(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6482316
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】液流型エアフィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 47/00 20060101AFI20190304BHJP
F28F 9/00 20060101ALI20190304BHJP
F01P 11/12 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
B01D47/00 Z
F28F9/00 321
F01P11/12 D
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-34176(P2015-34176)
(22)【出願日】2015年2月24日
(65)【公開番号】特開2016-155070(P2016-155070A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2018年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
(74)【代理人】
【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美
(72)【発明者】
【氏名】藤島 史郎
【審査官】
目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06059865(US,A)
【文献】
実開昭52−100867(JP,U)
【文献】
特開2002−186881(JP,A)
【文献】
特開2001−314732(JP,A)
【文献】
実開平01−148723(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D47/00−47/18
F01P1/00−11/20
F28F9/00−9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜壁面(1)の上部に設けた液体供給部(2)と、
前記傾斜壁面(1)の下部に設けた液体受け部(3)と、
前記液体受け部(3)の液体(12)を前記液体供給部(2)に導く液体循環装置(4)と、
前記傾斜壁面(1)にエア(11)が誘導されて、そのエア(11)を前記傾斜壁面(1)の下部から上部に導き、エア(11)中の塵埃(13)を前記液体(12)に捕捉させるエアダクト(5)と、
前記液体(12)中の塵埃(13)を収集するストレーナ(6)と、
を具備し、
前記エアダクト(5)の下端に接続ダクト(9)が連結され、前記エアダクト(5)及び前記接続ダクト(9)の連結部(10)の取付角度(18)が可変に形成された液流型エアフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体中の塵埃等の異物を液体により捕捉するエアフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物処理場等の塵埃の多い環境で使用される、建設機械等の熱交換器用のエアフィルタとして、下記特許文献1に記載されている防塵ネットが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−322489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このようなエアフィルタを使用した場合、ネットの目詰まりが著しく、建設機械の使用中に、吸気抵抗の増加により、冷却風の風量が減少し、熱交換器の熱交換性能が低下する原因になる。それと共に、使用後の洗浄を頻繁に行う必要があり、煩わしさに堪えない。
そこで、本発明は係る問題点を解決し、使用中の通風抵抗の増加がなく、かつメンテナンス性の良いエアフィルタを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、傾斜壁面1の上部に設けた液体供給部2と、
前記傾斜壁面1の下部に設けた液体受け部3と、
前記液体受け部3の液体12を前記液体供給部2に導く液体循環装置4と、
前記傾斜壁面1にエア11が誘導されて、そのエア11を前記傾斜壁面1の下部から上部に導き、エア11中の塵埃13を前記液体12に
捕捉させるエアダクト5と、
前記液体12中の塵埃13を収集するストレーナ6と、
を具備し、
前記エアダクト5の下端に接続ダクト9が連結され、前記エアダクト5及び前記接続ダクト9の連結部10の取付角度18が可変に形成された液流型エアフィルタである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、傾斜した傾斜壁面1の上部の液体供給部2と、下部の液体受け部3とを液体循環装置4で接続し、塵埃を含むエアを傾斜壁面の下部から上部に対向流として導き、塵埃を液体に効率良く
捕捉させ、ストレーナ6によりその液体中の塵埃を収集するものである。
それにより、通気抵抗が増加することなく、エアに含まれた塵埃を連続的に捕集することが可能になり、また、メンテナンスは、使用後にストレーナから塵埃を排出するのみであり、簡便になる。
また、
