特許第6482765号(P6482765)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6482765触覚効果のパラメータを修正するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6482765
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】触覚効果のパラメータを修正するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20190304BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20190304BHJP
【FI】
   G06F3/01 560
   H04M1/00 R
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-50949(P2014-50949)
(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-209329(P2014-209329A)
(43)【公開日】2014年11月6日
【審査請求日】2017年2月15日
(31)【優先権主張番号】13/835,665
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500390995
【氏名又は名称】イマージョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】バーンバウム、 デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ウェドル、 アマヤ
【審査官】 野村 和史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0229400(US,A1)
【文献】 特開2010−086411(JP,A)
【文献】 特開2012−187148(JP,A)
【文献】 曽根順治,装着型力覚提示方法の検討,日本バーチャルリアリティ学会第11回大会,日本バーチャルリアリティ学会,2006年 9月 7日,pp.143-146,[CD−ROM]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスが、触覚効果を決定する工程と、
環境条件を示す入力信号を前記電子デバイスが受信する工程と、
前記電子デバイスが、少なくとも一部の前記入力信号に基づいて、ユーザが一貫性のある触覚を経験できるように前記触覚効果を修正する工程であって、前記入力信号は超音波放出体又はセンサーから受信する情報を含み前記情報は、前記電子デバイスが装着されている前記ユーザの体の部位、および、前記電子デバイスが装着されている前記ユーザの体の部位周辺の組織の特性に基づいた触覚認知の要因を含む工程と、
前記電子デバイスが、前記修正された触覚効果の少なくとも一部に基づいて触覚出力信号を生成する工程であって、前記触覚出力信号は触覚出力デバイスが前記修正された触覚効果を出力するように構成される工程と、
前記電子デバイスが前記触覚出力信号を、前記電子デバイスがどのように操作されているかという情報の少なくとも一部に基づいて、ユーザが最も敏感に感じられる触覚出力デバイスに出力する工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記環境条件は、温度、振動、ノイズ、または、動きの少なくとも1つを含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記環境条件は、ユーザの特徴を含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記特徴は、体重、性別、年齢、身長、生理的な状態、または、感情の状態の少なくとも1つを含む請求項3の方法。
【請求項5】
前記入力信号は環境センサーによって生成される請求項1の方法。
【請求項6】
前記触覚効果を修正する工程は、前記修正された触覚効果を生成するために前記触覚効果の強度を変更する工程を含む請求項1の方法。
【請求項7】
前記触覚効果は、振動を含む請求項1の方法。
【請求項8】
前記触覚効果は、運動をしている感覚を生じさせる効果を含む請求項1の方法。
【請求項9】
電子デバイスであって、
ユーザインターフェースを表示するように構成されるディスプレーと、
メモリと、
触覚効果を出力するように構成される触覚出力デバイスと、前記ディスプレー、前記メモリ、および、前記触覚出力デバイスと通信するプロセッサーとを含み、前記プロセッサーは、
触覚効果を決定する工程と、
環境条件を示す入力信号を受信する工程と、
少なくとも一部の前記入力信号に基づいて、ユーザが一貫性のある触覚を経験できるように前記触覚効果を修正する工程であって、前記入力信号は超音波放出体又はセンサーから受信する情報を含み、前記情報は、前記電子デバイスが装着されている前記ユーザの体の部位、および、前記電子デバイスが装着されている前記ユーザの体の部位周辺の組織の特性に基づいた触覚認知の要因を含む工程と、前記修正された触覚効果の少なくとも一部に基づいて触覚出力信号を生成する工程であって、前記触覚出力信号は触覚出力デバイスが前記修正された触覚効果を出力するように構成される工程と、
前記触覚出力信号を、前記電子デバイスがどのように操作されているかという情報の少なくとも一部に基づいて、ユーザが最も敏感に感じられる触覚出力デバイスに出力する工程を実施するように構成される電子デバイス。
【請求項10】
前記入力信号は環境センサーによって生成され、前記環境条件は、温度、振動、ノイズ、または、動きの少なくとも1つを含む請求項9の電子デバイス。
【請求項11】
前記環境条件は、ユーザの特徴を含む請求項9の電子デバイス。
【請求項12】
前記特徴は、体重、性別、年齢、身長、生理的な状態、または、感情の状態の少なくとも1つを含む請求項11の電子デバイス。
【請求項13】
前記触覚効果を修正する工程は、前記修正された触覚効果を生成するために前記触覚効果の強度を変更する工程を含む請求項9の電子デバイス。
【請求項14】
前記触覚効果は、振動または運動をしている感覚を生じさせる効果の少なくとも1つを含む請求項9の電子デバイス。
【請求項15】
プログラムコードを含むコンピューター読み取り可能な媒体であって、前記プログラムコードは、
触覚効果を決定する工程と、
環境条件を示す入力信号を受信する工程と、
前記入力信号の少なくとも一部に基づいて、ユーザが一貫性のある触覚を経験できるように前記触覚効果を修正する工程であって、前記入力信号は超音波放出体又はセンサーから受信する情報を含み、前記情報は、電子デバイスが装着されている前記ユーザの体の部位、および、前記電子デバイスが装着されている前記ユーザの体の部位周辺の組織の特性に基づいた触覚認知の要因を含む工程と、
前記修正された触覚効果の少なくとも一部に基づいて触覚出力信号を生成する工程であって、前記触覚出力信号は触覚出力デバイスが前記修正された触覚効果を出力するように構成される工程と、
前記触覚出力信号を、前記電子デバイスがどのように操作されているかという情報の少なくとも一部に基づいて、ユーザが最も敏感に感じられる触覚出力デバイスに出力する工程と、を含むコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項16】
前記環境条件は、温度、振動、ノイズ、または、動きの少なくとも1つを含む請求項15のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項17】
前記入力信号は環境センサーによって生成され、
前記環境条件は、ユーザの特徴を含む請求項15のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項18】
前記特徴は、体重、性別、年齢、身長、生理的な状態、または、感情の状態の少なくとも1つを含む請求項17のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項19】
前記触覚効果を修正する工程は、前記修正された触覚効果を生成するために前記触覚効果の強度を変更する工程を含む請求項15のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項20】
前記触覚効果は、振動または運動をしている感覚を生じさせる効果の少なくとも1つを含む請求項15のコンピューター読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、触覚効果のパラメータを修正するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接触感知表面(たとえば、タッチスクリーン)を有するハンドヘルドデバイス、特に携帯電話の増加に伴い、機械式ボタンによって提供されていた従来の物理的な触感は、多くの該デバイスではもはや存在しなくなった。代わりに、ユーザに多様なイベントを通知するために、ハンドヘルドデバイスは触覚効果を出力する。該触覚効果には、ボタンの押圧、着信、または、テキストメッセージを示すため、または、エラー条件を示すための振動が含まれてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
実施形態は、触覚効果のパラメータ修正のためのシステムおよび方法を提供する。たとえば、1つの開示方法は、電子デバイスが、触覚効果を決定する工程;環境条件を示す入力信号を電子デバイスが受信する工程;電子デバイスが、入力信号の少なくとも一部に基づいて触覚効果を修正する工程;電子デバイスが、前記修正された触覚効果の少なくとも一部に基づいて触覚出力信号を生成する工程であって、触覚出力信号は触覚出力デバイスが修正された触覚効果を出力するように構成される工程;および電子デバイスが触覚出力信号を出力する工程を含む。別の実施形態では、コンピューター読み取り可能な媒体は、プロセッサーに該方法を実施させるプログラムコードを含む。
【0004】
これらの例示的実施形態は、本発明を制限または定義するために記載されたわけではなく、むしろ、本発明の理解を促進させるために提供されたものである。例示的実施形態が詳細な説明に開示され、さらに本発明の内容が開示される。本明細書を検討することによって、本発明の種々の実施形態によって提供される利点をさらに理解できる。
【0005】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、実施例の実施形態を説明するとともに、実施例の実施形態の1つまたは複数を図示し、実施形態の原理および実装を説明することに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態による1つまたは複数の触覚効果のパラメータ修正のための電子デバイスを示す。
図2】本発明の実施形態による1つまたは複数の触覚効果のパラメータ修正のための電子デバイスを示す。
図3】本発明の実施形態によるコンピューティング環境で、1つまたは複数の触覚効果のパラメータを修正するためのコンピューティングデバイスのシステム図を示す。
図4】本発明の実施形態による環境条件(単数または複数)の少なくとも一部に基づいて、1つまたは複数の触覚効果のパラメータを修正する方法に関するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
