(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本記載は、ファイバーに適用されるコーティングを硬化させるためのファイバー硬化システムに関連している。
図1は、被覆されたファイバーに光を集中させる楕円形反射室を含むファイバー硬化システムの一例を示している。楕円形反射室に供給される光のエネルギーはファイバーに適用されたコーティングを硬化させるように作用する。
図2に示すように、ファイバー硬化システムはサブシステムを含んでもよい。
図3に示すように、楕円形反射室内の光エネルギーは、光検知ポートを介して感知されてもよい。
図4に示すように、ファイバー硬化システム内の硬化チューブの透明性および/または透過率は、デバイスを介して決定してもよい。ファイバー硬化システムからの光エネルギー出力の量を決定するための方法は
図5に記載されている。最後に、硬化チューブの透明度または透過率を決定するための方法は
図6に記載されている。
【0013】
図1に、ファイバー硬化システムの概略図が示されている。この例では、ファイバー硬化システムは、単一のファイバーに適用されるファイバー保護コーティングを硬化させるためのものである。しかしながら、他の例では、ファイバー硬化システムは、リボン状に配置された複数のファイバーに適用されるコーティングを硬化させる形態であってもよい。また、本明細書で説明されるシステム及び方法は、他の形態を有するファイバー硬化システムにも適用可能である。
【0014】
ファイバー硬化システム100が動作しているとき、液体で被覆されたファイバー175は、本体133および硬化チューブ126に引き込まれる。硬化チューブ126は、石英ガラスまたは光が硬化チューブ126を通過することが可能な他の材料で形成されてもよい。光エネルギーは、本体133内の楕円形反射室(図示せず)内でファイバー175に向けられている。光エネルギーは、保護コーティングを硬化し、ファイバー175の上に固体の保護層が形成される。硬化プロセス中、保護コーティングが硬化するつれ保護コーティングから蒸気が放出され得る。蒸気は、硬化チューブ126の内部に堆積することがあり、それによって硬化チューブ126の透過率を減少させ、ファイバー硬化システム100の効率を低下させる。硬化チューブ126から蒸気をパージするために、窒素(N2)などの不活性ガスを硬化チューブ126内に流してもよい。しかしながら、堆積物は、硬化チューブ126内を不活性ガスが流れているにもかからず形成されることがある。
【0015】
ファイバー硬化システム100は、楕円形反射室(図示せず)を含む本体133を含む。本体133は、互いに結合されているいくつかのセクションから構成されてもよい。第1の光源112及び第2の光源113は、本体133に結合され、長手方向が長軸170の方になるように配置されている。第1の光源112は、第2の光源113の方向に本体133内に光を導く。同様に、第2の光源113は、第1の光源112の方向に本体133内に光を導く。したがって、第1の光源112及び第2の光源113のいずれもが、光エネルギーを硬化チューブ126に向ける。第1の光源112と第2の光源113は、冷却液ライン130を介してチラーから供給された冷却液によって冷却されてもよい。第3の光源122と第4の光源123は、硬化チューブ126の透明度および/または透過率を決定するために使用される光を供給する。光検出器または光受信器は、本体133における第3の光源122と第4の光源123から光を受ける側方105と反対の側方に配置される。なお、本実施例は、硬化チューブ126の透明度および/または透過率を決定するための光源および光受信器を2つ含んでいるが、他の例では、硬化チューブ126の透明度および/または透過率を決定するための光源および光受信器を1からN個含んでもよいことに留意すべきである。また、光ファイバー114及び115は、本体133に結合されている。
【0016】
第一の光源112及び第2の光源113は、複数の発光アレイ(光アレイ)を含んでいてもよい。一例として、各発光アレイは、複数の発光ダイオード(LED)を備える。長軸170に沿って列に配置される。例えば、第1の光源112および第2の光源113は、3つの行を含み長軸170の方向に一列に配置された3つの発光アレイを含んでいてもよい。他の例では、第1の光源112および第2の光源113は、異なる数の行および列の発光アレイで構成されてもよい。発光アレイは、本体133の内部のファイバー175に光エネルギーを向ける。
【0017】
左側の光ファイバー114と右側の光ファイバー115は、第1の光源112および第2の光源113からの光エネルギー出力を複数の光検出器155へ伝達する。あるいは、左側の光ファイバー114と右側の光ファイバー115は、グループ化され、単一の光検出器156に入力してもよい。左側の光ファイバー114は、本体133における第1の光源112と硬化チューブ126との間に柱状に挿入されている。右側の光ファイバー115は、本体133における第2の光源113と硬化チューブ126との間に柱状に挿入されている。一例として、光ファイバーは、第1の光源112および第2の光源113の中のそれぞれの光アレイから提供される。それぞれの右側の光ファイバー115は、右隣の光ファイバー115との間の距離が等しくなるように配置される。同様に、それぞれの左側の光ファイバー114は、隣接した左側の光ファイバー114との間の距離が等しくなるように配置される。
【0018】
一例では、第3の光源122と第4光源123は、例えばレーザ光などのコリメート光源で構成されている。コリメート光源は、対応する光受信器に向けられていない光の量を減少させることができ、その結果、障害や部分的な障害を探索するための信号対雑音比を向上させ、または硬化チューブの透過率の減少を向上させることができる。
【0019】
また、
図1は、断面AA、BBおよびCCの位置を示している。断面AAを
図4に示され、断面BBは
図3Aに示され、断面CCは
図3Bに示されている。断面AAは、硬化チューブの透明度および/または透過率のシステムの詳細を示している。断面BBは、UVの電力監視システムの一部の詳細を示す。断面CCは、UVの電力監視システムの一部の縦断面図を示す。
【0020】
図2には、ファイバー硬化システムのサブシステムの概略が示されている。ファイバー硬化システム100は、照明サブシステム200、冷却水サブシステム202および不活性ガスサブシステム204が含む。
【0021】
