【文献】
想起特性を考慮した対話的ラベリング手法の基礎検討,電子情報通信学会技術研究報告,2015年 1月23日,Vol.114, No.440
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る推定装置、推定方法および推定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る推定装置、推定方法および推定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
まず、
図1を用いて、実施形態に係る推定装置によって実行される推定方法について説明する。
図1は、実施形態に係る推定方法の概要を示す図である。
図1には、実施形態に係る推定装置1を含む推定システムSを示している。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る推定システムSは、推定装置1と、情報提供端末100とを備える。推定装置1および情報提供端末100は、例えば、インターネット等の通信ネットワークを介して接続される。なお、
図1では、1台の情報提供端末100が推定装置1に接続される場合を示しているが、複数台の情報提供端末100が推定装置1に接続されてもよい。
【0012】
推定装置1は、ユーザUの属性を推定する情報処理装置である。ここでいう属性とは、ユーザUを特徴付ける情報であり、例えば、ユーザUの趣味や、嗜好、性格等の内面的な情報である。なお、属性には、例えば、ユーザUの容姿等の外面的な情報、経歴等の付加的な情報等がさらに含まれてもよい。
【0013】
また、推定装置1は、推定したユーザUの属性に基づいてユーザUへ各種コンテンツを提供する提供サーバでもある。提供サーバとしての推定装置1は、情報提供端末100にインストールされた各種アプリ(例えば、ポータルアプリ、ニュースアプリ、オークションサイト、天気予報アプリ、ショッピングアプリ、ファイナンス(株価)アプリ、路線検索アプリ、地図提供アプリ、旅行アプリ、飲食店紹介アプリ、ブログ閲覧アプリ等)により提供される情報を配信する装置である。あるいは、提供サーバとしての推定装置1は、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関連する各種情報がタイル状に配置されたウェブページを配信する装置である。また、推定装置1は、アプリのデータそのものを配信するサーバであってもよいし、ポータルサイト等のウェブページを配信するサーバであってもよい。
【0014】
また、
図1に示すように、推定装置1は、ユーザUの属性に関する情報である属性情報41を記憶している。
図1に示す例では、属性情報41には、属性の種別として「食物」、属性項目として「寿司」および「ラーメン」が含まれていることとする。なお、
図1に示す属性情報41では、「寿司」の属性項目に、「○」がついており、ユーザUは、寿司が好きであること(肯定的)を示している。なお、「×」は、その食べ物が嫌い(否定的)であることを示し、空欄は、まだ推定できていないことを示している。
【0015】
情報提供端末100は、提供サーバとしての推定装置1から各種コンテンツを取得し、ユーザUへ提供する。例えば、情報提供端末100は、音声認識機能を備え、ユーザUの発話の認識結果に基づいて各種コンテンツを提供する。なお、情報提供端末100は、音声認識に限らず、例えば、タッチパネル式の表示部へのユーザUの操作を受け付けることで、各種コンテンツを提供してもよい。
【0016】
また、情報提供端末100による情報提供方法は、例えば、音声出力により提供する。すなわち、情報提供端末100は、いわゆるスマートスピーカである。なお、情報提供端末100は、音声出力に限らず、例えば、プロジェクタや表示部等の映像出力により情報を提供してもよい。
【0017】
また、情報提供端末100は、スマートスピーカに限定されず、例えば、スマートデバイス(スマートフォン、あるいはタブレット)、携帯電話、パーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0018】
ここで、従来の推定装置について説明する。従来の推定装置は、例えば、ネットワーク上におけるユーザの行動に基づいてかかるユーザの属性を推定していた。しかしながら、従来の推定装置は、ユーザの属性の推定精度を向上させる点で改善の余地があった。
【0019】
そこで、実施形態に係る推定装置1は、ユーザUとの対話を通してユーザUの属性を推定することとした。例えば、
図1に示すように、実施形態に係る情報提供端末100がユーザUから「昼食が食べたい」という問いかけの音声入力を受け付けたとする(ステップS1)。
【0020】
かかる場合、実施形態に係る情報提供端末100は、提供サーバとしての推定装置1へ昼食に関するコンテンツを要求する(ステップS2)。つづいて、実施形態に係る推定装置1は、例えば、かかるコンテンツの要求をトリガにして、ユーザUの属性に関する質問を生成し、情報提供端末100へ送信する(ステップS3)。
