(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6482689
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法及び基地局
(51)【国際特許分類】
H04W 28/18 20090101AFI20190304BHJP
H04W 72/12 20090101ALI20190304BHJP
H04W 28/14 20090101ALI20190304BHJP
【FI】
H04W28/18
H04W72/12
H04W28/14
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-568106(P2017-568106)
(86)(22)【出願日】2016年1月22日
(65)【公表番号】特表2018-527783(P2018-527783A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】CN2016071792
(87)【国際公開番号】WO2017000548
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2017年12月28日
(31)【優先権主張番号】201510377761.3
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】王 桂英
(72)【発明者】
【氏名】曹 思萌
【審査官】
松本 光平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−059004(JP,A)
【文献】
徳永和仁、南本真一、金子真菜、神谷陽一、鬼頭理香、櫻本英之、今村一成,新たな音声サービスを実現するVoLTEの開発,NTT DOCOMO テクニカル・ジャーナル VOL.22 NO.2,NTT DOCOMO,2014年 7月,p.11-13,URL,https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/technical_journal/bn/vol22_2/vol22_2_003jp.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半永続的スケジューリング方式が使用可能であるか、UEが半永続的スケジューリング方式をサポートするかを判断するステップと、
半永続的スケジューリング方式が使用可能であり、かつUEが半永続的スケジューリング方式をサポートする場合、半永続的スケジューリングの方式でスケジューリングするステップと、
半永続的スケジューリング方式が使用できず、又はUEが半永続的スケジューリング方式をサポートしない場合、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式が使用できるかを判断し、使用できれば、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式で2個連続の音声データパケットをバインディングしてスケジューリングし、使用できなければ、ダイナミック・スケジューリング方式でスケジューリングするステップとを備え、
前記ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式で2個連続の音声データパケットをバインディングしてスケジューリングするステップは、
プリセットした時間間隔内に、連続着信した2個音声データパケットを取得するステップと、
前記2個音声データパケットの属性情報を取得して、MACへ送信するステップと、
2個音声データパケットの属性情報に基づき、バッファにおいて、バッファスペースをリザーブするステップと、
前記リザーブするバッファスペースにおいて、前記2個音声データパケットをスケジューリングするステップとを備えることを特徴とする音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法。
【請求項2】
前記音声データパケットの属性情報は、音声データパケットのサイズと、音声データパケットにおけるヘッド圧縮の有無と、音声データパケットのコーディングフォーマットとを含むことを特徴とする請求項1に記載の音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法。
【請求項3】
前記リザーブするバッファスペースにおいて、前記2個音声データパケットをスケジューリングするステップは、
アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、LGGが1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、アップリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、アップリングリザーブするバッファスペースを登録するステップと、
ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、QCIが1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、ダウンリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、ダウンリングリザーブするバッファスペースを登録するステップとを備えることを特徴とする請求項1に記載の音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法。
【請求項4】
前記半永続的スケジューリング方式が使用できるか、UEが半永続的スケジューリング方式をサポートするかを判断する前に、前記MACは、ダイナミック・スケジューリング方式で、前記音声データパケットをスケジューリングするステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法。
【請求項5】
半永続的スケジューリング方式が使用できるか、UEが半永続的スケジューリング方式をサポートするかを判断する判断モジュールと、
半永続的スケジューリング方式が使用でき、かつUEが半永続的スケジューリング方式をサポートする場合、半永続的スケジューリングの方式でスケジューリングする半永続的スケジューリングモジュールと、