触覚効果のパラメータ修正のためのシステムおよび方法に関して、実施例の実施形態が本明細書に記載される。当業者であれば以下の記載は、単に例示的であって、いかなる制限も意図されるものではないことを理解するであろう。他の実施形態それ自体によって、当業者がこの開示の利益を容易に理解できるであろう。実施例の実施形態を実装するために、添付図面に示されているように参照が詳細になされている。同一または類似する項目を参照する場合には、同一の参照番号が図面および以下の明細書を通じて使用される。
【0008】
説明を明確にするために、本明細書に記載の実装の通常の特徴のすべてが記載されているわけではない。言うまでもなく、すべての該実際の実装の開発では、非常に多くの実装に関する特定の決断がなされ、用途およびビジネスに関する制約を遵守するなどして、開発者の特定のゴールが達成され、これらの特定のゴールは、1つの実装から別の実装、および、1つの開発者から別の開発者によって異なることは当然のことである。
例示的デバイスおよび実施形態
【0009】
図1は、触覚効果のパラメータを修正するための例示的電子デバイス100を示す。いくつかの実施形態では、電子デバイス100は携帯型の、ハンドヘルド電話である。ユーザが電話および/または多様なイベントの発生に遭遇すると、電話は触覚効果を出力し、ユーザに対話要請および/またはイベントを知らせる。たとえば、電話の呼び出しが受信されると、電子デバイス100のユーザに電話の呼び出しを知らせるために、電話は振動触覚効果を決定できる。さらに、この実施形態では、電子デバイス100は、1つまたは複数の環境条件を受信する。
【0010】
たとえば、電話はマイクロホンを備えることができ、マイクロホンから受信される情報の少なくとも一部に基づいて、ノイズレベルを決定することができる。この実施形態では、ノイズレベルが所定の閾値よりも大きい場合には、振動触覚効果に対応する強度パラメータが増加されてもよい。したがって、実施形態では、触覚効果は修正され、1つまたは複数の環境条件の少なくとも一部に基づいて構成される。一旦、決定された触覚効果に対応する1つまたは複数のパラメータが修正されまたは構成されると、電話は、修正された触覚効果を出力するように構成される触覚出力信号を生成できる。
【0011】
例示的実施形態では、ノイズが所定のレベルよりも高い場合に生成される触覚出力信号は、ノイズが所定のレベルよりも低い場合に生成される触覚出力信号より大きいまたは強い触覚効果を、触覚出力デバイスが出力するように構成される。したがって、この実施形態では、触覚効果のための強度パラメータは、少なくとも一部がマイクロホンによって検出されるノイズレベルに基づき、および、生成された触覚出力信号は少なくとも一部が強度パラメータに基づく。一旦、触覚出力信号が生成されると、1つまたは複数の触覚出力デバイスに信号を送信できる。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0012】
この例示的実施例は、明細書で議論される一般的な主題を読者に紹介するものである。本発明は、この実施例に限定されるわけではない。以下のセクションでは、多様な追加の非限定的な実施形態、および、触覚効果のパラメータ修正のためのデバイス、システム、および方法の実施例を記載する。
例示的デバイス
【0013】
図2は、本発明の1つの実施形態による触覚効果のパラメータを修正するための電子デバイス200を示す。図2に示す実施形態では、電子デバイス200は、筐体205、プロセッサー210、メモリ220、接触感知ディスプレー230、触覚出力デバイス240、通信インターフェース250、およびセンサー270を含む。さらに、電子デバイス200は触覚出力デバイス260と通信し、該触覚出力デバイス260は任意にいくつかの実施形態と結合し、または、いくつかの実施形態に取り込まれる。プロセッサー210はメモリ220と通信し、この実施形態では、プロセッサー210およびメモリ220の両方が筐体205内に配置される。接触感知ディスプレー230は接触感知表面を含み、または接触感知表面と通信し、筐体205内に一部分が配置され、少なくとも接触感知ディスプレー230の一部が電子デバイス200のユーザに露出される。いくつかの実施形態では、接触感知ディスプレー230は、筐体205の中に配置されなくてもよい。たとえば、電子デバイス200は、別の分離された筐体の中に配置される接触感知ディスプレー230に接続され、または、該接触感知ディスプレー230と通信してもよい。いくつかの実施形態では、筐体205は、お互いにスライド可能に結合し、お互いに回転可能に結合し、または、お互いに開放可能に結合する2つの筐体を含んでもよい。他の実施形態では、筐体205は、いくつの筐体を含んでもよい。
【0014】
図2に示す実施形態では、接触感知ディスプレー230はプロセッサー210と通信し、並びに、プロセッサー210および/またはメモリ220に信号を送信し、および、プロセッサー210および/またはメモリ220からの信号を受信するように構成される。メモリ220は、プロセッサー210の使用のために、プログラムコードまたはデータ、若しくはその両方を記憶するように構成され、該プロセッサー210はメモリ220に記憶されたプログラムコードを実施し、並びに、接触感知ディスプレー230へ信号を送信および接触感知ディスプレー230から信号を受信するように構成される。図2に示す実施形態では、プロセッサー210は、通信インターフェース250と通信し、並びに、通信インターフェース250から信号を受信および通信インターフェース250へ信号を出力するように構成され、1つまたは複数の電子デバイスなどの他のコンポーネントまたはデバイスと通信する。さらに、プロセッサー210は、触覚出力デバイス240および触覚出力デバイス260と通信し、および、さらに、信号を出力して触覚出力デバイス240または触覚出力デバイス260、または、その両方が1つまたは複数の触覚効果を出力するように構成される。
【0015】
さらに、プロセッサー210は、センサー270と通信し、および、センサー270から信号を受信するように構成される。たとえば、プロセッサー210は、センサー270から多様な環境条件に関する1つまたは複数の信号を受信してもよい。もう1つの例として、プロセッサー210は、センサー270などの1つまたは複数のセンサーからセンサー情報を受信し、1つまたは複数の環境条件を得る、または、決定できる。環境条件には、これに限定されるものではないが、温度、振動、ノイズ、動き、ユーザの特徴(たとえば、体重、性別、身長、年齢、民族等)、周囲条件、代用情報、他のいずれかの好適な環境条件、または、それらの組み合わせが挙げられる。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0016】
プロセッサー210は、センサー270などの1つまたは複数のセンサーから受信する環境条件(単数または複数)に関する情報を利用して、触覚効果を形成するために1つまたは複数の修正を決定できる。たとえば、プロセッサー210は、センサー270から受信されたセンサー情報の少なくとも一部に基づいて、決定された触覚効果に関連するパラメータを増加または減少させることを決定できる。たとえば、部屋の周囲ノイズが閾値レベルよりも大きい場合には、所定の触覚効果に対応するパラメータが増加されてもよい。さらに、または、その代わりに、プロセッサー210は、センサー270から受信された情報の少なくとも一部に基づいて、1つの決定された触覚効果から別の触覚効果へ変更してもよい。
【0017】
一旦、触覚効果が修正されると、1つまたは複数の修正または構成された触覚効果の少なくとも一部に基づいて、プロセッサー210は触覚出力信号を生成できる。一実施形態では、プロセッサー210は、センサー270から受信された情報の少なくとも一部に基づいて、触覚出力信号を送信するべき触覚出力デバイス(単数または複数)を決定する。たとえば、センサー270がマイクロホンである場合は、マイクロホンからのノイズが閾値レベルよりも小さい場合には、触覚出力信号が第1の触覚出力デバイスに送信されてもよく、マイクロホンからのノイズが閾値レベルよりも大きい場合には、触覚出力信号が第2の触覚出力デバイスに送信されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の触覚出力デバイスは、第1の触覚出力デバイスから出力された触覚効果よりもより強い触覚効果を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサー210は、1つまたは複数の触覚出力信号を、1つまたは複数の触覚出力デバイスに出力する。たとえば、プロセッサー210は、第1の触覚出力信号を触覚出力デバイス240および第2の触覚出力デバイス260に送信してもよい。これらの2つの触覚出力信号は同一または異なってもよい。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0018】
図2に示されるデバイスは単に例示的であり、および他の種々の実施形態では、電子デバイス200は、図2に示されるよりも少ない、または、追加のコンポーネントおよび/またはデバイスを含み、または、それらと通信してもよい。たとえば、マウス、キーボード、カメラおよび/または他の入力デバイス(単数または複数)などの他のユーザ入力デバイスは電子デバイス200の中に含まれ、または、電子デバイス200と通信する。もう1つの例として、電子デバイス200は、1つ、2つ、3つ、または、それよりも多いセンサーおよび/または1つ、2つ、3つ、または、それよりも多い触覚出力デバイスを含み、または、それらと通信してもよい。別の例では、電子デバイス200は、一実施形態の通信インターフェース250を含まなくともよい。さらに別の実施例では、電子デバイス200は、実施形態の触覚出力デバイス260と通信しなくともよい。
【0019】
多様な他のコンポーネントも修正されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、センサー270は、筐体205の中に全部または一部が配置されてもよい。もう1つの例として、センサー270が電子デバイス200の筐体205中に配置されてもよい。一実施形態では、電子デバイス200は触覚出力デバイス260と通信せず、および、通信インターフェース250を含まない。別の実施形態では、電子デバイス200は、接触感知ディスプレー230または通信インターフェース250を含まないが、接触感知表面を含み、外部ディスプレーと通信する。他の実施形態では、電子デバイス200は、触覚出力デバイスを全く含まないが、触覚出力デバイスと通信できる。したがって、種々の実施形態では、電子デバイス200は、本明細書に開示された種々の実施形態ばかりではなく当業者にとって明かな変形形態等のコンポーネントをいくつでも含み、それらと通信できる。
【0020】
