特許第6482475号(P6482475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レナセラピューティクス株式会社の特許一覧

特許6482475アンチセンスオリゴヌクレオチド及び糖誘導体を含む二本鎖オリゴヌクレオチド
<>
  • 特許6482475-アンチセンスオリゴヌクレオチド及び糖誘導体を含む二本鎖オリゴヌクレオチド 図000105
  • 特許6482475-アンチセンスオリゴヌクレオチド及び糖誘導体を含む二本鎖オリゴヌクレオチド 図000106
  • 特許6482475-アンチセンスオリゴヌクレオチド及び糖誘導体を含む二本鎖オリゴヌクレオチド 図000107
  • 特許6482475-アンチセンスオリゴヌクレオチド及び糖誘導体を含む二本鎖オリゴヌクレオチド 図000108
  • 特許6482475-アンチセンスオリゴヌクレオチド及び糖誘導体を含む二本鎖オリゴヌクレオチド 図000109
  • 特許6482475-アンチセンスオリゴヌクレオチド及び糖誘導体を含む二本鎖オリゴヌクレオチド 図000110
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6482475
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】アンチセンスオリゴヌクレオチド及び糖誘導体を含む二本鎖オリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20190304BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20190304BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20190304BHJP
   A61K 47/61 20170101ALI20190304BHJP
【FI】
   C12N15/113 ZZNA
   A61K31/712
   A61K48/00
   A61K47/61
【請求項の数】2
【全頁数】106
(21)【出願番号】特願2015-556799(P2015-556799)
(86)(22)【出願日】2015年1月6日
(86)【国際出願番号】JP2015050083
(87)【国際公開番号】WO2015105083
(87)【国際公開日】20150716
【審査請求日】2017年10月3日
(31)【優先権主張番号】特願2014-1195(P2014-1195)
(32)【優先日】2014年1月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515295979
【氏名又は名称】レナセラピューティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(72)【発明者】
【氏名】釘宮 啓
(72)【発明者】
【氏名】阪上 昌浩
(72)【発明者】
【氏名】関口 光明
【審査官】 関 景輔
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−528221(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/113571(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/089283(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/037254(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/083046(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/033230(WO,A1)
【文献】 JEKERIE, V. et al.,Functional comparison of single- and double-stranded mdr1 antisense oligodeoxynucleotides in human ovarian cancer cell lines,J. Pharm. Pharm. Sci.,2005年,Vol.8, No.3,pages 516-527
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N15、A61K31、A61K47、A61K48、
MEDLINE/BIOSIS/EMBASE/CAplus/(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンチセンス鎖が、ヌクレオシド誘導体を含んでいてもよい8〜25塩基のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
センス鎖が、ストリンジェントな条件で該アンチセンス鎖にハイブリダイズ可能な配列を含み、DNAヌクレオシド及び/又はヌクレオシド誘導体を含んでいてもよい8〜35塩基のRNAオリゴヌクレオチドであり、
センス鎖の3’末端及び/又は5’末端に、
リンカーを介して
アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体が結合している二本鎖オリゴヌクレオチドであって、
糖誘導体が、
【化1】


であり、
二本鎖オリゴヌクレオチドリンカー及び糖誘導体が、下に示すSEQ-8、SEQ-9、SEQ-10、SEQ-11、SEQ-20、SEQ-21、SEQ-22、SEQ-23、SEQ-24、SEQ-25及びSEQ-31のいずれか1つで表され、
【化2】

【化3】

【化4】

ここで、N(大文字)はDNA、n(小文字)はRNA、NOMeは2'-OMeRNA、NBはAmNA、NLはLNA、mCは5-メチルシチジンを示し、*はホスホロチオエート結合を示し、Yは糖誘導体を示し、L6、L7、L9、L10、L11及びL12は以下の式で表され、L6、L7、L9、L10、L11及びL12とオリゴヌクレオチドの結合がホスホロチオエート結合(*)であれば、L6、L7、L9、L10、L11及びL12の式中のXはSであり、ホスホジエステル結合(無記号)であれば、式中のXはOである、二本鎖オリゴヌクレオチド。
【化5】

【化6】
【請求項2】
請求項1に記載の二本鎖オリゴヌクレオチドを含有する医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンチセンス鎖が、標的タンパク質の発現抑制活性を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、センス鎖にリンカーを介してアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体が結合している二本鎖オリゴヌクレオチドに関する。
【背景技術】
【0002】
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的遺伝子のmRNA、mRNA前駆体又はリボソームRNA、転移RNA、miRNA等のncRNA(ノンコーディングRNA)に対して相補的なオリゴヌクレオチドであり、約8〜30塩基からなる1本鎖のDNA、RNA及び/又はそれらの構造類似体である。該アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とするmRNA、mRNA前駆体、又はncRNAと二本鎖を形成することによりmRNA、mRNA前駆体又はncRNAの働きを抑制する。
【0003】
しかし、アンチセンスオリゴヌクレオチドやsiRNA等の核酸医薬は、生体内のヌクレアーゼにより分解されやすく、標的細胞への取り込み効率が低いため、実用化が難しい。2つの大きな問題点を克服するために、有効成分である核酸自体の化学修飾と、核酸を標的細胞内へ送達させるドラッグデリバリーシステム(DDS)の研究が長年行われている。
【0004】
アンチセンスオリゴヌクレオチド自体の化学修飾の例としては、リン酸部分が修飾されているS−オリゴ(ホスホロチオエート)、糖部分が修飾されている2’,4’−BNA(bridged nucleic acid)/LNA(locked nucleic acid)(特許文献1〜5参照)等がある。
【0005】
DDSの例としては、カチオン性リポソームや高分子ミセル等のキャリアを利用する方法等が知られている。また、非特許文献1は、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体であるガラクトース誘導体で修飾したリポソームが、医薬の肝臓細胞への取り込みに有用であることが示唆されている。特許文献6〜8には、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体であるGalNac(N−アセチルガラクトサミン)誘導体で修飾したリポソームが、siRNAの肝臓細胞への取り込みに有用であることが示唆されている。特許文献9には、GalNac誘導体がリンカーを介して結合しているsiRNAが記載されており、該siRNAを皮下投与すると、肝臓での標的遺伝子の発現が抑制されたことが記載されている。
【0006】
また、特許文献10には、アンチセンスオリゴヌクレオチドと相補的なRNAオリゴヌクレオチドを含む二本鎖オリゴヌクレオチドにトコフェノールを結合させることにより、マウスにおいて、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドと比較して、効率よく肝臓に送達、集積され、肝臓での標的遺伝子の発現が抑制されたことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第98/39352号
【特許文献2】国際公開第2005/021570号
【特許文献3】国際公開第2003/068795号
【特許文献4】国際公開第2011/052436号
【特許文献5】国際公開第2011/156202号
【特許文献6】国際公開第2009/073809号
【特許文献7】国際公開第2009/082606号
【特許文献8】国際公開第2009/082607号
【特許文献9】国際公開第2012/037254号
【特許文献10】国際公開第2013/089283号
【特許文献11】国際公開第2014/118267号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】J. Med. Chem 1999, 42, 609−618
【非特許文献2】Nucleic Acids Research, 2014, Vol. 42, No.13, 8796−8807
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、DNAアンチセンスオリゴヌクレオチドを肝臓へ効率よく輸送可能な新規の複合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
アンチセンスオリゴヌクレオチドを医薬として利用する際、有効成分である一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドは、胃内における安定性の問題や腸からの吸収に乏しいため、標的細胞への取り込み効率が低いことから、一般的に、標的組織に到達しやすい注射剤での研究及び開発が行われている。しかし、例えば患者の皮下脂肪の厚さが原因で注射が困難といった理由で、疾患によっては注射剤以外の剤形が好ましい場合がある。
本発明者らは、特許文献10に記載の方法に基づきトコフェロール修飾二本鎖オリゴヌクレオチドを用いて研究を行った。1本鎖のアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与した場合と比較し、静脈注射投与では肝臓における標的遺伝子の発現抑制活性が向上していることが確認されたが、皮下投与では標的遺伝子の発現抑制活性の向上が確認できなかった。
その後、本発明者らは、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドが、静脈注射投与、皮下投与共に、肝臓における標的遺伝子の発現抑制活性が優れていることを見出した。本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは核酸医薬の活性成分であるアンチセンスオリゴヌクレオチドを効率的に肝臓へ送達、集積し、効果を発揮させることができ、非常に有用である。
さらに、本発明者らは、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドを用いた静脈注射投与、皮下投与時におけるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)を測定し、肝臓毒性が認められないことを確認している。そのため、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは毒性が低く、医薬として使用するために十分安全である。
【0011】
本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、例えば、GalNac誘導体を利用している。特許文献9にはGalNac誘導体がリンカーを介して結合しているsiRNAが記載されており、該siRNAを静脈注射投与又は皮下投与すると、肝臓での標的遺伝子の発現が抑制されたことが記載されている。しかし、以下の理由により、siRNAで利用可能であることが示されているDDSが、そのままアンチセンスオリゴヌクレオチドに応用可能であるとは限らない。
mRNAを標的としたタンパク質の発現抑制法には、アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたアンチセンス法又はsiRNAを用いたRNA干渉(RNAi)のアプローチがある。アンチセンス法とは、例えば、20mer前後の一本鎖DNA(アンチセンスオリゴヌクレオチド)を用いて標的mRNAにハイブリダイズさせることで生成したRNA/DNAヘテロ二重鎖を認識するRNaseHによってmRNA鎖を切断することで、タンパク質の生成を抑制する手法である。一方、RNA干渉は、例えば、20〜30merの二本鎖RNA(siRNA; short interfering RNA)を用いることで、細胞内でRISC(RNA−induced silencing complex)に取り込まれ、その後取り込まれたsiRNAに相同的なmRNA鎖が切断されることで、タンパク質発現を抑制する手法である。
アンチセンス法およびRNA干渉ともに、生体内で十分な効果を発揮させるためには、生体内ヌクレアーゼに対する分解耐性と標的臓器へのデリバリー効率を高めることが重要である。このような課題に対して、化学修飾核酸や生体リガンド分子(例えば、GalNac誘導体)を用いるアプローチが報告されているが、分子構造の違いやmRNA鎖の切断メカニズムの違いによって、使用可能な化学修飾核酸の種類や最適なリガンド分子及びその結合箇所は異なってくると考えられる。
【0012】
すなわち、本発明は、以下に関する。
(1)アンチセンス鎖が、ヌクレオシド誘導体を含んでいてもよい8〜25塩基のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
センス鎖が、ストリンジェントな条件で該アンチセンス鎖にハイブリダイズ可能な配列を含み、DNAヌクレオシド及び/又はヌクレオシド誘導体を含んでいてもよい8〜35塩基のRNAオリゴヌクレオチドであり、
センス鎖の3’末端及び/又は5’末端に、
リンカーを介して
アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体
が結合している二本鎖オリゴヌクレオチド。
(2)糖誘導体が、
【化1】

(式中、
1A、P1B、P2A、P2B、P3A、P3B、P4A、P4B、P4C、T1A、T1B、T2A、T2B、T3A、T3B、T4A、T4B及びT4Cはそれぞれ独立して、存在しないか、CO、NH、O、S、OC(=O)、NHC(=O)、CH、CHNH又はCHOであり、
1A、Q1B、Q2A、Q2B、Q3A、Q3B、Q4A、Q4B及びQ4Cはそれぞれ独立して、存在しないか又は置換若しくは非置換のアルキレンであり、
1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R4A、R4B及びR4Cはそれぞれ独立して、存在しないか、NH、O、S、CH、C(=O)O、C(=O)NH、NHCH(R)C(=O)、C(=O)CH(R)NH、CO、CH=N−O、複素環、
【化2】

であり、
は水素原子又はアミノ酸側鎖であり、
1A、q1B、q2A、q2B、q3A、q3B、q4A、q4B及びq4Cはそれぞれ独立して、0〜20の整数であり、
LG1A、LG1B、LG2A、LG2B、LG3A、LG3B、LG4A、LG4B及びLG4Cはそれぞれ独立して、
【化3】

(式中、
X1、RX2及びRX3はそれぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは非置換のアルキルであり、
X4はOH又はNHCORX4’(RX4’は置換又は非置換のアルキル)である)
である、(1)記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
(3)糖誘導体が、
【化4】

である、(2)記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
(4)糖誘導体が、
【化5】

である、(3)記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
(5)ヌクレオシド誘導体が、糖の2’位に置換基を有するヌクレオシド及び/又は糖の4’位と2’位との間に架橋構造を有するクレオシドである、(1)〜(4)いずれかに記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
(6)該置換基が、F、OCH又はOCHCHOCHである、(5)記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
(7)該架橋構造が、4’−(CH)m−O−2’(mは1〜4の整数)又は4’−C(=O)−NR−2’(Rは、水素原子又はアルキルである)である、(5)記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
(8)リンカーが、
【化6】

(式中、
はセンス鎖の3’末端及び/又は5’末端に結合し、Lは糖誘導体に結合する。
はC(=O)NH、NHC(=O)、NHC(=O)NH、
【化7】

(式中、Rはアルキル又はアルキルオキシである)であり、
はそれぞれ独立して、芳香族環を介していてもよい置換若しくは非置換の炭素数が1〜20のアルキレン又は芳香族環であり、
はそれぞれ独立して、存在しないか、C(=O)NR(Rは水素又は置換若しくは非置換のアルキルである)、NRC(=O)(Rは水素又は置換若しくは非置換のアルキルであるか、RはLのアルキレン中の炭素と一緒になって置換若しくは非置換の含窒素環を形成してもよい)、
【化8】

であり、
はそれぞれ独立して、存在しないか、芳香族環を介していてもよい置換若しくは非置換の炭素数が1〜20のアルキレン又は芳香族環であり、
はC(=O)NH、NHC(=O)、NH又はOであり、
nは1又は2である)
である、(1)〜(7)いずれかに記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
(9)リンカーが、
【化9】

(式中、
はセンス鎖の3’末端及び/又は5’末端に結合し、Lは糖誘導体に結合する。
はC(=O)NH、NHC(=O)、NHC(=O)NH、
【化10】

(式中、Rはアルキル又はアルキルオキシである)であり、
はそれぞれ独立して、芳香族環を介していてもよい置換若しくは非置換の炭素数が1〜20のアルキレン又は芳香族環であり、
はそれぞれ独立して、存在しないか、C(=O)NR(Rは水素又は置換若しくは非置換のアルキルである)又はNRC(=O)(Rは水素又は置換若しくは非置換のアルキルであるか、RはLのアルキレン中の炭素と一緒になって置換若しくは非置換の含窒素環を形成してもよい)であり、
はそれぞれ独立して、存在しないか、芳香族環を介していてもよい置換若しくは非置換の炭素数が1〜20のアルキレン又は芳香族環であり、
はC(=O)NH、NHC(=O)、NH又はOであり、
nは1又は2である)
である、(1)〜(7)いずれかに記載の二本鎖オリゴヌクレオチド。
(10)(1)〜(9)いずれかに記載の二本鎖オリゴヌクレオチドを含有する医薬組成物。
【発明の効果】
【0013】
本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、活性成分であるアンチセンスオリゴヌクレオチドを、静脈注射投与又は皮下投与いずれの投与経路であっても、安定して肝臓へ送達、集積させ、高い活性を示す。該二本鎖オリゴヌクレオチドは毒性も見られなかったことから、核酸医薬品として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】α-トコフェロール修飾オリゴヌクレオチド(SEQ−7)のノックダウン評価(比較例)。mRNAの残存量は生理食塩水投与群を100とした場合の相対値として標記した。SEQ−7の投与量(10、3.3又は1.1mg/kg)はアンチセンス鎖量に換算して標記した。
図2】本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−8)のノックダウン評価。mRNAの残存量は生理食塩水投与群を100とした場合の相対値として標記した。SEQ−8の投与量(20、6.6又は2.2mg/kg)はアンチセンス鎖量に換算して標記した。
図3】本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドにおけるアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体の修飾位置の検討。mRNAの残存量は生理食塩水投与群を100とした場合の相対値として標記した。SEQ−8〜11の投与量(20、6.6又は2.2mg/kg)はアンチセンス鎖量に換算して標記した。
図4】本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−21又は22)のノックダウン評価。mRNAの残存量は生理食塩水投与群を100とした場合の相対値として標記した。SEQ−21又は22の投与量(4又は2mg/kg)はアンチセンス鎖量に換算して標記した。
図5】本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−20、23〜25)のノックダウン評価。mRNAの残存量は生理食塩水投与群を100とした場合の相対値として標記した。SEQ−20、23〜25の投与量(4又は2mg/kg)はアンチセンス鎖量に換算して標記した。
図6】本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−31)及び他の構造のアンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−26、29、30又は32)のノックダウンの比較。mRNAの残存量は生理食塩水投与群を100とした場合の相対値として標記した。SEQ−30〜32の投与量(0.2mg/kg)はアンチセンス鎖量に換算して標記した。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において使用される用語は、特に言及する場合を除いて、当該分野で通常用いられる意味で用いられる。
本発明においては、当該分野で公知の遺伝子操作方法の使用が可能である。例えば、Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press (2001)、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons (2003)に記載された方法等が挙げられる。
【0016】
ヌクレオシドとは、核酸塩基と糖とがN−グリコシド結合をした化合物を意味する。オリゴヌクレオチドとは、同一又は異なるヌクレオシドが複数個結合したヌクレオチドを意味する。
【0017】
オリゴヌクレオチドにおける糖と糖の間の結合は、天然の核酸が有する結合、ホスホジエステル(D−オリゴ)でもよいし、人工的に修飾がなされた結合又はリン原子を有していない結合であってもよい。当該分野で公知の結合であれば、いずれも利用可能である。人工的に修飾がなされた結合としては、ホスホロチオエート(S−オリゴ)、メチルホスホネート(M−オリゴ)、ボラノホスホネート等が挙げられる。リン原子を有していない結合としては、アルキル、非芳香族炭素環、ハロアルキル、ハロゲンで置換された非芳香族炭素環等が挙げられる。例えば、シロキサン、スルフィド、スルホキシド、スルホン、アセチル、ギ酸アセチル、チオギ酸アセチル、メチレンギ酸アセチル、チオギ酸アセチル、アルケニル、スルファマート、メチレンイミノ、メチレンヒドラジノ、スルホナート、スルホンアミド、アミド等である。オリゴヌクレオチド中、全て同じ結合でもよいし、異なる結合を含んでいてもよい。
【0018】
本明細書において、「DNAヌクレオシド」又は「RNAヌクレオシド」とは、天然のDNAヌクレオシド又は天然のRNAヌクレオシドであり、オリゴヌクレオチドを構成する1単位であるヌクレオチドの一部を意味する。「天然のDNAヌクレオシド」とは、以下を意味する。
【化11】

(式中、BX1は、アデニン、グアニン、シトシン又はチミンである。)
「天然のRNAヌクレオシド」とは、以下を意味する。
【化12】

(式中、BX2は、アデニン、グアニン、シトシン又はウラシルである。)
【0019】
「DNAオリゴヌクレオチド」とは、DNAヌクレオシドが複数個結合したオリゴヌクレオチドであり、「RNAオリゴヌクレオチド」とは、RNAヌクレオシドが複数個結合したオリゴヌクレオチドである。
【0020】
本明細書において、「ヌクレオシド誘導体」とは、上記DNAヌクレオシド又は上記RNAヌクレオシドの核酸塩基及び/又は糖部位に人工的な修飾がなされたヌクレオシドを意味する。当該分野で公知のヌクレオシドの修飾であれば、いずれも利用可能である。
【0021】
核酸塩基の修飾としては、例えば、5−メチルシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、5−プロピニルシトシン等が挙げられる。
【0022】
糖部位の修飾としては、例えば、糖の2’位の置換が挙げられる。具体的には、2’-F、2’-OCH(2’-OMe)、2’-OCHCHOCH(2’-MOE)等である。
また、例えば、以下の糖の4’位と2’位との間の架橋構造が挙げられる。
4’−(CR1011)m−O−2’、4’−(CR1011)m−S−2’、4’−(CR1011)m−O−C(=O)−2’、4’−(CR1011)m−NR−O−(CR1011)m−2’、4’−(CR1011)m-C(=O)−NR−2’又は4’−(CR1011)m-C(=O)−NR−X−2’、4’−(CR1011)m−SO−NR−2’、又は
【化13】