半永続的スケジューリング方式が使用できず、又はUEが半永続的スケジューリング方式をサポートしない場合、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式が使用可能であるかを判断し、使用できれば、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式で、2個連続の音声データパケットをバインディングしてスケジューリングし、使用できなければ、ダイナミック・スケジューリング方式でスケジューリングするダイナミック・ディレイ・スケジューリングモジュールとを備え、
前記ダイナミック・ディレイ・スケジューリングモジュールは、
プリセットした時間間隔内に、連続着信した音声データパケットを取得する第1取得サブモジュールと、
第1取得サブモジュールが取得した2個音声データパケットから、音声データパケットの属性情報を取得してMACへ送信する第2取得サブモジュールと、
第2取得サブモジュールが取得した音声データパケットの属性情報に基づき、バッファにおいて、バッファスペースをリザーブするリザーブサブモジュールと、
前記リザーブするバッファにおけるバッファスペースにおいて、2個音声データパケットをスケジューリングするスケジューリングサブモジュールとを備えることを含めることを特徴とする基地局。
【請求項6】
前記スケジューリングサブモジュールは、
アップリングダイナミック・ディレイスケジューリングの場合、LGGが1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、アップリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、アップリングリザーブするバッファスペースを登録するアップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングサブモジュールと、
ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、QCIが1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、ダウンリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、ダウンリングリザーブするバッファスペースを登録するダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングサブモジュールとを備えることを特徴とする請求項5に記載の基地局。
【請求項7】
前記音声データパケットの属性情報は、音声データパケットのサイズと、音声データパケットにおけるヘッド圧縮の有無と、音声データパケットのコーディングフォーマットが含まれることを含むことを特徴とする請求項5に記載の基地局。
【請求項8】
前記MACがダイナミック・スケジューリング方式を利用して、前記音声データパケットをスケジューリングするダイナミック・スケジューリングモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信技術分野に関し、特に音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法及び基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
ロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution,LTE)はオールIP基盤の無線通信技術であり、高いUL/DLデータ伝送速度、柔軟な帯域幅配置、簡潔化のネットワーク体系構造を有することにより、4G規格の最有力な競争者となってきた。LTE無線インタフェースのリソースが共有リソースであるため、シグナリングとデータは、このような共有リソースを競争して伝送される。現在、LTE音声(Voice over LTE,VoLTE)サービスに利用する可能性がある無線リソースのスケジューリング方案はダイナミック・スケジューリング、半永続的スケジューリングとグループスケジューリングなどがある。ここで、ダイナミック・スケジューリングは、通用のスケジューリング方法であり、スケジューラは、UEのリソース・リクエストに応じて、無線リソーススケジューリング際の基本単位とする物理リソースブロック(PhysicalResource Block、PRBという)それぞれのために、リソースを割り当てる。半永続的スケジューリングは、VoLTEのようなリアルタイムサービスに採用されれば、シグナリングオーバーヘッドを低減する一方、システム容量を増加可能のスケジューリング方法である。
【0003】
音声データパケットの出力ルールは
図1に示されている。無通話段階で、スケジューリングする必要がある音声データパケットがなくて、この際、ファイル・トランスファー・プロトコル(FILE Transfer Protoco,FTP)又はユーザデータグラムプロトコル(User Datagram Protocol、UDP)などの他のデータサービスに対し、ダイナミック・スケジューリングを行うことができる。通話段階において、ユーザ通話の場合、20msごとに、サンプリングパケットを生成する。なので、ユーザの音声メッセージの生成は予測でき、この場合、毎回のダイナミック・スケジューリングを避けるために、半永続的スケジューリングを利用することで、音声伝送能力が約20%向上されることができる。通話間歇段階に、理論上で、160msごとに、バックグラウンドサウンドシンボルが生成されるが、音声データをスケジューリングしない。音声サービスが始まると、ダイナミック・スケジューリングを採用してスケジューリングし、半永続的スケジューリング方式のスイッチが使用できるか、かつ、UE(User Equipment、UEという)が半永続的スケジューリング方式をサポートするかを判断する。半永続的スケジューリングのスイッチがオンになり、かつUEが半永続的スケジューリング方式をサポートする場合、UEが半永続的スケジューリングの方式でスケジューリングするように設定するが、さもないと、ダイナミック・スケジューリング方式を採用して、スケジューリングするように設定する。3GPPプロトコールによれば、ダイナミック・スケジューリング際のUL/DL変調とコーディング方法(Modulation and Coding Scheme,MCS)のレベール範囲は0〜28であり、スケジューリングたびに、ダウンリンク制御情報(Downlink Control Information,DCIという)、物理ダウンリンク制御情報(Physical Downlink Control Channel,PDCCHという)を発送することにより、リソースのオーバーヘッドが大きくなる。