(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】原子炉圧力容器上面にプラットホームを設置した状態を示す説明図である。
【
図2】予めアクチュエータを取り付けた天秤をプラットホームに設置した概要構造を説明する図である。
【
図3】プラットホームの概要構造を説明する図である。
【
図4】プラットホームの概要構造を説明する図である。
【
図6】原子炉圧力容器上面にプラットホームを設置した後にアクチュエータを取り付ける例を説明する図である。
【
図7】ガイドパイプの概要構造を説明する図である。
【
図8】ガイドパイプの概要構造を説明する図である。
【
図9】ガイドパイプを通じてアクチュエータを天秤に取り付ける概要を説明する図である。
【
図10】ガイドパイプを通じてアクチュエータを天秤に取り付ける概要を説明する図である。
【
図11】袋水遮蔽を用いたガイドパイプを通じてアクチュエータを天秤に取り付ける概要を説明する図である。
【
図13】袋水遮蔽を用いたガイドパイプを通じてアクチュエータを天秤に取り付ける概要を説明する図である。
【
図14】袋水遮蔽を用いたガイドパイプを通じてアクチュエータを天秤に取り付ける概要を説明する図である。
【
図15】アクチュエータの先端で天秤を掴んで固定する概要を説明する図である。
【
図16】アクチュエータを備えた天秤を原子炉圧力容器上面に設置した状態を示す説明図である。
【
図17】原子炉圧力容器上面に設置した天秤にアクチュエータを取り付けた状態を示す説明図である。
【
図18】プラットホームにアクチュエータを設置する概要を説明する図である。
【
図19】プラットホームにアクチュエータを設置する概要を説明する図である。
【
図20】プラットホームにアクチュエータを設置する概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施例を、図面を用いて説明する。尚、下記はあくまでも実施例に過ぎず、発明の内容は下記態様に限定されるものでないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0012】
燃料デブリ取出し装置を
図1及び
図5を用いて説明する。
【0013】
図1に示すように原子力プラントのオペレーションフロア50に隔離ハウス51を設けて、隔離ハウス51内には空間A52が形成される。原子炉ウェル53の真上に形成される空間A52には、天井クレーンA54及びガイドレールA55が配置される。天井クレーンA54に取り付けられるワイヤ57には掴み具A58が取り付けられる。空間Aの底面を形成する板状の床部材59が隔離ハウスの下端部に取り付けられる。床部材には、原子炉圧力容器2の内径と同じ大きさの開口部が形成されている。
【0014】
隔離ハウス51内の空間A52には隔離容器60が設けられている。隔離容器60が、原子炉ウェル53の底部から上部の空間に亘って配置される(
図1参照)。隔離容器60の構成は上部円筒部材61、中間円筒部材62及び下部円筒部材63を有し、上部円筒部材61の上端が円板であるカバー部材64で封鎖されている。下部円筒部材63が原子炉ウェル53内において支持梁部材65上に設置される。中間円筒部材62が、下部円筒部材63の上端に置かれ、下部円筒部材63に結合される。カバー部材64で封鎖された上部円筒部材61が、中間円筒部材62の上端に置かれ、中間円筒部材62に結合される。すなわち、隔離容器60は3段構造の容器となっている。燃料デブリ取出し装置16は、プラットホーム6、アクチュエータ3(筋肉ロボット)、天秤4、クレーン5に概略構成されている。
【0015】
図2に燃料デブリ取出し装置16の概要構造を説明する。(a)は燃料デブリ取出し装置16の上方から見た図であり、(b)は燃料デブリ取出し装置16を側面から見た図である。
