【実施例】
【0017】
図1および
図2に示すように、搬送装置のフレーム12,14には、実施例に係る物品案内装置16が取り付けられ、この物品案内装置16を含めて搬送装置が構成される。実施例の物品案内装置16は、搬送装置における搬送路18に載置した物品10を搬送する搬送手段20の上方に配設され、オーバーヘッドコンベヤとも呼ばれるものである。実施例の搬送手段20は、図示しないサーボモータ等で周回する無端のベルト22を有するベルトコンベヤであり、ベルト22の水平移動部分で構成する搬送路18に載置された物品10を、ベルト22の移動により搬送する。また、搬送装置の下流側には、例えば横形製袋充填機(包装装置)などの処理装置が配置され(図示せず)、帯状フィルムを所定形状に成形する製袋手段に向けて、搬送装置で物品10を所定間隔毎に供給する。
【0018】
前記物品案内装置16について説明する。
図3に示すように、搬送装置の奥側(一側方)において搬送路18よりも上方に延出する第1フレーム12には、搬送路18における物品10の搬送方向に離間して第1駆動軸(軸)24と第2駆動軸(軸)26とが回転可能に支持されている。両駆動軸24,26は、前記搬送方向と直交する方向(左右方向)へ水平に延在している。第1フレーム12には、搬送方向下流側に位置する第1駆動軸24から下流側に離間して、第1駆動軸24を回転する可変速制御可能なサーボモータ等の第1駆動源28が設けられると共に、搬送方向上流側に位置する第2駆動軸26から上流側に離間して、第2駆動軸26を回転する可変速制御可能なサーボモータ等の第2駆動源30が設けられている。各駆動軸24,26は、該駆動軸24,26における奥側の端部に設けられた連結プーリ32と対応する駆動源28,30の出力プーリ34との間に巻き掛けられた連結ベルト36を介して駆動源28,30にそれぞれ連結されて、対応の駆動源28,30の駆動により左右方向に延在する軸周りに回転する。
【0019】
図3に示すように、前記第1駆動軸24は、第1フレーム12の手前側に設けられた補助フレーム13に、手前側の端部が回転可能に支持されている。第1駆動軸24の手前側には、第1駆動軸24と一体回転する第1駆動プーリ38が配設され、この第1駆動プーリ38の上流側には、第1駆動プーリ38に対応する第1従動プーリ40が補助フレーム13に自由回転可能に支持されている。第1従動プーリ40は、その回転軸が第2駆動軸26の軸線上に位置するように配置される。第1駆動プーリ38と第1従動プーリ40の間には、第1タイミングベルト(無端索体)42が巻き掛けられ、第1駆動源28の駆動に伴い第1タイミングベルト42が周回する。 第2駆動軸26には、第1フレーム12から手前側へ延出する端部に、第2駆動軸26と一体回転する第2駆動プーリ44が配設されている。第2駆動プーリ44の下流側には、第2駆動プーリ44に対応する第2従動プーリ46が第1駆動軸24に自由回転可能に支持されている。第2駆動プーリ44と第2従動プーリ46の間には、第2タイミングベルト(無端索体)48が巻き掛けられ、第2駆動源30の駆動に伴い第2タイミングベルト48が周回する。また、これら4つのプーリ38,40,44,46は、同径に設定されると共に、2列のタイミングベルト42,48は、同長に設定される。第1タイミングベルト42と第2タイミングベルト48とは、両駆動軸24,26の軸方向である左右方向に並ぶように配設され、左右方向において重なっている。そして、左右方向に並列配置された2列のタイミングベルト42,48は、それぞれの駆動源28,30により互いに独立して周回可能になっている。
【0020】
図1および
