特許第6482758号(P6482758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6482758モジュラー式クランプパッドを有する外科用器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6482758
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】モジュラー式クランプパッドを有する外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20190304BHJP
【FI】
   A61B17/00 700
【請求項の数】3
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2013-537835(P2013-537835)
(86)(22)【出願日】2011年11月3日
(65)【公表番号】特表2013-545536(P2013-545536A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】US2011059223
(87)【国際公開番号】WO2012061646
(87)【国際公開日】20120510
【審査請求日】2014年10月31日
【審判番号】不服2016-19055(P2016-19055/J1)
【審判請求日】2016年12月20日
(31)【優先権主張番号】61/487,846
(32)【優先日】2011年5月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/274,830
(32)【優先日】2011年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/410,603
(32)【優先日】2010年11月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハウザー・ケビン・エル
(72)【発明者】
【氏名】ハーバースティッチ・ウェルズ・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ミラー・マシュー・シー
(72)【発明者】
【氏名】プライス・ダニエル・ダブリュ
【合議体】
【審判長】 高木 彰
【審判官】 林 茂樹
【審判官】 船越 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−502102(JP,A)
【文献】 特開平11−192238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B13/00-18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を切断するように動作可能な、超音波外科用器具であって、
(a)本体アセンブリと、
(b)前記本体アセンブリから遠位方向に延出する、伝達アセンブリであって、
i.導波管と、
ii.前記導波管の遠位端に結合された、ブレードと、
iii.内側部材であって、前記内部材はロッドを含み、前記ロッドはその遠位端に結合されたボールを有する、内部材と、
iv.前記内側部材の少なくとも一部分の周りに配置され、長手方向軸を定める外側シースと、を含む、伝達アセンブリと、
(c)前記伝達アセンブリに選択的に結合され、クランプアームを含む、クランプアームアセンブリであって、前記クランプアームが、前記ブレードに対して枢動するように動作可能であり、前記クランプアームが、前記クランプアームの近位端内に形成された、ボール陥凹部を含み、前記ボール陥凹部が、前記ボールに、取り外し可能に結合するように構成されており、
前記内側部材が、長手方向に作動するように構成されている、超音波外科用器具。
【請求項2】
前記ボール陥凹部が、前記ロッド上にスナップ嵌めされるように動作可能な、戻り止めを含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記外側シースが、スロットを含み、前記クランプアームが、前記クランプアームから外向きに延出するピンを含み、前記内側部材が、前記スロット内部で前記ピンを摺動可能に作動させるように、動作可能である、請求項1に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年11月5日出願の、米国仮特許出願第61/410,603号、表題「Energy−Based Surgical Instruments」の優先権を主張する。
【0002】
本出願はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年5月19日出願の、米国仮特許出願第61/487,846号、表題「Energy−Based Surgical Instruments」の優先権も主張する。
【0003】
本出願はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年10月17日出願の、米国非仮特許出願第13/274,830号、表題「Surgical Instrument with Modular Clamp Pad」の優先権も主張する。
【背景技術】
【0004】
一部の状況では、内視鏡外科用器具は、より小さい切開が、手術後の回復時間及び合併症を低減し得るために、従来の開腹外科装置よりも好ましい場合がある。したがって、一部の内視鏡外科用器具は、トロカールのカニューレに通して、所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを定置することに関して、好適であり得る。これらの遠位エンドエフェクタは、多くの方法で組織に係合して、診断効果又は治療効果を達成することができる(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、及び超音波、RF、レーザーなどを使用するエネルギー送達装置)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを含み得る。そのようなシャフトは、所望の深さへの挿入、及びシャフトの長手方向軸を中心とする回転を可能にすることにより、患者内部でのエンドエフェクタの位置決めを容易にすることができる。
【0005】
内視鏡外科用器具の例としては、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の、米国特許公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年8月16日公開の、同第2007/0191713号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の、同第2007/0282333号、表題「Ultrasonic Waveguide and Blade」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月21日公開の、同第2008/0200940号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年1月20日公開の、同第2011/0015660号、表題「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年12月31日発行の、米国特許第6,500,176号、表題「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日公開の、米国特許公開第2011/0087218号、表題「Surgical Instrument Comprising First and Second Drive Systems Actuatable by a Common Trigger Mechanism」で開示されるものが挙げられる。更には、そのような外科用ツールは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月4日公開の、米国特許公開第2009/0143797号、表題「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」で開示されるものなどの、コードレストランスデューサを含み得る。更には、外科用器具は、2004年8月31日発行の、米国特許第6,783,524号、表題「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」で開示されるものなどの、ロボット支援手術環境で使用することができ、又は使用されるように適合させることができる。
【0006】
外科用器具に関して、幾つかのシステム及び方法が、作り出され、かつ使用されているが、本発明者らに先立って、添付の特許請求の範囲で説明される本発明を作り出すか、又は使用している者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にその権利を請求する、特許請求の範囲によって完結するが、本技術は、以下の特定の実施例の説明を、添付図面と併せ読むことで、より良好に理解されるものと考えられ、図面では、同様の参照符合は、同じ要素を特定する。
図1】外科用器具及びジェネレータを有する、例示的な外科システムの斜視図。
図2A】閉鎖位置で示される、例示的なエンドエフェクタの分解斜視図。
図2B】開放位置で示される、図2Aのエンドエフェクタの分解斜視図。
図3】例示的なタブ付きクランプアームアセンブリ、及び複数個の滅菌穴を有する例示的なねじ付き伝達アセンブリの斜視図。
図4A】トリガーが装填位置で示される、図3の伝達アセンブリ及び図3のクランプアームアセンブリを含む、例示的なハンドルアセンブリの側面図。
図4B】タブ付きクランプアームアセンブリが、伝達アセンブリに結合され、トリガー及びクランプアームが開放位置にある状態の、図4Aのハンドルアセンブリの側面図。
図4C】トリガー及びクランプアームが閉鎖位置で示される、図4Bのハンドルアセンブリの側面図。
図5】代替的なタブ付きクランプアームアセンブリ、及び例示的なスロット付き伝達アセンブリの斜視図。
図6図3のタブ付きクランプアームアセンブリを収容する、例示的なカートリッジの斜視図。
図7】例示的なボールスナップ式クランプアームの側面図。
図8】1対の戻り止めが示される、図7のボールスナップ式クランプアームの背面図。
図9】ボール及びロッド作動装置上にスナップ嵌めされた、図7のボールスナップ式クランプアームの側面図。
図10A】スロットを有する例示的な外側シース内部にあり、クランプアームが開放位置で示される、図9のボールスナップ式クランプアームの側面図。
図10B】クランプアームが閉鎖位置で示される、図10Aのボールスナップ式クランプアーム及び外側シースの側面図。
図11】一体ヒンジを有する、例示的なクランプアームアセンブリの斜視図。
図12図11のクランプアームアセンブリの側面図。
図13】13−13に沿った、図11のクランプアームアセンブリの側面断面図。
図14】外側シース及び内側管状作動部材に結合された、一体ヒンジが示される、図11のクランプアームアセンブリの正面断面図。
図15】例示的な伝達アセンブリと位置合わせされた、図11のクランプアームアセンブリの斜視図。
図16】例示的なピン留め式エンドエフェクタアセンブリの斜視図。
図17】内側管及び導波管の、遠位端の拡大斜視図。
図18A図17の内側管及び導波管から分離された、図16のエンドエフェクタアセンブリが示される側面断面図。
図18B】一体に結合されて示される、図18Aのエンドエフェクタアセンブリ、内側管部材、及び導波管の拡大側面断面図。
図19A】開放位置で示される、外側シース並びに内側管状作動部材に関する、スロット及び弾性タブアセンブリの側面断面図。
図19B】閉鎖位置で示される、図19Aのスロット及び弾性タブアセンブリ。
【0008】
図面は、決して限定することを意図するものではなく、本技術の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されないものも含めた、様々な他の方法で実施し得ることが想到される。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図面は、本技術の幾つかの態様を示し、説明文と共に、本技術の原理を説明する役割を果たすものであるが、しかしながら、本技術は、図示される厳密な配置構成に限定されるものではないことを、理解するべきである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び有利点は、例として、本技術を実施するために想到される最良の形態の1つである、以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、他の種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、制限的なものではなく、例示的な性質のものとして見なすべきである。
【0010】
I.例示的な超音波外科システムの概要
図1は、超音波外科用器具(50)、ジェネレータ(20)、及び外科用器具(50)にジェネレータ(20)を結合するケーブル(30)を含む、例示的な超音波外科システム(10)を示す。一部の変形では、ジェネレータ(20)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)による販売の、GEN 300を含む。更には、又は代替案では、ジェネレータ(20)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日公開の、米国特許公開第2011/0087212号、表題「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。外科用器具(50)は、本明細書では、超音波外科用器具として説明されるが、本明細書の教示は、様々な外科用器具に対して容易に適用することができる点を理解するべきであり、それらの外科用器具としては、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、及び超音波、RF、レーザーなどを使用するエネルギー送達装置、並びに/あるいは本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、これらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。更には、本実施例は、ケーブル接続式の外科用器具(50)を参照して説明されるが、外科用器具(50)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月4日公開の、米国特許公開第2009/0143797号、表題「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」で開示されるものなどの、コードレス操作に関して適合させることができる点を、理解するべきである。例えば、外科装置(50)は、バッテリーなどの、一体型の携帯電源などを含み得る。更には、外科装置(50)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の、米国特許第6,783,524号、表題「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」で開示されるものなどの、ロボット支援手術環境で使用することもでき、又は使用されるように適合させることもできる。
【0011】
本実施例の外科用器具(50)は、組立形ハンドルアセンブリ(60)、細長形の伝達アセンブリ(70)、及びトランスデューサ(100)を含む。伝達アセンブリ(70)は、伝達アセンブリ(70)の近位端で組立形ハンドルアセンブリ(60)に結合され、組立形ハンドルアセンブリ(60)から遠位方向に延出する。本実施例では、伝達アセンブリ(70)は、内視鏡用途のための、細長形の管状アセンブリとして構成されるが、伝達アセンブリ(70)は、あるいは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の、米国特許公開第2007/0282333号、表題「Ultrasonic Waveguide and Blade」、及び2008年8月21日公開の、同第2008/0200940号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」で開示されるものなどの、短いアセンブリとすることもできる点を、理解するべきである。本実施例の伝達アセンブリ(70)は、外側シース(72)、内側管状作動部材(図示せず)、導波管(図示せず)、及び伝達アセンブリ(70)の遠位端上に配置されるエンドエフェクタ(80)を含む。本実施例では、エンドエフェクタ(80)は、導波管に機械的かつ音響的に結合されるブレード(82)と、伝達アセンブリ(70)の近位端で枢動するように動作可能なクランプアーム(84)と、クランプアーム(84)に結合されるクランプパッド(86)とを含む。クランプアーム(84)及び関連する機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年11月9日発行の、米国特許第5,980,510号、表題「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」の少なくとも一部の教示に従って構築し、動作可能とすることができる点もまた、理解するべきである。