図2に示すように燃料デブリ取出し装置16は、圧力容器2の上面に設置されるプラットホーム6を有し、このプラットホーム6の中心部には開口部7及び遮蔽機能付蓋9を備えている。この開口部7は機材等の搬出入用に設けており、必ずしも必要なものではない。なお、プラットホーム6は遮蔽機能を有する材料で構成されており、炉心内部からの放射線を遮蔽する効果を有する。遮蔽機能付蓋9には取り外しが可能なようにフック取り付け部10を有する。
【0016】
プラットホーム6には回転用環状レール8を備えており、環状レールにはクレーン5が取り付けられている。クレーンが環状レール上を移動することで、クレーン5に取り付けられた天秤4を回転することができる。また、クレーン5は天秤4を吊下げており、必要に応じてクレーン5のワイヤの長さを調整することで天秤4を任意の高さの位置に設定することができる。すなわち、天秤は旋回と昇降が可能に構成されている。天秤4には予めアクチュエータ3(筋肉ロボット)が取り付けられている。
【0017】
プラットホーム6の概略構造を
図3及び
図4にそれぞれ示す。
図3及び
図4の(a)はプラットホーム6を上方から見た図であり、(b)はプラットホーム6を側面から見た図である。
図4に示すように、遮蔽機能付蓋9に設けられているフック取り付け部10を天井クレーン等により掴み解放することで(
図4参照)機材等の搬出入を行う。
【0018】
図5は天秤4の概要構造を説明する図である。(a)は天秤4を上方から見た図であり、(b)は天秤4を側面から見た図である。天秤4はフック取り付け部10を備えており、これによりクレーン5に吊下げることが可能となっている。また、天秤4には予めアクチュエータ3(筋肉ロボット)が取り付けられている。
【0019】
実施例1における燃料デブリ取出し装置16の取り扱い方法について説明する。まず事前準備として、原子炉ウェル53の底部に隔離ハウス51を設置して、隔離ハウス51に上部円筒部材61、中間円筒部材62、下部円筒部材63から構成される3段の隔離容器60を設置する(ステップ1)。その後、ドライヤセパレータプール56側からプラットホーム6を搬入する。プラットホーム6は
図1で示す矢印(2)のルートを経由して搬入する。なお、プラットホーム6には予め、天秤4及びアクチュエータ3が取り付けられている(ステップ2)。搬入したプラットホーム6を圧力容器2の上面に設定する(ステップ3)。その後、プラットホーム6に設けられたクレーン6及びアクチュエータ3を操作してレーザ、カッター等の切断手段を用いて燃料デブリ1を切断し取出す。この際、プラットホーム6に設けた開口部7を通じて機材等の搬出入を行う(ステップ4)。
【0020】
本実施例によれば、簡易な装置にて燃料デブリ等を切断し取り出すことが可能となる。
【実施例2】
【0021】
他の実施例について
図6〜
図10を用いて説明する。なお、実施例1と同一構成の部位に関しては、説明を省略する。
【0022】
実施例1では予めプラットホーム6に天秤4及びアクチュエータ3を取り付けたものを圧力容器2の上面に設置したが、本実施例ではプラットホーム6に天秤4のみ取り付けておき、これを圧力容器2の上面に設置し、その後、天秤4にアクチュエータ3を取り付ける点が異なっている。すなわち、取扱い方法においては(ステップ2)でのプラットホーム6の搬入の際には天秤4のみがプラットホーム6に設けられており、これを搬入する(ステップ2´)とプラットホーム6の設定(ステップ3)の後にクチュエータ3の取り付け(ステップ3−1)が追加されている点が大きく異なる。
【0023】
原子炉圧力容器2上面にプラットホーム6を設置した後にアクチュエータ3を取り付ける詳細を
図6〜
図10で説明する。
図6(a)はプラットホーム6を上方から見た図であり、(b)はプラットホーム6を側面から見た図である。プラットホーム6には装置を搬入する際のガイドとなるガイドパイプ11、このガイドパイプ11を固定するためのガイドパイプ固定用フランジ12及び遮蔽機能付スライド扉13を備えている。
図7のガイドパイプ拡大部の状態では遮蔽機能付スライド扉13が閉じられた状態であるが、
図8に示すように遮蔽機能付スライド扉13をスライドさせることで、アクチュエータ3をクレーンのワイヤ15で吊下げて搬入することが可能となっている。
【0024】
