特許第6483095号(P6483095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6483095
(24)【登録日】2019年2月22日
(45)【発行日】2019年3月13日
(54)【発明の名称】均一な照明の光拡散ファイバ装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 8/00 20060101AFI20190304BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20190304BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20190304BHJP
   G02B 6/036 20060101ALI20190304BHJP
   G02B 6/032 20060101ALI20190304BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20190304BHJP
   H01S 5/022 20060101ALI20190304BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20190304BHJP
【FI】
   F21V8/00 282
   G02B6/00 326
   F21V8/00 241
   F21V8/00 261
   G02B6/00 331
   G02B6/42
   G02B6/036
   G02B6/032 Z
   G02B6/02 376B
   H01S5/022
   F21Y115:30
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-516711(P2016-516711)
(86)(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公表番号】特表2016-526268(P2016-526268A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】US2014039483
(87)【国際公開番号】WO2014193773
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2017年5月25日
(31)【優先権主張番号】61/829,624
(32)【優先日】2013年5月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】クチンスキー,セルゲイ アナトレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ログノフ,ステファン ルヴォヴィッチ
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−511749(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0107565(US,A1)
【文献】 特表2014−519049(JP,A)
【文献】 特表2015−501510(JP,A)
【文献】 実開平03−062302(JP,U)
【文献】 実開昭57−028409(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 8/00
G02B 6/00
G02B 6/02
G02B 6/032
G02B 6/036
G02B 6/42
H01S 5/022
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置において、
(i)外側表面と、2つの端部と、複数の散乱構造を含む領域とを備えた、開口数NALDFを有する光拡散光ファイバであって、前記複数の散乱構造が、該散乱構造によって導波光を前記外側表面の方へ散乱して照明波長で50dB/kmを超える散乱誘起減衰を実現するように構成され、前記散乱された導波光が前記外側表面を通って拡散して照明を提供する、光拡散光ファイバと、
(ii)前記光拡散光ファイバの一方の前記端部に光学的に結合された、開口数NAS1を有する光源と、
を備え、NALDF−NAS1>0.05であり、且つ、0.05≦NAS1≦0.30及び0.31≦NALDF≦0.52であることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
照明装置において、
(i)外側表面と、2つの端部と、複数のナノサイズ構造を含む領域を内部に有するガラスコアとを備えた、開口数NALDFを有する光拡散光ファイバであって、前記コア内の複数のナノサイズ構造が、前記ナノサイズ構造によって導波光を前記外側表面の方へ散乱して照明波長で50dB/kmを超える散乱誘起減衰を実現するように構成され、前記散乱された導波光が前記外側表面を通って拡散して照明を提供する、光拡散光ファイバと、
(ii)前記光拡散光ファイバの一方の前記端部に光学的に結合された、開口数NAS1を有する光源と、
を備え、さらに、
(iii)NALDF−NAS1>0.05、且つ、0.05≦NAS1≦0.30及び0.31≦NALDF≦0.52であることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
(i)NALDF−NAS1>0.1であり、および/または(ii)0.15≦NAS1≦0.25であり、および/または(iii)0.31≦NALDF≦0.48であることを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項4】
前記光拡散光ファイバの第2の前記端部に結合された、開口数NAS2を有する第2の光源をさらに備え、(i)NALDF−NAS2>0.05であり、および/または(ii)NALDF−NAS2>0.1であり、および/または(iii)0.15≦NAS2≦0.25であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の照明装置。
【請求項5】
前記光拡散光ファイバのもう一方の前記端部に結合された、反射面をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項6】
前記光源がレーザダイオードであることを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【請求項7】
前記光拡散光ファイバが、前記コアを包囲する光散乱/均質化被覆、および/または、前記コアを包囲するリン含有被覆、をさらに含むことを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の照明装置。
【請求項8】
前記光散乱/均質化被覆がチタニアを含むことを特徴とする請求項7記載の照明装置。
【請求項9】
(i)前記コアの直径が50μm超かつ500μm未満であり、および/または(ii)NALDF>0.2であり、さらに(iii)前記ファイバの散乱誘起減衰が前記照明波長で100dB/km超から60000dB/kmであることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項10】
前記外側表面から出て行く放射が実質的に均一になるように前記光を導くことができるよう前記ファイバが構成され、その結果、最小散乱照度と最大散乱照度との間の差が該最大散乱照度の30%以下となることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の照明装置。
【請求項11】
40から120°の間の全ての視野角に対して、最小散乱照度と最大散乱照度との間の差が該最大散乱照度の50%未満であることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が引用されその全体が参照することにより本書に組み込まれる、2013年5月31日に出願された米国仮特許出願第61/829624号の優先権の利益を米国特許法第119条の下で主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は一般に、照明用途に使用される光拡散光ファイバに関し、より具体的には、光拡散光ファイバと、このファイバを利用する照明装置に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実施形態によれば、照明装置は光源と少なくとも1つの光拡散光ファイバとを含む。光源はファイバに結合され、また光源の開口数はファイバの開口数よりも小さい。
【0004】
