読み取らせる(ステップS101)。
すると、収納装置10の通信部16は、その読み取られた居住者ID及びパスワードをネットワーク100を介して管理サーバ20へ送信する(ステップS102)。
管理サーバ20の制御部21は、居住者DB221を参照し、収納装置10から受信した居住者ID及びパスワードが互いに対応付けられているか否か判断する(ステップS103)。
【0046】
居住者DB221に互いに対応付けられて格納されている場合には(ステップS103/Yes)、管理サーバ20の制御部21は、認証成功と判断し、備品DB222、貸出履歴DB223及び予約履歴DB224を参照して、現在貸出し可能な備品の種類を検出し、これら貸出し可能な備品の種類を示す情報を収納装置10へ送信する(ステップS104)。
このとき、例えば、制御部21は、現在収納ボックス内に備品が収納されているか否か、当該現在時刻から貸出可能期間経過までの間に当該種類の備品の貸出予約が行われているか否か、等を判断して、現在貸出し可能な備品の種類の検出を行う。
また、制御部21は、認証成功の認証結果を示す情報を収納装置10へ送信する(ステップS105)。
【0047】
一方、互いに対応付けられていない場合には(ステップS103/No)、認証失敗と判断し、その旨の認証結果を示す情報を収納装置10へ送信する(ステップS105)。
【0048】
収納装置10は、管理サーバ20から認証結果を示す情報を受信し、その情報が示す内容が認証失敗の場合は(ステップS106/No)、備品の貸出しを行わずにそのまま処理を終了する。
【0049】
一方、認証成功の場合は(ステップS106/Yes)、表示部15は、当該収納装置10で貸出対象となっている備品の一覧を表示する(ステップS107)。
このとき、表示部15は、上記管理サーバ20から受信した貸出し可能な備品の種類を示す情報に基づいて、現在貸出可能な備品については文字や背景の色を変える等、貸出中や予約済みの備品と区別して表示する。
ここで、居住者が貸出しを希望する備品が現在貸出し中等の理由により貸出し不可能である場合には、このまま終了する。
一方、貸出しが可能である場合には、居住者は、操作部14を用いて、その表示されている貸出可能な備品の中から貸出しを希望する備品の種類を選択する(ステップS108)。
すると、収納装置10は、その選択された備品の種類の情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS109)。
【0050】
管理サーバ20の制御部21は、その備品の種類の情報を収納装置10から受信すると、備品DB222を参照して該当する種類の備品の備品IDを抽出する(ステップS110)。
次に、制御部21は、貸出番号を発行して、当該貸出番号に貸し出す備品の備品IDと、貸出時期(現在時刻)と、返却予定時期と、認証の際に受信した居住者IDとを対応付けて貸出履歴DB223に書き込む(ステップS111)。
次に、制御部21は、備品DB222を参照して、収納されている収納ボックスのボックス番号を抽出し(ステップS112)、通信部23は、当該抽出されたボックス番号の情報とともに、当該ボックス番号の収納ボックスの解錠信号を収納装置10へ送信する(ステップS113)。
【0051】
収納装置10は、管理サーバ20から上記ボックス番号の情報及び解錠信号を受信すると、該当するボックス番号の収納ボックスを解錠する(ステップS114)。
居住者は、解錠された収納ボックスを開扉し、備品を取り出して使用する。
以上で、備品の貸出動作を終了する。
【0052】
(2)収納装置10の操作による備品の貸出予約動作
図11は、本発明の第1の実施の形態における備品貸出システムによる備品の貸出予約動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、図に沿って、当該貸出予約動作について説明する。
【0053】
居住者は、収納装置10の設置場所を訪れ、操作部14を操作して、備品の貸出予約を行うことができる。
居住者は、IDカードを操作部14に備えられている読取手段に接近させる等して、IDカードに書き込まれている居住者ID及びパスワードを読み取らせる(ステップS201)。
すると、収納装置10の通信部16は、その読み取られた居住者ID及びパスワードをネットワーク100を介して管理サーバ20へ送信する(ステップS202)。
