(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
インプラントは、元々人体組織が喪失された時、回復させる代替物を意味するが、歯科では、人工歯を移植する一連の施術を示す。
【0003】
インプラントを簡単に説明すれば、喪失された歯根(根)の代わりに、人体に拒絶反応のないチタン(titanium)などで作った歯根であるフィクスチャー(fixture)を抜歯された歯槽骨に植えた後、人工歯を固定させて、歯牙の機能を回復させる施術である。
【0004】
インプラント施術は、フィクスチャーの種類によって多様であるが、所定のドリルを使って植立位置を穿孔した後、フィクスチャーを歯槽骨に植立して骨に骨融合させた後、フィクスチャーに支台柱(abutment)を結合させた後に、支台柱に最終補綴物を被せることによって、完了することが一般的である。
【0005】
一般補綴物や総入れ歯の場合、経時的に周の歯牙と骨とが傷むが、インプラントは、周辺歯牙組織を傷まないようにし、自然歯と機能や形状において同じながらも、虫歯が生じないので、半永久的に使える長所がある。
【0006】
また、インプラント施術は、単一欠損歯の修復はもとより部分無歯症及び完全無歯症患者に義歯の機能を増進させ、補綴修復の審美的な面を改善させ、さらに周の支持骨組織に加えられる過度な応力を分散させると共に、歯列の安定化に役に立つ。
【0007】
一方、インプラント施術は、その施術過程で歯茎切開、ドリルによる穿孔などを行うことによって、被施術者に多くの苦痛を誘発する。したがって、インプラント施術で、施術部位に対する局部麻酔は必須である。
【0008】
このような局部麻酔は、通常注射器で麻酔液を加圧して施術部位に麻酔液を注入する方式でなされる。この際、麻酔液の注入速度、すなわち、麻酔液の加圧速度が早ければ、麻酔液の注入部位に過度な圧力が発生し、それにより、被施術者が痛みを感じる。
【0009】
したがって、麻酔液の注入は、なるべく遅い速度でなされなければならない。ところで、麻酔液の注入速度を遅らせば、麻酔液の注入時間が増え、結局、施術者が注射器を持っている時間が増える。
【0010】
施術者が注射器を持っている時間が増えれば、施術者が一定の注入速度を保持しにくく、施術者の手ぶれ現象によって被施術者が痛みを感じる。したがって、このような問題点を解決するために、
施術者が麻酔液の注入のために直接麻酔液を加圧せず、別途の加圧器具を通じて麻酔液を加圧する方式の薬液注入装置の開発が要求されている。
【0011】
また、このような薬液注入装置は、使用の便宜性のために、小型化またはスリム化が必須であり、このような小型化またはスリム化を果たすために、内部部品の配置(layout)が最適化された薬液注入装置の開発が必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、麻酔液などの注射液の注入のために、
施術者が直接注射液を加圧する必要がなく、内部部品の配置が最適化されて、小型化及びスリム化された薬液注入装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面によれば、注射液が入れられたアンプルを収容するアンプル収容部を備え、前記注射液を被施術者に注入する注入ユニットと、前記注入ユニットに連結されて、前記注射液を加圧し、前記注射液を加圧する速度を選択的に調節して、前記被施術者の体内に注入される前記注射液の注入速度を調節する注入速度調節ユニットと、を含み、前記注入速度調節ユニットは、前記アンプル収容部が着脱自在に結合される注入ユニット結合部と、前記アンプル収容部に収容された前記アンプルに連結されて、前記注射液を加圧する加圧プランジャーと、前記加圧プランジャーと同一軸線上に配され、前記加圧プランジャーをアップ/ダウン(up/down)させる加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュールと、を含む薬液注入装置が提供されうる。
【0014】
前記加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュールは、前記加圧プランジャーに歯合されるリードスクリューと、前記リードスクリューを回転させる駆動モータと、前記加圧プランジャーの移動をガイドするガイド部と、を含みうる。
【0015】
前記ガイド部は、前記加圧プランジャーの回転を阻止する回転阻止部を含みうる。
【0016】
前記回転阻止部は、前記加圧プランジャーの外側壁に形成される非曲線形側面部に結合される非曲線形内壁部を含みうる。
【0017】
前記加圧プランジャーは、内壁部に前記リードスクリューに歯合される雌ネジ部が設けられるプランジャー本体と、前記プランジャー本体の上端部に結合されるプランジャーキャップと、を含みうる。
