(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無線タグは、前記動作モードの継続時間が前記設定時間を超えた場合、および、該動作モードにおいて前記無線タグが前記タグ情報を送信した回数が前記設定回数を超えた場合の少なくとも一方の場合に、該動作モードを制御し、又は、該動作モードにおける動作を制御する、
請求項1又は2記載の情報処理システム。
前記無線タグは、前記動作モードの継続時間が前記設定時間を超えた場合、および、該動作モードにおいて前記タグが前記タグ情報を送信した回数が前記設定回数を超えた場合の少なくとも一方の場合に、該動作モードにおいて送信する前記タグ情報に付加情報を追加する、
請求項1乃至3記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および
図2は、一実施形態における情報処理システムの一例を示すブロック図である。
図2Aは、本実施例において、無線タグがセミアクティブモードで動作する場合を示すブロック図であり、
図2Bは、無線タグがアクティブモードで動作する場合を示すブロック図である。
【0012】
本発明は、後述するとおり、セミアクティブタグモードおよびアクティブモードで動作可能な無線タグであって、所定の条件に基づいて、どちらのモードで動作をするか柔軟に制御可能な無線タグを含む。たとえば、無線タグが、発信機などの外部装置からのトリガを受信することを条件に無線タグのタグ情報を送信するセミアクティブモードで動作している場合、無線タグは、所定の条件に達した場合に、任意のタイミングで当該無線タグのタグ情報を送信するアクティブモードで動作するように動作モードを切り換え制御する。また、無線タグがアクティブモードで動作している場合、当該無線タグは、所定の条件に達した場合に、セミアクティブモードで動作するように動作モードを切り換え制御する。
【0013】
ここで、所定の条件とは、無線タグが、動作モードを切り換えるための制御コマンドを受信したこと、ある動作モードの継続時間が所定時間に達したこと、ある動作モードにおいて無線タグがタグ情報を送信した回数が所定回数に達したこと、または、無線タグがユーザから動作モードの切り換え指示を受け付けたことなどを含むが、これに限られない。なお、無線タグがユーザから動作モードの制御指示を受け付けるとは、たとえば、無線タグに動作モードを切り換えるための機械的なスイッチが備えられている場合であって、ユーザが当該スイッチを切り換えた場合の制御信号を無線タグが受け付けることが含まれる。このように、様々な条件を制御情報(制御コマンド)として無線タグに供給し、柔軟に無線タグの動作モードを制御することができる。
【0014】
図1に示す情報処理システム10は、例示的に、発信機12と、無線タグ14と、受信機16と、ホスト18とを備える。
【0015】
発信機12は、例えば発信機12に対応づけられた所定のエリア内に、コマンドを発信する。例えば、発信機12は、コマンドとして、無線タグ14を起動するための起動信号および後述する制御情報(制御コマンド)を発信する。起動信号は、当該エリア固有のトリガID(エリアID)を含み得る。ここで、起動は、スリープ状態からの復帰を含む。
また、発信機12は、受信機16から、応答信号として、無線タグ14を制御するためのコマンド情報を取得すると、所定のエリア内に、当該コマンド情報を含む制御情報(制御コマンド)を発信する。制御コマンドとしては、例えば、無線タグ14の動作モードを制御するための動作モード制御コマンドなどがある。また、制御コマンドは、発信機12を制御する条件を示す制御条件コマンドをさらに含み得る。たとえば、制御条件コマンドは、所定動作モードを持続させる条件、又は、所定動作モードを切り換える条件に関する情報を含み得る。制御条件コマンドは、たとえば、所定動作モードを継続させる(最大)時間を示す設定時間、および、該動作モードにおいて無線タグ14が所定の動作をした回数(の上限)を示す設定回数の少なくとも一方を含み得る。
なお、発信機12は、発信する際、省電力を考慮して間欠的に発信するとよい。
【0016】
本実施形態において、無線タグ14は、以下の少なくとも二つの動作モードで動作可能に構成されている。具体的には、無線タグ14の動作モードには、(1)セミアクティブモードと、(2)アクティブモードとが存在する。
(1)セミアクティブモード