管理サーバ20の制御部21は、居住者DB221を参照し、収納装置10から受信した居住者ID及びパスワードが互いに対応付けられているか否か判断する(ステップS203)。
【0054】
居住者DB221に互いに対応付けられていない場合には(ステップS203)、認証失敗と判断し、その旨の認証結果を示す情報を収納装置10へ送信する(ステップS204)。
収納装置10は、管理サーバ20から認証結果を示す情報を受信し、その情報が示す内容が認証失敗の場合は(ステップS205/No)、備品の貸出予約を行わずにそのまま処理を終了する。
【0055】
一方、居住者DB221に互いに対応付けられて格納されている場合には(ステップS203)、管理サーバ20の制御部21は、認証成功と判断し、その旨の認証結果を示す情報を収納装置10へ送信する(ステップS204)。
収納装置10は、管理サーバ20から認証結果を示す情報を受信し、その情報が示す内容が認証成功の場合は(ステップS205/Yes)、表示部15において当該収納装置10で貸出予約対象となっている備品の一覧を表示する(ステップS206)。
居住者は、操作部14を操作して、一覧から貸出予約を希望する備品の種類を指定する(ステップS207)。
収納装置10の通信部16は、その指定された備品の種類を示す情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS208)。
【0056】
管理サーバ20の制御部21は、その備品の種類の情報を収納装置10から受信すると、備品DB222を参照して該当する種類の備品の備品IDを抽出する(ステップS209)。
次に、制御部21は、抽出した備品IDに基づいて、貸出履歴DB223及び予約履歴DB224を参照し、予約可能な時期を検出して(ステップS210)、当該情報を収納装置10へ送信する(ステップS211)。
ステップS210において、制御部21は、予約可能な時期のうち、貸出可能期間を超えない時期を検出する。
例えば、制御部21は、ある居住者について当該備品の貸出可能期間が「3時間」であり、予約可能な時期が「12時〜19時」である場合、「12時〜18時」から貸出開始した後に、遅くとも「19時」までに返却し、かつ最長でも「3時間」だけ貸出可能と判断する(例えば、「14時〜17時」、「18時〜19時」等)。
【0057】
収納装置10は、その予約可能な時期を示す情報を管理サーバ20から受信すると、表示部15上に表示する(ステップS212)。
居住者は、操作部14を用いて、その表示された予約可能な時期から希望する期間を指定する(ステップS213)。
通信部16は、その指定された期間を示す情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS214)。
【0058】
管理サーバ20は、上記指定された期間を示す情報、居住者ID及び備品の種類を示す情報を収納装置10から受信すると、予約番号を発行して、当該予約番号に上記選択された種類の備品の備品IDと、指定された予約期間と、認証の際受信した居住者IDとを対応付けて予約履歴DB224に書き込む(ステップS215)。
以上で、備品の貸出予約動作を終了する。
【0059】
(3)貸出予約した備品の貸出動作
図12は、本発明の第1の実施の形態における備品貸出システムによる貸出予約した備品の貸出動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、当該予約後の貸出動作について説明する。
【0060】
居住者は、上述のように貸出予約した後、指定した予約期間に収納装置10の設置場所を訪れ、貸出予約をした備品を受け取る。
このとき、居住者は、IDカードを用いて予約時と同様に認証を行い、予約済みの備品の貸出しを要求する(ステップS301〜S303)。
【0061】
管理サーバ20の制御部21は、認証成功の場合(ステップS303/Yes)、予約履歴DB224を参照して、現在が指定された予約期間内であるか否かを判断し(ステップS304)、そうであれば(ステップS304/Yes)、備品DB222及び貸出履歴DB223に貸出情報を書き込む(ステップS305)。
具体的には、ここで、制御部21は、備品DB222の「貸出状況」の欄と、貸出履歴DB223の「貸出時期」及び「返却予定時期」の欄に各項目を書き込む。
