(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ケース補強材を螺子で固定するものにおいて、良好な取付作業性を備えたシャッターケースの構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が採用した技術手段は、
ケース板と、
躯体に取り付けられた左右のブラケットと、
前記左右のブラケット間に架け渡された1本ないし複数本の補強材と、
を備えたシャッターケースにおいて、
各ブラケットは、巻取シャフトの長さ方向端部が取り付けられた面部と、前記面部の周縁に形成された周片と、を備え、
前記補強材は、長さ方向両端部位が左右のブラケットの周片に面で当接するような長さ寸法を備えており、
前記左右のブラケットの少なくとも一方のブラケットの周片の一部を全幅ないし部分的に切り欠くことで、躯体に取り付けられた左右のブラケット間に、前記補強材を受け入れ可能な開口幅寸法を有する空間が形成されており、
前記補強材は、躯体に取り付けられた左右のブラケット間に前記空間から受け入れられ、長さ方向両端部位をそれぞれ前記左右のブラケットの周片に面で当接させて螺子で固定してなる、
シャッターケース、である。
【0006】
1つの態様では、前記一方のブラケットは従動側ブラケット、前記他方のブラケットは駆動側ブラケットであり、
前記駆動側ブラケットの面部には開閉機が固定されており、前記従動側ブラケットの周片の一部が切り欠かれている。
このものでは、開閉機が固定されたブラケットの強度をなるべく落とさないようにすることができる。
後述する実施形態では、前記周片は下側の周片を含み、当該下側の周片の一部が切り欠かれている。
1つの態様では、前記補強材には、前記ケース板の下面を支持するまぐさが含まれる。
1つの態様では、前記補強材には、シャッターケースの前面を支持する前側補強材が含まれる。
【0007】
1つの態様では、前記補強材には、前記ケース板の上面の後端側に位置する上側補強材が含まれ、
前記左右のブラケットの上側の周片の後端側をそれぞれ切り欠くことで、躯体に取り付けられた左右のブラケットの上側の周片間に、前記上側補強材を受け入れ可能な開口幅寸法を有する空間が形成されており、
前記上側補強材は、当該上側補強材の上面を前記左右のブラケットの上側の周片の上面と一致させて、長さ方向両端部位が左右のブラケットの後側の周片に螺子で固定されている。
1つの態様では、前記ケース板の上面は、後端が前記上側補強材に固定されているケースリブに支持されており、
前記上側補強材の開口幅方向の所定部位には、前記ケースリブの固定兼位置決め用プレートが設けてあり、
前記ケースリブの後端は、前記固定兼位置決め用プレートに固定されている。
このものでは、ケースリブを現場で位置決めすることなく固定が可能である。
後述する実施形態では、固定兼位置決め用プレートの幅寸法と、ケースリブ(上側ケースリブ)の取付部の幅寸法を一致させてあり、ケースリブの取付部を固定兼位置決め用プレートに一致させて取り付けるようになっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、ブラケットの周片と補強材とを螺子で固定するために十分な重なり代を確保するものでありながら、躯体に取り付けられた左右のブラケット間に、当該補強材を容易に受け入れることができ、取付作業性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、シャッター装置の正面図(開口部全閉状態)、
図2は、シャッター装置の上方部位の縦断面図(開口部全開状態)であって、シャッター装置は、建物開口部の幅方向左右両端に立設された左右のガイドレール1と、建物開口部の上方に設けられたシャッターケース2と、シャッターケース2内に設けられた巻取シャフト3と、巻取シャフト3に上端が連結されたシャッターカーテン4と、を備えている。シャッターカーテン4は、複数枚のスラット40を互いに連結することで形成されている。
【0011】