図2Aに示すとおり、無線タグ14は、発信機12からのトリガ、制御コマンドの受信時に、他装置に情報を送信する。たとえば、セミアクティブモードにおいて無線タグ14は、発信機12からのトリガ、制御コマンドの受信ごとに、後述するタグ情報を送信する。
(2)アクティブモード
図2Bに示すとおり、無線タグ14は、発信機12からのトリガ等を受信することなく、任意のタイミングで他装置に情報を送信する。たとえば、アクティブモードにおいて無線タグ14は、後述するタグ情報を送信する。
なお、無線タグ14は、パッシブモードで動作可能に構成されてもよい。たとえば、パッシブモードにおいて無線タグ14は、発信機12または受信機16などの他装置から供給される電力により動作可能となり、その後他装置に情報を送信する。パッシブモードで動作する無線タグ14においては、通常電源を備えていないことが想定されるが、電源を備えている無線タグ14であっても、なんらかの原因で電源が故障したような場合に、パッシブモードで動作可能に動作モードが制御されるように構成されてもよい。
【0017】
無線タグ14がセミアクティブモードで動作する場合、
図2Aに示すように、起動信号を受信すると起動し、制御コマンドを要求するための要求信号を送信する。また、無線タグ14は、エリアIDを含む起動信号を受信するとき、自装置を識別するためのタグIDと当該エリアIDとを含むタグ情報を受信機16に送信する。
【0018】
無線タグ14は、発信機12から制御コマンドを受信すると、制御コマンドが無線タグ14の動作モードを制御する動作モード制御コマンドを含む場合、受信した動作モード制御コマンドに基づき動作モードを制御する。本実施形態においては、無線タグ14は「セミアクティブモード」で動作しているので、たとえば「アクティブモード」に切り換わる。また、無線タグ14は、「セミアクティブモード」から「パッシブモード」に切り換わるように構成されてもよい。
【0019】
さらに、無線タグ14は、発信機12から制御コマンドを受信すると、制御コマンドが、制御条件コマンドを含む場合、動作モードの継続時間と制御条件コマンドに含まれる設定時間との比較結果、および、該動作モードにおいて無線タグ14が後述するタグ情報を送信した回数と制御条件コマンドに含まれる設定回数との比較結果の少なくとも一方に基づいて、該動作モードを切換制御し、又は、該動作モードにおける動作を制御する。具体的には、無線タグ14は、動作モードの継続時間が設定時間を超えた場合、および、該動作モードにおいて無線タグ14がタグ情報を送信した回数が設定回数を超えた場合の少なくとも一方の場合に、該動作モードを制御し、又は、該動作モードにおける動作を制御する。また、無線タグ14は、動作モードの継続時間が設定時間を超えた場合、および、該動作モードにおいて無線タグ14がタグ情報を送信した回数が設定回数を超えた場合の少なくとも一方の場合に、該動作モードにおいて送信するタグ情報に付加情報を追加する。たとえば、付加情報は、無線タグ14がタグ情報を送信するタイミングに関する情報などである。
なお、無線タグ14は、例えば人や車両等の物体に装着される。
【0020】
受信機16は、要求信号を受信すると、受信した要求信号に対する応答信号として、要求信号に基づく制御コマンドを発信機12に送信する。たとえば、受信機16は、発信機12に対応づけられた所定エリア内に発信される、動作モード制御コマンド及び/又は制御条件コマンドを発信機12に送信する。
また、受信機16は、タグIDと当該エリアIDとを含むタグ情報を受信すると、タグ情報をホスト18に送信する。受信機16がタグ情報を受信したときに、どの制御信号を送信するかは、例えばホスト18などから設定可能である。
さらに、受信機16は、無線タグ14において動作制御コマンドに基づいて動作モードが制御された場合に、動作モードが制御された無線タグ14からタグ情報を受信したときは、自機の設置位置を示す設置位置情報がさらに付加されたタグ情報をホスト18に送信する。さらに、受信機16は、タグ情報に時間情報をさらに付加してホスト18に送信してもよい。
【0021】