【0062】
次に、制御部21は、備品DB222を参照して当該備品が収納されている収納ボックスのボックス番号を抽出し(ステップS306)、通信部23は、当該抽出されたボックス番号の情報とともに、当該ボックス番号の収納ボックスの解錠信号を収納装置10へ送信する(ステップS307)。
【0063】
収納装置10は、管理サーバ20から上記ボックス番号の情報及び解錠信号を受信すると、該当するボックス番号の収納ボックスを解錠する(ステップS308)。
居住者は、解錠された収納ボックスを開扉し、備品を取り出して使用する。
以上で、予約した備品の貸出動作を終了する。
【0064】
(4)ユーザ端末30を用いた備品の貸出予約動作
居住者は、上記のとおり、収納装置10を直接操作して備品の貸出予約を行うことができるが、自身のユーザ端末30を用いて行うこともできる。
図13は、本発明の第1の実施の形態における備品貸出システムによるユーザ端末30を用いた備品の貸出予約動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、図に沿って、当該ユーザ端末30を用いた備品の貸出予約動作について説明する。
【0065】
居住者は、ユーザ端末30を操作して、居住者ID及びパスワードを入力する(ステップS401)。
このとき、例えば、Web上の備品貸出用サイトにアクセスし、そのサイト上の入力欄に上記居住者ID等を入力するようにしてもよいし、ユーザ端末30に実装されているソフトウェア(アプリ)上で入力するようにしてもよい。
【0066】
次に、ユーザ端末30は、その入力した居住者ID及びパスワードをネットワーク100を介して管理サーバ20へ送信する(ステップS402)。
【0067】
管理サーバ20の制御部21は、居住者DB221を参照し、ユーザ端末30から受信した居住者ID及びパスワードが互いに対応付けられているか否か判断する(ステップS403)。
【0068】
居住者DB221に互いに対応付けられていない場合には(ステップS403)、認証失敗と判断し、その旨の認証結果を示す情報をユーザ端末30へ送信する(ステップS404)。
ユーザ端末30は、管理サーバ20から認証結果を示す情報を受信し、その情報が示す内容が認証失敗の場合は(ステップS405/No)、そのまま処理を終了する。
【0069】
一方、居住者DB221に互いに対応付けられて格納されている場合には(ステップS403)、管理サーバ20の制御部21は、認証成功と判断し、その旨の認証結果を示す情報をユーザ端末30へ送信する(ステップS404)。
【0070】
ユーザ端末30は、管理サーバ20から認証結果を示す情報を受信し、その情報が示す内容が認証成功の場合は(ステップS405/Yes)、画面上に当該ユーザ端末30で貸出予約対象となっている備品の一覧を表示する(ステップS406)。
居住者は、ユーザ端末30を操作して、一覧から貸出予約を希望する備品の種類を指定する(ステップS407)。
ユーザ端末30は、その指定された備品の種類を示す情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS408)。
【0071】
管理サーバ20の制御部21は、その備品の種類の情報をユーザ端末30から受信すると、備品DB222を参照して該当する種類の備品の備品IDを抽出する(ステップS409)。
次に、制御部21は、抽出した備品IDに基づいて、貸出履歴DB223及び予約履歴DB224を参照し、予約可能な時期を検出して(ステップS410)、当該情報をユーザ端末30へ送信する(ステップS411)。
なお、ここでいう予約可能な時期とは、貸出しも貸出予約もされていない時期をいう。
【0072】
ユーザ端末30は、その予約可能な時期を示す情報を管理サーバ20から受信すると、画面上に表示する(ステップS412)。
このとき、居住者は、その表示された予約可能な時期を閲覧することにより、備品の貸出状況及び貸出予約状況を容易に確認することができる。
居住者は、ユーザ端末30を用いて、その表示された予約可能な時期から希望する期間を指定する(ステップS413)。
ユーザ端末30は、その指定された期間を示す情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS414)。