半永続的スケジューリングのレベール範囲は0〜15であり、半永続的スケジューリングの活性や非活性状態のみに、DCIを発送するため、PDCCHのオーバーヘッドが小さい。チャンネル条件が優れている場合、同様に15個のPRBをスケジューリングすると、ダイナミック・スケジューリングのレベールは28、スケジューリングされたリソースブロックサイズは11064であるが、半永続的スケジューリング場合のMCSレベールは15、スケジューリングされているリソースブロックサイズは4264である。ダイナミック・スケジューリング場合のリソースブロックサイズは約半永続的スケジューリング場合の2.5倍になる。即ち、ダイナミック・スケジューリングと半永続的スケジューリングそれぞれの優劣とは、ダイナミック・スケジューリングの場合、より高い変調コーディングレベールをスケジューリングすることができるが、PDCCHのリソースのオーバーヘッドが大きくなってしまう。半永続的スケジューリングの場合、最小のリソースのオーバーヘッドを達成できるが、スケジューリングできる最高MCSレベールは15しかできない。ダイナミック・スケジューリングも半永続的スケジューリングも、実施が簡易なのに、柔軟性に欠如され、ダイナミック・スケジューリングと半永続的スケジューリング両方のメリットをともに活かすことができず、PDCCHリソースを適宜に割り当てできなくて、基地局の総容量を低減させてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題としては、制御チャンネルリソースオーバーヘッドを減少する一方、基地局のスループットを高めることにある。
【0005】
このような発明の目的を達成するために、本発明は、変調コーディングレベールが高いが、PDCCHリソースオーバーヘッドが小さい音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法及び基地局を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一実施態様によれば、本発明は、音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法を提供し、当該方法は、
半永続的スケジューリング方式が使用可能であるか、及びUEが半永続的スケジューリング方式をサポートするかを判断するステップと、
半永続的スケジューリング方式が使用可能であり、かつUEが半永続的スケジューリング方式をサポートする場合、半永続的スケジューリングの方式でスケジューリングするステップと、
半永続的スケジューリング方式が使用できず、又はUEが半永続的スケジューリング方式をサポートしない場合、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式が使用できるかを判断し、使用できれば、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式で2個連続の音声データパケットをバインディングしてスケジューリングし、使用できなければ、ダイナミック・スケジューリング方式でスケジューリングするステップとを備える。
【0007】
好ましくは、前記ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式で2個連続の音声データパケットをバインディングしてスケジューリングするステップは、
プリセットした時間間隔内に、連続着信した2個音声データパケットを取得するステップと、
前記2個音声データパケットの属性情報を取得して、MACへ送信するステップと、
2個音声データパケットの属性情報に基づき、バッファにおいて、バッファスペースをリザーブするステップと、
前記リザーブするバッファスペースにおいて、前記2個音声データパケットをスケジューリングするステップとを備える。
【0008】
好ましくは、前記音声データパケットの属性情報には、音声データパケットのサイズと、音声データパケットにおけるヘッド圧縮の有無と、音声データパケットのコーディングフォーマットが含まれる。
【0009】
好ましくは、前記リザーブするバッファスペースのにおいて、前記2個音声データパケットをスケジューリングするステップは、
アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、LGGが1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、アップリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、アップリングリザーブするバッファスペースを登録するステップと、
ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、QCIが1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、ダウンリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、ダウンリングリザーブするバッファスペースを登録するステップとを備える。
【0010】
好ましくは、前記半永続的スケジューリング方式が使用できるか、UEが半永続的スケジューリング方式をサポートするかを判断する前に、前記方法は、
前記MACは、ダイナミック・スケジューリング方式で、前記音声データパケットをスケジューリングするステップをさらに備える。
【0011】
他の1態様によれば、本発明は基地局を提供し、当該基地局は、
半永続的スケジューリング方式が使用できるか、UEが半永続的スケジューリング方式をサポートするかを判断する判断モジュールと、
半永続的スケジューリング方式が使用でき、かつUEが半永続的スケジューリング方式をサポートする場合、半永続的スケジューリングの方式でスケジューリングする半永続的スケジューリングモジュールと、
半永続的スケジューリング方式が使用できず、又はUEが半永続的スケジューリング方式をサポートしない場合、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式が使用可能であるかを判断し、使用できれば、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式で、2個連続の音声データパケットをバインディングしてスケジューリングし、使用できなければ、ダイナミック・スケジューリング方式でスケジューリングするダイナミック・ディレイ・スケジューリングモジュールとを備える。
