特許第6482571号(P6482571)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6482571熱交換器用の接続装置および当該接続装置の備え付けられた熱交換器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6482571
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】熱交換器用の接続装置および当該接続装置の備え付けられた熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20190304BHJP
   F28F 9/26 20060101ALI20190304BHJP
   F28D 1/03 20060101ALI20190304BHJP
   F25B 39/02 20060101ALI20190304BHJP
   B60H 1/32 20060101ALI20190304BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20190304BHJP
   B23K 101/14 20060101ALN20190304BHJP
【FI】
   F28F9/02 301E
   F28F9/26
   F28D1/03
   F25B39/02 G
   B60H1/32 613C
   B23K1/00 330H
   B23K101:14
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-556839(P2016-556839)
(86)(22)【出願日】2015年3月4日
(65)【公表番号】特表2017-509854(P2017-509854A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】EP2015054530
(87)【国際公開番号】WO2015135813
(87)【国際公開日】20150917
【審査請求日】2016年10月14日
(31)【優先権主張番号】1452026
(32)【優先日】2014年3月12日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】シルバン、モロー
(72)【発明者】
【氏名】モハメッド、イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ、ビュッソン
【審査官】 庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−524499(JP,A)
【文献】 特開2002−195784(JP,A)
【文献】 特開2005−147427(JP,A)
【文献】 特開平09−310997(JP,A)
【文献】 特開2001−241881(JP,A)
【文献】 特開2003−011652(JP,A)
【文献】 特開2000−179990(JP,A)
【文献】 特表2013−540252(JP,A)
【文献】 特開平09−061070(JP,A)
【文献】 特開平10−281685(JP,A)
【文献】 米国特許第05964281(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/00,9/02,9/26
F28D 1/03
F25B 39/02
B60H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体(L)と第2の流体(G)との間における熱交換器用の接続装置であって、コネクタ(30)と、前記熱交換器の熱交換バンドル(14)における横方向端部パネル(37)とを備え、前記横方向端部パネル(37)は、横断方向に整列した流入/流出開口(47,47’)を備える少なくとも1つの接続要素(38)を含み、前記接続要素(38)は、前記第1の流体が、前記熱交換バンドルと、前記コネクタ(30)の流入および流出開口(34,36)との間を流れることを可能とし、前記流入および流出開口(34,36)は、縦方向に、ないしは前記接続要素(38)の前記流入/流出開口(47,47’)に対してある角度にて整列しており、前記接続要素(38)と前記コネクタ(30)とが実質的に同じ長さであり、
前記接続要素(38)は、前記コネクタ(30)の前記流入/流出開口の一方(36)および前記接続要素(38)の前記流入/流出開口の一方(47)と同軸に配置された主導管(40)と、実質的に当該接続要素(38)の厚みの中に包含されるエルボー導管(42)とを含んでおり、そのエルボー導管(42)は、前記コネクタ(30)の他方の前記流入/流出開口(34)と同軸な端部(44)と、前記接続要素(38)の他方の前記流入/流出開口(47’)と同軸な反対側の端部(46)とを有し、
前記横方向端部パネル(37)は、
前記熱交換バンドル(14)と平行に伸びる主たる下方部分(50)と、前記接続要素(38)の上端部(54)の近くに配置された従たる上方部分(52)とを有する第1プレート(48)であって、前記従たる上方部分(52)が、前記主たる下方部分(50)に対して、所与の距離(d)だけ前記第1プレートの厚み方向に前記コネクタ(30)に向けてずらされている、前記第1プレート(48)と、