電子デバイス200は、ユーザ入力を受信可能ないずれかのデバイスであり得る。たとえば、図2の電子デバイス200は、接触感知表面を備える接触感知ディスプレー230を含む。いくつかの実施形態では、接触感知表面は接触感知ディスプレー230を覆ってもよい。他の実施形態では、電子デバイス200は、ディスプレーと分離された接触感知表面を含み、または、それらと通信してもよい。なお他の実施形態では、電子デバイス200は、ディスプレーを含み、または、それらと通信してもよく、並びに、マウス、キーボード、ボタン、つまみ、スライダー制御、スイッチ、ホイール、ローラ、他のマニピュランダ、または、それらの組み合わせなどの他のユーザ入力デバイスを含み、または、それらと通信してもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の接触感知表面は、電子デバイス200の1つまたは複数の側面上に、または、その中に含まれてもよい。たとえば、一実施形態では、接触感知表面は、電子デバイス200の裏面の中に配置され、または、含まれてもよい。別の実施形態では、第1の接触感知表面は、電子デバイス200の裏面の中に配置され、または、含まれてもよく、および、第2の接触感知表面は、電子デバイス200の側面表面の中に配置され、または、含まれてもよい。いくつかの実施形態では、電子デバイス200は、観音開き配置またはスライド可能な配置などの2つ以上の筐体コンポーネントを含んでもよい。たとえば、一実施形態は、接触感知ディスプレーが観音開きのそれぞれの部分に配置される観音開き構成である電子デバイス200を含む。さらに、実施形態では、電子デバイス200の少なくとも1つの接触感知表面が電子デバイス200の1つまたは複数の側面に含まれ、または、実施形態では電子デバイス200が外部接触感知表面と通信し、ディスプレー230は、接触感知表面を含み、または含まなくともよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の接触感知表面はフレキシブルな接触感知表面であってもよい。他の実施形態では、1つまたは複数の接触感知表面は硬くともよい。種々の実施形態では、電子デバイス200は、フレキシブルな接触感知表面と硬い接触感知表面の両方を含んでもよい。
【0022】
図2に示される電子デバイス200の筐体205は、少なくともいくつかのコンポーネント電子デバイス200を保護する。たとえば、筐体205は、雨などの異物からプロセッサー210およびメモリ220を保護する樹脂ケースであってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザが電子デバイス200を落とした場合に、筐体205は、衝撃から筐体205のコンポーネントを保護する。筐体205は、これらに限定されるわけではないが樹脂、ゴム、または金属を含む任意の好適な材料から形成できる。種々の実施形態では、異なるタイプの筐体または複数の筐体を含む。たとえば、いくつかの実施形態では、電子デバイス200は、携帯デバイス、ハンドヘルドデバイス、玩具、ゲームコンソ−ル、ハンドヘルドビデオゲームシステム、ゲームパッド、ゲームコントローラ、デスクトップコンピューター、携帯電話等の携帯多機能デバイス、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、電子ブックリーダー、携帯読み取りデバイス、ハンドヘルド読み取りデバイス、ラップトップ、タブレット型コンピューター、デジタル音楽プレーヤ、遠隔操作、医療器具等であってもよい。実施形態では、電子デバイス200は、乗り物、腕時計、他の宝飾品、アームバンド、手袋等の別のデバイスに埋め込まれてもよい。したがって、この実施形態では、電子デバイス200を身につけてもよい。実施形態の1つでは、電子デバイス200は、たとえば、自動車またはハンドルのコンソ−ルなどの別のデバイスに埋め込まれる。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0023】
図2に示す実施形態では、接触感知ディスプレー230は、ユーザが電子デバイス200と接触するメカニズムを提供する。たとえば、接触感知ディスプレー230は、ユーザの接触感知ディスプレー230上での、うろつき、タッチ、または押圧(この開示ではそのすべてを接触と称する)に応じて、ユーザの指の位置または圧力、または両方を検出する。一実施形態では、接触は、カメラの使用によって発生し得る。たとえば、電子デバイス200のディスプレー230上に表示されるコンテンツを読者が眺める場合に、視聴者の目の動きの跡をたどるためにカメラを使用できる。この実施形態では、触覚効果は、視聴者の目の動きの少なくとも一部に基づいてトリガできる。たとえば、ディスプレー230の特定の位置で視聴者がコンテンツを眺めていると判断されたときに、触覚効果が出力されてもよい。いくつかの実施形態では、接触感知ディスプレー230は、接触感知ディスプレー230での1つまたは複数の接触による、接触パッチの位置、圧力、サイズ、または、これらのいずれかを感知する1つまたは複数のセンサーを含み、接続され、または通信してもよい。たとえば、一実施形態では、接触感知ディスプレー230は、相互キャパシタンスシステムを含み、または、通信する。別の実施形態では、接触感知ディスプレー230は、絶対キャパシタンスシステムを含み、または、通信する。いくつかの実施形態では、接触感知ディスプレー230は、抵抗式パネル、容量式パネル、赤外線LED、フォトディテクター、画像センサー、光学式カメラ、またはそれらの組み合わせを含み、または、通信してもよい。したがって、接触感知ディスプレー230は、接触感知表面上の接触を感知するために、たとえば、抵抗式、容量式、赤外線、光学的、熱、分散信号、または、超音波パルス技術、またはそれらの組み合わせなどの任意の好適な技術を取り入れてもよい。実施形態では、1つまたは複数の環境条件を検知するために使用できる1つまたは複数のセンサーから受信された、環境条件および/または他の情報少なくとも一部に基づいて、決定された触覚効果を修正し、または、そのように構成される。たとえば、1つまたは複数の環境条件に基づいて、触覚効果の強度パラメータが増加または減少されてもよい。
【0024】
図2に示す実施形態では、触覚出力デバイス240および260はプロセッサー210と通信し、および、1つまたは複数の触覚効果を提供するように構成される。たとえば、一実施形態では、作動信号が触覚出力デバイス240、触覚出力デバイス260、またはその両方に、プロセッサー210によって提供されると、各触覚出力デバイス(単数または複数)240、260は、作動信号に基づいて触覚効果を出力する。たとえば、図示される実施形態では、プロセッサー210は、アナログ駆動信号を含む触覚出力信号を触覚出力デバイス240に送信するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサー210は、コマンドを触覚出力デバイス260に送信するように構成され、ここで該コマンドは、触覚出力デバイス260が触覚効果を出力するようにする適切な駆動信号を生成するために使用されるパラメータを含む。他の実施形態では、異なる信号および異なるタイプの信号が、1つまたは複数の触覚出力デバイスのそれぞれに送信されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、触覚効果を出力するための触覚出力デバイスを駆動するために、プロセッサーは低レベル駆動信号を送信してもよい。該駆動信号は増幅器で増幅されてもよく、または、デジタル信号からアナログ信号へ変換されてもよく、または、駆動される特定の触覚出力デバイスに適合するプロセッサーまたは電子回路に使用するために、アナログ信号からデジタル信号へ変換されてもよい。
【0025】
触覚出力デバイス240または260などの触覚出力デバイスは、1つまたは複数の触覚効果を出力できるいずれかのコンポーネントまたはコンポーネントの集合であってもよい。たとえば、触覚出力デバイスは、さまざまなタイプの1つであり得る。それらには、これらに限定されるわけではないが、偏心回転質量(ERM)アクチュエータ、リニア共振アクチュエータ(LRA)、圧電アクチュエータ、ボイスコイルアクチュエータ、電気活性ポリマー(EAP)アクチュエータ、形状記憶合金、ページャー、DCモーター、ACモーター、可動磁石アクチュエータ、E−コアアクチュエータ、スマートゲル(smartgel)、静電アクチュエータ、電気触覚アクチュエータ、変形可能表面、電子摩擦(ESF)デバイス、超音波摩擦(USF)デバイス、または、その他の触覚出力デバイス、並びに、触覚出力デバイスの機能を実現できる、または、触覚効果を出力できるコンポーネントの集合体が挙げられる。個々にまたは同時に活性化される多重触覚出力デバイスまたは異なるサイズの触覚出力デバイスを振動周波数の範囲を広げるために使用してもよい。種々の実施形態は、単一または多重(複数)触覚出力デバイスを含んでもよく、および、同一タイプの触覚出力デバイスまたは異なるタイプの触覚出力デバイスの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の触覚出力デバイスは、有線または無線通信などを介して、直接的または間接的に電子デバイスと通信する。一実施形態では、電子デバイスは乗り物に設置、または、乗り物と一体化でき、および、1つまたは複数の触覚出力デバイスが乗り物に埋め込まれる。たとえば、1つまたは複数の触覚出力デバイスは、乗り物のシート、ハンドル、ペダル等に埋め込まれてもよい。
【0026】
種々の実施形態では、1つまたは複数の触覚効果は、いくつかの方法、または、方法の組み合わせで生成される。たとえば、一実施形態では、偏心質量を回転させることによって、または、線形に質量を振動させることなどによって、1つまたは複数の振動を触覚効果を生成するために使用してもよい。そうしたいくつかの実施形態では、触覚効果は、電子デバイス全体、または、1つの表面だけ、または、電子デバイスの限られた部分を振動させるように構成されてもよい。別の実施形態では、コンポーネントの動きに抵抗またはトルクなどを与えるために、移動コンポーネントにブレーキを加えて、2つ以上のコンポーネント間の摩擦、または、少なくとも1つのコンポーネントと少なくとも1つの接触部分との摩擦を、触覚効果を生成するために使用してもよい。振動効果を生成するために、多くのデバイスは、ある種のアクチュエータおよび/または他の触覚出力デバイスを利用する。この目的のために使用される知られた触覚出力デバイスには、モーターによって偏心質量が移動する偏心質量回転(「ERM」)、スプリングに取り付けられた質量が前後に駆動されるリニア共振アクチュエータ(「LRA」)などの電磁アクチュエータ、または、圧電、電気活性ポリマーまたは形状記憶合金などの「スマート材料」が挙げられる。
【0027】
他の実施形態では、1つまたは複数のコンポーネントの変形を触覚効果を生成するために使用できる。たとえば、表面の形状または表面の摩擦係数を変化させて、1つまたは複数の触覚効果が出力されてもよい。実施形態の1つでは、表面の摩擦を変化させるために使用される静電力および/または超音波力を生成することで、1つまたは複数の触覚効果を生成する。他の実施形態では、スマートゲルを含む1つまたは複数の領域などの、透明な変形部材アレーを、触覚効果を生成するために使用してもよい。触覚出力デバイスは、広く、非機械的または非振動デバイスも含む。それらには、電子摩擦(ESF)、超音波表面摩擦(USF)を使用するデバイスの、または、超音波触覚トランスデューサーで音声放射圧力を生じるデバイス、または、触覚基板およびフレキシブルまたは変形可能表面を使用するデバイス、または、空気ジェットを使用した空気のブローなどが突き出る触覚出力を提供するデバイス、および、その他のデバイスが挙げられる。いくつかの実施形態では、触覚効果は運動感覚(kinesthetic)効果である。米国特許出願第13/092、484号には1つまたは複数の触覚効果を生成できる方法が記述され、および、多様な触覚出力デバイスが記述されている。2011年4月22日に出願された米国特許出願第13/092、484号の全部を参照によって本明細書に援用する。
【0028】
