【課題を解決するための手段】
【0007】
ふかし壁には凸型(Aで示す)と凹型(Bで示す)とがあり、これを既設壁、又は新設壁に施工する場合がある。
凸型ふかし壁Aで既設壁に施工する場合、施工部位の既設の壁面材7を切除し、その部分に凸型ふかし壁Aを設ける場合(
図1〜
図3、
図7〜
図10)と、既設壁は切除せずそのままにして既設コンセント4のある部分を施工部位とし、その前面に凸型ふかし壁Aを設ける場合(
図4)の2パターンがある。
凸型ふかし壁Aで新設壁に施工する場合、施工時点では壁面材は張られておらず、柱11や間柱12が剥き出しの状態であり、左右一対の柱11の間を施工部位とし、該施工部位の前面に凸型ふかし壁Aを施工し、施工部位の両側には新設の壁面材9を張ることになる(
図1、
図3)。
凹型ふかし壁Bで既設壁に施工する場合には、前記同様、施工部位の壁面材7を切除し、その部分に凹型ふかし壁Bを設ける(
図6、
図11〜
図13)ことになる。凹型ふかし壁Bで新設壁に施工する場合には、前記同様、左右一対の柱11の間を施工部位とし、該施工部位に新設の壁面材9を施工し、施工部位の両側に新設の壁面材9を「ふかし」て張ることになる(
図6、
図11〜
図13)。
なお、
図1〜
図6までは、
図7〜
図13に示す補強材31a〜31nと下地板32及びT形の表面材33をまとめたパネル取付材3a〜3nによる組み立て例を示す。
【0008】
請求項1に記載の発明は、上記のように凸型ふかし壁Aの既設壁に対する第1の施工方法で(
図1〜
図3、
図7〜
図10)、
凸型ふかし壁Aに用いられるふかしパネル1の設置幅に合わせて既設壁の壁面材7を切除し、切除部分の両側にて既設壁内の柱11を露出させ、
前記柱11の室内側露出面11aに上下方向にて複数のパネル取付材3a〜3nの内、設置される照明器具5の配線6に合わせて選択されたパネル取付材3a・3c〜3nをそれぞれ取り付けて、排除されたパネル取付材3bの空隙部分を配線用空隙Kとし、
前記左右のパネル取付材3a・3c〜3n間に架設されるようにふかしパネル1を取り付け、
前記ふかしパネル1の背面側にてパネル取付材3a・3c〜3nの外側面に照明器具5を設置し、
照明器具5の配線6を前記配線用空隙Kを通して既設壁内に配置することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、凸型ふかし壁Aの既設壁に対する第2の施工方法で(
図4)、
既設壁の既設コンセント4が設置されている部位を含む部分をふかし壁Aの設置部位とし、
新設の壁面材9を介して該設置部位の既設壁内の左右一対の柱11に、その上下方向にて複数のパネル取付材3a〜3nの内、設置される照明器具5の配線6に合わせて選択されたパネル取付材3a・3c〜3nをそれぞれ取り付けて、排除されたパネル取付材3bの空隙部分を配線用空隙Kとし、
前記左右のパネル取付材3a・3c〜3n間に架設されるようにふかしパネル1を取り付け、
前記ふかしパネル1の背面側にてパネル取付材3a・3c〜3nの外側面に照明器具5を設置し、
照明器具5の配線6を前記配線用空隙Kを通して既設コンセント4に接続するように施工することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、凸型ふかし壁Aの新設壁に対する施工方法で(新設壁は既設の壁面材7がなく、柱11や間柱12が露出しているだけなので、
図1、
図3を用いて説明する。)、
凸型ふかし壁Aに用いられるふかしパネル1の設置幅を残し、且つ該設置部位の両側に新設壁の柱11が室内に露出するように新設の壁面材9を張り、
前記柱11の室内側露出面11aに上下方向にて前記新設の壁面材9に沿い、複数のパネル取付材3a〜3nの内、設置される照明器具5の配線6に合わせて選択されたパネル取付材3a・3c〜3nをそれぞれ取り付けて、排除されたパネル取付材3bの空隙部分を配線用空隙Kとし、
前記左右のパネル取付材3a・3c〜3n間に架設されるようにふかしパネル1を取り付け、
前記ふかしパネル1の背面側にてパネル取付材3a・3c〜3nの外側面に照明器具5を設置し、
照明器具5の配線6を前記配線用空隙Kを通して新設壁内に配置することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、凹型ふかし壁Bの既設壁に対する施工方法で(
図6、
図11〜
図13)、
ふかし壁Bに用いられるふかしパネル1の設置幅に合わせて既設壁の壁面材7を切除し、切除部分の両側にて既設壁内の柱11を露出させ、
ふかし壁Bの設置部位の左右の柱11の室内側露出面11a間に架設されるようにふかしパネル1を張り、
前記柱11の室内側露出面11aに上下方向にてふかしパネル1に沿い、複数のパネル取付材3a〜3nの内、設置される照明器具5の配線6に合わせて選択されたパネル取付材3a・3c〜3nをそれぞれ取り付けて、排除されたパネル取付材3bの空隙部分を配線用空隙Kとし、