【0012】
好ましくは、前記ダイナミック・ディレイ・スケジューリングモジュールは、
プリセットした時間間隔内に、連続着信した音声データパケットを取得する第1取得サブモジュールと、
第1取得サブモジュールが取得した2個音声データパケットから、音声データパケットの属性情報を取得してMACへ送信する第2取得サブモジュールと、
第2取得サブモジュールが取得した音声データパケットの属性情報に基づき、バッファにおいて、バッファスペースをリザーブするリザーブサブモジュールと、
前記リザーブするバッファにおけるバッファスペースにおいて、2個音声データパケットをスケジューリングするスケジューリングサブモジュールとを備える。
【0013】
好ましくは、前記スケジューリングサブモジュールは、
アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、LGGが1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、アップリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、アップリングリザーブするバッファスペースを登録するアップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングサブモジュールと、
ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、QCIが1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、ダウンリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、ダウンリングリザーブするバッファスペースを登録するダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングサブモジュールとを備える。
【0014】
好ましくは、前記音声データパケットの属性情報は、
音声データパケットのサイズと、音声データパケットにおけるヘッド圧縮の有無と、音声データパケットのコーディングフォーマットが含まれる。
【0015】
好ましくは、前記基地局は、前記MACがダイナミック・スケジューリング方式を利用して、前記音声データパケットをスケジューリングするダイナミック・スケジューリングモジュールをさらに備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明が提供するダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法及び基地局によれば、連続着信した2個音声データパケットを音声データとしてバインディングしてPDCCHを介してスケジューリングすることにより、PDCCHリソースのオーバーヘッドを半分削減するだけではなく、高い変調コーディングレベルを保持することができる。本発明は、音声サービスを柔軟にスケジューリングすることができ、PDCCHリソースを適宜に割り当て、基地局のユーザの容量を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面を参照することにより、本発明の特徴及びメリットをさらに明確に理解できる。図面は例示するためすぎず、本発明を制限するものではない。
【
図1】従来技術における音声データパケットの出力ルールを示す図である。
【
図2(a)】実施例1に係るダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法のフローチャートである。
【
図2(b)】実施例1に係るダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法のフローチャートである。
【
図2(c)】実施例1に係るダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法のフローチャートである。
【
図3】実施例2に係るダイナミック・ディレイ・スケジューリング場合の基地局の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面及び実施例に基づき、本発明の具体な実施携帯を詳細に説明する。以下の実施例は本発明を説明するために用いられるが、本発明の範囲を制限するものではない。
【0019】
実施例1
図2(a)に示すように、本発明に係るダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法は、以下のステップを備える。
S1:半永続的スケジューリング方式が使用できるか、UEが半永続的スケジューリング方式をサポートするかを判断し、使用できれば、ステップS2を執行する。使用できなければ、ステップS3を執行する。
S2:半永続的スケジューリング方式でスケジューリングする。
S3:ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式が使用できるかを判断し、使用できれば、ステップS4を執行する。使用できなければ、ステップS5へジャンプする。
S4:ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式で2個連続の音声データパケットをバインディングしてスケジューリングする。
S5:ダイナミック・スケジューリング方式でスケジューリングする。
【0020】
本実施例において、半永続的スケジューリング方式が使用できるとともに、UEが半永続的スケジューリング方式をサポートする場合に限り、半永続的スケジューリング方式でスケジューリングする。使用できなければ、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式を採用する。ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式も使用できなければ、ダイナミック・スケジューリング方式でスケジューリングする。ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式でスケジューリングする場合、連続着信した2個音声データパケットを一つの音声データとしてスケジューリングして、一つのPDCCHを介してスケジューリングすることにより、PDCCHリソースのオーバーヘッドを半分削減するだけではなく、高い変調コーディングレベルを保持することができる。