躯体Wすなわち壁には左右のブラケット5、6が持ち出し状に設けられており、一方のブラケット5が従動側ブラケット、他方のブラケット6が駆動側ブラケットとなっている。巻取シャフト3は、左右のブラケット5、6間に回転可能に支持されており、駆動側のブラケット6に取り付けられた開閉機7により回転駆動される。巻取シャフト3の正逆回転に伴って、シャッターカーテン4が巻取シャフト3から繰り出されて下降して建物開口部を閉鎖し、また、シャッターカーテン4が巻取シャフト3に巻き取られて建物開口部を開放する。
【0012】
左右のブラケット5、6間には、第1補強材8、第2補強材9、内まぐさ10が、左右のブラケット5、6を架け渡すように設けてある。第1補強材8、第2補強材9、内まぐさ10は、開口幅方向に水平状に延びる長尺部材であり、左右のブラケット5、6と共にシャッターケース2の骨組を構成している。第1補強材8は、シャッターケース2の上面の後端部位を支持補強し、第2補強材9は、シャッターケース2の前面を支持し、内まぐさ10は、シャッターケース2の下面を支持補強している。後述するように、第1補強材8、第2補強材9、内まぐさ10の長さ方向端部は、螺子を用いて左右のブラケット5、6に固定される。
【0013】
内まぐさ10は、躯体Wに対して離間対向しており、内まぐさ10と躯体Wとの間には、建物開口部の幅方向に延びる開口Oが形成されており、当該開口Oによってシャッターケース2の内部空間と建物開口部が連通している。当該開口の長さ方向両端部には、左右のガイドレール1の上端部位が位置している。ガイドレール1の上端部位は、シャッターケース2の下面の高さ位置を越えて上方に延びており、内まぐさ10の高さ位置に対応して拡開状の上部ガイド1Aが形成されている。
【0014】
シャッターカーテン4は、その幅方向両端部が左右のガイドレール1のガイド溝に案内されながら昇降するようになっている。建物開口部上方において、シャッターカーテン4の昇降経路に位置して、スムーサ組立体、すなわち、スラットガイド機構Gが設けてある。スラットガイド機構Gは、ガイドレール1の上端部位(シャッター芯C)を挟んで躯体Wとは反対側に位置して内まぐさ10に固定されている。
【0015】
シャッターケース2は、ケース上板20と、ケース下板21と、からなる。本実施形態では、ケース上板20、ケース下板21は、開口幅寸法に対して短尺の幅寸法を備えており、複数枚のケース上板20、ケース下板21を、開口幅方向に亘って連設することでシャッターケース2を形成している。上下に対応する短尺のケース上板20とケース下板21は同じ幅寸法となっている。
【0016】
図8に示すように、ケース上板20は、後方側(躯体側)に位置する水平状の第1上面200と、第1上面200の前端から前方に向かって下向き傾斜状に延びる傾斜状の第2上面201と、第2上面201の前端から垂下する前面202と、前面202の下端に形成した側面視L形状の上側連結片(前面202の下端から躯体側に延びる水平片203と、水平片203の後端から垂下する垂直片204からなる)と、第1上面200の後端から立ち上がる垂直片205と、からなる。ケース上板20は後端側において、垂直片205が螺子206によって躯体Wに固定されている。
【0017】
図9に示すように、ケース下板21は、水平状に延びる下面210と、下面210の前端から垂直状に立ち上がる垂直状の前面211と、前面211の上端に形成した側面視L形状の下側連結片(前面211の上端から後方に延びる水平片212と、水平片212の後端から立ち上がる垂直片213とからなる)と、からなる。ケース下板21は後端側において、下面210が螺子214によって内まぐさ10に固定されている。後に詳述するように、ケース上板20の前端側、ケース下板21の前端側は、垂直片204と垂直片213を重ね合わせて、螺子98によって第2補強材9に固定されている。
【0018】