【0018】
前記プランジャーキャップは、前記プランジャー本体に連結され、円筒状を有するキャップ胴部と、前記キャップ胴部に連結され、断面積が前記キャップ胴部の断面積よりも小さく設けられるネック部と、前記ネック部に連結され、断面積が前記ネック部の断面積よりも大きく設けられるキャップヘッド部と、を含みうる。
【0019】
前記プランジャーキャップは、前記ネック部に支持される気密部材をさらに含みうる。
【0020】
前記注入ユニット結合部は、前記アンプル収容部の末端部領域が挿入される挿入溝に設けられる注入ユニット結合用胴部と、前記注入ユニット結合用胴部に設けられ、前記アンプル収容部の回転時に、前記アンプル収容部の外側壁から側方向に突設される突出部材に係合される係止片部と、を含みうる。
【0021】
前記係止片部は、前記突出部材の上端部を支持する上部係止片と、前記突出部材の下端部を支持し、前記上部係止片側に付勢される下部係止片と、を含みうる。
【0022】
前記係止片部は、前記突出部材の前端部を支持し、前記突出部材のアンプル収容部の回転を制限するストッパーをさらに含みうる。
前記注入速度調節ユニットは、前記加圧プランジャーが貫通し、前記注入速度調節ユニットの内部への液体の侵入を防止する防水部をさらに含みうる。
【0023】
前記防水部は、前記加圧プランジャーが貫通する貫通孔が設けられる防水部胴体と、前記防水部胴体に支持され、前記加圧プランジャーの外側壁と前記貫通孔
の側壁との間隙を密封する水密部材と、を含みうる。
【0024】
前記注入速度調節ユニットは、加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュールを制御して、前記加圧プランジャーの加圧速度を可変させる制御部と、前記制御部と電気的に連結されるコントローラ部と、をさらに含みうる。
【0025】
前記注入ユニットは、前記アンプル収容部に連結されるチューブと、前記チューブに連結されるニードルホルダーと、前記ニードルホルダーに結合される体内注入用ニードルと、をさらに含みうる。
【0026】
前記アンプル収容部は、前記アンプルが収容される収容部本体と、前記収容部本体に結合され、前記チューブと連通されるアンプル用ニードルと、を含みうる。
【0027】
前記注入ユニットに結合され、前記制御部に有線または無線で連結されて、前記制御部に信号を送信するスイッチユニットをさらに含みうる。
【0028】
前記スイッチユニットは、前記注射液の加圧をオン/オフ(on/off)するボタンが設けられるパネル部と、前記注入ユニットに結合され、前記パネル部を支持するパネル用ブラケットと、を含みうる。
【0029】
前記注入速度調節ユニットに設けられ、前記駆動モータに電源を供給する充電式バッテリと、前記注入速度調節ユニットに設けられ、前記充電式バッテリを充電する第1コイルと、前記第1コイルに非接触され、前記第1コイルに電気エネルギーを供給する第2コイルが備えられる無接点充電用クラックと、をさらに含みうる。
【0030】
前記注入速度調節ユニットは、前記ニードルホルダーを把持するニードルホルダー用ブラケットをさらに含みうる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の実施形態は、注入速度調節ユニットの加圧プランジャーが注射液を加圧することによって、注射液の注入のために、
施術者が直接注射液を加圧する必要がなく、加圧プランジャーをアップ/ダウンさせる加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュールが加圧プランジャーと同一軸線上に配されることによって、注入速度調節ユニットを小型化またはスリム化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明と本発明の動作上の利点、及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の望ましい実施形態を例示する添付図面及び添付図面に記載の内容を参照しなければならない。
【0034】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することによって、本発明を詳しく説明する。但し、本発明を説明するに当って、既に公知された機能あるいは構成についての説明は、本発明の要旨を明瞭にするために省略する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による薬液注入装置が示された斜視図であり、
図2は、
図1を他の方向から見た斜視図であり、
図3は、
図1のアンプル収容部が示された斜視図であり、
図4は、
図1の注入ユニットの内部が示された図面であり、
図5は、