ホスト18は、受信機16の出力によるタグ情報を基に、無線タグ14を保持した、人や物体の位置を判定する。たとえば、ホスト18は、タグIDを含むタグ情報および発信機12に対応づけられた所定エリア内に発信される、該エリア固有のエリアIDに基づいて無線タグ14の位置を判定する。 さらに、ホスト18は、受信機16の出力を設定可能である。例えば、ホスト18は、受信機16が要求信号を取得したときに、どの制御信号を出力するかを設定可能である。さらに、ホスト18は、制御条件コマンドを変更する。たとえば、ホスト18は、設定時間が長くなるように又は短くなるように変更し、設定回数が多くなるように又は少なくなるように変更する。なお、ホスト18が制御条件コマンドを変更したときは、無線タグ14は、変更された制御条件コマンドに基づいて該動作モードを切換制御し、又は、該動作モードにおける動作を制御するように構成されている。
【0022】
上記のとおり、無線タグ14がセミアクティブモードで動作する場合について
図2Aを用いて説明したが、以下では、無線タグ14がアクティブモードで動作する場合について
図2Bを用いて説明する。無線タグ14がセミアクティブモードで動作する場合の説明と重複する部分については、適宜省略し、異なる部分について特に説明する。
【0023】
無線タグ14がアクティブモードで動作する場合、
図2Bに示すように、無線タグ14は、発信機12からトリガ等を受信することなく、自装置を識別するためのタグIDを含むタグ情報を受信機16に送信する。
【0024】
無線タグ14は、受信した制御コマンドが無線タグ14の動作モードを制御する動作モード制御コマンドを含む場合、受信した動作モード制御コマンドに基づき動作モードを制御する。本実施形態においては、無線タグ14は「アクティブモード」で動作しているので、たとえば、「セミアクティブモード」に切り換わる。また、無線タグ14は、「アクティブモード」から「パッシブモード」に切り換わるように構成されてもよい。
【0025】
受信機16は、タグIDを含むタグ情報を受信すると、タグ情報をホスト18に送信する。さらに、受信機16は、無線タグ14からタグ情報を受信したときは、自機の設置位置を示す設置位置情報がさらに付加されたタグ情報をホスト18に送信する。さらに、受信機16は、タグ情報に時間情報をさらに付加してホスト18に送信してもよい。
【0026】
ホスト18は、受信機16の出力によるタグ情報を基に、無線タグ14を保持した、人や物体が当該受信機16に対応づけられた所定エリア内に存在している、又は、存在していたことを判定する。
次に、各装置の具体的な構成について説明する。
【0027】
図3は、発信機12の構成の一例を示すブロック図である。発信機12は、
図3に示すように、例示的に、通信回路20と、電源回路22と、1チップマイコン24と、信号生成回路28と、出力回路30と、共振調整回路32と、アンテナ36とを備える。
【0028】
通信回路20は、受信機16から、応答信号として各制御コマンドを受信すると、各制御コマンドを1チップマイコン24に出力する。電源回路22は、発信機12各部に直流電力(例えばDC12V)を供給する。
【0029】
1チップマイコン24は、CPU、RAM、ROM、入出力インタフェースを備える。1チップマイコン24は、信号生成回路28に対して、無線タグ14を起動させる起動信号の生成を制御する。また、1チップマイコン24は、共振調整回路32に対して共振制御を行う。例えば、1チップマイコン24は、起動信号を発信するための演算を実行し、実行結果を信号生成回路28に出力する。
【0030】
また、1チップマイコン24は、無線タグ14を制御するための制御コマンド(たとえば、動作制御コマンド、制御条件コマンドなど)を取得した場合、制御コマンドを発信するための演算を実行し、実行結果を信号生成回路28に出力する。エリアIDは、例えば8ビットである。
【0031】
信号生成回路28は、1チップマイコン24の演算結果を基に、起動信号や制御コマンドを生成し、生成した起動信号や制御コマンドを出力回路30に出力する。出力回路30は、信号生成回路28により生成された起動信号や制御コマンドを、アンテナ36を介して所定のエリアに向けて発信する。
【0032】
この際、共振調整回路32は、エリアID(信号)などの共振を調整する。なお、起動信号や制御コマンドは、エリアIDに比べてビット数を変化させることができる。
【0033】
図4は、無線タグ14の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、無線タグ14は、例示的に、受信アンテナ40と、検出回路42と、1チップマイコン44と、電源46と、周波数制御回路48と、発振・変調回路50と、出力回路52と、送信アンテナ54とを備える。
【0034】
