(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、錠剤の中には、カラテ錠やタップ錠と称される、分割して服用するための錠剤があり、これらは、錠剤面に分割用の深い割線と凸円弧状の稜線とを有する割線錠である。このような割線錠を搬送装置の搬送面で吸引する場合、割線の向きに応じて、搬送面に対する割線錠の吸着保持のされ方が異なることが分かってきた。
【0004】
そこで、本願発明者は、まず、割線錠の形状ならびに割線錠に作用する吸引力について分析を行った。
図9は、分割が容易な割線面形状を有する一般的な割線錠を示している。同図中、(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ割線錠Tの平面図、正面図、底面図、側面図であり、(d)は(b)のIXd矢視図に相当している。これらの図に示すように、割線錠Tは、概略円盤状の錠剤であって、緩やかな凸状円弧面からなる半球面状の上面Taと、円筒状の側面Tbと、底面(主面)Tcとを有しており、底面Tcには、径方向に延びる断面略V字状の溝である割線Tsが形成されている。また、底面Tcには、底面視円弧状に延びる稜線Tc
1が形成されており(同図(c)参照)、稜線Tc
1は、割線Tsの延設方向(割線方向)と直交する側面方向から見て凸円弧状に延びており(同図(d)参照)、この凸状円弧面は側面視で曲率半径Rを有している(同図(d)参照)。
【0005】
図10は、割線錠Tを、間隙Shを隔てて並設された2本のベルトコンベアBC
1、BC
2の間隙Shの上に配置した状態を示している。同図において、各ベルトコンベアBC
1、BC
2は、(a)、(c)の紙面垂直方向に延設されている。(b)は(a)のXb矢視図であり、(d)は(c)のXd矢視図である。また、(a)、(b)では、割線錠Tの割線Tsの長手方向が各ベルトコンベアBC
1、BC
2の間隙Shの方向と一致しており、(c)、(d)では、割線錠Tの割線Tsの長手方向が各ベルトコンベアBC
1、BC
2の間隙Shの方向と直交している。いずれの場合も、割線錠Tを各ベルトコンベアBC
1、BC
2の各搬送面上に吸着保持させるように間隙Shからエアが吸引されている。
【0006】
図10(a)に示すように、割線錠Tの割線Tsの長手方向が各ベルトコンベアBC
1、BC
2の間隙Shの方向と一致するように割線錠Tが配置されている場合、同図(b)に示すように、割線錠Tの底面Tcの稜線Tc
1における最突出部位Pのみが各ベルトコンベアBC
1、BC
2の各搬送面と接触しており、割線錠Tは、最突出部位Pを支点として矢印u方向に揺動して不安定な状態になる。
【0007】
これに対して、
図10(c)に示すように、割線錠Tの割線Tsの長手方向が各ベルトコンベアBC
1、BC
2の間隙Shの方向と直交するように割線錠Tが配置されている場合には、割線錠Tの最突出部位Pが各ベルトコンベアBC
1、BC
2の間隙Sh内に嵌り込むとともに、最突出部位Pの両側方の突出部位P
1、P
2が各ベルトコンベアBC
1、BC
2の各端部と接触しており、このとき、同図(d)に示すように、割線錠Tの底面Tcは、各ベルトコンベアBC
1、BC
2の各搬送面に対して各々2点で接触するため、安定する。したがって、同図(c)、(d)に示すような向きに割線錠Tを配置することができれば、割線錠Tを搬送面上で安定して支持することができ、安定した搬送を実現できる。
【0008】
その一方、錠剤の搬送中に錠剤に印刷を行う錠剤印刷装置においては、錠剤を搬送面上で安定して保持することは、鮮明な印刷を行うために重要なファクターである。
【0009】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、可食体の向きを揃えて整列させることができる整列装置を提供することにある。また、本発明は、可食体の向きを揃えて整列させることができるとともに整列した可食体を安定して搬送することができる整列・搬送装置を提供しようとしている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る整列装置は、主面に割線を有するとともに割線方向と直交する側面方向から見て凸円弧状に延びる稜線を主面に有する可食体の向きを揃えて整列させるための装置であって、可食体を搬送するための搬送路を備えるとともに、搬送路が長手方向に延びる凹状の搬送面を有しており、搬送面の凹状形状が、可食体の割線が搬送路の長手方向と直交する向きに配置されたときの可食体の主面形状に沿う形状を有している(請求項1参照)。