前記第1プレート(48)と前記熱交換バンドル(14)の間に挟まれるように、前記第1プレートの前記従たる上方部分(52)上に据え付けられる、前記所与の距離(d)に見合った厚さの第2プレート(56)と、
を含み、
前記第1プレート(48)の前記従たる上方部分(52)と、前記第2プレート(56)との間で、前記接続要素(38)の前記主導管(40)および前記エルボー導管(42)が画成されている
ことを特徴とする接続装置。
【請求項2】
前記主たる下方部分(50)は補強リブ(100)を有していることを特徴とする、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記補強リブ(100)の高さは前記距離(d)よりも小さいことを特徴とする、請求項2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記第1プレート(48)は前記コネクタ(30)に取り付けられており、前記第2プレート(56)は前記熱交換バンドル(14)に取り付けられるように設計されていることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項5】
前記第1プレート(48)もまた前記熱交換バンドル(14)に取り付けられるように設計されていることを特徴とする、請求項4に記載の接続装置。
【請求項6】
前記主導管および/またはエルボー導管(40,42)は、前記第1プレート(48)および/または前記第2プレート(56)をプレス加工することによって形成されていることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項7】
前記接続要素(38)および前記コネクタ(30)は、これらの接続要素およびコネクタが挿入されるように設計された適切な寸法の開口を有するケーシング内に据え付けられるように設計されていることを特徴とする、請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の接続装置。
【請求項8】
請求項1から7のうちいずれか一項に記載の接続装置組み込まれた熱交換器。
【請求項9】
蒸発器として作動するように設計された、請求項8に記載の交換器。
【請求項10】
前記熱交換器の前記熱交換バンドル(14)と前記接続装置とが鑞付けによって組み立てられていることを特徴とする請求項8または9に記載の交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器用の接続装置および当該接続装置の備え付けられた熱交換器に関する。これは特に、蒸発器であってもよい。
【背景技術】
【0002】
車両における客室のための空調装置用の蒸発器で、プレートの重積体によって形成されるバンドル(束)を備えたものが知られている。そのバンドルは、当該バンドルを通過する空気の流れと、当該バンドルの内部を流れる冷媒との間での熱交換を可能とする。バンドルは、横方向パネルとも呼ばれる2つの端部プレート同士の間に配置されている。このタイプの蒸発器は、本件出願人によって出願された特許文献1(FR 2 826 437)で説明されており、当業者によく知られている。
【0003】
蒸発器の一方の端部プレートは、蒸発器内への冷媒の進入および当該流体の退出それぞれのために2つの流通口を有している。
【0004】
通常は金属ブロックから形成される接続装置によって、蒸発器を膨張弁に繋ぐことも知られている。膨張弁は、接続装置の各内部ダクトを介して蒸発器の流入および流出口へそれぞれ繋がれるように設計された、流体の流入および流出口を含んでいる。膨張弁の流入および流出口の各軸線は、互いに平行であって、膨張弁のバルブ(検温体)を実質的に通過する平面内にある。
【0005】
使用時には、蒸発器のバンドルが通常は垂直に配置され、従って蒸発器の流入および流出口が水平に開いている。接続装置の各内部流体ダクトは直線状であり、従って膨張弁も水平を向いている。
【0006】
尤も、膨張弁のバルブの作動を最適化するには、同バルブが高い位置にあるべきことが好ましい。これは、上述した流入出口の平面が垂直か、垂直から僅かに傾いて配置されるように膨張弁の位置を定めることを意味する。しかしながら、このことは接続装置の設計上の問題を引き起こす。特に、同装置の各内部流体ダクトの直線的な配向が維持されるべき場合にそうなる。また、実施される解決策が、交換器の全体寸法を、特にプレートの重積の方向へは増大させないか、僅かにしか増大させないことも望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】仏国特許第2826437号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、特に上述した問題に取り組むように企図されており、この目的のために、第1の流体と第2の流体との間における熱交換器のための接続装置であって、コネクタと、当該交換器の熱交換バンドルの横方向端部パネルとを備えた装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、前記横方向パネルは、横断方向に整列した流入/流出開口を備える少なくとも1つの接続要素を有し、当該接続要素は、第1の流体が、バンドルと、コネクタの流入および流出開口との間を流れることを可能とし、それらの流入および流出開口は、縦方向に整列し、ないしは接続要素の前記流入/流出開口に対して傾斜している。更に、前記接続要素と前記コネクタとが実質的に同じ長さである。