図1に示す例では、推定装置1は、属性情報41において、ユーザUのラーメンに対する嗜好性を推定できていないため、ラーメンの嗜好性を推定するための質問を生成する。
【0021】
そして、実施形態に係る情報提供端末100は、推定装置1によって生成された質問「ラーメンはどうですか?」を出力する(ステップS4)。そして、実施形態に係る情報提供端末100は、出力した質問に対するユーザUの回答「ラーメンは嫌いだな」を受け付ける(ステップS5)。
【0022】
実施形態に係る情報提供端末100は、受け付けた回答を推定装置1へ送信する(ステップS6)。実施形態に係る推定装置1は、情報提供端末100から取得した回答に基づいてユーザUの属性を推定する(ステップS7)。
図1に示す例では、推定装置1は、ユーザUの回答「ラーメンは嫌いだな」を言語解析し、ラーメンの属性項目に「×」を記入する。
【0023】
このように、実施形態に係る推定装置1は、ユーザUとの対話の中で、ユーザUの属性に関する質問を行うことで、例えば、ユーザUの属性のうち不足している属性を能動的に聞き出すことができるため、ユーザUの属性の推定精度を向上させることができる。
【0024】
なお、
図1では、推定装置1および情報提供端末100が別体で構成される場合について説明したが、推定装置1および情報提供端末100が1つの装置で構成されてもよい。
【0025】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る推定装置1の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る推定装置1の構成を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る推定装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを備える。なお、推定装置1は、推定装置1を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(たとえば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(たとえば、液晶ディスプレイ等)を備えていてもよい。
【0026】
通信部2は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、通信ネットワークと有線または無線で接続され、通信ネットワークを介して、情報提供端末100との間で情報の送受信を行う。
【0027】
記憶部4は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図2に示すように、記憶部4は、属性情報41を記憶する。
【0028】
属性情報41は、ユーザUの属性に関する情報が含まれる。ここで、
図3を用いて、属性情報41について説明する。
【0029】
図3は、属性情報41の説明図である。
図3に示すように、属性情報41には、「ユーザID」、「状況」、「種別」といった内容が含まれる。
【0030】
「ユーザID」は、ユーザUを識別する識別情報である。「状況」は、ユーザUの周囲の状況を示す情報である。「種別」は、属性の種別を示す情報である。また、各種別には、関連する複数の属性項目が含まれる。具体的には、種別が「食物」には、「寿司」、「ラーメン」等の食物に関する属性項目が含まれる。
【0031】
例えば、ユーザID「U1」で識別されるユーザUは、自身が1人でいる場合には、寿司を好んで食べ、家族といる場合には、寿司を好んで食べず、ラーメンを好んで食べることを示している。なお、
図3に示す例では、ユーザID「U1」で識別されるユーザUは、1人でいる場合に、ラーメンを好んで食べるか否かの属性の推定が完了していない。
【0032】
なお、
図3に示す例では、「状況」は、周囲の人の有無を示したが、例えば、天気や時間、行動履歴等、任意の状況であってよい。このように、状況毎の属性を推定することで、例えば、ユーザUにコンテンツを提供する際、より適切なコンテンツを提供することができる。
【0033】
図2に戻って制御部3について説明する。制御部3は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、推定装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、たとえば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0034】
制御部3は、ユーザUの属性に関する質問を生成するとともに、かかる質問に対するユーザUの回答を取得し、かかる回答に基づいてユーザUの属性を推定する機能を以下に示す各部の動作により実現する。
【0035】
図2に示すように、制御部3は、受付部31と、検出部32と、生成部33と、取得部34と、推定部35とを備える。
【0036】