図2では、通信インターフェース250はプロセッサー210と通信し、電子デバイス200から他のコンポーネントまたは他のデバイスに有線通信または無線通信を提供する。たとえば、通信インターフェース250は、電子デバイス200と無線センサーまたは無線作動デバイスとの間に無線通信を提供できる。いくつかの実施形態では、通信インターフェース250は、別の電子デバイス200などの1つまたは複数の他のデバイスと通信でき、ユーザがそれぞれのデバイスで相互に連絡できることを可能にする。通信インターフェース250は、複数の圧力接触感知入力電子デバイス200が別のコンポーネントまたはデバイスと通信できるようにする、いずれかのコンポーネント、または、コンポーネントの集合体であり得る。たとえば、通信インターフェース250は、PCIネットワークアダプター、USBネットワークアダプター、または、イーサネット(登録商標)アダプターを含む。通信インターフェース250は、802.11a、g、b、またはn標準を含む無線イーサネット(登録商標)を使用して通信してもよい。一実施形態では、通信インターフェース250は、無線周波数(RF)、Blue tooth(登録商標)、CDMA、TDMA、FDMA、GSM(登録商標)、WiFi、衛星通信、または他のセルラーまたはワイヤレス技術を使用して通信できる。他の実施形態では、通信インターフェース250は、優先接続を介して、イーサネット(登録商標)、トークンリング、USB、FireWire1394、光ファイバー等の1つまたは複数のネットワークと通信できる。いくつかの実施形態では、電子デバイス200は、単一の通信インターフェース250を含む。他の実施形態では、電子デバイス200は、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多い通信インターフェースを含む。したがって、実施形態では、電子デバイス200は、1つまたは複数の通信インターフェースを介して、1つまたは複数のコンポーネントおよび/またはデバイスと通信できる。他の実施形態では、電子デバイス200は、通信インターフェース250を含まなくともよい。
【0029】
図2では、センサー270はプロセッサー210と通信し、および、センサー情報をプロセッサー210に提供する。たとえば、センサー270は1つまたは複数の環境条件をプロセッサー210に提供できる。センサー270は、1つまたは複数の環境条件を示す入力信号を提供できる。図2に示される実施形態は、単一のセンサー270を示す。いくつかの実施形態では、複数のセンサーを使用できる。加えて、センサーは、電子デバイス200の他のコンポーネントと同様に同一のコンポーネントに収容されてもよく、または、別のコンポーネントに収容されてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、プロセッサー210、メモリ220、およびセンサー270は、すべて、携帯音楽プレーヤ、携帯電話、および/または身につけるデバイスなどの電子デバイス200に含まれる。いくつかの実施形態では、メモリおよび/またはプロセッサーを収容する別のコンポーネントとは分離したコンポーネントに、センサーは配置される。たとえば、身につけるセンサーは、有線または無線接続を介してプロセッサーおよびメモリまたは電子デバイスと通信できる。
【0030】
センサー270は、いくつの、および/またはいずれのタイプ検知のコンポーネントを含んでもよい。たとえば、センサー270は、加速度計および/またはジャイロスコープを含むことができる。非限定的なセンサーおよび環境条件リストの例を以下に示す。
【表1】
表1:例示的なセンサーおよび条件
【0031】
環境条件には、本明細書に記載のすべての環境条件、周囲条件、若しくは、電子デバイスに適用、または、電子デバイスを対象とする力、他の環境条件、若しくは、それらの組み合わせを代表するすべての他の物理量を含むことができる。実施形態では、1つまたは複数の環境条件を引き出すために、該環境条件は、センサーデータによって直接評価され、および/または、電子デバイスによって処理される。たとえば、加速度データは、デバイス速度および/または移動パターンを決定するために使用されてもよい。もう1つの例として、高度データおよび/または加速度データは、デバイスの垂直速度または状態を決定するために使用できる(たとえば、山を登っている、山を下っている等)。さらに実施例では、心拍数、皮膚抵抗などの生理的なデータ、および他の条件をデバイスユーザの生理的な状態(たとえば、覚醒している、ストレスを受けている、眠っている、REM睡眠等)を決定するために使用できる。実施形態では、環境条件はデバイスユーザの感情の状態である(たとえば、楽しい、悲しい、怖い、怒っている、興奮している等)。たとえば、1つまたは複数のセンサーから受信される情報は、ユーザが、楽しいおよび興奮している、怖いおよび怒っている、または、その他の感情の状態、または、感情の状態の組み合わせであるか否かを決定するために電子デバイスが使用できる。環境条件は、これに限定されるものではないが、温度、振動、ノイズ、動き、ユーザの特徴(たとえば、体重、性別、身長、年齢、民族等)、周囲条件、代用情報、その他の好適な環境条件、または、それらの組み合わせを含むことができる。1つまたは複数の触覚効果を修正または構成するために1つまたは複数の環境条件を使用することが、本明細書に開示されている。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0032】
例示的システム
【0033】
図3は、実施形態による例示的コンピューティング環境中の例示的コンピューティングデバイスを示すシステム図を示す。図3に示されるシステム300は、3個の電子デバイス320〜340、および、ウェブサーバー350を含む。電子デバイス320〜340、および、ウェブサーバー350のそれぞれは、ネットワーク310に接続されている。この実施形態では、各電子デバイス320〜340は、ネットワーク310を介してウェブサーバー350と通信する。したがって、各電子デバイス320〜340は、ネットワーク310を介して、リクエストをウェブサーバー350に送信し、および、ウェブサーバー350からレスポンスを受信できる。
【0034】
実施形態の1つでは、図3に示されるネットワーク310は、電子デバイス320〜340とウェブサーバー350間の通信を補助する。ネットワーク310は任意の好適な数またはタイプのネットワークまたはリンクであってもよい。それらには、これらに限定されるわけではないが、ダイヤルインネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)、セルラーネットワーク、WiFiネットワーク、インターネット、イントラネット、または有線および/または無線通信リンクのすべての組み合わせが挙げられる。一実施形態では、ネットワーク310は単一のネットワークである。他の実施形態では、ネットワーク310は、2つ以上のネットワークを含んでもよい。たとえば、電子デバイス320〜340は第1のネットワークに接続されていてもよく、ウェブサーバー350は第2のネットワークに接続されていてもよく、および、第1および第2のネットワークは第3のネットワークに接続されていてもよい。多くの他のネットワーク構成は当業者に自明である。
【0035】
電子デバイスはネットワーク310などのネットワークと通信でき、および、ウェブサーバー350などの別のデバイスへおよび別のデバイスから情報を送受信できる。たとえば、図3では、1つの電子デバイス320はタブレット型コンピューターであり。該タブレット型コンピューター320は接触感知ディスプレーを含み、および、無線通信インターフェースカードを使用してネットワーク310と通信できる。図3に示される電子デバイス330である別のデバイスは、デスクトップコンピューターである。デスクトップコンピューター330は有線ネットワーク接続を介してディスプレーと通信でき、および、ネットワーク330と接続できる。デスクトップコンピューター330は、キーボードまたはマウスなどの幾つかの入力デバイスとも通信できる。図3では、電子デバイス340は携帯電話である。携帯電話340は、Blue tooth(登録商標)、CDMA、TDMA、FDMA、GSM(登録商標)、WiFi、または、他のセルラーまたはワイヤレス技術を使用する無線通信手段によってネットワーク310と通信できる。
【0036】
別のデバイスからリクエストを受信するデバイスは、ネットワーク310などのネットワークと通信できるいずれかのデバイスであり得、および、別のデバイスへおよび別のデバイスから情報を送受信できる。たとえば、図3に示される実施形態では、ウェブサーバー350は別のデバイス(たとえば、1つまたは複数の電子デバイス320〜340)からリクエストを受信でき、および、ネットワーク310と通信できる。受信デバイスは、追加のサーバーなどの1つまたは複数の追加のデバイスと通信できる。たとえば、図3のウェブサーバー350は、別のサーバーと通信できる。実施形態の1つでは、電子デバイスから受信されたリクエストを処理するために、ウェブサーバーは1つまたは複数の追加のデバイスと通信できる。たとえば、図3のウェブサーバー350は、複数の追加のサーバーと通信できる。該追加のサーバーの少なくともそれらの1つは、いずれかの電子デバイス320〜340からのリクエストの少なくとも一部を処理するために使用できる。一実施形態では、ウェブサーバー350は、コンテンツ配布ネットワーク(CDN)の一部、または、コンテンツ配布ネットワーク(CDN)と通信できる。
【0037】
1つまたは複数のデバイスは、データ記憶装置と通信できる。図3では、ウェブサーバー350はデータ記憶装置360と通信する。実施形態では、データ記憶装置360は、データ記憶装置360と通信するウェブサーバー350および/または他のデバイスから命令を受信するように動作可能であり、および、命令を受信するとデータを取得し、更新し、または、処理する。一実施形態では、タブレット型コンピューター320などの電子デバイスは、データ記憶装置を含み、および/または、データ記憶装置と通信する。データ記憶装置360などのデータ記憶装置は、電子コンテンツを含む。該電子コンテンツには、電子ブックまたは雑誌、データ項目、ユーザ口座、メタデータ、あらかじめ定められた触覚効果に関連する情報、あらかじめ定められたイベントに関連する情報、あらかじめ定められた触覚効果とあらかじめ定められたイベントとの関係、ユーザの接触、ユーザ履歴、イベント発生に関する情報、1つまたは複数の触覚効果に対するデフォルトパラメータ、1つまたは複数の動作環境に対する触覚プロファイル、1つまたは複数の触覚モデル、触覚効果の最小パラメータおよび/または最大パラメータ、生成されたあらかじめ定められた触覚効果に関する情報、環境条件、パラメータ、パラメータ調節、環境条件とパラメータ調節との間の相関、パラメータ調節とプロファイルおよび/または動作モードとの間の相関、触覚モデルと環境条件との間の相関、触覚モデルと触覚効果との間の相関、触覚モデルとパラメータとの相関、プロファイルおよび/または動作モードと環境条件との相関、触覚効果パラメータを修正するために使用できる他の情報、環境条件を決定するために使用できる情報、他の情報、または、それらの組み合わせが挙げられる。
【0038】
図3に示されるデータ記憶装置360は、ウェブサーバー350からリクエストを受信し、および、ウェブサーバー350にレスポンスを送信できる。たとえば、ウェブサーバー350は、あらかじめ定められた触覚効果およびデフォルトの強度パラメータに対するリクエストをタブレット型コンピューター320から受信できる。タブレット型コンピューター320からリクエストを受信すると、ウェブサーバー350は、あらかじめ定められた触覚効果およびあらかじめ定められた触覚効果のデフォルトの強度パラメータをデータ記憶装置360に問い合わせる。ウェブサーバー350からリクエストを受信すると、データ記憶装置360は、ウェブサーバー350へあらかじめ定められた触覚効果およびデフォルトの強度パラメータを送信できる。ウェブサーバー350は、あらかじめ定められた触覚効果およびデフォルトの強度パラメータをタブレット型コンピューター320へ送信できる。タブレット型コンピューター320は、1つまたは複数の環境条件の少なくとも一部に基づいて、あらかじめ定められた触覚効果のためのデフォルト強度パラメータを修正できる。たとえば、1つまたは複数の環境条件が、強いまたはより強い触覚効果が出力されるべきであることを示す場合には、タブレット型コンピューター320は、デフォルトの強度パラメータを超えるように強度パラメータを大きい値にできる。同様に、1つまたは複数の環境条件が、弱いまたは弱い触覚効果が生成されるべきであることを示す場合には、タブレット型コンピューター320は、強度パラメータをデフォルトの強度パラメータよりも小さい値にできる。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