であり、
ここで、
は、O、S、NH又はCHであり、
は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換の芳香族炭素環アルキル、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環アルキル、置換若しくは非置換の芳香族複素環アルキル又は置換若しくは非置換の非芳香族複素環アルキルであり、
10は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル又は置換若しくは非置換のアルキニルであり、
11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル又は置換若しくは非置換のアルキニルであり、
はCR12又はNであり、
はCR13又はNであり、
はCR14又はNであり、
12、R13及びR14はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアミノ、置換若しくは非置換のアルコキシ、置換若しくは非置換のアルキルカルボニルアミノ、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルアミノ、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルアミノ、置換若しくは非置換のアルキルカルバモイル、置換若しくは非置換のアルケニルカルバモイル又は置換若しくは非置換のアルキニルカルバモイルであり、
mは、1〜4の整数であり、
は、0〜3の整数であり、
は、0又は1である。
【0023】
は、好ましくは、水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環アルキル、非芳香族炭素環アルキル、芳香族複素環アルキル又は非芳香族複素環アルキルであり、α群から選択される任意の置換基を1以上有していてもよい。
α群は、水酸基、アルキル、アルキルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ又はハロゲンである。
【0024】
10及びR11は、好ましくは、水素原子である。
【0025】
該架橋構造として、好ましくは、4’−(CR1011)m−O−2’又は4’−(CR1011)m-C(=O)−NR−2’(AmNA、Bridged nucleic acid)であり、
ここで、
は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル又は置換若しくは非置換のアルキニルであり、
10は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル又は置換若しくは非置換のアルキニルであり、
11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル又は置換若しくは非置換のアルキニルであり、
mは、1〜4の整数であり、
は、0〜2の整数である。
【0026】
該架橋構造として、特に好ましくは、4’−(CH)m−O−2’(mは1〜4の整数)又は、4’−C(=O)−NR−2’(Rは、水素原子又はアルキルである)である。
4’−(CH)m−O−2’(mは1〜4の整数)の中で、特に好ましくは4’−CH−O−2’(LNA、Locked nucleic acid)である。具体例及びその調製方法は、国際公開第98/39352号、国際公開第2003/068795号、国際公開第2005/021570号等に記載されている。
4’−C(=O)−NR−2’(Rは、水素原子又はアルキルである)の中で、特に好ましくは4’−C(=O)−NCH−2’である。具体例及びその調製方法は、国際公開第2011/052436号に記載されている。
【0027】
当該分野で公知のヌクレオチドの修飾及び修飾方法については、例えば、以下の特許文献にも開示されている。
国際公開第98/39352号、国際公開第99/014226号、国際公開2000/056748、国際公開第2005/021570号、国際公開第2003/068795号、国際公開第2011/052436号、国際公開第2004/016749号、国際公開第2005/083124号、国際公開2007/143315号、国際公開第2009/071680号、国際公開2014/112463号、国際公開2014/126229号等。
【0028】
以下に本発明について詳細に説明する。
【0029】
本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」は
アンチセンス鎖が、ヌクレオシド誘導体を含んでいてもよい8〜25塩基のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドであり、
センス鎖が、ストリンジェントな条件で該アンチセンス鎖にハイブリダイズ可能な配列を含み、DNAヌクレオシド及び/又はヌクレオシド誘導体を含んでいてもよい8〜35塩基のRNAオリゴヌクレオチドであり、
センス鎖の3’末端及び/又は5’末端に、
リンカーを介して
アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体
が結合している二本鎖オリゴヌクレオチド
である。
【0030】
本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」のアンチセンス鎖は、ヌクレオシド誘導体を含んでいてもよい8〜25塩基のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0031】
「DNAアンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、標的遺伝子のmRNA、mRNA前駆体又はncRNAに対して相補的なオリゴヌクレオチドであり、1本鎖のDNAから構成される。当該アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的とするmRNA、mRNA前駆体又はncRNAと二本鎖を形成することによりmRNA、mRNA前駆体又はncRNAの働きを抑制する。該「DNAアンチセンスオリゴヌクレオチド」には、標的となるmRNA、mRNA前駆体又はncRNAと完全に相補的であるもののみならず、mRNA、mRNA前駆体又はncRNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズできる限り、1又は数個のミスマッチが存在するものも含まれる。
ncRNA(ノンコーディングRNA)とは、タンパク質へ翻訳されずに機能するRNAの総称である。例えば、リボソームRNA、転移RNA、miRNA等が挙げられる。
「標的遺伝子」としては、特に制限なく、各種疾患において発現が亢進している遺伝子が挙げられる。
【0032】
「DNAアンチセンスオリゴヌクレオチド」の長さは、8〜25塩基である。例えば、8〜19塩基、10〜19塩基、13〜19塩基、13塩基、14塩基、15塩基、16塩基、17塩基、18塩基又は19塩基である。
【0033】
本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」のセンス鎖は、ストリンジェントな条件で該アンチセンス鎖にハイブリダイズ可能な配列を含み、DNAヌクレオシド及び/又はヌクレオシド誘導体を含んでいてもよい8〜35塩基のRNAオリゴヌクレオチドである。
【0034】
センス鎖のRNAオリゴヌクレオチドは、アンチセンス鎖のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズできる限り、ハイブリダイズする部位において、1又は数個のミスマッチが存在するものも含まれる。
例えば、ハイブリダイズする部位が、アンチセンス鎖のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドの相補配列と少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、もっとも好ましくは95%以上の相同性を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられる。ここで、相同性は、例えば、Altschulら(The Journal of Molecular Biology,215,403−410(1990).)の開発したアルゴリズムを使用した検索プログラムBLASTを用いることにより、スコアで類似度が示される。
【0035】
本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドのセンス鎖の長さは、8〜35塩基である。例えば、8〜30、8〜19塩基、10〜19塩基、13〜19塩基、13塩基、14塩基、15塩基、16塩基、17塩基、18塩基又は19塩基である。センス鎖の長さは、アンチセンス鎖と同じ長さであってもよいし、アンチセンス鎖とハイブリダイズする限りにおいて、アンチセンス鎖の長さより1又は数個の塩基の分短くてもよい。また、アンチセンス鎖とハイブリダイズする部位の片側又は両側に1又は数個の塩基が付加することにより、センス鎖の長さはアンチセンス鎖の長さより長くてもよい。センス鎖の長さがアンチセンス鎖の長さより長い場合、アンチセンス鎖とハイブリダイズしない部分においてセンス鎖中の塩基同士がハイブリダイズすることにより、ヘアピン構造を有していてもよい。
「1又は数個の塩基」とは、1〜10個、1〜5個、1〜3個又は1若しくは2個の塩基を意味している。
【0036】
「ストリンジェントな条件」とは、ある塩基配列が特定配列とハイブリット(いわゆる特異的ハイブリット)を形成し、同等の機能を有しない塩基配列は該特定配列とハイブリット(いわゆる非特異的ハイブリット)を形成しない条件を意味する。当業者は、ハイブリダイゼーション反応及び洗浄時の温度や、ハイブリダイゼーション反応液及び洗浄液の塩濃度等を変化させることによって、このような条件を容易に選択することができる。具体的には、6×SSC(0.9M NaCl,0.09M クエン酸三ナトリウム)又は6×SSPE(3M NaCl,0,2M NaHPO,20mM EDTA・2Na,pH7.4)中42℃でハイブリダイズさせ、さらに42℃で0.5×SSCにより洗浄する条件が、本発明のストリンジェントな条件の1例として挙げられるが、これに限定されるものではない。ハイブリダイゼーション方法としては、当該分野において周知慣用な手法、例えば、サザンブロットハイブリダイゼーション法等を用いることができる。具体的には、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition(1989)(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Current Protocols in Molecular Biology(1994)(Wiley−Interscience)、DNA Cloning 1:Core Techniques、A Practical Approach,Second Edition(1995)(Oxford University Press)等に記載されている方法に準じて行うことができる。
【0037】
「1又は数個のミスマッチ」とは、1〜5個、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1又は2個のミスマッチを意味している。
【0038】
本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」中のアンチセンス鎖のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチド及びセンス鎖のRNAオリゴヌクレオチドは、ヌクレオシド誘導体を1以上含んでいることが好ましい。センス鎖はさらにDNAヌクレオシドを含んでいてもよい。つまり、アンチセンス鎖のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオシドはDNAヌクレオシドであるが、その他のヌクレオシドはDNAヌクレオシドであってもヌクレオシド誘導体であってもよい。センス鎖のRNAオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオシドはRNAヌクレオシドであるが、その他のヌクレオシドはRNAヌクレオシド、DNAヌクレオシド、ヌクレオシド誘導体のいずれであってもよい。
ヌクレオシド誘導体とDNAヌクレオシド又はRNAヌクレオシドのパターンとしては、例えば、ギャップマー又はミクスマーが挙げられる。
ギャップマーとは、中心領域(“ギャップ”)と該中心領域の両側の領域、ウイング(5’側の“5’ウイング”又は3’側の“3’ウイング”)を含み、各ウイングに少なくとも1つのヌクレオシド誘導体を含むオリゴヌクレオチドを意味する。例えば、“5’ウイング”及び /又は“3’ウイング”に、ヌクレオシド誘導体を1以上、好ましくは、1〜5、さらに好ましくは、2〜3含有する。一方のウイング内の修飾の種類、数、位置は他方のウイングにおける修飾の種類、数、位置と同じであっても異なっていてもよい。
ミクスマーとは、ランダムにヌクレオシド誘導体を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
アンチセンス鎖のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドは、特に好ましくは、ギャップマーである。
【0039】
本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」中のヌクレオシド誘導体としては、上記に記載の通り、当該分野で公知のヌクレオシドの修飾であれば、いずれも利用可能である。
好ましくは、糖の2’位に置換基を有するヌクレオシド及び/又は糖の4’位と2’位との間に架橋構造を有するヌクレオシドである。
糖の2’位に置換基として好ましくは、F、OCH又はOCHCHOCHである。
糖の4’位と2’位との間の架橋構造として好ましくは、4’−(CH)m−O−2’(mは1〜4の整数)、4’−C(=O)−NR−2’(Rは、水素原子又はアルキルである)である。
【0040】
本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」中のアンチセンス鎖のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドとして好ましくは、ホスホロチオエート(S−オリゴ)である。
【0041】
本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」中のアンチセンス鎖のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチド及びセンス鎖のRNAオリゴヌクレオチドは、当該分野の常法によって合成することができ、例えば、市販の核酸自動合成装置(例えば、AppliedBiosystems社製、(株)大日本精機製等)によって容易に合成することができる。合成法はホスホロアミダイトを用いた固相合成法、ハイドロジェンホスホネートを用いた固相合成法等がある。例えば、下記実施例3の1)〜7)、Tetrahedron Letters 22, 1859−1862 (1981)、国際公開第2011/052436号等に開示されている。
【0042】
合成されたアンチセンス鎖及びセンス鎖は公知の方法でハイブリダイズさせることにより二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する。例えば、下記実施例3の11)、国際公開第2013/089283の実施例1等に開示されている。
【0043】
本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」は、センス鎖の3’末端及び/又は5’末端に、リンカーを介してアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体が結合している。
【0044】
「アシアロ糖タンパク質受容体」とは肝臓細胞表面に存在し、アシアロ糖タンパク質のガラクトース残基を認識して細胞内に取り込み分解する働きを持つ。つまり、「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体」とは、ガラクトース残基に類似の構造を持ち、アシアロ糖タンパク質受容体と結合して細胞内に取り込まれる化合物を意味する。例えば、GalNac(N−アセチルガラクトサミン)誘導体、ガラクトース誘導体、ラクトース誘導体が挙げられる。
【0045】
GalNac誘導体とは、以下の基を含有する化合物である。
【化14】

(式中、
X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは非置換のアルキルであり、
X4’は置換又は非置換のアルキルである。)
【0046】
ガラクトース誘導体とは、以下の基を含有する化合物である。
【化15】

(式中、RX1、RX2及びRX3は、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは非置換のアルキルである。)
【0047】
ラクトース誘導体は、以下の基を含有する化合物である。
【化16】

(式中、
X1は、水素原子又は置換若しくは非置換のアルキルであり、
X2及びRX3は、それぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは非置換のアルキルであり、
X4は、それぞれ独立して、OH又はNHCORX4’(RX4’は置換又は非置換のアルキル)である。)
【0048】
「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体」として好ましくは、以下が挙げられる。
【化17】

(式中、
0A、P1A、P1B、P2A、P2B、P3A、P3B、P4A、P4B、P4C、T0A、T1A、T1B、T2A、T2B、T3A、T3B、T4A、T4B及びT4Cはそれぞれ独立して、存在しないか、CO、NH、O、S、OC(=O)、NHC(=O)、CH、CHNH又はCHOであり、
0A、Q1A、Q1B、Q2A、Q2B、Q3A、Q3B、Q4A、Q4B及びQ4Cはそれぞれ独立して、存在しないか又は置換若しくは非置換のアルキレンであり、
0A、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R4A、R4B及びR4Cはそれぞれ独立して、存在しないか、NH、O、S、CH、C(=O)O、C(=O)NH、NHCH(R)C(=O)、C(=O)CH(R)NH、CO、CH=N−O、複素環、
【化18】

(なお、R0A〜R4Cが上記式で表される場合、式中、左側にQ0A〜Q4Cが結合する)
であり、
は水素原子又はアミノ酸側鎖であり、
0A、q1A、q1B、q2A、q2B、q3A、q3B、q4A、q4B及びq4Cはそれぞれ独立して、0〜20の整数であり、
LG0A、LG1A、LG1B、LG2A、LG2B、LG3A、LG3B、LG4A、LG4B及びLG4Cはそれぞれ独立して、
【化19】

(式中、
X1、RX2及びRX3はそれぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは非置換のアルキルであり、
X4はOH又はNHCORX4’(RX4’は置換又は非置換のアルキル)である)
【0049】
「アミノ酸側鎖」とは、アミノ酸の構造の一部であり、例えば、CH、CHSH、CHCOOH、CHCHCOOH、CH、CH、CH(CH)CHCH、(CHNH、CHCH(CH、CHCHSCH、CHCONH、CHCHCONH、(CHNHC(NH)NH、CHOH、CH(OH)CH、CHSeH、CH(CH、CHN、CHOH等が挙げられる。
【0050】
好ましくは上記(I)〜(IV)のいずれか、さらに好ましくは、
【化20】

である。
【0051】
特に好ましくは、
【化21】

である。
【0052】
センス鎖と糖誘導体を介するリンカーとしては、当該分野で用いられるリンカーであれば、いずれでも利用可能である。
【0053】
例えば、以下が挙げられる。
【化22】

(式中、
はセンス鎖の3’末端及び/又は5’末端に結合し、Lは糖誘導体に結合する。
はC(=O)NH、NHC(=O)、NHC(=O)NH、
【化23】

(式中、Rはアルキル又はアルキルオキシである)であり、
はそれぞれ独立して、芳香族環を介していてもよい置換若しくは非置換の炭素数が1〜20のアルキレン又は芳香族環であり、
はそれぞれ独立して、存在しないか、C(=O)NR(Rは水素又は置換若しくは非置換のアルキルである)、NRC(=O)(Rは水素又は置換若しくは非置換のアルキルであるか、RはLのアルキレン中の炭素と一緒になって置換若しくは非置換の含窒素環を形成してもよい)、
【化24】

(なお、Lが上記式で表される場合、式中、左側にLが結合する)
であり、
はそれぞれ独立して、存在しないか、芳香族環を介していてもよい置換若しくは非置換の炭素数が1〜20のアルキレン又は芳香族環であり、
はC(=O)NH、NHC(=O)、NH又はOであり、
nは1又は2である)。
【0054】
または、以下が挙げられる。
【化25】

(式中、
はセンス鎖の3’末端及び/又は5’末端に結合し、Lは糖誘導体に結合する。
はC(=O)NH、NHC(=O)、NHC(=O)NH、
【化26】

(式中、Rはアルキル又はアルキルオキシである)であり、
はそれぞれ独立して、芳香族環を介していてもよい置換若しくは非置換の炭素数が1〜20のアルキレン又は芳香族環であり、
はそれぞれ独立して、存在しないか、C(=O)NR(Rは水素又は置換若しくは非置換のアルキルである)又はNRC(=O)(Rは水素又は置換若しくは非置換のアルキルであるか、RはLのアルキレン中の炭素と一緒になって置換若しくは非置換の含窒素環を形成してもよい)であり、
はそれぞれ独立して、存在しないか、芳香族環を介していてもよい置換若しくは非置換の炭素数が1〜20のアルキレン又は芳香族環であり、
はC(=O)NH、NHC(=O)、NH又はOであり、
nは1又は2である)。
【0055】
又はLが、「芳香族環を介していてもよい置換若しくは非置換のアルキレン」又は「芳香族環」である場合、芳香族環として、好ましくは、ベンゼン環、ビフェニル環等が挙げられる。
【0056】
「RはLのアルキレン中の炭素と一緒になって置換若しくは非置換の含窒素環を形成してもよい」とは、以下を意味する。
【化27】

(式中、aは0〜18の整数であり、bは1〜5の整数である。アルキレンや含窒素環は置換基を有していてもよい。)
具体的には、以下が挙げられる。
【化28】
【0057】
センス鎖の3’末端にリンカーを介して糖誘導体が結合する場合、オリゴヌクレオチドの末端の糖の3’位にLが結合する。
センス鎖の5’末端に糖誘導体が結合する場合、オリゴヌクレオチドの末端の4’位に置換又は非置換のメチレンを介してLが結合する。
【0058】
リンカーとして具体的には、以下が挙げられる。
【化29】
【0059】
として好ましくは、
【化30】

である。
として好ましくは、1〜20の置換又は非置換のアルキレン、ベンゼン環又はビフェニル環である。
として好ましくは、存在しないか、C(=O)NH又はNRC(=O)(Rは水素であるか、RはLのアルキレン中の炭素と一緒になって置換若しくは非置換の含窒素環を形成してもよい)、NRC(=O)(RはLのアルキレン中の炭素と一緒になって置換若しくは非置換の含窒素環を形成している)、
【化31】

(なお、Lが上記式で表される場合、式中、左側にLが結合する)
である。
として好ましくは、存在しないか、置換又は非置換の1〜20のアルキレン、ベンゼン環又はビフェニル環である。
として好ましくは、C(=O)NHである。
【0060】
【化32】

として、具体的には、以下が挙げられる。
【化33】

【化34】

【化35】

(式中、XはO又はSであり、n及びnは、それぞれ独立して1〜20の整数であり、nは1〜6の整数である。)
【0061】
「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体」とリンカーは、下記実施例1に記載の通り糖誘導体とリンカーの一部を含む化合物として合成し、下記実施例に記載の通り該化合物を樹脂に固相化し、下記実施例3の9)及び10)に記載の通りセンス鎖のRNAオリゴヌクレオチドに導入する。その後、下記実施例3の11)に記載の通りアンチセンス鎖のDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせることにより、本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」が得られる。「糖誘導体とリンカーの一部を含む化合物」の具体例としては、下記実施例1に記載の化合物等が挙げられる。
「アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体」及びリンカーの具体例と調整方法は、例えば、上記非特許文献1、特許文献6〜9、Bioconjugate Chemistry、22、17−225(1991)、Bioconjugate Chemistry、14、18−29(2003)等にも開示されている。
【0062】
本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」の糖誘導体が結合していない3’末端又は5’末端、あるいはリンカーはさらに修飾されていてもよい。オリゴヌクレオチドの追跡を可能にするため、オリゴヌクレオチドの薬物動態又は薬力学を改善するため、あるいはオリゴヌクレオチドの安定性又は結合親和性を向上させるために、当該分野で公知の修飾基を利用することができる。例えば、水酸基の保護基、レポーター分子、コレステロール、リン脂質、色素、蛍光分子等が挙げられる。
また、本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」の糖誘導体が結合していない3’末端又は5’末端はリン酸エステル部分を含んでいてもよい。「リン酸エステル部分」とは、リン酸エステル並びに修飾リン酸エステルが含まれる、末端リン酸基を意味する。リン酸エステル部分は、いずれの末端に位置してもよいが、5’−末端ヌクレオシドであることが好ましい。具体的には、式:−O−P(=O)(OH)OHで示される基又はその修飾基である。つまり、O及びOHの1以上が、H、O、OR’、S、N(R’)(ここでR’は、H、アミノ保護基又は置換若しくは非置換のアルキルである)又はアルキルで置換されていてもよい。5’又は3’末端は、それぞれ独立して置換又は非置換の1〜3のリン酸エステル部分を含んでいてもよい。
【0063】
以下に本明細書中で使用する上記以外の用語を説明する。なお、本明細書中、下記用語は単独で使用されている場合も、又は他の用語と一緒になって使用されている場合も、特に記載の無い限り、同一の意義を有する。
【0064】
「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を包含する。特にフッ素原子、及び塩素原子が好ましい。
【0065】
「アルキル」とは、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−へプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられる。
「アルキル」の好ましい態様として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルが挙げられる。さらに好ましい態様として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチルが挙げられる。
【0066】
「アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する、炭素数2〜15、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖又は分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル等が挙げられる。
「アルケニル」の好ましい態様として、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニルが挙げられる。
【0067】
「アルキニル」とは、任意の位置に1以上の三重結合を有する、炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の直鎖又は分枝状の炭化水素基を包含する。例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等を包含する。これらはさらに任意の位置に二重結合を有していてもよい。
「アルキニル」の好ましい態様として、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルが挙げられる。
【0068】
「アルキレン」とは、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分枝状の2価の炭化水素基を包含する。例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等が挙げられる。
【0069】
「芳香族炭素環式基」とは、単環又は2環以上の、環状芳香族炭化水素基を意味する。例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。
「芳香族炭素環式基」の好ましい態様として、フェニルが挙げられる。
【0070】
「非芳香族炭素環式基」とは、単環又は2環以上の、環状飽和炭化水素基又は環状非芳香族不飽和炭化水素基を意味する。2環以上の非芳香族炭素環式基は、単環又は2環以上の非芳香族炭素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」における環が縮合したものも包含する。
さらに、「非芳香族炭素環式基」は、以下のように架橋している基、又はスピロ環を形成する基も包含する。
【化36】

単環の非芳香族炭素環式基としては、炭素数3〜16が好ましく、より好ましくは炭素数3〜12、さらに好ましくは炭素数4〜8である。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロヘキサジエニル等が挙げられる。
2環以上の非芳香族炭素環式基としては、例えば、インダニル、インデニル、アセナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル等が挙げられる。
【0071】
「芳香族複素環式基」とは、O、S及びNから任意に選択される同一又は異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環又は2環以上の、芳香族環式基を意味する。
2環以上の芳香族複素環式基は、単環又は2環以上の芳香族複素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」における環が縮合したものも包含する。
単環の芳香族複素環式基としては、5〜8員が好ましく、より好ましくは5員又は6員である。例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル等が挙げられる。
2環の芳香族複素環式基としては、例えば、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル等が挙げられる。
3環以上の芳香族複素環式基としては、例えば、カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、ジベンゾフリル等が挙げられる。
【0072】
「非芳香族複素環式基」とは、O、S及びNから任意に選択される同一又は異なるヘテロ原子を環内に1以上有する、単環又は2環以上の、環状非芳香族環式基を意味する。
2環以上の非芳香族複素環式基は、単環又は2環以上の非芳香族複素環式基に、上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」、及び/又は「芳香族複素環式基」におけるそれぞれの環が縮合したものも包含する。
さらに、「非芳香族複素環式基」は、以下のように架橋している基、又はスピロ環を形成する基も包含する。
【化37】