より具体的に、いくつかの実施形態によれば照明装置は、(i)外側表面と、2つの端部と、コアと、クラッドとを有し、複数の散乱構造を含む領域を備えた、開口数NALDFを有する光拡散光ファイバであって、複数の散乱構造が、この散乱構造によって導波光を外側表面の方へ散乱して照明波長で50dB/kmを超える散乱誘起減衰を実現するように構成され、散乱された導波光が外側表面を通って拡散して照明を提供する、光拡散光ファイバ、(ii)光拡散光ファイバの一方の端部に光学的に結合された、開口数NAS1を有する光源、を備え、NALDF−NAS1>0.05である。いくつかの実施形態では、NALDF−NAS1>0.02である。いくつかの実施形態では、0.05≦NAS1≦0.3および0.31≦NALDF≦0.52である。いくつかの実施形態によれば、このファイバは、角度方向の散乱を向上させることによって角度方向の照明を向上させる、散乱被覆またはジャケットで包囲される。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、照明装置は、(i)外側表面と、2つの端部と、複数の散乱構造を含む領域を内部に有するガラスコアとを備えた、開口数NALDFを有する光拡散光ファイバであって、このコア内の複数の散乱構造が、散乱構造によって導波光を外側表面の方へ散乱して照明波長で50dB/kmを超える散乱誘起減衰を実現するように構成され、散乱された導波光が外側表面を通って拡散して照明を提供する、光拡散光ファイバ、(ii)光拡散光ファイバの一方の端部に光学的に結合された、開口数NAS1を有する光源、を備え、NALDF−NAS1>0.05である。いくつかの実施形態では、NALDF−NAS1>0.02である。いくつかの実施形態では、0.05≦NAS1≦0.3および0.31≦NALDF≦0.52である。いくつかの実施形態によれば、このファイバは、角度方向の散乱を向上させることによって角度方向の照明を向上させる、散乱被覆またはジャケットで包囲される。
【0006】
本書で説明される実施形態によれば、照明装置は、40から120°の間の全ての視野角に対して、最小散乱照度と最大散乱照度の差が最大散乱照度の50%未満になるように、散乱によって実質的に均一な照明を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、照明装置は、
(i)外側表面と、2つの端部と、複数のナノサイズ構造を含む領域を内部に有するガラスコアとを備えた、開口数NALDFを有する光拡散光ファイバであって、このコア内の複数の散乱構造が、ナノサイズ構造によって導波光を外側表面の方へ散乱して照明波長で50dB/kmを超える散乱誘起減衰を実現するように構成され、散乱された導波光が外側表面を通って拡散して照明を提供する、光拡散光ファイバ、
(ii)光拡散光ファイバの一方の端部に光学的に結合された、開口数NAS1を有する光源、
を備え、さらにNALDF−NAS1>0.02であることを特徴とする。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、ファイバに結合された光源は波長範囲200nmから500nmの光を生成し、またファイバ被覆内の蛍光材料は、白色、緑色、赤色、青色、またはNIR(近赤外)光のいずれかを生成する。いくつかの実施形態によれば、ファイバに結合された光源は波長範囲200nmから1200nmの光を生成する。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、照明装置は単一の光拡散ファイバを含む。他の実施形態によれば、照明システムは複数の光拡散ファイバを含む。光拡散ファイバは真っ直ぐな構成で利用してもよいし、曲げることもできる。光拡散ファイバの散乱誘起減衰は、照明波長で100dB/kmから60000dB/kmとすることができる。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、NALDF−NAS1>0.05である。いくつかの実施形態によれば、0.05≦NAS1≦0.3である。いくつかの実施形態によれば、0.31≦NALDF≦0.52である。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、照明装置は第2の光源をさらに含む。第2の光源は、光拡散光ファイバのもう一方の端部に結合される。第2の光源は開口数NAS2を有し、NALDF−NAS2>0.02である。好適には、NALDF−NAS2>0.05である。同じく好適には、0.05≦NAS2≦0.3である。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、照明装置は開口数NAdeliveryを有する送出ファイバをさらに含み、このとき(i)光源は送出ファイバの一方の端部に結合され、光拡散光ファイバは送出ファイバのもう一方の端部に結合され、NAdelivery<NALDFである。
【0013】
照明装置のいくつかの実施形態によれば、光拡散光ファイバは、ファイバクラッドまたは保護用被覆層を包囲する、光散乱/均質化被覆をさらに含む。散乱/均質化被覆は、以下の散乱材料、すなわちチタニア、アルミナ、シリカのうちの、少なくとも1つを含み得る。
【0014】
ここで本発明の現在の好適な実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、図面を通じて、同様または類似の部分の参照に同様または類似の参照番号を使用する。本書で開示される実施形態は単なる例であり、夫々が本発明の特定の利益を取り入れたものであることを理解されたい。
【0015】
以下の例の種々の改変および代替が、本発明の範囲内で作製可能であり、また異なる例の態様は、さらなる例を実現するために様々なやり方で組み合わせることができる。従って本発明の真の範囲は、本書で説明される実施形態に限定されないがこれらを考慮して、本開示の全体から理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】光拡散ファイバを含む照明装置の1つの実施形態を概略的に示した図
図1B】光拡散ファイバを含む照明装置の別の実施形態を概略的に示した図
図2A】光拡散ファイバ(LDF)のある実施形態の概略図
図2B】光拡散ファイバ(LDF)の別の実施形態の概略図
図2C】光拡散ファイバ(LDF)のさらに別の実施形態の概略図
図2D】光拡散ファイバ(LDF)のさらなる実施形態の概略図
図3】光が長さ200cmの光拡散ファイバを通って伝播しているときの、一実施の形態の照明装置のモデル化された光強度
図4】光拡散ファイバの別の実施形態の概略図
図5】光拡散ファイバと、このファイバの対向する端部に結合された2つの光源とを含む、照明装置の別の実施形態の概略図
図6】光拡散ファイバと、ファイバの一方の端部に結合された光源と、ファイバの他方の端部に位置している反射面とを含む、照明装置のさらに別の実施形態の概略図
図7図6の照明装置の光拡散ファイバの長さに沿った測定強度をプロットした図
図8図7に対応する光拡散ファイバの写真
図9A】例示的な実施形態の光拡散ファイバの相対屈折率プロファイルの概略図
図9B】例示的な実施形態の光拡散ファイバの相対屈折率プロファイルの概略図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は実現可能な教示として提供され、また以下の説明、図面、実施例、および請求項を参照すると、より容易に理解することができる。このため関連技術の当業者は、有益な成果を依然として得ながら、本書で説明する実施形態の種々の態様に多くの変更を加え得ることを、認識および理解するであろう。本実施形態の望ましい利点のいくつかは、いくつかの特徴を他の特徴を利用せずに選択することによって、得ることができることも明らかであろう。従って、多くの改変および改作が可能であり、特定の状況では望ましくさえあり得、さらに本開示の一部であることを当業者は認識するであろう。従って、本開示は他に明確に述べられていなければ、開示される特定の組成物、物品、機器、および方法に限定されないことを理解されたい。さらに、本書において使用される専門用語は、単に特定の態様を説明するためのものであり、限定することを意図したものではないことも理解されたい。
【0018】
開示される材料、化合物、組成物、および成分は、開示される方法および組成物に使用することができ、開示される方法および組成物と併せて使用することができ、開示される方法および組成物の準備に使用することができ、または、開示される方法および組成物の実施形態である。これらの材料および他の材料が本書で開示され、これらの材料の組合せ、部分集合、相互作用、群などが開示されたとき、これらの化合物の種々の個別のおよび集合的な組合せおよび置換の夫々に関する具体的な言及は明確には開示されないかもしれないが、その夫々は本書において具体的に意図されかつ説明されたものと理解されたい。従って、置換基の種類A、B、および/またはCと置換基の種類D、E、および/またはFとが開示され、さらに一例の組合せの実施形態A−Dが開示された場合、その夫々が個別にかつ集合的に意図される。従ってこの例では、A、B、および/またはCと、D、E、および/またはFと、さらに組合せ例A−Dとの開示によって、各組合せA−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、およびC−Fは具体的に意図されており、また開示されたと見なされるべきである。同様に、これらの任意の部分集合または組合せも、具体的に意図されかつ開示される。従って、A、B、および/またはCと、D、E、および/またはFと、さらに組合せ例A−Dとの開示によって、例えば下位群A−E、B−F、およびC−Eは具体的に意図されており、また開示されたと見なされるべきである。この概念は、限定するものではないが、組成物の任意の成分、および、開示される組成物の作製方法および使用方法でのステップなど、本開示の全ての態様に当てはまる。従って、実行することが可能な様々な追加のステップが存在する場合、これらの追加のステップ夫々は、開示される方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組合せと共に実行することができること、そしてこの各組合せが具体的に意図されており、かつ開示されたと見なされるべきであることを理解されたい。
