(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の溝は前記表面処理層が形成された画素の発光色と異なる発光色を放出する隣接した画素に向かう第1方向に沿って前記開口部の少なくとも一側に位置することを特徴とする請求項1に記載の発光表示装置。
前記複数の溝は、前記表面処理層が形成された画素の発光色と異なる発光色を放出する隣接した画素に向かう第1方向に沿って前記開口部の少なくとも一側に位置することを特徴とする請求項10に記載の発光表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有機発光表示装置は、画素別に形成される陽極を露出するように開口部を有する画素定義膜を含み、例えば、この画素定義膜の開口部を介して露出する陽極上に正孔注入層、正孔注入層上に正孔輸送層、正孔輸送層上に有機発光層、有機発光層上に電子輸送層、電子輸送層上に電子注入層、電子注入層上に形成された陰極が形成される。このうち、正孔輸送層と有機発光層はインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法などにより形成される。
【0005】
他方、陽極上には正孔輸送層溶液の湿潤性を良くするため、親液性を有する表面処理層が形成される。
【0006】
しかし、正孔輸送層溶液を表面処理層に吐出するとき、吐出圧力と吐出速度などによっては、意図せず隣接した画素方向に広がってしまい、正孔輸送層が意図しない隣接した画素の一部分にまで形成されてしまうことがある。この場合、有機発光層も正孔輸送層上で隣接した画素の一部分にまで形成されてしまい、隣接した画素の間で異なる発光色を放出する有機発光層が互いに重なる形態に形成されてしまうことになる。
【0007】
このため、発光表示装置が駆動するとき、意図しない混色が発生し、表示品質が低下してしまうという問題がある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、このような意図しない混色が発生することを防止し、表示品質が向上した発光表示装置を提供することにある。
【0009】
本発明が解決しようとする他の課題は、混色が発生することを防止し、表示品質が向上した発光表示装置の製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の課題は、上述の技術的課題に制限されず、後述の記載から当業者が理解可能な他の技術的課題に対しても、適用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置は、複数の画素が配置された基板と、基板上に各画素別に形成された第1電極と、基板上に各画素を区切り、第1電極を露出する開口部を有する画素定義膜と、第1電極上に形成された電荷注入層と、電荷注入層上に画素定義膜の開口部の内側から画素定義膜の上面まで延長されるように形成され、画素定義膜の上面に延長された部分に複数の溝が形成された表面処理層と、表面処理層上に形成された電荷輸送層と、電荷輸送層上に形成された発光層と、発光層上に形成された第2電極と、を含む。
【0012】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の溝は、表面処理層が形成された画素の発光色と異なる発光色を放出する隣接した画素に向かう第1方向に沿って開口部の少なくとも一側に位置してもよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の溝は、第1方向と交差(たとえば、垂直)する第2方向に延長された略直線形状を有してもよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の溝の幅は、隣接した画素に行くほど大きくなってもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の溝の幅は、同じでもよい。
【0016】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の溝は、第1方向と、第1方向と交差(たとえば、垂直)する第2方向との間で斜線形状を有してもよい。
【0017】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の溝は格子形状を有してもよい。
【0018】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の画素は、一列に配列され、同じ発光色を放出する画素を含み、表面処理層は画素単位で配置されるように形成されてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、電荷輸送層は、表面処理層に倣って積層してもよい。
【0020】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、課題を達成するための本発明の他の実施形態による発光表示装置は、複数の画素が配置された基板と、基板上に各画素別に形成された第1電極と、基板上に各画素を区切り、第1電極を露出する開口部を有する画素定義膜と、第1電極上に形成された第1共通層と、第1共通層上に画素定義膜の開口部の内側から画素定義膜の上面まで延長されるように形成され、画素定義膜の上面に延長された部分に複数の溝が形成された表面処理層と、表面処理層上に形成された発光層と、発光層上に形成された第2電極と、を含む。
【0021】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の溝は、表面処理層が形成された画素の発光色と異なる発光色を放出する隣接した画素に向かう第1方向に沿って開口部の少なくとも一側に位置してもよい。
【0022】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の溝は、第1方向と交差(たとえば、垂直)する第2方向に延長された略直線形状を有してもよい。
【0023】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の溝は、第1方向と、第1方向と交差(たとえば、垂直)する第2方向との間で斜線形状を有してもよい。
【0024】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の溝は格子形状を有してもよい。