【0073】
管理サーバ20は、上記指定された期間を示す情報、居住者ID及び備品の種類を示す情報をユーザ端末30から受信すると、予約番号を発行して、当該予約番号に上記選択された種類の備品の備品IDと、指定された予約期間と、認証の際受信した居住者IDとを対応付けて予約履歴DB224に書き込む(ステップS415)。
以上で、ユーザ端末30を用いた備品の貸出予約動作を終了する。
【0074】
なお、以上説明したように、居住者は、貸出予約の際に、ユーザ端末30を用いて備品の貸出状況や予約状況を確認できるものであるが、実際に貸出予約をすることなく、貸出状況や予約状況の確認のみも単独で行うことができる。
その処理内容は、ステップS201〜S206と同様であるので、その説明は省略する。
【0075】
(5)管理サーバ20の通知動作
上記のとおり、備品DB222においては、各居住者について各備品に対し個別の貸出可能期間がそれぞれ設定されている(
図6)。
居住者は、貸出開始から当該貸出可能期間経過するまでの間だけ備品を借り受けることができる。
居住者が当該期間を経過しても返却をしない場合、又は予約貸出時期から所定期間経過しても備品を借り受けていない場合には、管理サーバ20は、当該返却又は借り受けることを促す旨の通知をユーザ端末30へ送信する。
【0076】
まず、居住者が備品を未返却の場合について説明すると、管理サーバ20の制御部21は、所定時間ごとに貸出履歴DB223を参照し、現在時刻が貸出履歴DB223の「返却予定時期」を経過したか否か、「返却時期」に実際に返却した時期が書き込まれたか否かを判断する。
制御部21は、現在時刻が貸出履歴DB223の「返却予定時期」を経過し、かつまだ「返却時期」に実際に返却した時期が書き込まれておらず、未返却であると判断した場合には、居住者DB221を参照し、例えば「メールアドレス」宛に返却を促す旨のメールを送信する。
【0077】
次に、居住者が備品の借り受けに来ない場合についても説明すると、管理サーバ20の制御部21は、所定時間ごとに予約履歴DB224を参照し、現在時刻が予約履歴DB224の「予約貸出時期」及び「予約返却時期」を経過したか否かを判断する。
制御部21は、現在時刻が予約履歴DB224の「予約貸出時期」を経過し、かつまだ「予約返却時期」を経過しておらず、予約した貸出時間内においてまだ収納装置10から備品を借り受けていないと判断した場合には、居住者DB221を参照し、例えば「メールアドレス」宛に返却を促す旨のメールを送信する。
なお、「予約貸出時期」及び「予約返却時期」の双方とも経過した場合には、備品の貸出しが許可された期間自体が経過してしまったことになるので、制御部21は、備品の貸出し自体を許可しない。
【0078】
上述した例では、ユーザ端末30に対してメールで通知を行っていたが、その他の方法により通知を行ってもよい。
例えば、管理サーバ20は、当該通知をユーザ端末30へ送信し、ユーザ端末30に表示されるWebページ上又はユーザ端末30に実装されているアプリに当該返却を促す通知を送信するようにしてもよい。
【0079】
(第1の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本実施の形態によれば、収納装置10は備品を収納し、認証が成功した居住者に対して所定期間備品を貸出し可能に構成されているので、集合住宅において、管理業務の軽減を図るとともに、居住者のニーズの多様化に対応して様々な種類の備品の貸出しを行うことが可能となる。
【0080】
また、管理サーバ20は、備品の貸出状況及び貸出予約状況をデータベースで管理しているので、居住者は、ユーザ端末30を用いて、現在の備品の貸出状況及び予約状況を容易に確認することが可能となる。
【0081】
また、管理サーバ20は、貸出資格DB225において、各居住者について、各備品を最長どれくらい貸出し可能か、あるいは貸出し自体が許可又は禁止されているかを管理しているので、例えば備品の利用に適した年齢に達していない居住者に対しては貸出しそのものや時間を制限する等、きめ細やかな備品貸出しサービスを提供することが可能となる。
【0082】
なお、本実施の形態における備品貸出システムは、備品の貸出予約に関する処理を行うことができるが、当該処理を行わないように構成することもできる。
