【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、式I
【化4】
[式中、R
1は、同一または異なって、C
1〜C
10−アルコキシ基、好ましくはメトキシもしくはエトキシ基、C
2〜C
10−環状ジアルコキシ基、フェノキシ基、C
4〜C
10−シクロアルコキシ基、C
6〜C
20−アリール基、好ましくはフェニル、C
1〜C
10−アルキル基、好ましくはメチルもしくはエチル、C
2〜C
20−アルケニル基、C
7〜C
20−アラルキル基もしくはハロゲン、好ましくはClであり、かつRは、同一または異なって、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、脂肪族の、芳香族の、もしくは脂肪族/芳香族の混合型の二価のC
1〜C
30−炭化水素基、好ましくはC
1〜C
20−炭化水素基、より好ましくはC
1〜C
10−炭化水素基、更により好ましくはC
1〜C
7−炭化水素基、特に好ましくはC
2およびC
3−炭化水素基であって、場合によりF−、Cl−、Br−、I−、−CNもしくはHS−によって置換された基である]の尿素含有シランを提供する。
【0011】
尿素含有シランは、式Iの複数の尿素含有シランの混合物であってよい。
【0012】
プロセス生成物は、式Iの尿素含有シランのアルコキシシラン官能基の加水分解と縮合により形成するオリゴマーを含んでよい。
【0013】
式Iの尿素含有シランは、担体に、例えばワックス、ポリマーまたはカーボンブラックに適用されてよい。式Iの尿素含有シランは、シリカに適用されてよく、その場合に、結合は物理結合または化学結合であってよい。
【0014】
Rは、好ましくは、−CH
2−、−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH(CH
3)−、−CH
2CH(CH
3)−、−CH(CH
3)CH
2−、−C(CH
3)
2−、−CH(C
2H
5)−、−CH
2CH
2CH(CH
3)−、−CH(CH
3)CH
2CH
2−、−CH
2CH(CH
3)CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2−、または
【化5】
であってよい。
【0015】
R
1は、好ましくは、メトキシまたはエトキシであってよい。
【0016】
式Iの尿素含有シランは、好ましくは、
((EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2)
2S、
((EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2)
2S、
((EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2)
2S、
((EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2)
2S、
((EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2)
2S、
((EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2)
2S、
((EtO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2)
2S、
((EtO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2)
2S、
((EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2)
2S、
((MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2)
2S、
((MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2)
2S、
((MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2)
2S、
((MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2)
2S、
((MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2)
2S、
((MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2)
2S、
((MeO)
3Si−CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2)
2S、
((MeO)
3Si−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2)
2、または