受信アンテナ40は、発信機12の所定のエリア内で、起動信号や制御コマンドを受信したときに、受信した起動信号や制御コマンドを検出回路42に出力する。また、受信アンテナ40は、発信機12の所定のエリア内で、所定の電波(例えば93.75kHz)として、エリアIDを含む制御コマンドを受信したときに、受信したエリアIDを検出回路42に出力する。
【0035】
検出回路42は、受信アンテナ40が起動信号や制御コマンドを受信したときに、受信した起動信号に基づき起動検出信号や、受信した制御コマンドに基づきエリア検出信号又はコマンド検出信号を1チップマイコン44に出力する。
【0036】
1チップマイコン44は、検出回路42から起動検出信号が入力されたときの演算処理として、要求信号を送信するために、周波数制御回路48と発振・変調回路50と出力回路52を制御するための演算処理を実行する。
【0037】
また、1チップマイコン44は、検出回路42からエリア検出信号が入力されたとき、つまり受信アンテナ40がエリアIDを受信したときの演算処理として、エリアID及び/又はタグIDを含むタグ情報を送信するために、周波数制御回路48と発振・変調回路50および出力回路52を制御するための演算処理を実行する。
【0038】
また、1チップマイコン44は、検出回路42からコマンド検出信号が入力されたときに、コマンド検出信号が示す各制御コマンドの制御内容に基づいて、無線タグ14の制御を行う。例えば、1チップマイコン44は、制御コマンドが無線タグ14の動作モードを制御する動作モード制御コマンドを含む場合、受信された動作モード制御コマンドに基づき動作モードを制御する。また、1チップマイコン44は、発信機12から制御コマンドが受信され、制御コマンドが、制御条件コマンドを含む場合、制御された動作モードの継続時間と制御条件コマンドに含まれる設定時間との比較結果、および、該動作モードにおいて無線タグ14が後述するタグ情報を送信した回数と制御条件コマンドに含まれる設定回数との比較結果の少なくとも一方に基づいて、該動作モードを切換制御し、又は、該動作モードにおける動作を制御する。さらに、1チップマイコン44は、ホスト18により制御条件コマンドが変更されたときは、変更された制御条件コマンドに基づいて該動作モードを切換制御し、又は、該動作モードにおける動作を制御する。
【0039】
周波数制御回路48と、発振・変調回路50とは、1チップマイコン44の各演算結果に従って各処理を実行する。
【0040】
出力回路52は、要求信号や、エリアIDとタグIDとを含むタグ情報を、送信アンテナ54から例えば300MHz帯の電波で送信する。
【0041】
図5は、受信機16の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、受信機16は、例示的に、受信アンテナ60と、受信回路61と、復調回路62と、電源回路63と、メモリ64と、1チップマイコン66と、LAN通信回路70と、デジタル入出力(DI/DO)回路72と、通信回路76とを備える。また、LAN通信回路70は、LAN74を介してホスト18に接続されている。
【0042】
受信回路61は、送信アンテナ54から送信されたタグ情報を、受信アンテナ60を介して受信したときに、タグ情報をデジタルのタグ情報として復調回路62に出力する。また、受信回路61は、送信アンテナ54から送信された要求信号を、受信アンテナ60を介して受信したときに、要求信号を復調回路62に出力する。
【0043】
復調回路62は、受信回路61から出力されたタグ情報や要求信号を復調し、復調結果を1チップマイコン66に出力する。電源回路63は、受信機16各部に直流電力を供給する。
【0044】
1チップマイコン66は、復調回路62からの復調結果やメモリ64のデータを処理する。1チップマイコン66は、復調結果として、例えば、受信機16の設置位置情報が付加されたタグ情報を取得した場合、当該タグ情報を、LAN通信回路70とLAN74を介してホスト18に転送する。また、1チップマイコン66は、復調結果として要求信号を取得した場合、各制御コマンドを通信回路76に出力する。どの制御コマンドを出力するかは、1チップマイコン66に予め設定されていればよい。また、1チップマイコン66は、デジタル入出力回路72にLED(
Light
Emitting
Diode)を制御するための指示を出したり、デジタル入出力回路72からの指示により制御を行ったりする。
【0045】