単環の非芳香族複素環式基としては、3〜8員が好ましく、より好ましくは5員又は6員である。例えば、ジオキサニル、チイラニル、オキシラニル、オキセタニル、オキサチオラニル、アゼチジニル、チアニル、チアゾリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチアゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、テトラヒドロピリダジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ジオキソラニル、ジオキサジニル、アジリジニル、ジオキソリニル、オキセパニル、チオラニル、チイニル、チアジニル等が挙げられる。
2環以上の非芳香族複素環式基としては、例えば、インドリニル、イソインドリニル、クロマニル、イソクロマニル等が挙げられる。
【0073】
「複素環」とは、上記「芳香族複素環式基」及び「非芳香族複素環式基」から誘導される環を意味する。
【0074】
「芳香族環」とは、上記「芳香族炭素環式基」及び「芳香族複素環式基」から誘導される環を意味する。
【0075】
「アルキルオキシ」とは、上記「アルキル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、へキシルオキシ等が挙げられる。
「アルキルオキシ」の好ましい態様として、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、tert−ブチルオキシが挙げられる。
【0076】
「アルケニルオキシ」とは、上記「アルケニル」が酸素原子に結合した基を意味する。
例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ、1−プロペニルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、2−ヘキセニルオキシ、2−ヘプテニルオキシ、2−オクテニルオキシ等が挙げられる。
【0077】
「アルキニルオキシ」とは、上記「アルキニル」が酸素原子に結合した基を意味する。
例えば、エチニルオキシ、1−プロピニルオキシ、2−プロピニルオキシ、2−ブチニルオキシ、2−ペンチニルオキシ、2−ヘキシニルオキシ、2−ヘプチニルオキシ、2−オクチニルオキシ等が挙げられる。
【0078】
「ハロアルキル」とは、1以上の上記「ハロゲン」が上記「アルキル」に結合した基を意味する。例えば、モノフルオロメチル、モノフルオロエチル、モノフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、モノクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,2−ジブロモエチル、1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル等が挙げられる。
「ハロアルキル」の好ましい態様として、トリフルオロメチル、トリクロロメチルが挙げられる。
【0079】
「ハロアルキルオキシ」とは、上記「ハロアルキル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、モノフルオロメトキシ、モノフルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ、トリクロロエトキシ等が挙げられる。
「ハロアルキルオキシ」の好ましい態様として、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシが挙げられる。
【0080】
「アルキルオキシアルキル」とは、上記「アルキルオキシ」が上記「アルキル」に結合した基を意味する。例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル等が挙げられる。
【0081】
「アルキルオキシアルキルオキシ」とは、上記「アルキルオキシ」が上記「アルキルオキシ」に結合した基を意味する。例えば、メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、エトキシメトキシ、エトキシエトキシ等が挙げられる。
【0082】
「アルキルチオ」とは、上記「アルキル」が硫黄原子に結合した基を意味する。
【0083】
「アルキルカルボニル」とは、上記「アルキル」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、へキシルカルボニル等が挙げられる。
「アルキルカルボニル」の好ましい態様として、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニルが挙げられる。
【0084】
「アルケニルカルボニル」とは、上記「アルケニル」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルカルボニル、プロペニルカルボニル等が挙げられる。
【0085】
「アルキニルカルボニル」とは、上記「アルキニル」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルカルボニル、プロピニルカルボニル等が挙げられる。
【0086】
「アルキルアミノ」には、モノアルキルアミノとジアルキルアミノが含まれる。
「モノアルキルアミノ」とは、上記「アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ等が挙げられる。好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノが挙げられる。
「ジアルキルアミノ」とは、上記「アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子2個と置き換わった基を意味する。2個のアルキルは、同一でも異なっていてもよい。例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N,N−ジイソプロピルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、N−イソプロピル−N−エチルアミノ等が挙げられる。好ましくは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノが挙げられる。
【0087】
「アルキルスルホニル」とは、上記「アルキル」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル等が挙げられる。
「アルキルスルホニル」の好ましい態様として、メチルスルホニル、エチルスルホニルが挙げられる。
【0088】
「アルケニルスルホニル」とは、上記「アルケニル」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルスルホニル、プロペニルスルホニル等が挙げられる。
【0089】
「アルキニルスルホニル」とは、上記「アルキニル」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルスルホニル、プロピニルスルホニル等が挙げられる。
【0090】
「モノアルキルカルボニルアミノ」とは、上記「アルキルカルボニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec−ブチルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「モノアルキルカルボニルアミノ」の好ましい態様としては、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノが挙げられる。
【0091】
「ジアルキルカルボニルアミノ」とは、上記「アルキルカルボニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子2個と置き換わった基を意味する。2個のアルキルカルボニル基は、同一でも異なっていてもよい。例えば、ジメチルカルボニルアミノ、ジエチルカルボニルアミノ、N,N−ジイソプロピルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「ジアルキルカルボニルアミノ」の好ましい態様として、ジメチルカルボニルアミノ、ジエチルカルボニルアミノが挙げられる。
【0092】
「モノアルキルスルホニルアミノ」とは、上記「アルキルスルホニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニルアミノ、tert−ブチルスルホニルアミノ、イソブチルスルホニルアミノ、sec−ブチルスルホニルアミノ等が挙げられる。
「モノアルキルスルホニルアミノ」の好ましい態様としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノが挙げられる。
【0093】
「ジアルキルスルホニルアミノ」とは、上記「アルキルスルホニル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子2個と置き換わった基を意味する。2個のアルキルスルホニル基は、同一でも異なっていてもよい。例えば、ジメチルスルホニルアミノ、ジエチルスルホニルアミノ、N,N−ジイソプロピルスルホニルアミノ等が挙げられる。
「ジアルキルカルボニルアミノ」の好ましい態様として、ジメチルスルホニルアミノ、ジエチルスルホニルアミノが挙げられる。
【0094】
「アルキルイミノ」とは、上記「アルキル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルイミノ、エチルイミノ、n−プロピルイミノ、イソプロピルイミノ等が挙げられる。
【0095】
「アルケニルイミノ」とは、上記「アルケニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルイミノ、プロペニルイミノ等が挙げられる。
【0096】
「アルキニルイミノ」とは、上記「アルキニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルイミノ、プロピニルイミノ等が挙げられる。
【0097】
「アルキルカルボニルイミノ」とは、上記「アルキルカルボニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルカルボニルイミノ、エチルカルボニルイミノ、n−プロピルカルボニルイミノ、イソプロピルカルボニルイミノ等が挙げられる。
【0098】
「アルケニルカルボニルイミノ」とは、上記「アルケニルカルボニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルカルボニルイミノ、プロペニルカルボニルイミノ等が挙げられる。
【0099】
「アルキニルカルボニルイミノ」とは、上記「アルキニルカルボニル」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルカルボニルイミノ、プロピニルカルボニルイミノ等が挙げられる。
【0100】
「アルキルオキシイミノ」とは、上記「アルキルオキシ」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルオキシイミノ、エチルオキシイミノ、n−プロピルオキシイミノ、イソプロピルオキシイミノ等が挙げられる。
【0101】
「アルケニルオキシイミノ」とは、上記「アルケニルオキシ」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルオキシイミノ、プロペニルオキシイミノ等が挙げられる。
【0102】
「アルキニルオキシイミノ」とは、上記「アルキニルオキシ」がイミノ基の窒素原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルオキシイミノ、プロピニルオキシイミノ等が挙げられる。
【0103】
「アルキルカルボニルオキシ」とは、上記「アルキルカルボニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ等が挙げられる。
「アルキルカルボニルオキシ」の好ましい態様としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシが挙げられる。
【0104】
「アルケニルカルボニルオキシ」とは、上記「アルケニルカルボニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、エチレニルカルボニルオキシ、プロペニルカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0105】
「アルキニルカルボニルオキシ」とは、上記「アルキニルカルボニル」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、エチニルカルボニルオキシ、プロピニルカルボニルオキシ等が挙げられる。
【0106】
「アルキルオキシカルボニル」とは、上記「アルキルオキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、へキシルオキシカルボニル等が挙げられる。
「アルキルオキシカルボニル」の好ましい態様としては、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、プロピルオキシカルボニルが挙げられる。
【0107】
「アルケニルオキシカルボニル」とは、上記「アルケニルオキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルオキシカルボニル、プロペニルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0108】
「アルキニルオキシカルボニル」とは、上記「アルキニルオキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルオキシカルボニル、プロピニルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0109】
「アルキルスルファニル」とは、上記「アルキル」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、メチルスルファニル、エチルスルファニル、n−プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル等が挙げられる。
【0110】
「アルケニルスルファニル」とは、上記「アルケニル」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチレニルスルファニル、プロペニルスルファニル等が挙げられる。
【0111】
「アルキニルスルファニル」とは、上記「アルキニル」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、エチニルスルファニル、プロピニルスルファニル等が挙げられる。
【0112】
「アルキルスルフィニル」とは、上記「アルキル」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル等が挙げられる。
【0113】
「アルケニルスルフィニル」とは、上記「アルケニル」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、エチレニルスルフィニル、プロペニルスルフィニル等が挙げられる。
【0114】
「アルキニルスルフィニル」とは、上記「アルキニル」がスルフィニル基に結合した基を意味する。例えば、エチニルスルフィニル、プロピニルスルフィニル等が挙げられる。
【0115】
「モノアルキルカルバモイル」とは、上記「アルキル」がカルバモイル基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等が挙げられる。
【0116】
「ジアルキルカルバモイル」とは、上記「アルキル」がカルバモイル基の窒素原子と結合している水素原子2個と置き換わった基を意味する。2個のアルキル基は、同一でも異なっていてもよい。例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等が挙げられる。
【0117】
「モノアルキルスルファモイル」とは、上記「アルキル」がスルファモイル基の窒素原子と結合している水素原子1個と置き換わった基を意味する。例えば、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル等が挙げられる。
【0118】
「ジアルキルスルファモイル」とは、上記「アルキル」がスルファモイル基の窒素原子と結合している水素原子2個と置き換わった基を意味する。2個のアルキル基は、同一でも異なっていてもよい。例えば、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル等が挙げられる。
【0119】
「トリアルキルシリル」とは、上記「アルキル」3個がケイ素原子に結合している基を意味する。3個のアルキルは同一でも異なっていてもよい。例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等が挙げられる。
【0120】
「芳香族炭素環アルキル」、「非芳香族炭素環アルキル」、「芳香族複素環アルキル」、及び「非芳香族複素環アルキル」、
「芳香族炭素環アルキルオキシ」、「非芳香族炭素環アルキルオキシ」、「芳香族複素環アルキルオキシ」、及び「非芳香族複素環アルキルオキシ」、
「芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」、「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」、「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」、及び「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」、
「芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」、「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」、「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」、及び「非芳香族複素環アルキルオキシアルキル」、ならびに
「芳香族炭素環アルキルアミノ」、「非芳香族炭素環アルキルアミノ」、「芳香族複素環アルキルアミノ」、及び「非芳香族複素環アルキルアミノ」のアルキル部分も、上記「アルキル」と同様である。
【0121】
「芳香族炭素環アルキル」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルを意味する。例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチルメチル、以下に示される基
【化38】

等が挙げられる。
「芳香族炭素環アルキル」の好ましい態様としては、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリルが挙げられる。
【0122】
「非芳香族炭素環アルキル」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキル」も包含する。例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロへキシルメチル、以下に示される基
【化39】

等が挙げられる。
【0123】
「芳香族複素環アルキル」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルを意味する。また、「芳香族複素環アルキル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」及び/又は「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキル」も包含する。例えば、ピリジルメチル、フラニルメチル、イミダゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチオフェニルメチル、オキサゾリルメチル、イソキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、ピラゾリルメチル、イソピラゾリルメチル、ピロリジニルメチル、ベンズオキサゾリルメチル、以下に示される基
【化40】

等が挙げられる。
【0124】
「非芳香族複素環アルキル」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルを意味する。また、「非芳香族複素環アルキル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」及び/又は「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキル」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチル、モルホリニルエチル、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチル、以下に示される基
【化41】

等が挙げられる。
【0125】
「芳香族炭素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロピルオキシ、ベンズヒドリルオキシ、トリチルオキシ、ナフチルメチルオキシ、以下に示される基
【化42】

等が挙げられる。
【0126】
「非芳香族炭素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキルオキシ」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシ」も包含する。例えば、シクロプロピルメチルオキシ、シクロブチルメチルオキシ、シクロペンチルメチルオキシ、シクロへキシルメチルオキシ、以下に示される基
【化43】

等が挙げられる。
【0127】
「芳香族複素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。また、「芳香族複素環アルキルオキシ」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」及び/又は「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシ」も包含する。例えば、ピリジルメチルオキシ、フラニルメチルオキシ、イミダゾリルメチルオキシ、インドリルメチルオキシ、ベンゾチオフェニルメチルオキシ、オキサゾリルメチルオキシ、イソキサゾリルメチルオキシ、チアゾリルメチルオキシ、イソチアゾリルメチルオキシ、ピラゾリルメチルオキシ、イソピラゾリルメチルオキシ、ピロリジニルメチルオキシ、ベンズオキサゾリルメチルオキシ、以下に示される基
【化44】

等が挙げられる。
【0128】
「非芳香族複素環アルキルオキシ」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシを意味する。また、「非芳香族複素環アルキルオキシ」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」及び/又は「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシ」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルオキシ、モルホリニルエチルオキシ、ピペリジニルメチルオキシ、ピペラジニルメチルオキシ、以下に示される基
【化45】

等が挙げられる。
【0129】
「芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、フェニルプロピルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、トリチルオキシカルボニル、ナフチルメチルオキシカルボニル、以下に示される基
【化46】

等が挙げられる。
【0130】
「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル」も包含する。例えば、シクロプロピルメチルオキシカルボニル、シクロブチルメチルオキシカルボニル、シクロペンチルメチルオキシカルボニル、シクロへキシルメチルオキシカルボニル、以下に示される基
【化47】

等が挙げられる。
【0131】
「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。また、「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」及び/又は「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」も包含する。例えば、ピリジルメチルオキシカルボニル、フラニルメチルオキシカルボニル、イミダゾリルメチルオキシカルボニル、インドリルメチルオキシカルボニル、ベンゾチオフェニルメチルオキシカルボニル、オキサゾリルメチルオキシカルボニル、イソキサゾリルメチルオキシカルボニル、チアゾリルメチルオキシカルボニル、イソチアゾリルメチルオキシカルボニル、ピラゾリルメチルオキシカルボニル、イソピラゾリルメチルオキシカルボニル、ピロリジニルメチルオキシカルボニル、ベンズオキサゾリルメチルオキシカルボニル、以下に示される基
【化48】

等が挙げられる。
【0132】
「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシカルボニルを意味する。また、「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」は、アルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」及び/又は「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルオキシ、モルホリニルエチルオキシ、ピペリジニルメチルオキシ、ピペラジニルメチルオキシ、以下に示される基
【化49】

等が挙げられる。
【0133】
「芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。例えば、ベンジルオキシメチル、フェネチルオキシメチル、フェニルプロピルオキシメチル、ベンズヒドリルオキシメチル、トリチルオキシメチル、ナフチルメチルオキシメチル、以下に示される基
【化50】

等が挙げられる。
【0134】
「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「非芳香族炭素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。また、「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」は、非芳香族炭素環が結合しているアルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」で置換されている「非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル」も包含する。例えば、シクロプロピルメチルオキシメチル、シクロブチルメチルオキシメチル、シクロペンチルメチルオキシメチル、シクロへキシルメチルオキシメチル、以下に示される基
【化51】

等が挙げられる。
【0135】
「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。また、「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」は、芳香族複素環が結合しているアルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」及び/又は「非芳香族炭素環式基」で置換されている「芳香族複素環アルキルオキシアルキル」も包含する。例えば、ピリジルメチルオキシメチル、フラニルメチルオキシメチル、イミダゾリルメチルオキシメチル、インドリルメチルオキシメチル、ベンゾチオフェニルメチルオキシメチル、オキサゾリルメチルオキシメチル、イソキサゾリルメチルオキシメチル、チアゾリルメチルオキシメチル、イソチアゾリルメチルオキシメチル、ピラゾリルメチルオキシメチル、イソピラゾリルメチルオキシメチル、ピロリジニルメチルオキシメチル、ベンズオキサゾリルメチルオキシメチル、以下に示される基
【化52】

等が挙げられる。
【0136】
「非芳香族複素環アルキルオキシアルキル」とは、1以上の上記「非芳香族複素環式基」で置換されているアルキルオキシアルキルを意味する。また、「非芳香族複素環アルキルオキシ」は、非芳香族複素環が結合しているアルキル部分が上記「芳香族炭素環式基」、「非芳香族炭素環式基」及び/又は「芳香族複素環式基」で置換されている「非芳香族複素環アルキルオキシアルキル」も包含する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルオキシメチル、モルホリニルエチルオキシメチル、ピペリジニルメチルオキシメチル、ピペラジニルメチルオキシメチル、以下に示される基
【化53】