図1の注入速度調節ユニットが示された図面であり、
図6は、
図5の加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュールが示された図面であり、
図7は、
図6のリードスクリューが示された図面であり、
図8は、
図7のプランジャーキャップとプランジャー本体とが示された図面であり、
図9は、
図7のプランジャーキャップに気密部材が結合された図面であり、
図10は、
図6のガイド部が示された図面であり、
図11は、
図6の防水部が示された図面であり、
図12は、
図5の注入ユニット結合部が示された図面であり、
図13は、
図1の注入速度調節ユニットが無接点充電用クラックに据え置きされた図面である。
【0036】
図1ないし
図13に示したように、本発明の実施形態による薬液注入装置は、注射液Jが入れられたアンプルMを収容するアンプル収容部111を備え、注射液Jを被施術者に注入する注入ユニット110と、注入ユニット110に連結されて注射液Jを加圧し、注射液Jを加圧する速度を選択的に調節して、被施術者の体内に注入される注射液Jの注入速度を調節する注入速度調節ユニット120と、を含む。
【0037】
注入速度調節ユニット120は、アンプル収容部111が着脱自在に結合される注入ユニット結合部130と、前記アンプル収容部111に収容された前記アンプルMに連結されて注射液Jを加圧する加圧プランジャー140と、加圧プランジャー140と同一軸線上に配され、加圧プランジャー140をアップ/ダウンさせる加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュール150と、を含む。
【0038】
本実施形態の注射液Jは、麻酔液など被施術者の体内に注入される多様な薬物を意味する。
【0039】
また、本実施形態において、アンプルMは、注射液Jを収容する。アンプルMは、両端部が開口されるパイプ形態のアンプル胴体M1と、アンプル胴体M1の一側開口部を密封するシーリングキャップM2と、アンプル胴体M1の他側開口部を密封し、アンプル胴体M1の内側壁に沿って移動可能なピストンM3と、を含む。
【0040】
ピストンM3は、注入速度調節ユニット120の加圧プランジャー140に連結されて、注入速度調節ユニット120の作動によってアンプルM内部に収容された注射液Jを加圧する。
【0041】
一方、注入ユニット110は、注射液Jを被施術者に注入する。このような注入ユニット110は、注入速度調節ユニット120の注入ユニット結合部130に着脱自在に結合され、アンプルMを収容するアンプル収容部111と、アンプル収容部111に連結されるチューブ112と、チューブ112に連結されるニードルホルダー113と、ニードルホルダー113に結合される体内注入用ニードル114と、を含む。
【0042】
アンプル収容部111は、アンプルMを収容し、注入速度調節ユニット120の注入ユニット結合部130に着脱自在に結合される。このようなアンプル収容部111は、アンプルMが収容される収容部本体115と、収容部本体115に結合され、チューブ112と連通されるアンプル用ニードル116と、を含む。
【0043】
収容部本体115は、
図4に示したように、内部が中空となり、アンプルMが内部に出入りするように末端部が開口される。また、収容部本体115は、収容部本体115の末端部領域の外側壁から側方向に突設される突出部材117を含む。
【0044】
本実施形態において、突出部材117は、一対に備えられ、収容部本体115の中心軸線を基準に対称に配される。
【0045】
このような突出部材117によって、収容部本体115が注入速度調節ユニット120の注入ユニット結合部130に係合されるが、説明の便宜上、注入ユニット結合部130の構造は後述する。
【0046】
アンプル用ニードル116は、収容部本体115の上側壁に結合され、チューブ112と連通される。このようなアンプル用ニードル116は、アンプルMが収容部本体115に収容時に、アンプルMのシーリングキャップM2を貫通してアンプルM内部と連通される。
【0047】
チューブ112は、アンプル収容部111に連結され、アンプル用ニードル116に連通される。また、ニードルホルダー113は、チューブ112に連結され、チューブ112に連通される。したがって、チューブ112を通じてアンプルM内部の注射液Jがチューブ112を通じてニードルホルダー113に流動する。
【0048】
体内注入用ニードル114は、ニードルホルダー113に結合され、ニードルホルダー113に連通される。したがって、ニードルホルダー113に流動した注射液Jが体内注入用ニードル114を通じて被施術者に注入される。
【0049】
また、注入ユニット110は、ニードルホルダー113に連結される棒状の取っ手部118をさらに含む。このような取っ手部118は、