【0012】
一部の変形では、トランスデューサ(100)は、第1共振器(図示せず)と第2共振器(図示せず)との間で圧縮されて、圧電素子の積み重ね体を形成する、複数個の圧電素子(図示せず)を含む。この圧電素子は、任意の好適な材料、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、及び/又は、例えば、任意の好適な圧電結晶材料から製作することができる。トランスデューサ(100)は、1つ又は2つ以上の圧電素子の両端間で電位差を作り出すように構成される、少なくとも1つの陽電極及び少なくとも1つの陰電極を含む、電極を更に含むことにより、圧電素子は、電力を超音波振盪に変換する。本実施例のトランスデューサ(100)が作動される場合、トランスデューサ(100)は、超音波周波数(55.5kHzなど)での線形振動又は線形振盪を作り出すように、動作可能である。トランスデューサ(100)が、伝達アセンブリ(70)に結合される場合、これらの線形振動は、伝達アセンブリ(70)の内部導波管を通じて、エンドエフェクタ(80)に伝達される。本実施例では、ブレード(82)が導波管に結合されていることにより、ブレード(82)は、超音波周波数で振動する。それゆえ、ブレード(82)とクランプアーム(84)との間に、組織が固定される場合、ブレード(82)の超音波振動が、組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることにより、熱の拡散が比較的小さい、凝固効果を提供することができる。組織を焼灼するために、ブレード(82)及びクランプアーム(84)を通じて、電流を提供することもできる。単に例示的な1つの好適な超音波トランスデューサ(100)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)による販売の、モデル番号HP054であるが、任意の他の好適なトランスデューサを使用することができる点を、理解するべきである。トランスデューサ(100)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年10月10日出願の、米国特許出願第13/269,883号、表題「Surgical Instrument with Clutching Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。
【0013】
本実施例の組立形ハンドルアセンブリ(60)は、接合ハウジング部分(62)及び下方部分(64)を含む。接合ハウジング部分(62)は、組立形ハンドルアセンブリ(60)内部の空洞を画定するものであり、接合ハウジング部分(62)の近位端で、トランスデューサ(100)を受容し、かつ接合ハウジング部分(62)の遠位端で、伝達アセンブリ(70)の近位端を受容するように構成される。本実施例では、伝達アセンブリ(70)及びトランスデューサ(100)を回転させるための、回転ノブ(66)が示さるが、回転ノブ(66)は、単に任意選択であるに過ぎないことを、理解するべきである。図1に示す組立形ハンドルアセンブリ(60)の下方部分(64)は、トリガー(68)を含み、ユーザーが片手を使用することによって把持されるように構成される。下方部分(64)に関する単に例示的な1つの代替的変形は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年1月20日公開の、米国特許公開第2011/0015660号、表題「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」の図1に示される。一部の変形では、トグルボタンが、下方部分(64)の遠位表面上に配置され、ジェネレータ(20)を使用して、種々の動作レベルで、トランスデューサ(100)を選択的に作動させるように、動作可能である。例えば、第1のトグルボタンは、最大エネルギーレベルで、トランスデューサ(100)を作動させることができ、その一方で、第2のトグルボタンは、最小の、非ゼロのエネルギーレベルで、トランスデューサ(100)を作動させることができる。当然ながら、トグルボタンは、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、最大及び/又は最小のエネルギーレベル以外のエネルギーレベルに関して、構成することができる。更には、単一のトグルボタンのみを提供することができ、又は3つ以上のトグルボタンを提供することもできる。
【0014】
組立形ハンドルアセンブリ(60)は、2つの別個の部分(62、64)を参照して説明されているが、組立形ハンドルアセンブリ(60)は、双方の部分(62、64)が組み合わされた、一体型アセンブリとすることができる点を、理解するべきである。組立形ハンドルアセンブリ(60)は、あるいは、別個のトリガー部分(ユーザの手又は足によって動作可能)、及び別個の接合ハウジング部分(62)などの、複数の個別構成要素へと分割することもできる。そのようなトリガー部分は、トランスデューサ(100)を作動させるように動作可能とすることができ、接合ハウジング部分(62)から遠隔性のものとすることができる。組立形ハンドルアセンブリ(60)は、耐久性プラスチックケーシング(61)(ポリカーボネート又は液晶ポリマーなど)、セラミック、金属、及び/又は本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、任意の他の好適な材料から、構築することができる。組立形ハンドルアセンブリ(60)に関する他の構成もまた、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。例えば、一部の変形では、トリガー(68)を省略することができ、外科用器具(50)は、ロボットシステムの制御によって作動させることができる。他の変形では、外科用器具(50)は、ジェネレータ(20)に結合される際に、作動させることができる。
【0015】
また更には、外科用器具(50)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月21日発行の、米国特許第5,322,055号、表題「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年2月23日発行の、同第5,873,873号、表題「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1997年10月10日出願の、同第5,980,510号、表題「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年12月4日発行の、同第6,325,811号、表題「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の、米国特許公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年8月16日公開の、同第2007/0191713号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の、同第2007/0282333号、表題「Ultrasonic Waveguide and Blade」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月21日公開の、同第2008/0200940号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月4日公開の、同第2009/0143797号、表題「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年3月18日公開の、同第2010/0069940号、表題「Ultrasonic Device for Fingertip Control」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年1月20日公開の、同第2011/0015660号、表題「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年11月5日出願の、米国仮出願第61/410,603号、表題「Energy−Based Surgical Instruments」の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。
【0016】
本明細書で説明される、教示、表現、実施形態、実施例などのうちの、いずれの1つ以上も、本明細書で説明される、他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちの、いずれの1つ以上とも組み合わせることができる点を、更に理解するべきである。以下で説明される、教示、表現、実施形態、実施例などは、それゆえ、互いに切り離して考慮するべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる、様々な好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には容易に明らかとなるであろう。そのような修正及び変形は、特許請求の範囲内に含まれることを意図する。
【0017】
II.例示的なエンドエフェクタの概要
図2A、2Bは、閉鎖位置の図2A、及び開放位置の図2Bで示される、例示的なエンドエフェクタ(200)の分解図を示す。本実施例では、エンドエフェクタ(200)は、ブレード(210)、遠位クランプパッド(220)、近位クランプパッド(230)、クランプアーム(240)、内側管状作動部材(260)、及び外側シース(280)を含む。ブレード(210)は、上述のブレード(82)の少なくとも一部の教示に従って、あるいは、それぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、及び/又は同第2009/0143797号の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。本実施例では、ブレード(210)は、トランスデューサ(100)などの、トランスデューサに結合されて、超音波周波数で振動するように構成される。トランスデューサに対する、そのようなブレード(210)の結合は、導波管(図示せず)を介するものとすることができる。ブレード(210)とクランプアーム(240)との間に、組織が固定される場合、ブレード(210)の超音波振動が、組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることにより、熱の拡散が比較的小さい、凝固効果を提供することができる。組織を焼灼するために、ブレード(210)及びクランプアーム(240)を通じて、電流を提供することもできる。図示のように、ブレード(210)は、円筒形の本体部分(212)と、ブレード(210)の遠位端の湾曲状部分(214)とを含む。単なる例として、ブレード(210)は、湾曲状の直方体末端部を有する、中実のチタンロッドを含む。ブレード(210)は、実質的に直線状とすることができ、かつ/又はブレード(210)は、他の幾何学形状を有し得ることを理解するべきであり、他の幾何学形状としては、円錐形末端部、三角柱末端部、円筒形末端部、実質的に平面的な末端部、直方体本体部、及び/又は本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、任意の他の幾何学形状が挙げられる。また更には、ブレード(210)は、チタン以外の材料を含み得、その材料としては、アルミニウム、スチール、鉄、複合材料、合金などが挙げられる。当然ながら、ブレード(210)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0018】
本実施例の遠位クランプパッド(220)は、Teflon(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,Delaware)製)を含むが、遠位クランプパッド(220)は、Teflon(登録商標)でコーティングされたスチールで形成することができ、又は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、他の低摩擦材料を使用することもできる。遠位クランプパッド(220)は、遠位クランプパッド(220)から延出し、かつクランプアーム(240)のT形状陥凹部(図示せず)内に挿入可能な、T形状部材(222)を介して、クランプアーム(240)上に装着される。遠位クランプパッド(220)は、ブレード(210)に実質的に平行で、かつブレード(210)と接触する位置へと、枢動可能である。したがって、クランプアーム(240)が、図2Aに示す閉鎖位置へと作動される場合、遠位クランプパッド(220)とブレード(210)との間で、組織が圧縮及び把持される。図示のように、遠位クランプパッド(220)は、鋸歯状の構成などの、非平滑表面(224)を含むことにより、遠位クランプパッド(220)による組織の把持が増強される。この鋸歯状の構成、すなわち歯は、ブレード(210)に対する組織の移動に抵抗する、静止摩擦を提供する。当業者には理解されるように、この鋸歯状の構成は、ブレード(210)の移動に対する組織の移動を、防止するために使用することができる、多くの組織係合表面のうちの、単なる一実施例である。他の例示的実施例としては、隆起部、交錯パターン、トレッドパターン、ビーズ又はサンドブラスト処理表面などが挙げられる。図示の実施例では、遠位クランプパッド(220)は、クランプアーム(240)内に、遠位端で挿入可能であり、近位クランプパッド(230)の遠位方向に配置される。
【0019】
近位クランプパッド(230)は、Teflon(登録商標)を含む、実質的に平坦なクランプパッドを含むが、近位クランプパッド(230)は、Teflon(登録商標)でコーティングされたスチールで形成することができ、又は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、他の低摩擦材料を使用することもできる。近位クランプパッド(230)は、近位クランプパッド(230)から延出し、かつクランプアーム(240)の鳩尾形状陥凹部(図示せず)内に挿入可能な、鳩尾形状部材(232)を介して、クランプアーム(240)上に装着される。近位クランプパッド(230)もまた、ブレード(210)に実質的に平行で、かつブレード(210)と接触する位置へと、枢動可能である。したがって、クランプアーム(240)が、図2Aに示す閉鎖位置へと作動される場合、近位クランプパッド(230)とブレード(210)との間で、組織が圧縮される。当然ながら、遠位クランプパッド(220)と近位クランプパッド(230)とは、別個の構成要素であるため、遠位クランプパッド(220)及び近位クランプパッド(230)に関する材料は、異なるものとすることができる。遠位クランプパッド(220)及び近位クランプパッド(230)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の、米国特許公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」の少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。
【0020】
本実施例の内側管状作動部材(260)は、外側シース(280)内部で長手方向に作動すると共に、ブレード(210)が、内側管状作動部材(260)の中を通って、長手方向に延在するように構成される、中空の円筒形部材である。内側管状作動部材(260)の近位端は、トリガー(68)などの、トリガーに結合され、このトリガーは、トリガーが押されると、内側管状作動部材(260)を近位方向に作動させるように、構成される。トリガーが解放されると、内側管状作動部材(260)は、遠位方向に作動する。内側管状作動部材(260)の遠位端(262)は、内側管状作動部材(260)の対向側面上に配置され、かつクランプアーム(240)の1対の下方ピン(252)を受容するように構成される、1対の作動穴(264)を含む。したがって、クランプアーム(240)が、作動穴(264)及び下方ピン(252)を介して、内側管状作動部材(260)に結合される場合、内側管状作動部材(260)の長手方向運動により、クランプアーム(240)は、クランプアーム(240)の1対の上方ピン(254)の周りを枢動する。当然ながら、内側管状作動部材(260)に関する、他の構成及び結合が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0021】