照明システム200は、ヒートシンク231と熱的にやりとりする1またはそれ以上の発光素子210を含む。この例では、発光素子210は、発光ダイオード(LED)である。各LED210は、アノード220とカソード222を含む。スイッチング電源(図示せず)は、パスや導体264を介して電圧レギュレータ240に48VのDC電力を供給する。電圧レギュレータ240は、導体やパス242を介してLED210のアノード220にDC電力を供給する。また、電圧レギュレータ240は、導体やパス244を介してLED210のカソード222と電気的に結合されている。電圧レギュレータ240は、グランド260を基準に示され、一例として、降圧レギュレータであってもよい。
【0022】
コントローラ208は、電圧調整器240と電気的にやり取りすることが示されている。他の例では、離散入力生成装置(例えば、スイッチ)は、必要に応じてコントローラ208と置き換えることができる。コントローラ208は、命令を実行するための中央処理装置(CPU)290を含む。また、コントローラ208は、電圧レギュレータ240のため、外部制御装置228と通信するため、その他のデバイスを動作させるための入出力(I/O)288を含む。非一時的実行可能な命令は読み出し専用メモリ(ROM)292に格納されてもよく、一方、変数はランダムアクセスメモリ(RAM)294に格納されてもよい。電圧レギュレータ240は、LED210に調整可能な電圧および電流を供給してもよい。コントローラ208は、電圧レギュレータの出力電圧を調整するために電圧レギュレータ240に制御信号を供給してもよい。また、コントローラ208は、光検出器155を介して、光ファイバー114および115からの入力を受け取ってもよい。
【0023】
スイッチング素子や電界効果トランジスタ(FET)の形態の可変抵抗器280は、コントローラ208から、または他の入力装置を介して、電圧強度信号を受信する。本実施例では、FETとして可変抵抗器を記載しているが、この回路は可変抵抗器の他の形態を採用してもよいことに注意すべきである。可変抵抗器280への制御信号を調整することにより、コントローラ208は、LED210を流れる電流とLED210によって生成される光の強度を調整する。
【0024】
この例では、光アレイ271の少なくとも一つの要素は、発光ダイオード(LED)や光を生成するレーザダイオード等の固体発光素子を含む。この素子は、基板上の単一のアレイ、基板上の複数のアレイ、幾つかの基板上の単一のアレイまたは複数のアレイのいずれかが一緒に接続された幾つかのアレイ、などとして構成されてもよい。さらに、
図2には単一のLEDアレイのみ示されているが、
図1に示されるように、第1の光源112と第2の光源113は、1またはそれ以上の光アレイを含んでいてもよい。すべての光アレイが同じ量の電力を受け取ることができるように、第1および第2の光源の中の各アレイ271は、単一の電圧調整器240を介して電力を供給されてもよい。あるいは、第1および第2の光源の中の各光アレイ271は、異なる量の電力を各光アレイ271に同時に提供することができるように、専用の電圧レギュレータ240を介して電力を供給されてもよい。この方法では、各光アレイ271に供給される電力の量は、他の光アレイの電力を調整することなく調整することができる。同様に、各光アレイ271の照明強度は、ファイバーの硬化システム100内の他の光アレイの光強度を調整することなく調整することができる。
【0025】
図2に示した照明システムの回路は、閉ループ電流制御回路である。可変抵抗器280は、導体またはパス230を介し駆動回路222を通じて電圧強度制御信号を受信する。可変抵抗器280は、ドライバ222からの駆動信号を受信する。可変抵抗器280とアレイ271との間の電圧は、電圧レギュレータ240によって決定され、所望の電圧に制御される。所望の電圧値は、コントローラ108または他の装置から供給されてもよく、そして、電圧調整器240は、可変抵抗器280とアレイ271との間の電流のパスに所望の電圧が供給されるように電圧信号242のレベルを制御する。可変抵抗器280は、アレイ271から電流検出抵抗器255への矢印245の方向への電流の流れを制御する。
【0026】
上記所望の電圧は、光デバイスの種類、ワークファイバーの種類、硬化パラメータ、およびその他様々な動作条件に応じて調整してもよい。電流信号は、導体またはパス236に沿って、コントローラ208または供給される電圧強度制御信号を調整する別のデバイスにフィードバックされてもよい。特に、電流信号が所望の電流と異なる場合、アレイ271を流れる電流を調整するために、導体230を介して渡された電圧強度制御信号は増加または減少される。アレイ271を流れる電流を示すフィードバック電流信号は、導体236を経由して送られる。フィードバック電流信号は、電流検出抵抗器255を流れる電流の変化とともに変化する電圧レベルである。
【0027】
さらに、コントローラ208は、光検出器155を介して光ファイバー114および115から感知された光に基づいてアレイ271からの光出力の強度を増減させるために導体230における光強度制御信号を調整してもよい。1つの例では、複数のアレイ271の光強度は、
図1のファイバー硬化システム100に示す複数の光ファイバー114及び115からの入力に応答するコントローラ208により同じレベルに調整される。他の例では、各アレイ271の光強度は、選択されたアレイ271から光ファイバー114/115が受ける光に応じて個々に調整される。
例えば、
図1に示されるシステムは、第1のアレイの光強度は第1の光ファイバーを介して検出された光に応じて調整され、第2のアレイの光強度は第1の光ファイバーとは異なる第2の光ファイバーを介して検出された光に応じて調整されるなどの3つの光アレイと、3つの光アレイからの光を検出する3つの光ファイバーと、を含む。
【0028】
コントローラ208は、スイッチとして動作させてLED210を流れる電流を停止する可変抵抗280の抵抗値を増加させてもよい。さらに、コントローラ208は、
図5及び
図6の方法に従ってLED210からの光強度出力を調整してもよい。
【0029】