【0021】
実施する際に、
図2(b)のように、ステップS4は以下のステップをさらに備える。
S401:プリセットした時間間隔内に、連続着信した2個音声データパケットを取得する。
S402:2個音声データパケットの属性情報を取得して、メデイアアクセスコントロールレーヤ(Media Access Control,MAC)へ送信する。
S403:2個音声データパケットの属性情報に基づき、バッファにおいて、バッファスペースをリザーブする。
S404:リザーブするバッファスペースにおいて、前記2個音声データパケットをスケジューリングする。
【0022】
さらに、パッケートデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol,PDCP)は2個音声データパケットの属性情報を取得する。属性情報には、音声データパケットのサイズと、音声データにおけるヘッド圧縮の有無と、音声データパケットのコーディングフォーマットとが含まれる。こうして、音声データパケットの属性情報に基づき、バッファにおいて、バッファスペースをリザーブすることができる。例えば、一種の音声データパケットの属性情報は、IPV4プロトコルに従って伝送し、ヘッド圧縮有、データコーディングフォーマットが狭帯域伝送である。たの一種の音声データパケットの属性情報は、IPV6プロトコルに従って伝送し、ヘッド圧縮なし、データコーディングフォーマットが広帯域伝送である。
【0023】
さらに、好ましくは、ここで、プリセットした時間間隔を40msにする。一つの音声データパケットのサンプリング時間が20msであるため、本方法は、時間的に連続する2個音声データパケットをバインディングしてスケジューリングするため、プリセットした時間間隔は40msとなる。本実施例の音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式により、取得した音声データパケットは一回ごとに二つを超えない。というのは、二つ以上になる場合、音声データパケットの遅延が大きくなり、音声サービスの体験に影響を与えるためである。
【0024】
実施の際に、
図2(c)のように、ステップS404は以下のステップを備える。
S4041:アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、LGG(Logical Channel Group,ロジックチャンネルグループ)が1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、アップリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、アップリングリザーブするバッファスペースを登録する。
S4042:ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、QCI(Qos Class Service,Qosクラスサービス)が1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、ダウンリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、ダウンリングリザーブするバッファスペースを登録する。
【0025】
また、ダイナミック・ディレイ・スケジューリングは、アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングとダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングに分けられる。アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、スケジューリング対象は音声データであるため、アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの音声がアクティブ状態になる場合、LGGが1であるアップリングデータ(アップリングチャンネル伝送のデータタイプが音声データタイプであることを示す)の有無を判断する。2個音声データサイズであるバッファスペースを再度登録することにより、バウンディングされた2個音声データパケットをスケジューリングする。ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの音声データパケットのQCIを1にして、ダウンリングチャンネル伝送のデータタイプが音声データタイプであることを示す。
【0026】
本実施例において、ステップS1の前にいかのステップをさらに備える。
S101:MACはダイナミック・スケジューリング方式で音声データパケットをスケジューリングする(未図示)。
【0027】
実施の場合、半永続的スケジューリング方式が使用可能であるか、及びUEが半永続的スケジューリング方式をサポートするかを判断しない前に、送信された音声データパケットはダイナミック・スケジューリング方式を採用する。
【0028】
よって、本発明が提供したダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法によれば、連続着信した2個音声データパケットを音声データとしてバインディングしてPDCCHを介してスケジューリングすることにより、PDCCHリソースのオーバーヘッドを半分削減するだけではなく、高い変調コーディングレベルを保持することができる。本発明は、音声サービスを柔軟にスケジューリングすることができ、PDCCHリソースを適宜に割り当て、基地局のユーザの容量を高めることができる。
【0029】
実施例2
図3のように、本発明に係る基地局は、
半永続的スケジューリング方式がオンにならない、又はUEが半永続的スケジューリング方式をサポートするか判断する判断モジュールと、
半永続的スケジューリング方式が使用でき、かつ、UEが半永続的スケジューリング方式をサポートする場合、半永続的スケジューリング方式でスケジューリングする半永続的スケジューリングモジュールと、
半永続的スケジューリング方式が使用できない場合、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式が使用可能であるかを判断し、使用できれば、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式で、2個連続の音声データパケットをバインディングしてスケジューリングし、使用できなければ、ダイナミック・スケジューリング方式でスケジューリングするダイナミック・ディレイ・スケジューリングモジュールとを備える。