【0025】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、複数の画素は一列に配列され、同じ発光色を放出する画素を含み、表面処理層は画素単位で配置されるように形成されてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置において、発光層は表面処理層に倣って積層してもよい。
【0027】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置の製造方法は、複数の画素が配置された基板上に各画素別に第1電極を形成する段階と、基板上に各画素を区切り、第1電極を露出する開口部を有する画素定義膜を形成する段階と、第1電極上に電荷注入層を形成する段階と、電荷注入層上に画素定義膜の開口部の内側から画素定義膜の上面まで延長され、画素定義膜の上面に延長された部分に複数の溝を有する表面処理層を形成する段階と、表面処理層上に電荷輸送層を形成する段階と、電荷輸送層上に発光層を形成する段階と、発光層上に第2電極を形成する段階と、を含む。
【0028】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置の製造方法において、電荷輸送層を形成する段階は、画素定義膜の開口部の内側に電荷輸送層溶液を提供する過程と、電荷輸送層溶液を乾燥させる過程を含み、発光層を形成する段階は、画素定義膜の開口部の内側に発光層溶液を提供する過程と、発光層溶液を乾燥させる過程を含んでもよい。
【0029】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置の製造方法において、電荷輸送層溶液と発光層溶液は同じ溶媒を含んでもよい。
【0030】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置の製造方法において、電荷注入層と発光層はインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法によって形成されてもよい。
【0031】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0032】
本発明の実施形態によれば、少なくとも次のような効果がある。
【0033】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置は、複数の溝により外周に凹凸が形成された表面処理層を備えることでインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法によって第1電荷輸送層溶液が表面処理層の外側に離脱することを防ぎ、異なる発光色を放出する画素方向に広がって第1電荷輸送層が意図しない隣接した画素の一部分にまで形成されることを防止できる。
【0034】
したがって、本発明の一実施形態に係る発光表示装置は、第1電荷輸送層に形成された発光層が意図しない隣接した画素の一部分にまで形成され、隣接した画素PXの間で異なる発光色を放出する発光層が互いに重なる形態に形成されることを防止することによって、駆動時に意図しない混色が表示され、表示品質が低下することを防止できる。
【0035】
本発明による効果は、以上で例示された内容によって制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の効果及び特徴、これらを実施する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態において明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現されるものであり、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範囲によってのみ定義される。
【0038】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と指称された場合、他の素子の真上にまたは中間に他の層または他の素子を介在する場合のすべてを含む。明細書全体において、同一の参照符号は同一の構成要素を指称する。
【0039】
第1、第2などが多様な素子、構成要素を叙述するために使用されるが、これら素子、構成要素はこれらの用語によって制限されないことはいうまでもない。これらの用語は、単に一つ構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素でもよいことは勿論である。
【0040】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態に係る発光表示装置の画素を示す概略的な平面図である。
図2は、
図1のA−A線に沿って切断した部分の断面図である。
【0042】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る発光表示装置100は、基板105、第1電極110、画素定義膜120、第1電荷注入層130、表面処理層140、第1電荷輸送層150、発光層160、第2電荷輸送層170、第2電荷注入層180及び第2電極190を含む。各部材は
図2のZ方向に順次に積層される。
【0043】
基板105は、画像を表示する複数の画素PXが定義される表示領域DAと、表示領域DAの外側に位置する非表示領域NDAを含む。複数の画素PXは赤色を放出する赤色画素R、緑色を放出する緑色画素G、および青色を放出する青色画素Bを含んでもよい。
図1では、Y方向に同じ発光色を放出する画素PXが一列に配列され、X方向に異なる発光色を放出する画素PXが交互に配列される場合を示しているが、本発明はこのような配列に限定されない。
【0044】
一方、同じ発光色を放出する画素PXが一列に配列される場合、第1電荷輸送層150及び発光層160をインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法を利用して形成するとき、第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)及び発光層溶液を一方向に吐出できるため、吐出工程が容易である。インクジェットプリント方法は所望する位置にプリントしようとする溶液をインクの水滴形態に落とす方法である。そして、ノズルプリント方法はプリントしようとする溶液を所望する位置を含むラインに沿って流れるようにする方法である。
【0045】
基板105は絶縁基板を含んでもよい。絶縁基板は透明な二酸化ケイ素(SiO
2)を主成分とする透明材質のガラス材で形成されてもよい。いくつかの実施形態で、絶縁基板は不透明材質を含むか、プラスチック材質を含む。さらに、絶縁基板はフレキシブル基板でもよい。