図2に示すように、前記各タイミングベルト42,48には、複数(実施例では2つ)の移動体50,52が、該タイミングベルト42,48の周回方向へ等間隔で離間して、連結部材54を介してそれぞれ取り付けられている。移動体50,52は、タイミングベルト42,48の周回軌道内外方向において該タイミングベルト42,48より外方に配置され、タイミングベルト42,48の周回に伴ってタイミングベルト42,48の外方を移動する。第1タイミングベルト42に連結部材54を介して配設される第1移動体50には、搬送路18に向けて奥側から手前側へ突出する第1案内部材56が配設されている。また、第2タイミングベルト48に連結部材54を介して配設される第2移動体52には、搬送路18に向けて奥側から手前側へ突出する第2案内部材58が配設されている。そして、第1案内部材56および第2案内部材58は、タイミングベルト42,48の周回方向に交互に配置される。第1および第2案内部材56,58は、それぞれのタイミングベルト42,48の周回に伴って、搬送路18における物品10の搬送方向に沿う垂直面上で搬送方向に延びる上下の直線軌道部と上下の直線軌道部を結ぶ搬送方向前後の円弧軌道部とからなる周回軌道で移動する。すなわち、第1案内部材56と第2案内部材58とは、同じ略長円形の周回軌道で移動し、周回軌道における搬送路18に臨む下側直線軌道部で搬送手段20により搬送路18で搬送される物品10と同じ方向へ移動する。実施例の案内部材56,58は、移動体50,52から左右方向へ水平に延びる棒状部材であり、その先端部分が搬送路18で搬送される物品10の搬送方向前端または後端に当接可能になっている。第1駆動源28を駆動することで、第1タイミングベルト42の周回に伴い第1移動体50および第1案内部材56が移動し、第2駆動源30を駆動することで、第2タイミングベルト48の周回に伴い第2移動体52および第2案内部材58が移動し、第1案内部材56と第2案内部材58とを互いに独立して移動可能である。
【0021】
図4に示すように、前記連結部材54は、タイミングベルト42,48に固定された取付ブロック60に対して、一端が左右方向に沿う軸周りに回転可能に接続されると共に、他端が移動体50,52に対して左右方向に沿う軸周りに回転可能に接続される調節部材62を備えるリンク構造になっている。すなわち、連結部材54は、調節部材62が取付ブロック60に対してタイミングベルト42,48の周回方向へ揺動可能に配設され、調節部材62の揺動によりタイミングベルト42,48に対する移動体50,52の間隔を調節可能である。
【0022】
図1および
図2に示すように、搬送装置の奥側(一側方)において搬送路18よりも上方に延出する第2フレーム14には、タイミングベルト42,48の周回軌道に沿うようにガイドレール64が設けられ、ガイドレール64により後述するガイドローラ66を介して移動体50,52を支持している。なお、第2フレーム14は、第1フレーム12よりも手前側で、第1タイミングベルト42と第2タイミングベルト48との間に配置される。ガイドレール64は、タイミングベルト42,48の周回軌道内外方向において該タイミングベルト42,48より外方に所定間隔離間して配置され、タイミングベルト42,48の周回軌道と相似した形状で該周回軌道より大きく延在している。すなわち、ガイドレール64は、搬送路18における搬送方向に沿う垂直面上で、搬送方向に延びる上下の直線部分64a,64aと、上下の直線部分を円弧状に結ぶ搬送方向前後の湾曲部分64b,64bとからなる略長円形状で形成される。ここで、左右方向に並列配置される2つのタイミングベルト42,48に対して、共通する1つのガイドレール64が設けられる。また、ガイドレール64は、略長円形状の延在方向全周に亘って、山形の係合部65が左右方向両側に突出している。移動体50,52は、タイミングベルト42,48とガイドレール64との間に配置され、タイミングベルト42,48の周回に伴ってガイドレール64に案内されて該ガイドレール64の内周側を移動する。
【0023】
図2に示すように、前記移動体50,52には、ガイドレール64を左右両側から挟むガイドローラ66が配設されている。ガイドローラ66は、ガイドレール64の左右方向奥側(一側方)に配置された1つの第1ガイドローラ68と、ガイドレール64の左右方向手前側(他側方)に配置された2つの第2ガイドローラ70とで、ガイドレール64を左右方向から挟むように構成される。第1ガイドローラ68,第2ガイドローラ70は、タイミングベルト42,48とガイドレール64との間に配置される移動体50,52から該タイミングベルト42,48の周回軌道の内外方向外側(ガイドレール64の内周)へ向けて延出する支持軸72に自由回転可能に支持され、移動体50,52が移動する際にガイドレール64との当接により回転する。また、第1ガイドローラ68,第2ガイドローラ70は、その周面の周方向全周に亘って略V字状の係合凹部71が設けられ、この係合凹部71にガイドレール64の係合部65が嵌まって係合するようになっている。