等が挙げられる。
【0137】
「芳香族炭素環アルキルアミノ」とは、上記「芳香族炭素環アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個又は2個と置き換わった基を意味する。例えば、ベンジルアミノ、フェネチルアミノ、フェニルプロピルアミノ、ベンズヒドリルアミノ、トリチルアミノ、ナフチルメチルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。
【0138】
「非芳香族炭素環アルキルアミノ」とは、上記「非芳香族炭素環アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個又は2個と置き換わった基を意味する。例えば、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、シクロペンチルメチルアミノ、シクロへキシルメチルアミノ等が挙げられる。
【0139】
「芳香族複素環アルキルアミノ」とは、上記「芳香族複素環アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個又は2個と置き換わった基を意味する。例えば、ピリジルメチルアミノ、フラニルメチルアミノ、イミダゾリルメチルアミノ、インドリルメチルアミノ、ベンゾチオフェニルメチルアミノ、オキサゾリルメチルアミノ、イソキサゾリルメチルアミノ、チアゾリルメチルアミノ、イソチアゾリルメチルアミノ、ピラゾリルメチルアミノ、イソピラゾリルメチルアミノ、ピロリジニルメチルアミノ、ベンズオキサゾリルメチルアミノ等が挙げられる。
【0140】
「非芳香族複素環アルキルアミノ」とは、上記「非芳香族複素環アルキル」がアミノ基の窒素原子と結合している水素原子1個又は2個と置き換わった基を意味する。例えば、テトラヒドロピラニルメチルアミノ、モルホリニルエチルアミノ、ピペリジニルメチルアミノ、ピペラジニルメチルアミノ等が挙げられる。
【0141】
「芳香族炭素環オキシ」、「芳香族炭素環カルボニル」、「芳香族炭素環オキシカルボニル」、「芳香族炭素環スルファニル」、及び「芳香族炭素環スルホニル」の「芳香族炭素環」部分も、上記「芳香族炭素環式基」と同様である。
「芳香族炭素環オキシ」とは、「芳香族炭素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
「芳香族炭素環カルボニル」とは、「芳香族炭素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル等が挙げられる。
「芳香族炭素環オキシカルボニル」とは、上記「芳香族炭素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等が挙げられる。
「芳香族炭素環スルファニル」とは、「芳香族炭素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、フェニルスルファニル、ナフチルスルファニル等が挙げられる。
「芳香族炭素環スルホニル」とは、「芳香族炭素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等が挙げられる。
【0142】
「非芳香族炭素環オキシ」、「非芳香族炭素環カルボニル」、「非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「非芳香族炭素環スルファニル」、及び「非芳香族炭素環スルホニル」の「非芳香族炭素環」部分も、上記「非芳香族炭素環式基」と同様である。
「非芳香族炭素環オキシ」とは、「非芳香族炭素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロへキセニルオキシ等が挙げられる。
「非芳香族炭素環カルボニル」とは、「非芳香族炭素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロへキセニルカルボニル等が挙げられる。
「非芳香族炭素環オキシカルボニル」とは、上記「非芳香族炭素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロへキセニルオキシカルボニル等が挙げられる。
「非芳香族炭素環スルファニル」とは、「非芳香族炭素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、シクロプロピルスルファニル、シクロヘキシルスルファニル、シクロヘキセニルスルファニル等が挙げられる。
「非芳香族炭素環スルホニル」とは、「非芳香族炭素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、シクロプロピルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、シクロヘキセニルスルホニル等が挙げられる。
【0143】
「芳香族複素環オキシ」、「芳香族複素環カルボニル」、「芳香族複素環オキシカルボニル」、「芳香族複素環スルファニル」、及び「芳香族複素環スルホニル」の「芳香族複素環」部分も、上記「芳香族複素環式基」と同様である。
「芳香族複素環オキシ」とは、「芳香族複素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、ピリジルオキシ、オキサゾリルオキシ等が挙げられる。
「芳香族複素環カルボニル」とは、「芳香族複素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピリジルカルボニル、オキサゾリルカルボニル等が挙げられる。
「芳香族複素環オキシカルボニル」とは、上記「芳香族複素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピリジルオキシカルボニル、オキサゾリルオキシカルボニル等が挙げられる。
「芳香族複素環スルファニル」とは、「芳香族複素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、ピリジルスルファニル、オキサゾリルスルファニル等が挙げられる。
「芳香族複素環スルホニル」とは、「芳香族複素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、ピリジルスルホニル、オキサゾリルスルホニル等が挙げられる。
【0144】
「非芳香族複素環オキシ」、「非芳香族複素環カルボニル」、「非芳香族複素環オキシカルボニル」、「非芳香族複素環スルファニル」、及び「非芳香族複素環スルホニル」の「非芳香族複素環」部分も、上記「非芳香族複素環式基」と同様である。
「非芳香族複素環オキシ」とは、「非芳香族複素環」が酸素原子に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルオキシ、テトラヒドロフリルオキシ等が挙げられる。
「非芳香族複素環カルボニル」とは、「非芳香族複素環」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルカルボニル、テトラヒドロフリルカルボニル等が挙げられる。
「非芳香族複素環オキシカルボニル」とは、上記「非芳香族複素環オキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルオキシカルボニル、テトラヒドロフリルオキシカルボニル等が挙げられる。
「非芳香族複素環スルファニル」とは、「非芳香族複素環」がスルファニル基の硫黄原子と結合している水素原子と置き換わった基を意味する。例えば、ピペリジニルスルファニル、テトラヒドロフリルスルファニル等が挙げられる。
「非芳香族複素環スルホニル」とは、「非芳香族複素環」がスルホニル基に結合した基を意味する。例えば、ピペリジニルスルホニル、テトラヒドロフリルスルホニル等が挙げられる。
【0145】
「置換若しくは非置換のアルキル」、「置換若しくは非置換のアルケニル」、「置換若しくは非置換のアルキニル」、「置換若しくは非置換のアルキレン」、「置換又は非置換のメチレン」、「置換若しくは非置換のアルキルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルケニルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルキニルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルキルカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル」、「置換若しくは非置換のモノアルキルアミノ」、「置換若しくは非置換のジアルキルアミノ」、「置換若しくは非置換のアルキルスルホニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルスルホニル」、「置換若しくは非置換のアルキニルスルホニル」、「置換若しくは非置換のモノアルキルカルボニルアミノ」、「置換若しくは非置換のジアルキルカルボニルアミノ」、「置換若しくは非置換のモノアルキルスルホニルアミノ」、「置換若しくは非置換のジアルキルスルホニルアミノ」、「置換若しくは非置換のアルキルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルケニルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキニルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキルカルボニルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキルオキシイミノ」、「置換若しくは非置換のアルケニルオキシイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキニルオキシイミノ」、「置換若しくは非置換のアルキルカルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルオキシ」、「置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルオキシカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルキニルオキシカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルキルスルファニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルスルファニル」、「置換若しくは非置換のアルキニルスルファニル」、「置換若しくは非置換のアルキルスルフィニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルスルフィニル」、「置換若しくは非置換のアルキニルスルフィニル」、「置換若しくは非置換のモノアルキルカルバモイル」、「置換若しくは非置換のジアルキルカルバモイル」、「置換若しくは非置換のモノアルキルスルファモイル」、及び「置換若しくは非置換のジアルキルスルファモイル」の置換基としては、次の置換基が挙げられる。任意の位置の炭素原子が次の置換基から選択される1以上の基と結合していてもよい。
置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシイミノ、ホルミル、ホルミルオキシ、カルバモイル、スルファモイル、スルファニル、スルフィノ、スルホ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、トリアルキルシリル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、モノアルキルカルボニルアミノ、ジアルキルカルボニルアミノ、モノアルキルスルホニルアミノ、ジアルキルスルホニルアミノ、アルキルイミノ、アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、アルキルカルボニルイミノ、アルケニルカルボニルイミノ、アルキニルカルボニルイミノ、アルキルオキシイミノ、アルケニルオキシイミノ、アルキニルオキシイミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、アルキニルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、モノアルキルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環オキシ、非芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、芳香族炭素環カルボニル、非芳香族炭素環カルボニル、芳香族複素環カルボニル、非芳香族複素環カルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、芳香族炭素環アルキルオキシ、非芳香族炭素環アルキルオキシ、芳香族複素環アルキルオキシ、非芳香族複素環アルキルオキシ、芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、芳香族炭素環アルキルアミノ、非芳香族炭素環アルキルアミノ、芳香族複素環アルキルアミノ、非芳香族複素環アルキルアミノ、芳香族炭素環スルファニル、非芳香族炭素環スルファニル、芳香族複素環スルファニル、非芳香族複素環スルファニル、非芳香族炭素環スルホニル、芳香族炭素環スルホニル、芳香族複素環スルホニル、及び非芳香族複素環スルホニル。
【0146】
「置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環式基」、及び「置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基」、
「置換若しくは非置換の芳香族炭素環オキシ」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環オキシ」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環オキシ」、及び「置換若しくは非置換の非芳香族複素環オキシ」、
「置換若しくは非置換の芳香族炭素環カルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環カルボニル」、及び「置換若しくは非置換の非芳香族複素環カルボニル」、
「置換若しくは非置換の芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環オキシカルボニル」、及び「置換若しくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル」、
「置換若しくは非置換の芳香族炭素環スルファニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環スルファニル」、及び「置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルファニル」、ならびに
「置換若しくは非置換の芳香族炭素環スルホニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル」、「置換若しくは非置換の芳香族複素環スルホニル」、及び「置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルホニル」の「芳香族炭素環」、「非芳香族炭素環」、「芳香族複素環」及び
「非芳香族複素環」の環上の置換基及び「置換若しくは非置換の含窒素環」の環上の置換基としては、次の置換基が挙げられる。環上の任意の位置の原子が次の置換基から選択される1以上の基と結合していてもよい。
置換基:ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、イミノ、ヒドロキシアミノ、ヒドロキシイミノ、ホルミル、ホルミルオキシ、カルバモイル、スルファモイル、スルファニル、スルフィノ、スルホ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、トリアルキルシリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルオキシアルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、モノアルキルカルボニルアミノ、ジアルキルカルボニルアミノ、モノアルキルスルホニルアミノ、ジアルキルスルホニルアミノ、アルキルイミノ、アルケニルイミノ、アルキニルイミノ、アルキルカルボニルイミノ、アルケニルカルボニルイミノ、アルキニルカルボニルイミノ、アルキルオキシイミノ、アルケニルオキシイミノ、アルキニルオキシイミノ、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニル、アルキニルオキシカルボニル、アルキルスルファニル、アルケニルスルファニル、アルキニルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、モノアルキルスルファモイル、ジアルキルスルファモイル、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環オキシ、非芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、芳香族炭素環カルボニル、非芳香族炭素環カルボニル、芳香族複素環カルボニル、非芳香族複素環カルボニル、芳香族炭素環オキシカルボニル、非芳香族炭素環オキシカルボニル、芳香族複素環オキシカルボニル、非芳香族複素環オキシカルボニル、芳香族炭素環アルキル、非芳香族炭素環アルキル、芳香族複素環アルキル、非芳香族複素環アルキル、芳香族炭素環アルキルオキシ、非芳香族炭素環アルキルオキシ、芳香族複素環アルキルオキシ、非芳香族複素環アルキルオキシ、芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族炭素環アルキルオキシカルボニル、芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、非芳香族複素環アルキルオキシカルボニル、芳香族炭素環アルキルオキシアルキル、非芳香族炭素環アルキルオキシアルキル、芳香族複素環アルキルオキシアルキル、非芳香族複素環アルキルオキシアルキル、芳香族炭素環アルキルアミノ、非芳香族炭素環アルキルアミノ、芳香族複素環アルキルアミノ、非芳香族複素環アルキルアミノ、芳香族炭素環スルファニル、非芳香族炭素環スルファニル、芳香族複素環スルファニル、非芳香族複素環スルファニル、非芳香族炭素環スルホニル、芳香族炭素環スルホニル、芳香族複素環スルホニル、及び非芳香族複素環スルホニル。
【0147】
また、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基」及び「置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基」は「オキソ」で置換されていてもよい。この場合、以下のように炭素原子上の2個の水素原子が置換されている基を意味する。
【化54】
【0148】
上記、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環オキシ」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環オキシ」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環カルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環カルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環オキシカルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環オキシカルボニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルファニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルファニル」、「置換若しくは非置換の非芳香族炭素環スルホニル」、及び「置換若しくは非置換の非芳香族複素環スルホニル」の非芳香族炭素環、及び非芳香族複素環部分も上記と同様に「オキソ」で置換されていてもよい。
【0149】
本発明は、本発明の「二本鎖オリゴヌクレオチド」を含有する医薬組成物も包含する。本発明の医薬組成物の投与方法及び製剤は、当該分野で公知の投与方法及び製剤であれば、いずれも利用可能である。アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与方法及び製剤は、例えば、以下の文献にも開示されている。
国際公開第2004/016749号、国際公開第2005/083124号、国際公開2007/143315号、国際公開第2009/071680号、国際公開第2013/089283号等。
【0150】
本発明の医薬組成物は、局所的あるいは全身的な治療のいずれが望まれるのか、又は治療すべき領域に応じて、様々な方法により投与することができる。投与方法としては、例えば、局所的(点眼、膣内、直腸内、鼻腔内、経皮を含む)、経口的、又は、非経口的であってもよい。非経口的投与としては、静脈内注射若しくは点滴、皮下、腹腔内若しくは筋肉内注入、吸引若しくは吸入による肺投与、硬膜下腔内投与、脳室内投与等が挙げられる。好ましくは、静脈内注射又は皮下投与である。
【0151】
本発明の医薬組成物を局所投与する場合、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、滴下剤、坐剤、噴霧剤、液剤、散剤等の製剤を用いることができる。
経口投与用組成物としては、散剤、顆粒剤、水若しくは非水性媒体に溶解させた懸濁液又は溶液、カプセル、粉末剤、錠剤等が挙げられる。
非経口、硬膜下腔、又は、脳室内投与用組成物としては、バッファー、希釈剤及びその他の適当な添加剤を含む無菌水溶液等が挙げられる。
【0152】
本発明の医薬組成物は、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合して得ることができる。注射剤の場合には適当な担体と共に滅菌処理を行なって製剤とすればよい。
【0153】
賦形剤としては乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム又は結晶セルロース等が挙げられる。結合剤としてはメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン又はポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としてはカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末又はラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。滑沢剤としてはタルク、ステアリン酸マグネシウム又はマクロゴール等が挙げられる。坐剤の基剤としてはカカオ脂、マクロゴール又はメチルセルロース等を用いることができる。また、液剤又は乳濁性、懸濁性の注射剤として調製する場合には通常使用されている溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、等張剤等を適宜添加しても良い。経口投与の場合には嬌味剤、芳香剤等を加えても良い。
【0154】
投与は、治療される病態の重度と反応度に依存し、治療コースは、数日から数ヶ月、あるいは、治癒が実現されるまで、又は、病状の減退が達成されるまで持続する。最適投与スケジュールは、生体における薬剤蓄積の測定から計算が可能である。当該分野の当業者であれば、最適用量、投与法、及び、繰り返し頻度を定めることができる。最適用量は、個々のアンチセンスオリゴヌクレオチドの相対的効力に応じて変動するが、一般に、インビトロ及びインビボの動物実験におけるIC50又はEC50に基づいて計算することが可能である。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドの分子量(アンチセンスオリゴヌクレオチド配列及び化学構造から導かれる)と、例えば、IC50のような効果的用量(実験的に導かれる)が与えられたならば、mg/kgで表される用量が通例にしたがって計算される。
【0155】
なお、本明細書中で用いる略語は以下の意味を表す。
Ac:アセチル
Bn:ベンジル
Bz:ベンゾイル
DABCO:1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
DMTr:ジメトキシトリチル
DMF:N,N’−ジメチルホルムアミド
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
HBTU:O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスフェート
Me:メチル
Ph:フェニル
TBS:tert-ブチルジメチルシリル
TFA:トリフルオロ酢酸
TMSOTf:トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル
【実施例】
【0156】
以下に本発明の実施例及び参考例、ならびに試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0157】
実施例で得られたNMR分析は300MHzで行い、DMSO−d6あるいはCDClを用いて測定した。
【0158】
UPLC分析は以下の条件を用いた。
移動相:[A]は0.1%ギ酸含有水溶液[B]は0.1%ギ酸含有アセトニトリル溶液
グラジエント:3.5分間で5%−100%溶媒[B]のリニアグラジエントを行った後、0.5分間、100%溶媒[B]を維持した。
カラム:ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18(1.7μm、i.d.2.1x50mm)(Waters)
流速:0.8 mL/分
PDA検出波長:254nm(検出範囲210−500nm)
【0159】
実施例1 アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体を含有する化合物の合成
【0160】
1)化合物1の合成
【化55】
【0161】
工程1 化合物102の合成
化合物101(15.0g、88.0mmol)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(100mL)に室温で水素化ナトリウム(60% w/w、5.26g、1.5eq.)を加え、30分間撹拌した後、ベンジルブロミド(10.42g、88.0mmol)を加え、室温で5.5時間撹拌した。反応液にメタノール(5ml)を加えた後、飽和食塩水を加え、酢酸エチルにて抽出、飽和食塩水にて洗浄、次いで硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:330g、n−ヘキサン:酢酸エチル=90:10→75:25)により精製し、化合物102(11.0g、収率42%)を油状物質として得た。
ESI-MS(m/z) : 293.10 (M+1).
【0162】
工程2 化合物103の合成
化合物102(5.00g、17.1mol)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(40mL)に室温で二クロム酸ピリジニウム(19.3g、51.3mmol)を加え、室温で5.5時間撹拌した後、酢酸エチル(200mL)を加え、反応混合物をセライトろ過した。ろ液に飽和食塩水を加えた後、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、次いで硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:120g、n−ヘキサン:酢酸エチル=90:10→50:50)により精製し、化合物103(3.32g、収率63%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.36 -7.32 (m, 4H), 7.28 (dd, J = 8.4, 4.0 Hz, 1H), 7.20 (m, 1H), 4.51 (s, 2H, -OCH2Ph), 3.46 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.34 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.68-1.56 (m, 4H), 1.40-1.23 (m, 14H).
【0163】
【化56】
【0164】
工程3 化合物104及び化合物105の合成
国際公開第2012/037254号の実施例3に記載の方法にて、化合物104を合成し、続いて化合物105を合成した。
【0165】
工程4 化合物106の合成
化合物103(218mg、17.1mmol)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(3mL)に室温でN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(405μl、2.32mmol)、HBTU(324mg、0.855mmol)を加え、室温で10分間撹拌した後、化合物105(218mg、17.1mmol)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(3mL)、N,N’−ジイソプロピルエチルアミン(75μl、0.428mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄、次いで硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:24g、クロロホルム:メタノール=90:10→80:20)により精製し、化合物106(430mg、収率58%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.38-7.31 (m, 4H), 7.23 (m, 1H), 7.00-6.90 (m, 3H, -NH), 6.69-6.60 (m, 2H, -NH), 6.46 (br.s, 1H, -NH), 5.35 (d, J = 2.9 Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.24-5.14 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.61 (d, J = 8.4 Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.50 (s, 2H, -CH2Ph), 4.22-4.00 (m, 9H), 3.99-3.88 (m, 6H), 3.79-3.60 (m, 12H), 3.56-3.43 (m, 3H), 3.47 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 3.39-3.20 (m, 12H), 2.47-2.40 (m, 6H), 2.32-2.16 (m, 6H), 2.15 (s, 9H), 2.05 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.85-1.50 (18H, m), 1.32-1.23 (12H, m).
【0166】
工程5 化合物107の合成
化合物106(90mg、0.043mmol)のメタノール溶液(3mL)に室温でPd−C(10%、50mg)を加え、水素気流下、室温で12時間撹拌した。反応液より触媒をろ別した後、ろ液を濃縮することにより化合物107(79mg、収率92%)を無色粉末として得た。
ESI-MS(m/z) : 1992.10 (M-1).
【0167】
工程6 化合物1の合成
化合物107(722mg、0.362mmol)の塩化メチレン溶液(7mL)に0℃で、N,N’−ジイソプロピルエチルアミン(253μl、1.45mmol)、3−(クロロ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)プロパンニトリル(0.162ml、0.725mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を塩化メチレンで希釈し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄、次いで硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:24g、クロロホルム:メタノール:トリエチルアミン=95:5:1→90:10:1)により精製し、化合物1(551mg、収率57%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.25-7.15 (m, 5H, -NH), 7.05-6.90 (m, 2H, -NH), 6.70-6.61 (m, 2H, -NH), 6.45 (s, 1H, -NH), 5.35 (br.s, 3H, H-4 of GalNAc), 5.20 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.61 (d, J = 8.3 Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.22-4.01 (m, 9H), 3.98-3.89 (m, 6H), 3.83 (dd, J = 14.0, 6.9 Hz, 3H, H-6 of GalNAc), 3.72-3.62 (m, 12H), 3.59 (dd, J = 14.0, 8.0 Hz, 3H, H-6 of GalNAc), 3.56-3.47 (m, 3H), 3.36-3.10 (m, 12H), 2.65 (t, J = 7.2 Hz, 2H, -OCH2CH2CN), 2.47-2.40 (m, 6H), 2.32-2.18 (m, 6H), 2.15 (s, 9H), 2.05 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.80-1.52 (12H, m), 1.37-1.20 (24H, m), 1.19 (d, J = 6.5 Hz, -CH(CH3)2), 1.18 (d, J = 6.5 Hz, -CH(CH3)2).
【0168】
2)化合物2の合成
【化57】
【0169】
化合物105(1.20g、0.629mmol)の塩化メチレン溶液(12mL)に室温でトリエチルアミン(0.218ml、1.57mmol)、無水コハク酸(76mg、0.755mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。反応液を濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:40g、クロロホルム:メタノール=75:25→クロロホルム:メタノール:水=6:4:1)により精製し、化合物2(612mg、収率51%)を無色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:5.35 (br.s, 3H, H-4 of GalNAc), 5.19 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.61 (d, J = 8.2 Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.22-4.01 (m, 9H), 3.97-3.89 (m, 6H), 3.79-3.57 (m, 12H), 3.57-3.45 (m, 3H), 3.37-3.17 (m, 12H), 2.66-2.57 (m, 2H), 2.52-2.37 (m, 6H), 2.31-2.18 (m, 2H), 2.15 (s, 9H), 2.05 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.72-1.52 (18H, m).
【0170】
3)化合物3の合成
【化58】

国際公開第2012/037254号の実施例2に記載の方法にて合成した。
【0171】
4)化合物4の合成
【化59】
【0172】
工程1 化合物109の合成
Bioorganic Medicinal Chemistry Letters,11,383―386(2001)に記載の方法に従って、化合物108より2工程で合成した。

工程2 化合物110の合成
化合物109(11.84g、19.2mmol)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(50mL)に室温でイミダゾール(1.57g、23.1mmol,1.2eq.)、第3ブチルジメチルシリルクロリド(1.59g、21.2mmol、1.1eq.)を順次加え、室温で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄、次いで硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧留去し、化合物110(14.35g、粗製)を得た。
【0173】
工程3 化合物111の合成
化合物110(14.35g、粗製)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(50mL)にピペリジンを加え、室温で5.5時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮することにより、化合物111(14.46g)の粗生成物を得た。

工程4 化合物112の合成
12−メトキシ−12−オキソードデカン酸(1.81g、7.40mmol)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(10ml)に室温で、N,N’−ジイソプロピルエチルアミン(4.31ml、24.7mmol)、HBTU(3.27g、8.63mmol)を加え、室温で10分間撹拌した後、化合物111(4.83g、6.16mmol)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(8ml)を加え、室温で12時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈した後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄、次いで硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:320g、n−ヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン=60:40:1→40:60:1)により精製し、化合物112(2.94g、化合物109からの収率65%)を無色泡状物質として得た。
【0174】
工程5 化合物113の合成
化合物112(2.70g、3.68mmol)のメタノール(20ml)−テトラヒドロフラン(8ml)に室温で2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(3.68ml、2eq.)を加え、室温で2時間撹拌した。−78℃で反応液に2mol/Lの塩酸を加えることにより中和した後、酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水にて順次洗浄、次いで硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、化合物113(2.23g、収率 88%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.39 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 7.25-7.21 (m, 2H), 7.18 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 5.66 (d, J = 8.2 Hz, 1H, -NH), 4.11 (m, 1H), 3.79 (dd, J = 9.7, 3.4 Hz, 1H), 3.75 (s, 6H), 3.66 (dd, J = 9.7, 6.0 Hz, 1H), 3.31 (dd, J = 8.7, 4.5 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 8.7, 6.1 Hz, 1H), 2.23 (br.s, 2H), 2.06 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.62-1.45 (m, 4H), 1.32-1.10 (m, 14H), 0.81 (s, 9H), -0.02 (s, 4H)
【0175】
工程6 化合物114の合成
化合物113(671mg,17.1mmol)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(5mL)に室温でN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(0.549ml、3.14mmol)、HBTU(358mg、0.94mmol)を加え、室温で10分間撹拌した後、化合物105(1.20g、0.629mmol)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(5mL)、N,N’−ジイソプロピルエチルアミン(0.132ml、0.755mmol)を加え、室温で12時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈した後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄、次いで硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:40g、クロロホルム:メタノール:トリエチルアミン=95:5:1→90:10:1)により精製し、化合物114(685mg、収率44%)を得た。
ESI-MS (m/z): 1271 (M/2 + Na).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.41 (d, J = 8.0Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 7.29-7.16 (m, 8H), 7.07-6.96 (m, 8H), 6.82 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 6.79-6.70 (m, 2H, -NH), 6.53 (m, 1H, -NH), 5.68 (d, J = 8.5 Hz, -NH), 5.35 (d, J = 3.0 Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.24-5.16 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.61 (d, J = 8.3 Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.21-4.01 (m, 12H), 3.98-3.88 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.75-3.61 (m, 12H), 3.56-3.46 (m, 3H), 3.39-3.19 (m, 12H), 3.07 (m, 1H), 2.98 (m, 1H), 2.45-2.39 (m, 6H), 2.35-2.16 (m, 6H), 2.17-2.06 (m, 4H), 2.15 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.80-1.51 (22H, m), 1.30-1.21 (12H, m), 0.82 (s, 9H), 0.02 (s, 3H), 0.00 (s, 3H).
【0176】
工程7 化合物115の合成
化合物114(563mg、0.226mmol)のテトラヒドロフラン溶液(3ml)に室温で1mol/L テトラブチルアンモニウムフロリドーテトラヒドロフラン溶液(0.510ml、2.25eq.)を加え、室温で12時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:24g、クロロホルム:メタノール:トリエチルアミン=95:5:1→90:10:1)により精製し、化合物115(485mg、収率90%)を得た。
ESI-MS (m/z): 1214 (M/2 + Na).
【0177】
工程8 化合物4の合成
化合物115(485mg、0.204mmol)のジクロロメタン溶液(3ml)に室温でジメチルアミノピリジン(50mg、0.407mmol、2.0eq.)、無水コハク酸(31mg、0.305mmol、1.5eq.)を加え、室温で2時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:24g、クロロホルム:メタノール:トリエチルアミン=95:5:1→80:20:1)により精製し、化合物4(435mg、収率86%)を得た。
ESI-MS (m/z): 1263 (M/2 + Na).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.40 (d, J =7.7 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 7.21 (m, 1H), 7.02-7.02 (m, 3H, -NH), 6.83 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 6.65 (m, 1H, -NH), 6.19 (d, J = 8.2 Hz, -NH), 5.35 (d, J = 3.0 Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.19 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.61 (d, J = 8.3 Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.35 (m, 1H), 4.31-4.27 (m, 2H), 4.21-4.01 (m, 9H), 3.99-3.88 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.75-3.61 (m, 12H), 3.55-3.45 (m, 3H), 3.38-3.19 (m, 12H), 3.21-3.12 (m, 2H), 2.88-2.80 (m, 2H), 2.54 (br.s, 2H), 2.46-2.40 (m, 6H), 2.32-2.18 (m, 3H), 2.18-2.08 (m, 6H), 2.15 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.80-1.50 (22H, m), 1.32-1.21 (12H, m).
【0178】
5)化合物5の合成
【化60】
【0179】
工程1 化合物117の合成
化合物116(10.0g、30.9mmol)のピリジン溶液(40ml)に室温で4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(11.0g、32.5mmol、1.05eq.)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄、次いで硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧留去し、化合物117(22.95g、粗製)を得た。

工程2 化合物118の合成
化合物117(22.85g、粗製)のN,N’−ジメチルホルムアミド溶液(70ml)にピペリジン(3.65ml、36.9mmol)を加え、室温で2時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮することにより、化合物118(22.75g)の粗生成物を得た。
【0180】
工程3 化合物119の合成
化合物4の工程4と同様な手法により、化合物119を無色泡状物質として得た(化合物117からの収率69%)を得た。H−NMRでは6:4のロータマー混合物として観測された。
1H-NMR(CDCl3)δ:(Major) 7.79-7.74 (m, 2H), 7.65-7.55 (m, 2H), 7.44-7.34 (m, 5H), 7.39-7.26 (m, 7H), 7.21 (m, 1H), 6.85-6.76 (m, 4H), 5.64 (d, J = 8.7 Hz, 1H. -NH), 4.58 (m, 1H), 4.38 (m, 1H), 4.38-4.26 (m, 2H), 4.18 (m, 1H), 3.79 (s, 6H), 3.68-3.58 (m, 2H), 3.58-3.44 (m, 2H), 2.81 (m, 1H), 2.01-1.70 (m, 4H), 0.75 (s, 9H), -0.11 (s, 3H), -0.06 (s, 3H). (Minor) 7.79-7.74 (m, 2H), 7.65-7.55 (m, 2H), 7.44-7.34 (m, 5H), 7.39-7.26 (m, 7H), 7.10 (m, 1H), 6.85-6.76 (m, 4H), 5.58 (d, J = 7.9 Hz, 1H. -NH), 4.66 (m, 1H), 3.70 (s, 6H), 3.25-3.13 (m, 2H), 2.01-1.70 (m, 4H), 0.87 (s, 9H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H).
【0181】
工程4 化合物120の合成
工程2と同様の方法により、化合物120を粗生成物として得た。

工程5 化合物121の合成
化合物4の工程4と同様の手法により、化合物121を無色泡状物質として得た(化合物119からの収率46%)を得た。
ESI-MS (m/z): 854 (M +Na), 830 (M-H).
【0182】
工程6 化合物122の合成
化合物4の工程5と同様の手法により、化合物122を無色泡状物質として得た(収率90%)を得た。
ESI-MS (m/z): 816 (M - H).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.42-7.35 (m, 2H), 7.32-7.24 (m, 6H), 7.19 (m, 1H), 6.82 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.81 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 4.94 (m, 1H, -NH), 4.35 (m, 1H), 3.79 (s, 6H), 3.75 (dd, J = 8.4, 4.8 Hz, 0.5H), 3.70-3.54 (m, 4H), 3.52 (dd, J = 8.4, 3.6 Hz, 0.5H), 3.25 (dd, J = 10.0, 5.6 Hz, 0.5H), 3.16 (dd, J = 10.0, 3.9 Hz, 0.5H), 2.81 (m, 1H), 2.40-2.30 (m, 2H), 2.19 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.03-1.80 (m, 4H), 1.70-1.47 (m, 4H), 1.42-1.20 (m, 14H), 0.84 (s, 3H), 0.72 (s, 6H), -0.09 (s, 2H), -0.16 (s, 2H).
【0183】
【化61】
【0184】
工程7 化合物123の合成
化合物4の工程6と同様の手法により、化合物123を無色泡状物質として得た(収率61%)を得た。
ESI-MS (m/z): 1319 (M/2 + Na).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.43-7.35 (m, 2H), 7.32-7.24 (m, 9H), 7.24-7.14 (m, 3H), 7.03-6.92 (m, 3H), 6.85-6.72 (m, 4H), 6.67-6.77 (m, 2H), 5.35 (d, J = 2.8 Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.22-5.15 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.61 (d, J = 8.3 Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.21-4.03 (m, 9H), 3.98-3.88 (m, 6H), 3.78 (s, 6H), 3.78-3.53 (m, 14H), 3.53-3.47 (m, 3H), 3.38-3.18 (m, 14H), 2.46-2.40 (m, 6H), 2.32-2.16 (m, 6H), 2.18-2.12 (m, 4H), 2.15 (s, 9H), 2.05 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.80-1.50 (20H, m), 1.33-1.21 (18H, m).