【0030】
本実施例によれば、半永続的スケジューリング方式が使用できるとともに、UEが半永続的スケジューリング方式をサポートする場合に限り、半永続的スケジューリング方式でスケジューリングし、使用できなければ、ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式を採用する。ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式も使用できなければ、ダイナミック・スケジューリング方式でスケジューリングする。ダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式でスケジューリングする場合、連続着信した2個音声データパケットを一つの音声データとしてスケジューリングして、一つのPDCCHを介してスケジューリングすることにより、PDCCHリソースのオーバーヘッドを半分削減するだけではなく、高い変調コーディングレベルを保持することができる。
【0031】
実施する際に、ダイナミック・ディレイ・スケジューリングモジュールは、
プリセットした時間間隔内に、連続着信した音声データパケットを取得する第1取得サブモジュールと、
第1取得サブモジュールが取得した2個音声データパケットから、音声データパケットの属性情報を取得してMACへ送信する第2取得サブモジュールと、
第2取得サブモジュールが取得した音声データパケットの属性情報に基づき、バッファにおいて、バッファスペースをリザーブするリザーブサブモジュールと、
前記リザーブするバッファにおけるバッファスペースにおいて、2個音声データパケットをスケジューリングするスケジューリングサブモジュールとを備える。
【0032】
また、パッケートデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol,PDCP)は2個音声データパケットの属性情報を取得する。属性情報は、音声データパケットのサイズと、音声データにおけるヘッド圧縮の有無と、音声データパケットのコーディングフォーマットとを含む。こうして、音声データパケットの属性情報に基づき、バッファにおいて、バッファスペースをリザーブする。例えば、1種の音声データパケットの属性情報は、IPV4プロトコルに従って伝送し、ヘッド圧縮あり、データコーディングフォーマットが狭帯域伝送である。他の1種の音声データパケットの属性情報は、IPV6プロトコルに従って、ヘッド圧縮なし、データコーディングフォーマットが広帯域伝送である。
【0033】
また、好ましくは、プリセットした時間間隔を40msにし、一つの音声データパケットのサンプリング時間を20msにする。本方法は2個音声データパケットをバインディングしてスケジューリングするため、プリセットした時間間隔が40msとなり、本実施例の音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方式により、取得した音声データパケットは一回ごとに二つを超えない。二つ以上になる場合、音声データパケットの遅延が大きくなり、音声サービスの体験に影響を与える。
【0034】
実施の際に、アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングサブモジュールは、アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、LGGが1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、アップリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、アップリングリザーブするバッファスペースを登録する。
【0035】
ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、QCIが1であるアップリングデータの有無を判断し、有であれば、ダウンリングデータをアップリングスケジューリングのキューに挿入し、ダウンリングリザーブするバッファスペースを登録する。
【0036】
また、ダイナミック・ディレイ・スケジューリングは、アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングと、ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングに分けられる。アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、スケジューリング対象は音声データであり、アップリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの音声がアクティブ状態になる場合、LGGが1であるアップリングデータ(アップリングチャンネル伝送のデータタイプは音声データタイプであることを示す)の有無を判断し、2個音声データサイズであるバッファスペースを再度登録することにより、バウンディングされた2個音声データパケットをスケジューリングする。ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの場合、ダウンリングダイナミック・ディレイ・スケジューリングの音声データパケットのQCIを1にし、ダウンリングチャンネル伝送のデータタイプが音声データタイプであることを示す。
【0037】
本実施例に係る基地局は、MACがダイナミック・スケジューリング方式で音声データパケットをスケジューリングするダイナミック・スケジューリングモジュールをさらに備える。
【0038】
実施の際に、半永続的スケジューリング方式が使用可能であるか、及びUEが半永続的スケジューリング方式をサポートするかを判断していない前に、受信した音声データパケットはダイナミック・スケジューリング方式を採用するものである。
【0039】
よって、本発明が提供したダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法によれば、連続着信した2個音声データパケットを音声データとしてバインディングしてPDCCHを介してスケジューリングすることにより、PDCCHリソースのオーバーヘッドを半分削減するだけではなく、高い変調コーディングレベルを保持することができる。本発明は、音声サービスを柔軟にスケジューリングすることができ、PDCCHリソースを適宜に割り当て、基地局のユーザの容量を高めることができる。