すなわち、収納装置10は、認証成功後、単に、現在貸出し中であれば貸出し不可能と表示し、収納部12に現在収納中であれば解錠し備品を貸し出すようにしてもよい。
【0083】
<第2の実施の形態>
(第2の実施の形態の構成)
上述した第1の実施の形態では、管理サーバ20が各データベースを管理し、認証及び備品貸出しに係る各種情報を管理していたが、これら管理サーバ20の構成及び機能の全て又は一部を収納装置10が備えるように構成することもできる。
例えば、収納装置10は、居住者DB221を管理し、認証処理を行うようにすることもできる。また、収納装置10は、備品DB222、貸出履歴DB223及び予約履歴DB224を管理し、備品の貸出及び貸出予約に関する処理を実行するようにしてもよい。
収納装置10が管理サーバ20の全部の構成及び機能を有するよう構成される場合には、備品貸出システムは、上述した実施の形態の同様に、管理サーバ20を有するように構成することもできるし、有しないよう構成することもできる。
以下、特記しない限り、本実施の形態の構成及び動作は、第1の実施の形態と同様であるものとして説明を進める。
【0084】
(1)備品貸出システムの全体構成
図14は、本発明の第2の実施の形態における備品貸出システムの構成を示す図である。
図に示すように、本実施の形態における備品貸出システムは、収納装置10と、ユーザ端末30と、管理事業者端末40とを有して構成されており、管理サーバ20を有していない。
第1の実施の形態では、管理サーバ20が各データベース221〜225を管理し、認証、備品貸出し及び予約等に係る各種処理を行うものであったが、本実施の形態では、収納装置10が上記各データベース221〜225を管理し、管理サーバ20が行っていた認証等の処理を行う。
【0085】
(2)収納装置10の構成
図15は、本発明の第2の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
図に示すように、収納装置10は、第1の実施の形態と同様に、制御部11と、収納部12と、情報格納部13と、操作部14と、表示部15と、通信部16とを有して構成される。
また、図に示すように、情報格納部13は、居住者DB221と、備品DB222と、貸出履歴DB223と、予約履歴DB224と、貸出資格DB225とを格納し、管理する。
これら各データベース221〜225は、第1の実施の形態において、管理サーバ20が管理している各データベース221〜225と同様の情報を管理するものである。
【0086】
(第2の実施の形態の動作)
本実施の形態では、収納装置10は、居住者ID及びパスワードが入力されると、情報格納部13に格納されている居住者DB221を参照して認証処理を行い、認証成功であれば、続いて貸出し処理又は予約処理を行う。
収納装置10は、貸出し及び予約の管理についても、管理サーバ20に代わって行う。
【0087】
(第2の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、収納装置10は、管理サーバ20に代わって認証、貸出し及び貸出予約に関する各処理を単独で行うので、備品貸出システムを簡易な構成で実現することが可能となる。
【0088】
なお、本実施の形態では、収納装置10は、ネットワーク100を介してユーザ端末30及び管理事業者端末40に接続されているが、ネットワーク100に接続せずにオフライン(スタンドアローン)で構成するようにしてもよい。このように構成した場合、収納装置10は、上記のように、認証、貸出し及び貸出予約に関する各処理を単独で行うが、ユーザ端末30に対して備品の返却や借受けを促す通知は行わない。
【0089】
<第3の実施の形態>
(第3の実施の形態の構成)
本発明の第3の実施の形態における備品貸出システムは、第1の実施の形態と同様に、収納装置10が管理サーバ20とネットワーク100を介して接続されているが、認証、備品貸出し及び予約等に係る各種処理の一部を収納装置10が管理サーバ20に代わって行うという点で異なる。
以下、特記しない限り、本実施の形態の構成及び動作は、第1の実施の形態と同様であるものとして説明を進める。
【0090】
本実施の形態においては、収納装置10は、第1の実施の形態における各データベース221〜225で管理されていたデータのうち一部のデータを情報格納部13に格納してデータベースを構成する。