【0011】
本発明によれば、搬送路の搬送面の凹状形状が、可食体の割線が搬送路の長手方向と直交する向きに配置されたときの可食体の主面形状に沿う形状を有しているので、可食体が搬送路の凹状の搬送面に沿って長手方向に搬送されている間に、可食体の主面形状が搬送面の凹状形状に倣うように可食体が搬送路内で回転しつつ移動するとともに、可食体の主面形状が搬送面の凹状形状に一致したとき可食体の回転が止まり、可食体の割線が搬送路の長手方向と直交する向きになって可食体の向きが揃えられる。
【0012】
本発明では、搬送路の下流端が整列装置の最後端まで延設されておらず、整列装置の最後端には、搬送面上の可食体を整列装置から搬送装置に受け渡すために上下方向に貫通する開口が形成されている(請求項2参照)。
【0013】
本発明では、搬送路の幅寸法が上流側から下流側に向かうにしたがい徐々に小さくなっている(請求項3参照)。これにより、搬送路の上流側では、可食体の割線の向きを揃える際の可食体の回転がスムーズに行われるとともに、搬送路の下流側では、割線の向きが揃えられた可食体が搬送路の側面に沿って案内される。
【0014】
本発明では、搬送路の搬送面には、搬送中の可食体から生じる粉や欠片を搬送面上から取り除くための溝または貫通孔が形成されている(請求項4参照)。これにより、可食体の搬送路内での移動の妨げとなる粉や欠片を搬送面上から除去して、可食体の移動をスムーズに行える。
【0015】
本発明では、整列装置が振動フィーダを備えている(請求項5参照)。
【0016】
本発明に係る整列・搬送装置は、主面に割線を有するとともに割線方向と直交する側面方向から見て凸円弧状に延びる稜線を主面に有する可食体の整列・搬送装置であって、可食体の向きを揃えて整列させるための整列装置と、整列装置で整列した可食体を搬送するための搬送装置とを備えている。整列装置は、可食体を搬送するための搬送路を備え、搬送路が長手方向に延びる凹状の搬送面を有しており、搬送面の凹状形状が、可食体の割線が搬送路の長手方向と直交する向きに配置されたときの可食体の主面形状に沿う形状を有している。搬送装置は、整列装置の最後端と上下にオーバラップする最前端を有し、可食体を吸引保持しつつ搬送するための長手方向に延びる搬送部を有している(請求項6参照)。
【0017】
本発明によれば、整列装置の搬送路の搬送面の凹状形状が、可食体の割線が搬送路の長手方向と直交する向きに配置されたときの可食体の主面形状に沿う形状を有しているので、可食体が搬送路の凹状の搬送面に沿って長手方向に搬送されている間に、可食体の主面形状が搬送面の凹状形状に倣うように可食体が搬送路内で回転しつつ移動するとともに、可食体の主面形状が搬送面の凹状形状と一致したとき可食体の回転が止まり、可食体の割線が搬送路の長手方向と直交する向きになって可食体の向きが揃えられる。そして、整列装置で整列した可食体は、整列装置から搬送装置に受け渡されて、搬送装置の搬送部に吸引保持されて搬送される。このとき、可食体の割線は、整列装置の搬送路の長手方向と直交する向きに揃えられているので、搬送装置の搬送部の長手方向に対してもこれと直交する向きに揃えられている。これにより、可食体を搬送装置の搬送部上で揺動せずに安定して搬送することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、整列装置の搬送路の搬送面の凹状形状が、可食体の割線が搬送路の長手方向と直交する向きに配置されたときの可食体の主面形状に沿う形状を有するようにしたので、可食体が搬送路の凹状の搬送面に沿って長手方向に搬送されている間に、可食体の主面形状が搬送面の凹状形状に倣うように可食体が搬送路内で回転しつつ移動するとともに、可食体の主面形状が搬送面の凹状形状に一致したとき可食体の回転が止まり、可食体の割線が搬送路の長手方向と直交する向きになって可食体の向きを揃えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例について、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例による整列装置および搬送装置を含む錠剤処理装置を示している。同図に示すように、錠剤処理装置1は、多数の割線錠(たとえばカラテ錠やタップ錠)を貯留するホッパ2と、ホッパ2からフィーダ20を介して供給される多数の割線錠を複数列に振り分けるための振分け装置3と、振分け装置3により振り分けられた各割線錠のそれぞれの割線の向きを揃えるための整列装置4と、整列装置4により割線の向きが揃えられた割線錠を矢印方向に搬送する搬送装置5とを備えている。