【0024】
図4に示すように、前記1つの第1ガイドローラ68の支持軸72は、周回方向において2つの第2ガイドローラ70,70の支持軸72,72の間に配置されて、第1ガイドローラ68と第2ガイドローラ70とが周回方向(移動体50,52の移動方向)にずらして配置されている。第1ガイドローラ68の支持軸72は、移動体50,52に固定され、ガイドレール64の直線部分64aで支持軸72が上下方向に延在すると共に、ガイドレール64の湾曲部分64bで該湾曲部分64bの曲率半径方向に沿うように支持軸72(回転軸線)が延在する。これに対して、2つの第2ガイドローラ70,70は、その支持軸72の基部が左右方向に延在する回動軸74で移動体50,52に対して左右方向に沿う軸周りに回動可能に支持されて、回動軸74を中心として周回方向へそれぞれ揺動(傾動)可能に構成される。従って、移動体50,52に支持軸72が固定配置された第1ガイドローラ68に対して移動体50,52の移動方向に離れた位置に支持軸72が配置された第2ガイドローラ70は、ガイドレール64の湾曲部分64bのカーブに合わせて、支持軸72(回転軸線)が該湾曲部分64bの曲率半径の中心を向くように移動体50,52に対して傾き、該中心から回動軸74を結んだラインに合わせて支持軸72が延在する。すなわち、第1ガイドローラ68に対して移動体50,52の移動方向に離れた各第2ガイドローラ70,70は、第1ガイドローラ68および他の第2ガイドローラ70に対して姿勢が相対的に変化し得るように移動体50,52に傾動可能に支持されて、移動体50,52がガイドレール64の湾曲部分64bを移動する際には、各ガイドローラ68,70,70の回転軸線が湾曲部分64bの曲率半径の中心に向くよう構成されている。
【0025】
(実施例の作用)
次に、実施例に係る物品案内装置16の作用について説明する。物品案内装置16は、2つの第1案内部材56,56と2つの第2案内部材58,58とからなる案内組を2組有し、これらの案内組により搬送手段20で搬送路18を連続的に搬送されてくる物品10を案内する。具体的には、一方の案内組における一方の案内部材56が、第1駆動源28を駆動制御することにより前記周回軌道の下側直線軌道部の下流側に設定された停止位置Sで停止し、停止位置Sの案内部材56より上流側に位置する他方の案内組における一方の案内部材58を移動して、該案内部材58を搬送手段20で搬送される物品10の通過を許容する位置から前後に隣接する物品10,10の間の空間に臨ませる。搬送手段20で搬送されてくる物品10の搬送方向前端が停止位置Sに臨む案内部材56に近接する際に、隣接する物品10,10間の空間に臨む他方の案内組の案内部材58を前記下側直線軌道部において前進移動して、下流側の停止位置Sで停止している一方の案内組の案内部材56との距離を縮小するよう、第2駆動源30を駆動制御する。これにより、一方の案内組の案内部材56と他方の案内組の案内部材58との間で、搬送方向前後にずれている物品10の前後端の前後位置が揃えられる。すなわち、前記下側直線軌道部の下流側に位置する一方の案内組の案内部材56が、物品10の前端を揃えるように位置規制し、上流側に位置する他方の案内組の案内部材58が、物品10の後端を揃えるように位置規制する。そして、物品10を挟む前後に位置する案内部材56,58における対向面間(物品10の前後端を位置規制する面間)の距離が、予め設定された縮小距離になったときに、停止位置Sで停止している一方の案内組の案内部材56が移動を開始するよう、第1駆動源28を駆動制御する。これにより、物品10は略同速で前進移動する一方の案内組の案内部材56と他方の案内組の案内部材58との間で位置規制された状態で、下流側へ向けて搬送手段20の搬送速度と同速または少し速い速度で搬送される。