【0046】
図面に示していないが、基板105は絶縁基板上に形成された他の構造物をさらに含んでもよい。他の構造物の例としては、配線、電極、絶縁膜などが挙げられる。いくつかの実施形態で、基板105は絶縁基板上に形成された複数の薄膜トランジスタを含んでもよい。複数の薄膜トランジスタのうち少なくとも一部のドレイン電極は第1電極110と電気的に接続できる。薄膜トランジスタは、非晶性シリコン、多結晶シリコン、または単結晶シリコンなどを含むアクティブ領域を含んでもよい。他の実施形態で、薄膜トランジスタは酸化物半導体で形成されたアクティブ領域を含んでもよい。
【0047】
第1電極110は基板105上に各画素PX別に形成される。第1電極110は、薄膜トランジスタのドレイン電極に印加された信号を受けて発光層160に正孔を提供する陽極または電子を提供する陰極でもよい。第1電極110は透明電極または反射電極として使用されてもよい。第1電極110が透明電極として使用されるとき、ITO(酸化インジウム薄膜)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)、またはIn
2O
3(三酸化二インジウム)で形成される。また、第1電極110が反射電極として使用されるとき、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr及びこれらの化合物などで反射膜を形成した後、その上にITO、IZO、ZnOまたはIn
2O
3を形成してもよい。第1電極110は、たとえばフォトリソグラフィー工程により形成されるが、これに限定されない。
【0048】
画素定義膜120は基板105上に各画素PXを区切り、第1電極110を露出する開口部OPを有する。これによって、画素定義膜120は開口部OPを介して第1電極110上に第1電荷注入層130が形成されるようにする。画素定義膜120は絶縁物質を含む。具体的には、画素定義膜120は、ベンゾシクロブテン(Benzo Cyclo Butene、BCB)、ポリイミド(polyimide、PI)、ポリアミド(polyamide、PA)、アクリル樹脂及びフェノール樹脂などから選択された少なくとも一つの有機物質を含む。また、他の例として、画素定義膜120はシリコン窒化物などのような無機物質を含む。画素定義膜120は、たとえばフォトリソグラフィー工程により形成されるが、これに限定されない。
【0049】
本発明に係る一実施形態において、画素定義膜120は第1電荷輸送層150がインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法を利用して形成されるとき、画素定義膜120に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角と表面処理層140に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角が異なるようにするようにする絶縁物質で形成されてもよい。具体的には、画素定義膜120は画素定義膜120に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角が表面処理層140に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角より大きくすることができる絶縁物質で形成されてもよい。例えば、画素定義膜120は画素定義膜120に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角が40°以上になるようにする絶縁物質で形成されてもよい。
【0050】
第1電荷注入層130は画素定義膜120の開口部OPにより露出する第1電極110上に形成され、画素定義膜120をすべて覆うように形成されてもよい。第1電荷注入層130は第1電極120から正孔を提供される正孔注入層または電子を提供される電子注入層でもよい。本実施形態では、第1電荷注入層130が正孔注入層である場合を例示的に説明する。第1電荷注入層130は第1電極110と第1電荷輸送層150との間のエネルギー障壁を低くする緩衝層であって、第1電極110から提供される正孔が第1電荷輸送層150に容易に注入されるようにする役割を果たす。第1電荷注入層130は、有機化合物、例えばMTDATA(4、4’、4''−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylamine)、CuPc(copper phthalocyanine)またはPEDOT/PSS(poly(3、4−ethylenedioxythiphene、polystyrene sulfonate)などを含むが、これに限定されない。第1電荷注入層130は、たとえばスリットコーティングにより形成されるが、これに限定されない。
【0051】
表面処理層140は第1電荷注入層130上に各画素PX別に形成される。具体的には、表面処理層140は第1電荷注入層130上に画素定義膜120の開口部OPの内側から画素定義膜120の上面まで延長されるように形成され、画素定義膜120の上面に延長された部分に複数の溝g1を有するように形成される。表面処理層140は、たとえばフォトリソグラフィー工程により形成されるが、これに限定されない。
【0052】
表面処理層140は第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)に対して画素定義膜120より親液性を有するように、すなわち表面処理層140に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角が画素定義膜120に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角より小さくする導電性プライマ(primer)で形成される。例えば、表面処理層140は表面処理層140に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角が20°以下である導電性プライマ(primer)で形成されてもよい。この場合、複数の画素PXにインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法を利用して第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)を画素定義膜120の開口部OPの内部の表面処理層140上に吐出するとき、表面処理層140に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の湿潤性が高く、第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)が露出した画素定義膜120の上面に広がらず、該当画素内に安定的に閉じ込められ得、第1電荷輸送層150が表面処理層140上に均一に形成されてもよい。湿潤性が高いという意味は、液体が固体表面に広く広がって接触する程度が高いという意味である。表面処理層140についてさらに詳細な説明は後述する。