本実施例の外側シース(280)もまた、外側シース(280)の近位端(図示せず)で、ハンドルアセンブリのケーシングに結合すると共に、ブレード(210)、内側管状作動部材(260)、及びブレード(210)に関連する導波管が、その中を通って長手方向に延在するように構成される、中空の円筒形部材である。外側シース(280)は、外側シース(280)の対向側面上に配置され、かつクランプアーム(240)の1対の上方ピン(254)を受容するように構成される、1対の上方穴(284)を含む、遠位端(282)を有する。当業者には明らかとなるように、上方穴(284)は、周りをクランプアーム(240)が枢動可能となる、枢動点を提供する。外側シース(280)は、内側管状作動部材(260)に対して長手方向で固定されるように、更に構成される。それゆえ、内側管状作動部材(260)が長手方向に作動する場合、外側シース(280)は、クランプアーム(240)を枢動させることを可能にする、機械的基底部を提供する。当然ながら、外側シース(280)は、内側管状作動部材(260)に対して、必ずしも固定される必要はない。単なる例として、内側管状作動部材(260)を固定することができ、かつ外側シース(280)を作動可能とすることができ、又は他の変形では、内側管状部材(260)及び外側シース(280)の双方を、作動可能とすることができる。当然ながら、外側シース(280)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0022】
クランプアーム(240)は、係合部分(242)と、係合部分(242)より近位の、取り付け部分(248)とを含む。本実施例の係合部分(242)は、遠位クランプパッド(220)のT形状部材(222)を受容するように構成されるT形状陥凹部を含む、実質的に平坦な底部面を有する、湾曲状部材を含む。係合部分(242)は、本実施例のブレード(210)の曲率と、実質的に同様の曲率を有する。当然ながら、ブレード(210)が直線状である場合には、係合部分(242)もまた、直線状とすることができる。係合部分(242)は、ブレード(210)の側面の周りで下向きに湾曲することにより、係合部分(242)が、ブレード(210)によって中に組織を圧縮して切断することができる、凹型部を形成するように、更に構成することができる。取り付け部分(248)は、本体部材(250)、1対の下方ピン(252)、及び1対の上方ピン(254)を含む。本体部材(250)は、近位クランプパッド(230)の鳩尾形状部材(232)を受容するように構成される、鳩尾形状陥凹部(図示せず)を含む。上述のように、下方ピン(252)は、内側管状作動部材(260)の作動穴(264)内に挿入可能であり、上方ピン(254)は、外側シース(280)の上方穴(284)内に挿入可能である。したがって、ピン(252、254)が、穴(264、284)内に挿入される場合、クランプアーム(240)は、外側シース(280)及び内側管状作動部材(260)に結合され、クランプアーム(240)は、ブレード(210)に対して枢動可能である。当然ながら、クランプアーム(240)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。一部の変形では、ピン(252、254)は、本体部材(232)内に形成される穴に通して挿入可能な、別個のピンとすることができる。
【0023】
単に例示的な1つのエンドエフェクタ(200)が、本明細書で説明されているが、他のエンドエフェクタも同様に使用することができる。例えば、クランプアーム(240)、遠位クランプパッド(220)、近位クランプパッド(230)、内側管状作動部材(260)、及び/又は外側シース(280)を、エンドエフェクタ(200)から省略することができる。近位クランプパッド(230)、内側管状作動部材(260)、及び外側シース(280)を省略している、単に例示的な1つのエンドエフェクタは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年8月16日公開の、米国特許公開第2007/0191713号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」で説明される。クランプアーム(240)、遠位クランプパッド(220)、近位クランプパッド(230)、及び内側管状作動部材(260)を省略している、単に例示的な別のエンドエフェクタは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月21日公開の、米国特許公開第2008/0200940号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」で説明される。エンドエフェクタ(200)に関する更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0024】
III.例示的なモジュラー式クランプパッドアセンブリ
一部の状況では、クランプアーム(84)、内側管状作動部材の一部分、及び/又は外側シース(72)の一部分のみを、外科用器具(50)から取り外すことが好ましい場合がある。例えば、外側シース(72)の諸部分、内側管状作動部材の諸部分、及び/又はクランプアーム(84)は、外科手術の間に、汚れた状態になる場合がある。そのような場合には、その外側シース(72)の部分、内側管状作動部材の部分、及び/又はクランプアーム(84)を、使用の合間に、洗浄並びに再滅菌することが、困難な場合がある。したがって、外科用器具(50)の伝達アセンブリ(70)に、結合及び分離させることができる、使い捨てのクランプアームアセンブリを有することが、好ましい場合がある。伝達アセンブリ(70)及び/又は外科用器具(50)は、再使用可能、再生利用可能、かつ/若しくは再滅菌可能であるように、構成することができる。それゆえ、ユーザーは、使用済みのクランプアームアセンブリを廃棄して、伝達アセンブリ(70)及び/又は外科用器具(50)を再滅菌し、別の手技で使用するために、新たなクランプアームアセンブリを、伝達アセンブリ(70)上に結合することができる。他の状況では、クランプアーム(84)並びに/あるいはクランプパッド(86)が、損耗、故障、及び/又は動作不能若しくは使用不能の状態となる場合には、クランプアームアセンブリの取り替えが可能であることが、有用な場合がある。そのような状況では、伝達アセンブリ(70)、ブレード(82)、及び/又は外科用器具(50)ではなく、クランプアームアセンブリの取り替えが可能であることが、有用な場合がある。当然ながら、一部の変形では、取り外し可能なブレード(82)を有することもまた、好ましい場合がある。したがって、分離可能なクランプアームアセンブリに関する様々な構成を、以下で説明する。
【0025】
A.例示的なタブ付きクランプアームアセンブリ
図3は、例示的なタブ付きクランプアームアセンブリ(300)、及び例示的なスロット付き伝達アセンブリ(350)を示す。本実施例の伝達アセンブリ(350)は、上述の組立形ハンドルアセンブリ(60)などの、ハンドルアセンブリから遠位方向に延出し、外側シース(360)及び作動装置(370)を含む。導波管(図示せず)及び/又はブレード(図示せず)もまた、ハンドルアセンブリから遠位方向に延出するが、明瞭性のために省略されていることを理解するべきである。導波管及び/又はブレードは、外側シース(360)内部に配置される。導波管及び/又はブレードは、ハンドルアセンブリ、及び/又はトランスデューサ(100)などのトランスデューサ内に、一体化させることができ、あるいは導波管及びブレードは、ハンドルアセンブリから取り外し可能とすることができる。一部の変形では、このブレードは、本明細書で説明されるブレード(82、210、394、692、794、810、930)のように、導波管に選択的に結合可能とすることができる。単に例示的なハンドルアセンブリ、トランスデューサ、導波管、及び/又はブレードは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、__________出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP15.0587839]号、表題「Gear Driven Coupling Between Ultrasonic Transducer and Waveguide in Surgical Instrument」、__________出願の、同第[代理人整理番号END6895USNP14.0587838]号、表題「Cam Driven Coupling Between Ultrasonic Transducer and Waveguide in Surgical Instrument」、2011年10月10日出願の、同第13/269,870号、表題「Surgical Instrument with Modular Shaft and End Effector」、2011年10月10日出願の、同第13/269,899号、表題「Ultrasonic Surgical Instrument with Modular End Effector」、2011年10月10日出願の、同第13/269,883号、表題「Surgical Instrument with Clutching Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号で開示される。
【0026】
本実施例の外側シース(360)は、近位端でハンドルアセンブリに結合される、細長形の管状部材である。外側シース(360)は、ねじ切り(364)を有する遠位端(362)と、外側シース(360)の長手方向軸に垂直な複数個の穴(366)とを含む。遠位端(362)及びねじ切り(364)は、ねじ切り(364)と相補形の、外側シース部分(310)のねじ切り(314)に、ねじ込み式に結合するように構成される。穴(366)は、外側シース(360)を貫通して延在し、外側シース(360)の内部への流体通路を提供する。単なる例として、穴(366)は、外側シース(360)の円筒形表面の周りに、格子状パターンで、食い違い格子パターンで、不規則に、又は本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、任意の他の方式で、配置することができる。穴(366)により、ユーザーは、流体を使用して伝達アセンブリ(350)の内部を洗い流し、伝達アセンブリ(350)を滅菌及び/又は再滅菌することが可能となる。一部の変形では、内側管状作動部材を、図15に示す内側管状作動部材(780)のように、外側シース(360)内部に配置することができる。そのような内側管状作動部材もまた、内側管状作動部材及び外側シース(360)の双方の内部への、流体の流れを可能にする、貫通する穴を含み得る。内側管状作動部材上のそのような穴は、外側シース(360)の穴(366)と位置合わせすることができ、かつ/又はオフセットさせることもできる。当然ながら、穴(366)は、単に例示的であるに過ぎない。実際に、外側シース(360)及び/又は内側管状作動部材は、長手方向スロット、円周方向スロット、メッシュ、並びに/あるいは、外側シース(360)及び/又は内側管状作動部材を通る流体連通を可能にする、任意の他の形態の開口を含み得る。
【0027】
一部の他の変形では、外装管(図示せず)を、外側シース(360)の外側に提供することができる。この外装管もまた、穴(366)と同様の穴を含み得る。一部の変形では、外装管は、この外装管の穴が外側シース(360)の穴(366)と位置合わせされることにより、外側シース(360)内に流体が流れ込むことができる、第1の位置から、外装管内の穴が外側シース(360)の穴(366)からオフセットされ、その内部で、外側シース(360)が実質的に流体封止される、第2の位置へと、回転させることができる。更には、この外装管は、外側シース(360)内に形成されるキースロット(図示せず)内に挿入されることにより、第1の位置又は第2の位置で、外装管を外側シース(360)と回転方向で位置合わせする、キーを含み得る。当然ながら、戻り止め、ノッチなどのような、他の位置合わせ機構も、更に、又は代替案として、提供することができる。外側シース(360)に関する更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0028】
本実施例の作動装置(370)は、外側シース(360)の中を通って長手方向に延在する、弓状部材を含む。本実施例では、作動装置(370)は、スロット(374)が作動装置(370)の遠位端(372)の直近位に形成される、半管状部材を含む。更には、作動装置(370)は、外側シース(360)の長手方向軸から、軸方向でオフセットされるが、このことは、単に任意選択であるに過ぎない。スロット(374)は、作動装置(370)を貫通して形成される開口を含み、以下でより詳細に説明されるように、クランプアーム(320)のタブ(334)を受容するように構成される。作動装置(370)は、スロット(374)が、外側シース(360)の遠位端(362)に対して第1の遠位場所にある、装填位置(図4Aに示す)から、スロット(374)が、第1の遠位場所と比較して外側シース(360)の遠位端(362)により近接する、第3の遠位場所にある、閉鎖位置(図4Cに示す)へと、外側シース(360)に対して長手方向で作動するように、動作可能である。作動装置(370)はまた、装填位置と閉鎖位置との間に位置する、開放位置(図4Bに示す)へと、作動させることもできる。作動装置に関するそのような位置は、単に例示的であるに過ぎないことを理解するべきであり、作動装置(370)は、外側シース(360)の遠位端(362)に対して近位及び/又は遠位の、様々な位置へと作動するように、動作可能とすることができる。一部の変形では、作動装置(370)は、図15に示す内側管状作動部材(780)などの、外側シース(360)と同軸である管状部材を含み得る。他の変形では、作動装置(370)は、平面的部材を単純に含み得る。作動装置(370)及び/又はスロット(374)は、タブ(334)に結合するための、保持機構(図示せず)を更に含み得る。例えば、弾性的に付勢されるロック、戻り止め、T形状タブを受容するためのT形状スロット、他の狭小化スロット、スナップ、クリップ、クランプなどを、提供することができる。作動装置(370)及び/又はスロット(374)に関する、更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0029】
本実施例のクランプアームアセンブリ(300)は、外側シース部分(310)と、外側シース部分(310)に枢動可能に結合されるクランプアーム(320)とを含む。外側シース部分(310)は、遠位ロッド(316)を有する管状部材(312)を含み、この遠位ロッド(316)は、管状部材(312)の遠位端から延出する。管状部材(312)は、外側シース(360)のねじ切り(364)に相補形の、ねじ切り(314)を含み、管状部材(312)は、外側シース(360)の遠位端(362)上に、ねじ込み式に結合するように構成される。一部の変形では、管状部材(312)は、外側シース(360)内に、ねじ込み式に挿入されるように構成することができる。当然ながら、管状部材(312)に関する、外側シース(360)への代替的結合が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。単なる例として、接着剤、止めねじ、締まり嵌め器具、クリップ、クランプ、スナップ、弾性的に付勢されるロックなどを、提供することができる。ロッド(316)は、管状部材(312)から遠位方向に延出しており、ロッド(316)から外向きに延出する、一対のピン(318)を含む。ピン(318)は、クランプアーム(320)内に挿入可能であることにより、クランプアーム(320)は、外側シース部分(310)に対して枢動可能である。
【0030】