【0040】
本分野の技術者として、本発明の実施形態が、方法、システム或いはコンピュータプログラム製品を提供できるため、本発明は完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの両方を結合した実施形態を採用できることがかわるはずである。さらに、本発明は、一つ或いは複数のコンピュータプログラム製品の形式を採用できる。当該製品はコンピュータ使用可能なプログラムコードを含むコンピュータ使用可能な記憶媒体(ディスク記憶装置と光学記憶装置等を含むがそれとは限らない)において実施する。
【0041】
以上は本発明の実施形態の方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフロー図および/またはブロック図によって、本発明を前記した。理解すべきことは、コンピュータプログラム指令によって、フロー図および/またはブロック図における各フローおよび/またはブロックと、フロー図および/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの結合を実現できる。プロセッサはこれらのコンピュータプログラム指令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込み式処理装置、或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備の処理装置器に提供でき、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサは、これらのコンピュータプログラム指令を実行し、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0042】
これらのコンピュータプログラム指令は又、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置を特定方式で動作させるコンピュータ読取記憶装置に記憶できる。これによって、指令を含む装置は当該コンピュータ読取記憶装置内の指令を実行でき、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0043】
これらコンピュータプログラム指令はさらに、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備に実装もできる。コンピュータプログラム指令が実装されたコンピュータ或いは他のプログラム可能設備は、一連の操作ステップを実行することによって、関連の処理を実現し、コンピュータ或いは他のプログラム可能な設備において実行される指令によって、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0044】
最後に、本文の中に、第一又は第二のような関連用語は、1実体又は操作を、たの実体又は操作と区分させるために用いられる、それらの実体又は操作の間に何らかの実際の関係又は順序を示すためではない。または、用語「包括」、「含める」又はその他変体は非排他的な含めをカバーすることを示す。それにで、一連の要素を含めるプロセス、方法、品物又は設備には、それらの要素を含めるだけではなく、明確に表示するその他の要素を含め、又はそのようなプロセス、方法、品物又は設備の固定的な要素も含める。それ以上の制限がない場合、「一つの…を含める」という言葉で限定される要素は、前記要素を含めるプロセス、方法、品物又は設備の中に、もう一つの同じ要素を排除するわけではない。術語の「上」、「下」のようなに指示された方位又は位置関係は、図面で示した方位又は位置関係をベースにする。本発明の説明に便宜を図り、説明を簡潔化するためだけであるが、装置又はユニットを特定の方位を有させて、特定の方位構造で操作することを指示し示唆するわけではない。従い、本発明への制限を理解しないようにようする。別途に明確な規定と制限を除き、「取付」、「接続」、「アクセス」という術語を広義的に理解できる。例えば、固定的な接続や分解可能接続又は一体化の接続でもいい。機械的な接続や電気接続でもいい。直接接続や中間媒介を通じる間接な接続や2個部品内部の接続でもいい。本領域の普通技術者にとっては、具体的な状況により、前記術語の本発明における具体的な意味を理解すればいい。
【0045】
本発明の明細書において、沢山の具体的な細かいことを説明した。しかしながら、本発明の実施例はそのような具体的な細かいことがない場合に、実施可能であることを理解することができる。本説明書の理解をあいまいにしないように、そのような実例に、公知の方法と構造と技術を詳細に明示していない。類似的に、本発明の開示を簡潔化して、各発明における一つ又は複数のことを理解させるために、上述の本発明の例示的な実施例の説明において、本発明の各特徴は、同時に一つの実施例、図、又はそれに対する説明に配られることがある。しかしながら、開示の方法解釈を次通りの意図に反映させないようにする。つまり、請求保護対象の本発明は、権利請求書に明確に記載されている特徴より多いものを要求すること。精確に言えば、権利請求書通りに、発明の面は、その前に開示された一つの実施例の全ての特徴より少ないこと。従い、具体的な実施方式の権利請求書に従い、具体的な実施方式に明確に取り入れ、其々の権利請求項そのものは本発明の単独な実施例とする。
【0046】
上述の各実施例は本発明の技術方案の説明に限られるが、それを制限するわけではない。前述の各実施例を参考して、本発明を詳細に説明した、本領域の普通技術者として、前述の各実施例に記載の技術方案を修正でき、又はその一部又は全部技術特徴を同じく切り替えられるが、それらの修正又は切替により、関連技術方案の本質を本発明の各実施例技術方案の範囲から脱逸されずに、本発明の権利請求書の範囲にカバーする必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明が提供した音声データのダイナミック・ディレイ・スケジューリング方法及び基地局は、連続着信した2個音声データパケットを一つの音声データをスケジューリングし、PDCCHを介してスケジューリングする。高い変調コーディングレベールを保持するうえ、PDCCHリソースのオーバーヘッドを半分削減できる。本発明は音声サービススケジューリングの柔軟性を高めて、チャンネルリソースを適宜に割り当てることができ、基地局のユーザの容量を高めることができ、産業上の利用可能性を有する。