【0019】
本明細書および続く請求項ではいくつかの用語を参照し、これらの用語は以下の意味を有すると定義されるものとする。
【0020】
「含む」または同様の用語は、包含するが限定しないことを意味し、すなわち含むものであって、排他的なものではない。
【0021】
「約」という用語は、他に述べられていなければ、その範囲の全ての項を参照する。例えば、約1、2、または3とは、約1、約2、または約3と同等であり、さらに約1〜3、約1〜2、および約2〜3を含む。組成物、成分、含有物、添加物、および同様の点に対して開示された、具体的な値および好適な値、さらにその範囲は、説明のためのみのものであり、他の定義された値、または定義された範囲内の他の値を排除しない。本開示の組成物および方法は、本書で説明される、任意の値または任意の値の組合せ、具体的な値、より具体的な値、および好適な値を有するものを含む。
【0022】
本書で使用される名詞は、他に既定がなければ、少なくとも1つ、すなわち1以上の名詞の対象を意味する。
【0023】
「屈折率プロファイル」とは、屈折率または相対屈折率と導波路(ファイバ)の半径との間の関係である。
【0024】
「相対屈折率パーセント」は、
Δ(r)%=100×[n(r)2−nREF2]/2n(r)2
で定義され、ここでn(r)は、特に指示がない限り半径rでの屈折率である。相対屈折率パーセントは、特に指示がない限り850nmで定義される。例えば基準指標nREFは、850nmで屈折率が1.452498のシリカガラスである。いくつかの実施形態において基準指標nREFは、クラッドガラスの850nmでの最大屈折率である。本書では、特に指示がない限り、相対屈折率をΔで表し、またその値は単位%で与えられる。領域の屈折率が基準指標nREF未満である場合、相対屈折率パーセントは負となって、ディプレスト領域または低下屈折率を有すると称され、また最小の相対屈折率は、特に指示がない限り、相対屈折率が負で最も低くなる点で計算されたものである。領域の屈折率が基準指標nREFを超える場合、相対屈折率パーセントは正となって、この領域を高いまたは正の屈折率を有すると呼ぶことができる。
【0025】
「アップドーパント」を本書では、純粋なドープされていないSiO2に対して屈折率を上昇させる傾向を有するドーパントであると考える。「ダウンドーパント」を本書では、純粋なドープされていないSiO2に対して屈折率を低下させる傾向を有するドーパントであると考える。アップドーパントとアップドーパントではない1以上の他のドーパントとが同時に存在する場合、アップドーパントは負の相対屈折率を有する光ファイバの領域に存在し得、同様にアップドーパントではない1以上の他のドーパントは、正の相対屈折率を有する光ファイバの領域に存在し得る。ダウンドーパントとダウンドーパントではない1以上の他のドーパンとが同時に存在する場合、ダウンドーパントは正の相対屈折率を有する光ファイバの領域に存在し得る。
【0026】
同様にダウンドーパントではない1以上の他のドーパントは、負の相対屈折率を有する光ファイバの領域に存在し得る。
【0027】
「αプロファイル」または「アルファプロファイル」という用語は、以下の方程式、
Δ(r)=Δ(ro)(1−[|r−ro|/(r1−ro)]α
に従って、単位%のΔ(r)によって表される相対屈折率プロファイルを参照し、ここでrは半径、roはΔ(r)が最大になる点、r1はΔ(r)%がゼロになる点、さらにrはri<r<rfの範囲内である。このΔは上で定義されたものであり、riはαプロファイルの初期点、rfはαプロファイルの最終点、αは実数の指数である。
【0028】
本書では「放物線の」という用語は従って、コア内の1以上の点でα値2.0から若干変化し得る実質的に放物線状の屈折率プロファイルの他、わずかに変動しているおよび/または中心線で低下しているプロファイルを含む。いくつかの例示的な実施形態においてαは、850nmで測定して、1.5超かつ2.5未満であり、より好適には1.7超および2.3であり、さらに好適には1.8から2.3の間である。他の実施形態において屈折率プロファイルの1以上のセグメントは、実質的にステップ型の形状を有し、そのα値は850nmで測定して、8超、より好適には10超、さらに好適には20超である。
【0029】
本書では「ステップ型」プロファイルという用語は、コア内の異なる半径方向の位置でコアにおいて一定の屈折率を有する、屈折率プロファイルを含む。
【0030】
照明装置
本書で説明する本発明の少なくともいくつかの実施形態の、望ましい属性は、光拡散ファイバを利用し、ファイバの長さに沿って均一かつ高照度を実現する、照明装置である。
【0031】
少なくともいくつかの実施形態において、照明波長でファイバ側面から出る積分(拡散)光強度の強度変動は、ファイバの目標長さで20%未満であり、この長さは例えば、長さ0.02m〜100m(0.2mから10mなど)とすることができる。このファイバは例えば、従来の他の照明体の代わりとして使用することも可能であろうが、(i)従来の光源よりも大幅に薄く、従って薄い照明基板で使用することができる、および/または(ii)低温の光源として機能し得、すなわち必要な照明を生成している間に光拡散ファイバが熱くならない、といったさらなる利点を有し、後者の特徴は、ファイバ100、またはこのファイバを含有するファイバ束またはファイバリボンを、低温のままにする必要がある環境において使用するときに有利であるし、あるいは子供などが容易に接近し得る光源として使用される場所では、直接触れたときに誰かを火傷させてしまう可能性があると恐れることなく利用できるため有利である。
【0032】
典型的なファイバシステムは、ファイバに結合された光源を含み、このときできるだけ強い強度でファイバコアに光を提供するために、光源は光ファイバの開口数に等しい開口数を有する。典型的な光拡散ファイバでは、光がファイバコアから漏れ出して、コアを通って伝播している光の強度がすぐに指数関数的に減衰するため、このファイバの外側表面から外へ拡散される光の強度は、ファイバの長さに沿って光が伝播するにつれて減少する。しかしながら本書で開示される本発明の実施形態は、ファイバの長さに応じて強度が均一な光を提供することによって、この問題を解決する。
【0033】
図1Aおよび1Bを参照し、いくつかの実施形態によれば、照明装置1は、光源500に光学的に結合された少なくとも1つの光拡散光ファイバ(LDF)100を含む。「光拡散」という用語は、光拡散光ファイバ100の長さの少なくとも一部分に沿って光の散乱が実質的に空間的に連続であることを意味し、すなわち離散的な(例えば、点)散乱に関連するものなど、大きな飛びまたは不連続性は存在しない。従って、本開示に明記される実質的に連続した発光または実質的に連続した光散乱の概念は、空間的な連続性に言及したものである。光拡散光ファイバ100(例えば、図2A、2B参照)は、開口数NALDFのガラスコア110と、外側表面と、2つの端部100’および100”とを有する。ガラスコア110は、複数の散乱構造110A(例えば、マイクロサイズまたはナノサイズの構造)を含む領域116をコア内に有し、散乱構造110Aは、導波光を外側表面の方へ散乱して照明波長で50dB/kmを超える散乱誘起減衰を実現するように構成されている。散乱された導波光がファイバの外側表面を通って拡散して照明を提供する。照明装置1の光源500の開口数はNAS1であり、NALDF>NAS1である。理論に縛られるものではないが、光源の開口数が光拡散光ファイバ100の開口数よりも小さい場合、光拡散光ファイバ100のモードコンテンツを完全に満たすためには特定の「拡散距離」が必要であることに気が付いた。これに関して、特定の理論に縛られることを望むものではないが、光拡散ファイバでは、NAが低い光拡散光ファイバ100のモードコンテンツは、より高いNAのモードよりも、拡散性に起因して損失率が低くなる。従って、光拡散光ファイバ100のモードコンテンツを完全に満たすために特定の距離が必要であるため、ファイバの最初の部分での明るさ(すなわちLDFで提供される照明)は、拡散による光損失のためにファイバの長さの増加に伴ってすぐに減少することはない。代わりに出願者は、ファイバコアを通って伝播している光のモードコンテンツが増加するにつれて、コアを通って伝播している光の強度の指数関数的減衰を補償し、ファイバの長さに沿って比較的均一な照明を実現すると考えている。例えば光源500は、NALDF−NAS1>0.02となるように選択され得る。いくつかの実施形態によれば、NALDF>0.3であり、例えば0.3から0.5の間である。例えばいくつかの実施形態によれば、NALDFは、0.33、0.35、0.45、0.48、0.5、あるいはこれらの間でもよい。光源500およびファイバ100の開口数間の差と、そのNAの選択は、光拡散光ファイバ100のモードコンテンツが満たされる距離の長さに影響を与える。従って、特定の長さの光拡散ファイバが与えられると、光拡散光ファイバ100の長さに沿ってより均一な照明を提供するよう、光源の開口数とファイバの開口数とを選択することができる。いくつかの実施形態によれば、NAS1<0.3である。いくつかの実施形態によれば、NAS1<0.2であり、さらにいくつかの実施形態ではNAS1<0.1である。