工程8 化合物124の合成
化合物123(780mg、0.301mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)に室温で1mol/Lテトラブチルアンモニウムフロリドーテトラヒドロフラン溶液(0.451ml、1.55eq.)を加え、室温で12時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:24g、クロロホルム:メタノール:トリエチルアミン=95:5:1→75:251)により精製し、化合物124(635mg、収率85%)を得た。
ESI-MS (m/z): 1262 (M/2 + Na).
【0185】
工程9 化合物5の合成
化合物124(545mg、0.220mmol)のジクロロメタン溶液(4ml)に室温でトリエチルアミン(0.061ml、0.440mmol、2.0eq.)、無水コハク酸(33mg、0.330mmol、1.5eq.)、ジメチルアミノピリジン(5mg)を加え、室温で2時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:24g、クロロホルム:メタノール:トリエチルアミン=100:0:1→75:25:1)にて精製し、化合物5(471mg、収率83%)を無色粉末として得た。
ESI-MS (m/z): 1289 (M/2-H).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.40-7.33 (m, 2H), 7.33-7.19 (m, 6H), 7.20 (m, 1H), 711-7.00 (m, 3H, -NH), 6.82 (d, J = 7.7 Hz, 4H), 6.67 (d, J = 7.8 Hz, 1H, -NH), 6.64 (br.s, 1H, -NH), 5.35 (d, J = 2.9 Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.22-5.15 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 5.12-5.01 (m, 2H), 4.61 (d, J = 8.3 Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.31 (m, 1H), 4.28-4.00 (m, 9H), 3.98-3.88 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.73-3.50 (m, 12H), 3.58-3.47 (m, 3H), 3.49-3.21(m, 12H), 3.28-3.11 (m, 2H), 2.93-2.82 (m, 3H), 2.57-2.43 (m, 3H), 2.47-2.40 (m, 6H), 2.34-2.08 (m, 11H), 2.17 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.80-1.50 (24H, m), 1.34-1.22 (14H, m).
【0186】
6)化合物6の合成
以下に示すように、化合物5と同様の工程にて合成する。
【化62】

【化63】
【0187】
7)化合物7の合成
【化64】
【0188】
工程1 化合物133の合成
化合物111(620mg、粗製)のジクロロメタン溶液(2.5ml)に室温でトリエチルアミン(0.169ml、1.22mmol)、無水コハク酸(89mg、0.893mmol)を加え、室温で2時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:24g、n−ヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン=50:50:1→クロロホルム:メタノール:トリエチルアミン=95:5:1→75:25:1)にて精製し、化合物133(453mg、化合物109からの収率79%)を無色泡状物質として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.43 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 7.27 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.20 (dd, J = 7.9, 7.1 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 6.59 (m, 1H, -NH), 4.14 (m, 1H), 3.80 (m, 1H), 3.79 (s, 6H), 3.71 (m, 1H), 3.71 (dd, J = 9.5, 6.5 Hz, 1H), 3.71 (dd, J = 8.7, 4.5 Hz, 1H), 3.08 (dd, J = 8.7, 5.8 Hz, 1H), 2.54 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.46 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 0.82 (s, 9H), 0.01 (s, 4H)
【0189】
工程2 化合物134の合成
化合物4の工程6と同様な手法により、化合物134を無色泡状物質として得た(収率57%)。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.40 (d, , J = 7.7 Hz, 2H), 7.28 (d, , J = 8.7 Hz, 4H), 7.26-7.24 (m, 2H), 7.20 (dd, , J = 7.7, 7.7 Hz, 1H), 7.02-6.89 (m, 3H, -NH), 6.84-6.74 (m, 3H, -NH), 6.82 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 6.72 (br.s, 1H, -NH), 6.16 (m, 1H, -NH), 5.35 (d, J = 2.9 Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.22-5.14 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.62 (d, J = 8.4 Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.21-4.02 (m, 10H), 3.97-3.87 (m, 6H), 3.80 (m, 1H), 3.79 (s, 6H), 3.69 (m, 1H), 3.65-3.58 (m, 12H), 3.55-3.47 (m, 3H), 3.35-3.19 (m, 12H), 3.18 (t, , J = 7.3 Hz, 2H), 2.49-2.42 (m, 4H), 2.42-2.35 (m, 6H), 2.27-2.18 (m, 6H), 2.14 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.79-1.52 (12H, m), 0.82 (s, 9H), 0.01 (s, 2H), -0.01 (s, 2H).

工程3 化合物135の合成
化合物4の工程7と同様の工程により、化合物135を無色粉末として得た(収率60%)。
ESI-MS (m/z): 1157 (M+Na).

工程4 化合物7の合成
化合物4の工程8と同様の手法により、化合物7を得る。
【0190】
8)化合物8の合成
【化65】
【0191】
工程1 化合物136の合成
化合物7の工程1と同様な手法により、化合物136を無色泡状物質として得た(収率85%)。H−NMRでは63:37のロータマー混合物として観測された。
ESI-MS (m/z): 703 (M-H).
1H-NMR(CDCl3)δ:(Major) 7.44-7.35 (m, 2H), 7.32-7.24 (m, 6H), 7.19 (dd, J=7.0, 7.0Hz, 1H), 7.13 (dd, J=8.0 Hz, 1H, -NH), 6.86-6.76 (m, 4H), 4.83 (m, 1H), 4.36 (m, 1H), 3.78 (s, 6H), 3.72-3.41 (m, 6H), 2.63-2.57 (m, 2H), 2.55-2.48 (m, 2H), 2.04-1.68 (m, 4H), 0.72 (s, 9H), -0.08 (s, 3H), -0.15 (s, 3H). (Minor) 7.44-7.35 (m, 2H), 7.32-7.24 (m, 6H), 7.19 (dd, J=7.0, 7.0Hz, 1H), 6.96 (dd, J=7.5 Hz, 1H, -NH), 6.86-6.76 (m, 4H), 4.89 (m, 1H), 4.36 (m, 1H), 3.78 (s, 6H), 3.72-3.41 (m, 6H), 2.63-2.57 (m, 2H), 2.55-2.48 (m, 2H), 2.04-1.68 (m, 4H), 0.85 (s, 9H), 0.03 (s, 3H), 0.01 (s, 3H).

工程2 化合物137の合成
化合物4の工程6と同様の手法により、化合物137を無色泡状物質として得た(収率50%)。H−NMRでは70:30のロータマー混合物として観測された。
ESI-MS (m/z): 1263 (M/2+Na).
1H-NMR(CDCl3)δ:(Major) 7.38 (dd, J=7.8, 7.8Hz, 2H), 7.35-7.23 (m, 9H), 7.19 (dd, J=7.0, 7.0Hz, 1H), 7.12-6.86 (m, 4H), 6.85-6.77 (m, 6H), 6.68 (s, 1H), 5.35 (d, J = 2.8 Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.25-5.17 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.74 (m, 1H), 4.66-4.59 (m, 3H, H-1 of GalNAc), 4.22-3.98 (m, 9H), 3.97-3.86 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.75-3.57 (m, 16H), 3.57-3.39 (m, 5H), 3.36-3.11 (m, 13H), 2.51-2.45 (m, 4H), 2.44-2.36 (m, 8H), 2.30-2.13 (m, 8H), 2.15 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.78-1.52 (18H, m), 0.74 (s, 9H), -0.07 (s, 3H), -0.13 (s, 3H). (Minor) 7.38 (dd, J=7.8, 7.8Hz, 2H), 7.35-7.23 (m, 9H), 7.19 (dd, J=7.0, 7.0Hz, 1H), 7.12-6.86 (m, 4H), 6.85-6.77 (m, 6H), 6.64 (s, 1H), 5.35 (d, J = 2.8 Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.25-5.17 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.74 (m, 1H), 4.66-4.59 (m, 3H, H-1 of GalNAc), 4.22-3.98 (m, 9H), 3.97-3.86 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.75-3.57 (m, 16H), 3.57-3.39 (m, 5H), 3.36-3.11 (m, 13H), 2.51-2.45 (m, 4H), 2.44-2.36 (m, 8H), 2.30-2.13 (m, 8H), 2.15 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.78-1.52 (18H, m), 0.85 (s, 9H), 0.03 (s, 3H), 0.01 (s, 3H).
【0192】
工程3 化合物138の合成
化合物5の工程8と同様の手法により、化合物138を無色泡状物質として得た(収率80%)。

工程4 化合物8の合成
化合物5の工程9と同様の手法により、化合物8を無色泡状物質として得た(収率82%)。
ESI-MS (m/z): 1255 (M/2+Na).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.40-7.30 (m, 5H), 7.30-7.22 (m, 6H), 7.20 (m, 1H), 7.11-6.96 (m, 4H), 6.94-6.79 (m, 4H), 6.81 (d, J=8.1 Hz, 4H), 5.35 (d, J = 2.8 Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.25-5.16 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.62 (d, J = 8.3 Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.35 (dd, J=11.4, 4.3Hz, 1H), 4.29 (m, 1H), 4.22-4.02 (m, 10H), 3.98-3.85 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.74-3.58 (m, 14H), 3.56-3.45 (m, 4H), 3.38-3.19 (m, 12H), 3.21-3.11 (m, 2H), 2.62-2.43 (m, 8H), 2.45-2.38 (m, 6H), 2.32-2.14 (m, 8H), 2.15 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.80-1.50 (18H, m).
【0193】
9)化合物9の合成
【化66】
【0194】
工程1 化合物140の合成
化合物7の工程1と同様な手法により、化合物140を無色泡状物質として得た(収率57%)。
ESI-MS (m/z): 663 (M-H).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.39 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.32-7.24 (m, 6H), 7.20 (dd, J = 7.3, 7.3 Hz, 1H), 7.02 (t, J = 5.5 Hz, NH), 6.84 (d, J = 10.6 Hz, NH), 6.82 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 4.41 (ddd, J = 10.6, 6.8, 3.8 Hz), 4.05 (dd, J = 9.6, 3.8 Hz, 1H), 3.78 (s, 6H), 3.61 (dd, J = 9.6, 6.8 Hz, 1H), 3.49 (m, 1H), 3.41 (m, 1H), 3.22 (dt, J = 9.1, 6.0 Hz, 1H), 3.14 (dt, J = 9.1, 6.0 Hz, 1H), 2.66 (dt, J = 16.4, 6.3 Hz, 1H), 2.58 (dt, J = 16.4, 6.3 Hz, 1H), 2.48 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 0.85 (s, 9H), 0.04 (s, 6H).

工程2 化合物141の合成
化合物4の工程6と同様の手法により、化合物141を無色泡状物質として得た(収率57%)。
ESI-MS (m/z): 1355 (M/2 + Na).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.40 (d, J=7.8 Hz, 2H), 7.33-7.16 (m,12H), 7.08-6.86 (m, 3H), 6.85-6.71 (m, 4H), 6.81 (d, J=8.6 Hz, 2H), 5.39-5.31 (m, 3H, H-4 of GalNAc), 5.25-5.15 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.62 (d, J=8.1 Hz, 3H, H-1 of GalNAc),4.38 (m, 1H), 4.22-3.97 (m, 10H), 3.97-3.86 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.71-3.56 (m, 14H), 3.55-3.45 (m, 3H), 3.40-3.06 (m, 15H), 2.63-2.44 (m, 4H), 2.43-2.34 (m, 6H), 2.32-2.16 (m, 4H), 2.15 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.94 (s, 9H), 1.79-1.52 (18H, m), 0.84 (s, 9H), 0.02 (s, 3H), 0.01 (s, 3H).
【0195】
工程3 化合物142の合成
化合物5の工程8と同様の手法により、化合物142を無色泡状物質として得た(収率68%)。
ESI-MS (m/z): 1186 (M/2 + Na).

工程4 化合物9の合成
化合物5の工程9と同様の手法により、化合物9を無色泡状物質として得た(収率83%)。
ESI-MS (m/z): 1235 (M/2 + Na).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.46 (m, 1H), 7.41 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.36-7.22 (m,11H), 7.19 (dd, J=7.0, 7.0Hz, 1H), 7.05 (m, 1H), 7.02-6.95 (m, 2H), 7.00 (br s, 1H), 6.86-6.77 (m, 2H), 6.81 (d, J=8.6 Hz, 4H), 5.39-5.32 (m, 3H, H-4 of GalNAc), 5.25-5.14 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.62 (d, J=8.3Hz, H-1 of GalNAc), 4.56-4.39 (m, 2H), 4.22-4.03 (m, 9H), 3.98-3.91 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.70-3.55 (m, 13H), 3.55-3.46 (m, 4H), 3.35-3.14 (m, 15H), 2.63-2.47 (m, 5H), 2.47-2.34 (m, 9H), 2.29-2.16 (m, 6H), 2.14 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.94 (s, 9H), 1.79-1.52 (18H, m).
【0196】
10)化合物14の合成
【化67】
【0197】
工程1 化合物144の合成
化合物143(10.0g,37.7mmol)の1,2−ジメトキシエタン溶液(100mL)に室温で(4−第三ブトキシカルボニル)フェニル)ボロン酸(9.21g、41.5mmol)、2mol/L 炭酸カリウム水溶液(56.6ml、113mmol)、PdCl(dppf)(3.07g、3.77mmol)を加えた後、80℃で1時間撹拌した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈した後、飽和食塩水にて洗浄、次いで硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にn−ヘキサンを加えて、粉末化した後、酢酸エチルおよびn−ヘキサンにて洗浄、70℃で減圧乾燥することにより、化合物144(13.5g、収率99%)を黒色粉末として得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:8.64 (s, 1H), 8.11 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 8.11 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.05 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.00 (s, 3H), 1.63 (s, 9H).

工程2 化合物145の合成
化合物144(3.0g,8.28mmol)のトリフルオロ酢酸(60ml)―ジクロロメタン(10ml)の懸濁し、25℃で1時間撹拌した。反応液より不溶物をろ取し、n−ヘキサンにて洗浄、70℃で減圧乾燥することにより、化合物145(13.5g、収率99%)を無色固体として得た。
1H-NMR(d6-DMSO)δ:8.71 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.29 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.17 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 8.06 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H).
【0198】
工程3 化合物146の合成
化合物4の工程4と同様の手法により、化合物146を無色固体として得た(収率74%)。
ESI-MS (m/z): 892 (M-H).

工程4 化合物147の合成
化合物4の工程5と同様に処理した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:トリエチルアミン=97.5:2.5:1→90:10:1)にて精製することにより、化合物147を無色固体として得た(収率47%)。H−NMRでは60:40のロータマー混合物として観測された。
ESI-MS (m/z): 878 (M+).
1H-NMR(CDCl3)δ:(Major) 8.56 (s, 1H), 8.11 (dd, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.91-7.84 (m, 3H), 7.67 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.66 (m, 1H), 7.43 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.36-7.18 (m, 7H), 6.85-6.74 (m, 4H), 5.06 (m, 1H), 4.43 (m, 1H), 3.93 (dd, 1H, J = 9.5, 5.5 Hz), 3.85-3.60 (m, 4H), 3.78 (s, 6H), 3.56 (dd, 1H, J = 9.0, 3.8 Hz), 3.28 (m, 1H), 2.07-1.78 (m, 4H), 0.77 (s, 9H), -0.02 (s, 3H), -0.08 (s, 3). (Minor) 8.61 (s, 1H), 8.16 (dd, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.91-7.84 (m, 3H), 7.73 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.72 (m, 1H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.36-7.18 (m, 7H), 6.85-6.74 (m, 4H), 5.15 (m, 1H), 4.52 (m, 1H), 4.00 (dd, 1H, J = 9.5, 4.7 Hz), 3.85-3.60 (m, 4H), 3.67 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.56 (dd, 1H, J = 9.0, 3.8 Hz), 3.23 (m, 1H), 2.07-1.78 (m, 4H), 0.89 (s, 9H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3).
【0199】
【化68】
【0200】
工程5 化合物148の合成
化合物4の工程6と同様の手法により、化合物148を無色泡状物質として得た(収率52%)。H−NMRでは59:41のロータマー混合物として観測された。
ESI-MS (m/z): 1350 (M/2+H).
1H-NMR(CDCl3)δ: (Major) 8.40 (br.s, 1H), 8.11 (br.s, 1H), 8.08 (dd, J=8.5, 2.0Hz, 1H), 7.99-7.88 (m, 4H), 7.83 (m, 1H), 7.80 (d, J=8.3Hz, 2H), 7.45-7.41 (m, 2H), 7.36-7.08 (m, 12H), 6.93-6.86 (m, 3H), 6.85-6.81 (m, 4H), 6.77 (t, J=9.0Hz, 3H, -NH), 5.34 (d, J=3.0Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.18 (dd, J=11.0, 3.0Hz, 3H, H-3 of GalNAc), 5.05 (m, 1H), 4.60 (d, J=8.0Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.42 (m, 1H), 4.20-4.04 (m, 10H), 3.94-3.84 (m, 13H), 3.82-3.73 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.57-3.45 (m, 5H), 3.31-3.15 (m, 12H), 2.49 (t, J=5.5Hz, 6H), 2.26-2.11 (m, 8H), 2.14 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.92 (s, 9H), 1.81-1.49 (20H, m), 0.76 (s, 9H), -0.04 (s, 3H), -0.10 (s, 3H). (Minor) 8.40 (br.s, 1H), 8.11 (br.s, 1H), 8.08 (dd, J=8.5, 2.0Hz, 1H), 7.99-7.88 (m, 4H), 7.83 (m, 1H), 7.80 (d, J=8.3Hz, 2H), 7.40-7.36 (m, 2H), 7.36-7.08 (m, 12H), 6.93-6.86 (m, 3H), 6.85-6.81 (m, 4H), 6.77 (t, J=9.0Hz, 3H, -NH), 5.34 (d, J=3.0Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.18 (dd, J=11.0, 3.0Hz, 3H, H-3 of GalNAc), 5.05 (m, 1H), 4.60 (d, J=8.0Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.51 (m, 1H), 4.20-4.04 (m, 10H), 3.94-3.84 (m, 13H), 3.82-3.73 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.57-3.45 (m, 5H), 3.31-3.15 (m, 12H), 2.49 (t, J=5.5Hz, 6H), 2.26-2.11 (m, 8H), 2.14 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.92 (s, 9H), 1.81-1.49 (20H, m), 0.89 (s, 9H), -0.07 (s, 3H), -0.05 (s, 3H).

工程6 化合物149の合成
化合物5の工程8と同様の手法により、化合物149を無色泡状物質として得た(収率%)。

工程7 化合物14の合成
化合物5の工程9と同様の手法により、化合物14を無色泡状物質として得た(収率82%)。
ESI-MS (m/z): 1343 (M/2+H).
1H-NMR(CDCl3)δ: 7.99-7.87 (m, 4H), 7.84-7.75 (m, 3H), 7.47-7.35 (m, 2H), 7.34-7.25 (m, 7H), 7.25-7.06 (m, 6H), 6.94-6.73 (m, 5H), 6.83 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 5.35 (d, J=3.0Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.21-5.13 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.59-4.53 (m, 3H, H-1 of GalNAc), 4.41-4.25 (m, 2H), 4.20-4.05 (m, 9H), 3.95-3.84 (m, 12H), 3.81-3.73 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.50-3.40 (m, 4H), 3.29-3.21 (m, 2H), 3.21-3.06 (m, 12H), 2.53-2.42 (m, 10H), 2.25-2.08 (m, 10H), 2.13 (s, 9H), 2.03 (s, 9H), 2.01 (s, 9H), 1.98 (s, 9H), 1.75-1.43 (18H, m).
【0201】
11)化合物18の合成
【化69】
【0202】
工程1 化合物151の合成
化合物150(18.1g,76.0mmol)とアクリル酸メチル(5.0g,5.23mmol)が溶解したテトラヒドロフラン溶液(100mL)に、0℃で水素化ナトリウム(116mg、2.90mmol)を加えた後、同温度で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、次いで硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:320g、n−ヘキサン:酢酸エチル=60:40→40:60)にて精製し、化合物151(11.8g、収率62%)を無色油状物として得た。
ESI-MS (m/z): 327 (M+H).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.38-7.31 (m, 4H), 7.29 (m, 1H), 4.57 (s, 2H), 3.75 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.71-3.60 (m,15H), 2.60 (t, J = 6.5 Hz, 2H).

工程2 化合物152の合成
化合物151(1.02g,3.13mmol)が溶解したメタノール(10mL)溶液に10%パラジウム炭素(200mg)を加え、常圧水素気流下、室温で12時間撹拌した後、反応液より触媒を濾別し、濾液を濃縮した。
得られた残渣をアセトニトリル(5ml)−水(5ml)の混合溶液に溶解した後、室温で2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル(98mg,0.625mmol)、ヨードベンゼンジアセタート(2.22g,6.88mmol)を加え、同温度で1時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液に空けた後、水層を酢酸エチルで洗浄した。得られた水層に2mol/L 塩酸を加えて、酸性にした後、クロロホルムにて抽出し、硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:30g、クロロホルム:メタノール=97.5:2.5→75:25→クロロホルム:メタノール:水=6:4:1)にて精製し、化合物152(483mg、収率62%)を無色油状物として得た。
ESI-MS (m/z): 251 (M+H).
1H-NMR(CDCl3)δ:4.09 (s, 2H), 3.76 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.74-3.60 (m,8H), 3.69 (s, 3H), 2.61 (t, J = 6.6 Hz, 2H).
【0203】
工程3 化合物153の合成
化合物4の工程4と同様な手法により、化合物153を無色油状物として得た(収率70%)。H−NMRでは60:40のロータマー混合物として観測された。
ESI-MS (m/z): 859 (M+Na).
1H-NMR(CDCl3)δ:(Major) 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.32-7.22 (m, 7H), 7.19 (m,1H), 6.84-6.78 (m, 4H), 4.87 (m, 1H), 4.38 (m, 1H), 4.02 (d, 1H, J = 14.3 Hz), 3.96 (d, 1H, J = 14.3 Hz), 3.86-3.53 (m, 18H), 3.76 (s, 6H), 3.49 (dd, 1H, J = 8.7, 3.4 Hz), 2.60 (t, 2H, J = 6.5 Hz), 2.03-1.71 (m, 4H), 0.74 (s, 9H), -0.07 (s, 3H), -0.13 (s, 3). (Minor) 7.37 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.32-7.22 (m, 7H), 7.19 (m,1H), 6.84-6.78 (m, 4H), 4.94 (m, 1H), 4.38 (m, 1H), 3.86-3.53 (m, 18H), 3.76 (s, 6H), 3.49 (dd, 1H, J = 8.7, 3.4 Hz), 3.17 (m, 1H), 3.13 (m, 1H), 2.03-1.71 (m, 4H), 0.86 (s, 9H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3).