隣接するケース上板20、20の近接する端部が内側からケースリブ11によって支持され、隣接するケース下板21、21の近接する端部が内側からケースリブ12によって支持されている。なお、上側のケースリブ11は、隣接するケース上板20、20の近接する端部を跨ぐように設けられることに加えて、左右端部に位置するケース上板20、20の幅方向中間部位を支持するように配置されている(
図7参照)。本実施形態では、左右端部に位置するケース上板20、20の端部は、左右のブラケット5、6まで達していない。
【0019】
隣接するケース上板20、20の近接する端部を外側から覆うように上側ケースつなぎ板13が設けられている、隣接するケース下板21、21の近接する端部を外側から覆うように下側ケースつなぎ板14が設けてある。上側ケースつなぎ板13は、ケース上板20とほぼ同じ断面形状を有しており、隣接するケース上板20、20の端部を被覆するように位置させて螺子130で固定される。下側ケースつなぎ板14は、ケース下板21とほぼ同じ断面形状を有しており、隣接するケース下板21、21の端部を被覆するように位置させて螺子140で固定される。シャッターケース2の幅方向両端部には、左右のブラケット5、6をそれぞれ覆うようにサイドカバー15が取り付けられる。サイドカバー15は、ブラケット5、6全体に被せて螺子150で固定される。
【0020】
図10に示すように、従動側のブラケット5の垂直状に延びる面部50には、軸受部500が固定されており、軸受部500に巻取シャフト3の従動側端部が回転自在に装着される。面部50は、水平状の第1上縁、第1上縁の前端から前方に向かって下向き傾斜状に延びる第2上縁、第2上縁の前端から垂下する垂直状の前縁、第1上縁の後端から垂下する垂直状の後縁、前縁の下端と後縁の下端間に延びる水平状の下縁と、を備えている。
【0021】
面部50の第1上縁には、後方側(躯体側)に位置する水平状の第1上片51が形成され、第2上縁には、第1上片51の前端から前方に向かって下向き傾斜状に延びる第2上片52が形成され、前縁には、第2上片52の前端から垂下する垂直状の前片53が形成され、下縁には、水平状の下片54が形成され、後縁には、垂直状の後片55が形成されている。後片55の幅寸法は、第1上片51、第2上片52、前片53、下片54の幅寸法よりも大きい寸法(図示の態様ではほぼ2倍)となっている。
【0022】
第1上片51の前端と第2上片52の後端、第2上片52の前端と前片53の上端、下片54の後端と後片55の下端、第1上片51の後端と後片55の上端は、それぞれ、連続状(端縁同士が近接している)に形成されている。第1上片51の後端側は、第1上片51の幅方向の一部(図示の態様では半部)を切り欠いて細幅状となっており、第1上片51の後端と後片55との間に前後方向に長方形状の切り欠き部510が形成されている。下片54の前端は前片53の下端にまで達しておらず、前片53の下端と下片54の前端との間に、下片54の全幅に亘って、前後方向に長方形状の切り欠き部540が形成されている。
【0023】
図11に示すように、駆動側のブラケット6の垂直状に延びる面部60には、スプロケット600が回転自在に設けてあり、スプロケット600に巻取シャフト3の駆動側端部がスプロケット600と一体で回転するように装着される。面部60には、開閉機(
図2、
図3参照)7が固定されるようになっており、開閉機7とスプロケット600はローラチェーン70によって伝動連結される。面部60は、水平状の第1上縁、第1上縁の前端から前方に向かって下向き傾斜状に延びる第2上縁、第2上縁の前端から垂下する垂直状の前縁、第1上縁の後端から垂下する垂直状の後縁、前縁の下端と後縁の下端間に延びる水平状の下縁と、を備えている。
【0024】
面部60の第1上縁には、後方側(躯体側)に位置する水平状の第1上片61が形成され、第2上縁には、第1上片61の前端から前方に向かって下向き傾斜状に延びる第2上片62が形成され、前縁には、第2上片62の前端から垂下する垂直状の前片63が形成され、下縁には、水平状の下片64が形成され、後縁には、垂直状の後片65が形成されている。後片65の幅寸法は、第1上片61、第2上片62、前片63、下片64の幅寸法よりも大きい寸法(図示の態様ではほぼ2倍)となっている。