LAN通信回路70は、例えば100BASE−Tや100BAE−TXであり、タグ情報を、LAN74を介してホスト18に送信する。デジタル入出力回路72は、接点等から入力されたデータを1チップマイコン66に出力する。また、デジタル入出力回路72は、1チップマイコン66からの指示によりLED等を制御する。通信回路76は、1チップマイコン66から応答信号として各制御コマンドを取得した場合、各制御コマンドを発信機12に送信する。
【0046】
ホスト18は、例えば、パーソナルコンピュータで構成され、受信機16の設置位置情報が付加されたタグ情報を基に、無線タグ14を保持した、人や物体の位置を判定したり、発信機12や無線タグ14や受信機16などを制御するための情報を生成したりする。例えば、ホスト18は、受信機16に対して、要求信号を取得したときにどの制御コマンドを出すかを設定することができる。なお、受信機16は、設置位置情報に加えて、たとえば、時間情報など情報をタグ情報に付加するように構成されてもよい。ホスト18は、ホスト18側で有する時計機能の時間に基づいて、タグ情報を受信した時間により時間管理を行ってもよい。
【0047】
次に、情報処理システム10を、動態管理を行う無線タグ管理システムとして用いる場合の実施形態について説明する。以下、情報処理システム10を用いて、作業者の作業管理を行うときの作用を
図6に基づいて説明する。
【0048】
図6は、本発明の一実施形態における無線タグ管理システムの一例を示す図である。
図6に示す実施形態においては、施設100内の建屋200の出入口202の外側に発信機12Aを、内側に発信機12Bをそれぞれ配置し、さらに、建屋200内に発信機12Cと発信機12Dとをそれぞれ配置した場合について説明する。また、受信機16は、施設100(および建屋200)内に一以上配置されている。また、建屋200内の受信機16Aは、発信機12にそれぞれ対応させて配置されてもよい。なお、発信機12A〜12Dは、発信機12と同一の機能を有するもので構成されている。ここで、後述するとおり、本システムにおいては、施設100内のエリアであって、建屋200内のエリアA2以外のエリアA1において、発信機12を設置することは不要である。
【0049】
(エリアA2からエリアA1に進入する場合)
まず、無線タグ14を保持した作業者が建屋200内のエリアA2で作業をしている。作業者の無線タグ14が(発信機12A,B,Dの設置位置よりも)発信機12Cの設置位置に近い位置で作業を開始する場合において以下説明する。まず、作業者の無線タグ14は、発信機12Cから発信機12CのエリアID01を含む起動信号を受信し、要求信号として、自装置(無線タグ14)を識別するためのタグIDと当該エリアID01とを含むタグ情報を受信機16Aに送信する。
【0050】
次に、受信機16Aは、この要求信号を受信すると、受信したタグ情報に受信機16Aの設置位置を示す設置位置情報を付加してホスト18に転送する。受信機16Aは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に時間情報をさらに付加してホスト18に転送してもよい。
【0051】
これにより、ホスト18は、建屋200内の発信機12Cの設置位置に無線タグ14を保持した作業者が近づいたことや作業者が当該設置位置付近にいることを検知することができる。なお、発信機12A乃至Dは、常時発信状態であるように構成されていてもよい。一方で、ホスト18は、タグIDと建屋200内にある発信機12A乃至Dとを関連付けておくことで、タグIDにより、どの作業者がエリアA2内のどの位置に行くかを把握できるため、ホスト18は、タグIDに対応する発信機に対して発信指示を行うことができる。したがって、発信機12A乃至Dの少なくとも一つは、停止状態であり、上記指示に応じて発信するように構成されていてもよい。なお、ホスト18は、作業者による作業が終了したことを検知したときには、発信機12Cに対して、発信停止を指示するように構成されてもよい。なお、無線タグ14は、すでにセミアクティブモードで動作を開始(すでに起動済)していてもよいし、無線タグ14が起動していない場合は、無線タグ14は、発信機12A乃至12Dのいずれか一つからの、無線タグ14を起動するための起動信号により起動し、セミアクティブモードで動作するように構成されてもよい。
【0052】
次に、無線タグ14を保持した作業者が発信機12Dの設置位置付近に移動し、作業を開始する場合、作業者の無線タグ14は、発信機12Dから発信機12DのエリアID02を含む起動信号を受信し、エリアID02とタグIDとを含むタグ情報とを要求信号として発信する。