((MeO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2)
2S、
であってよい。
【0017】
特に好ましい化合物は、式
(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−S−CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2CH
2−Si(OEt)
3
の化合物である。
【0018】
本発明は、更に、式I
【化6】
[式中、R
1およびRは、それぞれ前記定義の通りである]の本発明による尿素含有シランの第一の製造方法であって、第一のステップにおいて、式II
【化7】
のアミノシランを、式III
【化8】
[式中、RおよびR
1は、それぞれ前記定義の通りであり、かつHalは、F、Cl、BrもしくはI、好ましくはClである]のイソシアネートと反応させ、そして第二のステップにおいて、前記第一のプロセスステップからの生成物を、式(IV)
Na
2S (IV)
のナトリウムスルフィドと反応させることを特徴とする製造方法を提供する。
【0019】
式IIの化合物は、好ましくは、
(C
2H
5O)
3Si−CH
2−NH
2、
(C
2H
5O)
3Si−CH
2CH
2−NH
2、
(C
2H
5O)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH
2、
(CH
3O)
3Si−CH
2−NH
2、
(CH
3O)
3Si−CH
2CH
2−NH
2、または
(CH
3O)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH
2
であってよい。
【0020】
式IIIの化合物は、好ましくは、
OCN−CH
2−Cl、
OCN−CH
2CH
2−Cl、または
OCN−CH
2CH
2CH
2−Cl
であってよい。
【0021】
本発明による第一の方法においては、前記第一のプロセスステップと第二のプロセスステップは、1つの反応容器中で全ての反応物を添加することによって行うことができる。
【0022】
本発明による第一の方法の第一のステップにおいては、式IIのアミノシランは、式IIIのイソシアネート中に計量供給してよい。
【0023】
本発明による第一の方法の第一のステップにおいては、式IIIのイソシアネートは、好ましくは、式IIのアミノシラン中に計量供給してよい。
【0024】
本発明による第一の方法の第一のステップにおいては、式IIのアミノシランは、式IIIのイソシアネートに対して、0.85:1〜1.15:1のモル比で、好ましくは0.90:1〜1.10:1のモル比で、より好ましくは0.95:1〜1.05:1のモル比で使用することができる。
【0025】
本発明による第一の方法の第一のステップにおける反応は、空気を排除して行うことができる。
【0026】
本発明による第一の方法の第一のステップにおける反応は、保護ガス雰囲気下で、例えばアルゴンまたは窒素下で、好ましくは窒素下で行うことができる。
【0027】
本発明による第一の方法の第一のステップは、標準圧力、高められた圧力または低減された圧力で行うことができる。好ましくは、本発明による方法は、標準圧力で行うことができる。
【0028】
高められた圧力は、1.1バール〜100バールの、好ましくは1.5バール〜50バールの、より好ましくは2バール〜20バールの、非常に好ましくは2〜10バールの圧力であってよい。
【0029】
低減された圧力は、1ミリバール〜1000ミリバールの、好ましくは1ミリバール〜500ミリバールの、より好ましくは1ミリバール〜250ミリバールの、非常に好ましくは5ミリバール〜100ミリバールの圧力であってよい。
【0030】
本発明による第一の方法の第一のステップは、−78℃〜100℃で、好ましくは−70℃〜50℃で、より好ましくは−65℃〜25℃で行うことができる。
【0031】
本発明による第一の方法の第一のステップにおける反応は、溶剤を用いずに、または溶剤中で、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピリジンまたは酢酸エチル中で行うことができる。前記溶剤は、好ましくは、ジクロロメタン、エタノール、メチルt−ブチルエーテル、トルエン、酢酸エチル、ペンタンまたはヘキサンであってよい。
【0032】
本発明による第一の方法の第一のステップにおける反応は、有機溶剤を用いずに行うことができる。前記溶剤は水であってよい。
【0033】
本発明による第一の方法の第一のステップにおける溶剤は、引き続き除去することができ、好ましくは留去することができる。
【0034】
本発明による第一の方法の第一のステップにおける反応生成物は、引き続き濾過して、有機溶剤で洗浄することができる。好ましくは、洗浄のためには、アルカン、より好ましくはヘキサンが使用できる。
【0035】