触覚効果のパラメータを修正する例示的方法
【0039】
図4は、実施形態による、少なくとも一部の環境条件(単数または複数)に基づいて、1つまたは複数の触覚効果のパラメータを修正する方法400を示すフローチャートである。図4に示される方法400は、図2に示される電子デバイス200に関して記載される。実施形態では、方法400は、図3のシステム300に示される1つまたは複数のデバイスによって実施できる。
【0040】
方法400は、1つまたは複数の触覚効果が決定されると、ブロック410から始まる。たとえば、図2に示される電子デバイス200は、1つまたは複数の触覚効果を決定できる。もう1つの例として、図3に示されるタブレット型コンピューター320は、1つまたは複数の触覚効果を決定できる。
【0041】
1つまたは複数の触覚効果は、電子デバイス200によってあらゆる方法を用いて決定され得る。一実施形態では、イベントが発生すると、1つまたは複数の触覚効果が電子デバイス200によって決定される。たとえば、電子デバイス200に、図3に示される携帯電話340などのように電話機能がある場合には、電話の呼び出しが受信されると、電子デバイス200は1つまたは複数の触覚効果を決定できる。もう1つの例として、電子デバイス200が、図3に示されるタブレット型コンピューター320などのようにデータ通信機能を有する場合には、電子メールが受信されると、電子デバイスは1つまたは複数の触覚効果を決定できる。他の実施形態では、テキストメッセージおよび/または通知が受信されると、1つまたは複数の触覚効果が決定される。
【0042】
一実施形態では、ユーザが電子デバイス200と接触すると、1つまたは複数の触覚効果が決定される。たとえば、電子デバイス200のユーザが許可されていない動作を実施しようとすると、触覚効果が決定され得る。一実施形態では、ドキュメントが保存されるべきであるというボタンが押されてドキュメントがうまく保存されるなど、ユーザの動作がうまくいった場合には触覚効果が決定される。いくつかの実施形態では、電子デバイス200で実行されるアプリケーションによって1つまたは複数の触覚効果が決定される。たとえば、電子デバイス200で実行されるアプリケーションがアラームクロックである場合には、アラームが鳴り出すことが決定されると、1つまたは複数の触覚効果が決定され得る。もう1つの例として、実施形態の1つでは、少なくとも一部の仮想現実感および/または拡張した現実感に基づいて、電子デバイス200は1つまたは複数の触覚効果を決定する。たとえば、ゲームのプレー中の拡張現実感または仮想現実感で衝突が発生すると、電子デバイス200は1つまたは複数の触覚効果を決定できる。一実施形態では、アプリケーションの更新準備ができダウンロードまたはアクセスができる場合に、触覚効果が決定され得る。
【0043】
実施形態では、別のデバイスから受信された情報の少なくとも一部に基づいて、電子デバイス200によって1つまたは複数の触覚効果が決定される。たとえば、少なくとも一部の別の電子デバイスから受信されたセンサー情報に基づいて、電子デバイス200は触覚効果を決定できる。もう1つの例として、触覚効果が出力されるべきであるというコマンドおよび/または他の情報が別の電子デバイスから受信されると、電子デバイス200は触覚効果を決定できる。実施形態では、少なくともいくつかの周囲状況で、電子デバイスは1つまたは複数の触覚効果を決定できるが、典型的には携帯電話、スマートフォン、タブレット、および/または他の電子デバイスが触覚効果を決定する。決定された触覚効果は、本明細書に開示されたすべての触覚効果を含むことができ、それらには、これらに限定されるわけではないが、振動触覚効果および/または運動感覚効果が含まれる。多くの実施形態が本明細書に開示されており、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0044】
戻って方法400を参照すると、一旦、1つまたは複数の触覚効果が決定される410と、次に方法400は、ブロック420に進む。ブロック420では、1つまたは複数の環境条件を決定するために有用な1つまたは複数の環境条件および/または情報が受信される。たとえば、図2を参照すると、1つまたは複数の環境条件を決定するために有用な1つまたは複数の環境条件および/または情報が、センサー270から受信できる。もう1つの例として、図3を参照すると、実施形態では、タブレット型コンピューター320は、1つまたは複数の環境条件を決定するために有用な1つまたは複数の環境条件および/または情報を、携帯電話340のセンサーからネットワーク310を介して受信する。
【0045】
1つまたは複数の環境条件は、1つまたは複数のセンサーから受信できる。実施形態の1つでは、電子デバイスのセンサーから電子デバイスによって、環境条件が受信される。別の実施形態では、電子デバイスと通信するセンサーから電子デバイスによって、環境条件が受信される。たとえば、リモートセンサーは、1つまたは複数の環境条件を電子デバイスへ無線で送信できる。一実施形態では、別の電子デバイスのセンサーおよび/または別の電子デバイスと通信するセンサーから、電子デバイスが環境条件を受信する。たとえば、図3を参照すると、携帯電話340はタブレット型コンピューター320と一体となったセンサーから、または、該タブレット型コンピューター320と通信するセンサーから環境条件を受信してもよい。なお他の実施形態では、電子デバイスは、1つ以上の環境条件を決定するために使用できる、1つまたは複数のセンサーから情報を受信する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の環境条件は、ユーザ入力の少なくとも一部に基づく。たとえば、一実施形態では、ユーザは、動作モードを選択する。もう1つの例として、ユーザは、身長、体重、民族、性別等の1つまたは複数のユーザの特徴を入力してもよい。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0046】
環境条件および/または環境条件を決定するために使用できる情報には、周囲条件、1つまたは複数の方向に印加された力、高度、周囲温度、ユーザの体温、心拍数、皮膚抵抗、酸素の使用、周囲のノイズ、周辺光、ユーザの動き、ユーザ位置、湿度、速度、距離、日付け、時刻、体重、身長、年齢、民族、本明細書に開示された他の環境条件、他の環境条件、またはそれらの組み合わせが含まれる。たとえば、一実施形態では、1つまたは複数のセンサーから受信された加速度および高度を、電子デバイスユーザが山を登っているか、山を下っているかを決定するために使用できる。もう1つの例として、一実施形態では、1つまたは複数のセンサーから受信した生理的な情報は、電子デバイスのユーザが覚醒または眠っているか、および、ユーザがストレスを受けているか否かを決定するために使用できる。一実施形態では、1つまたは複数のセンサーから受信される情報は、感情の状態、または、電子デバイスのユーザの感情の状態の組み合わせを決定するために使用される。たとえば、1つまたは複数のセンサーから受信される情報は、ユーザが楽しいか、興奮しているか、怖いおよび怒っているか、または、いずれかの他の感情の状態、または、感情の状態の組み合わせを決定するために電子デバイスで使用できる。
【0047】
他の実施形態では、1つまたは複数のセンサーからの情報は、動作モードを決定するために使用される。たとえば、ユーザが電子デバイスを腕に身につけている場合には、電子デバイスは一つの動作モードを決定でき、および、ユーザが電子デバイスを脚に身につけている場合には、電子デバイスは別の動作モードを決定できる。実施形態では、1つまたは複数の環境条件が1つまたは複数のセンサーから決定される。該センサーは、これらに限定されるわけではないが、加速度計、高度計、温度計、心拍数モニター、抵抗モニター、酸素センサー、音声センサー、マイクロホン、カメラ、光センサー、赤外線センサー、湿度計、速度計、歩数計、走行距離計、クロノメーター、タイマー、体重センサー等が挙げられる。一実施形態では、1つまたは複数のセンサーから受信される情報は、1つまたは複数の他のセンサーおよび/または環境条件のための代理情報として使用できる。たとえば、実施形態の1つでは、電子デバイスは、自動車、航空機等の速度を特定するセンサー情報を受信できる。この実施形態では、電子デバイスは、自動車の速度を、自動車のノイズのレベルおよび/または振動レベルの代理情報として使用してもよい。以下に述べるように、受信または決定された環境条件(単数または複数)、および/または、1つまたは複数の環境条件のための代理情報の少なくとも一部に基づいて、1つまたは複数の決定された触覚効果を修正できる。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0048】
戻って方法400を参照すると、一旦、1つまたは複数の環境条件が受信および/または決定されると、方法400は、ブロック430に進む。ブロック430では、1つまたは複数の触覚効果が修正される。たとえば、図2を参照すると、振動触覚効果が出力されることが必要であると決定され、および、センサー270から受信される情報が電子デバイス200のユーザが走っているということを示す場合は、電子デバイス200は振動触覚効果の強度を強めるように振動触覚効果を修正できる。もう1つの例として、図3を参照すると、デスクトップコンピューター330がタブレット型コンピューター320は特定の触覚効果を出力することが必要であると決定すると、デスクトップコンピューター330は、コマンドをタブレット型コンピューター320に送信でき、および、タブレット型コンピューター320のセンサーから受信する1つまたは複数の環境条件に基づいて、タブレット型コンピューター320は特定の触覚効果を修正できる。たとえば、電子デバイスのユーザの1つまたは複数の生理的な状態および/または感情の状態(単数または複数)の少なくとも一部に基づいて、1つまたは複数の決定された触覚効果を修正できる。
【0049】
1つまたは複数の触覚効果は、さまざまな方法で修正できる。一実施形態では、触覚効果に対応する1つまたは複数のパラメータが変化する。たとえば、1つまたは複数の環境条件の少なくとも一部に基づいて、決定された触覚効果の強度パラメータがデフォルトの強度レベルから増加または減少されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の環境条件の少なくとも一部に基づいて、動作モードおよび/または触覚モデルに対応するパラメータ値から、パラメータが増加または減少されてもよい。たとえば、電子デバイスが野外モードで動作している場合には、決定された触覚効果は特定の強度パラメータを持ってもよい。この実施形態では、ユーザが電子デバイスとどのようにやりとりをしているかによって、特定の強度パラメータが増加または減少されてもよい。たとえば、ユーザが電子デバイスをポケットに入れて持ち運んでいる場合には、決定された触覚効果のための野外モードに対応する特定の強度パラメータを超えて、該強度パラメータが増加されてもよい。もう1つの例として、ユーザが電子デバイスをユーザのリストに身につけている場合には、決定された触覚効果のための野外モードに対応する特定の強度パラメータ未満に強度パラメータが低減されてもよい。一実施形態では、1つまたは複数の決定された触覚効果は変化し、または、1つまたは複数の環境条件の少なくとも一部に基づいて、置き換えられる。たとえば、一実施形態では、特定の振動触覚効果が出力されるべきであることが決定されてもよい。この実施形態では、1つまたは複数の環境条件の少なくとも一部に基づいて、決定された振動触覚効果は異なる振動触覚効果に変化させてもよい。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0050】