【0010】
換言すると本発明によれば、バンドルとコネクタとの間で第1の流体を案内する接続要素を形成するのに、交換器の横方向パネルが用いられ、それによりコネクタが所望の向きを有することを保証している。そして、当該コネクタの内部流体ダクトを直線状とすることができる。
【0011】
更に本発明は、交換器の設備される環境が、コネクタの内部流体ダクトの方へ同コネクタを延長する自由度を可能とする、という事実を利用している。従って、接続装置の接続要素がこの方向に厚すぎる場合であっても、何ら重要ではない区域において厚すぎるだけなのである。同接続要素は、コネクタによって占められる区域を越えてプレートの縦方向へは延びないからである。
【0012】
一緒に、或いは別々に採用され得る本発明の他の諸特徴によれば:
− 接続要素の前記流入/流出開口は、バンドルの流入および流出コレクタの各端部とは反対の側に配置されるように設計されており、
− 接続要素は、コネクタの流入/流出開口の一方および接続要素の流入/流出開口の一方と同軸に配置された導管、特に主導管を有しており、
− 接続要素は、実質的に当該要素の厚みの中に配置される導管、例えば第2の導管、特にエルボー導管を有しており、そのエルボー導管は、コネクタの他方の流入/流出開口と同軸な端部と、接続要素の他方の流入/流出開口と同軸な反対側の端部とを含んでおり、
− 前記横方向パネルは、バンドルと平行に伸びる主たる下方部分と、前記接続要素の上端部の近くに置かれ、主たる下方部分に対して所与の距離(d)だけ厚み内へずらされた従たる上方部分とを有する第1プレートを有しており、
− 前記横方向パネルは、第1プレートの従たる上方部分上に据え付けられる、所与の距離(d)に見合った厚さの第2プレートを有しており、
− 前記第1および第2プレートは、第1プレートの従たる上方部分と、第2プレートとの間で、接続要素の主導管および第2の導管を画成しており、
− 前記主たる下方部分は補強リブを有しており、
− 前記リブの高さは距離(d)よりも小さく、
− 第1プレートはコネクタに取り付けられており、第2プレートはバンドルに取り付けられるように設計されており、
− 前記第1プレートもまたバンドルに取り付けられるように設計されており、
− 前記主導管および/または前記第2の導管は、前記第1プレートおよび/または前記第2プレートをプレス加工することによって形成されており、
− 接続要素およびコネクタは、同要素およびコネクタが挿入されるように設計された適切な寸法の開口を有するケーシング内に据え付けられるように設計されている。
【0013】
本発明はまた、上述したような接続装置を含んでいる熱交換器、特に蒸発器に関する。
【0014】
一緒に、或いは別々に採用され得る本発明の様々な実施形態によれば:
− 交換器のバンドルと前記接続装置とが鑞付けによって組み立てられ、
− 第1プレートの縦方向および横断方向の寸法は、バンドルの高さおよび深さと実質的に同一である。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照してもたらされる以下の詳細な説明において与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による交換器の全体斜視図。
図2図1の交換器の一部における分解詳細斜視図。
図3図1の交換器における端部の側面図。
図4A図1の交換器における接続要素の斜視図。
図4B図1の交換器における接続要素の反対側の面の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明において、同一の参照符号は、同一の部分、ないしは同様の機能を有する部分を表す。
【0018】
本発明の理解を容易にするため、各図は、「X」、「Y」、「Z」軸系に関して方向付けられている。
【0019】
図1は、本発明による熱交換器10を示している。熱交換器はバンドル14を含んでおり、そのバンドル14は、当該バンドルを通って流れる第1の流体Lと第2の流体Gとの間で熱が交換されることを可能とする。この場合、当該バンドル14は、互いに平行に配置された管16を備えている。当該各管16は、第1の流体Lが各管の内部を流れ、第2の流体Gが管同士の間を流れることを可能とするように設計されている。バンドルはまた、第2の流体Gとの交換表面を増大させるように管16同士の間に配置されるコルゲート(波形)フィンないしインサート58(図3)を含んでいてもよい。
【0020】