クランプアーム(320)は、作動部分(330)及びクランプ部分(340)を含む。作動部分(330)は、タブ(334)を有するタブ付き部材(332)を含み、このタブ(334)は、タブ付き部材(332)から下向きに延出する。本実施例のタブ付き部材(332)は、円筒形の管を含むが、タブ付き部材(332)は、代替的形態を有し得ることを理解するべきであり、その代替的形態としては、矩形の管、卵形部材、フレーム状部材などが挙げられる。タブ(334)は、作動装置(370)が開放位置へと延出する場合に、作動装置(370)のスロット(374)内に挿入されるように構成される、タブ付き部材(332)からの矩形突出部を含む。例えば、作動装置(370)及び/又はタブ(334)は、作動装置(370)及び/又はタブ(334)の一方若しくは双方が屈曲することにより、タブ(334)がスロット(374)に入ることを可能にするように、弾性材料で作製することができる。一部の変形では、はタブ(334)及び/又は作動装置(370)は、スロット(374)内へのタブ(334)の挿入を支援するための、カム面(図示せず)を含み得る。タブ(334)は、作動装置(370)が、クランプ部分(340)がブレード(図示せず)に対して一定の角度を形成する、開放位置から、クランプ部分(340)及び/又は以下で説明するクランプパッド(344)が、ブレードに平行かつ/若しくはブレードに対して圧迫される、閉鎖位置へと、クランプアーム(320)を作動させることを可能にするように、更にサイズ決定される。一部の変形では、タブ(334)は、T形状とすることができ、スロット(374)は、T形状スロットを含み得、このT形状スロットにより、タブ(334)のTの頂部は、装填の間に、スロット(374)のTの頂部に入ることが可能となる。動作の間、タブ(334)のTの基部は、タブ(334)のTの頂部によって、T形状スロット(374)内部に保持される。当然ながら、タブ(334)及びスロット(374)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。更には、作動部分(330)に関する他の構成を、使用することができる。例えば、タブ(334)は、作動装置(370)及び/又はタブ(334)内の、弾性的に付勢されるピンを介して、作動装置(370)に結合させることができる。他の変形では、タブ(334)及び/又は作動装置(370)は、磁石を含み、タブ(334)と作動装置(370)とを磁気的に結合することができる。また更には、作動装置(370)は、弾性のスナップ留め機構を含み、作動装置にタブ(334)を結合することができる。更なる他の変形が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0031】
クランプ部分(340)は、アーム(342)を含み、一部の変形では、クランプパッド(344)を含む。本実施例のアーム(342)及びクランプパッド(344)は、上述され、かつ図2A、2Bに示される、クランプアーム(240)及び遠位クランプパッド(220)に実質的に従って構成される。近位クランプパッド(230)もまた、クランプ部分(340)に含めることができる点を、理解するべきである。当然ながら、クランプ部分(340)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、代替的に、若しくは更に、構築することができる。
【0032】
ここで図4Aを参照すると、伝達アセンブリ(350)は、トリガー(382)、トランスデューサ(384)、ケーシング(386)、回転ノブ(388)、トグルボタン(390)、導波管(392)、及びブレード(394)を含む、ハンドルアセンブリ(380)に結合される。本実施例の、トリガー(382)、トランスデューサ(384)、ケーシング(386)、回転ノブ(388)、トグルボタン(390)、導波管(392)、及びブレード(394)を含む、ハンドルアセンブリ(380)は、__________出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP15.0587839]号、表題「Gear Driven Coupling Between Ultrasonic Transducer and Waveguide in Surgical Instrument」、__________出願の、同第[代理人整理番号END6895USNP14.0587838]号、表題「Cam Driven Coupling Between Ultrasonic Transducer and Waveguide in Surgical Instrument」、2011年10月10日出願の、同第13/269,870号、表題「Surgical Instrument with Modular Shaft and End Effector」、2011年10月10日出願の、同第13/269,899号、表題「Ultrasonic Surgical Instrument with Modular End Effector」、2011年10月10日出願の、同第13/269,883号、表題「Surgical Instrument with Clutching Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。
【0033】
本実施例では、トリガー(382)は、作動アセンブリ(398)に結合され、この作動アセンブリ(398)は、作動装置(370)に更に結合される。トリガー(382)及び作動アセンブリ(398)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の、米国特許公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。トリガー(382)を遠位方向に枢動させると(図4A)、作動アセンブリ(398)は、作動装置(370)を、上述のような装填位置へと、遠位方向に作動させる。本実施例では、バネ押し係止アセンブリ(383)が、ユーザーとの相互作用(例えば、解除ボタンを押すこと)が提供されるまでは、不注意により、ユーザーが装填位置へとトリガー(382)を遠位方向に作動させることを、防止する。本実施例では、係止アセンブリ(383)は、トリガー(382)が遠位方向に枢動することを防止する、バネ付勢されたレバーアームに結合される、安全ボタンを含む。当然ながら、他の係止アセンブリが、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。この装填位置から、トリガー(382)は、作動アセンブリ(398)が作動装置(370)を装填位置から近位方向に作動させる、開放位置(図4B)へと、近位方向に枢動可能である。トリガー(382)を、装填位置から開放位置へと作動させると、バネ押し係止アセンブリ(383)が係合して、トリガー(382)が装填位置に枢動して戻ることを防止する。最終的には、トリガー(382)を、近位方向に更に枢動させると(図4C)、作動アセンブリ(398)は、作動装置(370)を、閉鎖位置へと近位方向に作動させる。トリガー(382)及び/又はハンドルアセンブリ(380)に関する、更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。例えば、装填位置は、単に任意選択であるに過ぎないことを理解するべきであり、一部の変形では、トリガー(382)を、単純に開放位置へと枢動させて、作動装置(370)を実質的に延出させ、次いで、クランプアーム(320)のタブ(334)を、作動装置(370)のスロット(374)内に挿入することができる。
【0034】
クランプアームアセンブリ(300)と伝達アセンブリ(350)とを組み立てるためには、ユーザーは、最初に係止アセンブリ(383)を係合解除し、図4Aに示すハンドルアセンブリ(380)のトリガー(382)を介して、作動装置(370)を装填位置へと延出させる。作動装置(370)が延出している状態で、ユーザーは、ブレード(394)を、クランプアームアセンブリ(300)に通して挿入し、ねじ切り(314、364)を介して、伝達アセンブリ(350)上に、クランプアームアセンブリ(300)をねじ留めする。この時点で、タブ(334)もまた、スロット(374)内に挿入される。次いで、トリガー(382)を、図4Bに示す開放位置に向けて、近位方向に枢動させる。係止アセンブリ(383)が再係合することにより、トリガー(382)が装填位置に枢動して戻ることを防止する点を、理解するべきである。タブ(334)がスロット(374)内部にある状態で、次いで、ユーザーは、この外科用器具を使用して、クランプアーム(320)を作動させることができる。例えば、図4Cに示すように、ユーザーは、トリガー(382)を、閉鎖位置へと近位方向に作動させることにより、ブレード(394)に対して、クランプアーム(320)をクランプさせることができる。したがって、ブレード(394)とクランプアーム(320)との間に、組織が固定され、トランスデューサ(384)が作動される場合、ブレード(394)の超音波振動が、組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることにより、熱の拡散が比較的小さい、凝固効果を提供することができる。
【0035】
代替的な一変形では、作動装置(370)に関する装填位置は、外側シース(360)の遠位端(362)より近位に位置付けることができる。そのような構成では、トリガー(382)は、閉鎖位置より近位の位置へとトリガー(382)が枢動する、代替的な装填位置を有するように構成される。トリガー(382)が、この代替的な装填位置へと枢動すると、作動装置(370)は、閉鎖位置の作動装置(370)の位置に対して、近位方向に後退する。作動装置(370)が、この代替的な装填位置にある状態で、ねじ切り(314、364)を介して、クランプアームアセンブリ(300)を、伝達アセンブリ(350)に結合させることができる。この実施例では、クランプアームアセンブリ(300)を、伝達アセンブリ(350)に結合させる間、ブレード(394)は、最初に、伝達アセンブリ(350)から分離される。次いで、タブ(334)をスロット(374)内に挿入することができるように、クランプアーム(320)を、閉鎖位置を越えて、下向きに枢動させることが可能である。クランプアームアセンブリ(300)を、伝達アセンブリ(350)に結合させた後、次いで、ユーザーは、トリガー(382)を、閉鎖位置及び/又は開放位置へと、遠位方向に枢動させて戻す。次いで、ユーザーは、ブレード(394)を取り付けて、この外科装置を使用することができる。
【0036】
本実施例を再び参照すると、伝達アセンブリ(350)からクランプアームアセンブリ(300)を取り外すためには、ユーザーは、最初に、トリガー(382)を介して、作動装置(370)を開放位置へと作動させる。次いで、ユーザーは、係止アセンブリ(383)を係合解除し、作動装置(370)を、図4Aに示す装填位置へと作動させる。次いで、ユーザーは、クランプアーム(320)を把持して、スロット(374)からタブ(334)を外に取り出す。係止機構又は保持機構を有する一部の変形では、ボタン、スライダー、及び/又は別個の器具を使用して、スロット(374)からタブ(334)を解除することができる。タブ(334)が、スロット(374)から取り外されると、次いで、ユーザーは、伝達アセンブリ(350)から、クランプアームアセンブリ(300)を、ねじ式に抜き取る。次いで、クランプアームアセンブリ(300)を、処分、洗浄、及び/又は再生利用することができる。本実施例では、クランプアームアセンブリ(300)は、使い捨てのユニットとして提供される。伝達アセンブリ(350)、並びに外科用器具の残部もまた、処分、洗浄、及び/又は再生利用することができる。本実施例では、ユーザーは、この外科装置を再び使用する前に、滅菌流体を、外側シース(360)の穴(366)に通して流すことにより、伝達アセンブリ(350)を再滅菌することができる。次いで、新たなクランプアームアセンブリ(300)を、伝達アセンブリ(350)に取り付けて、使用することができる。
【0037】
図5は、例示的な代替的タブ付きクランプアームアセンブリ(400)、及び例示的な代替的スロット付き伝達アセンブリ(450)を示す。本実施例では、クランプアームアセンブリ(400)は、実質的にクランプアームアセンブリ(300)に従って構成されるが、ねじ切り(314)が省略されており、一対のバヨネットピン(412)(仮想線で示す)が、外側シース部分(410)の内側表面から内向きに延出する。バヨネットピン(412)は、あるいは、外側シース部分(410)から外向きに延出し得ることを理解するべきである。当然ながら、単一のバヨネットピン(412)、又は3つ以上のバヨネットピン(412)も、同様に使用することができる。外側シース部分(410)に関する更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0038】
伝達アセンブリ(450)は、実質的に伝達アセンブリ(350)に従って構成されるが、外側シース(360)のねじ切り(364)が省略されている。その代わりに、外側シース(460)は、バヨネットピン(412)を受容するように構成される、長手方向に延在する1対のバヨネットスロット(462)を含む。単なる例として、バヨネットスロット(462)は、入口部分(464)及びロック部分(466)を有する、L形状スロットである。本実施例では、バヨネットスロット(462)は、外側シース(460)の表面内に形成される陥凹部であるが、外側シース(460)を貫通して延在するものではない。このことは単に任意選択であるに過ぎず、一部の変形では、バヨネットスロット(462)は、外側シース(460)を貫通して延在する。更に他の変形では、バヨネットスロット(462)は、外側シース部分(410)の外面上のバヨネットピン(412)を受容するように、外側シース(460)の内側表面上に形成することができる。上述のように、バヨネットスロット(462)のそれぞれは、入口部分(464)及びロック部分(466)を含む。入口部分(464)は、外側シース(460)の遠位端から、近位方向に延在する。ロック部分(466)は、入口部分(464)の近位端で、入口部分(464)から円周方向に延在する。一部の変形では、複数のロック部分(466)が、入口部分(464)から延在することにより、クランプアームアセンブリ(400)を結合するための、様々な深さに対応することができる。そのような複数のロック部分(466)は、伝達アセンブリ(450)にクランプアームアセンブリを結合するための、更なるモジュール性を可能にすることができる。ロック部分(466)、戻り止め、スナップ機構、弾性的に付勢されるロック、及び/又は任意の他の保持機構を更に含むことにより、ロック部分(466)内部にバヨネットピン(412)を保持することができる。あるいは、ロック部分(466)を省略することができ、入口部分(464)の近位端が、戻り止め、スナップ機構、弾性的に付勢されるロック、及び/又は任意の他の保持機構を更に含むことにより、入口部分(464)の近位端で、バヨネットピン(412)を保持することができる。そのような保持機構は、ロック部分(466)及び/又は入口部分(464)内部に、クランプアームアセンブリ(400)を保持する手助けとなり得るものであり、かつ/あるいは、そのような保持機構は、クランプアームアセンブリ(400)が伝達アセンブリ(450)に結合されることを示す触覚フィードバックを、ユーザーに提供することができる。また更なる代替案では、バヨネットスロット(462)は、螺旋状のスロットを含み得る。当然ながら、伝達アセンブリ(450)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0039】
クランプアームアセンブリ(400)と伝達アセンブリ(450)とを組み立てるためには、ユーザーは、バヨネットピン(412)が入口部分(464)の近位端に到達するまで、バヨネットピン(412)をバヨネットスロット(462)内に挿入する。次いで、ユーザーは、クランプアームアセンブリ(400)を回転させて、バヨネットピン(412)をロック部分(466)内へと回転させる。そのような回転は、ゼロ度〜180度を包括するものとすることができる。螺旋状のスロットを含む変形では、そのような回転は、最大360度、又は360度を更に超えるものとすることができる。単なる例として、螺旋状のスロットは、1080度の回転まで、クランプアームアセンブリ(400)を回転させる。ユーザーは、作動装置及びスロットに、タブを更に結合して、この外科用器具を使用することができる。
【0040】