本発明による第一の方法の第一のステップにおける反応生成物は、濾過の後に乾燥させることができる。前記乾燥は、20℃〜100℃の、好ましくは25℃〜50℃の温度で行うことができる。前記乾燥は、1〜500ミリバールの低減された圧力で行うことができる。
【0036】
本発明による第一の方法の第一のステップにおいて得られる式V
【化9】
の尿素含有ハロシランは、50%を上回る、好ましくは60%を上回る、非常に好ましくは70%を上回る収率で得ることができる。
【0037】
本発明による第一の方法の第二のステップにおける反応は、空気を排除して行うことができる。
【0038】
本発明による第一の方法の第二のステップにおける反応は、保護ガス雰囲気下で、例えばアルゴンまたは窒素下で、好ましくは窒素下で行うことができる。
【0039】
本発明による第一の方法の第二のステップは、標準圧力、高められた圧力または低減された圧力で行うことができる。好ましくは、本発明による方法は、標準圧力で行うことができる。
【0040】
高められた圧力は、1.1バール〜100バールの、好ましくは1.5バール〜50バールの、より好ましくは2バール〜20バールの、非常に好ましくは2〜10バールの圧力であってよい。
【0041】
低減された圧力は、1ミリバール〜1000ミリバールの、好ましくは1ミリバール〜500ミリバールの、より好ましくは1ミリバール〜250ミリバールの、非常に好ましくは5ミリバール〜100ミリバールの圧力であってよい。
【0042】
本発明による第一の方法の第二のステップは、20℃〜150℃で、好ましくは40℃〜100℃で、より好ましくは45℃〜80℃で行うことができる。
【0043】
本発明による第一の方法の第二のステップにおける反応は、溶剤を用いずに、または溶剤中で、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピリジンまたは酢酸エチル中で行うことができる。前記溶剤は、好ましくはエタノールであってよい。
【0044】
本発明による第一の方法の第二のステップにおける反応は、有機溶剤を用いずに行うことができる。前記溶剤は水であってよい。
【0045】
本発明による第一の方法の第二のステップにおける反応生成物は、濾過して、その濾過ケークを、有機溶剤で洗浄することができる。好ましくは、洗浄のためには、アルコール、より好ましくはエタノールまたはアルカン、より好ましくはヘキサンが使用できる。
【0046】
本発明による第一の方法の第二のステップにおける溶剤は、引き続き除去することができ、好ましくは留去することができる。
【0047】
本発明による第一の方法の第二のステップにおける反応生成物は、濾過と溶剤の除去の後に乾燥させることができる。前記乾燥は、20℃〜100℃の、好ましくは25℃〜50℃の温度で行うことができる。前記乾燥は、1〜500ミリバールの低減された圧力で行うことができる。
【0048】
本発明による第一の方法の第二のステップにおいて得られる式I
【化10】
の尿素含有シランは、50%を上回る、好ましくは60%を上回る、非常に好ましくは70%を上回る収率で得ることができる。
【0049】
本発明による第一の方法により製造される生成物は、25モル%未満の、好ましくは10モル%未満の、より好ましくは5モル%未満の、非常に好ましくは3モル%未満の式Vの尿素含有ハロシランの残留含量を有してよい。
【0050】
本発明による第一の方法により製造される生成物中の、式Vの尿素含有ハロシランの相対モル百分率は、
1H NMRにおいて、式Iの尿素含有シランのSi−C
H2−基における水素原子に対する、式Vの尿素含有ハロシランの−CH
2C
H2−Cl基中の水素原子の積分によって測定される。
【0051】
例えば式Vの物質(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Clのためには、前記相対含量の測定のために、−CH
2C
H2−Cl基の水素原子(δ=3.17ppm)の積分が使用される。
【0052】
本発明による第一の方法により製造される生成物は、10モル%未満の、好ましくは5モル%未満の、より好ましくは1モル%未満の、非常に好ましくは0.1モル%未満の式IIのアミノシランの残留含量を有してよい。
【0053】
本発明による第一の方法により製造される生成物中の、式IIのアミノシランの相対モル百分率は、
13C NMRにおいて、式Iの尿素含有シランのSi−
CH
2−基における炭素原子に対する、式IIのアミノシランの−
CH
2−NH
2基中の炭素原子の積分によって測定される。
【0054】
例えば式IIの物質(EtO)
3Si−CH
2−CH
2−CH
2−NH
2のためには、前記相対含量の測定のために、−
CH
2−NH
2基の炭素原子(δ=45.15ppm)の積分が使用される。
【0055】
本発明による第一の方法により製造される生成物は、25モル%未満の、好ましくは10モル%未満の、より好ましくは5モル%未満の、非常に好ましくは3モル%未満の式IIIのイソシアネートの残留含量を有してよい。