【0053】
第1電荷輸送層150は表面処理層140上に形成される。第1電荷輸送層150は複数の溝g1を有する表面処理層140に倣って積層させてもよい。第1電荷輸送層150は表面処理層140の溝g1を少なくとも部分的に埋め込む。
【0054】
第1電荷輸送層150は第1電荷注入層130から表面処理層140により正孔を提供される正孔輸送層または電子を提供される電子輸送層でもよい。本実施形態では、第1電荷輸送層130が正孔輸送層である場合を例に挙げて説明する。第1電荷輸送層150は第1電荷注入層130から表面処理層140を介して提供される正孔を発光層160に伝達する役割を果たす。このような第1電荷輸送層150は有機化合物、例えば、TPD(N、N'−diphenyl−N、N'−bis(3−methylphenyl)−1、1'−bi−phenyl−4、4'−diamine)またはNPB(N、N'−di(naphthalen−1−yl)−N、N'−diphenyl−benzidine)などを含むが、これに限定されない。第1電荷輸送層150は、たとえばインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法を利用して形成されるが、これに限定されない。
【0055】
発光層160は第1電荷輸送層150上に形成される。発光層160は第1電極110から提供される正孔と第2電極190から提供される電子を再結合させて光を放出する。より詳細に説明すると、発光層160に正孔及び電子が提供されると、正孔及び電子が結合してエクシトンを形成し、このようなエクシトンが励起状態から基底状態に変化しながら光を放出させる。このような発光層160は赤色を放出する赤色発光層、緑色を放出する緑色発光層、および青色を放出する青色発光層を含んでもよい。発光層160は、たとえばインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法を利用して形成されるが、これに限定されない。
【0056】
赤色発光層は一つの赤色発光物質を含んでもよいし、ホストと赤色ドーパントを含んで形成されてもよい。赤色発光層のホストとして、たとえば、Alq
3、CBP(4、4'−N、N'−dicarbazol−biphenyl)、PVK(ploy(n−vinylcarbaxol))、ADN(9、10−Di(naphthyl−2−yl)anthrace)、TCTA、TPBI(1、3、5−tris(N−phenylbenzimidazol−2−yl)benzene)、TBADN(3−tert−butyl−9、10−di(naphth−2−yl)anthracene)、E3、DSA(distyrylarylene)などが使用されるが、これに限定されない。そして、赤色ドーパントとして、、たとえばPtOEP、Ir(piq)
3、Btp
2Ir(acac)などを利用できるが、これに限定されない。
【0057】
緑色発光層は一つの緑色発光物質を含んだり、ホストと緑色ドーパントを含んで形成されてもよい。緑色発光層のホストとしては、赤色発光層のホストを使用してもよい。そして、緑色ドーパントとして、、たとえばIr(ppy)
3、Ir(ppy)
2(acac)、Ir(mpyp)
3などを利用することができるが、これに限定されない。
【0058】
青色発光層は一つの青色発光物質を含んだり、ホストと青色ドーパントを含んで形成されてもよい。青色発光層のホストとしては赤色発光層のホストを使用してもよい。そして、青色ドーパントとして、、たとえばF
2Irpic、(F
2ppy)
2Ir(tmd)、Ir(dfppz)
3、ter−fluorene、DPAVBi(4、4'−bis(4−diphenylaminostyryl)biphenyl)、TBPe(2、5、8、11−tetra−ti−butyl pherylene)などを利用できるが、これに限定されない。
【0059】
第2電荷輸送層170は発光層160上に形成され、第2電極190から第2電荷注入層180を介して電子を提供される電子輸送層または正孔を提供される正孔輸送層でもよい。本実施形態では、第2電荷輸送層170が電子輸送層である場合を例に挙げて説明する。第2電荷輸送層170は第2電極190から第2電荷注入層180を介して提供された電子を発光層160に伝達する役割を果たす。このような第2電荷輸送層170は有機化合物、例えば、Bphen(4、7−diphenyl−1、10−phenanthroline))、BAlq、Alq3(Tris(8−quinolinorate)aluminum)、Bebq
2(berylliumbis(benzoquinolin−10−olate)、TPBIなどの材料を使用することができ、これに限定されない。第2電荷輸送層170は、たとえば蒸着工程などにより形成されるが、これに限定されない。
【0060】
第2電荷注入層180は第2電荷輸送層170上に形成され、第2電極190から電子を提供される電子注入層または正孔を提供される正孔注入層でもよい。本実施形態では、第2電荷注入層180が電子注入層である場合を例に挙げて説明する。第2電荷注入層180は第2電荷輸送層170と第2電極190との間のエネルギー障壁を低くする緩衝層として第2電極190から提供される電子が第2電荷輸送層170に容易に注入されるようにする役割を果たす。このような第2電荷注入層180は、例えば、LiFまたはCsFなどで形成されるが、これに限定されない。第2電荷注入層180は、たとえば蒸着工程などにより形成されるが、これに限定されない。
【0061】
第2電極190は第2電荷注入層180上に形成され、発光層160に電子を提供する陰極または正孔を提供する陽極でもよい。第2電極190も第1電極110と同様に透明電極または反射電極として使用してもよい。第2電極190は、たとえば蒸着工程などにより形成されるが、これに限定されない。
【0062】