アクチュエータ3をガイドパイプ11に搬入した状態を
図9に示す。(a)は上方から見た図であり、(b)は側面から見た図である。アクチュエータ3をガイドパイプ11に搬入した後には、アクチュエータ3を天秤4に取り付ける。アクチュエータ3を天秤4に取り付けた状態を
図10に示す。(a)は上方から見た図であり、(b)は側面から見た図である。
【0025】
本実施例によれば、実施例1での効果に加えて、アクチュエータ3を後から取り付けるため、プラットホーム6と一緒に設置する場合には、アクチュエータ3の大きさに制限があるが、大型のアクチュエータ3でも用いることが可能となる。
【実施例3】
【0026】
他の実施例について
図11〜
図14を用いて説明する。なお、実施例1及び2と同一構成の部位に関しては、説明を省略する。
【0027】
実施例2ではガイドパイプ11に遮蔽機構付スライド扉13を用いた例を説明したが、本実施例ではドーナツ型の袋水遮蔽42を用いた点が異なる。すなわち、取扱い方法においてはアクチュエータ3の取り付け(ステップ3−1)が異なる。以下の実施例ではこの異なる点を中心に説明する。
【0028】
図12はドーナツ型の袋水遮蔽42の概要構造であり(a)は上方から見た図であり、(b)は側面から見た図である。円筒部41の上端に複数のフック46が設けられており、このフック46をガイドパイプ11の先端部に取り付ける。円筒41の内側には袋水遮蔽42が設けられており袋水遮蔽42には給排水管44が接続されており、別途設けたバルブ45の操作により水43を出し入れすることで、遮蔽機能を有する。袋水遮蔽42に水を入れた状態の概要を
図11に示す。(a)は上方から見た図であり、(b)は側面から見た図である。
【0029】
実施例2でのクチュエータ3の取り付け(ステップ3−1)は、本実施例では
図13及び
図14のようになる(ステップ3−1´)。すなわち、中心部が空洞となった袋水遮蔽42内部をアクチュエータ3を通過させて天秤にまで移動させる(
図13及び
図14参照)。その後、アクチュエータ3を天秤4に取り付けて、炉内構造物等を切断し取り出す。
【0030】
本実施例によれば、実施例1や実施例2での効果に加えて、アクチュエータ3を設置する際により放射線の遮蔽効果が高いアクチュエータ設置方法とすることができる。
【実施例4】
【0031】
他の実施例について
図15を用いて説明する。なお、実施例1、2及び3と同一構成の部位に関しては、説明を省略する。
【0032】
本実施例においては実施例2及び実施例3においてアクチュエータ3を天秤2に取り付けたが、本実施例ではアクチュエータ3の先端に設けられたアームにより直接天秤4を掴んでアクチュエータ3を固定する点が異なっている。
【0033】
本実施例によれば、実施例1、実施例2及び実施例3での効果に加えて、アクチュエータ3を設置する際により簡便に設置することが可能となる。
【実施例5】
【0034】
他の実施例について
図16を用いて説明する。なお、実施例1、2、3及び4と同一構成の部位に関しては、説明を省略する。
【0035】
実施例1乃至4ではプラットホーム6を用いてアクチュエータ3を原子炉圧力容器2の内部に設置していたが、本実施例ではプラットホーム6を用いずに天秤4のみを利用して設定する点が大きく異なる。
図16を用いて取り扱い方法の詳細を説明する。
【0036】
実施例1と同様に事前準備として、原子炉ウェル53の底部に隔離ハウス51を設置して、隔離ハウス51に上部円筒部材61、中間円筒部材62、下部円筒部材63から構成される3段の隔離容器60を設置する(ステップ1)。なお3段の隔離容器60の内部には予め天秤4がクレーン5aにより設けられている。天秤4にはアクチュエータ3が備え付けられている。その後、隔離容器60の内部に設けられている袋水遮蔽(3段容器中段部)22aの水を一旦排出し、天秤4を圧力容器2の上面にまで下降させる(ステップ2´´)そして袋水遮蔽(3段容器中段部)22aに再度注水して遮蔽機能を持たせてから、天秤4を圧力容器2の上面に設定する(ステップ3´)。その後、天秤4に設けられたクレーン6及びアクチュエータ3を操作してレーザ、カッター等の切断手段を用いて燃料デブリ1を切断し取出す(ステップ4´)。