施術者が注入ユニット110を簡便に把持可能にして、操作の便宜性を提供する。
【0050】
一方、注入速度調節ユニット120は、注入ユニット110に連結されて注射液Jを加圧し、注射液Jを加圧する速度を選択的に調節して、被施術者の体内に注入される注射液Jの注入速度を調節する。
【0051】
このような注入速度調節ユニット120は、注入ユニット110のアンプル収容部111が着脱自在に結合される注入ユニット結合部130と、アンプル収容部111に収容されたアンプルMに連結され、注射液Jを加圧する加圧プランジャー140と、加圧プランジャー140と同一軸線上に配され、加圧プランジャー140をアップ/ダウンさせる加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュール150と、を含む。
【0052】
また、注入速度調節ユニット120は、注入ユニット結合部130、加圧プランジャー140及び加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュール150を収容するハウジング121をさらに含む。また、ハウジング121には、アンプル収容部111と注入ユニット結合部130との連結のための通過孔123が設けられる。
【0053】
加圧プランジャー140は、加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュール150によって移動してアンプルMのピストンM3を加圧する。このような加圧プランジャー140は、加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュール150に連結されるプランジャー本体141と、プランジャー本体141の上端部に結合されるプランジャーキャップ142と、を含む。
【0054】
プランジャー本体141は、内部が中空となった棒状に設けられる。このようなプランジャー本体141の内壁部には、後述するリードスクリュー151に歯合される雌ネジ部(図示せず)が設けられる。
【0055】
また、プランジャー本体141の外側壁には、軸方向に配される非曲線形側面部141aが設けられる。したがって、本実施形態において、プランジャー本体141は、
図8に示したように、外周面の一部が軸方向に沿って切断された円筒状に設けられる。
【0056】
プランジャーキャップ142は、プランジャー本体141の上端部に結合される。このようなプランジャーキャップ142は、プランジャー本体141に連結され、円筒状を有するキャップ胴部142aと、キャップ胴部142aに連結され、断面積がキャップ胴部142aの断面積よりも小さく設けられるネック部142bと、ネック部142bに連結され、断面積がネック部142bの断面積よりも大きく設けられるキャップヘッド部142cと、を含む。
【0057】
キャップ胴部142aは、プランジャー本体141の上端部に嵌合される。このようなキャップ胴部142aの末端部には、プランジャー本体141の前端部で陥没して形成された挿入溝141bに嵌合される嵌挿突起142dが突設される。
【0058】
また、プランジャーキャップ142は、ネック部142bに支持される気密部材143をさらに含む。このような気密部材143は、伸縮性のあるリング(ring)状のゴムシールで設けられる。本実施形態において、気密部材143の外径は、キャップヘッド部142c及びキャップ胴部142aの外径よりも大きく設けられる。
【0059】
このような気密部材143は、アスピレーション(aspiration)施術時に使われる。一般的に、アスピレーション施術とは、注射針を被施術者に侵襲させた後、注射針が血管(動脈または静脈)に浸透されたか否かを確認するために、注射器のプランジャーを引っ張ってみる施術を言う。
【0060】
本実施形態で行われるアスピレーション施術方法を説明すれば、気密部材143がアンプル胴体M1の内壁に密着されることによって、外部空気は、ピストンM3と気密部材143との間の空間に流入されることができない。このような状態で加圧プランジャー140が下降すれば、ピストンM3と気密部材143との間の空間に負圧(negative pressure)が発生し、それにより、ピストンM3が下降する。
このような気密部材143は、アスピレーション施術のために使われるものであって、アスピレーション施術を行わない場合には、気密部材143をプランジャーキャップ142から除去されても良い。
【0061】
一方、加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュール150は、加圧プランジャー140と同一軸線上に配され、加圧プランジャー140をアップ/ダウンさせる。