工程4 化合物154の合成
化合物4の工程5と同様に処理した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:トリエチルアミン=97.5:2.5:1→85:15:1)にて精製することにより、化合物154を無色泡状物質として得た(収率74%)。H−NMRでは65:35のロータマー混合物として観測された。
1H-NMR(CDCl3)δ:(Major) 8.56 (s, 1H), 8.11 (dd, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.91-7.84 (m, 3H), 7.67 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.66 (m, 1H), 7.43 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.36-7.18 (m, 7H), 6.85-6.74 (m, 4H), 5.06 (m, 1H), 4.43 (m, 1H), 3.93 (dd, 1H, J = 9.5, 5.5 Hz), 3.85-3.60 (m, 4H), 3.78 (s, 6H), 3.56 (dd, 1H, J = 9.0, 3.8 Hz), 3.28 (m, 1H), 2.07-1.78 (m, 4H), 0.77 (s, 9H), -0.02 (s, 3H), -0.08 (s, 3). (Minor) 8.61 (s, 1H), 8.16 (dd, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.91-7.84 (m, 3H), 7.73 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.72 (m, 1H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.36-7.18 (m, 7H), 6.85-6.74 (m, 4H), 5.15 (m, 1H), 4.52 (m, 1H), 4.00 (dd, 1H, J = 9.5, 4.7 Hz), 3.85-3.60 (m, 4H), 3.67 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.56 (dd, 1H, J = 9.0, 3.8 Hz), 3.23 (m, 1H), 2.07-1.78 (m, 4H), 0.89 (s, 9H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3).
【0204】
【化70】
【0205】
工程5 化合物155の合成
化合物4の工程6と同様の手法により、化合物155を無色泡状物質として得た(収率46%)。H−NMRでは60:40のロータマー混合物として観測された。
1H-NMR(CDCl3)δ:(Major) 7.42-7.35 (m, 2H), 7.33-7.15 (m, 11H), 7.04-6.92 (m, 3H), 6.85-6.76 (m, 6H), 6.75-6.68 (m, 2H), 5.35 (d, J=3.0Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.25-5.20 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.84 (m, 1H), 4.66-4.59 (m, 3H, H-1 of GalNAc), 4.35 (m, 1H), 4.22-3.98 (m, 11H), 3.98-3.88 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.75-3.57 (m, 27H), 3.55-3.41 (m, 4H), 3.37-3.12 (m, 12H), 2.47-2.19 (m, 8H), 2.32-2.17 (m, 8H), 2.15 (s, 9H), 2.05 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.99-1.52 (m, 20H), 0.75 (s, 9H), -0.06 (s, 3H), -0.11 (s, 3H) (Minor) 7.42-7.35 (m, 2H), 7.33-7.15 (m, 11H), 7.04-6.92 (m, 3H), 6.85-6.76 (m, 6H), 6.75-6.68 (m, 2H), 5.35 (d, J=3.0Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.25-5.20 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.92 (m, 1H), 4.66-4.59 (m, 3H, H-1 of GalNAc), 4.40 (m, 1H), 4.22-3.98 (m, 11H), 3.98-3.88 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.75-3.57 (m, 27H), 3.55-3.41 (m, 4H), 3.37-3.12 (m, 12H), 2.47-2.19 (m, 8H), 2.32-2.17 (m, 8H), 2.15 (s, 9H), 2.05 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.99-1.52 (m, 20H), 0.86 (s, 9H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H).

工程6 化合物156の合成
化合物5の工程8と同様の手法により、化合物156を無色泡状物質として得た(収率66%)。
ESI-MS (m/z): 1242 (M/2+H).

工程7 化合物18の合成
化合物5の工程9と同様の手法により、化合物18を無色泡状物質として得た(収率75%)。
ESI-MS (m/z): 1315 (M/2 + Na).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.60 (m, 1H), 7.37 (dd, J=7.5, 7.5Hz, 2H), 7.38-7.30 (m, 9H), 7.20 (m, 1H), 7.13-6.98 (m, 3H), 6.94-6.76 (m, 4H), 6.82 (d, J=8.6 Hz, 4H), 5.35 (d, J=3.1Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.20 (dd, J=11.0, 3.1Hz, 3H, H-3 of GalNAc), 5.07 (m, 1H), 4.62 (d, J=8.4Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.26-3.98 (m, 12H), 3.97-3.88 (m, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.75-3.58 (m, 24H), 3.55-3.46 (m, 4H), 3.40-3.21 (m, 12H), 3.22-3.14 (m, 2H), 2.87-2.77 (m, 2H), 2.56 (br s, 2H), 2.54-2.46 (m, 2H), 2.46-2.38 (m, 8H), 2.32-2.18 (m, 8H), 2.15 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 1.99 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.80-1.52 (18H, m).
【0206】
12)化合物19の合成
【化71】
【0207】
工程1 化合物157の合成
国際公開第2011/148922号に記載の方法に従って合成した。

工程2 化合物158の合成
Bioorganic Medicinal Chemistry Letters,11,383―386(2001)に記載の方法と同様な手法にて、化合物157より化合物158を2工程で合成した。

工程3 化合物159の合成
化合物4の工程2および工程3と同様の手法にて反応し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:320g、n−ヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン=200:100:3)により精製することにより、化合物159を無色泡状物質として得た(収率91%)。
1H-NMR(CDCl3)δ:7.44-7.41 (m, 2H), 7.34-7.28 (m, 4H), 7.27-7.25 (m, 2H), 7.19(m, 1H), 6.84-6.79 (m, 4H), 3.78 (s, 6H), 3.68 (dd, J=10.0, 5.9 Hz, 1H), 3.63 (dd, J=10.0, 5.6 Hz, 1H), 3H), 3.15 (dd, J=9.2, 5.3 Hz, 1H), 3.63 (dd, J=9.2, 5.9 Hz, 1H), 2.68 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 0.85 (s, 9H), 0.02 (s, 6H).
【0208】
工程4 化合物160の合成
化合物4の工程4と同様の手法により、化合物160を無色泡状物質として得た(収率52%)。H−NMRでは57:43のロータマー混合物として観測された。
1H-NMR(CDCl3)δ:(Major) 7.42 (m, 2H), 7.32-7.23 (m, 6H), 7.21 (dd, J=7.3, 7.3 Hz, 1H), 6.84-6.76 (m, 4H), 4.15 (m, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.71 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 3.59-3.51 (m, 1H), 3.17-3.12 (m, 2H), 2.67 (s, 3H), 2.48 (m, 1H), 2.34-2.25 (m, 3H), 1.73-1.54 (m, 4H), 1.40-1.25 (m, 12H), 0.81 (s, 9H), -0.02 (s, 3H), -0.03 (s, 3H) . (Minor) 7.42 (m, 2H), 7.32-7.23 (m, 6H), 7.21 (dd, J=7.3, 7.3 Hz, 1H), 6.84-6.76 (m, 4H), 4.79 (m, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.71 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 3.59-3.51 (m, 1H), 3.28 (dd, J=9.5, 5.0 Hz, 1H), 3.18 (dd, J=9.5, 8.0 Hz, 1H), 2.89 (s, 3H), 2.48 (m, 1H), 2.34-2.25 (m, 3H), 1.73-1.54 (m, 4H), 1.40-1.25 (m, 12H), 0.78 (s, 9H), -0.04 (s, 6H)

工程5 化合物161の合成
化合物4の工程5と同様の手法により、化合物161を無色泡状物質として得た(収率90%)。
【0209】
【化72】
【0210】
工程6 化合物162の合成
化合物4の工程6と同様の手法により、化合物162を無色泡状物質として得た(収率51%)。H−NMRでは58:42のロータマー混合物として観測された。
1H-NMR(CDCl3)δ:(Major) 7.39 (dd, J=9.3, 9.3 Hz, 2H), 7.33-7.23 (m, 9H), 7.21 (dd, J=7.5, 7.5Hz, 1H), 7.14-7.00 (m, 3H, -NH), 6.98-6.86 (m, 3H), 6.84-6.81 (m, 4H), 6.62 (m, 1H, -NH), 5.39-5.33 (m, 3H, H-4 of GalNAc), 5.23-5.16 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.65-4.59 (m, 3H, H-1 of GalNAc), 4.21-4.04 (m, 10H), 3.98-3.83 (m, 6H), 3.791 (s, 6H), 3.73-3.63 (m, 13H), 3.59-3.55 (m, 2H), 3.55-3.46 (m, 3H), 3.37-3.20 (m, 12H), 3.19-3.13 (m, 2H), 2.69-2.65 (m, 3H), 2.47-2.39 (m, 6H), 2.37-2.13 (m, 10H), 2.15 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.80-1.51 (18H, m), 1.40-1.24 (12H, m), 0.81 (s, 9H), -0.018 (s, 3H), -0.04 (s, 3H). (Minor) 7.39 (dd, J=9.3, 9.3 Hz, 2H), 7.33-7.23 (m, 9H), 7.21 (dd, J=7.5, 7.5Hz, 1H), 7.14-7.00 (m, 3H, -NH), 6.98-6.86 (m, 3H), 6.84-6.81 (m, 4H), 6.62 (m, 1H, -NH), 5.39-5.33 (m, 3H, H-4 of GalNAc), 5.23-5.16 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.65-4.59 (m, 3H, H-1 of GalNAc), 4.21-4.04 (m, 10H), 3.98-3.83 (m, 6H), 3.785 (s, 6H), 3.73-3.63 (m, 13H), 3.59-3.55 (m, 2H), 3.55-3.46 (m, 3H), 3.37-3.20 (m, 12H), 3.19-3.13 (m, 2H), 2.85-2.80 (m, 3H), 2.47-2.39 (m, 6H), 2.37-2.13 (m, 10H), 2.15 (s, 9H), 2.04 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.80-1.51 (18H, m), 1.40-1.24 (12H, m), 0.78 (s, 9H), -0.026 (s, 3H), -0.024 (s, 3H).

工程7 化合物163の合成
化合物4の工程7と同様の手法により、化合物163を無色泡状物質として得た(収率83%)。
ESI-MS (m/z): 1220 (M/2 + Na).

工程8 化合物19の合成
化合物4の工程8と同様の手法により、化合物19を無色泡状物質として得た(収率71%)。
ESI-MS (m/z): 1248 (M/2+H), 1247 (M/2).
1H-NMR(CDCl3)δ:7.40-7.34 (m, 2H), 7.34-7.18 (m, 11H), 7.14-7.03 (m, 3H, -NH), 6.94-6.80 (m, 2H), 6.85-6.81 (m, 4H), 6.68 (m, 1H, -NH), 5.35 (d, J = 3.0 Hz, 3H, H-4 of GalNAc), 5.24-5.16 (m, 3H, H-3 of GalNAc), 4.61 (d, J = 8.0 Hz, 3H, H-1 of GalNAc), 4.32 (m, 1H), 4.22-4.04 (m, 11H), 3.98-3.86 (m, 5H), 3.79 (s, 6H), 3.75-3.60 (m, 13H), 3.55-3.45 (m, 3H), 3.36-3.14 (m, 15H), 2.95-2.84 (s, 3H), 2.61-2.54 (m, 4H), 2.49-2.40 (m, 8H), 2.35-2.18 (m, 6H), 2.15 (s, 9H), 2.03 (s, 9H), 2.00 (s, 9H), 1.95 (s, 9H), 1.80-1.51 (18H, m), 1.39-1.18 (16H, m).
【0211】
13)化合物20の合成
【化73】
【0212】
工程1 化合物165の合成
化合物164(米国特許出願公開第2012/0157509号明細書)(90mg,0.489mmol)のジクロロメタン溶液(3.6mL)に塩化オキサリル(171μL,1.95mmol)を加え、室温で 21時間撹拌し後、溶媒を留去した。得られた残渣をジクロロメタン(1.8mL)に溶解させ、氷冷下、化合物105(877mg,0.489mmol)とピリジン(158μL,1.96mmol)のジクロロメタン溶液(5.4mL)を加え、7時間撹拌した。反応液へ10%クエン酸水溶液を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去して化合物165(365mg,収率38%)を淡黄色固体物質として得た。
ESI−MS(m/z)=1959.8.(M+H)
HPLC Peak RT = 1.42 minutes

工程2 化合物20の合成
化合物165(150mg,0.077mmol)のメタノール溶液(3.5mL)に、室温下、水(3.0mL)とトリエチルアミン(2.0mL)を加えて19時間撹拌した。メタノールとトリエチルアミンを減圧留去した後、残渣へDowex(登録商標)−50W×8−200(シグマアルドリッチ社から購入)(600mg)を加え、室温下、45分間緩やかに撹拌した後、ろ過した。溶媒を留去して化合物20(113mg,93%)を淡黄色固体物質として得た。
ESI−MS(m/z)=1981.8.(M+H)
HPLC Peak RT = 0.71 minutes
【0213】
14)化合物21の合成
【化74】
【0214】
工程1 化合物167の合成
欧州特許出願公開第624377号明細書に記載の方法に従って調製した化合物166(161mg、0.27mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1mL)にジエチルアミン(84uL,0.80mmol)を加えて、室温下3時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮することでジエチルアミンならびにN,N−ジメチルホルムアミドを留去し、反応液重量を1gとした。続いて、化合物2(200mg,0.13mmol)のDMF溶液(2mL)にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(55uL, 0.32mmol)およびHBTU(44mg,0.12mmol)を室温下加えて、10分間撹拌した。そこへ前述の化合物167反応液から0.5g(0.13mmol相当)を加えて、さらに24時間撹拌した。氷冷下、反応液に水を加えて水層をクロロホルムで洗浄した。水層を減圧濃縮して得られた残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解した。シリカゲル(2g)を加えて減圧濃縮して乾式クロマトグラフィー(SiO 10g)(クロロホルム:メタノール=90:10 →60:40)にて精製し、化合物167を淡褐色個体(60mg,収率25%)として得た。
ESI−MS(m/z) = 1129[M+2H]2+,753[M+3H]3+
HPLC Peak RT = 1.31 minutes

工程2 化合物21の合成
化合物167(10mg, 4.43μmol)のN−メチルピロリドン溶液(0.15mL)にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.7μL, 44μmol)およびクロロギ酸4−ニトロフェニル(5mg, 22umol)を加えて室温下24時間撹拌した。その後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.7μL, 44μmol)およびクロロギ酸4−ニトロフェニル(5mg, 22μmol)を加えて、さらに室温下24時間撹拌した。LC/MS測定にて、原料の消失ならびに化合物21の生成を確認した。精製工程を省略して、反応液を実施例3(7−10)に用いた。
ESI−MS(m/z) = 1211[M+2H]2+,808[M+3H]3+
HPLC Peak RT = 1.73 minutes
【0215】
同様に以下の化合物も合成することができる。
【化75】

【化76】

【化76】
【0216】
実施例2 アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体を含有する化合物の樹脂への固相化
1)化合物1001の合成
【化77】
【0217】
化合物3(290mg、100μmol)のDMF溶液(2mL)にジイソプロピルエチルアミン(50μL)を加えてから、氷冷下撹拌した。クロロギ酸イソブチル(13μL,100μmol)のDMF溶液(0.2mL)を加えて、3分間撹拌した。PrimerSupport200(underivatized support)(GE Healthcare社)(1g)のDMF懸濁液にジイソプロピルエチルアミン(350μL)を加えた後、前述の化合物3反応液を加えて室温下24時間振とう撹拌した。反応液をろ過後、PrimerSupportをアセトニトリル(40mL)で洗浄後、通気乾燥した。乾燥したPrimerSupportに無水酢酸(20%v/v)、ピリジン(20%v/v)、N−メチルイミダゾール(10%v/v)のアセトニトリル溶液(10mL)を加えて、室温下1時間振とう撹拌した。反応液をろ過後、アセトニトリル(40mL)及びジクロロメタン(20mL)で洗浄後、減圧下で乾燥した。化合物3の担持量はDMTrカチオンの比色定量により算出し、30μmol/gの化合物1001を得た。
【0218】
同様の方法で、実施例1で合成した化合物4、5、8、9、14を固相化することができる。
【0219】
2)化合物1002の合成
【化78】

化合物1002 樹脂担持量 62μmol/g
【0220】
3)化合物1003の合成
【化79】

化合物1003 樹脂担持量 52μmol/g
【0221】
4)化合物1004の合成
【化80】

化合物1004 樹脂担持量 53μmol/g
【0222】
5)化合物1005の合成(樹脂への固相化)
【化81】

化合物1005 樹脂担持量 64μmol/g
【0223】
6)化合物1006の合成
【化82】

化合物1006 樹脂担持量 20μmol/g
【0224】
実施例3 オリゴヌクレオチドの合成
以下の方法で表2〜4に記載のオリゴヌクレオチドSEQ−1〜SEQ−36を合成した。