図6は、伝達アセンブリ(350)に、滅菌済みのクランプアームアセンブリ(300)を結合するために使用することができる、カートリッジ(500)を示す。カートリッジ(500)は、本体(502)と、本体(502)内に形成される開口(510)と、開口(510)から延在して、クランプアームアセンブリ(300)が中に配置される陥凹部(520)とを含む。本体(502)は、ハンドル部分(504)を含み得、ユーザーは、このハンドル部分(504)で、カートリッジ(500)を把持して回転させ、伝達アセンブリ(350)にクランプアームアセンブリ(300)を結合することができる。一部の変形では、カートリッジ(500)は、クランプアームアセンブリ(300)がカートリッジ(500)内部で回転することを防止する、固定機構(図示せず)を含み得る。例えば、突起、押しボタン式ブレーキパッド、クリップ、クランプ、スナップ、弾性的に付勢される部材などを、提供することができる。クランプアームアセンブリ(300)と伝達アセンブリ(350)とを結合する前の、開口(510)を覆うために、Tyvek(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,Delaware)製)カバーなどの、取り外し可能なカバー(512)を使用することができる。一部の変形では、カバー(512)は、ブレード(394)がカバー(512)を貫通して穿刺することにより、その中のクランプアームアセンブリ(300)へのアクセスを可能にすることができるような、穿刺可能なカバーを含み得る。本実施例では、クランプアームアセンブリ(300)は、伝達アセンブリ(350)に対してカートリッジ(500)を回転させることによって、伝達アセンブリ(350)上にねじ込まれる。クランプアームアセンブリ(400)及び伝達アセンブリ(450)などの、他の変形では、カートリッジ(500)を、伝達アセンブリ(450)に対して、4分の1回転(90度)で回転させることにより、伝達アセンブリ(450)にクランプアームアセンブリ(400)を結合することができる。当然ながら、カートリッジ(500)に関する、伝達アセンブリ(350)に対する他の回転角度を、使用することができる。更には、カートリッジ(500)の他の変形が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。カートリッジ(500)は、結合する行為を通じて、クランプアームアセンブリ(300)の滅菌性を損なうことなく、滅菌パッケージから直接引き出して、クランプアームアセンブリ(300)を、伝達アセンブリ(350)と結合することができる点を、理解するべきである。当然ながら、クランプアームアセンブリ(300)は、カートリッジ(500)が存在しない場合であっても、依然として、滅菌性を損なうことなく、伝達アセンブリ(350)と結合させることができる。更には、本実施例は、クランプアームアセンブリ(300)を、組み立てのための閉鎖位置で示すが、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるように、クランプアームアセンブリ(300)に関する他の構成及び/又は配向を、カートリッジ(500)と共に使用することができる。
【0041】
B.例示的なボールスナップ式クランプアーム
図7は、クランプ本体(610)、ボールカップ陥凹部(620)、ロッド開口(630)、一対のガイドピン(640)、及びクランプパッド(650)を含む、例示的なボールスナップ式クランプアーム(600)を示す。本実施例では、ボールカップ陥凹部(620)は、クランプ本体(610)の近位端内に形成され、図9に示す、ボールロッド(660)のボール(662)を受容して、ボールスナップ式クランプアーム(600)を作動させるように構成される。図8に示すロッド開口(630)は、クランプ本体(610)の近位端を貫通して形成され、ボールロッド(660)のロッド(664)をその中に通して受容するが、ボールカップ陥凹部(620)から、ボール(662)が長手方向に抜け出ることを防止するようにも構成される。クランプ本体(610)は、戻り止め(632)を更に含み、ロッド(664)は、ロッド開口(630)に入って内部で維持されるように、この戻り止め(632)に通してスナップ嵌めすることができる。本実施例では、クランプ本体(610)はまた、ボールカップ陥凹部(620)の周りに戻り止め(622)も含むことにより、ボール(662)を、同様にボールカップ陥凹部(620)内にスナップ嵌めすることができる。一部の変形では、クランプ本体(610)は、弾性材料を含むことにより、クランプ本体(610)の僅かな変形が、ボールカップ陥凹部(620)及び/又はロッド開口(630)内に、ボール(662)及び/又はロッド(664)をスナップ嵌めすることを可能にする。したがって、ユーザーは、ボールスナップ式クランプアーム(600)をボールロッド(660)から、結合及び/又は分離することができる。ボールロッド(660)は、図10A、10Bに示すシャフト(670)に対して、長手方向に作動するように動作可能である。単なる例として、ハンドルアセンブリ(図示せず)のトリガー(図示せず)を枢動させて、ボールロッド(660)を作動させることができる。クランプパッド(650)は、クランプ本体(610)の下側表面に結合されており、ボールスナップ式クランプアーム(600)が、図10Bに示す閉鎖位置へと作動される場合に、図10A、10Bに示すブレード(692)に対して組織を圧迫するように、動作可能である。クランプパッド(650)は、本明細書で説明されるクランプパッド(86、220、230、344)の少なくとも一部の教示に従って、米国特許公開第2006/0079874号の少なくとも一部の教示に従って、かつ/又は他の方法で、構築することができる。
【0042】
ここで図10A、10Bを参照すると、本実施例のガイドピン(640)は、ボールスナップ式クランプアーム(600)の長手方向軸に対して、概して垂直に延出し、シャフト(670)内に形成されるスロット(680)内部で摺動可能に作動するように構成される。シャフト(670)は、本明細書で説明されるハンドルアセンブリ(60、380)などのハンドルアセンブリから、遠位方向に延出し、シャフト(670)の対向側面上に形成される、1対のスロット(680)を含む。本実施例のスロット(680)は、シャフト(670)の長手方向軸に対して一定の角度で形成される、直線状スロットを含むが、スロット(680)は、湾曲状スロットなどの他の構成を有し得ることを、理解するべきである。シャフト(670)は、遠位端(672)上に開口部(図示せず)を更に含み、この開口部を通して、ボールスナップ式クランプアーム(600)を挿入し、ボールロッド(660)(仮想線で示す)上にスナップ嵌めすることができる。シャフト(670)は、弾性材料を含み得ることにより、遠位端(672)は、ボールスナップ式クランプアーム(600)をボールロッド(660)上にスナップ嵌めする際、ガイドピン(640)がスロット(680)に入ることを可能にするように、変形することができる。図10A、10Bに示すように、ブレード(692)を有する導波管(690)(仮想線で示す)が、シャフト(670)の中を通って長手方向に延在する。本実施例の導波管(690)及び/又はブレード(692)は、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。
【0043】
図10Aに示すように、ボールスナップ式クランプアーム(600)は、ブレード(692)とクランプパッド(650)との間に、組織が入ることを可能にするための、開放位置にある。ボールロッド(660)を近位方向に作動させると、ガイドピン(640)がスロット(680)内部で摺動し、ボールスナップ式クランプアーム(600)は、ブレード(692)に対して回転して、ボールスナップ式クランプアーム(600)とブレード(692)との間に、組織をクランプする。ボールスナップ式クランプアーム(600)が、図10Bに示す閉鎖位置にある場合、トランスデューサ(図示せず)を作動させて、導波管(690)に沿って、ブレード(692)に振動を伝達することができる。ブレード(692)とボールスナップ式クランプアーム(600)との間に、組織が固定される場合、ブレード(692)の超音波振動が、組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることにより、熱の拡散が比較的小さい、凝固効果を提供することができる。
【0044】
ユーザーが、この外科装置を終了させた後に、あるいはクランプパッド(650)及び/又はボールスナップ式クランプアーム(600)が損耗した場合には、ユーザーは、ボールロッド(660)及びシャフト(670)から、ボールスナップ式クランプアーム(600)をスナップ式に取り外す。図示の実施例では、ボールスナップ式クランプアーム(600)は、使い捨ての構成要素であり、シャフト(670)、ボールロッド(660)、導波管(690)、及びブレード(692)は、再使用可能な構成要素である。一部の変形では、クランプパッド(650)のみを処分することができ、ボールスナップ式クランプアーム(600)の残部は、洗浄して、再使用又は再生利用することができる。更には、ユーザーは、シャフト(670)、ボールロッド(660)、導波管(690)、及びブレード(692)を洗浄して、新たなボールスナップ式クランプアーム(600)と共に再使用することができる。シャフト(670)、ボールロッド(660)、導波管(690)、ブレード(692)、及び/又はボールスナップ式クランプアーム(600)に関する、更なる他の配置構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0045】
C.例示的な一体ヒンジ式クランプアーム
図11〜14は、主本体(710)、クランプパッド(730)、上方一体ヒンジ部材(740)、及び下方一体ヒンジ部材(750)を含む、例示的な代替的クランプアーム(700)を示す。本実施例の主本体(710)は、クランプ部分(712)と、クランプ部分(712)より近位のヒンジ部分(720)とを含む。図13を参照すると、クランプ部分(712)は、実質的に平面的な下側表面(714)、及び1対のT形状成形ロック(716)を含む。下側表面(714)は、以下でより詳細に論じられるように、クランプパッド(730)の接着を増大させるための、表面機構(図示せず)を、任意選択的に含み得る。そのような表面機構としては、ボールピーンショット加工表面、ギザギザ表面、ディンプル、ディボット、及び/又は本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、他の表面機構を挙げることができる。T形状成形ロック(716)は、クランプ部分(712)の上側表面から下側表面(714)まで貫通して延在することにより、注入材料は、下側表面(714)から上側表面へと、T形状成形ロック(716)を通って流れることができる。図示の実施例では、主本体(710)は、1対のT形状成形ロック(716)を含むが、単一のT形状成形ロック(716)、又は3つ以上のT形状成形ロック(716)を含めることができる点を、理解するべきである。更には、T形状成形ロック(716)は、本質的にT形状に限定されるものではない。実際に、円筒形プラグ、L形状などを含めた、他の幾何学的構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0046】
ヒンジ部分(720)は、クランプ部分(712)より近位に配置され、本実施例では、クランプ部分(712)から下向きに延出する。単なる例として、ヒンジ部分(720)は、クランプ部分(712)に対して下向きに配向されるC形状を提示する。このC形状の脚部のそれぞれは、射出成形材料などの流体が中を通って流れることができる、チャネル(図示せず)を更に含む。このチャネルは、以下でより詳細に論じられるように、チャネル内に流れ込み、チャネル内部で凝固する、挿入成形材料を介して、クランプパッド(730)に下方一体ヒンジ部材(750)を結合する。一部の変形では、主本体(710)は、金属材料を含むが、プラスチック、ガラスなどを含めた、他の材料も同様に使用することができる。主本体(710)は、クランプパッド(730)及び/又は一体ヒンジ(750)の挿入成形に先立つ、第1の成形構成要素とすることができる。主本体(710)に関する、更なる他の修正及び/又は構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0047】
本実施例のクランプパッド(730)は、主本体(710)上に成形される、挿入成形部品である。図13に示すように、クランプパッド(730)が、主本体(710)上に成形される際、その成形材料の一部分が、T形状成形ロック(716)内に流れ込む。この注入材料が凝固すると、クランプパッド(730)、及びT形状成形ロック(716)内部の材料は、単一の、均質な材料の連続体を形成する。したがって、このT形状の材料は、主本体(710)に対してクランプパッド(730)を固定するものであり、主本体(710)からクランプパッド(730)を取り外すためには、T形状成形ロック(716)内部の材料を、切断又は破断しなければならない。クランプパッド(730)は、上述の下側表面(714)の表面機構を介して、更に固定することができる。当然ながら、T形状成形ロック(716)は、単に任意選択であるに過ぎないことを理解するべきであり、クランプパッド(730)は、接着剤、機械的取り付け具(ねじ、ステープル、ボルトなど)などを含めた、他の手段を通じて、主本体(710)に結合させることができる。一部の変形では、クランプパッド(730)は、Teflon(登録商標)を含むが、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、他の低摩擦材料を使用することもできる。更には、クランプパッド(730)は、本明細書で説明されるクランプパッド(86、220、230、344、650)の少なくとも一部の教示に従って、かつ/又は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の、米国特許公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」の少なくとも一部の教示に従って、構築することができ、あるいは、省略することもできる。
【0048】
図13にも示すように、本実施例の上方一体ヒンジ部材(740)は、クランプパッド(730)から近位方向に延出し、クランプパッド(730)と一体的に形成されることにより、クランプパッド(730)及び上方ヒンジ部材(740)は、単一の、均質な材料の連続体を形成する。上方ヒンジ部材(740)は、クランプアーム(730)と共に成形される、挿入成形部品である。上方ヒンジ部材(740)は、上方一体ヒンジ(742)を介してクランプパッド(730)に接続されることにより、上方ヒンジ部材(740)は、クランプパッド(730)及び/又は主本体(710)に対して、上向き若しくは下向きに傾斜させることができる。図11、12、及び図14に示すように、上方ヒンジ部材(740)は、一対の長手方向の上方スロット(746)が、上方ヒンジ部材(740)の両側面上に形成される、弓状部材(744)を含む。単なる例として、上方スロット(746)は、弓状部材(744)の側面を、長手方向に貫通して延在することにより、図14に示す、外側シース(770)の弓状末端部(772)を、上方スロット(746)内に挿入することができる。弓状末端部(772)が、上方スロット(746)内に挿入されると、上方ヒンジ部材(740)が、外側シース(770)に結合される。それゆえ、主本体(710)及び/又はクランプパッド(730)は、一体ヒンジ(742)を介して、外側シース(770)に対して枢動することができる。上方スロット(746)は、あるいは、上方スロット(746)が、上方ヒンジ部材(740)の遠位端よりも前の、遠位壁部で終結するように、弓状部材(744)を部分的にのみ貫通して延在することができる点を、理解するべきである。この遠位壁部は、外側シース(770)が、上方ヒンジ部材(740)の遠位端から外に延出することを、阻止することができるが、このことは、単に任意選択であるに過ぎない。
【0049】
一部の変形では、上方スロット(746)は、上方スロット(746)内に弓状末端部(772)をスナップ嵌めするための、スナップ機構(図示せず)を含み得る。あるいは、単一のスロットを、上方ヒンジ部材(740)の弓状部材(744)の中央部分に、長手方向に貫通させて形成することができる。したがって、この単一のスロット内に、外側シース(770)の一部分を挿入して、上方ヒンジ部材(740)に、外側シース(770)を結合することができる。当然ながら、2つ以上のスロットを、同様に弓状部材(744)の中央部分に貫通させて形成することもできる。他の変形では、単一のスロットを、上方ヒンジ部材(740)の近位端に形成することができ、この末端部スロット内に、外側シース(770)を挿入して、上方ヒンジ部材(740)に、外側シース(770)を結合することができる。上方ヒンジ部材(740)に関する更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0050】