【0025】
第1上片61の前端と第2上片62の後端、第2上片62の前端と前片63の上端、前片63の下端と下片64の前端、下片64の後端と後片65の下端、第1上片61の後端と後片65の上端は、それぞれ、連続状(端縁同士が近接している)に形成されている。第1上片61の後端側は、第1上片61の幅方向の一部(図示の態様では半部)を切り欠いて細幅状となっており、第1上片61の後端と後片65との間に前後方向に長方形状の切り欠き部610が形成されている。
【0026】
図10、
図11に示すように、左右のブラケット5、6の面部50、60の下方部位には、まぐさ取付部材16が固定されており、まぐさ取付部材16は、面部50、60に当接して固定される第1片160と、面部50、60に対して垂直状に立ち上がる第2片161とから断面視L形状に形成されたアングル材である。ブラケット5、6は、それぞれ後片55、65を躯体Wに当接させて螺子(図示せず)で固定される。
【0027】
図12に示すように、第1補強材8は、断面視ほぼC形状の長尺部材である。より具体的には、第1補強材8は、垂直状の底辺80と、底辺80の上端から前方に向かって延びる水平状の上辺81と、底辺80の下端から前方に向かって延びる水平状の下辺82と、上辺81の先端から垂下する上側垂直辺83と、下辺82の先端から立ち上がる下側垂直辺84と、を備えている。第1補強材8の底辺80には、長さ方向両端部において、それぞれ、横長孔85が上下に間隔を存して形成されている。
【0028】
第1補強材8の長さ方向の所定部位には、長さ方向に間隔を存して横長方形状のリブ固定用プレート86が固定されている。より具体的には、リブ固定用プレート86は、上側のケースリブ11の取付場所に位置させて、上側垂直辺83、下側垂直辺84に跨るように配置され、上側垂直辺83、下側垂直辺84に溶接されている。後述するように、リブ固定用プレート86の横幅寸法w1は、上側のケースリブ11の後端部の幅寸法(左右の片118の端部間の寸法w1)と一致しており、取付時に同時に位置決めが行われる。リブ固定用プレート86の個数は、上側のケースリブ11の本数と一致している。
【0029】
図13に示すように、第2補強材9は、断面視ハット形状の長尺部材である。より具体的には、第2補強材9は、垂直状の底辺90と、底辺90の上端から前方に向かって延びる水平状の上辺91と、底辺90の下端から前方に向かって延びる水平状の下辺92と、上辺91の先端から立ち上がる上側垂直辺93と、下辺92の先端から垂下する下側垂直辺94と、を備えている。第2補強材9は、底辺90、上辺91、下辺92から形成される凹部が正面(前方)を向くように、左右のブラケット5、6間に架け渡して設けられる。
【0030】
内まぐさ10は、側面視正方形状の角パイプ100と、角パイプ100に固定した板状部材と、から形成されている。角パイプ100は、上面1000と、下面1001と、後面1002と、前面1003と、を備えている。板状部材は、水平辺101と、水平辺101の後端から垂直状に立ち上がる垂直辺102と、垂直辺102の上端から前方に向かって延びる水平辺103と、水平辺101の前端から垂直状に立ち上がる垂直辺104と、からなり、水平辺101を角パイプ100の下面1001に、垂直辺104を角パイプ100の前面1003の下方部位にそれぞれ当接させて、固定(溶接)されており、水平辺101の後端は角パイプ100の後面1002を越えて延びており、垂直辺102と躯体Wとの間にシャッターカーテン4を挿通させる開口Oが形成されている。垂直辺102の上端と角パイプ100の上面1000との間に傾斜状の板片105(
図2参照)が接続されているが、この板片105は、内まぐさ10の全長に対して短尺であり、角パイプ100及び板状部材の長さ方向に間隔を存して複数枚設けてあり、スラットガイド機構Gの内まぐさ10に対する固定を妨げるものではない。なお、外まぐさ17(
図2〜
図5参照)は、左右のガイドレール1間の距離よりも短尺であり、躯体Wに螺子で固定されている。