【0034】
図1Aに描かれている実施形態において、光源500は、レンズ500Bに結合された光源構成要素500Aを含む。従って光拡散光ファイバ100は、ファイバ端部100’を介し、レンズ500Bを通じて光源構成要素500Aに光学的に結合される。図1Bに描かれている実施形態において光源500は、光送出ファイバ500Cに結合された光源構成要素500Aを含む。光送出ファイバ500Cと光拡散光ファイバ100との間の結合は、標準的な光ファイバカプラ500Dによって、または光拡散光ファイバ100のファイバ端部100’を送出ファイバ500Cの隣接する端部に接合することによって行うことができる。従って光拡散光ファイバ100は、ファイバ端部100’を介し、送出ファイバ500Cを経て光源構成要素500Aに結合される。
【0035】
光拡散ファイバ100は、例えばランダムに分布したボイドなど散乱構造を有する、1以上のコア領域を含み得る。ランダムに配置されたランダムなサイズのボイド(「ランダムエアライン(random air lines)」または「ナノストラクチャ(nanostructures)」または「ナノサイズストラクチャ(nano-sized structures)」とも称される)を有する光拡散光ファイバのいくつかの例は、米国特許第7,450,806号明細書、および米国特許出願第12/950,045号明細書に記載されており、この特許および特許出願は参照することにより本書に組み込まれる。あるいは、ファイバコア内の小さい光散乱粒子またはドーパントなど、他の散乱構造を利用することもできる。また代わりに光拡散ファイバ100は「粗面化された」コアを有してもよく、この場合コア‐クラッド界面でのコア表面の不規則さによって光は散乱する。他のタイプの光拡散ファイバを利用することもできる。光拡散ファイバ100は照明波長で、50dB/kmを超える、例えば100dB/kmから60000dB/kmの間の、散乱誘起減衰(すなわち、コア内の散乱粒子の吸収によるものではなく、ファイバの外側表面を通じて失われた光に起因する減衰)を有し得る。
【0036】
例えば図3は、光が200cm長の光拡散ファイバ100を通って伝播するときの、モデル化された光強度を示している。この例示的なファイバの実施形態を図4に示す。これは、λ=589.3nmで屈折率n=1.46である、半径62.5μmのコア110を含む。コア110は、散乱構造110A(この実施形態では、気体充填ボイド)を含む散乱領域を有する。モデル化は、米国ワシントン州レドモンド所在のラディアント・ゼマックス社(Radiant Zemax, LLC)から入手可能な、レイトレーシングソフトウェアアプリケーションZEMAXで行った。散乱構造110Aを含むコアの散乱領域(領域116)を、光子の平均自由行程と散乱角とにより特徴付けられる散乱ボリュームとしてモデル化した。モデル化された散乱平均自由行程(MFP)は3cmであり、散乱角は5°である。(MFPは光線が2つの散乱事象間を伝わる平均距離であり、また散乱角は単一の散乱事象の前後の光線方向間の平均角度である。)散乱領域の一部はシリカコアの屈折率よりも小さい屈折率を有し、残りの散乱領域はシリカコアの屈折率に近い屈折率を有すると想定し、散乱領域116(例えば、気体充填ボイド116’を含むガラスリング)内で導かれる光の進入を模倣する。より具体的には、この実施形態において散乱領域116は、気体充填ボイドを含む層116Aおよび116Bを含む。このファイバの開口数NALDFは0.34である。1つの例示的な実施形態によれば、照明装置1は、光源500に光学的に結合された少なくとも1つの光拡散光ファイバ(LDF)100を含み、このとき光源500のNAS1は0.17である。従ってNALDF>NAS1であり、より具体的にはNALDF−NAS1=0.17である。図3は、この実施形態の照明装置1では、モードが徐々に満ちることに起因して、ファイバ100の最初の長さ1mの光強度が増加することを示しており(プロットA)、従ってファイバの外側表面を通って拡散する光の損失に起因して失われる光の強度が補償される。図3は、比較照明装置のモデル化された強度をさらに示している(プロットB)。比較装置モデルでは、同じ光ファイバ100を利用したが、開口数0.36の光源にファイバを結合した。図3に示されているように、比較装置では、長さ200mの光ファイバを通って伝播している光の強度は連続して減少し、これは光源のNAがファイバのNAよりも大きかったためである。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、照明システムは単一の光拡散ファイバ100を含む。他の実施形態によれば、照明装置は複数の光拡散ファイバを含む。この光拡散ファイバは、真っ直ぐな構成で利用してもよいし、あるいは曲げてもよい。
【0038】
異なるタイプの光拡散ファイバまたは側面発光ファイバも、照明装置1内で利用し得ることに留意されたい。従って照明装置1は、(i)外側表面と、2つの端部と、コアと、クラッドとを有し、複数の散乱構造を含む領域を備えた、開口数NALDFを有する、光拡散光ファイバまたは側面発光ファイバであって、複数の散乱構造が、この散乱構造によって導波光を外側表面の方へ散乱して照明波長で50dB/kmを超える(および好適には100dB/kmを超える)散乱誘起減衰を実現するように構成され、散乱された導波光が外側表面を通って拡散して照明を提供する、光拡散光ファイバまたは側面発光ファイバ、(ii)光拡散光ファイバの一方の端部に光学的に結合された、開口数NAS1を有する光源、を備え、NALDF−NAS1>0.05である。このような照明装置に利用される光拡散ファイバまたは側面発光ファイバは、ファイバクラッド内および/またはコア/クラッド界面に、散乱構造を含み得る。いくつかの実施形態によれば、NALDF−NAS1>0.05である。いくつかの例示的な実施形態ではNALDF−NAS1≧0.1である。いくつかの例示的な実施形態ではNALDF−NAS1≧0.15である。いくつかの実施形態によれば、0.05≦NAS1≦0.3である。いくつかの実施形態によれば、0.31≦NALDF≦0.52である。
【0039】
図5に示されているように、いくつかの実施形態によれば、照明装置1は第2の光源550をさらに含む。この例示的な実施形態において、第1の光源500は光拡散光ファイバ100の他の端部100’に結合されており、第2の光源550は光拡散光ファイバ100の別の端部100”に結合されている。第2の光源の開口数はNAS2であり、ここでNALDF>NAS2、好適にはNALDF−NAS2>0.05である。例えばいくつかの実施形態において、NALDF−NAS2≧0.1である。さらに好適には、0.05≦NAS2≦0.3である。
【0040】
図1Bを参照し、いくつかの実施形態によれば、照明装置1は開口数NAdeliveryを有する送出ファイバをさらに含み、このとき(i)光源は送出ファイバの一方の端部に結合され、光拡散光ファイバは送出ファイバの別の端部に結合され、NAdelivery<NALDFである。例えばいくつかの実施形態において、好適にはNALDF−NAdelivery>0.05である。例えばいくつかの実施形態において、NALDF−NAdelivery≧0.1である。光拡散ファイバ100は、伝送ファイバまたは光増幅を提供するファイバ(例えば、コア内に利得媒体を含むファイバ)など、低損失の送出ファイバ500Cに容易に接続させることができ、それにより光源を光拡散ファイバ100から遠く離して置くことが可能になる。例えば送出ファイバ500Cは、コア直径50μmでNAdelivery=0.22、またはコア直径62.5μmでNAdelivery=0.22、あるいはコア105μmでNAdelivery=0.22の、標準的なマルチモードファイバでもよい。伝送光ファイバ500Cはその長さに沿って、一方の端部に送出された光の大部分が第2の端部に伝送されるような低光損失を呈する。図1Bに描かれている実施形態において、光源500は伝送光ファイバ500Cに結合された光源構成要素500Aを含む。この実施形態において、光源構成要素500Aから放出された光は、伝送光ファイバ500Cを通って光拡散光ファイバ100へと伝送され、光拡散光ファイバ100がこの光を周囲環境に散乱させる。伝送光ファイバは低光損失を呈するため、光拡散光ファイバ100を照らすのに十分な強度を有する光を、光ファイバ500Cを通じて延長した距離に亘って伝送することができ、そのため光源構成要素500Aを光拡散光ファイバ100から間隔を空けた位置に位置付けることができる。同様に、送出ファイバ500Cがレーザファイバである場合、あるいは光増幅を提供することが可能なファイバである場合、光拡散光ファイバ100を照らすのに十分な強度を有する光が光ファイバ500Cを通じて伝送され、光源構成要素500Aを光拡散光ファイバ100から間隔を空けた位置に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、伝送光ファイバ500Cとの光学的結合を通じたもの以外、光拡散光ファイバ100を光源構成要素500Aから電気的に、構造的に、さらに光学的に分離させてもよい。これは熱放散に対処する助けとなり、また照明装置の設計にさらなる柔軟性を与える助けになる。
【0041】