図示の実施形態において、交換器10は、第1の流体用の流通管16を形成するように対を成して組み立てられた複数のプレート12を有している。当該各プレート12は、この場合、重積方向「X」に積み重ねられている。各プレート12は、垂直および横断方向「Z」および「Y」に伸びている。
【0021】
この場合、バンドル14の形状は略平行六面体状である。
【0022】
各プレート12は、2つの流体、特に、図1および図2に矢印で示すように、各管ないしプレート12の各対16を通じて流れる、液相および/または気相にある流体「L」(例えば冷媒、特にR134a、1234yf、R734aその他として知られた流体)、および各管ないしプレートの各対16同士の間を横切って流れる空気などの気体「G」の流れのための交互に並んだ回路を形成している。
【0023】
この場合、各プレート12は、略矩形の形状を有し、長さ方向で略垂直に方向「Z」を向き、幅方向で略横断して方向「Y」を向いている。
【0024】
図2に示すように、各プレート12は、上端部18と呼ばれる、同プレートの垂直方向両端部のうちの一方の所に、横断方向に整列した2つの開口20,22を含んでいる。それらの開口20,22は、当該プレート12同士を積み重ねることによって、プレートの各対16それぞれに、第1の流体「L」用の流入導管ないしコレクタ26および流出導管ないしコレクタ28を(前記バンドルの上縁部と呼ばれる一方の垂直方向端縁部に沿って)形成するように設計されている。
【0025】
プレート12の各対によって形成される管16の内部で、第1の流体は、プレートの対における流入口の役目をする一方の開口20から、同流体がUターンを行う所である反対側の縦方向端部(この場合は下端部)へ向かうU字形通路に沿って流れてから、流出口の役目をする他方の開口22へと流れ戻る。そうするために、各プレートには例えば、各開口20,22と当該プレートの反対側の端部との間で第1の流体を案内するように、縦方向に配置された内部仕切りが設けられている。
【0026】
交換器はまた、バンドル14の横方向端部パネル37を有している。横方向とは、図1に示す向きに従って平面Y,Zを通って広がっていることを意味する。当該パネル37は、バンドル14、特にバンドルの(重積方向Xにおける)側縁部を形成する、当該パネル37と接したインサート58を保護するのを助ける。
【0027】
交換器10はまた、本体32と、2つの外部流入/流出開口34,36とを備えたコネクタ30を有している。それらの開口34,36は、バンドル14の流入および流出コレクタ26,28にそれぞれ接続されるように設計されている。当該流入/流出開口34,36は、例えばこの場合のように、前記本体32内部に形成されて、潜在的に各ノズルへと通じるダクト(図示せず)である。当該各通路は、直線状であり、および/または互いに平行であり、特にX方向を向いていることが有利である。前記コネクタ30には、配管および/または膨張弁(図示せず)の取付けを可能とする穴、特にネジ付穴が設けられていてもよい。
【0028】
コネクタ30がバンドル14の実質的な延長部であること、即ち同コネクタが横断方向に突き出ても垂直方向に突き出てもいないが、プレート群12の突出部(図示せず)内に、即ち管群16ないしプレート群12の重積方向Xにおけるプレート群12のバンドル14の延長部内に包含されていることが有利である。
【0029】
本発明によれば、特に図2図4Aおよび図4Bに示すように、横方向パネル37は、バンドル14とコネクタ30との間に差し挟まれる接続要素38を含んでいる。その接続要素38は、バンドルの端部プレート12Fの各開口20,22と、コネクタ30の流入/流出開口34,36とに対応して、同バンドルの流入および流出コレクタ26,28の横断方向に整列した各端部を接続するものである。従って、当該接続要素38は、特にバンドル14の流入および流出コレクタ26,28に面するように設計された流入/流出開口47,47’を有している。
【0030】
コネクタ30の前記流入および流出開口34,36は、縦方向(即ち、この場合は方向Z)に整列されるか、或いは接続要素38の前記流入/流出開口47,47’に対して傾けられて(即ち、方向Yに対して45°または60°よりも大きいことが有利であるゼロでない角度を成して)いるのが有利である。これにより、コネクタを所望の向きで定置することが可能となる。
【0031】
更に、当該接続要素38と当該コネクタ30とは、実質的に同じ長さである(即ち、方向Zにおいて)。これは、接続要素38が、この方向においてコネクタ30と実質的に同じ寸法であるということを意味する。従って、前記横方向パネル37は、方向Xでのコネクタ30の延長をなして、この方向における交換器の寸法を増大させるに過ぎない。
【0032】
当該接続要素38は、コネクタ30よりも幅が広くても、特に横方向パネル37のその他の部分と同じ幅であってもよい。
【0033】
図4Aおよび図4Bに示すように、第1の流体を上述の通りに案内するために、接続要素38はこの場合、コネクタの一方の流入/流出開口36および接続要素38の流入/流出開口の一方47(例えば流出コレクタ28に面した方)と同軸に配置された主導管40を有している。
【0034】