【0021】
フィーダ20はバイブレータ20aを有している。振分け装置3および整列装置4は、フィーダ20および搬送装置5の間に配置されるとともに、フィーダ20側から搬送装置5の側に向かうにしたがって斜め下方に傾斜して配設されており、同様にバイブレータ(振動フィーダ)30を有している。振分け装置3および整列装置4は、搬送方向上流側のフィーダ20および搬送方向下流側の搬送装置5に対して別個に設けられており、それぞれ取付ネジ31、41によりフレーム6にネジ止め固定されるようになっている。振分け装置3および整列装置4は、取付ネジ31を緩めることにより、フィーダ20および搬送装置5から独立して交換可能になっている。整列装置4についても、振分け装置3とは別個の装置であり、振分け装置3から独立して交換可能になっている。搬送装置5は、たとえばタイミングベルトから構成されており、その上流端はタイミングプーリ50に巻き掛けられており、下流端は図示しないタイミングプーリに巻き掛けられている。
【0022】
振分け装置3は、
図2、
図3および
図5に示すように、長手方向の中央部から整列装置4側の端部(つまり図示矢印で示す搬送方向の中流側から下流側)にかけての領域に、長手方向に延びる複数本(ここでは7本)の搬送路32を有している。各搬送路32は、この例では、長手方向と直交する幅方向に均等間隔で設けられている。振分け装置3のフィーダ20側の端部(つまり搬送方向の上流側)の領域には、搬送路32が設けられておらず、当該領域は概ね平坦状に形成されている。フィーダ20(
図1)から供給された多数の割線錠Tは、振分け装置3の上を搬送方向の上流側から中流側をへて下流側に移動していく際に、いずれかの搬送路32に収容され、当該搬送路32に沿って下流側に搬送される。なお、
図2および
図3においては(後述する
図4においても同様)、図示および説明の便宜上、供給される多数の割線錠Tについて、割線Ts(
図9)が形成された側の主面Tc(同図)がすべて下向きに配置された状態のものを示している。
【0023】
各搬送路32は、
図5に示すように、振分け装置3の上面に形成された、長手方向(同図紙面垂直方向)に延びる凹状の溝であり、割線錠Tが載置されて搬送される搬送面32aは、各搬送路32の凹状の底面により構成されている。各搬送路32の幅W
1は、割線錠Tの直径Dよりもかなり大きくなっている(W
1>D)。各搬送路32は深さd
1を有しており、搬送面32aは曲率半径R
1の凹状円弧面または平坦面から構成されている。曲率半径R
1は、割線錠T(
図9)の主面Tcの稜線である外周周縁部Tc
1の曲率半径R(同図(d))と概略等しいかまたはこれよりも大きくなっている(R
1≧R)。また、各搬送路32において搬送面32aの中央の最深部には、搬送面32aに沿って長手方向に延びるポケット溝32sが形成されている。ポケット溝32sは、搬送中の割線錠Tから生じる粉や欠片を搬送面32a上から取り除いて一時的に貯留するためのものである。
【0024】
振分け装置3の幅方向の両側部には、
図2および
図3に示すように、取付ネジ31(
図1)が取り付けられる複数の貫通孔またはネジ孔31aが形成されている。
【0025】
整列装置4は、
図2、
図4、
図6および
図7に示すように、図示矢印で示す搬送方向に沿って長手方向に延びる複数本(ここでは7本)の搬送路42を有している。各搬送路42は、この例では、長手方向と直交する幅方向に均等間隔で設けられている。各搬送路42は、搬送方向上流端において、振分け装置3の搬送方向下流端の各搬送路32と整列している。整列装置4の搬送装置5側の端部は、搬送装置5の整列装置4側の端部の上にオーバラップして配置されている。振分け装置3から導入された各割線錠Tは、整列装置4の各搬送路42を通って上流側から下流側に搬送され、整列装置4から搬送装置5に受け渡されるようになっている。
【0026】
各搬送路42は、
図6および
図7に示すように、整列装置4の上面に形成された、長手方向に延びる凹状の溝であり、割線錠Tが載置されて搬送される搬送面42aは、各搬送路42の凹状の底面により構成されている。
【0027】
図6に示すように、整列装置4の長手方向の中央領域において搬送方向の中流側始端部においては、各搬送路42の幅W
2は、割線錠Tの直径Dよりも若干大きくかつ振分け装置3の各搬送路32の幅W