【0031】
図14に示すように、上側のケースリブ11は、後方側に位置する水平状の第1上面110と、第1上面110の前端から前方に向かって下向き傾斜状に延びる第2上面111と、を備えており、第1上面110の上にケース上板20の第1上面200が載って支持され、第2上面111の上にケース上板20の第2上面201が載って支持される。ケースリブ11は、傾斜状の第2上面111の前端から垂下する垂直状の前片112を備えている。
【0032】
ケースリブ11は、第1上面110、第2上面111の幅方向両端から対向状に下方に延びる一対の側面を備えており、当該側面は、第1上面110に対応する第1部分113と、第2上面111に対応する第2部分114と、第2部分114の前端から垂下する第3部分115と、第1部分113の後方かつ下方に位置する第4部分116と、を有している。ケースリブ11の第3部分115は、前片112の下端よりも下方に延びており、第3部分115の下端には、互いに離間する方向に延びる一対の水平状の取付片117が形成されている。前片112と第3部分115の垂直状の前縁は離間して隙間が形成されている。
【0033】
ケースリブ11の第4部分116の上半部の後端(第1上面110の後端に一致している)から互いに離間するように延びる一対の垂直状の取付片118が形成されている。第4部分116の下半部の後端は第1上面110の後端よりもさらに後方に延びており、当該後端を接続するように垂直状の後面119が形成されている。第4部分116には、上半部の後端の下端と下半部の後端の上端とを結ぶように水平状の上縁1160が形成されている。ケースリブ11の後端側には、側面視において、垂直状の取付片118、水平状の上縁1160、第1上面110を後端側へ延ばした水平状の仮想上面、後面119を上方へ延ばした垂直状の仮想後面、からなる縦長方形の空間が形成されており、当該空間に、第1補強材8が納まるようになっている。
【0034】
ケースリブ11の対向状の側面の下端縁は、全体として側面視下向き凹状(上向き凸状)となっており、シャッターケース2内部の上方部位に、巻取シャフト3に巻装されたシャッターカーテン4が占める空間を確保している。また、ケースリブ11は、開口部全閉状態でシャッターカーテン4が持ち上げられた場合にシャッターカーテン4に当接して持ち上げ力に対抗する持ち上げ防止機能を有する。本実施形態では、ケースリブ11は第1部材(第1上面110、第2上面111、前片112、第1部分113、第2部分114、第3部分115、水平状の取付片117を構成する)、第2部材(第4部分116、垂直状の取付片118、後面119を構成する)の2部材を溶接することで形成されているが、ケースリブ11を構成する部材の数は限定されない。
【0035】
下側のケースリブ12は、水平状の下面120と、下面120の先端側から立ち上がる垂直状の前面121と、を備えており、下ケース板21の下面210が下面120に当接し、下ケース板の前面211が前面121に当接するようになっている。ケースリブ12は、下面120、前面121の幅方向両端から対向状に延びる一対の側面を備えており、当該側面は、下面120に対応する第1部分122、前面に対応する第2部分123を備えている。言い換えると、ケースリブ12は、下面120と一対の第1部分122からなる断面視コ字状の水平部分と、前面121と一対の第2部分123からなる断面視コ字状の垂直部分と、からなる側面視L形状の部材を備えている。
【0036】
さらに、水平部分(下面120、側面の第1部分122)の後端には、断面視ハット型の垂直状部材が固定(溶接)されている。垂直状部材は、一対の側面124と、側面124の後縁から互いに離間するように延びる一対の垂直状の取付片125と、底面126と、を備えている。垂直状の取付片125の高さ寸法は、側面124の高さ寸法に比べて短尺である。側面124の上方部位は後方側に延びており、係止片1240が形成されている。
【0037】