【0056】
本発明による第一の方法により製造される生成物中の、式IIIのイソシアネートの相対モル百分率は、
13C NMRにおいて、式Iの尿素含有シランのSi−
CH
2−基における炭素原子に対する、式IIIのイソシアネートのO
CN−CH
2−基中の炭素原子の積分によって測定される。
【0057】
例えば式IIIの物質OCN−CH
2−CH
2−Clのためには、前記相対含量の測定のために、O
CN−CH
2−基の炭素原子(δ=124.33ppm)の積分が使用される。
【0058】
本発明は、更に、式I
【化11】
[式中、R
1およびRは、それぞれ前記定義の通りである]の本発明による尿素含有シランの第二の製造方法であって、第一のステップにおいて、式VI
【化12】
のイソシアナトシランを、式VII
【化13】
[式中、RおよびR
1は、それぞれ前記定義の通りであり、かつHalは、F、Cl、BrもしくはI、好ましくはClである]のアミンと反応させ、そして第二のステップにおいて、前記第一のプロセスステップからの生成物を、式IV
Na
2S (IV)
のナトリウムスルフィドと反応させることを特徴とする製造方法を提供する。
【0059】
式VIの化合物は、好ましくは、
(C
2H
5O)
3Si−CH
2−NCO、
(C
2H
5O)
3Si−CH
2CH
2−NCO、
(C
2H
5O)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NCO、
(CH
3O)
3Si−CH
2−NCO、
(CH
3O)
3Si−CH
2CH
2−NCO、または
(CH
3O)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NCO
であってよい。
【0060】
式VIIの化合物は、好ましくは、
H
2N−CH
2−Cl、
H
2N−CH
2CH
2−Cl、または
H
2N−CH
2CH
2CH
2−Cl
であってよい。
【0061】
本発明による第二の方法においては、前記第一のプロセスステップと第二のプロセスステップは、1つの反応容器中で全ての反応物を添加することによって行うことができる。
【0062】
本発明による第二の方法の第一のステップにおいては、式VIIのアミンは、式VIのイソシアナトシラン中に計量供給してよい。
【0063】
本発明による第二の方法の第一のステップにおいては、式VIのイソシアナトシランは、好ましくは、式VIIのアミン中に計量供給してよい。
【0064】
本発明による第二の方法の第一のステップにおいては、式VIのイソシアナトシランは、式VIIのアミンに対して、0.85:1〜1.15:1のモル比で、好ましくは0.90:1〜1.10:1のモル比で、より好ましくは0.95:1〜1.05:1のモル比で使用することができる。
【0065】
本発明による第二の方法の第一のステップにおける反応は、空気を排除して行うことができる。
【0066】
本発明による第二の方法の第一のステップにおける反応は、保護ガス雰囲気下で、例えばアルゴンまたは窒素下で、好ましくは窒素下で行うことができる。
【0067】
本発明による第二の方法の第一のステップは、標準圧力、高められた圧力または低減された圧力で行うことができる。好ましくは、本発明による方法は、標準圧力で行うことができる。
【0068】
高められた圧力は、1.1バール〜100バールの、好ましくは1.5バール〜50バールの、より好ましくは2バール〜20バールの、非常に好ましくは2〜10バールの圧力であってよい。
【0069】
低減された圧力は、1ミリバール〜1000ミリバールの、好ましくは1ミリバール〜500ミリバールの、より好ましくは1ミリバール〜250ミリバールの、非常に好ましくは5ミリバール〜100ミリバールの圧力であってよい。
【0070】
本発明による第二の方法の第一のステップは、−78℃〜100℃で、好ましくは−75℃〜60℃で、より好ましくは−70℃〜40℃で行うことができる。
【0071】
第一のステップにおける反応は、溶剤を用いずに、または溶剤中で、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピリジンまたは酢酸エチル中で行うことができる。
【0072】
本発明による第二の方法の第一のステップにおける反応は、有機溶剤を用いずに行うことができる。前記溶剤は、好ましくは水であってよい。
【0073】
本発明による第二の方法の第一のステップにおける溶剤は、引き続き除去することができ、好ましくは留去することができる。
【0074】
本発明による第二の方法の第一のステップにおける反応生成物は、引き続き濾過して、有機溶剤で洗浄することができる。好ましくは、洗浄のためには、アルカン、より好ましくはヘキサンが使用できる。
【0075】