一例では、可変抵抗器280とアレイ271との間の電圧は一定の電圧に調整され、アレイ271および可変抵抗器280を流れる電流は可変抵抗器280の抵抗値を調整することによって調整される。このように、この例では、可変抵抗器280から導体244に沿って伝えられる電圧信号はアレイ271には行かない。代わりに、アレイ271と可変抵抗器280との間の電圧フィードバックは、導体244に従って電圧レギュレータ240に行く。そして、電圧レギュレータ240は、アレイ271に電圧信号242を出力する。これにより、電圧レギュレータ240はアレイ271の下流側の電圧に応じて出力電圧を調整し、アレイ271を流れる電流は可変抵抗器280を介して調整される。コントローラ208は、導体236を介して電圧としてフィードバックされたアレイ電流に応じて可変抵抗器280の抵抗値を調整するための命令を含んでいてもよい。導体244は、LED210のカソード222、可変抵抗器280の入力部299(例えば、NチャネルMOSFETのドレイン)、および、電圧レギュレータ240の電圧フィードバック入力部293との間の電気的やりとりを可能にする。したがって、LED210のカソード222、可変抵抗器280の入力部299、および、電圧レギュレータ240の電圧フィードバック入力部293は、同一の電位になる。
【0030】
可変抵抗器は、FET、バイポーラトランジスタ、デジタル・ポテンショメータまたは電気的に制御可能な任意の電流制限装置の形態を取ることができる。あるいは、手動で制御可能な電流制限装置を可変抵抗器として使用してもよい。駆動回路は、使用される可変抵抗器に応じて異なる形態を取ってもよい。
【0031】
ヒートシンク231は、空気または液体を冷却することができる。この例では、ヒートシンク231は、冷却液ポンプ264および冷却液流量制御弁265を介してチラー249から流れる冷却液によって液冷却される。コントローラ208は、LED210に供給される電力量に応じて、ヒートシンク231への冷却液の流量を調整してもよい。例えば、LED210に供給される電力を増加させた場合、冷却液ポンプの出力及び/又は冷却液弁265の開度を増加させることにより、チラー249からヒートシンク231に供給される冷却液の流量が増加させてもよい。同様に、LED210に供給される電力を減少させた場合、冷却液ポンプの出力及び/又は冷却液弁265の開度を減少させることにより、チラー249からヒートシンク231に供給される冷却液の流量は減少させてもよい。代わりに、コントローラ208が、冷却液の流量を調整する外部コントローラに命令を出してもよい。
【0032】
この例では、不活性ガスサブシステム204は、外部コントローラ228、ガスポンプ226、ガス制御弁225、ガススクラバーまたはフィルタ224、及びガス貯蔵容器223を含む。ガスポンプ226、ガス制御弁225、フィルタ224およびガス貯蔵容器223の配置は必要に応じて再配置することができる。
【0033】
コントローラ208は、硬化チューブ126内を流れる不活性ガスの量を増減させるために外部コントローラ228と通信してもよい。一例では、外部コントローラ228は、硬化チューブの寿命を増加させる所望の割合よりも大きい割合での硬化チューブ126の透明度または透過率の減少に応じて、ガスポンプ226の出力を増加させ、ガス弁225を開く。反対に、外部コントローラ228は、硬化チューブの寿命を増加させる所望の割合よりも大きい割合での硬化チューブ126の透明度または透過率の増加に応じて、ガスポンプ226の出力を減少させ、ガス弁225を閉める。
【0034】
また、外部コントローラ228がファイバー175に適用されるコーティングの量を調整することができるように、コントローラ208は、透明性または透過率の劣化率について外部コントローラ228とやりとりしてもよい。コリメート光源122および123によって提供される硬化チューブの透明性および/または透過率の信号対雑音比は、硬化チューブの透明性および/または透過率が劣化される/劣化されないということの推定以上のものを提供するのに十分であってもよい。
【0035】
図3Aには、UV電力監視および制御システムのための光エネルギー検出ポートの断面が示されている。
図3Aは、
図1に示されている断面BBである。
【0036】
本体133は、第1の光源112及び第2の光源113から出射された光をファイバー175に集中するための第1の楕円形反射室302と第2の楕円反射室303を含む。第1の楕円形反射室302は、中心位置370を有している。第2の楕円形反射室303は、中心位置371を有している。第1の光源112のLEDは、第1の楕円反射室302の第1焦点を通る平面に沿って配置され、LEDは、矢印330により示される方向に光を照射する。第2の光源113のLEDは、第2の楕円形反射室303の第1焦点を通る平面に沿って配置され、LEDは、矢印331により示される方向に光を照射する。第1の光源112と第2の光源113からの光は、本体133の中心と同じであり、第1の楕円形反射室302および第2の楕円形反射室303の両方の第2の焦点である310で収束する。ファイバー175および硬化チューブ126の中心は310に位置し、これにより、ファイバー175および硬化チューブ126の光に曝される長さが本体133の長さとなる。このような構成により、第1の光源112および第2の光源113からの光は、光ファイバー175に集中する。
【0037】
光ファイバー114は、光検出ポート320を通って本体133に挿入される。光ファイバー115は、光検出ポート321を通って本体133に挿入される。光検出ポート320および321は、第1の楕円形反射室302と第2の楕円形反射室303の周囲の領域である中心370と中心371との間に配置されている。光ファイバー114および115の始めまたは終わりは、第1の楕円形反射室302および第2の楕円形反射室303と同一平面にある。
【0038】
透明性または透過率(入射放射線が材料を完全に通過させるための材料の能力)を決定するための第3の光源122および光検出器360も示されている。
【0039】
図3Bには、UV電力監視および制御システムのための光エネルギー検出ポートの断面が示されている。
図3Bは、
図1に示す断面CCで、CC断面が本体133の長手方向に延びる。
【0040】
光ファイバー115は、本体133の長さに沿って配置され、光ファイバー357と358との間の距離実質的に一定(例えば、±3.5mm)である。また、第2の光源113は、本体133の長さに沿って延びる。第2の楕円形反射室303の上面も、本体133の長さに沿って延びる。
【0041】
図4には、硬化チューブの透明度および/または透過率の監視および制御システムの断面が示されている。
図4は、
図1に示すAA断面である。
図4の断面は、