本実施例の下方一体ヒンジ部材(750)は、主本体(710)のヒンジ部分(720)の底部から近位方向に延出し、ヒンジ部分(720)内に形成されるチャネルを介して、クランプパッド(730)と一体的に形成される。下方ヒンジ部材(750)は、クランプアーム(730)と共に成形される、挿入成形部品である。クランプパッド(730)用の材料が、成形型内に注入されると、その材料が、ヒンジ部分(720)のチャネルを通って流れ、チャネル内部で凝固することにより、下方一体ヒンジ部材(750)及びクランプパッド(730)は、単一の、均質な材料の連続体を形成する。下方ヒンジ部材(750)は、下方一体ヒンジ(754)を含むことにより、下方ヒンジ部材(750)は、クランプパッド(730)及び/又は主本体(710)に対して、上向き若しくは下向きに傾斜させることができる。当然ながら、下方一体ヒンジ部材(750)は、別個の成形部品とすることができ、又は、一部の変形では、下方一体ヒンジ部材(750)は、それぞれが、対応するヒンジ部分(720)から延出する、2つの別個の部材を含み得る。図11、12、及び図14に示すように、下方ヒンジ部材(750)は、一対の長手方向の下方スロット(756)が、下方ヒンジ部材(750)の両側面上に形成される、弓状部材(754)を含む。単なる例として、下方スロット(756)は、弓状部材(754)の側面を、長手方向に貫通して延在することにより、図14に示す、内側管状作動部材(780)の弓状末端部(782)を、下方スロット(756)内に挿入することができる。弓状末端部(782)が、下方スロット(756)内に挿入されると、下方ヒンジ部材(750)が、内側管状作動部材(780)に結合される。それゆえ、主本体(710)及び/又はクランプパッド(730)は、一体ヒンジ(752)を介して、内側管状作動部材(780)に対して枢動することができる。下方スロット(756)は、あるいは、下方スロット(756)が、下方ヒンジ部材(750)の遠位端よりも前の、遠位壁部で終結するように、弓状部材(754)を部分的にのみ貫通して延在することができる点を、理解するべきである。この遠位壁部は、内側管状作動部材(780)が、下方ヒンジ部材(750)の遠位端から外に延出することを、阻止することができるが、このことは、単に任意選択であるに過ぎない。
【0051】
一部の変形では、下方スロット(756)は、下方スロット(756)内に弓状末端部(782)をスナップ嵌めするための、スナップ機構(図示せず)を含み得る。あるいは、単一のスロットを、下方ヒンジ部材(750)の弓状部材(754)の中央部分に、長手方向に貫通させて形成することができる。したがって、この単一のスロット内に、内側管状作動部材(780)の一部分を挿入して、下方ヒンジ部材(750)に、内側管状作動部材(780)を結合することができる。当然ながら、2つ以上のスロットを、同様に弓状部材(754)の中央部分に貫通させて形成することもできる。他の変形では、単一のスロットを、下方ヒンジ部材(750)の近位端に形成することができ、この末端部スロット内に、内側管状作動部材(780)を挿入して、下方ヒンジ部材(750)に、内側管状作動部材(780)を結合することができる。下方ヒンジ部材(750)に関する更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0052】
図14、15に示すように、クランプアーム(700)は、外側シース(770)、内側管状作動部材(780)、導波管(790)、及びブレード(794)を含む、伝達アセンブリ(760)に結合する。本実施例の外側シース(770)は、ハンドルアセンブリ(図示せず)に結合される近位端(図示せず)を有する、細長形の管状部材を含む。このハンドルアセンブリは、本明細書で説明されるハンドルアセンブリ(60、380)の少なくとも一部の教示に従って、あるいは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年10月10日出願の、米国特許出願第13/269,883号、表題「Surgical Instrument with Clutching Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP18.0587842]号、表題「Surgical Instrument with Modular End Effector」、________出願の、同第[代理人整理番号END6895USNP15.0587839]号、表題「Gear Driven Coupling Between Ultrasonic Transducer and Waveguide in Surgical Instrument」、__________出願の、同第[代理人整理番号END6895USNP14.0587838]号、表題「Cam Driven Coupling Between Ultrasonic Transducer and Waveguide in Surgical Instrument」、2011年10月10日出願の、同第13/269,870号、表題「Surgical Instrument with Modular Shaft and End Effector」、2011年10月10日出願の、同第13/269,899号、表題「Ultrasonic Surgical Instrument with Modular End Effector」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。
【0053】
外側シース(770)は、図15に示すように、外側シース(770)の上方部分内にノッチが切り欠かれた、遠位端(774)を有する。結果として、上述のような、上方スロット(746)内に挿入可能な、一対の弓状末端部(772)が形成される。図15はまた、外側シース(770)の表面を貫通して形成される、複数個の穴(776)を含む、外側シース(770)も示す。穴(776)は、流体が外側シース(770)内に入ることを可能にすることにより、外側シース(770)を滅菌流体で洗い流して、外側シース(770)を洗浄することができる。当然ながら、穴(776)は、単に任意選択であるに過ぎず、長手方向スロット、円周方向スロット、メッシュなどを含めた、他の開口を使用することができる。更には、外側シース(770)は、上述の外側シース(360)の教示に従って、かつ/又は本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような他の方法で、構築することができる。
【0054】
本実施例の内側管状作動部材(780)は、外側シース(770)内部に配置され、かつ近位端(図示せず)がハンドルアセンブリのトリガーに結合される、細長形の管状部材を含む。このハンドルアセンブリ及び/又はトリガーは、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。内側管状作動部材(780)は、図15に示すように、内側管状作動部材(780)の下方部分内にノッチが切り欠かれた、遠位端(784)を有する。結果として、上述のような、下方スロット(756)内に挿入可能な、一対の弓状末端部(782)が形成される。内側管状作動部材(780)はまた、内側管状作動部材(780)の表面を貫通して形成される、複数個の穴(図示せず)も含む。これらの穴は、穴(776)の少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。例えば、内側管状作動部材(780)内の穴は、流体が内側管状作動部材(780)内に入ることを可能にすることにより、内側管状作動部材(780)を滅菌流体で洗い流して、内側管状作動部材(780)を洗浄することができる。当然ながら、これらの穴は、単に任意選択であるに過ぎず、長手方向スロット、円周方向スロット、メッシュなどを含めた、他の開口を使用することができる。内側管状作動部材(780)は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、他の構造を有し得る。
【0055】
導波管(790)は、ハンドルアセンブリのトランスデューサ(図示せず)に結合される、細長形の円筒又は管を含む。このトランスデューサは、超音波周波数(55.5kHzなど)での線形振動又は線形振盪を作り出すように、動作可能である。トランスデューサが導波管(790)に結合されることにより、これらの線形振動は、導波管(790)を通じて、ブレード(794)に伝達される。このトランスデューサは、2011年10月10日出願の、米国特許出願第13/269,883号、表題「Surgical Instrument with Clutching Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。本実施例の導波管(790)は、ブレード(794)のねじ付き近位端に、ねじ込み式に結合する、ねじ付き遠位端(図示せず)を含む。ブレード(794)への導波管(790)の、ねじ式結合の軸方向位置は、トランスデューサによって作り出され、導波管(790)を通る超音波振動の、最後の波腹に対応し得るが、このことは、単に任意選択であるに過ぎない。本実施例のブレード(794)は、トランスデューサが作動される場合に、組織を切断するように動作可能な、直方体の遠位端を有する、直線状ブレードを含む。本実施例のブレード(794)は、使い捨てのブレードであることにより、ユーザーは、ブレード(794)を分離して、新たな手技のために、新たなブレード(794)を結合することができる。ブレード(794)は、上述のブレード(82)の少なくとも一部の教示に従って、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、かつ/あるいは他の方法で、更に構築することができる。
【0056】
図15に示す実施例では、最初に、ユーザーは、導波管(790)に、ブレード(794)をねじ込み式に結合する。次いで、ユーザーは、外側シース(770)に、上方ヒンジ部材(740)を結合し、内側管状作動部材(780)に、下方ヒンジ部材(750)を結合する。導波管(790)へのブレード(794)の取り付けは、ヒンジ部材(740、750)の取り付けの後に実行することができる点を、理解するべきである。一部の変形では、上方ヒンジ部材(740)は、外側シース(770)上へと摺動し、下方ヒンジ部材(750)は、内側管状作動部材(780)上へと摺動する。他の変形では、上方ヒンジ部材(740)は、外側シース(770)上にスナップ嵌めされ、下方ヒンジ部材(750)は、内側管状作動部材(780)上にスナップ嵌めされる。例えば、そのような1つの単に例示的なスナップ嵌め機構は、外側シース(770)上に形成される角度付きタブ(図示せず)、及び作動部材(780)上に形成される角度付きタブ(図示せず)を含む。これらのタブは、上方ヒンジ部材(740)内、及び下方ヒンジ部材(750)内に形成される、対応する穴(図示せず)内に、スナップ嵌めされるように構成される。当然ながら、上方ヒンジ部材(740)及び下方ヒンジ部材(750)上に、タブを形成することができ、外側シース(770)及び作動部材(780)内に、穴を形成することができる。あるいは、スナップ機構は、スロットの末端部に形成される穴内にスナップ嵌めされる、ピンを含み得る。更なる他のスナップ機構が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。外側シース(770)に上方ヒンジ部材(740)をスナップ嵌めし、内側管状作動部材(780)に下方ヒンジ部材(750)をスナップ嵌めするための、そのような機構は、外側シース(770)及び内側管状作動部材(780)内に、レーザー切断することができる。あるいは、そのような機構をチクソ形成して、外側シース(770)及び/又は管状作動部材(780)に溶接することができる。また更には、そのようなスナップ機構は、ねじ留め、スナップ嵌め、クリップ留め、クランプ留め、接着剤による取り付け、及び/又は他の方法で、外側シース(770)並びに/あるいは管状作動部材(780)に固定することができる。
【0057】
したがって、クランプアーム(700)が伝達アセンブリ(760)に結合されると、内側管状作動部材(780)が、ハンドルアセンブリのトリガーを介して、長手方向に作動され、外側シース(770)が、固定されたたまま維持される場合、クランプアーム(700)は、ブレード(794)に対して枢動する。それゆえ、クランプアーム(700)を、開放位置から閉鎖位置へと枢動させて、クランプパッド(730)とブレード(794)との間に、組織を固定することができる。したがって、トランスデューサが作動され、ブレード(794)とクランプアーム(700)との間に、組織が固定される場合、ブレード(794)の超音波振動が、組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることにより、熱の拡散が比較的小さい、凝固効果を提供することができる。それゆえ、ユーザーは、外側シース(770)及び内側管状作動部材(780)に結合された、クランプアーム(700)を使用して、組織を掴持して切断することができる。ユーザーが、クランプアーム(700)を終了させる場合、ユーザーは、クランプアーム(700)を取り外して処分することができる。次いで、ユーザーは、伝達アセンブリ(760)及び/又はハンドルアセンブリを再滅菌して、新たなクランプアーム(700)を取り付けることができる。一部の変形では、ユーザーは、クランプアーム(700)を、再生利用のために、製造元に返送することができる。例えば、製造元は、最初に、クランプパッド(730)、上方ヒンジ(740)、及び下方ヒンジ(750)を切除することができる。次いで、製造元は、主本体(710)を再滅菌して、新たなクランプパッド(730)、上方ヒンジ(740)、及び下方ヒンジ(750)を、主本体(710)上に成形することができる。
【0058】
一部の変形では、外側シース(770)を作動させる一方で、内側管状作動部材(780)は、固定されたたまま維持される。更に他の変形では、外側シース(770)を、近位方向に作動させる一方で、内側管状作動部材(780)を、遠位方向に作動させることができ、又はその逆も可能である。当然ながら、クランプアーム(700)、外側シース(770)、及び/又は内側管状作動部材(780)に関する、更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0059】
D.例示的なピン留め式エンドエフェクタアセンブリ
図16〜18Bは、内側管(850)及び導波管(860)に結合するための、例示的なピン留め式エンドエフェクタ(800)を示す。図16に示すように、ピン留め式エンドエフェクタ(800)は、ブレード(810)、遠位内側管部分(820)、外側シース(830)、及びクランプアーム(840)を含む。ブレード(810)は、以下でより詳細に論じられるように、導波管(860)に結合され、かつトランスデューサが作動される場合に、組織を切断するように動作可能な、直方体の遠位端を有する、金属製の円筒形ロッドを含む。ブレード(810)は、本明細書で説明されるブレード(82、794)の少なくとも一部の教示に従って、あるいは、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。本実施例のブレード(810)は、図18A、18Bに示す、近位端のねじ付き陥凹部(812)を更に含み、このねじ付き陥凹部(812)は、導波管(860)のねじ付き末端部(864)に、ねじ込み式に結合するように構成される。図18A、18Bにはまた、ブレード(810)を貫通して形成されるピン穴(816)も示され、このピン穴(816)は、ブレード(810)の長手方向軸に垂直である。ピン穴(816)は、その中にピン(838)を通して受容するように構成される。ブレード(810)に関する更なる構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0060】
遠位内側管部分(820)は、ブレード(810)に同軸であり、かつブレード(810)の外側に配置される。本実施例では、遠位内側管部分(820)は、遠位端の上方ピン(822)と、図18A、18Bに示す、内向きフレア状近位端(824)とを有する、管状部材を含む。上方ピン(822)は、上方ピン穴(842)で、クランプアーム(840)に結合するように構成されることにより、クランプアーム(840)を、遠位内側管部分(820)に対して枢動させることができる。内向きフレア状近位端(824)は、以下でより詳細に説明されるように、内側管(850)及び導波管(860)と連通する、ブッシング(854)内に挿入されるように構成される。一部の変形では、内向きフレア状近位端(824)は、ブッシング(854)と締まり嵌めを形成するように構成されるが、このことは、単に任意選択であるに過ぎない。遠位内側管部分(820)は、ピン穴(816)に同軸の、ピン穴(826)を更に含むことにより、ピン(838)を、ピン穴(816)、及び遠位内側管部分(820)のピン穴に通して挿入し、遠位内側管部分(820)にブレード(810)を結合することができる。当然ながら、遠位内側管部分(820)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0061】