接続要素38はまた、当該接続要素38の厚みの中で略垂直に定置されたエルボー(屈曲)導管42を有している。このエルボー導管42は、コネクタ30の他方の流入/流出開口34と同軸の端部44と、接続要素38の他方(この場合は、流入コレクタ26に面した方)の流入/流出開口47’と同軸な反対側の端部46とを有している。
【0035】
図3図4Aおよび図4Bに示すように、接続要素38は例えば、端部プレート12と平行に配置される主たる下方部分50と、それと連続して、当該接続要素38の上端部54の近くに置かれる従たる部分52とを包含する第1プレート48を含んでいる。当該接続要素38の前記上端部54は、主たる下方部分50に対して縦方向に所与の距離「d」だけずらされている。
【0036】
接続要素38はまた、第1プレート48の従たる上方部分52に面して据え付けられる、所与の距離「d」に見合った厚さの第2プレート56を有している。
【0037】
要素38の主導管40およびエルボー導管42は、第1プレート48の従たる上方部分52と、第2プレート56との間で画成される。
【0038】
この、第1プレート48の従たる上方部分52が距離「d」だけずらされる構成においては、第1プレート48はコネクタ30に取り付けられ、第2プレート56はバンドル14の端部プレート12に(同プレートのコレクタ26,28を形成する部分の所と、インサート58の第1部分の所で)取り付けられる。第1プレート48の主たる下方部分50はこの場合、インサート58の前記第1部分をバンドル14の底部へ向かって延長するインサート58の第2部分に取り付けられる。
【0039】
このレイアウトは、第2プレート56が第1プレート48とバンドル14との間に挟まれることを可能とし、組立体の堅固さを確保する優位性がある。
【0040】
機械的な反転によって、第1プレート48がバンドル14に取り付けられ、第2プレート56がコネクタ30に取り付けられてもよい。可能ではあるが、この配置はより脆弱なものである。この場合、片持ちのコネクタ30によって第2プレート56が応力を受けてしまうかもしれないからである。
【0041】
上述したように、この場合は図3に示すように、バンドル14は、各対16に組まれたプレート12と、バンドル14におけるプレート12の対16同士の間に差し挟まれた所与の厚さ「e」のインサート58とを備えている。
【0042】
この構成においては、横方向パネル37とバンドル14の端部プレート12との間に端部インサート要素58を据え付けるように選択される厚さ「e」に対応した距離だけ、第1プレート48が端部プレート12から隔てられる。従って、バンドル14におけるその他のインサート要素58と同様のインサート要素58を用いることができる。
【0043】
接続要素38の第1および第2プレート48,56は、板金を切削および/またはプレス(スタンピング)加工することによって形成されるのが好ましい。図2に示すように、エルボー導管42はかくして、第1および第2プレート48,56へとそれぞれプレス加工された互いに向かい合う2つのL字状成形部60,62によって画成される。
【0044】
第1プレート48へとプレス加工された成形部62の下方部分は、導管42の端部44と一致する第1切抜部を通じて第1プレート48へと開いている。第2プレート56へとプレス加工された成形部60の上方部分は、導管42の端部46と一致する第2切抜部を通じて第2プレート56へと開いている。
【0045】
交換器の横方向パネル37を画成する第1プレート48の前記主たる下方部分50は、(この場合、縦方向を向いた)補強リブ100を含んでいてもよい。当該リブ100の高さは、距離(d)未満であることが有利である。
【0046】
バンドル14の各プレート12およびコネクタ30もまた、板金を切削および/またはプレス加工することによって形成される。この製造方法によれば、バンドル14の各プレート12,12、横方向パネル37の各プレート48,56、およびコネクタ30の本体32は、鑞付けによって(有利には単一の作業によって)組み立てられる。
【0047】
上述したように冷媒「L」と気体状の流体「G」との間での熱交換を可能とするように設計された交換器10については、プレート12のバンドル14、接続要素38、およびコネクタ30の本体32は、開口(図示せず)を有したケーシング(図示せず)内に据え付けられるように企図されている。その開口の寸法は、従たる上方部分52の寸法に見合ったもので、それによってコネクタ30が突出するものである。前記接続要素38もまた、当該開口内へと挿入されていてよい。
【0048】
そのようなケーシングは、バンドル14全体を保護するのを、また交換器10を通過する気体「G」を導くのを助ける。
【0049】
この目的のためにケーシングは、開口(図示せず)を有した、方向「X」に対して垂直な2つの対向面を有していることが好ましい。それらの開口は、気体「G」がプレートのバンドル14を通過することを可能とするように、バンドル14に対して直角に伸びるものである。
【0050】
そのような交換器10は、自動車両における空調回路内の蒸発器として有利に用いられ得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B