液流型エアフィルタのダクト5と接続ダクト9との連結部10を可変にした場合には、塵埃の種類や分量に応じて、接続ダクト9の取付角度18を変えることにより、液流型エアフィルタの塵埃除去効果と通風抵抗とを最適に調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】本発明の第1実施例を模式的に示す縦断面図。
【
図3】本発明の第2実施例を模式的に示す縦断面図。
【
図4】本発明の第3実施例を模式的に示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
【実施例1】
【0013】
図1及び
図2は、本発明の第1実施例を示すものである。
この例では、エアフィルタの傾斜壁面1およびエアダクト5は全体が先下がりに傾斜している。そして、そのエアダクト5の吸気部14が傾斜壁面の下端部に位置し、その排気部15が上方に位置する。
【0014】
そして、
図2に示す如く、そのダクト5内の内壁に対向して、液体12を流下させて液流壁を形成する傾斜壁面1が設けられる。その傾斜壁面1の上流部には液体供給部2が設けられ、その下流部に液体受け部3が設けられる。液体供給部2は、この例では
図1に示す如く、一例として円筒のパイプで形成することができ、そこに多数の液体吐出孔またはスリット等を設けることができる。また、好ましくは、液体として水を用いることができる。
【0015】
液体受け部3と液体供給部2とは、配管16等の循環通路を介して連通されており、ポンプからなる液体循環装置4により液体12が傾斜壁面1と配管16とを循環する。また、液体受け部3と液体循環装置4との間には、液体12中に
捕捉された塵埃13を分離するためストレーナ6が設けられている。
【0016】
傾斜壁面1を流下する液体12の流れと、エアダクト5を上昇する塵埃13を含むエア11の流れとは対向流になる。
なお、本発明について液体12は、水以外に、有機系洗浄液、無機系洗浄液、油などを使用することができる。また、液体循環装置4は、エンジン駆動又は電動のポンプを用いることができる。
【0017】
(第1実施例の作用)
このエアフィルタを建設機械の熱交換器に使用した場合について説明する。
先ず、液体循環装置4を始動し、液体12を液体供給部2から傾斜壁面1、液体受け部3、循環通路間を循環させる。すると、液体12は傾斜壁面1を流下して、液流壁を形成する。
塵埃13を含むエア11は、エアダクト5の吸気部14から流入し、液流壁に沿って排気部15へと導かれる。そのエア中に含まれる塵埃13は、エア11に比べて慣性が大きいので、吸気部14から流入すると直進し、液流壁に突入し、その流れの中に取り込まれる。そして、塵埃の取り除かれたエア11が熱交換器17に供給される。なお、熱交換器17の前面に、図示しない通常のエアフィルタを配置することもできる。
【0018】
液体中に取り込まれた塵埃13は流下して、液体受け部3に導かれる。塵埃13の混入した液体12は、液体循環装置4によりストレーナ6へと導かれ、そこで、液体12中の塵埃13が
捕捉される。塵埃13の取り除かれた液体12は、液体循環装置4により再び液体供給部2から流出し傾斜壁面1に供給される。
そして、建設機械の運転終了後、液体循環装置4を停止して、ストレーナ6に捕捉された塵埃13を液体12とともにストレーナ6の排出部から排出する。
【0019】
なお、上記のように、液体12として水を使用し、熱交換器としてラジエータに適用した場合、少量の水のミストがエアに乗って熱交換器に流入しても問題はなく、むしろ、流入した水のミストが気化されることにより、熱交換器の冷却は促進される。
【実施例2】
【0020】
次に、
図3は本発明の第2実施例である。
この第2実施例では、エアダクト5の内壁に、互いに離間して階段状に配置される複数のエア偏向板7が突設されている。エア偏向板7の幅は、エアダクト5の幅方向と整合する。エア偏向板7の端縁7aは傾斜壁面1との間にそれぞれ空間8を有している。
このようなエアダクト5とした場合、エアがエアダクト内を上昇する際、偏向板7の下面に衝突し、液流壁側に偏向されることにより、エア中の塵埃は水流壁により確実に取り込まれる。
【実施例3】
【0021】
次に、
図4は本発明の第3実施例を示している。
この第3実施例は、エアダクト5の下端にヒンジ等の連結部10を介して、取付角度18を変更可能な接続ダクト9を連結したものである。
この構造により、使用状況に応じて、塵埃除去効果を調整することが可能となる。即ち、取付角度18を小さくすれば、塵埃除去効果は高まるが、圧力損失は増加する。この性質を用いて、例えば、塵埃の多い環境では、取付角度18を小さくして、塵埃除去効果を高める。一方、比較的清浄な環境下では、取付角度18を大きくして圧力損失を抑制することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
上述のとおり、建設機械の熱交換器用のエアフィルタとしての実施例について説明したが、本発明は、それに限らず、産業機械、その他の熱交換器用のエアフィルタとして適用できる。また、熱交換器用だけでなく、建設機械、産業機械等のエンジンルーム外装の吸気口や、車両、建物等の吸気口のエアフィルタとしても適用できる。
【符号の説明】
【0023】
1 傾斜壁面
2 液体供給部
3 液体受け部
4 液体循環装置
5 エアダクト
6 ストレーナ
7 エア偏向板
7a 端縁
8 空間
9 接続ダクト
【0024】
10 連結部
11 エア
12 液体
13 塵埃
14 吸気部
15 排気部
16 配管
17 熱交換器
18 取付角度