物品10の前側に位置する案内部材56は、周回軌道の円弧軌道部に到来すると物品10から上方へ離間し、物品10の後側に位置する案内部材58は、製袋手段に向けて搬送手段20で搬送される物品10の後端を位置規制しながら前進移動して、後続する物品10の前端を位置規制するために前記停止位置Sで停止する。このとき停止位置Sの案内部材58より上流側に位置する一方の案内組における他方の案内部材56が、隣接する物品10,10の間の空間に入り込み、停止位置Sの案内部材58との間で物品10の前後端の位置規制が可能となる。 搬送手段20は、連続運転しており、 一方の案内組の案内部材56と他方の案内組の案内部材58とが、搬送手段20により隣接して搬送されてくる物品10の間の各空間に交互に入るように移動され、これの繰り返しにより搬送路18で搬送される物品10を案内している。
【0026】
前記物品案内装置16は、1つの製品または複数の製品の集合物である物品10を搬送路18で搬送する際に、物品10の前端および/または後端に案内部材56,58を当接させることで、物品10の前端および/または後端を揃えたり、搬送路18で隣り合う物品10,10を所定の搬送ピッチになるように整えることができる。また、物品案内装置16は、製品を積み重ねたり、製品が小端立てされた物品10を搬送路18で搬送する際に、物品10の前端および/または後端に案内部材56,58を当接させることで、物品10が崩れたり、倒れたりしないように支持することができる。そして、物品案内装置16によれば、物品10を案内する案内部材56,58が配設された移動体50,52が、連結部材54を介してタイミングベルト42,48に配設されると共に、該移動体50,52に配設されたガイドローラ66でガイドレール64を両側から挟んで該ガイドレール64で支持されているので、案内部材56,58が物品10に当接した際に物品10の重さに負けるなどにより、案内部材56,58ががたつくことを防止できる。このように、案内部材56,58は、がたつかないように強固に支持されているので、搬送路18において物品10を搬送する際に、物品10の位置が変わったり、物品10の姿勢が崩れるなどを防止でき、搬送態様に応じて物品10を適切に案内できる。そして、実施例の物品案内装置16のように、物品10を載置して搬送する搬送路18の上方で案内部材56,58が移動する所謂オーバーヘッドコンベヤに適用すれば、搬送路18に載置して搬送される物品10を、位置規制して揃えたり、位置決めして間隔を整えることなどを適切に行い、後続する横形製袋充填機などの処理装置に合わせて物品10を供給できる。
【0027】
前記連結部材54は、タイミングベルト42,48に取り付けられた取付ブロック60と移動体50,52との間を、取付ブロック60および移動体50,52に対して周回方向へ揺動可能な調節部材62で連結しているので、調節部材62の揺動によりタイミングベルト42,48からの移動体50,52の間隔および姿勢を調節できる。すなわち、タイミングベルト42,48とガイドレール64との間の取り付け誤差や、タイミングベルト42,48のたわみなどが生じたとしても、タイミングベルト42,48とガイドレール64との間隔(距離)の変化に応じて、調節部材62の揺動によりタイミングベルト42,48に対する移動体50,52の間隔や姿勢が調節される。これにより、ガイドレール64とガイドローラ66との過剰な干渉を防止でき、タイミングベルト42,48の周回に伴って移動体50,52および該移動体50,52に配設された案内部材56,58をスムーズに移動させることができる。
【0028】
前記物品案内装置16は、移動体50,52が、ガイドレール64の内周側を移動するよう配置されているので、ガイドレール64の内周側の空間を有効利用して、装置をよりコンパクトにできる。また、ガイドレール64を左右方向に並列配置した2列のタイミングベルト42,48のぞれぞれに応じて2つ配設するのではなく、2列のタイミングベルト42,48のそれぞれに配設された移動体50,52が、ガイドローラ66を介して1つのガイドレール64で支持される構成であるので、装置をよりコンパクトにできる。更に、ガイドレール64が、左右方向に並ぶ2列のタイミングベルト42,48の間に配置されているので、タイミングベルト42,48を支持する駆動軸24,26の軸方向の装置サイズを小さくでき、装置をよりコンパクトにできる。