受付部31は、情報提供端末100に対するユーザUの問いかけを受け付ける。具体的には、受付部31が問いかけを受け付けることにより、ユーザUとの対話が開始する。なお、ユーザU1の問いかけには、特定の属性を指定する問いかけ(能動的問いかけともいう)と、特定の属性を指定しない問いかけ(受動的問いかけともいう)とがあるが、かかる点については
図4および
図5で後述する。
【0037】
なお、受付部31は、情報提供端末100に対するユーザUの問いかけを受け付ける場合に限定されず、例えば、ユーザUの家族との会話を受け付けることで、対話開始のトリガとしてもよい。つまり、受付部31は、ユーザUが情報提供端末100に対して直接話しかけていない場合であっても、問いかけとして受け付けてもよい。
【0038】
なお、受付部31が受け付ける問いかけは、例えば、情報提供端末100によって音声から言語に変換された情報であってもよく、情報提供端末100が録音した音源であってもよい。なお、情報提供端末100が録音した音源を取得する場合、受付部31は、かかる音源を解析して言語に変換する。
【0039】
検出部32は、ユーザUの状況を検出する。例えば、検出部32は、各種センサで構成され、情報提供端末100が設置される空間(つまり、ユーザUと同じ空間)や、かかる空間の外側の温度や、湿度、天気等の環境情報を状況として検出する。また、検出部32は、例えば、マイクや振動センサ、赤外線センサ、カメラ等によってユーザUの周囲にいる人に関する情報を状況として検出する。
【0040】
また、検出部32は、ユーザUの周囲の状況以外にも、例えば、マイクによって集音されたユーザUの発話内容に基づいて、ユーザUの喜怒哀楽の状態や、疲労度等の内面的な状況を検出する。
【0041】
なお、検出部32は、上記した検出方法に限らず、例えば、生成部33によって生成された質問に対するユーザUの回答に基づいてユーザUの状況を検出してもよい。例えば、検出部32は、上記したセンサ等によってユーザUの周囲に複数の他ユーザがいることを検出した場合、生成部33に対して複数の他ユーザの詳細を検出する質問を生成するように指示する。
【0042】
例えば、検出部32は、生成部33によって「皆さん、こんにちは、元気ですか?」といったあいさつを含む質問を生成し、かかる質問に対する他ユーザの回答から、他ユーザの性別や、年齢等の識別情報や、ユーザUとの関係性を検出する。このように、生成部33によって生成された質問に対する回答に基づいてユーザUの状況を検出することで、検出される状況の確度を向上させることができる。なお、検出部32は、あいさつを含む質問に限らず、例えば、「皆さんはラーメンは好きですか?」といった属性に関する質問も含ませた質問を行ってもよい。これにより、ユーザUの属性の推定精度をより向上させることができる。
【0043】
あるいは、検出部32は、生成部33によって生成された属性に関する質問に対するユーザUの回答の質(言葉の強弱や、発話速度、音量等)が通常とは異なる場合、ユーザUの状況が通常とは異なることを検出してもよい。かかる場合、検出部32は、ユーザUの属性に関する質問を一時中断して、ユーザUの状況を推定するための状況を質問を行うことで、ユーザUの状況を推定する。
【0044】
生成部33は、属性情報41に基づいてユーザUの属性に関する質問を生成する。なお、生成部33の具体的な処理内容については、
図4〜
図6で後述する。
【0045】
取得部34は、生成部33によって生成された質問に対するユーザUの回答を取得する。取得部34は、質問が択一で回答可能な質問の場合、どの選択肢を選択したかを取得する。選択肢は、「はい」および「いいえ」のような肯定および否定を選択する方式や、複数の候補の中から選択する方式等がある。
【0046】
また、取得部34は、択一回答を取得する場合に限定されるものではなく、例えば、「○○が好き」等のように、特定の属性に対する嗜好性等を示す回答を取得してもよい。
【0047】
推定部35は、取得部34が取得した回答に基づいてユーザUの属性を推定する。例えば、推定部35は、取得部34が取得した回答が肯定か否定かを示す択一回答であった場合、属性情報41における属性項目の空欄に「○」(肯定)または「×」(否定)を入れる。
【0048】
また、推定部35は、検出部32によって検出された状況毎の属性を推定する。つまり、推定部35は、ユーザUの質問に対する回答と、ユーザUの周囲の状況とを対応付ける。これにより、状況に合わせて変化するユーザUの属性を的確にとらえることができるため、より適切なコンテンツを提供することができる。
【0049】
なお、推定部35は、属性情報41の属性項目を○×方式で推定する場合に限定されるものではなく、例えば、各属性項目に所定の指標値を入れてもよい。
【0050】
例えば、推定部35は、所定の属性項目におけるユーザUの嗜好が肯定および否定の両方存在した場合、肯定および否定の回答の比率に応じた指標値を入れる。すなわち、○×方式のように2種類(肯定か否定か)に分類せず、各属性項目を相対的に評価する。これにより、ユーザUの属性をより詳細に推定することができる。
【0051】
次に、
図4〜
図6を用いて、実施形態に係る推定装置1の処理内容を具体的に説明する。
図4〜
図6は、実施形態に係る推定装置1の処理の具体例を示す図である。