図面に示していないが、発光表示装置100は第2電極190の上部に配置される封止基板をさらに含んでもよい。封止基板は絶縁基板を含む。画素定義膜120上の第2電極190と封止基板との間にはスペーサを配置してもよい。本発明の他のいくつかの実施形態において、封止基板は省略してもよい。この場合、絶縁物質を含む封止膜が全体構造物を覆って保護できる。
【0063】
次に、表面処理層140についてさらに詳細に説明する。
【0064】
図3は、
図2の表面処理層の平面図である。
図4は、
図3の表面処理層に第1電荷輸送層溶液を吐出する過程を示す断面図である。
図5は、
図4の電荷輸送層溶液が乾燥して形成された第1電荷輸送層の断面図である。
【0065】
図3を参照すると、表面処理層140は少なくとも一側部に複数の溝g1を有するように形成され、複数の溝g1は画素定義膜の開口部の少なくとも一側に配置されてもよい。一側部または一側の方向は表面処理層140が形成される該当画素PXの発光色と異なる発光色を放出する隣接した画素PXを向かう第1方向D1でもよい。例えば、赤色を放出する赤色画素Rと緑色を放出する緑色画素Gが隣接する場合、赤色画素Rに形成される表面処理層140は赤色画素Gが配置された方向の一側部に複数の溝g1を有する。
図3では、一画素PXを基準に両側部に異なる発光色を放出する画素PXが配置される場合を例に挙げており、複数の溝g1が表面処理層140の両側部に形成される場合を示している。
【0066】
複数の溝g1は、隣接した画素PXを向かう第1方向D1と交差(たとえば、垂直)する第2方向D2に延長された略直線形状を有してもよい。このような複数の溝g1は表面処理層140の外周に凹凸を形成する。これによって、表面処理層140は複数の溝g1を介して第1電荷輸送層溶液150aを例えば、ノズルプリント方法を利用して吐出装置10から表面処理層140へ吐出させるとき、表面処理層140の外周に対する第1電荷輸送層溶液150aの接触角を増加させ、第1電荷輸送層溶液150aが表面処理層140の外側に離脱することを防ぎ、第1電荷輸送層溶液150aを複数の溝g1に閉じ込めることができる。
【0067】
すなわち、表面処理層140は複数の溝g1を介して第1電荷輸送層溶液150aが吐出装置10から吐出されるとき、吐出圧力と吐出速度などによって表面処理層140の外側に広がって行く力Fに対する抵抗力を増加させ、第1電荷輸送層溶液150aが表面処理層140の外側に離脱することを防ぎ、第1電荷輸送層溶液150aを複数の溝g1に閉じ込めることができる。これによって、第1電荷輸送層溶液150aが隣接した画素PX、例えば、異なる発光色を放出する画素PX方向に流れ、意図しない隣接した画素PXの一部分まで広がることを防止できる。
【0068】
複数の溝g1のそれぞれの幅(w1、w2、w3)は隣接した画素PXに行くほど大きくなる。この場合、複数の溝g1は表面処理層140の外周に対する第1電荷輸送層溶液150aの接触角の増加が急激に行われることを防止し、第1電荷輸送層溶液150aを表面処理層140上に広い面積に広がるようにすることができる。これによって、表面処理層140上に吐出された第1電荷輸送層溶液150aが乾燥され、
図5に示すように第1電荷輸送層150が形成されるとき、第1電荷輸送層150が表面処理層140上に広い面積で形成される。
【0069】
一方、第1電荷輸送層溶液150aが乾燥して形成された第1電荷輸送層150は、
図5に示すように表面処理層140とピンニング点(pinning point)(P)を形成する。この場合、第1電荷輸送層溶液150aの溶媒と同じ溶媒を含む発光層溶液がインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法によって第1電荷輸送層150上に吐出され、乾燥して形成される発光層160がピンニング点(P)に合わせて形成される。すなわち、発光層160の周囲が第1電荷輸送層150の外周と一致する。
【0070】
図6から
図12は、表面処理層の多様な実施形態を示す平面図である。
【0071】
図6は、表面処理層140aが少なくとも一側部に格子形状を有する複数の溝g2を有するように形成されることを例示する。複数の溝g2は隣接した画素PXに向かう第1方向D1と交差(たとえば、垂直)する第2方向D2に延長された略直線形状を有する第1溝g21と、第1方向D1に延長された略直線形状を有する第2溝g22が交差(たとえば、直交)して形成される。ここで、第1溝g21の幅は第1方向D1に行くほど大きくなる。
【0072】
複数の溝g2は吐出装置10を移動させ、第1電荷輸送層溶液を表面処理層140aに吐出するとき、第1電荷輸送層溶液が表面処理層140aの外側に広がって行く力Fが第1方向D1と、第1方向D1と第2方向D2との間の対角線方向に発生するとき、第1電荷輸送層溶液が第1方向D1だけでなく、対角線方向に離脱することを効果的に防止できる。
【0073】
図7は、表面処理層140bが少なくとも一側部に斜線形状を有する複数の溝g3を有するように形成される場合を例示する。複数の溝g3は隣接した画素PXを向かう第1方向D1と、第1方向D1と交差(たとえば、垂直)する第2方向D2との間に斜線形状を有するように形成されることを例示する。ここで、複数の溝g3のそれぞれの幅は同じでもよい。
【0074】
複数の溝g3も吐出装置10を移動させ、第1電荷輸送層溶液を表面処理層140bに吐出するとき、第1電荷輸送層溶液が表面処理層140bの外側に広がって行く力Fが第1方向D1と、第1方向D1と第2方向D2との間の対角線方向に発生するとき、第1方向D1だけではなく、対角線方向に離脱することを効果的に防止できる。
【0075】
図8は、表面処理層140cが一側部と他側部において互いに異なる方向の斜線形状を有する複数の溝g4を有するように形成される場合を例示する。すなわち、複数の溝g4は隣接した画素PXを向かう第1方向D1と、第1方向D1と交差(たとえば、垂直)する第2方向D2との間に第1斜線形状を有する第1溝g41と、第2方向D2を中心に第1斜線形状と対称の第2斜線形状を有する第2溝g42を含む。
【0076】
第1斜線形状は、吐出装置10を移動させ、第1電荷輸送層溶液を表面処理層140cに吐出するとき、第1電荷輸送層溶液が表面処理層140cの外側に広がって行く力Fが表面処理層140cの一側で第1方向D1と第2方向D2との間の対角線方向に発生するとき、対角線方向と交差(たとえば、直交)する形態の斜線形状である。これによって、第1斜線形状を有する第1溝g41は第1電荷輸送層溶液が表面処理層140cの一側部で第1方向D1と第2方向D2の間の対角線方向に離脱することを効果的に防止できる。
【0077】