【0053】
次に、受信機16Aは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に受信機16Aの設置位置を示す設置位置情報を付加してホスト18に転送する。受信機16Aは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に時間情報をさらに付加してホスト18に転送してもよい。
【0054】
これにより、ホスト18は、建屋200内の発信機12Dの設置位置に無線タグ14を保持した作業者が近づいたことや作業者が当該設置位置付近にいることを検知することができる。
【0055】
ホスト18は、作業者による作業が終了したことを検知したときには、発信機12Dに対して、発信停止を指示するように構成されてもよい。
【0056】
次に、作業の終了に伴って、作業者が、発信機12Dの設置位置付近から建屋200の出入口202に近づく場合、作業者の無線タグ14は、出入口202付近に設置された発信機12Bから当該発信機12BのエリアID03を含む起動信号を受信し、要求信号として、自装置(無線タグ14)を識別するためのタグIDと当該エリアID03とを含むタグ情報を受信機16Aに送信する。
【0057】
受信機16Aは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に受信機16Aの設置位置を示す設置位置情報を付加してホスト18に転送する。受信機16Aは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に時間情報をさらに付加してホスト18に転送してもよい。
【0058】
これにより、ホスト18は、建屋200内の発信機12Bの設置位置に無線タグ14を保持した作業者が近づいたことや作業者が当該設置位置付近にいることを検知することができる。すなわち、ホスト18は、無線タグ14を保持した作業者が出入口202に近づいたことを検知することができる。
【0059】
この後、作業者が、出入口202から建屋200の外(エリアA1)に出ると、作業者の無線タグ14は、出入口202付近に設置された発信機12Aから当該発信機12AのエリアID04を含む起動信号を受信し、要求信号として、自装置(無線タグ14)を識別するためのタグIDと当該エリアID04とを含むタグ情報を受信機16Aに送信する。
【0060】
受信機16Aは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に受信機16Aの設置位置を示す設置位置情報を付加してホスト18に転送する。受信機16Aは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に時間情報をさらに付加してホスト18に転送してもよい。
【0061】
これにより、ホスト18は、建屋200内の発信機12Aの設置位置に無線タグ14を保持した作業者が近づいたことや作業者が当該設置位置付近にいることを検知することができる。すなわち、ホスト18は、無線タグ14を保持した作業者が出入口202から建屋200の外に出たことを検知することができる。
上記のとおり、発信機の設置数(設置位置)に応じて、無線タグ14を保持した作業者が建屋200内のエリアA2のどの位置にいるか、当該エリアA2から出たかを詳細に判定できる。なお、発信機の数には制限はなく、建屋200内により多くの発信機を設置すればするほど、より詳細に無線タグ14の位置を判定できる。
【0062】
また、ホスト18により、無線タグ14を保持した作業者が出入口202から建屋200の外に出たことが検知された場合、無線タグ14は、発信機12Aから各コマンドを含む制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる無線タグ14の動作モードを制御する動作モード制御コマンドに基づき動作モードを制御する。たとえば、エリアA2において無線タグ14の動作モードが「セミアクティブモード」である場合は、「アクティブモード」に切り換わり、エリアA1においては、無線タグは、「アクティブモード」で動作をする。
【0063】