1つまたは複数の触覚効果はさまざまな環境条件に基づいて修正できる。たとえば、一実施形態では、電子デバイス周辺のノイズが閾値レベルを超えていると決定されると、決定された触覚効果に対応する強度パラメータが増加されてもよい。もう1つの例として、電子デバイスのセンサーからの温度が閾値レベルを超えていると、決定された触覚効果に対応する強度パラメータが低減される。別の実施形態では、電子デバイスの振動が閾値振動レベルを超えていると、決定された触覚効果に関する周波数および/または強度を変更してもよい。実施形態の1つでは、閾値期間内に、以前出力された別の触覚効果がある場合には、決定された触覚効果を修正できる。たとえば、電子デバイスが触覚効果を出力し、および、所定の期間内に電子デバイスは別の触覚効果を出力することが必要であると決定されると、新しく決定された触覚効果に対応する強度パラメータは、あらかじめ定められた、および/または、以前の強度パラメータよりも大きくなる。実施形態では、1つまたは複数の決定された触覚効果は、一貫性がある触覚をユーザが経験できるように修正される。実施形態では、振動レベル、ノイズ、電子デバイスがどこに装着されているか、電子デバイスがどのように持ち運ばれているか等の基本となる触覚認知の要因に応じて、ユーザが一貫性がある触覚を経験できるように、決定された触覚効果を修正する。たとえば、ユーザが歩いている時とユーザが走っている時とで、ユーザが同一または実質的に類似する触覚効果(単数または複数)を感じられるように、1つまたは複数の決定された触覚効果を修正できる。実施形態では、多様な触覚モデルによって、電子デバイスがユーザの手に保持されるいる場合、および、電子デバイスがユーザの膝に横たわる場合などの少なくとも2つの状況で、設計者は、同じ大きさを有するように感じられる効果を設計することができる。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0051】
修正された触覚効果は、1つまたは複数の触覚モデルの少なくとも一部に基づくことができる。たとえば、電子デバイスは、第1の触覚モデルを使用して動作してもよい。この実施形態では、イベントが発生すると、第1の触覚モデルに対応する触覚効果が決定される。第1の触覚モデルに対応する決定された触覚効果は、1つまたは複数の環境条件の少なくとも一部に基づいて修正されてもよい。たとえば、第1の触覚モデルに対応する決定された触覚効果に関連するパラメータは、1つまたは複数の環境条件に基づいて修正されてもよい。もう1つの例として、第1の触覚モデルに対応する決定された触覚効果に代わって出力されるべき、第2の触覚モデルに対応する触覚効果が、1つまたは複数の環境条件に基づいて選択されてもよい。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0052】
実施形態では、決定された触覚効果は、少なくとも一部の代用情報に基づいて修正される。たとえば、電子デバイスは、乗り物の速度に対応するセンサー情報を受信し、電子デバイスは、乗り物の速度をノイズレベルのための代用情報として使用してもよい。この実施形態では、乗り物の速度によって決定または近似されるノイズレベルの少なくとも一部に基づいて、決定された触覚効果を修正できる。実施形態では、決定された複数の触覚効果は、1つまたは複数の代用情報の少なくとも一部に基づいて、修正できる。たとえば、電子デバイスは、乗り物の速度に対応するセンサー情報を受信し、電子デバイスは、乗り物の振動レベルに対する代用情報として、乗り物の速度を使用できる。この実施形態では、乗り物の速度によって決定または近似される振動レベルの少なくとも一部に基づいて、1つまたは複数の決定された触覚効果を修正できる。もう1つの例として、乗り物の速度は、周囲ノイズおよび振動の両方の代用情報として使用でき、および、決定または近似された周囲ノイズおよび振動レベルの少なくとも一部に基づいて、1つまたは複数の決定された触覚効果を修正してもよい。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
静止状態/歩行/ランニング
【0053】
一実施形態では、ユーザはアームバンドを使用して彼らの腕に電子デバイス200を装着し、および/または、シャツのポケットなどのポケットに入れて電子デバイス200を運ぶ。イベントが発生すると、ユーザは、電子デバイス200によって出力される多様な触覚効果を感じることができる。たとえば、この実施形態では、電話の呼び出しが受信されると、電子デバイス200のユーザに電話の呼び出しを知らせるために、電子デバイス200は振動触覚効果を決定する。さらに、この実施形態では、電子デバイス200は、1つまたは複数の環境条件を受信する。たとえば、電子デバイス200は加速度計を備え、および、電子デバイス200のユーザが静止状態、歩行、またはランニング中か否かを決定するために、加速度計から受信した情報を使用できる。たとえば、ユーザが走っている場合には、ユーザが静止状態である場合と同一の態様では、ユーザは触覚効果を認知および/または区別できない。少なくともこの理由のために、受信された環境条件(単数または複数)の少なくとも一部に基づいて、決定された触覚効果は修正または構成される。たとえば、ユーザが静止状態ではなく、歩いている場合には、ユーザが歩いている場合のより強い振動触覚効果を提供するために、振動触覚効果に対応する強度パラメータを増加してもよい。ユーザが走っていると決定されると、より大きな振動触覚効果を与えるために、振動触覚効果に対応する強度パラメータを、ユーザが歩いている状態または静止状態よりも大きくできる。したがって、実施形態では、決定された触覚効果が修正され、1つまたは複数の環境条件の少なくとも一部に基づいて構成される。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
装着可能位置
【0054】
一実施形態では、ユーザは彼らの腕などに電子デバイス200を装着でき、または、電子デバイス200をポケットに入れて運ぶことができる。この実施形態では、電子デバイス200は、電子デバイス200がポケットに入れて運ばれているか、ユーザの体に装着されているか、または、ユーザの手(単数または複数)に保持されているかを決定できる。電子デバイス200がポケットに入れて運ばれているか、ユーザの体に装着されているか、または、ユーザの手(単数または複数)に保持されているかという情報の少なくとも一部に基づいて、1つまたは複数の決定された触覚効果を修正できる。たとえば、電子デバイス200は、ユーザのトレーニングを補助するアプリケーションなどのアプリケーションを実行できる。アプリケーションによって、出力されるべきである1つまたは複数の触覚効果を決定できる。実施形態では、電子デバイス200の位置によって、決定された触覚効果(単数または複数)を変調する。たとえば、電子デバイス200がユーザのポケットに入れられて運ばれる場合には、決定された触覚効果に対応する強度パラメータは、デフォルトの強度を超えて増加されてもよい。実施形態では、決定された触覚効果によって、電子デバイス200がユーザのポケットに入れられて運ばれている場合と、電子デバイス200がユーザに装着されている場合とで、ユーザが同一または類似の感覚を持つように、強度パラメータが修正または構成される。他の実施形態では、電子デバイス200が装着されるユーザの体の位置に基づいて、パラメータを修正できる。たとえば、電子デバイス200がユーザの腕に装着されるていると決定される場合には、強度パラメータを第1のレベルに修正できる。電子デバイス200がユーザの脚に装着されていると決定されると、強度パラメータを第2のレベルに修正できる。一実施形態では、ユーザを電子デバイス200を運んでいるか、または、電子デバイス200を装着しているか、および、ユーザが静止しているか、歩行、または、ランニングをしているかという情報の少なくとも一部に基づいて、決定された触覚効果の強度パラメータなどのパラメータを修正できる。別の実施形態では、電子デバイス200が装着されるユーザの位置、および、ユーザの活性レベルの少なくとも一部に基づいて、決定された触覚効果のパラメータを修正する。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0055】
実施形態では、身につける電子デバイスはユーザの体のさまざまな位置に装着できる。身につける電子デバイスは、1つまたは複数の触覚効果を使用することによって、ユーザに情報を提供する。たとえば、身につける電子デバイスの用途には、これに限定されるものではないが、フィットネスモニタリング、フィットネスロギング、時間管理、スマートフォンなどの他のデバイスの制御、スマートフォンなどの別のデバイスに起因する通知の受信、ユーザの医療用モニタリング、他の医療用用途、拡張した現実感、仮想現実、および、他の好適な用途が挙げられる。一実施形態では、触覚モデルは、身につけられる電子デバイスなどの電子デバイス200によって決定される。この実施形態では、電子デバイス200および/または電子デバイス200で実行されるアプリケーションが触覚出力が出力されるべきであると決定すると、触覚出力に対応するパラメータが、少なくとも一部の触覚モデルに基づいて修正または構成される。たとえば、電子デバイス200は、ユーザが走っている場合には1つの触覚モデルが使用されるべきであり、および、第2の触覚モデルはユーザが歩いている場合に使用されるべきであることを決定できる。各触覚モデルは、決定された触覚効果を修正するために使用できる、1つまたは複数の触覚パラメータにマッピングできる。したがって、電子デバイス200が触覚効果を出力されるべきであることを決定し、および、ユーザが歩いている触覚モデルを使用すべきであると決定すると、歩行触覚モデルの触覚効果に対する強度パラメータに対応する強度パラメータへ決定された触覚効果を修正または構成できる。
【0056】
同様に、電子デバイス200が触覚効果を出力するべきであることを決定し、および、ユーザが走っている触覚モデルを使用すべきであると決定すると、ランニング触覚モデルの触覚効果に対する強度パラメータに対応する強度パラメータへ、決定された触覚効果を修正または構成できる。一実施形態では、少なくとも、決定された触覚効果および電子デバイス200のモードに対応する触覚モデルについて、データ記憶装置にクエリを発行することによって、電子デバイス200は、決定された触覚効果に対するパラメータを決定する。この実施形態では、データ記憶装置から受信するレスポンスの少なくとも一部に基づいて、電子デバイス200は決定された触覚効果に対するパラメータを修正または構成できる。
【0057】