さらに、垂直部分(前面121、側面の第2部分123)の上方部位において、前面121、第2部分123の幅方向の一部が切り欠かれており、垂直部分の上端は、後側の第1上縁1230と、第1上縁1230に対して低い位置にある前側の第2上縁1231と、から形成されている。垂直部分の切り欠き部には、断面視コ字状の部材127が固定(溶接)されている。部材127は、垂直状の面部1270と、一対の側面1271と、からなり、面部1270の幅寸法は、前面121の幅寸法よりも僅かに大きく、部材127の下縁を第2上縁1231上に載せ、側面1271の内面を側面の第2部分123の外面に当接かつ溶接されている。部材127の上縁は、側面の第2部分123の第1上縁1230と同じ高さに位置している。部材127の面部1270は、前面121よりも後方側に位置している。
【0038】
本実施形態に係るシャッターケース2の各要素の取り付け順序について説明する。先ず、左右のブラケット5、6の後片55、65を躯体Wに当接させて螺子(図示せず)で固定する。次いで、左右のブラケット5、6の面部50、60間に、巻取シャフト3を取り付けると共に、駆動側のブラケット6の面部60に開閉機7を取り付ける。次いで、巻取シャフト3にシャッターカーテン4を取り付け、さらに、左右のガイドレール1を取り付ける。次いで、第1補強材8、第2補強材9、内まぐさ10(ガイドレール1を取り付け時に位置決めに用いる)、を左右のブラケット5、6間に取り付け、第1補強材8と第2補強材9間に上側のケースリブ11を取り付け、第2補強材9と内まぐさ10間に下側のケースリブ12を取り付け、そして、ケース上板20、ケース下板21を取り付ける。最後に、隣接するケース上板20、20の端部を覆うように上側ケースつなぎ板13が取り付けられ、隣接するケース下板21、21の端部を覆うように下側ケースつなぎ板14が取り付けられ、左右のブラケット5、6を覆うようにサイドカバー15が取り付けられる。
【0039】
図16を参照しつつ、第1補強材8の固定について説明する。
図10、
図11に示すように、左右のブラケット5、6の後片55、65の上方部位には、後片55、65の幅方向において面部50、60から遠い側の半部に位置して2本の螺子18が高さ方向に間隔を存して設けてある。螺子は、後片55、65の外面から設けてあり、後片55、65の内面から軸部180が突設(後方から前方に向かって)されている。
図12に示すように、第1補強材8の底辺80の長さ方向両端部には、螺子18に対応するように高さ方向に間隔を存して横長孔85が形成されている。
【0040】
第1補強材8は、ブラケット5の第1上片51の後端側に形成した長方形状の切り欠き部510と、ブラケット6の第1上片61の後端側に形成した長方形状の切り欠き部610と、の間の空間から、躯体Wに取り付けられた左右のブラケット5、6間に受け入れられ、底辺80の長さ方向両端部に形成された横長孔85に螺子18の軸部180を通すようにして仮固定する。この時、第1補強材8の長さ方向端部は、それぞれ、ブラケット5、6の第1上片51、61に形成した切り欠き部510、610に位置しており、上辺81の上面とブラケット5、6の第1上片51、61の上面とは同一高さレベルにある。左右のブラケット5、6の第1上片51、61の後端側に形成した切り欠き部510、610間の空間の開口幅方向の寸法(第1上片51、61の後端側の細幅部の縁5100、6100間の距離)は、第1補強材8を受け入れ可能な寸法に形成されている。また、切り欠き部510、610の縁5101、6101と、後片55、65との間の距離d1は、第1補強材8の端部が通過できるような寸法となっている。なお、第1補強材8の上辺81の上面と左右のブラケット5、6の第1上片51、61の上面とを一致させたものにおいて、ケース板の開口幅両端部が左右のブラケットまで延びるような場合に、ケース板が同一の面に載るので、ケース板の下に隙間が生じることがなく、ケース板の取付状態が良好である。
【0041】