図3Aの断面図に示される要素の多くを含み、同様の要素には、同じ数字の識別子が付されている。したがって、簡潔のために、既に説明した要素の説明は省略する。
【0042】
第3の光源122は、第1の楕円形反射室302および第2の楕円形反射室303の第2の焦点310からオフセット配置されている。第3光源122をオフセットすることにより、第3の光源122からの光は、ファイバー175に当たったり衝突したりすることなく、硬化チューブ126を通過することができる。第3の光源122の中心線415は光ファイバー175からオフセットされている。同様の構成は、第4光源123と光ファイバー175にも適用される。
【0043】
一例では、第3の光源122は、レーザのようなコリメート光源である。光は第3の光源122から始まり、硬化チューブ126に到達する前に硬化チューブ透明光ポート440を通過する。硬化チューブ126を通り抜ける光は、受信器や光検出器360に達する可能性がある。光パワー(例えば、W/m
2)に比例する電圧や電流は光検出器360の出力である。第3の光源122からの光は、光検出器360に到達する前に硬化チューブ透明性検出ポート441を通過することができる。
【0044】
硬化チューブ126が比較的に透明である場合、第3の光源によって供給される多くの量の光が、光検出器360によって受信され得る。硬化チューブ126が物質で覆われまたは部分的に覆われている場合、第3の光源によって供給されるより少ない量の光が光検出器360によって受信され得る。硬化チューブ126が所望の量より多く第3の光源から光を妨げる場合、硬化チューブ126は新しいものに置き換えるようにしてもよい。
【0045】
したがって、
図1〜4のシステムは、ファイバー硬化チューブを監視するためのシステムを提供する。このシステムは、楕円形反射室と、楕円形反射室の第1の側面上に配置されたコリメート光源と、コリメート光源の反対側である楕円形反射室の第2の側面上に配置された光受信器と、を備え、コリメート光源からの光がファイバーに入射しないように、楕円形反射室内においてコリメート光源の中心線がファイバーからオフセットされたものである。このシステムは、第1及び第2の楕円形反射室を含み、硬化チューブをさらに備える。また、このシステムは、レーザであるコリメート光源を含む。
【0046】
いくつかの例では、このシステムは、ファイバーに光エネルギーを向ける二つの光源を含む。二つの光源は、ファイバーに適用されたコーティングを硬化させる波長の光を供給する。さらに、このシステムは、複数の光アレイの光強度出力を調整するための非一時的な命令を含むコントローラを備える。このシステムは、それぞれの光アレイの光強度が他の光アレイの光強度とは異なるレベルに調節される複数の光アレイを備える。このシステムにおいて、コントローラは、硬化チューブの透過率に応じて、硬化チューブを通るガスの流量を調整するための追加の非一時的命令をさらに含む。このシステムは、硬化チューブの透過率に応じて光強度出力を調整するための追加の非一時的命令を含むコントローラをさらに備える。
【0047】
別の例では、
図1〜4のシステムは、ファイバー硬化を監視するためのシステムを提供する。このシステムは、第1の楕円形反射室及び第2の楕円形反射室を含むデュアル楕円形反射室と、第2の楕円形反射室内へ光を放射するように配置された光源と、光源の光路中にある光受信器と、を備え、デュアル楕円形反射室において、光源からの光がファイバーに入射しないように光源の中心線がファイバーからオフセットされる。このシステムは、第2の楕円形反射室のみに導かれるコリメート光源を備える。
【0048】
いくつかの例では、このシステムは、光源と光受信器との間に硬化チューブをさらに備える。このシステムは、硬化チューブの透過率に応じて、UV光源の光プロファイルを調整するための非一時的命令を含むコントローラをさらに備える。このシステムにおけるコントローラは、第1および第2の楕円形反射室内のUV光の量に応じて、UV光源の出力を増加させるための追加の非一時的命令をさらに含む。このシステムでは、UV光源からの光が複数の光ファイバーを介して収集される。
【0049】
図5には、ファイバー硬化システムからの光エネルギー出力を決定する方法が示されている。
図5の方法は、制御装置208のようなコントローラへの実行可能な命令として非一時的なメモリに記憶されてもよい。
図5の方法は、
図1〜4に示されているシステムの一部であってもよい。
【0050】
方法500では、502において、ファイバー硬化システムが動作しているか否かを判断する。ファイバー硬化システムは、オペレータまたはコントローラからの入力に応じて動作させてもよい。方法500では、ファイバー硬化システムが動作していると判断した場合、504に進む。そうでない場合、方法500を終了する。
【0051】
方法500では、504において、2つの楕円形反射室の2つの対向する側における2つの光源(例えば、
図1の112及び113)を作動させる。一例では、光源は1またはそれ以上の発光素子アレイから構成されている。アレイは、各光源におけるそれぞれの光アレイの位置に基づく光プロファイルに従って電気エネルギーを供給することができる。一例では、光プロファイルは、各光源におけるそれぞれのアレイに等しい量の電気エネルギーを提供する。他の例では、各アレイは、光プロファイルに従った光源中のアレイの位置に基づいて、固有の量の電力を供給されてもよい。
【0052】
例えば、3つの行を持つ単一の列として配置された光アレイを持つ光源の光プロファイルは、位置(1,1)(例えば、(行,列))の光アレイにXワットを供給し、位置(2,1)の光アレイにX+5ワットを供給し、位置(3,1)の光アレイX+10ワット供給する、というように指定されてもよい。光アレイの各々は、
図2に示されたシステムによって電力を供給されてもよい。光プロファイルに応じて各光アレイを調整することで、それがファイバー硬化システムの長さに沿ったファイバーコーティングの硬化速度に影響を与えることも可能である。さらに、各アレイに供給される電力の量を制御することにより劣化した光アレイに隣接する光アレイまたは所望されるよりも多いまたは少ない電力を受けた光アレイを補償することができる。つまり、劣化した光アレイに隣接する光アレイまたは所望されるよりも多いまたは少ない電力を受けた光アレイに供給される電力を調整することにより、光アレイを補償することができる。方法500では、二つの光源が作動された後、506に進む。
【0053】
方法500では、506において、二つの楕円形反射室の内側面にある2つの光源によって放射された光の一部を受ける。例えば、