【0091】
(第3の実施の形態の動作)
本実施の形態では、収納装置10は、第1の実施の形態において管理サーバ20が実行していた処理を自装置が管理している上記データベース内のデータを用いて実行することで、管理サーバ20による処理の負担を軽減させることができる。
例えば、収納装置10は、居住者DB221を管理サーバ20に代わって情報格納部13において管理することにより、操作部14により居住者ID及びパスワード等が入力されたときに管理サーバ20に代わって認証処理を行うことができる。この場合、収納装置10が管理サーバ20との間で情報の送受信を行うことなく認証処理を実行することができ、ネットワーク100のトラヒックの負担を軽減させることが可能となる。
【0092】
(第3の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、収納装置10は、管理サーバ20に代わって認証、貸出し及び貸出予約に関する各処理の一部を行うので、管理サーバ20による各種処理の負担を軽減させるとともに、ネットワーク100を介したデータの送受信量を低減させることができ、ネットワーク100のトラヒックの効率化を実現させることが可能となる。
【0093】
<第4の実施の形態>
(第4の実施の形態の概要)
本発明の第4の実施の形態における備品貸出システムは、第1の実施の形態と同様に、収納装置10と、管理サーバ20と、ユーザ端末30と、管理事業者端末40と、これら10〜40を接続するネットワーク100とを有して構成される。
第1の実施の形態では、管理サーバ20のみが全てのデータベース221〜225を格納して管理し、認証、貸出し及び貸出予約等の各処理を行うものであった。
これに対し、本実施の形態では、収納装置10及び管理サーバ20の双方ともがそれぞれデータベース221〜225を備え、収納装置10が各処理を実行する。そして、収納装置10及び管理サーバ20は、それぞれが有するデータベース221〜225においてデータを共有する。
以下、特記しない限り、本実施の形態の構成及び動作は、第1の実施の形態と同様であるものとして説明を進める。
【0094】
(第4の実施の形態の構成)
(1)収納装置10の構成
収納装置10は、情報格納部13に各データベース221〜225を格納し、管理する。収納装置10は、認証、貸出し又は貸出予約等の各処理を行う際には、これら各データベース221〜225から各種データを参照し、及び各種データをこれらデータベース221〜225に書き込む。
これらの処理内容は、第1の実施の形態の形態における管理サーバ20のものと同様であるので説明を省略する。
【0095】
(2)管理サーバ20の構成
管理サーバ20もまた収納装置10と同様に、情報格納部22に各データベース221〜225を格納し、管理する。
管理サーバ20の各データベース221〜225が管理するデータ内容は、上述の収納装置10の各データベース221〜225と同期しており、共有している。
ユーザ端末30及び管理事業者端末40が、ネットワーク100を介して管理サーバ20に各種データの取得要求を行うと、管理サーバ20は、各データベース221〜225から該当するデータを抽出し、これら抽出したデータを当該データ取得要求元の端末30,40へ送信する。ユーザ端末30及び管理事業者端末40は、これら各種データを管理サーバ20から受信すると、画面上に表示する。
例えば、居住者がユーザ端末30を用いて、管理サーバ20に対して備品の貸出状況の情報の取得要求を送信すると、収納装置10とデータを共有している管理サーバ20は、情報格納部22の備品DB222、貸出履歴DB223及び予約履歴DB224を参照して、備品の貸出状況に係る情報を抽出してユーザ端末30へ送信する。
【0096】
(第4の実施の形態の動作)
(1)データベースの同期動作
収納装置10は、貸出処理又は貸出予約処理等を実行するとき、各データベース221〜225にデータの書込みや更新を行う。
例えば、備品が貸し出されたり、備品の貸出予約がされたりすると、収納装置10は、備品DB222、貸出履歴DB223又は予約履歴DB224等にその件を新たに書き込む。また、収納装置10は、貸し出された備品が返却されたときには、備品DB222及び貸出履歴DB223等のデータを書き替え、更新する。