電子デバイス200がポケットに入れて運ばれているか、人の手(単数または複数)に保持されているか、および/または、特定の体の部分(たとえば、腕、脚等)にさまざまな方法で装着されているかを、電子デバイス200は決定できる。一実施形態では、電子デバイス200は、電子デバイス200周辺の物体の特徴を決定する超音波放出体/センサーを備える。たとえば、電子デバイス200がユーザの皮膚に接触している場合には、電子デバイス200が装着される位置周辺の組織の特性を決定するために、電子デバイス200は超音波放出体/センサーから受信する情報を使用でき、および、電子デバイス200が装着される体の部分を決定するために決定された特性を使用できる。決定された体の部分に基づいて、1つまたは複数の触覚効果を修正できる。たとえば、超音波放出体/センサーなどのセンサーから受信される情報が、ユーザの手首に電子デバイス200が装着されている(たとえば、腕時計または他の好適な電子デバイス)ことを示す場合には、ユーザの腕などのユーザの体の別の部分よりもユーザの手首は骨伝導度が高いので、1つまたは複数の決定された触覚効果はユーザの手首の高感度に対応するように修正される。もう1つの例として、電子デバイス200が、ユーザの上腕などのユーザの体の肉質の、筋肉領域に装着されていると決定されると、電子デバイス200が装着されている位置でのより低い触覚感度に対応するように、決定された触覚効果の1つまたは複数のパラメータを調節できる。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
手に保持
【0058】
一実施形態では、電子デバイスは、1つまたは複数の赤外線センサーおよび/または1つまたは複数の容量性センサーを含む。実施形態では、1つまたは複数の赤外線センサーおよび/または1つまたは複数の容量性センサーは、電子デバイスがユーザの手に保持されるか、または、ユーザの膝または机上などの異なる位置に横たえられているかを判断するために使用される。電子デバイスは、電子デバイス位置の少なくとも一部に基づいて、1つまたは複数の決定された触覚効果を修正できる。いくつかの実施形態では、電子デバイスは、電子デバイス位置の少なくとも一部に基づいて、触覚モデルを決定できる。たとえば、電子デバイスが、ユーザの手(単数または複数)に保持されている場合には、ハンドヘルド触覚モデルが決定され得るし、電子デバイスがユーザの膝の上に横たえられている場合には、膝触覚モデルが決定され得るし、および/または、電子デバイスが机などの別の表面に置かれている場合には、別の触覚モデルが決定され得る。この実施形態では、決定された触覚効果は、決定された触覚モデル少なくとも一部に基づいて修正される。
【0059】
一実施形態では、電子デバイスは、決定された触覚効果のために使用されるべき多重触覚出力デバイスおよび1つまたは複数の触覚出力デバイスを含み、それらは、電子デバイスの位置および/または決定された触覚モデルの少なくとも一部に基づいて選択される。たとえば、電子デバイスの左側を1つの手でユーザが該電子デバイスを保持していると決定される場合には、決定された触覚効果が、電子デバイスの左側に対応する1つまたは複数の触覚出力デバイスに出力できる。実施形態では、ユーザが知覚できる、または、最もよく知覚できる、1つまたは複数の特定の触覚出力デバイスに触覚効果を出力することによって、電力を節約できる。
【0060】
もう1つの例として、ユーザが両手で電子デバイスを保持していると決定される場合には、一実施形態では電子デバイスの左側に対応する触覚出力デバイスだけではなく、電子デバイスの右側に対応する別の触覚出力デバイスも活性化される。この実施形態では、決定された触覚効果は両方の触覚出力デバイスに出力される。他の実施形態では、決定された触覚効果は、1つ、2つ、3つ、4つまたは、それよりも多い触覚出力デバイスに出力できる。実施形態では、1つまたは複数の決定された触覚効果を出力するように選択された触覚出力デバイス(単数または複数)は、電子デバイスがどのように操作されているかという情報の少なくとも一部が基づいて、ユーザが最も敏感に感じられる触覚出力デバイス(単数または複数)に対応する。
【0061】
実施形態では、電子デバイスの少なくとも一部の位置情報に基づいて、1つまたは複数の決定された触覚効果は修正される。たとえば、電子デバイスがユーザの膝に置かれた場合には、ユーザが触覚効果を十分に感じられるほど強い値に、決定された触覚効果のパラメータを修正することができる。したがって、実施形態では、ユーザの手(単数または複数)に電子デバイスが保持されている場合に出力される触覚効果よりも、ユーザの膝に電子デバイスが保持されている場合に出力される触覚効果が強いように、パラメータまたは1つまたは複数の決定された触覚効果が大きくなる。一実施形態では、電子デバイスが机などの無生物表面に置かれている場合には、触覚出力が動的に停止される。たとえば、電子デバイスが無生物表面に置かれており、電子デバイスは触覚効果を出力するべきであると決定すると、触覚効果が電子デバイスから出力しないように、電子デバイスは決定された触覚効果を修正できる。実施形態では、電子デバイスがユーザに接触していない場合に触覚出力を停止することによって、これらに限定されるわけではないが、以下の利益が提供される。すなわち、電子デバイスのバッテリ寿命を長持ちさせること、および/または、電子デバイスがテーブルに接していることで発生する不愉快なガタガタ音またはブザー音などの無生物表面に対する不愉快な触覚効果の可能性を低減することである。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
周囲環境
【0062】
一実施形態では、電子デバイスは、周囲環境に対応するセンサーデータの少なくとも一部に基づいて、1つまたは複数の決定された触覚効果を修正できる。たとえば、ユーザが電子デバイスを暖かい日に屋外で使用する場合よりも、ユーザが電子デバイスを寒い日に屋外で使用する場合には、決定された触覚効果は、より強い触覚効果を出力するように修正できる。実施形態では、より低い温度によるユーザの皮膚の感覚の欠如を乗り越えるように、より強い触覚効果が出力できる。いくつかの実施形態では、ユーザが寒い環境から暖かい環境(あるいはその反対)に移動すると、ユーザの体、四肢が、温まる、または、冷たくなる等につれて、触覚効果はユーザの触覚感度に対応して修正される。一実施形態では、触覚出力は、さまざまな周囲温度および/または環境での人間の触覚感度に合致する線形な生理学的モデルに従って修正される。一実施形態では、電子デバイスのセンサーおよび/または電子デバイスと通信するセンサーから受信された少なくとも一部のセンサー情報に基づいて、電子デバイスは温度を決定する。他の実施形態では、ウェブサーバーを介してインターネットまたは他のネットワークから温度を受信するなどの、別のデバイスから受信された情報の少なくとも一部に基づいて電子デバイスは、特定の地理的位置での温度を決定する。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
社会的交流
【0063】
一実施形態では、電子デバイスは、カメラおよび/または加速度計を含む。この実施形態では、電子デバイスは、ユーザの目および/または手の動きを追跡するために、カメラおよび/または加速度計を使用できる。たとえば、電子デバイスは、ユーザが別の人を見ている、または、別の人から目をそらすかを判断するためにカメラを使用できる。一実施形態では、電子デバイスは、行動学習または社会学習を補助する。たとえば、ユーザが別の人とアイコンタクトをしないで挨拶をする場合には、ユーザと他の人との交流の少なくとも一部に基づいて、電子デバイスは、1つまたは複数の触覚効果を決定または修正できる。したがって、電子デバイスのユーザがアイコンタクトをしないで人と挨拶する場合には触覚効果が出力されてもよいが、電子デバイスのユーザがアイコンタクトをして人と挨拶する場合には、触覚効果が出力されなくともよい。もう1つの例として、電子デバイスのユーザが紹介された別の人の手を振ったか否かを判断するために、電子デバイスは加速度計を使用できる。この実施形態では、1つまたは複数の触覚効果は、ユーザの交流の少なくとも一部は基づいて、決定または修正できる。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0064】
戻って方法400を参照すると、一旦1つまたは複数の触覚効果が修正されると、方法400は、ブロック440に進む。ブロック440では、1つまたは複数の触覚出力信号が生成される。たとえば、図2を参照すると、電子デバイス200は、1つまたは複数の触覚出力信号を生成できる。もう1つの例として、図3を参照すると、タブレット型コンピューター320は、1つまたは複数の触覚出力信号を生成できる。一実施形態では、タブレット型コンピューター320は、図3に示されるデスクトップコンピューター330のように、1つまたは複数の生成された触覚出力信号を別のデバイスに送信できる。実施形態の1つでは、1つまたは複数の触覚出力信号は、少なくとも一部は修正された触覚効果に基づく。たとえば、触覚出力信号は、1つまたは複数の触覚出力デバイスが修正された触覚効果を出力するように構成することができる。したがって、たとえば、決定された触覚効果に対応する強度パラメータが修正されると、触覚出力信号は、触覚出力デバイスが修正された強度パラメータに対応する強度を有する触覚効果を出力するようにを構成される。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0065】
いくつかの実施形態では、プロセッサー210は、イベントが発生すると、単一の信号を生成する。たとえば、一実施形態では、プロセッサー210は、触覚出力デバイス240または触覚出力デバイス260などの触覚出力デバイスが触覚効果を出力するように構成される信号を生成する。触覚効果によって、物体が現在ディスプレー230に表示されている、物体がディスプレー230に表示されるところである、物体が近づいている、イベントが発生した、イベントが発生するところである、または、それらの組み合わせを示すことができる。
【0066】
他の実施形態では、プロセッサー210は、2つ、3つ、またはそれよりも多い信号を発生する。たとえば、一実施形態では、プロセッサー210は、第1の触覚効果を生じさせるように構成される第1の信号、および、第2の触覚効果を生じさせるように構成される第2の信号を生成する。いくつかの実施形態では、プロセッサー210は、発生するイベント毎に異なる信号を生成する。種々の実施形態では、接触感知ディスプレー230、通信インターフェース250、触覚出力デバイス240、触覚出力デバイス260、センサー270、デバイス200の他のコンポーネント、デバイス200と通信するデバイスの他のコンポーネント、または、それらの組み合わせが、画像信号、音声信号、触覚出力信号、および/または、通信信号などの1つまたは複数の生成された信号を出力するように構成される1つまたは複数の信号を、プロセッサー210が生成する。たとえば、一実施形態では、プロセッサー210はイベントが発生すると信号を生成し、その信号は別のデバイスの触覚出力デバイスが触覚効果を生じるように構成される。一実施形態では、プロセッサー210は、通信インターフェース250を介して信号を他のデバイスに送信する。
【0067】
一実施形態では、生成された信号は、デバイスまたはコンポーネントが特定の機能を実施するためのコマンドを含み、該コマンドには触覚効果を出力する、または、リモートデバイスにメッセージを転送することなどが含まれる。別の実施形態では、生成された信号は、コマンドを受信したデバイスまたはコンポーネントが使用する、レスポンスまたはある態様のレスポンスを決定するためのパラメータを含む。パラメータは、たとえば、触覚出力デバイスが触覚効果を決定、触覚効果を出力、またはその両方のために使用できる、大きさ、周波数、期間、または他のパラメータに関する多様なデータを含むことができる。たとえば、一実施形態では、プロセッサー210は、触覚出力デバイス240が触覚効果を出力するように構成される信号を生成する。そのような実施形態では、信号は、触覚出力デバイス240が、出力されるべき触覚効果の強度を決定するために使用する圧力パラメータを含むことができる。たとえば、1つの実施形態によれば、より大きい圧力パラメータを触覚出力デバイス240が受信すると、より強い触覚効果が出力される。