図3A、
図3Bおよび
図4に示すように、光ファイバーは、第1の楕円形反射室302と第2の楕円形反射室の内側からの光を受ける。
図3Aおよび
図3Bに示すように、光ファイバーは、楕円形反射室における二つの楕円形反射室の中心間の位置に挿入してもよい。光ファイバーの全てが、単一の光検出器に入力するようにしてもよい。代わりに、光ファイバーのそれぞれが、一つの光ファイバーからのみ入力を受ける単一の光検出器に入力するようにしてもよい。方法500では、二つの光源からの光の一部を受けた後、508に進む。
【0054】
方法500では、508において、第1および第2の楕円形反射室内の平均光強度を決定するか否かを判断する。いくつかの例では、平均光強度が光強度閾値よりも小さい場合に、オペレータまたはコントローラに通知することが望ましい。他の例では、計算時間を節約するため、または、それが現在望まれていないために、平均光強度が決定されていない場合がある。方法500では、2つの楕円形反射室内の平均光強度を決定するか否かの答えがイエス(YES)である場合、510に進む。そうではなく、答えがノー(NO)である場合、方法500では、518に進む。
【0055】
方法500では、510において、2つの楕円形反射室内の複数の位置からの光強度を合計する。一例では、光ファイバーは一緒に束ねられ単一の光検出器に入力するが、光検出器は、光が検出された2つの楕円形反射室内の各位置からの光エネルギーの合計を出力する。光検出器からの出力は、データサンプルの一定の持続時間またはサンプルデータ数にわたってサンプリングされ、2つの楕円形反射室内の平均光強度を決定するために平均化されてもよい。
【0056】
例として、複数の光ファイバーは、単一の光ファイバーからの入力を受ける複数の光検出器に個別に入力し、各光検出器の出力は、他のすべての光検出器の出力と合計され、2つの楕円形反射室内の平均光強度を決定するために時間、数またはデータサンプルにわたって平均されてもよい。方法500では、2つの楕円形反射室内の平均光強度が決定された後、512へ進む。
【0057】
方法500では、512において、2つの楕円形反射室内の平均光強度が、第1の光強度閾値レベルより小さいかまたは第2の光強度閾値レベルよりも大きいか、それ以外であるか、について判断する。第1のまたは第2の光強度閾値は、ファイバーコーティング、周囲温度、および他の条件に依存して変化し得る。方法500では、2つの楕円形反射室内の平均光強度が、第1の光強度閾値レベルより小さいかまたは第2の光強度閾値レベルよりも大きいか、である場合、答えはイエスであり、514に進む。そうでない場合には、答えはノーであり、方法500は518に進む。
【0058】
方法500では、514において、ファイバー硬化システムの劣化を表示する。劣化の表示は、光の照射、ファイバーの処理を変更する外部コントローラにメッセージを送信する、またはメモリにビットを設定することであってもよい。いくつかの例では、劣化の状態は、アクションがなされる前に、例えば、オペレータまたは外部コントローラへの通知として一回以上表示されてもよい。例えば、劣化した光強度レベルは、劣化を表示する前に、三回決定される必要があるとしてもよい。さらに、オペレータまたは外部システムに劣化が通知される前に、2つの楕円形反射室内の平均光強度を所望のレベルにするための光アレイに供給される電力の調整が行われてもよい。方法500では、平均光強度の劣化を処理した後、516に進む。
【0059】
方法500は、516において、第2の平均光強度に応じてファイバー硬化システムのスループット(例えば、ファイバー硬化システムにおけるファイバーの引き出し速度)を調整する。一例では、経験的に決定されたファイバー硬化システムにおけるファイバーの流れ速度の調整のテーブルまたは関数は、メモリに格納され、所望の平均光強度と測定された平均光強度との差に基づいてインデックス付けされる。例えば、光強度が所望の平均光強度よりもYワット/m
2小さい場合、ファイバーがファイバー硬化システムを通り抜ける速度をNメートル/秒だけ低減してもよい。同様に、光強度が所望の平均光強度よりもYワット/m
2大きい場合、エネルギーの無駄を減らすために、ファイバーがファイバー硬化システムを通り抜ける速度を増加してもよい。
【0060】
また、一例として、第1および第2の楕円形反射室の平均光強度が第1の光強度閾値よりも小さい場合に、複数の光アレイを流れる電流を増加させてもよい。同様に、第1および第2の楕円形反射室の平均光強度が第2の閾値照度よりも大きい場合に、複数の光アレイを流れる電流を減少させてもよい。従って、ファイバー硬化システムの効率を改善するために、光強度は、閉ループ制御により制御されてもよい。方法500では、ファイバーの硬化システムを調整した後、518へ進む。
【0061】
方法500では、518において、各光ファイバーの位置での光強度を決定するか否かを判断する。一例では、2つの楕円形反射室の一方の中の光ファイバーでサンプルした光強度は、特定の光アレイの光強度を示す。したがって、特定の光アレイの出力は、2つの楕円形反射室の一方の位置でサンプリングした特定の光ファイバーの出力から決定してもよい。
【0062】
方法500では、510で決定した平均光強度、または、硬化システムの動作時間などのその他の条件に応じて、光強度は各光ファイバーの位置で決定することが望ましいと判断してもよい。方法500では、各光ファイバーの位置での光強度を決定するか否かの判断において、答えはイエスである場合、520に進む。そうでなく、答えがノーである場合、方法500では処理を終了する。
【0063】
方法500では、520において、二つの楕円形反射室のいずれかに挿入されたそれぞれの光ファイバーからの光強度出力を決定する。一例では、複数の光検出器からの出力は、ワット/m
2の単位を有する複数の光強度の値に変換される。複数の光強度の値のそれぞれは、2つの楕円形反射室の一方の位置における光強度に相当する。方法500では、複数の位置における光強度が決定された後、522へ進む。
【0064】
522で、2つの楕円形反射室内の1またはそれ以上の複数の位置における光強度が、第1の閾値より小さいかまたは第2の閾値より大きいか、そうでないかを判断する。いくつかの例では、第1および第2の閾値レベルは、二つの楕円形の反射室内の光を検出する各光ファイバーに提供される。各光ファイバーの光検出器対からの出力は、光ファイバーに対応する第1および第2の閾値レベルと比較と比較される。方法500では、1またはそれ以上の光ファイバー光検出器ペアからの出力が、第1の閾値より小さいかまたは第2の閾値より大きい場合、答えはイエスであり、524に進む。そうでない場合は、答えはノーであり、方法500では処理を終了する。