光源構成要素500Aから放出された光は光拡散光ファイバ100によって周囲環境内へと散乱されるため、光源構成要素500Aを光拡散光ファイバ100から遠く離れた位置に位置付けてもよい。従って、光源構成要素500Aで生じるいかなる熱も、光拡散光ファイバ100から遠く離れた位置で、光源の光源構成要素500Aから離れるよう伝達され得る。従って光拡散光ファイバ100の熱の温度は、周囲環境の周囲温度に略類似したままにすることができ、この照明ユニットを、熱的に「低温の」照明ユニットと説明することができる。
【0042】
図6に示されているように、いくつかの実施形態によれば、光拡散光ファイバ(LDF)100の一方の端部100’が光源500に結合され、かつ光拡散光ファイバの別の端部100”に反射面600が結合されるように、照明装置1は反射面600をさらに含む。例えばいくつかの実施形態において、光拡散光ファイバ(LDF)100は、反射面600を含む低コストの反射モジュール700に結合される。この実施形態において反射モジュール700は取外し可能であり、照明装置1の容易な再構成が可能になる。
【0043】
図6の実施形態において反射モジュール700は、ガラス直径125μmのファイバに使用される再利用可能なFC/PCコネクタなど、標準的なFCタイプのコネクタフェルール720に適合するサイズの管710を含む。管710の内径は、フェルールの外径よりも約2〜5μm広いことが好ましい。フェルール720は、反射面600への容易な接続のために、FCレセプタクルの出力ポートでファイバ100に取り付けられる。コネクタフェルール720は管710内にぴったりと適合するが、必要に応じて引き抜くことができる。管710は、その軸が反射面600に垂直になるように、縦軸平面に垂直な断面を有するように切断されている。この実施形態において、反射面600は2mm×2mm以下の寸法の小型のミラー610により提供され、管710はこのミラーに取り付けられる。フェルール720はミラー610に到達し、またミラー610は、例えばアルミニウムコーティング、あるいは反射フィルムまたは反射コーティングを備えた、小型のガラスプレート(例えば、厚さ0.6から1.1mmのディスプレイガラス)でもよい。光拡散光ファイバ(LDF)100は、必要なときに反射モジュール700から容易に取り外すことができる。この実施形態においてミラー610は、大型の薄い(例えば、0.7〜1mm)ガラスのシートから切断されたものである。ミラー610は、光源の波長(例えば、レーザダイオードLDにより提供される波長)で反射する誘電または金属コーティングを有し、またミラー610は管710に接着される。この簡単な設備は、劈開および研磨されたファイバ先端が反射面600に触れるようにフェルールに取り付けられる。この例示的な実施形態の反射モジュール700は、低コストのLDF用途のために、単一の光源を用いて端部ミラーを照明設備にする有効なおよびコスト効果の高い手法を提供する。
【0044】
図7は、照明装置1の別の実施形態におけるモデル化された光強度を示している。この実施形態において、光拡散光ファイバ100の開口数NALDFは0.35であり、ファイバ100の長さL=1.5mであり、さらに光源500の開口数NAS1=0.2である。より具体的には、光拡散光ファイバ100は、ファイバ端部100’を介しレンズ500Bを通じて光源構成要素500A(波長445nmで光を提供するブルーレーザダイオードLD)に結合されている。ファイバ100は、Ce‐Yag蛍光体を含む被覆を有する。このファイバの直径は500μmであった。この例示的なファイバは、白色光照明を提供する。ブルーライトから白色への色変換は、ファイバ100の被覆内に入れられたCe‐Yag蛍光体を利用して行われる。レンズ550Bからの出力開口数は0.22であり、レンズはファイバコアの端部100’位置で直径80μm未満のスポットサイズを生成する。スポットは、直径125μmのファイバコア110上に結像される。この実施形態では、NALDF−NAS1=0.13である。光ファイバ100の他方の端部100”を、アルミニウムミラー600に取り付けた。すなわちこの実施形態において、照明装置1は、光拡散光ファイバ(LDF)100の一方の端部100’が光源500に結合され、かつ反射面600が光拡散光ファイバ100の端部100”に結合されるように、反射面600をさらに含む。
【0045】
より具体的には、図7は、この実施形態のファイバの長さに沿ってCCDカメラで測定した、光強度分布を示している。光ファイバの一方の端部から光ファイバ100の他方の端部までの均一性は、この実施形態において約90%である(最小強度/最大強度=0.9)。このファイバの写真が図8に示されている。この写真は、ファイバ100の強度は均一であるように見えることを示している。すなわち図8は、このファイバが均一な照明を提供することを示している(端から端まで)。Ce‐YAGなどの黄リンをファイバ100の表面上に設けて使用すると。白色の光を提供するフレキシブル照明装置を明るくすることができる。図示のファイバの明るさは10000ルクスを超え得る。薄いガラスファイバの柔軟性により、光拡散ファイバ100を複雑な構成で配置することができ、また特殊な照明用途を形作ることができる。ファイバ100からの光を、照明目的でガラスシートに結合させることもできる。
【0046】
好適には、いくつかの実施形態によれば、光源500は200nmから500nmの波長範囲の光を生成し、かつ光拡散ファイバ100内の蛍光材料は、白色、緑色、赤色、またはNIR(近赤外)の光のいずれかを生成することができる。蛍光材料により散乱された光の波長は、ファイバコア内を伝播している光の波長とは異なる。いくつかの実施形態によれば、LDF100に結合された光源500は200nmから1200nmの波長範囲の光を生成し、これは光源(または複数の光源)の波長により決定される。
【0047】
照明装置のいくつかの実施形態によれば、光拡散光ファイバは、散乱/均質化被覆をコアの周りにさらに含む。散乱/均質化被覆は、例えば以下の散乱材料、すなわち、チタニア、アルミナ、ジルコニア、シリカ、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0048】
ここで図2Aおよび2Bを参照すると、光拡散光ファイバ100の一実施の形態が概略的に描かれている。光拡散光ファイバ100は概してコア110を含み、このコア110はさらに散乱領域を含んでいる。散乱領域は、例えば参照することにより本書に組み込まれる、米国特許出願第12/950,045号明細書、同第13/097,208号明細書、および同第13/269,055号明細書に示されているような気体充填ボイドなどの、散乱粒子または散乱構造110Aを含むものでもよく、あるいはセラミック材料のマイクロ粒子またはナノ粒子など、散乱粒子の含有物をファイバコア内に含むものでもよい。
【0049】
例えば、気体充填ボイド(例えば、エアライン)はファイバコア110全体を通じて生じ得、またはコアとクラッド120との界面付近に生じ得、あるいはコア内の環状リング内に生じ得る。気体充填ボイドはランダムに配置されたものでもよいし、あるいは系統立てたパターンで配置されたものでもよく、またファイバの長さに平行に走るものでもよいし、またはらせん状の(すなわちファイバの長軸に沿って回転している)ものでもよい。散乱領域116は、多数の気体充填ボイド、例えばファイバの断面内に50超、100超、または200超のボイドを含み得る。気体充填ボイドは、例えば、SO2、Kr、Ar、CO2、N2、O2、またはその混合物を含有し得る。ボイド(または他の散乱粒子)の断面サイズ(例えば、直径)は、約10nmから約10μmでもよく、またその長さは約1μmから約50mまで変化し得る。いくつかの実施形態において、ボイド(または他の散乱粒子)の断面サイズは、約10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、120nm、140nm、160nm、180nm、200nm、250nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、または10μmである。いくつかの実施形態において、ボイドの長さは、約1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1000μm、5mm、10mm、50mm、100mm、500mm、1m、5m、10m、20m、または50mである。
【0050】
より具体的には、図2Aおよび2Bは、大きな角度範囲(例えば、40°から120°、または30°から130°、または15から150°)に亘って均一な角度方向の散乱を提供するために、改良された被覆140またはジャケットをファイバの周りに備えている、光拡散ファイバ(LDF)100の一実施の形態を概略的に示している。例えば本書で開示される例示的な実施形態によれば、照明装置1は、40から120°の間の全ての視野角に対して、最小散乱照度と最大散乱照度との間の差が最大散乱照度の50%未満になるように、散乱によって実質的に均一な照明を提供するように構成される。
【0051】
この例示的な実施形態の光拡散ファイバは、複数の光散乱ナノ構造(気体充填ボイド)を含むガラスコア110と、ポリマークラッド120と、二次被覆130とを有する。ただし、いくつかの実施形態においてクラッド120はガラスである。上で論じたように、光拡散ファイバ(LDF)100の開口数はNALDFである。NALDF−NAS1>0.05(NALDF−NAS1>0.1)となるようなNALDFを有する他の光拡散ファイバまたは側面発光ファイバも利用可能である。