第2斜線形状は、吐出装置10を移動させ、第1電荷輸送層溶液を表面処理層140cに吐出するとき、第1電荷輸送層溶液が表面処理層140cの外側に広がって行く力Fが表面処理層140cの他側部で第1方向D1と第2方向D2との間の対角線方向に発生するとき、対角線方向と交差(たとえば、直交)する形態の斜線形状である。これによって、第2斜線形状を有する第2溝g42は、第1電荷輸送層溶液が表面処理層140cの他側部で第1方向D1と第2方向D2との間の対角線方向に離脱することを効果的に防止できる。
【0078】
複数の溝g3は吐出装置10を移動させ、第1電荷輸送層溶液を表面処理層140cに吐出するとき、第1電荷輸送層溶液が表面処理層140cの外側に広がって行く力Fが第1方向D1と第2方向D2との間の対角線方向に発生するとき、第1電荷輸送層溶液が互いに異なる対角線方向に離脱することを効果的に防止できる。
【0079】
図9は、表面処理層140dが少なくとも一側部に斜線形状の第1溝g51と斜線形状の第2溝g52が交差(たとえば、直交)する格子形状を有する複数の溝g5を有するように形成される場合を例示する。
【0080】
複数の溝g5は吐出装置10の移動開始点が変わっても第1電荷輸送層溶液が第1方向D1だけではなく、第1方向D1と第2方向D2との間の対角線方向に離脱することを効果的に防止できる。
【0081】
図10は、表面処理層140eが少なくとも一側部に同じ幅を有する複数の溝g6を有するように形成される場合を例示する。複数の溝g6を有する表面処理層140eは形成空間において制限がある場合、例えば、隣接した画素PX間のピッチが微細な場合に適用する場合に有利である。
【0082】
図11は、表面処理層140fが一列に配列され、同じ発光色を放出する画素PX単位で形成される場合を例示する。例えば、表面処理層140fは少なくとも二つの画素PX以上の単位で形成され、
図3の表面処理層140より大きいサイズを有するが、表面処理層140と同じ形態で異なる発光色を放出する隣接した画素PXに向かう第1方向D1と交差(たとえば、垂直)する第2方向D2に延長された複数の溝g7を有するように形成される。表面処理層140fはフォトリソグラフィー工程により形成するとき、パターニング工程を容易にすることができる。
【0083】
図12は、表面処理層140gがこれらの全ての側部に複数の溝g8を有するように形成される場合を例示する。複数の溝g8は
図3の表面処理層140の複数の溝g1と同じ形態で形成される。複数の溝g8は、一画素PXを基準に四方に異なる発光色を放出する画素PXが配置される場合において、第1電荷輸送層溶液をインクジェットプリント方法により表面処理層140g上に吐出させるとき、第1電荷輸送層溶液が表面処理層140gの四方に離脱することを防止できる。
【0084】
本発明の一実施形態に係る発光表示装置は、複数の溝(g1〜g8)により外周に凹凸が形成される表面処理層(140、140a〜140g)を備えることによって、インクジェットプリント方法またはノズルプリント方法によって第1電荷輸送層溶液150aを表面処理層(140、140a〜140g)に吐出するとき、吐出圧力と吐出速度などによって、第1電荷輸送層溶液150aが表面処理層140の外側に広がって行く力Fに対する抵抗力を増加させ、第1電荷輸送層溶液150aが表面処理層140の外側に離脱することを防ぐことができる。
【0085】
本実施形態に係る発光表示装置は、第1電荷輸送層溶液150aが隣接した画素PX、例えば、異なる発光色を放出する画素PX方向に広がって第1電荷輸送層150が意図しない隣接した画素PXの一部分にまで形成されることを防止できる。
【0086】
したがって、本実施形態に係る発光表示装置は、第1電荷輸送層150上で発光層160が隣接した画素PXの一部分にまで形成され、隣接した画素PXの間で異なる発光色を放出する発光層が互いに重なる形態で形成されることを防止することによって、駆動するとき意図しない混色が表示され、表示品質が低下することを防止できる。
【0087】
図13は、本発明の他の実施形態に係る発光表示装置の断面図である。
【0088】
図13を参照すると、本発明の他の実施形態に係る発光表示装置200は、
図2の発光表示装置100とは第1電荷輸送層250及び発光層260だけが異なり、同様の構成を有する。したがって、本発明の他の実施形態に係る発光表示装置200では第1電荷輸送層250及び発光層260についてのみ説明する。
【0089】
第1電荷輸送層250は
図2の第1電荷輸送層150と類似している。ただし、第1電荷輸送層250は表面処理層140上に表面処理層140の外周まで形成されず、複数の溝g1の一部分に収容された形で形成される。このような構造は、第1電荷輸送層250を形成するため、第1電荷輸送層溶液をインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法によって表面処理層140上に吐出するとき、吐出圧力が低い場合、表面処理層140の外周まで広がらないことによって形成されてもよい。
【0090】
発光層260は
図2の発光層160と類似する。ただし、発光層260は第1電荷輸送層250上に形成され、表面処理層140の外周まで延長されるように形成される。このような構造は発光層溶液の溶媒が第1電荷輸送層溶液の溶媒と同じ場合、表面処理層140が第1電荷輸送層溶液150aだけでなく、発光層溶液に対しても親液性を有することによって形成されてもよい。
【0091】
他方、図面に示していないが、表面処理層140の複数の溝g1には
図6から
図12に示す複数の溝(g2〜g7)が設けられてもよい。
【0092】
本発明の他の実施形態に係る発光表示装置200は、発光表示装置100のように少なくとも一側に複数の溝g1を有する表面処理層140を備えることによって、第1電荷輸送層250上で発光層260が隣接した画素PXの一部分にまで形成され、隣接した画素PXの間で異なる発光色を放出する発光層が互いに重なる形態で形成されることを防止することによって、駆動するとき意図しない混色が表示され、表示品質が低下することを防止できる。
【0093】
図14は、本発明のまた他の実施形態に係る発光表示装置の断面図である。
【0094】
図14を参照すると、本発明のまた他の実施形態に係る発光表示装置300は、
図2の発光表示装置100と比べると、第1電荷輸送層350及び発光層360だけが異なり、同様の構成を有する。これによって、本発明のまた他の実施形態に係る発光表示装置300では第1電荷輸送層350及び発光層360についてのみ説明する。
【0095】
第1電荷輸送層350は