第1補強材8を左右のブラケット5、6間に仮固定した状態において、第1補強材8の上側垂直辺83と下側垂直辺84との間に形成されている空間から差し入れた治具によって、軸部180にナット181を締めつけることで、左右のブラケット5、6間に固定される。なお、必ずしも、第1補強材8の前面の長さ方向全体に亘って空間(上側垂直辺83と下側垂直辺84の間の空間)が形成されている必要はなく、前面の長さ方向両端部においてのみ空間が形成されているものでもよい。
【0042】
図17を参照しつつ、第2補強材9の固定構造について説明する。第2補強材9は、ブラケット5の下片54の前端側に形成した切り欠き部540と、ブラケット6の下片64の後端側と、の間の空間から、躯体Wに取り付けられた左右のブラケット5、6間に受け入れられる。従動側のブラケット5の下片54の前端側に形成した切り欠き部540と、駆動側ブラケット6の下片64間の空間の開口幅寸法(面部50と下片64の縁との間の距離)は、第2補強材9を受け入れ可能な寸法に形成されている。また、切り欠き部540の縁5400と前片53との間の距離d2は、第2補強材9の端部が通過できるような寸法となっている。
【0043】
左右のブラケット5、6間に受け入れられた第2補強材9は、左右のブラケット5、6の前片53、63の上方寄りの部分に、第2補強材9の上側垂直辺93、下側垂直辺94の長さ方向両端部を当接させ、螺子95で止着することで、第2補強材9を左右のブラケット5、6間に固定する。
【0044】
図18を参照しつつ、内まぐさ10の固定構造について説明する。内まぐさ10は、ブラケット5の下片54の前端側に切り欠き形成した切り欠き部540と、ブラケット6の下片64の後端側と、の間の空間から、躯体Wに取り付けられた左右のブラケット5、6間に受け入れられる。従動側のブラケット5の下片54の前端側に形成した切り欠き部540と、駆動側ブラケット6の下片64間の空間の開口幅寸法(面部50と下片64の縁との間の距離)は、内まぐさ10を受け入れ可能な寸法に形成されている。また、切り欠き部540の縁5400と前片53との間の距離d2は、内まぐさ10の端部が通過できるような寸法となっている。
【0045】
図10、
図11に示すように、左右のブラケット5、6の面部50、60には、まぐさ取付部材16が固定されている。左右のブラケット5、6間に受け入れられた内まぐさ10は、内まぐさ10の角パイプ100の前面1003の長さ方向両端部を、まぐさ取付部材16の第2片(取付片)161に当接させ、内まぐさ10の角パイプ100の下面1001の長さ方向両端部を、ブラケット5、6の下片54、64に当接させ、それぞれ螺子1004、1005で固定する。
【0046】
図19を参照しつつ、上側のケースリブ11の上端側(後端側)の取付構造について説明する。ケースリブ11の後面119を躯体Wに当接ないし近接させた状態で、水平状の上縁1160を第1補強材8の下辺82に下方から当接させ、ケースリブ11の後端の垂直状の取付片118をリブ固定用プレート86に当接させ、螺子87で固定する。この時、リブ固定用プレート86の横幅寸法と、ケースリブ11の後端の垂直状の取付片118、118間の寸法は、同じ寸法w1を備えているので、ケースリブ11の位置合わせが容易である。第1補強材8の所定部位に予めリブ固定用プレート86を固定(溶接)して工場から出荷すれば、現場において上側ケースリブ11を位置決めすることなく第1補強材8に固定することができる。
【0047】
図20を参照しつつ、上側のケースリブ11の下端側(前端側)の取付構造について説明する。上側のケースリブ11の水平状の取付片117を、第2補強材9の上辺91に当接させ、螺子96で固定する。この時、ケースリブ11の側面の第3部分115及び水平状の取付片117の前縁は、第2補強材9の上側垂直辺93の後方側に位置しており、ケースリブ11の前片112は、第2補強材9の上側垂直辺93よりも前方側に位置している。ケースリブ11の前片112の前後方向の位置は、ブラケット5、6の前片53、63の位置と同じ位置にある。
【0048】