【0065】
方法500では、524において、第1の閾値より小さいかまたは第2の閾値より大きい光強度を持つ1またはそれ以上の光アレイへの電力を調整するか否かを判断する。一例では、方法500では、ファイバー硬化システムが閾値時間以上動作しているか否かに応じて、1またはそれ以上の光アレイへの電力を調整してもよい。方法500では、1またはそれ以上の光アレイに供給される電力を調整すると判断した場合、答えはイエスであり、526に進む。そうでない場合、答えはノーであり方法500では処理を終了する。
【0066】
方法500では、526において、第1の閾値を下回るかまたは第二の閾値を超える光を出力する光アレイに供給される電力を調整する。特に、光ファイバー及びそれと関連する光検出器が第1の閾値よりも小さいか第2の閾値よりも大きい光強度を検出したとき、楕円形反射室内で光を検出する光ファイバーに向けて光出力の一部を向ける光アレイに供給される電力を調整する。具体的には、特定の光アレイが所望の光強度よりも小さく出力していると判断された場合に、特定の光アレイからの光強度出力を増加させるために、特定の光アレイを流れる電流を増加させてもよい。周囲の光アレイに供給される電力が調整されていない。同様に、特定の光アレイが所望の光強度よりも大きく出力していると判断された場合に、特定の光アレイからの光強度出力を減少させるために、特定の光アレイを流れる電流を減少させてもよい。方法500では、第1及び第2の光強度閾値によって囲まれた所望の範囲の光強度より上かまたは下である光強度を出力する光アレイの電力を調整し、528に進む。
【0067】
方法500では、528において、光アレイを冷却する冷却液の流れを調節する。一例では、冷却液の流量は、所望の光強度よりも小さいかまたは大きい光強度を補償するために基準量から増減されて光源の光アレイに供給される電気エネルギーに応じて調整される。例えば、光アレイに供給される電力が100ワットであって光アレイに供給される電流を減少させる場合、光源への冷却液の流れを5%低減してもよい。同様に、光アレイに供給される電力が100ワットであって光アレイに供給される電流を増加させる場合、光源への冷却液の流れを5%増加してもよい。方法500では、冷却液の流れが調整された後、530へ進む。
【0068】
方法500では、530において、1またはそれ以上の光アレイが所望の電力の調整に応答していないか判断する。具体的には、520で説明したように光は光ファイバーに受信され、電力調整が526で行われた後、各光ファイバーでの光強度は所望の光強度と比較される。方法500において、1またはそれ以上の光アレイが所望の電力調整に応答していない場合、答えはイエスであり、532に進む。そうでない場合、答えはノーであり方法500では処理を終了する。
【0069】
方法500では、532において、所望の電力調整に応答していない光アレイの出力を補償する。電力調整(例えば、光アレイを流れる電流を調整すること)は、光アレイからの光強度出力を調整するために用いられることに留意されたい。一例では、所望の電力調整に応答していない光アレイに隣接または近接する光アレイの電力が調整される。隣接する光アレイに供給される電力を調整することにより、全ての光アレイが所望されるように動作しているかのように同じ平均光強度を提供することができる。したがって、1つの光アレイが所望したように動作していない場合でも、ファイバー硬化システムを動作し続けることができる。あるいは、所望したように応答しない1またはそれ以上の光アレイを確保するため、ファイバーへのコーティングの適用を停止し、ファイバー硬化システムを停止させる前に既に適用されたファイバーのコーティングを硬化することが可能である。
【0070】
例えば、光源が、3行1列に配置された(3,1)光アレイを含み、第2行の光アレイが第1の楕円形反射室内の第2の光ファイバーの位置に光出力の一部を向け、第2の光ファイバーとそれに対応する光検出器が指定された範囲外の光強度を出力し、第2行の光アレイに供給される電流が現状レベルに維持されている間に第1行および第2行の光アレイに供給される電流が調整される。第1および第3の光アレイからの光出力が、第1および第3の光アレイからの光出力の一部を受ける光ファイバーおよび光検出器から決定された光強度閾値の範囲内であることに注意する。第1および第3の光アレイから供給される電力は、
図2に記載されているように可変抵抗の抵抗値を変えることによって調整されてもよい。
【0071】
方法500では、534において、514で説明したファイバー硬化システムの劣化の表示を出力する。方法500では、ファイバー硬化システムの劣化の表示が出力された後に、536に進む。
【0072】
方法500では、536において、ファイバー硬化システムのスループットを低下する。ファイバーの硬化システムは、より大きなファイバー製造装置の一部なので、ファイバー硬化システムは、ファイバーがファイバー硬化システムを流れる速度を低減するために、外部コントローラにメッセージを送信してもよい。一例では、ファイバーがファイバー硬化システムを流れる速度を減少させるメッセージは、ファイバー硬化システムにおける楕円形反射室内の所望の平均光強度と、ファイバー硬化システムにおける楕円形反射室内の実際の平均光強度と、の差に基づく。例えば、ファイバー硬化システムにおける楕円形反射室の平均光強度が所望されるよりも5%小さい場合、ファイバー硬化システムを流れるファイバーの速度は、Xメートル/秒だけ低減してもよい。このように、楕円形反射室内の光強度が所望されるよりも少ない場合であっても、ファイバー硬化システムを流れるファイバーは、コーティングを硬化するために十分な長さだけ光に晒される。いくつかの例では、ファイバー硬化システムの楕円形反射室における平均光強度が光強度閾値よりも小さい場合、ファイバーの流れる速度をゼロに低減してもよい。この方法は、ファイバー硬化システムのスループットが調整された後、方法500では処理を終了する。
【0073】
図6では、ファイバー硬化システムにおける硬化チューブの透明度および/または透過率を決定するための方法が示されている。
図5および
図6に示す方法は、
図2に示すコントローラ208等のコントローラへの実行可能な命令として、非一時的なメモリに格納されてもよい。