【0052】
図2Aおよび2Bに示されている実施形態において、コア部分110はシリカベースガラスを含み、その屈折率はnである。いくつかの実施形態では、コアの屈折率は約1.458である。コア部分110の半径は、約10μmから約600μmとすることができる。他の実施形態において、コアの半径は約50μmから約100μmである。いくつかの実施形態において、コアの半径は約30μmから約400μmである。他の実施形態において、コアの半径は約125μmから約300μmである。さらに他の実施形態において、コアの半径は、約50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、120μm、140μm、160μm、180μm、200μm、220μm、240μm、または250μmである。
【0053】
コア110内の散乱粒子および/またはボイド110Aを利用して、光拡散光ファイバ100のコア内を伝播している光を、この光がコア部分110から半径方向外向きに導かれ、ファイバの外側表面から出て行き、それにより光拡散光ファイバと光拡散光ファイバを包囲する空間とを照らすように、散乱させる。例えば散乱誘起減衰は、ボイド(または他の散乱物体)の濃度を増加させることによって、ファイバ100全体を通じてボイド(または他の散乱物体)を位置付けることによって、増加させることができる。また例えばボイド(または他の散乱物体)の位置が、コアの環状リング(例えば図4参照)の形の散乱領域116に限定される場合、ボイドを含む環帯の幅を増加させると、同じ密度のボイドに対して散乱誘起減衰が増加する。すなわち散乱光の大きさと、従って散乱誘起減衰の量は、散乱構造110Aのサイズ、その密度、および散乱領域116の(ファイバコア110全体のサイズに対する)相対面積に依存する。
【0054】
さらに図2Aおよび2Bを参照すると、光拡散光ファイバ100は、コア部分110を包囲しかつこれに直接接触している、クラッド120をさらに含み得る。クラッド120は、光拡散光ファイバ100の開口数(NALDF)を増加させるために、低屈折率(例えば、シリカに対して低下した屈折率)の材料から形成されたものでもよい。いくつかの実施形態において、クラッドの屈折率は約1.415未満であり、好適には1.35未満である。例えば光拡散光ファイバ100の開口数NALDFは約0.3超でもよく、いくつかの実施形態では約0.4超または0.5超でもよい。一実施の形態においてクラッド120は、韓国403-2, Moknae, Ansan, Kyunggi所在のSSCP社から入手可能なPC452などの、UV硬化性または熱硬化性のフルオロアクリレート、またはシリコーンなどの、低屈折率ポリマー材料を含む。他の実施形態においてクラッドは、イリノイ州エルジン所在のDSMデソテック社(DSM Desotech)製のCPC6などのアクリル酸ウレタンを含む。さらに他の実施形態においてクラッド120は、例えばフッ素またはホウ素などのダウンドーパントでダウンドープされたシリカガラスを含む。いくつかの実施形態においてクラッドは、高弾性被覆を含む。クラッド120は一般に、コア部分110の屈折率よりも小さい屈折率を有する。いくつかの実施形態においてクラッド120は、純粋シリカガラスに比べて負の相対屈折率を有する、低屈折率ポリマークラッドである。例えばクラッドの相対屈折率は、純粋シリカ(これを0%とみなす)に対して約−0.5%未満でもよいし、いくつかの実施形態では−1%でもよい。クラッド120は概して、コア部分110の外半径から延在する。本書で説明されるいくつかの実施形態において、クラッドの半径方向の幅は、約10μm超、約20μm超、約50μm超、または約70μm超である。いくつかの実施形態においてクラッドの厚さは、約10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、または100μmである。ガラスコアの直径が約50μmから200μmであり、かつクラッドの厚さが約50μmである場合、被覆されていないファイバ外径は150〜300μmである。上記のように、クラッド120はガラスまたはポリマーでもよい。ガラスクラッド120は、ファイバがハイパワーまたはUV用途で利用されるときに好ましいであろう。ファイバ100内の吸収損失は極わずかであり、またいくつかの実施形態において、散乱損失、従って散乱誘起減衰の量は、5〜7dB/mである。曲げ誘起損失は、曲げ半径が5mmのファイバでも小さくなり得る(光拡散ファイバ100のNALDFが例えば>0.35など高い場合、曲げ損失は小さい)。
【0055】
光拡散ファイバ100は、機械的ハンドリングを容易にするために全ての光ファイバにとって典型的な、二次被覆に相当する実質的に透明な層をさらに含み得る。例えば図2Aおよび2Bが示している光拡散光ファイバ100は、クラッド120を包囲しかつクラッド120に直接接触している、二次被覆層130を備えている。二次層はポリマー被覆でもよい。少なくともいくつかの実施形態において、被覆層130は、光拡散光ファイバ100の長さに沿って一定の直径を有する。
【0056】
光ファイバ100は好適には散乱層または散乱被覆140を含む。あるいは光ファイバ100を散乱ジャケットで包囲してもよい。散乱(均質化)被覆、ジャケット、または層140は、二次被覆130の上に位置させてもよい。いくつかの実施形態では、ファイバがどのように製造されるかによって、二次被覆層および散乱層を組み合わせて単一の被覆層140”にしてもよい。このプロセスは、光ファイバに対する線引き後のインク塗布に類似している。ただし、これを1ステップで線引きに組み合わせてもよく、この場合二次被覆は必要なく、散乱/均質化層140をクラッドの上に直接塗布してもよい。
【0057】
再び図2Aおよび2Bを参照すると、被覆、ジャケット、または層140は、散乱(均質化)層を含み、あるいは散乱(均質化)層であり、またポリマーベースの被覆でもよい。例えば、散乱ジャケットまたは被覆または層140は、散乱剤を追加し得る任意の液体ポリマーまたはプレポリマー材料を含み得る。これをファイバに液体として塗布してもよく、これが次いでファイバに塗布した後に固体に変わり得る。いくつかの実施形態において散乱層140は、ポリマー被覆(例えば、イリノイ州エルジン所在のDSMデソテック社製、アクリレートベースのCPC6など)、またはシリコーンベースのポリマーを含み、さらに散乱材料(例えば、ナノまたはマイクロ構造またはボイド)を含む。いくつかの実施形態においては、散乱剤を、コーニング社の標準的なCPC6二次光ファイバ被覆などの標準的なUV硬化性アクリレートベース光ファイバ被覆に混合させ、従って層130および140の両方の機能を単一の被覆140”(図1C)に結合させると最も効率的である。例えば一実施の形態によれば、拡散混合物を作製するために、質量で30%の散乱剤TiO2をDSM950−111二次CPC6光ファイバ被覆に混合し、次いでこの混合物を3本ロールミルに通すことによって、濃縮物を最初に作製する。これらの濃縮物を次いで、被覆として直接塗布するか、あるいは所望の散乱効果を生み出すためにDSM950−111でさらに希釈する。別の実施形態では、層140および130の位置を入れ替えてもよい(図2D)。他の実施形態において、層140はファイバ100を包囲しているものでもよいが、ファイバ100から間隔が空いているものでもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、散乱層140またはファイバジャケット(本書では散乱または均質化被覆とも称される)を利用して、コア部分110から半径方向に放出された、随意的なクラッド120および/または随意的な層130を通過した光の、分布および/または本質を高めることができる。ジャケットまたは層140内の散乱材料は、平均直径が約200nmから約5μmのナノ粒子またはマイクロ粒子を含み得る。いくつかの実施形態において、粒子の平均直径は、約200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μmである。散乱粒子の濃度はファイバの長さに沿って変化してもよいし、あるいは一定でもよく、またその質量パーセントは、光の均等な散乱を提供すると同時に全体の減衰を制限するのに十分なものとし得る。いくつかの実施形態において、散乱層内の散乱粒子の質量パーセントは、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を含む。いくつかの実施形態において、散乱層140は散乱材料の小さい粒子を含み、この散乱材料は、例えばTiO2、ZnO、SiO2、またはZrなどの金属酸化物または他の高屈折率材料を含む。散乱材料は、マイクロサイズまたはナノサイズの粒子、または気泡などの低屈折率のボイドをさらに含み得る。散乱層140は概して、クラッド120の外半径、または被覆層130の外径のいずれかから延在する(図2A〜2D参照)。本書で説明されるいくつかの実施形態において、散乱層140の半径方向の幅は、約1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、または100μm超である。
【0059】