収納装置10は、各データベース221〜225の書込みや更新を行うごとにどの履歴を情報格納部13に格納する。
【0097】
管理サーバ20は、所定時間ごとに、収納装置10に各データベース221〜225の書込みや更新が行われたかを確認するための信号を収納装置10へ送信する。
収納装置10は、その確認信号を管理サーバ20から受信すると、情報格納部13の各データベース221〜225の書込み・更新の履歴を参照して、前回の確認信号の受信以降、書込み・更新したデータを管理サーバ20へ送信する。
【0098】
管理サーバ20は、収納装置10から書込み・更新したデータを受信すると、情報格納部22の各データベース221〜225における当該受信データに該当する箇所の更新を行う。
以上でデータベースの同期動作が終了する。
【0099】
以上説明したように、本実施の形態では、所定時間ごとに管理サーバ20は収納装置10とデータベースの同期を行うので、収納装置10・管理サーバ20間でデータを共有することができる。
なお、本実施の形態における収納装置10は、書込み・更新したデータのみ管理サーバ20へ送信するものであったが、書込み・更新していないデータも含めて送信するようにしてデータの同期を実行するようにしてもよい。
【0100】
(2)貸出状況及び予約状況の確認動作
第1の実施の形態では、居住者は、ユーザ端末30を操作して、管理サーバ20にアクセスして貸出状況及び予約状況の確認を行うものであった(ステップS401〜)。
上述のように、本実施の形態では、管理サーバ20が、収納装置10とデータの同期を行うことにより、収納装置10における各処理に関するデータを格納する。
従って、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、居住者は、ユーザ端末30を操作して管理サーバ20にアクセスして貸出状況及び予約状況の確認を行うことができる。
【0101】
(第4の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本実施の形態によれば、収納装置10が各データベース221〜225で管理する各種データを管理サーバ20との間で共有することにより、備品の貸出状況等の情報の提供処理を管理サーバ20に分散させることができ、その分散した分だけ収納装置10の処理負担を効果的に軽減させることが可能となる。
また、メンテナンス等で収納装置10の動作が停止しているときであっても、居住者は、ユーザ端末30を用いて管理サーバ20に対して備品の貸出状況等を問い合わせることができる。
【0102】
<第5の実施の形態>
(第5の実施の形態の概要)
以上説明した第1〜第4の実施の形態では、収納装置10の収納ボックスには備品が収納され、備品の貸出しのみに使用されていた。
本発明の第5の実施の形態では、収納装置10の収納ボックスの一部を備品の貸出し以外の用途に使用できるよう構成する。
以下、特記しない限り、本実施の形態の構成及び動作は、第1の実施の形態と同様であるものとして説明を進める。
【0103】
(第5の実施の形態の構成)
(1)収納装置10の構成
本実施の形態における収納部12は、複数の収納ボックスを備える。この複数の収納ボックスのうち一部は上記実施の形態と同様に備品の収納に使用される。その残部は備品の収納以外の他の用途に使用されるが、本実施の形態では一例として宅配ロッカーとして使用されるものとする。
この収納装置10を宅配ロッカーとして使用するサービスを以下、宅配ロッカーサービスという。宅配ロッカーサービスにおいては、居住者又は管理人宛の宅配便の配送物を一旦収納装置10の収納ボックスに収納しておくことにより、居住者等が不在の場合であっても宅配業者に再配達を依頼することなく、配送物を受け取ることが可能となる。
また、宅配ロッカーサービスにおいては、居住者又は管理人は、配送を希望する荷物を収納ボックスに一旦収納させておき、その後、宅配業者が収納ボックスから荷物を取り出して配送することもできる。
【0104】
収納装置10は、情報格納部13において、各収納ボックスの用途を定めたボックスDB226を格納する。