このような加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュール150は、加圧プランジャー 140に歯合されるリードスクリュー151と、リードスクリュー151を回転させる駆動モータ152と、加圧プランジャー140の移動をガイドするガイド部153と、を含む。
【0062】
リードスクリュー151は、プランジャー本体141の雌ネジ部(図示せず)に歯合され、駆動モータ152によって回転して加圧プランジャー140をアップ/ダウンさせる。
【0063】
ガイド部153は、加圧プランジャー140に連結され、加圧プランジャー140の移動をガイドする。このようなガイド部153は、加圧プランジャー140の回転を阻止する回転阻止部154を含む。
【0064】
本実施形態において、回転阻止部154は、加圧プランジャー140の非曲線形側面部141aに結合される非曲線形内壁部154aを含む。
【0065】
このように、ガイド部153の非曲線形内壁部154aが加圧プランジャー140の非曲線形側面部141aに結合されることによって、リードスクリュー151の回転時に、加圧プランジャー140は、リードスクリュー151に沿って回転せず、上下方向に直線運動する。
【0066】
また、ガイド部153には、加圧プランジャー140を露出させる多数個の露出孔155が設けられる。このような露出孔155は、加圧プランジャー140の位置を認識するためのものであって、本実施形態による注入速度調節ユニット120には、露出孔155に隣接した位置に感知センサー(図示せず)が設けられる。このような感知センサー(図示せず)は、加圧プランジャー140のアップ/ダウン時に、それぞれの露出孔155に加圧プランジャー140が露出されるか否かを感知する。
【0067】
一方、注入ユニット結合部130には、注入ユニット110のアンプル収容部111が着脱自在に結合される。このような注入ユニット結合部130は、アンプル収容部111の末端部領域が挿入される挿入溝132に設けられる注入ユニット結合用胴部131と、 注入ユニット結合用胴部131に設けられ、アンプル収容部111の回転時に、アンプル収容部111の突出部材117に係合される係止片部133と、を含む。
注入ユニット結合用胴部131に設けられる挿入溝132は、ハウジング121の通過孔123と連通される。
【0068】
係止片部133は、突出部材117の上端部を支持する上部係止片134と、突出部材117の下端部を支持し、上部係止片134側に付勢される下部係止片135と、を含む。
【0069】
本実施形態において、下部係止片135は、プレート状に設けられるが、両側端部が注入ユニット結合用胴部131に固定される。また、下部係止片135は、両側端部から中央部に行くほど高さが高くなるように折曲形成されて、突出部材117をさらに効果的に加圧する。また、下部係止片135は、折り曲げられた中央部によってアンプル収容部111の回転時に、突出部材117を柔らかに移動させることができる。
【0070】
また、このような係止片部133は、突出部材117の前端部を支持し、突出部材117のアンプル収容部111の回転を制限するストッパー136をさらに含む。このようなストッパー136は、アンプル収容部111が一定角度回転時に、突出部材117の前端部に接触されてアンプル収容部111の回転を阻止する。
【0071】
一方、注入速度調節ユニット120は、前記加圧プランジャー140が貫通し、前記注入速度調節ユニット120の内部への液体の侵入を防止する防水部160をさらに含む。
【0072】
このような防水部160は、前記加圧プランジャー140が貫通する貫通孔162が設けられる防水部胴体161と、前記防水部胴体161に支持され、前記加圧プランジャーの外側壁と前記貫通孔162の側壁との間隙を密封する水密部材163と、を含む。
【0073】
本実施形態において、水密部材163は、Oリング(O−ring)で設けられる。このような水密部材163は、加圧プランジャー140の外側壁に密着されて加圧プランジャー140の外側壁と前記貫通孔162の側壁との間隙を密封することによって、挿入溝132の掃除時に、注入速度調節ユニット120の内部への液体の侵入を防止する。
【0074】
一方、注入速度調節ユニット120は、加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュール150を制御して加圧プランジャー140の加圧速度を可変させる制御部(図示せず)と、制御部と電気的に連結されるコントローラ部(図示せず)と、をさらに含む。
【0075】
制御部は、注入速度調節ユニット120の内部に設けられ、コントロール部(図示せず)は、ケース121の外部に露出される。このようなコントロール部(図示せず)は、施術者が選択した加圧プランジャー140の加圧速度を制御部に入力する。また、コントロール部(図示せず)には、加圧プランジャー140の加圧及び加圧中断を入力するボタン(図示せず)が設けられる。