いくつかの実施形態において、散乱材料は、白色インクなどのTiO2ベースの粒子を含有し得、これが光拡散光ファイバ100のコア部分110から散乱される光の、角度に依存しない分布を可能にする。いくつかの実施形態において、散乱粒子は散乱層内に副層を含む。例えばいくつかの実施形態において、粒子副層の厚さは約1μmから約5μmでもよい。他の実施形態においては、光拡散光ファイバ100から大きい角度(すなわち約15°を超える角度)で散乱される光の強度の、より均一な変動を実現するように、粒子層の厚さおよび/または散乱層内の粒子の濃度を、ファイバの軸方向の長さに沿って変化させてもよい。例えば、40から120°の間の全ての視野角に対する角度方向の照度は、最大照度の50%以内であり、いくつかの実施形態では30%以内である。いくつかの実施形態では、40から120°の間の全ての視野角に対する角度方向の照度は、最大照度の30%以内であり、いくつかの実施形態では25%以内である。
【0060】
いくつかの実施形態において、散乱層140内の散乱剤は、被覆材料の母材(すなわち、例えばベースポリマー)からの屈折率の差が0.05を超える、任意の散乱材料でもよい(例えば、ポリマーベースと散乱材料との間の屈折率の差が0.05超)。好適には、ベース材料と散乱材料との間の屈折率の差は少なくとも0.1である。すなわち、散乱粒子の屈折率は散乱層140のベース材料(例えば、ポリマーまたは他の母材)の屈折率より少なくとも0.1大きいことが好ましい。散乱材料(本書では散乱剤とも称される)は、固体粒子、液体液滴、または気泡でもよい。例えば散乱材料が固体粒子である場合には、これらの固体散乱粒子は有機でもよいし、または無機でもよい。散乱材料が有機である場合には、粒子は、顔料、またはポリマー、あるいはベースの母材内に粉末として取り込むことができる任意の有機材料でもよい。散乱剤は、結晶化および/または相分離によって、その場で生成することもできる。これらの例は、限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、シンジオタクチックポリスチレン、ナイロン、ポリエチレン・テレフタレート、ポリケトン、および、凝固の際にウレタン官能基が並んで結晶化する、ポリウレタンである。
【0061】
例えば母材の硬化または凝固の際、光散乱サイトとして機能する結晶を形成することができる。また、例えば母材を、母材内の材料混合物が硬化または凝固の際に相溶しないものとなって、光を散乱させることができる液滴または粒子へと相分離し、従って散乱サイトを形成するように、選択することができる。これらの例は、限定するものではないが、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー、ポリスチレン中のポリメチルメタクリレート、およびアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンであろう。
【0062】
散乱材料が無機である場合、散乱粒子は例えば、顔料、酸化物、または無機充填剤でもよい。有機および無機の両方の散乱粒子を、例えば固体を研削することによって、あるいは最初に小さい粒子として(例えば、エマルジョン重合またはゾルゲルから)生成することができる。好適には、固体の散乱粒子(または散乱剤)は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化セリウム、酸化スズ、および酸化アンチモンのような、無機酸化物である。研削したガラス、セラミック、またはガラスセラミックを、散乱剤として利用することもできる。石英、タルク、ムライト、コージエライト、粘土、霞石閃長岩、炭酸カルシウム、三水和アルミナ、硫酸バリウム、珪灰石、雲母、長石、葉ろう石、珪藻土、パーライト、およびクリストバライトのような、研削したケイ酸塩または無機充填剤を、散乱粒子として層140内で利用して、拡散光の均一な角度方向の照度を提供することができる。
【0063】
散乱層140内の散乱粒子の断面サイズは0.1λから10λであり、ここでλは、光拡散ファイバ100を通って伝播している光の波長である。好適には散乱粒子の断面サイズdは0.2λ超かつ5λ未満であり、またより好適には0.5λから2λの間である。散乱粒子の量は、質量で約0.005%から70%まで変化し得、好適には0.01から60%、最も好適には0.02から50%まで変化し得る。一般に、散乱層または散乱被覆140が薄くなればなるほど、より多くの散乱粒子がその散乱層内に存在しているべきである。
【0064】
図2Bを参照すると、図示の実施形態において、散乱されていない光は発生源から矢印150で示す方向に光拡散ファイバ100を伝播する。光拡散ファイバから出て行く散乱光は矢印160として角度170で示されており、この角度は、拡散光が光拡散ファイバ100を離れるときのファイバの方向と散乱光の方向との間の角度差を表す。いくつかの実施形態において、光拡散ファイバ100の可視および/または近赤外スペクトルは、角度170とは無関係である。いくつかの実施形態において、角度170が15°から150°の間、または30°から130°の間であるときのスペクトルの強度は、ピーク波長で測定して±50%、±30%、±25%、±20%、±15%、±10%、または±5%の範囲内である。従って照明装置1は、均一な角度方向の照明の他、ファイバ100の長さに沿って均一な照明を提供することができる。いくつかの実施形態において、角度170が、30°から130°または40°から120°の範囲内の全ての角度の間であるときのスペクトルの強度は、ピーク波長で測定して、少なくとも±50%、例えば±30%、±25%、±20%、±15%、±10%、または±5%の範囲内である。従って照明装置1は、均一な角度方向の照明の他、ファイバ100の長さに沿って均一な照明を提供することができる。従って、照明装置1は、少なくとも40°から110°の間の全ての視野角に対して、例えば40°から120°の間の全ての視野角に対して、最小散乱照度と最大散乱照度との間の差が最大散乱照度の50%未満になるよう、散乱によって実質的に均一な照明を提供するように構成される。いくつかの実施形態によれば、最小散乱照度と最大散乱照度との間の差は、最大散乱照度の30%以下である。
【0065】
本書で説明されるいくつかの実施形態において、光拡散光ファイバの長さは一般に約0.15mから約100mになる。いくつかの実施形態において、光拡散光ファイバの長さは、例えば約100m、75m、50m、40m、30m、20m、10m、9m、8m、7m、6m、5m、4m、3m、2m、1m、0.75m、0.5m、0.25m、0.15m、または0.1mである。
【0066】
さらに、本書で説明される光拡散光ファイバ(LDF)100の散乱誘起減衰損失は、波長550nmで約0.2dB/m超である。例えばいくつかの実施形態において、散乱誘起減衰損失(例えばエアラインなどの散乱中心に起因する減衰損失)は、550nmで、約0.5dB/m、0.6dB/m、0.7dB/m、0.8dB/m、0.9dB/m、1dB/m、1.2dB/m、1.4dB/m、1.6dB/m、1.8dB/m、2.0dB/m、2.5dB/m、3.0dB/m、3.5dB/m、または4dB/m、5dB/m、6dB/m、7dB/m、8dB/m、9dB/m、10dB/m、20dB/m、30dB/m、40dB/m、または50dB/m超になり得る。
【0067】
本書で説明されるように、光拡散ファイバを、ファイバの全長に沿って均一な照明を、あるいはファイバの全長よりも短いファイバのセグメントに沿って均一な照明を、生じさせるように構成することができる。本書で使用される「均一な照明」という表現は、長さに沿った照明を参照する場合、光拡散ファイバから放出される光の強度が特定の長さLに亘って25%を超えて変化しないことを意味し、ここで0.1≧L≧100mである。
【0068】
少なくともいくつかの実施形態において、ファイバの平均散乱損失は50dB/km超であり、また散乱損失は長さ0.2mの任意の所与のファイバセグメントに亘って、20%を超えて変化しない(すなわち、散乱損失は平均散乱損失の±20%以内、例えば±15%以内、または±10%以内)。少なくともいくつかの実施形態において、ファイバの平均散乱損失は50dB/km超であり、また散乱損失は長さ0.5mの任意の所与のファイバセグメントに亘って、20%を超えて変化しない(すなわち、散乱損失は平均散乱損失の±20%以内、例えば±15%以内、あるいはさらには±10%以内)。少なくともいくつかの実施形態において、ファイバの平均散乱損失は50dB/km超であり、また散乱損失は長さ1mの任意の所与のファイバセグメントに亘って、20%を超えて変化しない(すなわち、散乱損失は平均散乱損失の±20%以内、例えば±15%以内、または±10%以内)。少なくともいくつかの実施形態において、ファイバの平均散乱損失は50dB/km超であり、また散乱損失は長さ3mの任意の所与のファイバセグメントに亘って、20%を超えて変化しない(すなわち、散乱損失は平均散乱損失の±20%以内、例えば±15%以内、または±10%以内)。少なくともいくつかの実施形態において、ファイバの平均散乱損失は50dB/km超であり、また散乱損失は長さ5mの任意の所与のファイバセグメントに亘って、20%を超えて変化しない(すなわち、散乱損失は平均散乱損失の±20%以内、例えば±15%以内、または±10%以内)。少なくともいくつかの実施形態において、ファイバの平均散乱損失は50dB/km超であり、また散乱損失は長さ10mの任意の所与のファイバセグメントに亘って、15%を超えて変化しない(すなわち、散乱損失は平均散乱損失の±15%以内、例えば±10%以内、または±5%以内)。例えば少なくともいくつかの実施形態において、ファイバの平均散乱損失は50dB/km超であり、また散乱損失は長さ0.2m≧L≧10m、0.2m≧L≧20m、または0.2m≧L≧50mの任意の所与のファイバセグメントに亘って、20%を超えて変化しない(すなわち、散乱損失は平均散乱損失の±20%以内、例えば±15%以内、または±10%以内)。