図6の方法は、
図1〜4に示されたシステムの一部であってもよい。
【0074】
方法600では、602において、ファイバー硬化システムが動作しているか否かを判断する。ファイバー硬化システムは、オペレータまたはコントローラ入力に応答して動作させてもよい。方法600では、ファイバー硬化システムが動作していると判断した場合は、604に進む。そうでない場合は、方法600では処理を終了する。
【0075】
方法600では、604において、2つの楕円形反射室の2つの対向する側における2つの光源(例えば、
図1の112及び113)を作動させる。一例では、光源は1またはそれ以上の発光素子アレイから構成されている。アレイは、各光源におけるそれぞれの光アレイの位置に基づく光プロファイルに従って電気エネルギーを供給することができる。一例では、光プロファイルは、それぞれの光源の各アレイに等しい量の電気エネルギーを提供する。他の例では、
図5に示されるように、各アレイは、光プロファイルに従った光源中のアレイの位置に基づいて、固有の量の電力を供給してもよい。方法600では、2つの光源が作動された後、606に進む。
【0076】
方法600では、606において、ファイバー硬化チューブの透明度および/または透過率の光源と光ビーム受信器を動作させる。一例では、ファイバー硬化チューブの透明度および/または透過率の監視および制御システムが、2つの光源と2つの光ビーム受信器(例えば、光検出器)を起動する。2つの光源と2つの光ビーム受信器は、硬化チューブの両端に配置されてもよい。方法600では、2つの光源と2つの光ビーム受信器が起動された後、608に進む。
【0077】
方法600では、608において、光ビーム受信器の出力と光ビームの閾値レベルとを比較する。一例では、光受信器の出力は、メモリに格納された、経験的に決定された硬化チューブの透明度および/または透過率の値のテーブルまたは関数と比較される。テーブルまたは関数は、各光ビーム受信器に基づいて、各光ビーム受信器に透明度および/または透過率の0から1までの値を出力する。透過率の値がゼロであることは、硬化チューブの透明度光検出器の位置の反対にある硬化チューブ透明度光源の位置から硬化チューブを通り抜ける光エネルギーがないことに相当する。透過率の値が1であることは、硬化チューブ透明度光検出器の位置の反対にある硬化チューブ透明度光源の位置から硬化チューブを通り抜ける光エネルギーが予め定められた光エネルギーの閾値以上であることに相当する。また、硬化チューブ透明度光受信器がファイバー硬化光源からの光によって影響されないように、硬化チューブ光源はファイバー硬化光源とは異なる波長としてもよいことを言及しておく必要がある。他の例では、硬化チューブ透明度光源は、ファイバー硬化光源と同じ波長であってもよい。
【0078】
いくつかの例では、硬化チューブの透過率の低下の速度を決定することができるように見積もりされた硬化チューブの複数の位置における硬化チューブ透過率はメモリに保存されていてもよい。例えば、過去の時点における硬化チューブ透過率の見積もりが現時点で硬化チューブ透過率から減算され、この結果を過去の時点と現時点との間の時間差で除算して、透過率の劣化速度を求めてもよい。方法600では、硬化チューブの複数の位置における硬化チューブの透明度および/または透過率が決定された後、610に進む。
【0079】
方法600では、610において、硬化チューブの複数の位置における透明度または透過率が第1の透過率閾値より小さいか否かを判断する。第1の透過率閾値は、ファイバーに適用されるコーティングのタイプおよび/または他の硬化システムの条件によって変化し得る。方法600では、硬化チューブの透明度または透過率が第1の透過率閾値レベルよりも小さい場合、答えはイエスであり、630に進む。そうでない場合は、答えはノーであり、方法600では、612に進む。
【0080】
方法600では、612において、硬化チューブの透明度または透過率に応じて複数の光アレイの光強度出力を調整する。光アレイに供給される電流を調整することにより、光強度において硬化チューブの透明度および/または透過率の劣化を補償することが可能である。例えば、硬化チューブの透過率が5%減少した場合、硬化チューブの透過率の減少を補償するために、光強度を増加させてもよい。一例では、硬化チューブが堆積物で覆われ始めた後にも硬化チューブが堆積物で覆われ始める前と等しい量の光エネルギーをファイバーに供給するために光アレイの電流が光アレイの光強度出力を変化するように、経験的に決定された光アレイ電流の調整のためのテーブルや関数が提供される。この方法では、堆積物が硬化チューブに収集し始めた後、実質的に等しい量の光エネルギー(例えば、基準光エネルギーの±5%)が少なくとも1回、ファイバーに提供され得る。
【0081】
さらに、ファイバー硬化システムのそれぞれの光アレイにおける潜在的な固有の量の電流を定義するプロファイルに応じて複数の光アレイに電流が供給される場合、光アレイに供給される電流が光電流プロファイルのスケーリングされたバージョンに応じて光アレイに提供されているように、プロファイルの電流量は、硬化チューブの透明度または透過率の修正により調整される。それは、硬化チューブの両側にある光アレイは、硬化チューブの透過率に応じて調整されることに留意されたい。
【0082】
さらに、方法600では、硬化チューブの透過率の調整を含めた所望の光強度と
図5に記載の検出された光との比較を行ってもよい。したがって、所望の量の光エネルギーがファイバーに到達するように、硬化チューブの透過率の調整を含めた光強度は、閉ループの方法で調整されてもよい。方法600では、光アレイに供給される電流を調整した後、614に進む。
【0083】
方法600では、614において、外部コントローラと通信し、または、硬化チューブの透過率の劣化に応じて硬化チューブ流れる不活性ガスの流れを変化させるために、ポンプおよび/またはバルブを調整する。一例では、硬化チューブ内を流れる不活性ガスのガス流量の調整は、硬化チューブの透過率に基づく。外部コントローラは、不活性ガスの流量を調整するために、ポンプおよび/または流量制御弁の出力を調整する。不活性ガスの流量を調整することにより、硬化チューブの透過率の劣化を低減することができる。硬化チューブの透過率が予想された速度で劣化する場合、不活性ガスの流量は現在の流量に維持し、または、硬化チューブの透過率が予想されたよりも遅い速度で劣化する場合、不活性ガスの流量を減少させてもよい。方法600では、不活性ガスの流量の調整後、616に進む。