【0068】
一実施形態では、触覚効果の強度を決定するために、触覚出力デバイスは強度パラメータを使用する。この実施形態では、強度パラメータが大きくなるほど、より強い触覚効果が出力される。一実施形態では、イベントが発生すると、強度パラメータは、遠隔で制御可能なデバイスの速度、方向等などのセンサー情報の少なくとも一部に基づく。したがって、1つの実施形態によれば、遠隔で制御可能なデバイスが遅い速度で移動している時にイベントが発生する場合よりも、遠隔で制御可能なデバイスが早い速度で移動する場合にイベントが発生すると、より大きな強度パラメータが触覚出力デバイスに出力される。特定のレスポンスの態様を決定するために、触覚出力デバイス、ディスプレー、通信インターフェース、センサー、または、デバイスの他のコンポーネント若しくはデバイスと通信する他のコンポーネントによって処理されるように構成されるデータを信号は含む。
【0069】
戻って方法400を参照すると、一旦、1つまたは複数の触覚出力信号が生成されると、方法400は、ブロック450に進む。ブロック450では、1つまたは複数の生成された触覚出力信号が、1つまたは複数の触覚出力デバイスに出力される。たとえば、図2を参照すると、1つまたは複数の生成された触覚出力信号は、触覚出力デバイス240および/または触覚出力デバイス260に出力されてもよい。もう1つの例として、図3を参照すると、デスクトップコンピューター330によって生成された1つまたは複数の触覚出力信号が、ネットワーク310を介してタブレット型コンピューター320の1つまたは複数の触覚出力デバイスに出力されてもよい。一実施形態では、生成された触覚出力信号は1つの触覚出力デバイスに送信される。他の実施形態では、生成された触覚出力信号は、2つ、3つ、4つ、または、それよりも多い触覚出力デバイスに送信される。いくつかの実施形態では、2つ、3つ、4つ、または、それよりも多い生成された触覚出力信号が触覚出力デバイスに送信される。他の実施形態では、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多い生成された触覚出力信号が、2つ、3つ、4つ、または、それよりも多い触覚出力デバイスに送信される。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
【0070】
種々の実施形態では、プロセッサー210は、1つまたは複数の生成された信号をいくつのデバイスにも出力できる。たとえば、プロセッサー210は、1つの信号を通信インターフェース250に出力できる。一実施形態では、プロセッサー210は、1つの生成された信号を接触感知ディスプレー230に出力でき、別の生成された信号を通信インターフェース250に出力でき、および別の生成された信号を触覚出力デバイス260に出力できる。他の実施形態では、プロセッサー210は、単一の生成された信号を複数のコンポーネントまたはデバイスに出力できる。たとえば、一実施形態では、プロセッサー210は、1つの生成された信号を触覚出力デバイス240と触覚出力デバイス260の両方に出力できる。別の実施形態では、プロセッサー210は、1つの生成された信号を触覚出力デバイス240、触覚出力デバイス260、および通信インターフェース250に出力できる。さらに別の実施形態では、プロセッサー210は、1つの生成された信号を触覚出力デバイス240および触覚出力デバイス260の両方に出力でき、および、第2の生成された信号を接触感知ディスプレー230に出力できる。
【0071】
上記で論じたように、プロセッサー210は、1つまたは複数の信号を通信インターフェース250に出力できる。たとえば、プロセッサー210は信号を通信インターフェース250に出力し、該通信インターフェース250にデータをデバイス200と通信する別のコンポーネントまたはデバイスに送信するように指示できる。そのような実施形態では、通信インターフェース250はデータを他のデバイスに送信でき、および、該他のデバイスは該他のデバイスのディスプレーを更新するなどの機能を実施でき、または該他のデバイスは触覚効果を出力できる。したがって、実施形態では、第2のデバイスと通信する第1のデバイスとの交信の少なくとも一部に基づいて、第2のデバイスは触覚効果を出力できる。他の実施形態では、第1の遠隔制御200との通信の少なくとも一部に基づいて、第2のデバイスは、たとえば、第2のデバイスのディスプレーを更新すること、または、第2のデバイスのセンサーに音声信号を出力することなどのいくつの機能をも実施することができる。
【0072】
種々の実施形態では、プロセッサー210が信号をコンポーネントに出力後に、コンポーネントはプロセッサー210にコンポーネントが信号を受信したことを示す確認を送信できる。たとえば、一実施形態では、触覚出力デバイス260は、触覚効果を出力するためにプロセッサー210からコマンドを受信できる。一旦、触覚出力デバイス260がコマンドを受信すると、触覚出力デバイス260は、触覚出力デバイス260によってコマンドが受信されたという確認レスポンスをプロセッサー210へ出力できる。別の実施形態では、プロセッサー210は、コンポーネントが命令を受信したばかりではなく、コンポーネントがレスポンスを完了したことを示す完了データを受信できる。たとえば、一実施形態では、触覚出力デバイス240はプロセッサー210からさまざまなパラメータを受信する。これらのパラメータに基づいて、触覚出力デバイス240は、触覚効果を出力し、およびプロセッサー210に完了データを送信できる。該完了データは、触覚出力デバイス240がパラメータを受信し、および触覚効果を出力したことを示す。
【0073】
1つまたは複数の触覚効果信号の通信パラメータを生成するためにすべてのタイプの入力合成方法を使用できることが理解されるであろう。これらには、下記に限定されるわけではないが、合成方法の一例を以下の表2に挙げる。駆動信号は、通信パラメータに従って触覚アクチュエータに印加され得る。多くの他の実施形態が本明細書に開示され、および、変形形態はこの開示の範囲内である。
表2−合成方法
・加算合成−典型的には振幅を変化させた、入力の組み合わせ
・減算合成−多重信号または複数の信号入力のフィルタリング
・周波数変調合成−1つまたは複数の演算子で搬送波信号を変調
・サンプリング−修正される入力ソースとして記録された入力を使用する
・複合合成−結果として得られる「新しい」入力を確立するために人工入力およびサンプル入力を使用する
・位相変形−再生中に、ウェーブテーブルに記憶された波形の速度を変更する
・波形成形−修正された結果を生成するための信号の意図的な変形
・再合成−再生前にデジタルでサンプルされた入力の修正
・粒状合成−いくつかの小さな入力セグメントを組み合わせて新しい入力にする
・線形予測符号化−音声合成のために使用される類似技術
・直接デジタル合成−生成された波形のコンピューター修正
・波形シークエンシング−いくつかの小さなセグメントを線形に組み合わせて新しい入力を形成する
・ベクトル合成−複数の異なる入力ソース間のフェーディングのための技術
・物理的モデリング−仮想動作の物理的特性の数式
概要
【0074】
さまざまな装置で実行されるソフトウェアの形態で方法およびシステムが明細書に記載されたが、当該方法およびシステムは、特に多様な方法で実施するように構成されたフィールド・プログラマブル・ゲート・アレー(FPDGA)などの特別に構成されたハードウェアに実装することもできる。たとえば、実施形態は、デジタル電子回路、または、コンピューターハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、または、それらの組み合わせに実装できる。一実施形態では、デバイスは、プロセッサー(単数)またはプロセッサー(複数)を含む。プロセッサーは、プロセッサーに結合するランダムアクセスメモリ(RAM)などのコンピューター読み取り可能な媒体を含む。プロセッサーは、メモリに記憶されたコンピューター実行可能なプログラム命令を、画像を編集するために1つまたは複数のコンピュータープログラムを実行するように実施する。該プロセッサーは、マイクロプロセッサー、デジタル信号プロセッサー(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレー(FPDGA)、およびステートマシーンを含む。該プロセッサーは、PLC、プログラム可能割り込みコントローラー(PIC)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、電気的プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROMまたはEEPROM)、または、他の類似デバイスなどのプログラム可能電子デバイスをさらに含む。
【0075】
該プロセッサーは、たとえばコンピューター読み取り可能な媒体などの媒体を含み、または、媒体と通信できる。該媒体は、プロセッサーによって実行されると、該プロセッサーに本明細書に記載のステップを実施、または、補助するようにさせる命令を記憶する。コンピューター読み取り可能な媒体の例には、これに限定されるものではないが、ウェブサーバー中のプロセッサーなどのプロセッサーに、コンピューター読み取り可能な命令を提供できる電子的、光学的、磁気的、または他の記憶デバイスが挙げられる。媒体の他の例は、これに限定されるものではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、磁気ディスク、メモリチップ、ROM、RAM、ASIC、構成されたプロセッサー、すべての光学的媒体、すべての磁気テープまたは他の磁気媒体、または、コンピュータプロセッサーが読み出し可能なすべての他の媒体が挙げられる。記載されたプロセッサー、および処理は、1つまたは複数の構造の中に存在してもよいし、および、1つまたは複数の構造を通じて分散されていてもよい。プロセッサーは、本明細書に記載の1つまたは複数の方法(あるいは方法の一部)を実行するためのコードを含むことができる。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態の明細書本文は、説明および記述目的のためだけに示され、および、包括的ではなく、または、正確な形態が開示されるために本発明を制限することを意図しない。本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で、多くの修正形態およびそれらの順応形態が当業者に明らかになるであろう。
【0077】
明細書で参照される場合、「一つの(one)実施形態」または「一つの(a)実施形態」は、実施形態と関連して記載された特定の特徴、構造、動作、または他の特徴が本発明の少なくとも1つの実装形態に含まれることを意味する。本発明は、記載された特定の実施形態に制限されない。本明細書のさまざまな場所に現れる「一つの(one)実施形態では」または「一つの(a)実施形態では」という文言は、同一の実施形態を必ずしも意味しない。「一つの(one)実施形態」と関連して本明細書記載された任意の特定の特徴、構造、動作、または他の特徴は、他の実施形態に関して記載された他の特徴、構造、動作、または他の特徴と混合されてもよい。
図1
図2
図3
図4