なお、無線タグ14は、エリアA2からエリアA1に進入する際に、動作モードが切り換わるように構成されてもよい。たとえば、ホスト18により、無線タグ14を保持した作業者が出入口202付近に設置されている発信機12Bの設置位置付近から発信機12Aの設置位置付近へと人入したこと(進入していること)、すなわち、発信機12Bに対応づけられた所定エリアに在圏している無線タグ14が発信機12Aに対応づけられた所定エリアに進入したこと(進入している)が検知された場合、無線タグ14は、発信機12Aから各コマンドを含む制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる無線タグ14の動作モードを制御する動作モード制御コマンドに基づき動作モードを制御するように構成されてもよい。
【0064】
次に、作業者が、建屋200の出入口202からエリアA1の受信機16Cの設置位置付近に近づく場合、作業者の無線タグ14がタグIDを含むタグ情報を発信しているので、受信機16Cは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に時間情報をさらに付加してホスト18に転送する。
【0065】
これにより、ホスト18は、無線タグ14を保持した作業者が受信機16Cに対応づけられた通信可能エリアに侵入した(当該エリアにいる)ことを検知することができる。
【0066】
次に、エリアA1の受信機16Cの設置位置付近からエリアA1の受信機16Dの設置位置付近に近づく場合、作業者の無線タグ14がタグIDを含むタグ情報を発信しているので、受信機16Dは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に時間情報をさらに付加してホスト18に転送する。
【0067】
これにより、ホスト18は、無線タグ14を保持した作業者が受信機16Dに対応づけられた通信可能エリアに侵入した(当該エリアにいる)ことを検知することができる。
【0068】
同様に、他の受信機に近づく、または他の受信機の通信可能エリアに進入する場合も、同様にホスト18は、エリアA1における無線タグ14の位置を大まかに判定することができる。
【0069】
上記のとおり、受信機の設置数(設置位置)に応じて、無線タグ14を保持した作業者が施設100内のエリアA1のどの位置(範囲)にいるかを大まかに判定(無線タグがあるエリア内に存在することを判定)できる。なお、受信機の数には制限はなく、エリアA1内により多くの受信機を設置すればするほど、より詳細に無線タグ14の位置を判定できる。さらに、エリアA1においては、無線タグ14は、アクティブモードで動作しているため、受信機16B乃至Hを設置すれば当該受信機16B乃至Hのそれぞれの周辺の無線タグ14と通信可能であり無線タグ14のタグ情報等を収集可能となり、発信機12は不要となる。
【0070】
(エリアA1からエリアA2に進入する場合)
次に、作業者が、たとえば、エリアA1に設置された受信機16Cの設置位置付近から発信機12Aの設置位置付近に近づく場合、作業者の無線タグ14は、発信機12Aから当該発信機12AのエリアID04を含む起動信号を受信し、要求信号として、自装置(無線タグ14)を識別するためのタグIDと当該エリアID04とを含むタグ情報を受信機16Aに送信する。
【0071】
受信機16Aは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に時間情報をさらに付加してホスト18に転送する。
【0072】
これにより、ホスト18は、建屋200内の発信機12Aの設置位置に無線タグ14を保持した作業者が近づいたことや作業者が当該設置位置付近にいることを検知することができる。
【0073】
次に、作業者が、出入口202付近に設置された発信機12Aの設置位置付近から同様に出入口202付近に設置された発信機12Bに近づく場合、作業者の無線タグ14は、発信機12Bから当該発信機12BのエリアID03を含む起動信号を受信し、要求信号として、自装置(無線タグ14)を識別するためのタグIDと当該エリアID03とを含むタグ情報を受信機16Aに送信する。
【0074】
受信機16Aは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に受信機16Aの設置位置を示す設置位置情報を付加してホスト18に転送する。受信機16Aは、タグ情報を受信すると、受信したタグ情報に時間情報をさらに付加してホスト18に転送してもよい。
【0075】