図16を更に参照すると、外側シース(830)は、遠位内側管部分(820)及びブレード(810)に同軸であり、かつ外側に配置される。本実施例では、外側シース(830)は、下方ピン穴(832)が、外側シース(830)の遠位端を貫通して形成される、管状部材を含む。外側シース(830)の近位端は、ハンドルアセンブリ内のトリガーに結合するように構成されることにより、外側シース(830)は、このトリガーを介して、長手方向に作動可能である。ハンドルアセンブリ及び/又はトリガーに関する、単に例示的な構造は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の、米国特許出願第[代理人整理番号END6895USNP18.0587842]号、表題「Surgical Instrument with Modular End Effector」、__________出願の、同第[代理人整理番号END6895USNP15.0587839]号、表題「Gear Driven Coupling Between Ultrasonic Transducer and Waveguide in Surgical Instrument」、__________出願の、同第[代理人整理番号END6895USNP14.0587838]号、表題「Cam Driven Coupling Between Ultrasonic Transducer and Waveguide in Surgical Instrument」、2011年10月10日出願の、同第13/269,870号、表題「Surgical Instrument with Modular Shaft and End Effector」、2011年10月10日出願の、同第13/269,899号、表題「Ultrasonic Surgical Instrument with Modular End Effector」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号で開示される。下方ピン穴(832)は、クランプアーム(840)の下方ピン(844)を受容するように構成されることにより、クランプアーム(840)は、外側シース(830)が長手方向に作動される場合に、ブレード(810)に対して枢動することができる。外側シース(830)は、外側シース(830)が長手方向に作動される場合に、ピン(838)が、中で平行移動することができる、長手方向スロット(834)を更に含む。図16に示すように、ピン(838)は、外側シース(830)の外部表面と同一表面であることにより、外側シース(830)、遠位内側管部分(820)、及びブレード(810)は、ピン(838)を介して、互いに対して実質的に固定されるが、スロット(834)は、ピン(838)に対する、外側シース(830)の、ある程度の長手方向の作動を可能にすることを、理解するべきである。他の構成要素と同様に、外側シース(830)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0062】
本実施例のクランプアーム(840)は、上方ピン穴(842)と下方ピン(844)とを有する本体(846)、及びクランプパッド(848)を含む。本実施例では、クランプアーム(840)は、外側シース(830)が、下方ピン(844)を、遠位方向及び/又は近位方向に作動させる場合に、上方ピン穴(842)内部の上方ピン(822)の周りを枢動可能である。したがって、図16に示す実施例では、外側シース(830)は、外側シース(830)が遠位方向に作動される場合の開放位置から、外側シース(830)が近位方向に作動される場合の閉鎖位置へと、クランプアーム(840)を枢動させるように、動作可能である。一部の変形では、クランプアーム(840)は、外側シース(830)が近位方向に作動される場合に、開放位置へと枢動させることができ、またクランプアーム(840)は、外側シース(830)が遠位方向に作動される場合に、閉鎖位置へと枢動させることができる。本実施例のクランプアーム(840)が、閉鎖位置にある場合、クランプアーム(840)及び/又はクランプパッド(848)は、ブレード(810)に対して圧迫される。クランプアーム(840)が、開放位置にある場合、クランプアーム(840)及び/又はクランプパッド(848)は、ブレード(810)に対して一定の角度で開放されることにより、クランプアーム(840)とブレード(810)との間に、組織を挿入することができる。クランプアーム(840)は、当然ながら、本明細書で開示されるクランプアーム(84、240、320、600、700)の少なくとも一部の教示に従って、かつ/あるいは米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、更に構築することができる。クランプアーム(840)に関する更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0063】
ここで図17を参照すると、内側管(850)は、ハンドルアセンブリに結合される近位端と、ブッシング(854)が中に挿入される遠位端(852)とを有する、管状部材を含む。内側管(850)は、内側管(850)の長手方向軸に垂直な、ピン穴(856)を更に含み、第2ピン(858)が、このピン穴(856)に通して挿入可能である。一部の変形では、第2ピン(858)は、内側管(850)内のピン穴(856)、及び導波管(860)のピン穴(866)に通して挿入された後に、内側管(850)に溶接される。他の変形では、ピン穴(856)は、外側シース(830)のスロット(834)と同様の、スロットを含み得る。したがって、第2ピン(858)が、内側管(850)に対して長手方向に作動することを、可能にすることができる。本実施例の第2ピン(858)もまた、第2ピン(858)が、中に挿入された場合に、内側管(850)の外部表面と同一表面となるように、サイズ決定される。ブッシング(854)は、内側管(850)の遠位端(852)の内面、及び導波管(860)の遠位端(862)の外面と連通することにより、導波管(860)の遠位端(862)を、内側管(850)内部に支持する。ブッシング(854)はまた、ピン穴(856)に同軸のピン穴(図示せず)も含むことにより、第2ピン(858)を、その中に通して挿入可能である。当然ながら、内側管(850)及び/又はブッシング(854)に関する他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0064】
本実施例の導波管(860)は、導波管(860)の近位端で、トランスデューサに結合されており、導波管(860)の遠位端(862)から突出する、ねじ付き部材(864)を含む。このトランスデューサは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年10月10日出願の、米国特許出願第13/269,883号、表題「Surgical Instrument with Clutching Slip Ring Assembly to Power Ultrasonic Transducer」、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。本実施例のねじ付き部材(864)は、ブッシング(854)を貫通して突出し、ブレード(810)のねじ付き陥凹部(812)に、ねじ込み式に結合するように構成される。したがって、導波管(860)がブレード(810)に結合される場合、トランスデューサによって作り出される振動が、導波管(860)を通じて、ブレード(810)に伝達されることにより、ブレード(810)もまた、そのトランスデューサによって作り出される超音波周波数で振動する。導波管(860)はまた、図18A、18Bに示すピン穴(866)も含み、第2ピン(858)が、このピン穴(866)に通して挿入される、したがって、第2ピン(858)は、内側管(850)、ブッシング(854)、及び導波管(860)を一体に結合して、それぞれを、他に対して固定する。一部の変形では、ピン(838、858)は、導波管(860)を通じて伝達される超音波振動波の、波腹に配置することができるが、このことは、単に任意選択であるに過ぎない。実際に、ピン(838、858)は、あるいは、導波管(860)を通じて伝達される超音波振動波の、波節に配置することができる。また更なる構成では、ピン穴(816、866)は、超音波振動波が、導波管(860)及びブレード(810)を通じて伝達される際に、ピン穴(816、866)に対する、導波管(860)及びブレード(810)の平行移動を可能にするように、サイズ決定することができる。本実施例のピン(838、858)は、エンドエフェクタ(800)が、内側管(850)及び導波管(860)に対して回転される際に、依然として、ピン穴(816、866)に係合することにより、ブレード(810)が、導波管(860)上にねじ込まれることを、理解するべきである。導波管(860)に関する他の好適な構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0065】
ここで図18A、18Bを参照すると、ユーザーが、導波管(860)及び内側管(850)に、エンドエフェクタ(800)を結合することを所望する場合、ユーザーは、最初に、外側シース(830)内に、内側管(850)及び導波管(860)を挿入する。エンドエフェクタ(800)を、内側管(850)上に、近位方向に摺動させると、遠位内側管部分(820)の内向きフレア状近位端(824)が、内側管(850)のブッシング(854)内に挿入される。更には、導波管(860)のねじ付き部材(864)が、ブレード(810)のねじ付き陥凹部(812)に当接する。次いで、ユーザーは、ブレード(810)が、ねじ付き部材(864)及びねじ付き陥凹部(812)を介して、導波管(860)に、実質的に音響的に結合されるまで、エンドエフェクタ(800)を回転させる。ピン(838、858)は、位置合わせされる必要がないことを、理解するべきである。ブレード(810)が、導波管(860)に結合されると、外側シース(830)が、ハンドルアセンブリ内部のトリガーに結合される。外側シース(830)を取り外し可能に結合するための、単に例示的な結合機構は、2011年10月10日出願の、米国特許出願第13/269,870号、表題「Surgical Instrument with Modular Shaft and End Effector」で開示される。外側シース(830)が、トリガーに結合されると、次いで、ユーザーは、クランプアーム(840)及びブレード(810)を使用して、組織をクランプ及び切断するために、この外科用器具を使用することができる。ユーザーが、この外科装置を終了させた後に、ユーザーは、外側シース(830)を取り外し、導波管(860)から、ブレード(810)を、ねじ式に抜き取る。次いで、ユーザーは、使用済みのエンドエフェクタ(800)を処分して、内側管(850)、導波管(860)、及び/又はハンドルアセンブリを再滅菌し、別の手技で使用するために、新たなエンドエフェクタ(800)を取り付けることができる。
【0066】
E.例示的なスロット及び弾性タブアセンブリ
図19A、19Bは、エンドエフェクタ(図示せず)の、遠位外側シース(910)及び遠位内側管(920)を、外側シース(950)及び内側管(960)に結合させるための、例示的な代替的クランプアーム結合部を示す。本実施例の遠位外側シース(910)は、一対の弾性タブ(912)を近位端に有し、外側シース(950)の遠位端内に形成される、一対の外側シーススロット(952)内にスナップ嵌めされるように構成される、管状部材を含む。遠位内側管(920)は、同様に、一対の弾性タブ(922)を近位端に有し、内側管(960)の遠位端内に形成される、一対の内側管スロット(962)内にスナップ嵌めされるように構成される、管状部材を含む。遠位外側シース(910)及び遠位内側管(920)は、それぞれの遠位端で、クランプアーム(図示せず)に結合されることにより、クランプアームは、遠位外側シース(910)及び/又は遠位内側管(920)の長手方向の作動を介して、ブレード(930)に対して枢動可能である。例えば、遠位外側シース(910)、遠位内側管(920)、及び/又はクランプアームは、エンドエフェクタ(800)、クランプアーム(700)、伝達アセンブリ(760)、クランプアーム(600)、クランプアームアセンブリ(400)、伝達アセンブリ(450)、クランプアームアセンブリ(300)、伝達アセンブリ(350)、エンドエフェクタ(200)、エンドエフェクタ(80)の、少なくとも一部の教示に従って、かつ/あるいは米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2011/0015660号、米国特許第6,500,176号、米国特許公開第2011/0087218号、及び/又は同第2009/0143797号の、少なくとも一部の教示に従って、構築することができる。
【0067】
外側シース(950)は、その中に弾性タブ(912)を受容するように構成される、1対の外側シーススロット(952)を遠位端に有する、管状部材を含む。外側シース(950)の近位端は、ハンドルアセンブリ(図示せず)に結合される。一部の変形では、外側シース(950)は、ハンドルアセンブリのトリガー(図示せず)を介して作動可能である。他の変形では、外側シース(950)は、ハンドルアセンブリに固定して結合される。内側管(960)は、その中に弾性タブ(922)を受容するように構成される、1対の内側管スロット(962)を遠位端に有する、管状部材を含む。内側管(960)の近位端もまた、ハンドルアセンブリに結合される。一部の変形では、内側管(960)は、ハンドルアセンブリのトリガーを介して作動可能である。他の変形では、内側管(960)は、ハンドルアセンブリに固定して結合される。本実施例では、ハンドルアセンブリは、外側シース(950)及び内側管(960)の双方を、ブレード(930)に対して遠位方向に作動させるように動作可能な、作動装置(940)を含む。例えば、図19Bは、作動装置(940)による作動の前の、閉鎖位置で示される、外側シース(950)及び内側管(960)を示す。作動装置(940)が、ユーザーによって作動されると、外側シース(950)及び内側管(960)は、図19Aに示すように、ハンドルアセンブリ及びブレード(930)に対して、遠位方向に平行移動する。一部の変形では、作動装置(940)は、外側シース(950)及び内側管(960)を、ブレード(930)及びハンドルアセンブリに対して、遠位方向に延出させるように動作可能な、スライダーを含む。他の変形では、作動装置(940)は、外側シース(950)及び内側管(960)を、ブレード(930)及びハンドルアセンブリに対して、遠位方向に作動させるように動作可能な、押しボタンを含む。当然ながら、外側シース(950)、内側管(960)、及び作動装置(940)に関する、更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0068】
本実施例のブレード(930)は、導波管(図示せず)に選択的に結合可能であり、組織を切断するように動作可能である。図19A、19Bに示す実施例では、ブレード(930)は、導波管に選択的に結合するように構成される、コネクタ(932)を含む。コネクタ(932)に関する、単に例示的な構成としては、ねじ切り、ルアーロック、バヨネット接続器具、スナップなどが挙げられる。一部の変形では、コネクタ(932)は、ブレード(930)の最遠位の波節に対応するように、長手方向で配置される。導波管は、本明細書で説明されるトランスデューサ(100)などの、トランスデューサに結合されることにより、超音波振動が、導波管に伝達される。ブレード(930)が導波管に結合される場合、ブレード(930)もまた超音波で振動して、組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることにより、熱の拡散が比較的小さい、凝固効果を提供する。
【0069】