図2の第1電荷輸送層150と類似する。ただし、第1電荷輸送層350は表面処理層140上に形成されるが、複数の溝g1の間の表面処理層140上には形成されない。すなわち、複数の溝g1部分で第1電荷輸送層350の高さが複数の溝g1の高さ以下でもよい。このような構造は第1電荷輸送層350を形成するため、第1電荷輸送層溶液をインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法によって表面処理層140上に吐出後に乾燥するとき表面処理層140の複数の溝g1の部分で第1電荷輸送層溶液の乾燥が多く行われることによって形成される。
【0096】
発光層360は
図2の発光層160と類似する。ただし、発光層360は第1電荷輸送層350上に形成され、表面処理層140の複数の溝g1の部分で表面処理層140と接触する。このような構造は、発光層溶液の溶媒が第1電荷輸送層溶液の溶媒と同じである場合、表面処理層140が第1電荷輸送層溶液150aだけではなく、発光層溶液に対しても親液性を有することによって形成される。
【0097】
他方、図面に示していないが、表面処理層140の複数の溝g1には
図6〜
図12に示す複数の溝(g2〜g7)が設けられてもよい。
【0098】
上記のように本発明のまた他の実施形態に係る発光表示装置300は、発光表示装置100のように少なくとも一側に複数の溝g1を有する表面処理層140を備えることによって、第1電荷輸送層350上で発光層360が隣接した画素PXの一部分にまで形成され、隣接した画素PXの間で異なる発光色を放出する発光層が互いに重なる形態で形成されることを防止することによって、駆動するとき意図しない混色が表示され、表示品質が低下することを防止できる。
【0099】
図15は、本発明のまた他の実施形態に係る発光表示装置の断面図である。
【0100】
図15を参照すると、本発明のまた他の実施形態に係る発光表示装置400は、基板105、第1電極110、画素定義膜420、第1共通層430、表面処理層440、発光層450、第2共通層460及び第2電極470を含む。
【0101】
基板105及び第1電極110については前の実施形態で詳細に説明したので、重複する説明は省略する。
【0102】
画素定義膜420は
図2の画素定義膜120と類似する。ただし、画素定義膜420は発光層450がインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法を利用して形成されるとき、画素定義膜420に対する発光層溶液の接触角と表面処理層440に対する発光層溶液の接触角が異なるようにする絶縁物質で形成されてもよい。具体的には、画素定義膜420は画素定義膜420に対する発光層溶液の接触角が表面処理層440に対する発光層溶液の接触角より大きくする絶縁物質で形成されてもよい。例えば、画素定義膜420は画素定義膜420に対する発光層溶液の接触角が40°以上になるようにする絶縁物質で形成されてもよい。
【0103】
第1共通層430は画素定義膜420の開口部OPを介して露出する第1電極110上に形成され、画素定義膜420をすべて覆うように形成されてもよい。第1共通層430は第1電荷注入層を含む。第1電荷注入層は第1電極110に接触する。また、第1共通層430は第1電荷注入層上に配置された第1電荷輸送層をさらに含んでもよい。第1電荷注入層及び第1電荷輸送層は、
図2の第1電荷注入層130及び第1電荷輸送層140と同じ物質で形成されてもよい。
【0104】
表面処理層440は少なくとも一側部に複数の溝g1を有し、
図2の表面処理層140と類似する。ただし、表面処理層440は発光層溶液に対して画素定義膜420より親液性を有するように、すなわち表面処理層440に対する発光層溶液の接触角が画素定義膜420に対する発光層溶液の接触角より小さくする導電性プライマ(primer)で形成されてもよい。例えば、表面処理層440は表面処理層440に対する発光層溶液の接触角が20°以下の導電性プライマ(primer)で形成されてもよい。この場合、複数の画素PXにインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法を利用して発光層溶液を画素定義膜420の開口部OPの内部の表面処理層440上に吐出するとき、表面処理層440に対する発光層溶液の湿潤性が高いため、発光層溶液が露出された画素定義膜420の上面に広がらず、該当画素内に安定的に閉じ込められ得、発光層450が表面処理層440上に均一に形成されてもよい。
【0105】
発光層450は
図2の発光層160と類似する。ただし、発光層450は表面処理層440上に形成される。発光層450は凹凸を形成する複数の溝g1を有する表面処理層440に倣って形成されてもよい積層されてもよい。発光層450は表面処理層440の溝g1を少なくとも部分的に埋め込む。
【0106】
発光層450は表面処理層440上に直接形成されるため、発光層450を形成するため、発光層溶液をノズルプリント方法を利用して表面処理層440に吐出させるとき、表面処理層440の外周に対する発光層溶液の接触角が増加し、発光層溶液が表面処理層440の外側に離脱することを防止し、表面処理層440の複数の溝g1に閉じ込めむことができる。
【0107】
第2共通層460は発光層450上に形成される。第2共通層460は第2電荷輸送層を含む。第2電荷輸送層は発光層460に接触する。また、第2共通層430は第2電荷輸送層上に配置された第2電荷注入層をさらに含んでもよい。第2電荷輸送層及び第2電荷注入層は
図2の第2電荷輸送層170及び第2電荷注入層180と同じ物質で形成されてもよい。
【0108】
第2電極470は
図2の第2電極190と同一である。したがって、重複する説明は省略する。
【0109】
一方、図面に示していないが、表面処理層440の複数の溝g1には
図6から
図12に示す複数の溝(g2〜g7)を設けてもよい。
【0110】
上記のように、本発明のまた他の実施形態に係る発光表示装置400は、発光表示装置100のように少なくとも一側に複数の溝g1を有する表面処理層440を備えることによって、表面処理層440上で発光層450が隣接した画素PXの一部分にまで形成され、隣接した画素PXの間で異なる発光色を放出する発光層が互いに重なる形態で形成されることを防止することによって、駆動するとき意図しない混色が表示され、表示品質が低下することを防止できる。
【0111】
以下、前述した本発明の多様な実施形態に係る発光表示装置を製造するための例示的な方法について説明する。
【0112】
図16〜