【0029】
前記第1および第2案内部材56,58は、別々の駆動源28,30の駆動制御により夫々独立して移動可能であるから、物品10の前後方向の長さが変わったり、案内部材56,58の動作タイミングが変わるなどの場合において、従来のように機械的な調整を必要とすることなく簡単に対応できる。例えば、物品10の長さに応じて記憶されているデータに基き、駆動源28,30の駆動パターンを変更するだけの簡単な設定変更操作により、各種の物品10に対応することが容易となる。このように、コンパクトな装置構成で、品種変更等に柔軟に対応することができ、搬送路18で搬送される物品10を、位置規制して揃えたり、位置決めしたりするなど、物品10の品種に応じて適切に案内することができる。
【0030】
前記ガイドローラ66は、ガイドレール64の湾曲部分64bにおいて、第1ガイドローラ68の支持軸72が当該湾曲部分64bの曲率半径方向に沿う姿勢でガイドレール64と係合し、このときに第2ガイドローラ70が、回動軸74を中心として周回方向に傾動して、その支持軸72が湾曲部分64bの曲率半径の中心に向くように傾く。このように、2つの第2ガイドローラ70,70は、その支持軸72(回転軸線)がガイドレール64の湾曲部分64bにおいて該湾曲部分64bの曲率半径の中心に向くよう傾動可能であるから、湾曲部分64bの湾曲の移り変わりに応じて該湾曲部分64bの接線方向に第2ガイドローラ70の周面が接するようになり、ガイドローラ66が湾曲部分64bをスムーズに移動できる。すなわち、移動体50,52の移動方向に離れた第1ガイドローラ68および第2ガイドローラ70,70は、姿勢が相対的に変化し得るように移動体50,52に支持されているので、ガイドレール64の湾曲部分64bを移動する際には全てのガイドローラ68,70,70の回転軸線が湾曲部分64bの曲率半径の中心に向いてスムーズな移動が図られる。従って、ガイドローラ66が、移動体50,52の移動方向に離れた第1および第2ガイドローラ68,70でガイドレール64を両側から挟むように係合していても、ガイドローラ66とガイドレール64との係合がタイミングベルト42,48の周回に伴う移動体50,52の移動を妨げることを抑止できる。また、ガイドレール64の湾曲部分64bの曲率を大きく設定した場合に、曲率の大きい湾曲部分64bに支持されるガイドローラ66であってもスムーズに移動できるから、ガイドレール64を小型化して、装置をよりコンパクトにできる。また、ガイドローラ66は、移動体50,52の移動方向に離れた3点でガイドレール64に係合して移動体50,52を支持しているので、取付ブロック60と移動体50,52とが揺動可能な調節部材62で連結されている構成であっても、移動体50,52をガイドレール64にガイドローラ66によって安定して支持できる。更に、ガイドローラ66は、略V字形の係合凹部71に、ガイドレール64の山形の係合部65が嵌って係合するので、ガイドレール64に対するガイドローラ66の支持力が高められ、該ガイドローラ66がガイドレール64から外れることを防止できる。
【0031】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1)タイミングベルト(無端索体)42,48およびガイドレール64の周回軌道は、実施例の垂直方向に限定されず、水平方向やその他の方向であってもよい。
(2)ガイドレール64がタイミングベルト(無端索体)42,48の周回軌道内外方向の外側に配置される実施例の構成に限らず、ガイドレール64をタイミングベルト(無端索体)42,48の周回軌道内外方向の内側に配置したり、タイミングベルト(無端索体)42,48を支持する駆動軸(軸)24,26の軸方向(側方)に並べてガイドレール64を配置してもよい。
(3)ガイドレール64の形状は、略長円形の実施例に限らず、例えば搬送路18に臨む部分を搬送路18に対して接近または離間するように曲げて(例えば台形状やV字形状)、このガイドレール64の曲がりに応じて案内部材56,58が搬送路18に接近または離間するように構成してもよい。このように、ガイドレール64における搬送路18に臨む部分を曲げることで、搬送路18で間隔が詰まった状態で搬送されてくる物品10をグループ分けするなどができる。