ユーザーが、外側シース(950)に遠位外側シース(910)を結合し、かつ内側管(960)に遠位内側管(920)を結合することを所望する場合、最初に、ユーザーは、作動装置(940)を使用して、ブレード(930)に対して、外側シース(950)及び内側管(960)を遠位方向に延出させる。図19Aに示すように、外側シース(950)及び内側管(960)が、遠位方向に延出されると、ユーザーは、外側シーススロット(952)内に、遠位外側シース(910)の弾性タブ(912)を挿入し、かつ内側管スロット(962)内に、遠位内側管(920)の弾性タブ(922)を挿入する。タブ(912、922)が、スロット(952、962)内に挿入されると、ユーザーは、外側シース(950)及び内側管(960)が、ブレード(930)に対して近位方向に後退するように、作動装置(940)を使用する。当業者には明らかとなるように、遠位外側シース(910)及び遠位内側管(920)もまた、タブ(912、922)とスロット(952、962)との結合の結果として、近位方向に後退する。図19Bに示すように、作動装置(940)は、タブ(912、922)とスロット(952、962)との接続部が重なり合うように、外側シース(950)及び内側管(960)を後退させることにより、タブ(912)がスロット(952)から係合解除されることを、実質的に防止するように、構成される。更には、作動装置(940)は、タブ(922)とスロット(962)との接続部が、コネクタ(932)と長手方向で位置合わせされるように、内側管(960)を後退させるように構成される。本実施例のコネクタ(932)は、タブ(922)がスロット(962)から係合解除されることを、実質的に防止するようにサイズ決定され、構成される。一部の変形では、コネクタ(932)は、コネクタ(932)の外周の周りに配置され、内側管(960)及び/又は遠位内側管(920)の内部に対して、実質的に、コネクタ(932)を流体封止するように構成される、封止部材(図示せず)を含み得る。外側シース(950)が、遠位外側シース(910)に結合され、内側管(960)が、遠位内側管(920)に結合されると、次いで、ユーザーは、この外科用器具を使用することができる。ユーザーが、この器具を終了させる場合、遠位外側シース(910)及び遠位内側管(920)を係合解除して、エンドエフェクタを処分することができる。一部の変形では、ブレード(930)も同様に分離して、処分することができる。次いで、ユーザーは、外側シース(950)及び内側管(960)を含む、この外科用器具を洗浄し、次いで、新たな手技で使用するために、遠位外側シース(910)及び遠位内側管(920)を有する、新たなエンドエフェクタを結合することができる。
【0070】
一部の変形では、遠位外側シース(910)並びに外側シース(950)は、バヨネット及びスロット、ルアーロックなどの、回転式の結合部を含む。遠位内側管(920)並びに内側管(960)もまた、バヨネット及びスロット、ルアーロックなどの、回転式の結合部を含み得る。1つ又は2つ以上の標識(図示せず)を、遠位外側シース(910)、外側シース(950)、遠位内側管(920)、及び/又は内側管(960)上に提供して、この回転式の結合部に関する、最初の挿入位置及び/又はロック位置を指示することができる。外側シース(950)に遠位外側シース(910)を結合し、かつ内側管(960)に遠位内側管(920)を結合するために、ユーザーは、作動装置(940)を使用して、ブレード(930)に対して、外側シース(950)及び内側管(960)を遠位方向に延出させる。次いで、ユーザーは、遠位外側シース(910)及び遠位内側管(920)を、回転式結合部の受容部分内に挿入して、遠位外側シース(910)及び遠位内側管(920)を回転させることにより、回転式結合部に係合させる。次いで、ユーザーは、作動装置(940)を使用して、外側シース(950)及び内側管(960)を閉鎖位置へと後退させ、この外科用器具を使用する。ユーザーが、この器具を終了させる場合、遠位外側シース(910)及び遠位内側管(920)を係合解除して、エンドエフェクタを処分することができる。一部の変形では、ブレード(930)も同様に分離して、処分することができる。次いで、ユーザーは、外側シース(950)及び内側管(960)を含む、この外科用器具を洗浄し、次いで、新たな手技で使用するために、遠位外側シース(910)及び遠位内側管(920)を有する、新たなエンドエフェクタを結合することができる。
【0071】
本明細書で説明される他の構成要素と同様に、遠位外側シース(910)、遠位内側管(920)、ブレード(930)、作動装置(940)、外側シース(950)、及び/又は内側管(960)は、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、他の構成を有し得る。実際に、一部の変形では、遠位外側シース(910)及び外側シース(950)を省略することができる。他の変形では、遠位内側管(920)及び内側管(960)を省略することができる。
【0072】
例示的な外科用器具の特定の構成が説明されているが、外科用器具を構成することができる様々な他の方法が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。単なる例として、本明細書で言及される外科用器具は、米国特許第6,500,176号、同第6,783,524号、同第7,416,101号、同第7,738,971号、同第6,783,524号、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2009/0209990号、同第2009/043797号、同第2010/0069940号、及び/又は米国仮出願第61/410,603号の、少なくとも一部の教示に従って構築することができる。
【0073】
参照により本明細書に組み込まれるとされる、いずれの特許、公開、又は他の開示資料も、その組み込まれる資料が、本開示に記載される既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ、全体的若しくは部分的に、本明細書に組み込まれることを、理解するべきである。それゆえ、また必要な範囲で、本明細書で明示的に記載されるような開示は、参照により本明細書に組み込まれる、いずれの矛盾する資料にも優先する。参照により本明細書に組み込まれるとされるが、本明細書に記載される既存の定義、記述、又は他の開示資料と矛盾する、いずれの資料若しくはその部分も、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲でのみ、組み込まれるものとする。
【0074】
本発明の実施形態は、従来の内視鏡及び開腹外科用器具での用途、並びにロボット支援手術での用途を有する。例えば、本明細書の様々な教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日公開の、米国特許第6,783,524号、表題「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」の、様々な教示と容易に組み合わせることができる点が、当業者には理解されるであろう。
【0075】
本明細書で開示される装置の実施形態は、少なくとも1回の使用の後に、再使用のために再調整することができる。再調整は、装置の分解工程、その後に続く、特定部品の洗浄若しくは交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。具体的には、本明細書で開示される装置の実施形態は、分解することができ、本装置の、任意数の特定部片又は部品を、任意の組み合わせで、選択的に交換するか若しくは取り外すことができる。特定部品の洗浄及び/又は交換の際、本装置の実施形態は、その後の使用のために、再調整用の施設で、又は外科手術の直前に外科チームによって、再組み立てすることができる。装置の再調整は、分解、洗浄/交換、及び再組み立てに関する、様々な技術を利用することができる点が、当業者には理解されるであろう。そのような技術の使用、及びその結果として得られる再調整済みの装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0076】
単なる例として、本明細書で説明される実施形態は、手術の前に工程処理することができる。最初に、新品又は使用済みの器具を入手して、必要に応じて洗浄することができる。次いで、この器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、この器具は、プラスチック又はTYVEKバッグなどの、閉鎖及び密封された容器内に定置される。次いで、この容器及び器具を、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子などの、容器を透過することができる放射線場内に定置することができる。この放射線は、器具上及び容器内の細菌を、死滅させることができる。次いで、滅菌済みの器具を、この滅菌容器内で保管することができる。この密封容器は、医療施設内で開放されるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、限定されるものではないが、装置はまた、当該技術分野で既知の、任意の他の技術を使用して滅菌することもでき、その技術としては、β若しくはγ放射線、エチレンオキシド、又は蒸気が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
本発明の様々な実施形態が、図示及び説明されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって、本明細書で説明される方法及びシステムの更なる適合化を達成することができる。そのような可能な修正のうちの幾つかが記述されているが、当業者には、他の修正も明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、実施形態、幾何学形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され、かつ説明される、構造並びに動作の詳細に限定されるものではないとして、理解される。
【0078】
〔実施の態様〕
(1) 組織を切断するように動作可能な、超音波外科用器具であって、
(a)本体アセンブリであって、前記本体アセンブリから遠位方向に延出する、伝達アセンブリを含み、前記伝達アセンブリが、
i.導波管と、
ii.前記導波管の遠位端に結合された、ブレードと、
iii.内側部材と、
iv.前記内側部材の少なくとも一部分の周りに配置された、外側シースと、
v.前記導波管に結合され、前記ブレードを振動させるように動作可能な、超音波トランスデューサと、を含む、本体アセンブリと、
(b)前記伝達アセンブリに選択的に結合され、クランプアームを含む、クランプアームアセンブリであって、前記クランプアームが、前記ブレードに対して枢動するように動作可能である、クランプアームアセンブリと、を含み、
前記内側部材又は前記外側シースの少なくとも一方が、長手方向に作動するように構成され、前記内側部材又は前記外側シースの前記少なくとも一方が、前記クランプアームに選択的に結合された、超音波外科用器具。
(2) 前記クランプアームアセンブリが、外側シース部分を更に含み、前記外側シース部分が、前記伝達アセンブリの前記外側シースに、選択的に結合するように構成された、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記クランプアームが、タブを含み、前記内側部材が、スロットを含み、前記タブが、前記スロット内への前記タブの挿入を介して、前記クランプアームを、前記内側部材に選択的に結合するように構成された、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記外側シース部分が、ねじ切りを含み、前記外側シースが、相補形のねじ切りを含み、前記外側シース部分が、前記外側シースに、ねじ込み式に結合する、実施態様3に記載の外科用器具。
(5) 前記外側シース部分が、バヨネットを含み、前記外側シースが、スロットを含む、実施態様3に記載の外科用器具。
【0079】
(6) 前記内側部材が、トリガーに結合され、前記トリガーが、前記本体アセンブリに対して枢動可能である、実施態様3に記載の外科用器具。
(7) 前記トリガーが、前記外側シースの前記遠位端に対する第1の位置から、前記外側シースの前記遠位端に対する第2の位置へと、前記内側部材を作動させるように動作可能である、実施態様6に記載の外科用器具。
(8) 前記内側部材が、ロッドを含み、前記ロッドが、前記ロッドの遠位端に結合されたボールを有する、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 前記クランプアームが、前記クランプアームの近位端内に形成された、ボール陥凹部を含み、前記ボール陥凹部が、前記ボールに、取り外し可能に結合するように構成された、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 前記ボール陥凹部が、前記ロッド上にスナップ嵌めされるように動作可能な、戻り止めを含む、実施態様9に記載の外科用器具。
【0080】
(11) 前記外側シースが、スロットを含み、前記クランプアームが、前記クランプアームから外向きに延出するピンを含み、前記内側部材が、前記スロット内部で前記ピンを摺動可能に作動させるように、動作可能である、実施態様9に記載の外科用器具。
(12) 前記クランプアームが、上方一体ヒンジ(upper living hinge)及び下方一体ヒンジ(lower living hinge)を含み、前記上方一体ヒンジが、前記外側シースに選択的に結合され、前記下方一体ヒンジが、前記内側部材に選択的に結合された、実施態様1に記載の外科用器具。
(13) 前記クランプアームが、主本体及びクランプパッドを更に含み、前記上方一体ヒンジ、前記下方一体ヒンジ、及び前記クランプパッドが、単一の、均質な材料の連続体で形成された、実施態様12に記載の外科用器具。
(14) 前記クランプアームが、前記主本体内部に形成された、成形ロックを更に含み、前記クランプパッドが、前記成形ロックを介して、前記主本体に結合された、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記上方一体ヒンジが、上方スロットを含み、前記下方一体ヒンジが、下方スロットを含み、前記外側シースの少なくとも一部分が、前記上方スロット内に挿入可能であり、前記内側部材の少なくとも一部分が、前記下方スロット内に挿入可能である、実施態様12に記載の外科用器具。
【0081】
(16) 選択的に結合可能なクランプアームアセンブリであって、
(a)伝達アセンブリの外側シースに、選択的に結合可能な、外側シース部分と、
(b)前記外側シース部分の遠位端に、ヒンジ式に結合された、クランプアームであって、
i.クランプパッドが結合された、クランプ部分と、
ii.挿入可能部材を有する、取り付け部分と、を含む、クランプアームと、を含み、
前記挿入可能部材が、作動部材内に形成されたスロット内に挿入可能であり、前記作動部材が、前記挿入可能部材を介して、前記クランプアームを、前記外側シース部分に対して枢動させるように動作可能である、クランプアームアセンブリ。
(17) 前記外側シース部分が、前記外側シース内に形成されたスロット内に挿入されるように構成された、バヨネットを含む、実施態様16に記載のクランプアームアセンブリ。
(18) 前記外側シース部分が、ねじ切りを含み、前記外側シース部分が、前記外側シースに、ねじ込み式に結合するように構成された、実施態様16に記載のクランプアームアセンブリ。
(19) 外科用器具であって、
(a)本体アセンブリであって、
i.超音波トランスデューサと、
ii.前記超音波トランスデューサに結合された、導波管と、
iii.ブレードであって、前記ブレードの近位端で、前記導波管に結合された、ブレードと、
iv.前記導波管の少なくとも一部分の周りに配置された、管状部材であって、前記管状部材の遠位端より近位に形成された、スロットを有する、管状部材と、
v.前記ブレードに対して、前記管状部材を遠位方向に作動させるように動作可能である、作動装置と、を含む、本体アセンブリと、
(b)弾性タブを有する遠位部材を含む、エンドエフェクタであって、前記弾性タブが、前記遠位部材の近位端から近位方向に延出し、かつ前記管状部材の前記スロット内に挿入可能である、エンドエフェクタと、を含み、
前記作動装置が第1の位置にあるとき、前記スロットが、前記ブレードの前記近位端と実質的に位置合わせされ、前記作動装置が第2の位置にあるとき、前記スロットが、前記ブレードの前記近位端より遠位にある、外科用器具。
(20) 前記本体アセンブリが、前記管状部材に同軸であり、かつ前記管状部材内部に配置された、内側管状部材を更に含み、前記内側管状部材が、前記内側管状部材の遠位端より近位に形成された、第2スロットを含み、前記エンドエフェクタが、第2弾性タブを有する内側遠位部材を更に含み、前記第2弾性タブが、前記内側遠位部材の近位端から近位方向に延出し、かつ前記内側管状部材の前記第2スロット内に挿入可能であり、前記作動装置が、前記ブレードに対して、前記内側管状部材を遠位方向に作動させるように、更に動作可能である、実施態様19に記載の外科用器具。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19A
図19B