【0084】
方法600では、616において、612で行った光アレイの電流調整に応じて光アレイヒートシンクを流れる冷却液の流量を変えるために、外部コントローラと通信し、または、ポンプおよび/またはバルブを変える。一例として、ヒートシンクへの冷却液の流量の調整は、光アレイに供給される電流または電力の変化に基づく。外部コントローラは、冷却液の流量を調整するために、ポンプおよび/または流量制御弁の出力を調整してもよい。冷媒流量を調整することで、光アレイのLEDを所望の温度に維持することが可能である。方法600では、冷却液の流量の調整後、618に進む。
【0085】
方法600では、618において、硬化チューブの透過率の値、光アレイ電流、硬化チューブの透過率の劣化の速度および/または程度、およびその他の制御変数をメモリに記録することができる。さらに、方法600では、ファイバー硬化システムと他のファイバー製造システムは、ファイバーの流れ速度の調整やファイバーに適用されるコーティングの量の調整などの所望のアクションをとることができるように、硬化チューブの劣化の動作条件や表示をオペレータまたは外部コントローラに報告することができる。方法600では、ファイバー硬化システムの条件が報告され、および/またはメモリに保存された後、処理を終了する。
【0086】
方法600では、630において、612に記載したように、硬化チューブの透明性および/または透過率に応じて、複数の光アレイの光強度出力を調整する。方法600では、光出力強度を調整した後に632に進む。
【0087】
方法600では、632において、614で記載したように、硬化チューブの透過率の劣化に応じて、外部コントローラと通信し、または、不活性ガスの流れを変化させるためのポンプおよび/またはバルブを調整する。方法600では、不活性ガスの流れが調整された後、634に進む。
【0088】
方法600では、634において、616で記載したように、630において供給された光アレイの電流の調整に応じて、外部コントローラと通信し、または、光アレイヒートシンクを流れる冷却液の流れを変化させるためのポンプおよび/またはバルブを調整する。方法600では、冷却液の流れが調整された後、636に進む。
【0089】
方法600では、636において、硬化チューブを通じてファイバー届く光エネルギーの見積もりに応じて、外部コントローラと通信を行うか、ファイバー硬化システムを通じて、ファイバーのスループットまたはファイバーの流れ速度を調整する。一例では、ファイバーにおける光エネルギーの見積もりは、光アレイからの光エネルギー出力の量または硬化チューブの透過率の見積もりに基づいている。一例では、608に記載されているように、透過率は0から1までの数として割り当てられてもよく、割り当てられた値は、光エネルギーの量を決定するために、光効率係数および光アレイから出射された光エネルギーを乗じる。ファイバーのスループットは、ファイバーにおいて見積もられた光エネルギーに基づいて調整される。ファイバーのスループットの調整は、経験的に決定され、ファイバーにおける光エネルギーの見積もりによってインデックス付けされたテーブルまたは関数に格納されてもよい。方法600では、ファイバーのスループットを調整した後に638に進む。
【0090】
方法600では、638において、618に記載したように、硬化チューブ透過率の値、光アレイの電流、硬化チューブ透過率の劣化の速度および/または程度、およびその他の制御変数は、メモリに記憶される。方法600では、硬化システムの劣化は記憶され、および/または報告された後、640に進む。
【0091】
方法600では、640において、硬化チューブの透過率が予め定められた第2の透過率閾値よりも小さいか否かを判断する。もしそうであれば、方法600では、答えはイエスであり、642に進む。そうでなければ、答えはノーであり、方法600では処理を終了する。
【0092】
方法600では、642において、高レベルの硬化チューブの劣化が存在することを表示する。硬化チューブの劣化の表示は、ファイバーの流れ速度の調整などのアクションがなされるために、外部コントローラにより供給されてもよい。いくつかの例では、硬化チューブの劣化の第2レベルが決定された場合、ファイバーの流れ速度がゼロに減少されてもよい。方法600では、硬化チューブの劣化の第2レベルが表示された後、処理を終了する。
【0093】
したがって、
図6の方法は、ファイバー硬化システムを操作するための方法を提供する。ファイバー硬化システムを操作するための方法は、デュアル楕円形反射室のうちの1つの楕円形反射室の中にのみコリメート光を向ける工程と、コリメート光からエネルギーを受ける光検出器の出力に応じて、ファイバー硬化システムの操作を調整する工程と、を有する。この方法は、光検出器からの出力に応じてUV光源の出力を調整する工程をさらに有する。この方法は、光検出器からの出力に応じて不活性ガスの流れを調節する工程をさらに有する。この方法は、光検出器からの出力に応じて冷却液の流れを調節する工程をさらに有する。この方法は、光検出器からの出力に応答してUV光源に供給される電気エネルギーを調整する工程をさらに有する。この方法は、UV光源を介して、ファイバーに適用されたコーティングを硬化させる工程をさらに有する。
【0094】
図5および
図6の方法は、両方の方法からファイバー硬化システムが両方の方法からの利点を得るために、一緒に実施され実行されてもよいことに言及すべきである。さらに、二つの方法は、楕円形反射室の光強度の情報などの情報を交換することができる。
【0095】
一般的な当業者によって理解されるように、
図5及び6に記載の方法は、イベント駆動型、割り込み駆動、マルチタスク、マルチスレッドなどの一またはそれ以上の数の処理戦略で示されてもよい。図示された様々なステップまたは機能が、逐次、並列に、またはいくつかのケースが省略されて実行されてもよい。同様に、処理の順序は、ここに記載された目的、特徴、および利点を達成するために必ずしも必要ではなく、図示および記載を容易にするために設けられている。明示的に示されていないが、一般的な当業者は、使用される特定の戦略に応じて、1またはそれ以上の図示されたステップまたは機能が繰り返し行われてもよいことを認識するであろう。
【0096】
これは記載を結論付ける。それを読んだ当業者は、本記載の精神と範囲から逸脱することなく多くの変更や修正を思い起こすことができる。例えば、光源が異なる波長の光を生成することは、本記載の利点となり得る。