【0076】
一方、注入速度調節ユニット120は、ニードルホルダー113を把持するニードルホルダー用ブラケット170をさらに含む。このようなニードルホルダー用ブラケット170は、ハウジング121に結合され、ニードルホルダー113を把持して注入ユニット110の携帯を簡便にする。
【0077】
また、注入速度調節ユニット120には、後述するスイッチユニット180が有線で連結される連結用ジャック190が設けられる。
【0078】
一方、本実施形態による薬液注入装置は、注入ユニット110に結合され、制御部に有線または無線で連結されて制御部に信号を送信するスイッチユニット180をさらに含む。
【0079】
このようなスイッチユニット180は、注射液Jの加圧をオン/オフするボタン181が設けられるパネル部182と、注入ユニット110に結合され、パネル部182を支持するパネル用ブラケット183と、を含む。本実施形態において、パネル用ブラケット183は、注入ユニット110の取っ手部118に着脱自在に結合される。
【0080】
このようなスイッチユニット180を通じて、施術者はコントロール部(図示せず)を使わずとも、注射液Jの注入及び注入中断を簡便に制御することができる。
【0081】
このように、本実施形態による薬液注入装置は、スイッチユニット180が注入ユニット110に装着されることによって、施術者が従来技術のように、重いガンタイプを使う必要がなくて、使用が簡便である。また、薬物の注入をペダルで制御するペダルタイプに比べて、施術者が注射液Jの注入及び注入中断を迅速で簡便に行うことができる。
【0082】
一方、本実施形態による薬液注入装置は、注入速度調節ユニット120に設けられ、駆動モータ152に電源を供給する充電式バッテリ(図示せず)と、注入速度調節ユニット120に設けられ、充電式バッテリを充電する第1コイル(図示せず)と、第1コイルに非接触され、第1コイルに電気エネルギーを供給する第2コイル(図示せず)が備えられる無接点充電用クラック200と、をさらに含む。
【0083】
注入速度調節ユニット120には、第1コイル(図示せず)が内蔵され、無接点充電用クラック200には、第2コイルが内蔵される。第1コイルは、接続端子などを通じて第2コイルに連結されていない状態で第2コイルから電流を供給される。すなわち、第2コイルから発生した磁場が第1コイルに誘導されて第2コイルに電流を供給する。
このように、本実施形態による薬液注入装置は、充電式バッテリを無接点方式で充電することによって、充電が簡便であり、接点不良が発生せず、漏電による破損などを防止することができる。
【0084】
このような構成を有する薬液注入装置の動作について説明する。
【0085】
まず、施術者は、被施術者に注射液Jを注入時に、被施術者が痛みを感じない注射液Jの注入速度を決定した後、コントロール部(図示せず)を操作して加圧プランジャー140の加圧速度を設定する。
【0086】
次に、注射液Jの注入のために、施術部位に体内注入用ニードル114を挿入する。
【0087】
以後、施術者は、スイッチユニット180のボタン181を操作して注射液Jの加圧を制御する。
【0088】
施術者が、スイッチユニット180を操作して制御部に注入を指示すれば、加圧プランジャー140がピストンM3を加圧し、ピストンM3の移動によってアンプルM内部の注射液Jが被施術者の体内に注入される。
【0089】
注射液Jの注入過程で、施術者は、被施術者
の状態変化によってスイッチユニット180のボタン181を押して注射液Jの注入を中断することができる。
このように、本実施形態による薬液注入装置は、注入速度調節ユニット120の加圧プランジャー140が注射液Jを加圧することによって、注射液Jの注入のために、
施術者が直接注射液Jを加圧する必要がなく、加圧プランジャー140をアップ/ダウンさせる加圧プランジャーアップ/ダウン駆動モジュール150が、加圧プランジャー140と同一軸線上に配されることによって、注入速度調節ユニット120を小型化またはスリム化することができる。
【0090】
以上、図面を参照して、本実施形態について詳しく説明したが、本実施形態の権利範囲が、前述した図面及び説明に限定されるものではない。
【0091】
このように、本発明は、記載の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を外れずに多様に修正及び変形できるということは、当業者に自明である。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の特許請求の範囲に属するものと言わなければならない。