図24は、本発明の一実施形態に係る発光表示装置の製造方法を説明するための断面図である。
【0113】
図16を参照すると、複数の画素(
図1のPX)が配置された基板105上に各画素別に第1電極110を形成する。第1電極110は基板105上に透明電極物質または反射物質を蒸着し、パターニングして形成されてもよい。
【0114】
図17を参照すると、基板上に各画素(
図1のPX)を区切り、第1電極110を露出する開口部OPを有する画素定義膜120を形成する。画素定義膜120は第1電極110を覆うように基板105の全面に蒸着方法を利用して絶縁物質を蒸着し、蒸着された絶縁物質をパターニングして形成されてもよい。
【0115】
他方、画素定義膜120は第1電荷輸送層150がインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法を利用して形成されるとき、画素定義膜120に対する第1電荷輸送層溶液(
図20の150a)の接触角と表面処理層(
図19の140)に対する第1電荷輸送層溶液(
図20の150a)の接触角が異なるようにすることができる絶縁物質で形成されてもよい。例えば、画素定義膜120は画素定義膜120に対する第1電荷輸送層溶液(
図20の150a)の接触角が40°以上になるようにする絶縁物質で形成されてもよい。
【0116】
続いて、
図18を参照すると、第1電極110上に第1電荷注入層130を形成する。第1電荷注入層130はスリットコーティングなどを利用して第1電極110だけではなく、画素定義膜120の全面に形成される。
【0117】
続いて、
図19を参照すると、第1電荷注入層130上に画素定義膜120の開口部OPの内側から上面まで延長されるが、画素定義膜120の上面に延長された部分に複数の溝g1を有する表面処理層140を形成する。表面処理層140はフォトリソグラフィー工程を利用して形成される。表面処理層140は
図3に示す形状に形成される。もちろん、表面処理層140の複数の溝g1は
図6から
図13に示す複数の溝(g2〜g8)として形成されてもよい。
【0118】
他方、表面処理層140は第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)に対して画素定義膜120より親液性を有するように、すなわち表面処理層140に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角が画素定義膜120に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角より小さくする導電性プライマ(primer)で形成される。例えば、表面処理層140は表面処理層140に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の接触角が20°以下である導電性プライマ(primer)で形成される。この場合、複数の画素PXにインクジェットプリント方法またはノズルプリント方法を利用して第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)を画素定義膜120の開口部OPの内部の表面処理層140上に吐出するとき、表面処理層140に対する第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)の湿潤性が高いため、第1電荷輸送層溶液(
図4の150a)が露出した画素定義膜120の上面に広がらず、該当画素内に安定的に閉じ込められ得、第1電荷輸送層140が表面処理層140上に均一に形成される。
【0119】
図20及び
図21を参照すると、表面処理層140上に第1電荷輸送層150を形成する。
【0120】
図20を参照すると、インクジェットプリント方法またはノズルプリント方法によって吐出装置10から第1電荷輸送層溶液150aを吐出し、画素定義膜120の開口部OP内側に提供する。このとき、第1電荷輸送層溶液150aが吐出圧力と吐出速度などによって表面処理層140の外側に広がって行く力Fが大きいため、第1電荷輸送層溶液150aが表面処理層140の外周から離脱される。しかし、表面処理層140は外周に凹凸を形成する複数の溝g1を介して力Fに対する抵抗力を増加させ、第1電荷輸送層溶液150aが表面処理層140の外側に離脱することを防ぎ、第1電荷輸送層溶液150aを複数の溝g1に閉じ込めることができる。
【0121】
また、
図21を参照すると、第1電荷輸送層溶液150aを乾燥させ、表面処理層140上に表面処理層140とピンニング点(P)を形成する第1電荷輸送層150を形成する。第1電荷輸送層150は複数の溝g1を有する表面処理層140に倣って積層させてもよい。
【0122】
続いて、
図22及び
図23を参照すると、第1電荷輸送層150上に発光層160を形成する。
【0123】
図22を参照すると、インクジェットプリント方法またはノズルプリント方法によって吐出装置20から発光層溶液160aを吐出し、画素定義膜120の開口部OPの内側に提供する。このとき、発光層溶液160aは
図20の第1電荷輸送層溶液150aと同じ溶媒を含んでもよい。この場合、第1電荷輸送層150が発光層溶液160aに対して親液性を有し得、発光層溶液160aが第1電荷輸送層150に吐出するとき、第1電荷輸送層150の外側である露出された画素定義膜120の上面に離脱することが防止される。
【0124】
そして、
図23を参照すると、発光層溶液160aを乾燥させ、第1電荷輸送層150上に発光層160を形成する。
【0125】
続いて、
図24を参照すると、発光層160上に第2電荷輸送層170、第2電荷注入層180及び第2電極190を形成する。第2電荷輸送層170、第2電荷注入層180及び第2電極190は蒸着工程により形成されてもよい。
【0126】
図面に示していないが、本発明の一実施形態に係る発光表示装置の製造方法は、第2電極190の上部に封止基板を配置する段階をさらに含んでもよい。また、本発明の一実施形態に係る発光表示装置の製造方法は、第2電極190と封止基板の間にスペーサを配置する段階をさらに含んでもよい。封止基板を配置することやスペーサを配置する多様な方法は公知であるから、詳細な説明は省略する。
【0127】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施されてもよいことを理解できるであろう。したがって、上記実施形態はすべての面において示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。