1よりも小さくなっている(W
1>W
2>D)。また、各搬送路42は深さd
2を有しており、これは振分け装置3の各搬送路32の深さd
1よりも大きくなっている(d
2>d
1)。
【0028】
図7および
図7A(a)に示すように、整列装置4の長手方向の中央領域において搬送方向の中流側終端部においては、各搬送路42の幅Wは、割線錠Tの直径Dと実質的に等しくなっている(W=D)。また、各搬送路42は深さdを有しており、これは搬送方向の中流側始端部における各搬送路42の深さd
2よりも大きくなっている(d>d
2)。よって、整列装置4の各搬送路42の幅は、搬送方向の上流端から下流端に向かうにしたがい徐々に小さくなっており、各搬送路42の深さは、搬送方向の上流端から下流端に向かうにしたがい徐々に深くなっている。
【0029】
各搬送面42aの凹状形状は、割線錠T(
図9)の割線Tsが搬送路42の長手方向(
図6および
図7の紙面垂直方向)と直交する向きに配置されたときの割線錠Tの主面Tc(
図9)の形状に沿う形状、より詳細には、割線錠Tの主面Tcの稜線Tc
1の形状に沿う形状を有している。
図9に示すように、割線錠Tの稜線Tc
1は、割線Tsから離れるにしたがって凸円弧状に湾曲しつつ延びる曲率半径Rの凸状円弧面を有している(同図(d)参照)。各搬送面42aは、割線錠Tの稜線Tc
1の凸状円弧面に沿う凹状円弧面から構成されている。なお、各搬送面42aの横断面における凹状円弧面の曲率半径R
2を、割線錠Tの稜線Tc
1の凸状円弧面の曲率半径Rと実質的に等しくしてもよい(
図6、
図7、
図7A(b)参照)。
【0030】
なお、整列装置4の振分け装置3側の端部(つまり搬送方向の上流側端)においては、各搬送路42の幅および深さ(図示せず)ならびに搬送面42aの曲率半径は、振分け装置3の各搬送路32の幅W
1および深さd
1ならびに曲率半径R
1とそれぞれ実質的に等しくなっている。
【0031】
また、各搬送路42において搬送面42aの中央の最深部には、搬送面42aに沿って長手方向に延びるポケット溝42sが形成されている。ポケット溝42sは、搬送中の割線錠Tから生じる粉や欠片を搬送面42a上から取り除いて一時的に貯留するためのものである。
【0032】
図2、
図4および
図8に示すように、各搬送路42の下流端は整列装置4の最後端まで延設されておらず、整列装置4の最後端において各搬送路42の延長方向には、上下方向の貫通孔である開口45が形成されている。これらの開口45は、搬送面42a上の割線錠Tを整列装置4から搬送装置5に受け渡すためのものである。
図8および
図8A(a)に示すように、各開口45の幅Wは、搬送方向の中流側終端部における各搬送路42の幅W(したがって割線錠Tの直径D)と実質的に等しくなっている。
【0033】
搬送装置5は、
図2、
図4、
図8および
図8A(b)に示すように、互いに並設された複数本(ここでは8本)のタイミングベルト(搬送部)52から構成されており、隣り合う各タイミングベルト52の間には間隙eが形成されている。各間隙eは、整列装置4の最後端における各開口45の幅方向中央位置にそれぞれ配置されている。また、各間隙eはたとえばバキュームポンプ(図示せず)に接続されており、各間隙eからエアが吸引されることで、割線錠Tが対応する間隙eに吸着保持されるようになっている(
図8A(b)参照)。
【0034】
整列装置4の幅方向の両側部には、取付ネジ41(
図1)が取り付けられる複数の貫通孔またはネジ孔41aが形成されている。
【0035】
次に、本実施例の作用効果について説明する。
ホッパ2からフィーダ20を介して供給された多数の割線錠Tは、振分け装置3に導入されて複数列に振り分けられ、各搬送路32に通って下流側に搬送される(
図2、
図3参照)。そして、各割線錠Tは、振分け装置3から整列装置4の各搬送路42に導入される(
図2、
図4参照)。
【0036】
整列装置4においては、各搬送路42の搬送面42aの凹状形状が、割線錠Tの割線Tsが搬送路42の長手方向と直交する向きに配置されたときの割線錠Tの主面Tcの形状に沿う形状を有している、より詳細には、搬送面42aが割線錠Tの主面Tcの凸円弧状の稜線Tc
1に沿う凹状円弧面を有している。これにより、割線錠Tが搬送路42の凹状の搬送面42aに沿って長手方向に搬送されている間に、割線錠Tの主面形状が搬送面42aの凹状形状に倣うように(または割線錠Tの主面Tcの稜線Tc