【0037】
本実施例によれば簡易な装置にて燃料デブリ等を切断し取り出すことが可能となる。なお天秤4には炉心内部からの放射線を遮蔽する効果はないが、袋水遮蔽(3段容器中段部)22aがあるため遮蔽効果を有する。天秤4には遮蔽効果が不要なため装置が軽量となり、より装置の取り扱い性が向上する。
【実施例6】
【0038】
他の実施例について
図17を用いて説明する。なお、実施例1、2、3、4及び5と同一構成の部位に関しては、説明を省略する。
【0039】
実施例5においては天秤4に予めアクチュエータ3を取り付けておいたが、本実施例では後から取り付ける点が異なる。以下、
図17を用いて詳細を説明する。
【0040】
実施例1と同様に事前準備として、原子炉ウェル53の底部に隔離ハウス51を設置して、隔離ハウス51に上部円筒部材61、中間円筒部材62、下部円筒部材63から構成される3段の隔離容器60を設置する(ステップ1)。なお3段の隔離容器60の内部には予め天秤4がクレーン5aにより設けられている。本実施例では天秤4にはアクチュエータ3は取り付けられていない。その後、隔離容器60の内部に設けられている袋水遮蔽(3段容器下段部)22bに水を注水して、袋水遮蔽(3段容器中段部)22aを排水する。アクチュエータ3をオペフロ側搬出入エアロック21aからスライド式台車22にて隔離容器60内に搬入し、天秤4に設置する(ステップ2−1)。アクチュエータ3の設置後、天秤4を3段の隔離容器60に設置されているクレーン5aにて圧力容器2内に設定する(ステップ3´´)。なお天秤4を設定した後には袋水遮蔽(3段容器中段部)22aに注水、袋水遮蔽(3段容器下段部)22bを排水する。その後、天秤4に設けられたクレーン6及びアクチュエータ3を操作してレーザ、カッター等の切断手段を用いて燃料デブリ1を切断し取出す(ステップ4´)。
【0041】
本実施例によれば、簡易な装置にて燃料デブリ等を切断し取り出すことが可能となる。また、アクチュエータ3を後から設置するため、天秤4と一緒に設置する場合には、アクチュエータ3の大きさに制限があるが、大型のアクチュエータ3でも用いることが可能となる。また、天秤4のみ用いるため装置が軽量となり、より装置の取り扱い性が向上する。
【実施例7】
【0042】
他の実施例について
図18〜
図20を用いて説明する。なお、実施例1、2、3、4、5及び6と同一構成の部位に関しては、説明を省略する。
【0043】
これまでの実施例ではプラットホーム6と天秤4の組み合わせ、天秤4のみの利用であったが、本実施例ではプラットホーム6のみ用いる点が異なる。以下、
図18〜
図20を用いて説明する。
【0044】
実施例1と同様に事前準備として、原子炉ウェル53の底部に隔離ハウス51を設置して、隔離ハウス51に上部円筒部材61、中間円筒部材62、下部円筒部材63から構成される3段の隔離容器60を設置する(ステップ1)。プラットホーム6のみ隔離容器60に搬入する(ステップ2´´´)。プラットホーム6を圧力容器2の上面に設置する(ステップ3´´´)。その後、ガイドパイプ11を通じてアクチュエータ3をプラットホーム6に設けられているクレーン6に取り付ける(ステップ3−1´´)。
図18はアクチュエータ3をガイドパイプ11に搬入する前の概要図であり、
図19はアクチュエータ3をガイドパイプ11に挿入している状態である。
図20に示すように搬入後はアクチュエータ3のアームによりクレーンを把持することでアクチュエータ3を固定する。その後、プラットホーム6に設けられたクレーン6及びアクチュエータ3を操作してレーザ、カッター等の切断手段を用いて燃料デブリ1を切断し取出す(ステップ4´´)。
【0045】
本実施例によれば、簡易な装置にて燃料デブリ等を切断し取り出すことが可能となる。また天秤4を使用せず装置の軽量化が図れる。
【0046】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。