図20を参照しつつ、下側のケースリブ12の上端側(前端側)の取付構造について説明する。ケースリブ12の水平状の上端(第2部分123の第1上縁1230、部材127の上端)を、第2補強材9の下辺92に下方から当接させ、部材127の面部1270を、第2補強材9の下側垂直辺94に当接させ、螺子97で固定する。第2補強材9に対する下側のケースリブ12の上端の取付位置を、第2補強材9に固定された上側のケースリブ11の下端の取付位置に合わせることで、下側のケースリブ12を位置決めすることができる。
【0049】
図21を参照しつつ、下側のケースリブ12の下端側(後端側)の取付構造について説明する。ケースリブ12の後端の係止片1240を角パイプ100の上面1000に係止させ、ケースリブ12の垂直状の取付片125を、内まぐさ10の角パイプ100の前面1003に当接させて、螺子106で固定する。
【0050】
図22を参照しつつ、ケース上板20、ケース下板21の取付構造について説明する。躯体Wに左右のブラケット5、6を取り付け、ブラケット5、6間に第1補強材8、第2補強材9、内まぐさ10を螺子18、95、1004、1005で連結し、第1補強材8と第2補強材9間に開口幅方向に亘って間隔を存して複数の上側のケースリブ11を螺子87、96で連結し、第2補強材9と内まぐさ10間に開口幅方向に亘って間隔を存して複数の下側のケースリブ12を螺子97、106で連結して骨組が形成されている。この骨組に対して、ケース上板20、ケース下板21が取り付けられる。
【0051】
ケース上板20の第1上面200、第2上面201、前面202を、それぞれ、上側のケースリブ11の第1上面110、第上面111、前片112に当接させ、後端側の垂直片205を躯体Wに当接させて螺子206で固定する。
【0052】
ケース下板21は、前面211の上端側、下面210の後端側において、それぞれ螺子で固定される。固定の順序は、前面211の上端側を先に固定して、その後に下面210の後端側を固定しても、あるいは、その逆でもよい。
【0053】
ケース下板21の下面210を取り付ける場合には、ケース下板21の下面210、前面211を、それぞれ、下側のケースリブ12の下面120、前面121に下方から当接させ、下面210の後端側を内まぐさ10の下面に螺子214で固定する。内まぐさ10の板状部材には、水平辺101と垂直辺102の角部に位置して、断面視L形状で開口幅方向に延びる長尺状の取付部材107が設けてある(
図5参照)。取付部材107の垂直片1070が垂直辺102に当接しており、水平片1071は、水平片1071と水平辺101との間に下面210を挟み込むように下面210に当接している。下面210の後端側は、取付部材107の水平片1071を介して内まぐさ10の下面に螺子214で固定されている。
【0054】
ケース下板21は、下面210の後端側部位が固定された状態で、もしくは、下面210の後端側部位が自由な状態で、前面211の上端に形成された水平片212と垂直片213からなる下側連結片が、第2補強材9の底辺90、上辺91、下辺92から形成される凹部内に位置し、垂直片213が第2補強材9の底辺90に当接している。ケース上板20は、第1上面200の後端側部位が固定された状態で、前面202の下端に形成された水平片203と垂直片204からなる上側連結片が、第2補強材9の底辺90、上辺91、下辺92から形成される凹部内に位置し、垂直片204が底辺90に当接した垂直片213に対して当接しており、この状態で、ケース下板21の垂直片213が第2補強材9の底辺90とケース上板20の垂直片204との間に挟まれているため、ケース下板21の下方への回動が規制され、仮固定状態にある。そして、垂直片204、垂直片213、底辺90が重なった状態で、正面から螺子98で固定される(
図22参照)。このように、ケース下板21の上端側の垂直片213は、ケース上板20の下端側の垂直片204と第2補強材9の底辺90間に挟まれた状態で仮固定され、この仮固定状態で正面から螺子98を締めて固定すればよいので、作業性が良好である。螺子98の頭部は、凹部の奥まった位置にあるので、外部から螺子98の頭が見えにくく、意匠性が良い。