本発明による第二の方法の第一のステップにおける反応生成物は、濾過の後に乾燥させることができる。前記乾燥は、20℃〜100℃の、好ましくは25℃〜50℃の温度で行うことができる。前記乾燥は、1〜500ミリバールの低減された圧力で行うことができる。
【0076】
本発明による第二の方法の第一のステップにおいて得られる式V
【化14】
の尿素含有ハロシランは、50%を上回る、好ましくは60%を上回る、非常に好ましくは70%を上回る収率で得ることができる。
【0077】
本発明による第二の方法の第二のステップにおける反応は、空気を排除して行うことができる。
【0078】
本発明による第二の方法の第二のステップにおける反応は、保護ガス雰囲気下で、例えばアルゴンまたは窒素下で、好ましくは窒素下で行うことができる。
【0079】
本発明による第二の方法の第二のステップは、標準圧力、高められた圧力または低減された圧力で行うことができる。好ましくは、本発明による方法は、標準圧力で行うことができる。
【0080】
高められた圧力は、1.1バール〜100バールの、好ましくは1.5バール〜50バールの、より好ましくは2バール〜20バールの、非常に好ましくは2〜10バールの圧力であってよい。
【0081】
低減された圧力は、1ミリバール〜1000ミリバールの、好ましくは1ミリバール〜500ミリバールの、より好ましくは1ミリバール〜250ミリバールの、非常に好ましくは5ミリバール〜100ミリバールの圧力であってよい。
【0082】
本発明による第二の方法の第二のステップは、20℃〜150℃で、好ましくは40℃〜100℃で、より好ましくは45℃〜80℃で行うことができる。
【0083】
本発明による第二の方法の第二のステップにおける反応は、溶剤を用いずに、または溶剤中で、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ピリジンまたは酢酸エチル中で行うことができる。前記溶剤は、好ましくはエタノールであってよい。
【0084】
本発明による第二の方法の第二のステップにおける反応は、有機溶剤を用いずに行うことができる。前記溶剤は水であってよい。
【0085】
本発明による第二の方法の第二のステップにおける反応生成物は、濾過して、その濾過ケークを、有機溶剤で洗浄することができる。好ましくは、洗浄のためには、アルコール、より好ましくはエタノールまたはアルカン、より好ましくはヘキサンが使用できる。
【0086】
本発明による第二の方法の第二のステップにおける溶剤は、引き続き除去することができ、好ましくは留去することができる。
【0087】
本発明による第二の方法の第二のステップにおける反応生成物は、濾過と溶剤の除去の後に乾燥させることができる。前記乾燥は、20℃〜100℃の、好ましくは25℃〜50℃の温度で行うことができる。前記乾燥は、1〜500ミリバールの低減された圧力で行うことができる。
【0088】
本発明による第二の方法により第二のステップにおいて得られる式I
【化15】
の尿素含有シランは、50%を上回る、好ましくは60%を上回る、非常に好ましくは70%を上回る収率で得ることができる。
【0089】
本発明による第二の方法により製造される生成物は、25モル%未満の、好ましくは10モル%未満の、より好ましくは5モル%未満の、非常に好ましくは3モル%未満の式Vの尿素含有ハロシランの残留含量を有してよい。
【0090】
本発明による第二の方法により製造される生成物中の、式Vの尿素含有ハロシランの相対モル百分率は、
1H NMRにおいて、式Iの尿素含有シランのSi−C
H2−基における水素原子に対する、式Vの尿素含有ハロシランの−CH
2C
H2−Cl基中の水素原子の積分によって測定される。
【0091】
例えば式Vの物質(EtO)
3Si−CH
2CH
2CH
2−NH−CO−NH−CH
2CH
2−Clのためには、前記相対含量の測定のために、−CH
2C
H2−Cl基の水素原子(δ=3.17ppm)の積分が使用される。
【0092】
本発明による第二の方法により製造される生成物は、10モル%未満の、好ましくは5モル%未満の、より好ましくは1モル%未満の、非常に好ましくは0.1モル%未満の式VIのイソシアナトシランの残留含量を有してよい。
【0093】
本発明による第二の方法により製造される生成物中の、式VIのイソシアナトシランの1モル%を上回る範囲内の相対モル百分率は、
13C NMRにおいて、式Iの尿素含有シランのSi−
CH
2−基における炭素原子に対する、式VIのイソシアナトシランの−N
CO基中の炭素原子の積分によって測定される。
【0094】
例えば式VIの物質(EtO)
3Si−CH
2−CH
2−CH
2−NCOのためには、前記1モル%を上回る範囲内の相対含量の測定のために、−N
CO基の炭素原子(δ=122.22ppm)の積分が使用される。
【0095】
本発明による第二の方法により製造される生成物中の、式VIのイソシアナトシランの1モル%を下回る範囲内の相対モル百分率は、当業者に公知の定量的FT−IR分光分析法によって測定される。該方法は、好適な濃度の較正溶液(例えばC