1)アミダイト合成
標準的な保護基を有するDNAアミダイト、RNAアミダイト、2’OMe−RNAアミダイトは、Proligo Reagents社より購入した。具体的には、以下を使用した。
・N6−ベンゾイル−5’−O−ジメトキシトリチル−2’デオキシアデノシン−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・5’−O−ジメトキシトリチルチミジン−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・N2−tertブチルフェノキシアセチル−5’−O−ジメトキシトリチル−2’デオキシグアノシン‐3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・N4−ベンゾイル−5’−O−ジメトキシトリチル−2’デオキシシチジン−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・N6−ベンゾイル−5’−O−ジメトキシトリチルアデノシン−2’tertブチルジメチルシリル−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・5’−O−ジメトキシトリチルウリジン−2’tertブチルジメチルシリル−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・N2−イソブチリル−5’−O−ジメトキシトリチルグアノシン−2’tertブチルジメチルシリル、3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・N4−ベンゾイル−5’−O−ジメトキシトリチルシチジン−2’tertブチルジメチルシリル−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・N6−ベンゾイル−5’−O−ジメトキシトリチル−アデノシン−2’−O−メチル−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・5’−O−ジメトキシトリチルウリジン−2’−O−メチル−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・N2−イソブチリル−5’−O−ジメトキシトリチル−グアノシン−2’−O−メチル‐3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
・N4−ベンゾイル−5’−O−ジメトキシトリチルシチジン−2’−O−メチル−3’−O−N,N’−ジイソプロピル−2−シアノエチルホスホロアミダイト
【0225】
AmNAアミダイトは、国際公開第2011/052436号に記載の方法及び以下に記載の方法に基づき、合成した。
【0226】
(1−1)(2R,3S,4R,5R)−3−(tert−ブチルジメチルシキルオキシ)−2−ヒドロキシメチル−5−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−(2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセタミド)テトラヒドロフラン−2−カルボン酸カリウム(化合物914)の合成
【0227】
【化83】
【0228】
工程1 化合物909の合成
窒素雰囲気下、化合物901(合成法はOrganic Letters,7,1569−1572(2005)に記載の方法に準じる、1300g、2.53mol)のDMF(3.9L)懸濁液に、TBSクロリド(1717g、11.39mol)のDMF(2.6L)溶液を内温5〜15℃で滴下した。続いて、内温10〜20℃でヨウ化ナトリウム(1138g、7.59mol)を加え、同温下でN−メチルイミダゾール(999mL、12.7mol)を滴下した。内温20〜30℃で6時間撹拌した後、終夜で静置した。反応液を酢酸エチル(3.9L)と氷水(10.4L)の混合物に注加し、更に酢酸エチル(2.6L)、水(2.6L)を加えた。有機層を1mol/L塩酸(6.5L)、10%炭酸ナトリウム水溶液(6.5L)、10%食塩水(6.5L)で順次洗浄した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣(2.68kg)にメタノール(2.6L)を加えた。再び溶媒を減圧留去し、化合物909の粗生成物(2.62kg)を得た。
【0229】
工程2 化合物910の合成
工程1で得た化合物909の粗生成物(2.62kg)のメタノール(6.5L)溶液に、35%塩酸(633mL、7.59mol)を内温20〜30℃で滴下し、4時間撹拌した。反応液をジイソプロピルエーテル(6.5L)と氷水(3.9L)の混合物に注加し、更にジイソプロピルエーテル(6.5L)、水(2.6L)を加えた。水層をジイソプロピルエーテル(3.25L)で洗浄した後、炭酸ナトリウム(1073g、10.1mol)の水(6.5L)溶液を加え、酢酸エチル(19.5L及び6.5L)で抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣にテトラヒドロフラン(2.6L)を加えた。再び溶媒を減圧留去し、化合物910の粗生成物(1.08kg)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:0.13 (s, 6H), 0.91 (s, 9H), 1.40-1.55 (br, 1H), 1.79 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 3.15-3.20 (d, J = 4.1Hz, 1H), 3.52-3.65 (m, 2H), 3.85 (s, 1H), 4.30-4.35 (d, J = 4.1Hz, 1H), 5.18-5.24 (br, 1H), 5.64-5.70 (d, J = 7.3Hz), 7.73 (s, 1H), 11.34 (s, 1H).
【0230】
工程3 化合物911の合成
窒素雰囲気下、工程2で得た化合物910の粗生成物(17.7g)及びピリジン(10.1mL、125mmol)のテトラヒドロフラン(80mL)溶液に、内温0〜10℃でトリフルオロ酢酸無水物(17.8mL、125mmol)を滴下し、1時間撹拌した。反応液を氷冷下、20%炭酸ナトリウム水溶液(112mL)へ注加し、テトラヒドロフラン(24mL)及び水(48mL)を加えた。氷冷下で20分間、室温で1時間撹拌した後、酢酸エチル(112mL)、n−ヘキサン(80mL)、10%食塩水(32mL)及び水(176mL)を加えた。有機層を2mol/L塩酸(80mL)、0.4mol/L塩酸(80mL)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)、10%食塩水(80mL)で順次洗浄した。各水層はそれぞれ酢酸エチル(80mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣に酢酸エチル(24mL)を加え、60℃に加熱して溶解させた後、n−ヘキサン(72mL)を加えた。生じたスラリーを室温まで冷却した後、ろ過して得られた固体を酢酸エチル/n−ヘキサン(3.2mL/60.8mL)で洗浄した後、通風乾燥を1日行い、化合物911(15.8g、工程1からの通算収率79.1%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:-0.01 (2.1H, s), 0.02 (0.9H, s), 0.08 (2.1H, s), 0.09 (s, 0.9H, s), 0.86 (6.3H, s), 0.87 (2.7H, s), 1.78 (0.9H, d, J = 0.8Hz), 1.79 (2.1H, d, J = 0.8Hz), 3.12 (0.9H, s), 3.20 (2.1H, s), 3.61-3.57 (1.0H, m), 3.72-3.67 (1.0H, m), 3.99 (0.7H, q, J = 3.3Hz), 4.02 (0.3H, m), 4.45 (0.3H, m), 4.45 (0.3H, m), 4.52 (0.7H, dd, J = 6.8, 3.3Hz), 4.77 (0.7H, dd, J = 7.6, 6.8Hz), 5.30 (0.7H, t, J = 4.7Hz), 5.38 (0.3H, t, J = 4.7Hz), 6.37 (0.3H, m), 6.39 (0.7H, d, J = 7.6Hz), 7.73 (1.0H, s), 11.44 (0.7H, brs), 11.5 (0.3H, brs).
【0231】
工程4 化合物912の合成
窒素雰囲気下、化合物911(450g、935mmol)のジメチルスルホキシド(1.35L)溶液に、EDC(538g、2800mmol)、ジメチルスルホキシド(675mL)、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム(235g、935mmol)及びジメチルスルホキシド(225mL)を順次加え、内温20〜30℃で2.5時間撹拌した。続いて内温10〜20℃で酢酸エチル(4.5L)、水(2.25L)及び酢酸エチル(2.25L)を順次加えた。有機層を水(2.25L)で2回洗浄した後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣にアセトニトリル(900mL)を加えた。再び溶媒を減圧留去し、化合物912の粗生成物(540g)を得た。
【0232】
工程5 化合物913の合成
工程4で得られた化合物912の粗生成物(540g)のアセトニトリル(1.8L)溶液に、37%ホルマリン水溶液(900mL)、N−メチルモルホリン(900mL)を順次加え、内温70〜80℃で4時間撹拌した。反応液を内温20〜30℃へ冷却した後、酢酸エチル(2.25L)を加え、続いて内温10〜20℃で4mol/L塩酸(2.25L)を加えた。有機層を水(2.25L)で2回洗浄し、化合物913を含有する酢酸エチル溶液を得た。
【0233】
工程6 化合物914の合成
工程5で得られた化合物913を含有する酢酸エチル溶液にリン酸二水素ナトリウム2水和物(292g、1870mmol)の水(1.35L)水溶液、スクアレン(898mL、1870mmol)、アセトニトリル(1.35L)を順次加えた。内温20〜30℃で亜塩素酸ナトリウム(423g、4670mmol)の水(2.25L)溶液を滴下し、3時間撹拌した。続いて内温10〜15℃で0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(3.6L)、チオ硫酸ナトリウム5水和物(1160g、4670mmol)を順次加え、内温5〜15℃で20分間撹拌した。反応液に酢酸エチル(900mL)及び水(900mL)を加え、有機層を水(900mL)で洗浄した。水層を合わせて酢酸エチル(900mL)で洗浄した後、水層に酢酸エチル(5.4L)及び2mol/L塩酸水溶液(2.25L)を加えた。有機層を10%食塩水(2.25L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。混合物をろ過、乾燥剤を酢酸エチル(1.35L)で洗浄して得られたろ液に酢酸カリウム(82.5g、841mmol)及びエタノール(338mL)を加えた。混合物を内温20〜30℃で1時間撹拌した。生じたスラリーをろ過して得られた固体を酢酸エチル/エタノール(3860mL/193mL)で洗浄した後、通風乾燥を1日行い、化合物914(283g、工程4からの通算収率53.8%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ :-0.11 (1.8H, s), -0.09 (1.2H, s), 0.09 (1.8H, s), 0.10 (1.2H, s), 0.82 (3.6H, s), 0.83 (5.4H, s), 1.77 (1.2H, s), 1.78 (1.8H, s), 3.18 (1.2H, s), 3.33 (1.8H, s), 3.54 (1.0H, d, J = 10.8Hz), 3.68 (0.6H, d, J = 10.8Hz), 3.69 (0.4H, d, J = 10.8Hz), 4.18 (0.4H, dd, J = 8.6, 7.8Hz), 4.49 (0.4H, d, J = 8.6Hz), 4.51 (0.6H, d, J = 8.6Hz), 4.73 (0.6H, dd, J = 8.6, 7.8Hz), 6.1 (1H, br), 6.90 (0.4H, d, J = 7.8Hz), 6.92 (0.6H, d, J = 7.8Hz), 7.61 (0.6H, s), 7.65 (0.4H, s).
【0234】
(1−2)Tアミダイトの合成
【化84】
【0235】
工程1 化合物915の合成
窒素雰囲気下、化合物914(455mg、0.807mmol)のピリジン(4mL)懸濁液に、1mol/L テトラブチルアンモニウムフロリド−テトラヒドロフラン溶液(0.888mL、0.888mmol)を滴下し、内温60〜70℃で9時間撹拌した後、終夜室温で静置した。翌日さらに内温60〜70℃で9時間撹拌した後、終夜室温で静置した。EDC塩酸塩(310mg、1.62mmol)を加え、内温60〜70℃で9時間撹拌した後、EDC塩酸塩(310mg、1.62mmol)を追加し、終夜室温で静置した。4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(547mg、1.61mmol)を加えて室温で5時間撹拌した後、さらに4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(547mg、1.61mmol)を加え、2時間撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL)で抽出した後、水(5mL)で3回洗浄した。それぞれの水洗浄液は酢酸エチル(5mL)で抽出した。有機層を合わせて溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)により精製し、化合物915(334mg、収率69.1%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:1.70 (s, 3H), 1.97 (d, J = 5.1Hz, 1H), 3.02 (s, 3H), 3.61 (d, J = 12.3Hz, 1H), 3.79 (s, 6H), 3.95 (d, J = 12.3Hz, 1H), 4.11 (s, 1H), 4.37 (d, J = 4.9Hz, 1H), 5.41 (s, 1H), 6.85 (dd, J = 8.5, 2.5Hz, 4H), 7.23-7.36 (m, 7H), 7.45 (d, J = 7.7Hz, 2H), 7.76 (s, 1H), 8.55 (s, 1H).
【0236】
工程2 化合物916(Tアミダイト)の合成
国際公開第2011/052436号に記載の方法に準じた方法に従って、化合物916を合成した。
【0237】
(1−3)A(Bz)アミダイトの合成
【化85】
【0238】
工程1 化合物917の合成
窒素雰囲気下、化合物914(170g、271mmol)及び6−N−ベンゾイルアデニン(64.9g、271mmol)のシクロペンチルメチルエーテル(1700mL)懸濁液に、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(466mL、1900mmol)及びTMSOTf(98mL、543mmol)を加え、70〜73℃で4時間撹拌した。反応液に氷冷下、テトラヒドロフラン(2920mL)、2mol/L塩酸(1700mL)及び水(1020mL)を加えた後、有機層と水層に分配し、有機層を0.1mol/L塩酸(1700mL)及び水(1700mL)で洗浄した。溶媒を減圧留去して得られた残渣にクロロホルム(340mL)を加え、20分攪拌して得られたスラリーをろ過した。ろ取した固体をクロロホルム(510mL)で洗浄した後、風乾することにより化合物917(165g、収率80.9%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:-0.06 (s, 3H), 0.13 (s, 2.1H), 0.14 (s, 0.9H), 0.89 (s, 9H), 3.22 (s, 0.9H), 3.31 (s, 2.1H), 3.82 (d, J = 12.0Hz, 1H), 3.89-3.95 (m, 1H), 4.70 (d, J = 7.3Hz, 0.3H), 4.75 (d, J = 7.3Hz, 0.7H), 5.04 (t, J = 7.5Hz, 0.3H), 5.41 (brs, 0.7H), 5.49 (t, J = 8.0Hz, 0.7H), 5.55 (brs, 0.3H), 7.02 (d, J = 8.5Hz, 0.3H), 7.04 (d, J = 8.5Hz, 0.7H), 7.56 (t, J = 7.4Hz, 2H), 7.66 (t, J = 7.4Hz, 1H), 8.04 (d, J = 7.8Hz, 2H), 8.78 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 11.31 (s, 1H), 13.34 (brs, 1H).
【0239】
工程2 化合物918の合成
窒素雰囲気下、化合物917(4.75g、7.44mmol)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液に、1mol/L テトラブチルアンモニウムフロリド−テトラヒドロフラン溶液(14.9mL、14.9mmol)を滴下し、内温60〜65℃で3.5時間撹拌した。EDC塩酸塩(1.71g、8.92mmol)を加え、内温60〜65℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣にアセトニトリル(50mL)を加え、再び溶媒を減圧留去することを3回繰り返し、化合物918の粗生成物(9.12g)を得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:3.14 (s, 3H), 4.09 (dd, J = 13.8, 6.8Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 14.0, 3.3Hz, 1H), 4.37 (s, 1H), 4.64 (s, 1H), 5.26 (m, 1H), 5.89 (s, 1H), 6.46(brs, 1H), 7.52 (t, J = 7.5Hz, 2H), 7.60 (t, J = 7.3Hz, 1H), 8.01 (d, J = 7.7Hz, 2H), 8.56(s, 1H), 8.78 (s, 1H), 9.31 (s, 1H).
【0240】
工程3 化合物919の合成
窒素雰囲気下、工程2で得た化合物918の粗生成物(9.12g)のジクロロメタン(25mL)溶液に、DABCO(2.09g、18.6mmol)及び4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(5.04g、14.9mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(1.26g、3.72mmol)を追加し、さらに2時間撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)及びジクロロメタン(50mL)を加え、有機層を水(50ml)で洗浄し、水洗浄液はジクロロメタン(50mL)で抽出した。有機層を合わせてメタノール(50mL)を加え、重量が60gになるまで溶媒を留去した後、再びメタノール(50mL)を加え、重量が67gになるまで溶媒を留去した。再びメタノール(25mL)を加え、室温で30分間撹拌して得られたスラリーをろ過した。ろ取した固体をメタノール(35mL)で洗浄した後、風乾することにより化合物919(4.31g、工程2からの通算収率81.3%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.98 (s, 3H), 3.26 (d, J = 11.0Hz, 1H), 3.42 (d, J = 11.7Hz, 1H), 3.73 (s, 6H), 4.67 (s, 1H), 4.79 (brs, 1H), 6.14 (s, 1H), 6.19 (brs, 1H), 6.88 (d, J = 8.3Hz, 4H), 7.21-7.32 (m, 7H), 7.39 (d, J = 7.8Hz, 2H), 7.57 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.67 (t, J = 7.4Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.4Hz, 2H), 8.53 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 11.33 (brs, 1H).
1H-NMR(CDCl3)δ:8.98(1H, s), 8.81 (1H, s), 8.39 (1H, s), 8.03 (1H, d, J=8.0 Hz), 7.63 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.55 (2H, t, J=8.0 Hz), 7.46 (2H, d, J=8.0 Hz), 7.38-7.24 (7H, m), 6.86 (4H, d, J=8.0 Hz), 5.89 (1H, s), 4.51 (1H, s), 4.47 (1H, m), 3.91 (1H, d, J=12.0 Hz), 3.79 (6H, s), 3.73 (1H, d, J=12.0 Hz), 3.15 (3H, s), 2.07 (1H, br s, 4.0 Hz).
LC-MS: UPLC 4min base 2.28 min M+H = 713
【0241】
工程4 化合物920(Aアミダイト)の合成
窒素雰囲気下、化合物919(500mg、0.702mmol)及びN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(0.368mL、2.11mmol)のピリジン(2mL)懸濁液に氷冷下、2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミジト(0.235mL、1.05mmol)を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応液に氷冷下、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を加え、酢酸エチル(5mL)で抽出した。有機層を3%塩化ナトリウム水溶液(5mL)で2回洗浄し、洗浄液はそれぞれ酢酸エチル(5mL)で抽出し、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、化合物920(391mg、収率61.0%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:0.87 (d, J = 6.8Hz, 2H), 0.92 (d, J = 6.5Hz, 4H), 1.06 (d, J = 6.8Hz, 2H), 1.08 (d, J = 6.8Hz, 4H), 2.55 (dd, J = 11.7, 5.4Hz, 1.3H), 2.70 (m, 0.7H), 2.99 (s, 2H), 3.01 (s, 1H), 3.18 (d, J = 11.5Hz, 0.7H), 3.22 (d, J = 11.5Hz, 0.3H), 3.43-3.57 (m, 4.3H), 3.65-3.70 (m, 0.7H), 3.72 (s, 2H), 3.73 (s, 4H), 4.98 (s, 1H), 5.04 (d, J = 4.8Hz, 0.3H), 5.12 (d, J = 7.8Hz, 0.7H), 6.28 (s, 0.7H), 6.29 (s, 0.3H), 6.85-6.89 (m, 4H), 7.21-7.31 (m, 7H), 7.36-7.39 (m, 2H), 7.57 (t, J = 7.5Hz, 2H), 7.66 (t, J = 7.3Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.5Hz, 2H), 8.50 (s, 0.3H), 8.52 (s, 0.7H), 8.83 (s, 1H), 11.31 (brs, 1H).
31P-NMR(DMSO-d6)δ:150.13 (s, 0.3H), 150.42 (s, 0.7H).
【0242】
(1−4)G(Pac)アミダイトの合成
【化86】
【0243】
工程1 化合物921の合成
窒素雰囲気下、化合物914(15.0g、26.6mmol)及びグアニン(4.02g、26.6mmol)のシクロペンチルメチルエーテル(135mL)懸濁液にN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(65.1mL、266mmol)及びシクロペンチルメチルエーテル(7.5mL)を加え、内温60〜70℃で10分間攪拌した後、TMSOTf(11.83g、53.20mmol)及びシクロペンチルメチルエーテル(7.5mL)を加え、2時間撹拌した。反応液に内温20〜30℃で酢酸エチル(150mL)を加え、さらに内温15〜30℃で2mol/L塩酸(75mL)、テトラヒドロフラン(150mL)及び水(75mL)を加え、有機層を水(150mL)で2回洗浄した。洗浄液は合わせて酢酸エチル(150mL)で抽出し、水(75mL)で洗浄した。有機層を合わせて溶媒を減圧留去し、得られた残渣に酢酸エチル(37.5mL)及びn−ヘキサン(112.5mL)を加え、室温で20分間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、ろ取した固体を酢酸エチル−n−ヘキサン(1:9、75mL)で洗浄した後、風乾することにより化合物921(14.35g、収率91.8%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:-0.09 (3H, s), 0.11 (3H, s), 0.85 (9H, s), 3.10 - 3.60 (4H, m), 3.74 (1H, dd, J = 11.8, 6.8Hz), 3.90 (1H, dd, J = 11.9, 9.4Hz), 4.65 (1H, m), 5.09 (1H, t, J = 8.2Hz), 6.50 - 6.70 (3H, m), 8.00 (1H, d, J = 9.0Hz), 10.74 (1H, s), 13.24 (1H, brs).
【0244】
工程2 化合物922の合成
窒素雰囲気下、化合物921(14.0g、23.9mmol)及びN−メチルイミダゾール(7.60mL、95.4mmol)のN,N’−ジメチルアセタミド(70mL)溶液に、1mol/L テトラブチルアンモニウムフロリド−テトラヒドロフラン溶液(28.6mL、28.6mmol)及びN,N’−ジメチルアセタミド(14mL)を加え、内温70〜80℃で8時間撹拌した。EDC塩酸塩(13.72g、71.55mmol)及びN,N’−ジメチルアセタミド(7mL)を内温20〜30℃で加え、4時間撹拌した。反応液にN−メチルイミダゾール(7.60mL、95.4mmol)を加えた後、TBSクロリド(14.38g、95.40mmol)を内温20℃以下で加え、室温で2時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(280mL)及び10%食塩水(140mL)を加え、有機層を水(140mL)で2回洗浄した。洗浄液はそれぞれ酢酸エチル(140mL)で抽出した。有機層を合わせて溶媒を減圧留去し、得られた残渣にアセトニトリル(56mL)、イソプロピルアルコール(28mL)及び水(266mL)を室温で順次加え、内温0〜10℃で1時間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、ろ取した固体をアセトニトリル−水(1:9、70mL)で洗浄した後、減圧下、60℃で乾燥し、化合物922(7.71g、収率74.1%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ :-0.09 (3H, s), 0.10 (3H, s), 0.81 (9H, s), 2.92 (3H, s), 3.89 (2H, dd, J = 33.0, 12.7Hz), 4.33 (2H, s), 5.67 (1H, s), 5.93 (1H, brs), 6.54 (2H, brs), 7.69 (1H, s), 10.72 (1H, brs).
【0245】
工程3 化合物923の合成
窒素雰囲気下、化合物922(7.50g、17.2mmol)のピリジン(37.5mL、464mmol)懸濁液に、内温10〜20℃でトリメチルシリルクロリド(9.33g、85.9mmol)を滴下した後、室温で30分間撹拌した。次に内温0〜5℃でフェノキシアセチルクロリド(3.52g、20.6mmol)を滴下した後、室温で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(150mL)で希釈した後、内温0〜10℃で10%食塩水(37.5mL)及び濃塩酸(30.0mL)の混合液を滴下した。有機層を1mol/L塩酸(75mL)及び水(75mL)で2回洗浄し、次に酢酸エチル(37.5mL)及び2mol/L塩酸メタノール溶液(38.7mL、77.4mmol)を順次加え、室温で1時間撹拌した。得られたスラリーにメタノール(15mL)を加え、室温で30分間撹拌した後、ろ過し、ろ取した固体を酢酸エチル(45mL)で洗浄した後、風乾することにより化合物923(5.51g、収率70.3%)を得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ:2.95 (3H, s), 3.68 (1H, d, J = 13.6Hz), 3.82 (1H, d, J = 13.3Hz), 4.35 (1H, s), 4.41 (1H, s), 4.92 (2H, s), 5.80 (1H, s), 6.99 (3H, m), 7.32 (2H, m), 8.19(1H, s), 11.82(2H, br).
【0246】
工程4 化合物924(Gアミダイト)の合成
窒素雰囲気下、化合物923(500mg、1.10mmol)のジメチルアセタミド(3.5mL)溶液に、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(1.11g、3.29mmol)及びDABCO(369mg、3.21mmol)を加え、室温で2.5時間撹拌した。反応液に10℃以下でDABCO(369mg、3.21mmol)及び2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミジト(0.587mL、2.63mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(10mL)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5mL)及び10%食塩水(2.5mL)を加え、有機層を10%食塩水(5mL)で2回洗浄した。洗浄液は合わせて酢酸エチル(2.5mL)で抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、化合物924(720mg、酢酸エチル9.9wt%含有、収率61.7%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 11.87 (1.0H, br s), 11.77 (1.0H, br s), 8.07 (1.0H, s), 7.40 (1.9H, t, J = 7.4 Hz), 7.35-7.23 (9.0H, m), 7.02-6.97 (3.0H, m), 6.93-6.88 (4.0H, m), 6.08 (1.0H, s), 4.91 (2.0H, s), 4.78 (1.0H, s), 4.64 (0.7H, d, J = 8.8 Hz), 4.59 (0.3H, d, J = 6.0 Hz), 3.75 (4.2H, s), 3.74 (1.8H, s), 3.72-3.60 (0.6H, m), 3.60-3.49 (1.3H, m), 3.48-3.39 (1.4H, m), 3.21 (0.7H, dd, J = 15.4, 11.6 Hz), 2.98 (0.9H, s), 2.97 (2.1H, s), 2.70 (0.6H, dd, J = 10.1, 5.4 Hz), 2.58 (1.4H, t, J = 5.9 Hz), 1.09-1.05 (6.0H, m), 0.91-0.83 (6.0H, m).
31P-NMR (CDCl3) δ: 148.90, 149.98
【0247】
(1−5)MeC(Bz)アミダイトの合成
【化87】
【0248】
工程1 化合物925の合成
化合物915 108.1g(純度:92.53%、含量:100g、0.167mol)、DMF 300ml、イミダゾール47.8g(4.2eq.)、TBSクロリド 51.6g(2.05eq.)を仕込み25℃付近で23時間撹拌を行った。酢酸エチル 600ml、水 600mlを加えて分液を行い、水層を酢酸エチル 300mlで再抽出を行った。有機層を混合し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液 600ml、5%食塩水 600mlで洗浄を行い、溶媒を回収した。TBSOHの除去を目的にトルエン 500ml×3回溶媒置換を行った後、アモルファスを固化させたものをほぐして目的の化合物925(132.6g、粗収率 111.2%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.33 (1H, s), 7.89 (1H, s), 7.41 (2H, d, J = 7.0 Hz), 7.33-7.21 (7H, m), 6.82 (4H, dd, J = 8.8, 5.6 Hz), 5.43 (1H, s), 4.50 (1H, s), 4.04 (1H, s), 3.87 (1H, d, J = 11.8 Hz), 3.789 (3H, s), 3.787 (3H, s), 3.41 (1H, d, J = 11.8 Hz), 3.00 (3H, s), 1.56 (3H, s), 0.75 (9H, s), 0.04 (2H, s), -0.04 (2H, s).
【0249】
工程2 化合物926の合成
化合物925 132.6g(0.167mol相当)、アセトニトリル 800ml、トリエチルアミン 50.7g(3eq.)、4−ジメチルアミノピリジン 2.0g(0.1eq.)、2’,4’,6’−トリイソプロピルスルホニルクロリド 65.8g(1.3eq.)を加え、25℃付近で22時間撹拌した。25%アンモニア水 800mlを加え25℃付近で2時間撹拌した。アセトニトリルを粗く回収し、酢酸エチル 400ml、水 400mlを加えて分液を行い、水層を酢酸エチル 300mlで再抽出した。有機層を混合し、5%食塩水 400ml×2回洗浄を行い、溶媒を回収した。アモルファスを固化させたものをほぐして目的の化合物926(192.8g、化合物915からの粗収率 161.9%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.97 (1H, s), 7.53 (2H, d, J = 7.2 Hz), 7.35-7.25 (7H, m), 6.83 (4H, dd, J = 8.8, 6.8 Hz), 5.51 (1H, s), 4.46 (1H, s), 4.19 (1H, s), 3.88 (1H, d, J = 11.7 Hz), 3.79 (6H, s), 3.39 (1H, d, J = 11.7 Hz), 3.02 (3H, s), 1.85 (3H, s), 1.66 (3H, s), 0.74 (9H, s), 0.04 (2H, s), -0.04 (2H, s).
【0250】
工程3 化合物927の合成
化合物926 192.8g(0.167mol相当)、DMF 500ml、安息香酸無水物 75.6g(2eq.)を加え、25℃付近で22時間撹拌した。酢酸エチル 1000ml、5%炭酸水素ナトリウム 1000mlを加えて分液を行い、水層を酢酸エチル 500mlで再抽出した。有機層を混合し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液 500ml、5%食塩水 500mlで洗浄を行い、溶媒を回収して化合物927の粗生成物を得た。シリカゲル1.3kg、展開溶媒ヘキサン/酢酸エチル=8/2→6/4で精製を行い、アモルファスを固化させたものをほぐして目的の化合物927(124.1g、化合物915からの収率 91%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.33 (2H, d, J = 7.2 Hz), 8.05 (1H, s), 7.53 (1H, dd, J = 7.4, 7.4 Hz), 7.49-7.41 (5H, m), 7.35-7.28 (7H, m), 7.25 (1H, m), 6.84 (4H, dd, J = 8.8, 6.4 Hz), 5.49(1H, s), 4.51 (1H, s), 4.10 (1H, s), 3.90 (1H, d, J = 11.7 Hz), 3.803 (3H, s), 3.800 (3H, s), 3.42 (1H, d, J = 11.7 Hz), 3.11 (3H, s), 1.85 (3H, s), 0.74 (9H, s), 0.04 (2H, s), -0.04 (2H, s).
【0251】
工程4 化合物928の合成
化合物927 124.1g(0.152mol)、テトラヒドロフラン 869ml、1mol/L テトラブチルアンモニウムフロリド/テトラヒドロフラン 182ml(1.2eq.)を加え2時間撹拌を行った。溶媒を回収し、酢酸エチル 620ml、5%炭酸水素ナトリウム水溶液 620mlを加えて分液を行った。5%食塩水 620mlで洗浄し溶媒を回収した。TBSOHの除去を目的にトルエン 620ml×3回溶媒置換を行った後、アモルファスを固化させたものをほぐして目的の化合物928(119.2g、化合物927からの収率 119%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 13.44 (1H, br s), 8.32 (2H, d, J = 7.5 Hz), 7.92 (1H, s), 7.55 (1H, dd, J = 7.3, 7.3 Hz), 7.50-7.43 (4H, m), 7.40-7.30 (7H, m), 7.26 (1H, m), 6.86 (4H, dd, J = 8.8, 3.6 Hz), 5.46 (1H, s), 4.37 (1H, br.s), 4.16 (1H, s), 3.92 (1H, d, J = 12.3 Hz), 3.803 (3H, s), 3.800 (3H, s), 3.57-3.42 (4H, m), 3.63 (1H, d, J = 12.3 Hz), 3.03 (3H, s), 1.90 (3H, s).
【0252】
工程5 化合物929(MeC(Bz)アミダイト)の合成
化合物928 108.2g(0.138mol相当)、ジクロロメタン 564ml、N, N’−ジイソプロピルエチルアミン 35.7g(2eq.)を仕込み、5℃以下で2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスフォロアミダイト 49.0g(1.5eq.)を滴下した。その後、25℃付近で2時間撹拌した。5%炭酸水素ナトリウム水溶液 564mlを加え分液し、溶媒を回収してMeC(Bz)の粗生成物を得た。シリカゲル2.3kg、展開溶媒ヘキサン/酢酸エチル=7/3→5/5で精製を行い、アモルファスを固化させたものをほぐして目的の化合物929(MeC(Bz)アミダイト、105.2g、化合物927からの収率 84%、2種のジアステレオマー比(HPLCの積分値より算出)=54:46)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:(major diastereomer)13.47 (1H, br s), 8.33 (2H, d, J = 7.4 Hz), 7.98 (1H, s), 7.52 (1H, dd, J = 7.4, 7.4 Hz),7.50-7.42 (4H, m), 7.37-7.24 (8H, m), 6.86 (4H, dd, J = 8.8, 6.6 Hz), 5.52 (1H, s), 4.64 (1H, d, J = 6.9 Hz), 4.37 (1H, s), 3.92 (1H, d, J = 11.7 Hz), 3.812 (3H, s), 3.807 (3H, s), 3.57-3.42 (4H, m), 3.51 (1H, d, J = 11.7 Hz), 3.02 (3H, s), 2.36 (2H, t, J = 5.9 Hz), 1.77 (3H, s), 1.14 (6H, d, J = 6.8 Hz), 1.05 (6H, d, J = 6.8 Hz).(minor diastereomer)13.47 (1H, br s), 8.33 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.98 (1H, s), 7.56 (1H, dd, J = 7.3, 7.3 Hz), 7.47-7.43 (4H, m), 7.35-7.28 (7H, m), 7.22 (1H, m), 6.86 (4H, dd, J = 8.8, 5.5 Hz), 5.51 (1H, s), 4.60 (1H, d, J = 4.3 Hz), 4.43 (1H, s), 3.88 (1H, d, J = 11.7 Hz), 3.802 (3H, s), 3.798 (3H, s), 3.64 (1H, m), 3.52 (1H, d, J = 11.7 Hz), 3.52-3.44 (3H, m), 3.04 (3H, s), 2.60-2.52 (2H, m), 1.79 (3H, s), 1.11 (6H, d, J = 6.8 Hz), 0.99 (6H, d, J = 6.8 Hz).
31P-NMR (CDCl3) δ: 151.24, 151.05.
【0253】
2)固相合成
すべてのオリゴヌクレオチドはAKTA Oligopilot10 (GE Healthcare)を用いて、ホスホロアミダイト法により合成した。モノマーは上記アミダイト合成で得られたアミダイトを用いて、0.1Mアセトニトリル溶液に調製した。カップリング時間は5〜10分間とし、1つのモノマーの縮合に4当量のアミダイト体を用いた。PO酸化にはヨウ素/ピリジン/水/=12.7/9/1(w/v/v)を使用し、PS酸化には0.2mol/Lフェニルアセチルジスルフィドのアセトニトリル/3−ピコリン1/1(v/v)溶液を用いた。
【0254】
3)脱保護I (樹脂からの切り出し、塩基及びリン酸の脱保護)
DNAオリゴヌクレオチド(SEQ−1、12)の切り出しは0.2mol/L 水酸化ナトリウム(メタノール/水=4/1)を用いて、室温下で15時間振とうした。樹脂を50%エタノール水で洗浄後、ろ過液を5%クエン酸水溶液で中和して減圧下で濃縮した。
SEQ−2〜6、13〜19、27〜29、33、34、36の切り出しは28%アンモニア水/メチルアミン/エタノール=6/2/2(v/v)を用いて、室温下で24時間振とうした。樹脂を50%エタノール水で洗浄後、ろ過液を減圧下で濃縮した後、凍結乾燥にて白色粉末を得た。
【0255】
4)脱保護II (2’−TBS基の脱保護)
得られた白色粉末に、N−メチルピロリドン/トリエチルアミン/3−フッ化水素トリエチルアミン=6/1/2(v/v)を加えて65℃下で1.5時間撹拌した。反応液に同量のエトキシトリメチルシランを加えて室温下で10分間激しく撹拌すると沈殿物が得られた。2500xg(2分間)にて遠心分離後、有機溶媒層を注意深く除去した。得られた沈殿物にジエチルエーテルを加えて激しく撹拌後、同様に遠心分離を行い有機溶媒を除去して、粗RNA体(白色固体)を得た。
【0256】
5)精製
SEQ−1、12は陰イオン交換モードで精製を行った。SEQ−2〜6、13〜19、27〜29、33、34、36は逆相モードで精製を行った。