【0069】
図9Aおよび9Bは、図2Aに示されている一例のファイバ100に対する、例示的な屈折率対ファイバ半径をプロットした概略図である。図9Aに示されているように、コア110は段階的なコアプロファイルを有し得、これは例えば1.7から2.3(例えば、1.8から2.3)の間のα値で特徴付けられる。この実施形態においてコア領域112は、中心線から半径方向外向きにその外半径R1へと延在し、また最大屈折率n1(および相対屈折率パーセントΔ1MAX)に対応する相対屈折率プロファイルΔ1(r)を有する。この実施形態において、基準指標nREFはクラッドでの屈折率である。この実施形態において第2のコア領域は、最小屈折率n2と、相対屈折率プロファイルΔ2(r)と、Δ2MINに対応する最小相対屈折率n2MINとを有する、散乱領域116(ナノ構造領域)である。第3のコア領域118は、最大屈折率n3と相対屈折率プロファイル(最大相対屈折率Δ3MAXおよび最小相対屈折率Δ3MINの相対屈折率プロファイルΔ3(r)であり、このときいくつかの実施形態ではΔ3MAX=Δ3MINである)を有する。この実施形態において環状クラッド120は、相対屈折率n4と、最大相対屈折率Δ4MAXおよび最小相対屈折率Δ4MINの相対屈折率プロファイルΔ4(r)とを有する。いくつかの実施形態ではΔ4MAX=Δ4MINである。いくつかの実施形態では、Δ1MAX>Δ4MAXおよびΔ3MAX>Δ4MAXである。図9Aに示されている実施形態では、Δ1MAX>Δ3MAX、Δ3MAX>Δ2MIN、およびΔ2MIN>Δ4MAXである。
【0070】
いくつかの実施形態においてコア領域112、118は、一定のΔ1(r)およびΔ3(r)の、図9Bに示されているような実質的に一定の屈折率プロファイルを有する。これらの実施形態のいくつかにおいて、Δ2(r)は僅かに正か(例えば、0<Δ2(r)<0.1%)、負か(例えば、−0.1%<Δ2(r)<0)、あるいは0%かのいずれかである。いくつかの実施形態において、Δ2(r)の絶対値は、0.1%未満、好適には0.05%未満である。いくつかの実施形態において外側クラッド領域120は、一定のΔ4(r)の、図9Bに示されているような実質的に一定の屈折率プロファイルを有する。これらの実施形態のいくつかにおいて、Δ4(r)=0%である。コア部分112は、Δ1(r)≧0%となる屈折率を有する。いくつかの実施形態において、ボイドで満たされている散乱領域116の相対屈折率プロファイルΔ2(r)は、絶対値で0.05%未満の負の屈折率を有し、またコア領域118のΔ3(r)は、例えば、正またはゼロでもよい。少なくともいくつかの実施形態において、n1>n2およびn3>n4である。
【0071】
いくつかの実施形態において、クラッド120は、−0.05%<Δ4(r)<0.05%の屈折率を有する。他の実施形態において、クラッド120およびコア部分112、116、および118は、純粋な(アンドープ)シリカを含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態において、クラッド120が利用される場合、クラッド120は純粋シリカ、Fドープシリカ、またはF(フッ素)/B(ホウ素)共ドープシリカを含む。いくつかの実施形態においてクラッド120は、純粋な低屈折率ポリマーを含む。いくつかの実施形態において散乱領域116は、複数のボイド116’を有する純粋シリカを含む、ナノ構造領域である。好適には、任意のボイドの存在を考慮して、ナノ構造散乱領域116の最小相対屈折率および平均有効相対屈折率の両方は−0.1%未満である。
【0073】
これらの実施形態において、散乱構造110Aは気体充填ボイド、例えばエアラインである。ボイドはアルゴン(Ar)、窒素(N2)、酸素(O2)、クリプトン(Kr)、CO2、またはSO2、またはこれらの混合物など、1以上の気体を含有するものでもよく、あるいは実質的に気体を含まない真空を含んだものでもよい。しかしながら、いかなる気体の存在または欠如に拘らず、ナノ構造領域116内の平均屈折率はボイドの存在に起因して低下する。ボイドなどの散乱構造110Aは、ナノ構造散乱領域116内に、ランダムにまたは不定期に配置され得る。他の実施形態において、ボイドはナノ構造散乱領域116内に、周期的に配置される。
【0074】
実施形態例において、コア部分112はゲルマニウムドープシリカを含み、コア内側環状領域118は純粋シリカを含み、またクラッド環状領域120はガラスまたは低屈折率ポリマーを含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、ナノ構造散乱領域116は純粋シリカ内に複数のボイド116’を含み、またこれらの実施形態のさらに他のものにおいて、ナノ構造散乱領域116はフッ素ドープシリカ内に複数のボイド116’を含む。
【0075】
いくつかの実施形態において、コアの外半径Rcは10μm超かつ600μm未満である。いくつかの実施形態において、コアの外半径Rcは30μm超および/または400μm未満である。例えばRcは125μmから300μmでもよい。他の実施形態において、コア110の外半径Rcは(図9Aおよび9Bに示されている実施形態では、Rc=R3であることに留意されたい)50μm超かつ250μm未満である。コア110の中心部分112の半径は、0.1Rc≦R1≦0.9Rc、好適には0.5Rc≦R1≦0.9Rcである。散乱領域116の幅W2(この実施形態ではナノ構造領域の幅)は、好適には0.05Rc≦W2≦0.9Rc、好適には0.1Rc≦W2≦0.9Rcであり、またいくつかの実施形態では0.5Rc≦W2≦0.9Rcである(同じ密度のナノサイズ構造では、より広いナノ構造領域は、より高い散乱誘起減衰を与える)。固体ガラスコア領域118は、0.1Rc>W3>0.9Rcとなるような幅Ws=W3を有する。コア110の各部分は、シリカベースガラスを含む。ナノ構造散乱領域116の半径方向の幅W2は、1μm超であることが好ましい。例えばW2は5μmから300μmでもよく、好適には200μm以下でもよい。いくつかの実施形態において、W2は2μm超かつ100μm未満である。他の実施形態において、W2は2μm超かつ50μm未満である。他の実施形態において、W2は2μm超かつ20μm未満である。いくつかの実施形態において、W2は少なくとも7μmである。他の実施形態において、W2は2μm超かつ12μm未満である。コア領域118の幅W3は(R3−R2)であり、またその中間点R3MIDは(R2+R3)/2である。いくつかの実施形態において、W3は1μm超かつ100μm未満である。ファイバ100の開口数(NA)は、ファイバ内に光を向ける光源のNA以上である。好適にはファイバ100の開口数(NA)は0.2超であり、いくつかの実施形態では0.3超であり、より好適には0.4超である。
【0076】
いくつかの実施形態において、第1のコア領域112のコア外半径R1は、好適には24μm以上かつ50μm以下であり、すなわちコア直径は約48から100μmの間である。他の実施形態ではR1>24μmであり、さらに他の実施形態ではR1>30μmであり、さらに他の実施形態ではR1>40μmである。
【0077】
いくつかの実施形態では、環状散乱領域116の半径方向の幅の50%超で|Δ2(r)|<0.025%であり、さらに他の実施形態では、散乱領域116の半径方向の幅の50%超で|Δ2(r)|<0.01%である。いくつかの実施形態において、クラッド120の相対屈折率プロファイルΔ4(r)の最大絶対値は0.1%未満であり、またこの実施形態においてΔ4MAX<0.05%およびΔ4MIN>−0.05である。
【0078】
クラッド120は、被覆されていない光ファイバの最も外側の外縁でもある、半径R4まで延在する。いくつかの実施形態において、クラッドの幅R4−R3は20μm超であり、他の実施形態においてR4−R3は少なくとも50μmであり、さらにいくつかの実施形態においてR4−R3は少なくとも70μmである。
【0079】
別の実施形態において、コア110全体はナノ構造(例えばボイド116’で満たされた)であり、またコア110はクラッド120で包囲されている。これらの実施形態において、コア110全体はボイドで満たされた散乱領域116である。コア110は「ステップ型」の屈折率差分を有するものでもよく、または段階的なコアプロファイルを有するものでもよく、αプロファイルは例えば1.8から2.3の間のα値を有する。他の光拡散ファイバは、コアクラッド境界あるいはクラッド内に位置している散乱構造を利用してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 照明装置
100 光拡散光ファイバ(LDF)
100’、100” ファイバ端部
110 ガラスコア
110A 散乱構造
116 散乱領域
120 ポリマークラッド
500 光源
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B