【0052】
図4では、ユーザUが「昼食が食べたい」という問いかけを情報提供端末100に対して行ったとする。換言すれば、このような問いかけは、特定の属性を指定する問いかけであるとも言える。つまり、このような問いかけは、情報提供端末100に対して特定の応答を期待してユーザUが主動的に行うものである。
【0053】
生成部33は、このような主動的な問いかけがあった場合、その問いかけに関連する質問を生成する。つまり、生成部33は、受付部31が受け付けた問いかけが特定の属性を指定する内容の場合、特定の属性に関連する質問を生成する。
【0054】
図4に示す例では、生成部33は、「昼食が食べたい」を言語解析した結果、ユーザUが食物に関する属性を指定していると判定し、属性情報41のうち種別が「食物」の属性項目を質問の対象とする。
【0055】
図4に示す例では、生成部33は、推定部35による推定が完了していない属性項目「ラーメン」に関する質問「ラーメンはどうですか?」を生成する。このように、ユーザUが特定の属性を指定した問いかけに合わせた質問を行うことで、ユーザUの質問に対する違和感を無くすことができるとともに、質問に対する回答を確実に得ることができる。
【0056】
また、属性情報41の推定が完了していない属性項目に関する質問を生成することで、ユーザUの潜在的な属性を探ることができるため、ユーザUの属性を幅広く推定することができる。その結果、より適切なコンテンツを提供することができる。
【0057】
なお、生成部33は、「ラーメンはどうですか?」に対するユーザUの回答が否定であった場合には、再度、「食物」に関する質問を生成する。このとき、生成部33は、例えば、既に推定が完了した属性項目「寿司」に関する質問を生成する。
【0058】
これにより、ユーザUに合った応答ができるため、ユーザUに対して何度も質問を行うという状況を避けることができる。すなわち、ユーザUの満足度を向上させることができる。
【0059】
なお、生成部33は、再度、推定部35による推定が完了していない属性項目に関する質問を生成してもよい。ユーザUの属性をより幅広く推定することができる。
【0060】
また、生成部33は、ユーザUの問いかけに関連する属性の質問を生成したが、これに限定されず、ユーザUの対話の内容に関連する属性の質問であればよい。つまり、生成部33は、ユーザUの情報提供端末100に対する問いかけに関わらず、他ユーザとの対話の内容や、情報提供端末100との一連の対話の中で生じた内容に関する属性の質問であってもよい。
【0061】
このように、生成部33は、対話の内容を解析して、その内容に応じた質問を行うことで、ユーザUに違和感を与えることのない質問を行うことができる。
【0062】
さらに、生成部33は、「ラーメンはどうですか?」のような択一で回答が可能な質問を生成することで、ユーザUが質問に対して容易に回答できるようにできる。すなわち、ユーザUの属性を推定するための回答をより容易に得ることができる。
【0063】
次に、
図5では、ユーザUが「暇だな」という問いかけを情報提供端末100に対して行ったとする。換言すれば、このような問いかけは、特定の属性を指定しない問いかけであるとも言える。つまり、このような問いかけは、情報提供端末100に対して特定の応答を期待しておらず、ユーザUが何かしら新しい情報を欲して受動的に行うものである。
【0064】
かかる場合に、生成部33は、任意の属性に関する質問を行う。具体的には、生成部33は、受付部31が受け付けた問いかけが特定の属性を指定しない内容の場合、任意の属性に関する質問を生成する。任意の属性とは、例えば、属性情報41のうち、任意の種別において推定が完了していない空欄の属性項目である。
【0065】
図5に示す例では、生成部33は、「オリンピック見ませんか?」といった任意の属性に関する質問を行う。なお、「オリンピック見ませんか?」に対応する属性項目は、種別が「スポーツ」であってもよく、「テレビ」であってもよい。あるいは、「オリンピック」に対応する種別であってもよい。
【0066】
また、生成部33は、任意の属性の選択方法について、例えば、推定が完了していない属性項目が多い種別を優先して選択してもよい。あるいは、生成部33は、検出部32によって検出されるユーザUの状況や、ユーザUの過去のネットワーク上の行動からユーザUが積極的に回答を行う属性を推定して選択してもよい。
【0067】
つまり、生成部33は、受動的なユーザUに対して能動的に質問を行う。これにより、ユーザUの潜在的な属性の嗜好性を容易に探ることができる。
【0068】
なお、
図5に示す例において、「オリンピック見ませんか?」に対してユーザUが肯定的な回答をした場合には、オリンピックの種別等のより詳細な属性項目に関する質問を行ってもよい。
【0069】
また、「オリンピック見ませんか?」に対してユーザUが肯定的な回答をした場合には、生成部33は、異なる種別の属性に関する質問を生成してもよい。
【0070】
次に、
図6では、情報提供端末100から出力された質問「ラーメンはどうですか?」に対して、ユーザUが「いいね!ありがとう」と回答し、一連の対話が完了したこととする。