図16は、本発明の第5の実施の形態におけるボックスDB226のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、ボックスDB226は、各収納ボックスの用途として、「1.備品収納」又は「2.宅配ロッカー」のいずれかが設定されている。
このうち、「1.備品収納」に設定されている収納ボックスのみ、上記第1〜第4の実施の形態に示されていたような備品の貸出しに使用される。一方、「2.宅配ロッカー」に設定されている収納ボックスは、宅配ロッカーサービスに使用され、第1の実施の形態におけるように、備品の貸出しについて認証処理が行われたときは、その後の貸出し等の一切の処理対象から除外される。
反対に、例えば操作部14により宅配ロッカーの使用を希望する旨の情報が入力された場合には、「2.宅配ロッカー」に設定された収納ボックスは、その後の処理対象となり、開閉扉や施解錠、宅配物の収納・取出しといった各処理や作業が行われ、「1.備品収納」に設定された収納ボックスはその後の処理対象から除外される。
【0105】
(第5の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第5の実施の形態によれば、収納装置10は、収納部12を構成する複数の収納ボックスそれぞれに用途を設定したデータベース(ボックスDB226)を管理しているので、1台の収納装置10により、その収納装置10を用いる複数の異なるサービスを提供することができ、収納装置10の設置コストやスペースの点で効率化を図ることが可能となる。
【0106】
<実施の形態のまとめ>
以上説明した実施の形態によれば、収納装置10は備品を収納し、認証が成功した居住者に対して所定期間備品を貸出し可能に構成されているので、集合住宅において、管理業務の軽減を図るとともに、居住者のニーズの多様化に対応して様々な種類の備品の貸出しを行うことが可能となる。
【0107】
上記の収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30及び管理事業者端末40は、主にCPUとメモリにロードされたプログラムによって実現される。ただし、それ以外の任意のハードウェアおよびソフトウェアの組合せによってこの装置またはサーバを構成することも可能であり、その設計自由度の高さは当業者には容易に理解されるところである。
また、上記の収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30又は管理事業者端末40をソフトウェアモジュール群として構成する場合、このプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
【0108】
なお、上記の実施の形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の第1〜第3の実施の形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
例えば、以上説明した本実施の形態では、居住者は認証の際、IDカードに書き込まれた居住者ID及びパスワードを操作部14に設けられている読取手段に読み取らせていたが、これらの少なくともいずれか一方を操作部14に設けられているキーにより入力するようにしてもよい。
また、居住者は、居住者IDに代えて、自身の部屋番号を入力するようにしてもよい。
【0109】
上記の実施の形態では、貸出資格DB225において、備品の種類ごとに、各居住者の貸出が可能か否かを設定していたが、備品の各個体(備品ID)ごとに設定するようにしてもよいし、収納装置10の収納ボックス単位(備品DB222の「収納場所」)ごとに設定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、貸出資格DB225において、各居住者が各備品を貸出可能な最長時間が定められていたが、最長時間に代えて、貸出可能な時間帯を設定するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、備品を使用する者の一例として居住者を挙げたが、これに限定されない。例えば、集合住宅の管理人もユーザ端末30を操作して、貸出及び貸出予約等を行うことができるようにしてもよい。この場合、管理人に対しては全ての備品をいつでも何時間でも貸出しできるようにインセンティブを与えるよう貸出資格DB225に設定することもできる。