1が搬送面42aの凹状円弧面に倣うように)、割線錠Tが搬送路42内で回転しつつ移動するとともに、割線錠Tの主面形状が搬送面42aの凹状形状に一致したとき割線錠Tの回転が止まり、割線錠Tの割線Tsが搬送路42の長手方向と直交する向きになって割線錠Tの向きが揃えられる。
このようにして、割線錠Tの向きを揃えて整列させることができる。
【0037】
また、搬送面42aの横断面形状の曲率半径R
2が、割線錠Tの主面Tcの稜線Tc
1の凸状円弧面の曲率半径Rと実質的に等しくなっている場合においても(
図6、
図7、
図7A(b)参照)、割線錠Tが搬送面42aに沿って長手方向に搬送されている間に、割線錠Tの主面Tcの稜線Tc
1の凸状円弧面が搬送面42aの横断面形状に倣うように割線錠Tが搬送路42a内で回転しつつ移動するとともに、割線錠Tの稜線Tc
1の曲率半径Rが搬送面42aの曲率半径R
2に一致したとき割線錠Tの回転が止まり、割線錠Tの割線Tsが搬送路42の長手方向と直交する向きになって割線錠Tの向きが揃えられる。
【0038】
整列装置4で整列した各割線錠Tは、整列装置4の最後端まで移動すると、各開口45を通って下方の搬送装置5の上に移動し、対応する2本のタイミングベルト52の間の間隙eで吸引保持されて下流側に搬送される。
【0039】
このとき、割線錠Tの割線Tsが整列装置4の各搬送路42の長手方向と直交する向きに揃えられていたことで、割線錠Tの割線Tsは各タイミングベルト52の長手方向に対してもこれと直交する向きに揃えられている。これにより、割線錠Tを搬送装置5の各タイミングベルト間の間隙eで揺動することなく安定して搬送することができる(
図10(c)、(d)参照)。
【0040】
なお、本実施例では、整列装置4の各搬送路42の上流側の幅寸法は、下流側の幅寸法よりも大きくなっており、割線錠Tの直径Dよりも大きいので、搬送路42の上流側では、割線錠Tの割線Tsの向きを揃える際の割線錠Tの回転が搬送路42の側壁面と干渉することなくスムーズに行われ、その結果、割線錠Tの割線Tsの向きがスムーズに揃えられる。その一方、搬送路42の下流側の幅寸法は、割線錠Tの直径Dと実質的に等しくなっており、そのため、搬送路42の上流側で割線Tsの向きが揃えられた割線錠Tは、下流側ではその側面Tb(
図9)が搬送路42の側壁面で支持された状態で割線Tsの向きを維持する。
【0041】
また、本実施例では、搬送路42の深さが上流側から下流側に向かうにしたがい徐々に深くなっており、搬送路42が搬送方向下流側に向かって下方に傾斜しているので、割線錠Tの上流側から下流側への移動がスムーズに行われる。
【0042】
さらに、本実施例は、整列装置4が、その上流側に配置される振分け装置3およびフィーダ20、ならびに下流側に配置される搬送装置5に対して別個に設けられており、振分け装置3、フィーダ20および搬送装置5から独立して交換可能になっているので、割線錠Tの大きさや形状が異なった場合には、整列装置4のみを交換することで容易に対応できるようになる。
【0043】
以上、本発明に好適な実施例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明には種々の変形例が含まれる。以下に変形例のいくつかの例を挙げておく。
【0044】
<第1の変形例>
前記実施例では、整列装置4の搬送路42が複数本設けられた例を示したが、搬送路42は1本であってもよい。この場合には、振分け装置3が不要になる。
【0045】
<第2の変形例>
前記実施例では、整列装置4とは別個に振分け装置3が設けられた例を示したが、整列装置4を振分け装置3と一体に設けるようにしてもよい。
【0046】
<第3の変形例>
前記実施例では、整列装置4において各搬送路42の搬送面42aに沿ってポケット溝42sを形成することにより、搬送中の割線錠Tから生じる粉や欠片を搬送面42a上から取り除くようにした例を示したが、ポケット溝42sの代わりに上下方向の貫通溝(スリット)や長孔状の貫通孔等を設けるようにしてもよい。
【0047】
<第4の変形例>
前記実施例では、本発明が適用される可食体として、カラテ錠やタップ錠等の割線錠を例にとって説明したが、本発明は、分割用の割線を有するその他の可食体にも同様に適用可能である。また、割線や稜線の形状および主面の凹凸形状は、前記実施例に示すものには限定されず、種々のものが考えられる。さらには、双方の主面に割線が形成されたものでもよい。
【0048】
<その他の変形例>
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。