【0071】
生成部33は、対話が完了した場合に、かかる対話に関連する属性とは異なる属性に関する質問を生成する。
図6に示す例では、属性「食物」に関する対話が完了し、「食物」と関連性がある属性(例えば、スポーツ)に関する質問を行う。
【0072】
図6に示す例では、生成部33は、「食物」に関する対話が完了後、「ところで、昼食後にスポーツはどうですか?」等の、「食物」と関連性がある属性に関する質問を行う。そして、推定部35は、「腹ごなしにちょうどいいね!」といった質問に対する肯定的な回答を得た場合、「食物」と「スポーツ」とを関連付けた属性の推定を行う。
【0073】
つまり、生成部33は、直前まで対話をしていたため、ユーザUが回答しやすい状況であることを利用して新たな属性の質問を行う。これにより、ユーザUに対して新たな属性の質問をする場合に、ユーザUに対して唐突感や戸惑いが生じることを軽減できる。
【0074】
なお、生成部33は、かかる場合、直前の対話における属性の種別と関連する種別に関する質問を行うことで、ユーザUに対する唐突感をより軽減できる。
【0075】
また、生成部33は、受付部31がユーザUの問いかけをトリガにして質問を生成したが、例えば、プッシュ通知のように、ユーザUの問いかけ無しに質問を生成してもよい。
【0076】
また、生成部33は、複数のユーザUの属性情報41に基づいて各属性項目間や各種別間の関連度を算出し、かかる関連度に基づいて質問を生成してもよい。具体的には、生成部33は、生活行動が類似する複数のユーザUの中で属性項目間の嗜好が類似する場合に、関連度を高く算出する。
【0077】
例えば、複数のユーザUの中で、ラーメンを食べた後、運動するユーザUが所定数以上の場合、ラーメンの質問をした後、運動の属性項目に関する質問を生成する。つまり、生成部33は、複数のユーザUの嗜好の傾向から、ユーザUの嗜好を予め予測して質問を生成する。これにより、ユーザUの潜在的な属性を探りつつ、ユーザUの満足度を向上させることができる。
【0078】
なお、上記では、推定部35は、ユーザUが質問に対して肯定的な回答を行った場合にユーザUがその質問の属性を好むと推定したが、否定的な回答を行った場合にもユーザUの属性を推定する。
【0079】
具体的には、推定部35は、例えば、生成部33が生成した「芸能関連のニュースを聞きますか?」の質問に対してユーザU1が「No」と回答したとする。かかる場合、推定部35は、芸能関連のニュースが好きではないと推定するとともに、他のジャンル(種別あるいは属性項目)のニュースの中で、芸能関連のニュースと関連するニュースも好きではないと推定する。
【0080】
より具体的には、推定部35は、例えば、芸能関連のニュースを抽象化(上位概念化)した種別と同じあるいは類似のニュース(例えば、スポーツニュース等)が好きではないと推定する。このように、ユーザUの否定的な回答からも属性を推定することで、ユーザUの属性を幅広く推定することができる。
【0081】
なお、推定部35は、芸能関連のニュースに類似するニュースを好きではないと推定したが、一方で、芸能関連とは逆の属性(経済等)のニュースが好きであると推定してもよい。
【0082】
次に、
図7を用いて、実施形態に係る推定装置1が実行する処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る推定装置1が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【0083】
図7に示すように、まず、受付部31は、ユーザU1の問いかけを受け付ける(ステップS101)。生成部33は、受付部31が受け付けた問いかけが特定の属性を指定する問いかけか否かを判定する(ステップS102)。
【0084】
生成部33は、受付部31が受け付けた問いかけが特定の属性を指定する問いかけであった場合(ステップS102,Yes)、指定された属性に関する質問を生成する(ステップS103)。
【0085】
つづいて、取得部34は、生成部33によって生成された質問に対するユーザUの回答を取得する(ステップS104)。つづいて、推定部35は、取得部34が取得した回答に基づいてユーザUの属性を推定し(ステップS105)、処理を終了する。
【0086】
一方、ステップS102において、生成部33は、受付部31が受け付けた問いかけが特定の属性を指定しない問いかけであった場合(ステップS102,No)、任意の属性に関する質問を生成し(ステップS106)、処理をステップS104へ移行する。
【0087】