2Cl
4中)を使用することによって較正される。その測定のために、約1gのサンプルを25mlの丸口ボトル中に量り入れ、そして25gのC
2Cl
4を添加する。前記サンプルを、撹拌機上で1〜2時間にわたり撹拌する。その後に、下方の液相を20mmのIRキュベット中に慎重に量り入れ、FT−IR分光分析法(4000〜1200cm
-1、分解能2cm
-1)によって分析する。同じ条件下で、前記溶剤のスペクトルを減算のために記録する。
【0096】
例えば式VIの物質(EtO)
3Si−CH
2−CH
2−CH
2−NCOのためには、前記1モル%を下回る範囲内の相対含量の測定のために、2270cm
-1での−NCO基の原子価振動の波長が使用される。
【0097】
本発明による第二の方法により製造される生成物は、25モル%未満の、好ましくは10モル%未満の、より好ましくは5モル%未満の、非常に好ましくは3モル%未満の式VIIのアミンの残留含量を有してよい。
【0098】
本発明による第二の方法により製造される生成物中の、式VIIのアミンの相対モル百分率は、
13C NMRにおいて、式Iの尿素含有シランのSi−
CH
2−基における炭素原子に対する、式VIIのアミンの−
CH
2−NH
2基中の炭素原子の積分によって測定される。
【0099】
例えば式VIIの物質H
2N−CH
2−CH
2−Clのためには、前記相対含量の測定のために、H
2N−
CH
2−CH
2−Cl基の炭素原子(δ=39.47ppm)またはH
2N−CH
2−
CH
2−Cl基の炭素原子(δ=37.95ppm)の積分が使用される。
【0100】
式VIIのアミンは、式VIのイソシアナトシランとの反応の前に、式VIII
【化16】
のアミンの塩酸塩から、塩基、好ましくはNaOEtの添加によって製造できる。前記塩基は、pH7〜14に至るまで添加することができる。
【0101】
好ましい一実施形態においては、式I
【化17】
[式中、RおよびR
1は、それぞれ前記定義の通りである]の尿素含有シランの第二の製造方法は、式VIII
【化18】
のアミンの塩酸塩を、エタノール中に溶解させ、そして塩基と反応させ、次いで、式VI
【化19】
のイソシアナトシランを添加し、次いで式IV
Na
2S (IV)
のナトリウムスルフィドを添加し、該混合物を濾過し、そして溶剤を除去する、好ましくは留去することを特徴としうる。
【0102】
本発明による第二の方法により製造される生成物は、25モル%未満の、好ましくは10モル%未満の、より好ましくは5モル%未満の、非常に好ましくは3モル%未満の式VIIIのアミンの塩酸塩の残留含量を有してよい。
【0103】
本発明による第二の方法により製造される生成物中の、式VIIIのアミンの塩酸塩の相対モル百分率は、
13C NMRにおいて、式Iの化合物のSi−
CH
2−基における炭素原子に対する、式VIIIのアミンの塩酸塩の−
CH
2−NH
2・HCl基中の炭素原子の積分によって測定される。
【0104】
例えば式VIIIの物質HCl・H
2N−CH
2−CH
2−Clのためには、前記相対含量の測定のために、HCl・H
2N−
CH
2−CH
2−Cl基の炭素原子(δ=41.25ppm)またはHCl・H
2N−CH
2−
CH
2−Cl基の炭素原子(δ=40.79ppm)の積分が使用される。
【0105】
本発明による方法によって製造される式Iの尿素含有シランは、当業者に公知の
1H NMR法、
13C NMR法または
29Si NMR法によって特性決定することができる。
【0106】
本発明による方法によって得られる生成物中の式Iの尿素含有シランの、DMSO−d
6中またはCDCl
3中での可溶性成分は、内部標準、例えばトリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)をDMSO−d
6中またはCDCl
3中に添加して、当業者に公知の
1H NMR法によって測定される。
【0107】
式Iの尿素含有シランは、無機材料、例えばガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス表面、ガラス繊維もしくは酸化物充填剤、好ましくはシリカ、例えば沈降シリカおよびフュームドシリカと、有機ポリマー、例えば熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマーもしくはエラストマーとの間の接着促進剤として、または架橋剤として、および酸化物表面用の表面改質剤として使用できる。
【0108】
式Iの尿素含有シランは、充填剤が加えられたゴム混合物中でカップリング試薬として使用してよく、例は、タイヤトレッド、工業用ゴム製品または履物のソールである。
【0109】
式Iの本発明による尿素含有シランの利点は、ゴム混合物における、改善された加工特性と、ウェットスキッド性能と、動粘度である。