前記ふかしパネル1の両側に於いて、パネル取付材3a・3c〜3nの前面に、新設の壁面材9を取り付け、
前記新設の壁面材9の背面側にてパネル取付材3a・3c〜3nの内側面に沿って照明器具5を設置し、
前記配線用空隙Kを通して照明器具5の配線6を新設壁内に配置することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、凹型ふかし壁Bの新設壁に対する施工方法で(
図6、
図11〜
図13)、
ふかし壁Bに用いられるふかしパネル1の設置幅に合わせて該設置部位の両端の新設壁の柱11の室内側露出面11a間に架設されるようにふかしパネル1を張り、
前記柱11の室内側露出面11aに上下方向にてふかしパネル1に沿い、複数のパネル取付材3a〜3nの内、設置される照明器具5の配線6に合わせて選択されたパネル取付材3a・3c〜3nをそれぞれ取り付けて、排除されたパネル取付材3bの空隙部分を配線用空隙Kとし、
前記ふかしパネル1の両側に於いて、パネル取付材3a・3c〜3nの前面に、新設の壁面材9を取り付け、
前記壁面材9の背面側にてパネル取付材3a・3c〜3nの内側面に沿って照明器具5を設置し、
前記配線用空隙Kを通して照明器具5の配線6を新設壁内に配置することを特徴とする。
【0013】
請求項6は、請求項1〜3の施工方法(凸型ふかし壁A)において、パネル取付材3a〜3nに代えて、複数本個に分割された補強材31a〜31nと、ふかし壁Aの高さに合致した長さの下地板32と、所定間隔で配線孔33aが穿設された縦片33bとこれから延出された横片33cとを有し、下地板32と同じ長さの表面材33とが備えられ、
下地板32は、前記柱11の室内側露出面11aに設置され、
前記複数の補強材31a〜31nは、その内で、設置される照明器具5の配線6に合わせて選択された補強材31a・31c〜31nをそれぞれ下地板32に上下方向に取り付けて、排除された補強材31bの空隙部分を配線用空隙Kとし、
上下方向に並んだ補強材31a・31c〜31nの外側面に表面材33の縦片33bを取り付けると共に横片33cにて補強材31a・31c〜31nの表面を覆い、
左右の表面材33の横片33c間に架設されるようにふかしパネル1を取り付け、
前記ふかしパネル1の背面側にて表面材33の縦片33bの外側面に照明器具5を設置し、
照明器具5の配線6を前記縦片33bの配線孔33a及び前記配線用空隙Kを通して既設壁、又は新設壁内に配置することを特徴とする。
【0014】
請求項7は、請求項4又は5の施工方法(凹型ふかし壁B)において、パネル取付材3a〜3nに代えて、複数本個に分割された補強材31a〜31nと、ふかし壁Bの高さに合致した長さの下地板32と、所定間隔で配線孔33aが穿設された縦片33bとこれから延出された横片33cとを有し、下地板32と同じ長さの表面材33とが備えられ、
下地板32は、前記柱11の室内側露出面11aに設置され、
前記複数の補強材31a〜31nは、その内で、設置される照明器具5の配線6に合わせて選択された補強材31a・31c〜31nをそれぞれ下地板32に上下方向に取り付けて、排除された補強材31bの空隙部分を配線用空隙Kとし、
上下方向に並んだ補強材31a・31c〜31nの内側面に表面材33の縦片33bを取り付けると共に横片33cにて補強材31a・31c〜31nの表面を覆い、
ふかしパネル1の両側にて左右の表面材33の横片33cに新設の壁面材9を取り付け、
前記新設の壁面材9の背面側にて表面材33の縦片33bの内側面に沿って照明器具5を設置し、
照明器具5の配線6を前記縦片33bの配線孔33a及び前記配線用空隙Kを通して既設壁、又は新設壁内に配置することを特徴とする。
【0015】
請求項8は、請求項1〜5のいずれかに記載の施工方法において使用されるふかし壁ユニットで、
照明器具5と、
前記照明器具5に合わせて選択的に使用され、ふかし壁施工部位にて既設壁、又は新設壁の柱11に固定されるパネル取付材3a〜3nと、
柱11に固定されたパネル取付材3a〜3n間、又は柱11間に架設されるふかしパネル1とで構成されることを特徴とする。
【0016】
請求項9は、請求項6又は7に記載の施工方法において使用されるふかし壁ユニットで、
照明器具5と、
ふかし壁施工部位にて既設壁、又は新設壁の柱11に固定され、ふかし壁Aの高さに合致した長さの下地板32と、
設置される照明器具5の配線6に合わせて選択され、前記下地板32に上下方向に取り付けられる複数の補強材31a〜31nと、
所定間隔で配線孔33aが穿設された縦片33bとこれから延出された横片33cとを有し、下地板32と同じ長さの表面材33と、
前記表面材33の横片33c間、又は柱11間に架設されるふかしパネル1とで構成されることを特徴とする。