(4)案内部材56,58は搬送路18の側方に配置された移動体50,52から該搬送路18へ向けて直線的に延びる実施例に限らず、搬送路18の上方から下方へ吊り下がる形態や、
図5に示す如く、水平方向へ延びる支持部80の延出端から上方または下方に垂直方向へ延びる案内部81で物品10を案内可能な形態など、その他の形態を採用できる。なお、
図5に示す変更例では、支持部80に対して案内部81を、該支持部80の延在方向に位置調節可能に構成することで、物品10に対する案内部81での案内位置を変更できる。また、実施例の案内部材56,58に、変更例の案内部81を着脱可能な装着部を設け、搬送路18上の物品10の高さ位置の変更等に併せて案内部81を着脱して用いる構成を採用し得る。なお、
図5では、実施例と同一または同一の機能を有する部材に同じ符号を付してある。すなわち、搬送路18の上方で案内部材56,58が周回するオーバーヘッドコンベヤに限らず、アタッチコンベヤやバケットコンベヤなどに本発明に係る物品案内装置を適用できる。また、案内部材56,58は、棒状に限らず、板状やその他の形状であってもよい。そして、物品案内装置16は、バスケットコンベヤなどにおいて、前後の仕切りとして案内部材56,58を用いることで、物品10を搬送路18に載置するときの目印とすることができる。
(5)物品案内装置16をオーバーヘッドコンベヤとして採用した場合では、搬送路18に対して物品案内装置16を上下方向や左右方向に移動調節自在に構成し、案内部材56,58の移動位置を搬送路18上の物品10の高さや幅等に応じて変更し得る構成を採用し得る。
(6)移動体50,52がガイドレール64の内周側を移動するよう配置される構成に限らず、ガイドレール64の外周側や、タイミングベルト(無端索体)42,48を支持する駆動軸(軸)24,26の軸方向側(側方)などに、移動体50,52を配置してもよい。
(7)連結部材54は、調節部材62によるリンク構造に限らず、例えばシリンダなどからなる調節部材などであってもよい。
【0032】
(8)案内部材56,58の動作態様は、実施例に限らず、例えば停止位置S以外の位置で停止するように動作させてもよい。
(9)案内部材56,58の周回軌道は、実施例のような略長円形に限らず、3つ以上の直線軌道部を有する多角形状(例えば、三角形状や四角形状等)でもよく、この場合、そのうち1つの直線軌道部が搬送路18に沿うよう設定する。
(10)タイミングベルト(無端索体)42,48、移動体50,52、案内部材56,58およびガイドレール64の数は、実施例と異なる数であってもよい。
(11)ガイドローラ66を構成する第1ガイドローラ68,第2ガイドローラ70の全てを、回転軸線がガイドレール64の湾曲部分64bにおける曲率半径の中心に向くように傾動可能に構成してもよい。また、第1ガイドローラ68および第2ガイドローラ70の数は、実施例と異なる数であってもよく、移動体50,52の移動方向に離れたガイドローラの少なくとも一つを移動体50,52に対して傾動しない基準ガイドローラとした場合に、当該基準ガイドローラから移動方向に離れたガイドローラが移動体50,52に対して傾動可能な構成になっていればよい。なお、移動体50,52の移動方向に離れていない一対のガイドローラでガイドレール64を挟む構成では、両ガイドローラを移動体50,52に対して傾動しない構成とすることができる。
(12)無端索体としては、タイミングベルト42,48に限らず、無端チェーン等を適宜に使用し得る。
(13)搬送手段20は、平ベルトコンベヤの他、スラットコンベヤや、搬送方向と交差する左右に設けられた一対の無端チェーンに棒状部材を架設して搬送面を構成したコンベヤ等などを採用できる。搬送手段20は、無端チェン等の無端索体に所定間隔でアタッチを配設し、搬送路をなすテーブル上の物品10をアタッチで押送するアタッチコンベヤであってもよい。また、搬送手段20を省略して、案内部材56,58で押して搬送路18の物品10を搬送してもよい。