これにより、ホスト18は、建屋200内の発信機12Bの設置位置に無線タグ14を保持した作業者が近づいたことや作業者が当該設置位置付近にいることを検知することができる。すなわち、ホスト18は、無線タグ14を保持した作業者が出入口202から建屋200の外(エリアA1)から建屋200の内(エリアA2)に進入したことを検知することができる。
【0076】
また、ホスト18により、無線タグ14を保持した作業者がエリアA1からエリアA2に進入したことが検知された場合、無線タグ14は、発信機12Aから各コマンドを含む制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる無線タグ14の動作モードを制御する動作モード制御コマンドに基づき動作モードを制御する。たとえば、エリアA1において無線タグ14の動作モードが「アクティブモード」である場合は、「セミアクティブモード」に切り換わり、エリアA2においては、無線タグは、「セミアクティブモード」で動作をする。
【0077】
なお、無線タグ14は、エリアA1からエリアA2に進入する(進入している)際に、動作モードが切り換わるように構成されてもよい。たとえば、ホスト18により、無線タグ14を保持した作業者が出入口202付近に設置されている発信機12Aの設置位置付近(エリアA1)から発信機12Bの設置位置付近(エリアA2)へと進入すること(進入していること)、すなわち、発信機12Aに対応づけられた所定エリアに在圏している無線タグ14が発信機12Bに対応づけられた所定エリアに進入したこと(進入している)が検知された場合、が検知された場合、無線タグ14は、発信機12Aから各コマンドを含む制御コマンドを受信すると、制御コマンドに含まれる無線タグ14の動作モードを制御する動作モード制御コマンドに基づき動作モードを制御するように構成されてもよい。
【0078】
本実施形態によれば、エリアA2においては、無線タグ14がセミアクティブモードで動作し、発信機の設置数(設置位置)に応じて無線タグの位置をより詳細に判定することが可能である一方、エリアA1においては、無線タグ14がアクティブモードで動作し、受信機の設置数(設置位置)に応じて無線タグの位置を大まかに判定する(無線タグがあるエリア内に存在することを判定する)ことが可能である。したがって、本実施形態によれば、無線タグの存在するエリアに応じて柔軟に無線タグの位置を判定することができる。
また、本実施形態によれば、建屋200を利用する作業者の入退出、人数、作業を管理することができる。さらに、タグ情報などを、暗号化して送ってもよい。この場合、無線タグ14は、発信機12から受信する出力制御コマンドに基づくデータを基に暗号化することで、常に同じ鍵を用いて暗号化することがなくなり、セキュリティを向上させることができる。
【0079】
<変形例>
本実施形態では、上述した実施例以外にも、様々な制御コマンドを適用することができる。例えば、無線タグ14を制御する各制御コマンドとしては、無線タグ14のLEDをON又はOFFにするコマンドや、無線タグ14の各機能を省電力モードにするコマンドや、無線タグ14から出力されるデータ(例えばタグ情報)を制御するコマンドや、無線タグ14からタグIDを出力させるコマンド、無線タグ14の動作速度を調節するコマンドなどである。
【0080】
また、本実施形態では、要求信号が無線タグ14ごとに異なれば、無線タグ14ごとに異なる制御を行うことも可能である。これにより本実施形態では、無線タグ14を選別して、選別した無線タグ14だけに制御を行うことも可能である。
【0081】
また、各実施例において、複数の無線タグ14を用いる場合、各無線タグ14の発信タイミングを乱数表に従って異なるタイミングに設定することもできる。これにより、無線タグ14それぞれに対して制御を行うことができる。
【0082】
さらに、上記実施形態において、タグ情報にCRCコードを付加したり、無線タグ14として、在庫の状態での電池消耗を防止するために、ケース封入時に通電開始するケース構造としたりすることもできる。
【0083】
なお、上記実施形態では、受信機16が、要求信号を受信して応答信号として各制御コマンドを出力する機能、つまり、信号に変更を加える機能を有する。しかし、上記実施形態では、他の例として、発信機12が、受信機16から応答信号として要求信号を受信して各制御コマンドを送信する機能を有してもよい。よって、応答信号は、要求信号又は各制御コマンドのどれでもよく、もしくはその他の信号・情報でもよい。