陰イオン交換モードの条件
移動相 A液:20mmol/L Tris−HCl(pH8)/ 1mmol/L EDTA
B液:20mmol/L Tris−HCl(pH8)/ 1mmol/L EDTA 2.0M NaBr
B濃度グラジエント:10−80%
Column:SOURCE 30Q(26/10)(GE Healthcare社製)
流速:19mL/min
カラム温度:室温
検出UV:260nm

逆相モードの条件は、SEQ−2は精製条件2を選択し、SEQ−3〜6、13〜19、27〜29、33、34、36は精製条件1を選択した。

精製条件1
移動相 A液:10mmol/L TEAA(pH7)
B液:10mM TEAA(pH7)/アセトニトリル=1/1(v/v)
B濃度グラジエント:20−60%
Column:YMC Hydrosphere C18(20x100mm)(YMC社製)
流速:15mL/min
カラム温度:室温
検出UV:260nm

精製条件2
移動相 A液:50mmol/L リン酸緩衝液(pH8)
B液:アセトニトリル
B濃度グラジエント:30−60%
Column:YMC−Pack C4(20x100mm)(YMC社製)
流速:15mL/min
カラム温度:室温
検出UV:260nm
【0257】
6)精製オリゴヌクレオチドの脱塩及び凍結乾燥
得られたオリゴヌクレオチドはVivaSpin20(MWCO 3000)(Sartorius社製)を用いて、限外濾過を繰り返すことでフラクションに含まれる塩成分を除去した。その後、凍結乾燥にて目的とするオリゴヌクレオチドを粉末として得た。
【0258】
7)各オリゴヌクレオチドについて
PO酸化にはヨウ素/ピリジン/水/=12.7/9/1(w/v/v)を使用し、PS酸化には0.2mol/Lフェニルアセチルジスルフィドのアセトニトリル/3−ピコリン1/1(v/v)溶液を用いた。
(7−1)SEQ−2の合成
5’末端のα―トコフェロール体(化合物204)の導入は5’−Tocopherol−CE Phosphoramidite(link technologies社より購入)を用いた。
【0259】
(7−2)SEQ−3又は4(リンカーがL6)の合成
5’末端のアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNac誘導体、化合物205)の導入には化合物1を用いた。
【0260】
(7−3)SEQ−5、6又は13(リンカーがL7)の合成
3’末端のアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNac誘導体、化合物205)の導入には合成固相担体として化合物1001を用いた。
【0261】
(7−4)SEQ−14(リンカーがL8)の合成
シグマアルドリッチ社から市販されているMMT−Hexylaminolinker amiditeを用いて5’末端にアミノ基を露出させた状態でオリゴヌクレオチド合成を終了した。その後、HBTUを用いて化合物2と縮合することでアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNac誘導体、化合物205)の導入を行い、切り出し、脱保護を行った。
【0262】
(7−5)SEQ−15、16又は28(リンカーがL9)の合成
3’末端のアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNac誘導体、化合物205)の導入には合成固相担体として化合物1002を用いた。
【0263】
(7−6)SEQ−29(リンカーがL9)の合成
3’末端のアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNac誘導体、化合物205)の導入には合成固相担体として化合物1002を用いた。LNA(化合物203)を導入するためのアミダイト試薬はコスモ・バイオ株式会社から購入した。
【0264】
(7−7)SEQ−17(リンカーがL10)、18(リンカーがL11)、19(リンカーがL12)又は33(リンカーがL13)の合成
3’末端のアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNac誘導体、化合物205)の導入には合成固相担体として、それぞれ化合物1003、1004、1005又は1006を用いた。
【0265】
(7−8)SEQ−34(リンカーがL9L14)の合成
3’末端のアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNac誘導体、化合物205)の導入には合成固相担体として化合物1002を用いた。また、ジスルフィド結合の導入にはLinkTechnology社から市販されているThiol−Modifier−C6−S−S CE Phosphoroamidete試薬を用いた。
【0266】
(7−9)SEQ−35(リンカーがL15)の合成
シグマアルドリッチ社から市販されているMMT−Hexylaminolinker amiditeを用いて5’末端にアミノ基を有するオリゴヌクレオチドを得る。その後、化合物20と縮合させることでアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNac誘導体、化合物205)を導入することができる。
【0267】
(7−10)SEQ−36(リンカーがL16)の合成
シグマアルドリッチ社から市販されているMMT−Hexylaminolinker amiditeを用いて5’末端にアミノ基を有するオリゴヌクレオチドを樹脂上に合成した。この樹脂(14mg、0.5μmol相当)に対して、化合物21のNMP溶液(0.15mL、4μmol相当)を加えて50℃下で1日間加熱することで、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNac誘導体、化合物205)の導入を行った。
【0268】
(7−11)オリゴヌクレオチドの購入
オリゴヌクレオチド(SEQ―26)は株式会社ジーンデザイン社(大阪、日本)から購入した。
【0269】
8)オリゴヌクレオチドの純度分析
得られたオリゴヌクレオチドは、UPLC/MS測定による実測分子量が理論分子量と一致することで、目的の配列が合成できていることを確認した。
Xevo G2 Tof System(Waters社製)
Column:Aquity OST C18(2.1x50mm)(Waters社製)
移動相 A液:200mM 1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール/8mMトリエチルアミン
B液:メタノール
B濃度グラジエント:10−30%(10min)
温度:50℃
流速:0.2mL/min
【0270】
SEQ−1〜6、12〜19、27〜29、33、34、36に関し、精製後、LC/MS測定により分子量の理論値と実測値が一致することで、目的の配列が合成されていることを確認した。結果を表1に示す。



【表1】
【0271】
9)二重鎖核酸の調製
SEQ−7〜11、20〜25、30〜32の二重鎖核酸は以下のようにして調製した。各オリゴヌクレオチドを等モル量混合した後、蒸留水を加えて濃度0.5mmol/L溶液とした。その後60℃下で10分間静置後、室温まで自然冷却させることで二重鎖核酸を得た。二重鎖形成の確認は、サイズ排除クロマトグラフィーにより実施した。
Column:YMC−PAC Diol−120(4.6x300mm)(YMC社製)
移動相:10%アセトニトリル含有1xPBS溶液
流速0.5mL/min
温度:室温
同様に、SEQ−37〜40の二重鎖核酸を調製することができる。
【0272】
10)オリゴヌクレオチドの配列
合成したオリゴヌクレオチドを表2〜4に示す。
【表2】

【表3】

【表4】
【0273】
【化88】

【化89】

【化90】

【化91】

【化92】
【0274】
比較例 トコフェロールを含む二本鎖オリゴヌクレオチドのin vivo活性評価
一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−1)とセンス鎖をトコフェロールを含む二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−7)のマウス肝臓におけるACSL1のmRNA発現量変化によるノックダウン活性評価を行った。C57BL/6J(オス7週齢、日本クレア社)に4週間、高脂脂肪食(60%kcal脂肪:TestDiet社製)を4週間与えることで食餌誘導性肥満(DIO)マウスを作製した。DIOマウスへ、生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬工場)に溶解したSEQ−7の溶液、約0.2mLを、マウス個体あたり投与量がアンチセンスオリゴ量換算で1.1mg/kg、3.3mg/kg又は10mg/kgとなるように静脈投与あるいは皮下投与した。陽性対照として、SEQ−1の溶液を、マウス個体あたり投与量が10mg/kgとなるように投与した。投与7日後にソムノペンチル麻酔下で肝臓組織を採取した。肝臓からのRNA抽出はRNeasy 96 Universal Tissue Kit(Qiagen社製)を用いてメーカー推奨プロトコル通りに行った。得られたRNAのうち1000ngを、SuperScript III First−Strand Synthesis SuperMix for qRT−PCR(Life Science社製)を用いて、標準プロトコルに準じて逆転写を行うことでcDNAを得た。SYBR Premix Ex Taq II(タカラバイオ社製)を用いて定量的PCRを行った。
マウスACSL1の発現量を測定するために使用したプライマー配列は、
Fwプライマー:AGGTGCTTCAGCCCACCATC(配列番号:3)
Rvプライマー:AAAGTCCAACAGCCATCGCTTC(配列番号:4)
を用い、
マウスGAPDHの発現量を測定するために使用したプライマー配列は、
Fwプライマー:TGTGTCCGTCGTGGATCTGA(配列番号:5)
Rvプライマー:TTGCTGTTGAAGTCGCAGGAG(配列番号:6)
を用いた。ノックダウン効率は、Gapdhで正規化したAcsl1のmRNA減少量について、生理食塩水投与群に対する割合として示した。
内在性コントロールとしてGAPDHを使用し、プライマーはin vitro実験と同一のものを用いた。結果を図1に示す。GAPDHで正規化したACSL1のmRNA量について、生理食塩水投与群に対する割合を示した。この結果、トコフェロールを含む二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−7)は、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−1)と比較して静脈投与においては約9倍のノックダウン活性の向上が確認されたが、皮下投与においてはノックダウン活性の向上は確認できなかった。
【0275】
実施例4 本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドのin vivo活性評価
(4−1)静脈投与又は皮下投与における本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドのノックダウン活性
本実施例では、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−1)とセンス鎖の5’末端にアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNAc誘導体)を含む本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−8)のマウス肝臓におけるACSL1のmRNA発現量変化によるノックダウン活性評価を行った。C57BL/6J(オス7週齢、日本クレア社)に4週間、高脂脂肪食(60%kcal脂肪:TestDiet社製)を4週間与えることで食餌誘導性肥満(DIO)マウスを作製した。DIOマウスへ、生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬工場)に溶解したSEQ−8の溶液、約0.2mLを、マウス個体あたり投与量がアンチセンス鎖量換算で2.2mg/kg、6.6mg/kg及び20mg/kgとなるように静脈投与あるいは皮下投与した。陽性対照として、SEQ−1の溶液を、マウス個体あたり投与量が20mg/kgとなるように投与した。投与7日後にソムノペンチル麻酔下で肝臓組織を採取し、活性評価を行った。結果を図2に示す。この結果、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−8)は、静脈投与及び皮下投与いずれにおいても投与量依存的にノックダウン活性が向上し、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−1)と比較して約9倍のノックダウン活性の向上が確認された。
【0276】
(4−2)結合位置又はリン酸結合の異なる本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドのノックダウン活性
一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−1)とセンス鎖の5’末端あるいは3’末端にアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNAc誘導体)を含む本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−8〜11)のマウス肝臓におけるACSL1のmRNA発現量変化によるノックダウン活性評価を行った。C57BL/6J(オス7週齢、日本クレア社)に4週間、高脂脂肪食(60%kcal脂肪:TestDiet社製)を4週間与えることで食餌誘導性肥満(DIO)マウスを作製した。DIOマウスへ、生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬工場)に溶解したSEQ−8〜11いずれかの溶液、約0.2mLを、マウス個体あたり投与量がアンチセンス鎖換算量で2.2mg/kg、6.6mg/kg及び20mg/kgとなるように皮下投与した。陽性対照として、SEQ−1の溶液を、マウス個体あたり投与量が20mg/kgとなるように投与した。投与7日後にソムノペンチル麻酔下で肝臓組織を採取し、活性評価を行った。結果を図3に示す。この結果、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、皮下投与において、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体の結合位置及びリン酸結合の違いによってノックダウン活性に差はなく、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−1)と比較して約9倍のノックダウン活性の向上が確認された。
【0277】
(4−3)リン酸結合の異なる本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドのノックダウン活性
本実施例では、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−12)とセンス鎖の3’末端にアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNAc誘導体)を含む本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−21又は22)のマウス肝臓におけるACSL1のmRNA発現量変化によるノックダウン活性評価を行った。C57BL/6J(オス7週齢、日本クレア社)に4週間、高脂脂肪食(60%kcal脂肪:TestDiet社製)を4週間与えることで食餌誘導性肥満(DIO)マウスを作製した。DIOマウスへ、生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬工場)に溶解したSEQ−21又は22の溶液、約0.2mLを、マウス個体あたり投与量がアンチセンス鎖量換算で2mg/kg及び4mg/kgとなるように静脈投与あるいは皮下投与した。陽性対照として、SEQ−12の溶液を、マウス個体あたり投与量が20mg/kgとなるように投与した。投与3日後及び7日後にソムノペンチル麻酔下で肝臓組織を採取し、活性評価を行った。結果を図4に示す。この結果、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−21又は22)は、投与量依存的にノックダウン活性が向上し、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体を結合させるリン酸結合の違いによってノックダウン活性に差はなく、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−12)と比較して10分の1の投与量で同程度の活性を示した。
【0278】
(4−4)リンカー部位構造の異なる本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドのノックダウン活性
本実施例では、センス鎖の3’末端に種々のリンカー構造を介して結合させたアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNAc誘導体)を含む本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−20,23〜25)のマウス肝臓におけるACSL1のmRNA発現量変化によるノックダウン活性評価を行った。C57BL/6J(オス8週齢、日本クレア社)へ、生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬工場)に溶解した二本鎖オリゴヌクレオチドの溶液、約0.2mLを、マウス個体あたり投与量がアンチセンス鎖量換算で2mg/kg及び4mg/kgとなるように1週間おきに2回、皮下投与した。最終投与後7日目に、ソムノペンチル麻酔下で肝臓組織を採取し、活性評価を行った。結果を図5に示す。この結果、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド群(SEQ−20,23〜25)において、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体を結合させるリンカー部位構造の違いによってノックダウン活性に大きな差は認められなかった。また、いずれの二本鎖オリゴヌクレオチドも投与量依存的にノックダウン活性が向上した。
【0279】
(4−5)本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドと一本鎖オリゴヌクレオチドのノックダウン活性比較
本実施例では、センス鎖の3’末端にアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNAc誘導体)を含む本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−31)と3’末端にアシアロ糖タンパク質受容体を含むアンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−29)のマウス肝臓におけるApoBのmRNA発現量変化によるノックダウン活性評価を行った。比較対象として、アンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−26)、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体を含まない二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−30)、アンチセンス鎖の3’末端にアシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘c導体(GalNAc誘導体)を含む二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−32)を用いた。C57BL/6J(オス7週齢、日本クレア社)へ、生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬工場)に溶解した二本鎖オリゴヌクレオチドの溶液、約0.2mLを、マウス個体あたり投与量がアンチセンス鎖量換算で0.2mg/kgとなるように皮下投与した。投与後3日目にソムノペンチル麻酔下で肝臓組織を採取し、活性評価を行った。
肝臓からのRNA抽出はRNeasy Mini Kit(Qiagen社製)を用いてメーカー推奨プロトコル通りに行った。得られたRNAのうち10ngを、One Step SYBR PrimeScript PLUS RT−PCR Kit(タカラバイオ社製)を用いて、定量的PCRを行い ApoB mRNAの発現量を評価した。
マウスApoBの発現量を測定するために使用したプライマー配列は、
Fwプライマー:TCATGTGGCTGATGGACTCATTC(配列番号:7)
Rvプライマー:CGTCCACAGTATATGTTCCAGCGTA(配列番号:8)
を用いた。
マウスGapdhの発現量を測定するために使用したプライマー配列は、
Fwプライマー:TGTGTCCGTCGTGGATCTGA(配列番号5)
Rvプライマー:TTGCTGTTGAAGTCGCAGGAG(配列番号6)
を用いた。
各サンプル投与群におけるGapdhのmRNA発現量で正規化したApoBの mRNA発現量について、生理食塩水投与群の発現量を100%とした場合の相対値(%)を比較した。結果を図6に示す。この結果、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチド(SEQ−31)はアンチセンスオリゴヌクレオチド(SEQ−26)が活性を示さない低投与量域においても80%ノックダウン活性を示し、前述の実施例に示す結果と同様に、活性の向上が確認された。一方、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNAc誘導体)を含まない二重鎖オリゴヌクレオチドであるSEQ−30、アシアロ糖タンパク質受容体と相互作用を有する糖誘導体(GalNAc誘導体)を含むものの、一本鎖構造であるSEQ−29や二本鎖オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖に結合するSEQ−32では、ノックダウン活性の向上は認められなかった。
以上の結果から、本発明の二重鎖オリゴヌクレオチドは、肝臓における標的遺伝子を効率よくノックダウンさせる最適な設計であることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0280】
以上の実施例から明らかなように、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、静脈注射投与、皮下投与のいずれであっても、肝臓における標的遺伝子の発現抑制活性が優れている。したがって、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは活性成分であるDNAアンチセンスオリゴヌクレオチドを肝臓へ効率よく輸送するため複合体として非常に有用である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]