また、上述してきた実施形態にかかる推定装置1は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、実施形態に係る推定装置1の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0088】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0089】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0090】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0091】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0092】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる推定装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部4内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0093】
上述してきたように、実施形態に係る推定装置1は、生成部33と、取得部34と、推定部35とを備える。生成部33は、ユーザUとの対話においてユーザUの属性に関する質問を生成する。取得部34は、生成部33によって生成された質問に対するユーザUの回答を取得する。推定部35は、取得部34が取得した回答に基づいてユーザUの属性を推定する。
【0094】
これにより、ユーザUの属性の推定精度を向上させることができる。
【0095】
また、上述した実施形態に係る推定装置1において、生成部33は、ユーザUが択一で回答可能な質問を生成する。
【0096】
これにより、ユーザUが質問に対して容易に回答できるようになるため、ユーザUの属性を推定するための回答をより容易に得ることができる。
【0097】
また、上述した実施形態に係る推定装置1において、生成部33は、対話の内容に関連する属性の質問を生成する。
【0098】
これにより、ユーザUの質問に対する唐突感を軽減できる。
【0099】
また、上述した実施形態に係る推定装置1において、ユーザUの属性には、複数の属性項目が含まれる。推定部35は、複数の属性項目それぞれを推定する。生成部33は、推定部35によって推定が完了していない属性項目に関する質問を生成する。
【0100】
これにより、ユーザUの属性を幅広く推定することができる。
【0101】
また、上述した実施形態に係る推定装置1において、生成部33は、対話が完了した場合に、対話に関連する属性とは異なる属性に関する質問を生成する。
【0102】
これにより、ユーザUに対して新たな属性の質問をする場合に、ユーザUに対して唐突感や戸惑いが生じることを軽減できる。
【0103】
また、上述した実施形態に係る推定装置1は、受付部31をさらに備える。受付部31は、ユーザUの問いかけを受け付ける。生成部33は、受付部31が受け付けた問いかけが特定の属性を指定する内容の場合、特定の属性に関連する質問を生成する。
【0104】
これにより、ユーザUの質問に対する違和感を無くすことができるとともに、質問に対する回答を確実に得ることができる。
【0105】
また、上述した実施形態に係る推定装置1において、生成部33は、受付部31が受け付けた問いかけが特定の属性を指定しない内容の場合、任意の属性に関する質問を生成する。
【0106】
これにより、ユーザUの潜在的な属性の嗜好性を容易に探ることができる。
【0107】
また、上述した実施形態に係る推定装置1は、検出部32をさらに備える。検出部32は、ユーザUの状況を検出する。生成部33は、検出部32によって検出された状況に応じた質問を生成する。推定部35は、ユーザUにおける状況毎の属性を推定する。
【0108】
これにより、状況に合わせて変化するユーザUの属性を的確にとらえることができるため、より適切なコンテンツを提供することができる。
【0109】
また、上述した実施形態に係る推定装置1において、生成部33は、ユーザUの状況に関する状況質問をさらに生成する。取得部34は、生成部33によって生成された状況質問に対するユーザUの状況回答を取得する。検出部32は、取得部34が取得した状況回答に基づいてユーザUの状況を検出する。
【0110】
これにより、ユーザUの状況毎の属性における推定精度をより向上させることができる。
【0111】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0112】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0113】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0114】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0115】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、検出部32は、検出手段や検出回路に読み替えることができる。
【解決手段】本願に係る推定装置は、生成部と、取得部と、推定部とを備える。生成部は、ユーザとの対話においてユーザの属性に関する質問を生成する。取得部は、生成部によって生成された質問に対するユーザの回答を取得する。推定部は、取得部が取得した回答に基づいてユーザの属性を推定する。